ハイアライト Hyalite
和名は玉滴石。
この読み方ですが、ギョクテキセキ・タマダレイシ両方ありました。
個人的にはタマダレイシが好きです(笑)
別名 グラスオパール
ハイアライトは、オパールの仲間。
オパールと言われると、キラキラの遊色を思い浮かべる方が多いと思いますが、遊色のないオパールも存在しています。
コモンオパールと言われるオパールで、ザクっというと遊色のないオパールはコモンオパールという分類が該当となります。
そのコモンオパールの中でも、美人さんの部類に入るのでは?と思うところのハイアライト。
その形はブドウの房がくっついたような、まさにタマダレな形。
そして色は無色透明~白色となります。
遊色が出るオパールと出ないオパール
オパールはなぜ、遊色の出るものと出ないものがあるのでしょう。
その昔、オパールの遊色は、そのオパール自身の中の細かい細かい割れ目が光の干渉を起こしていると考えられていたそうです。
ですが、1960年代、電子顕微鏡でオーストラリア産のプレシャスオパール(遊色のあるオパール)を見たところ、同じ大きさのケイ酸球がみっちりと積み重なっているということがわかりました。
一つ一つの球の大きさが等しいということより規則性のある格子となるため、光の回折と干渉が起こり遊色がでます。
※回折 光を波と考えると、進行方向に障害物や小さな隙間等があると波(光の波長)は壁などの裏側にも回り込むように進むことをいいます。
※干渉 光を波と考えると、波と波がぶつかった時、それぞれの波の形(光の波長)で強めあったり弱めあったりします。
シャボン玉の表面を見ていると、くるくる動きながらいろいろな色に変化していきますが、このことを言います。
コモンオパールは遊色が出ないものと先に述べましたが、ケイ酸球の粒の大きさが不揃いのため遊色が出ないものということになります。
その仲間であるハイアライトはもちろん遊色は出ません。
遊色にフォーカスしましたが、蛍光するハイアライトがあります。
自然界のウランをとりこんでいるものは緑色に蛍光します。
結晶していない鉱物
オパールは結晶していない、非晶質である。
これは、どのようなことか?
結晶するとは、原子や分子、イオン等が規則正しく配列している(規則正しく原子配列している=結晶構造)個体で、化学式にした時きちんと表記が可能です。
オパールの場合、ケイ酸球が構成単位でその球がみっちりと詰まった状態で、なおかつ水を含んでいます。
分析しようと試料を調べた場合、この水の量が試料ごとにちがってしまい、化学式が違ってきてしまいます。
他には黒耀石も非晶質です。
保管
オパールは乾燥で割れるという現象が起きやすいです。
私は大き目の原石はたまに取り出して水につけて、小さな密封袋に保管し、保管場所もこのPCがおいてあるテーブル(ガラス製のコレクションテーブル使用しています。)すぐ見える・気づく(笑)場所においています。
小粒は水につけっぱなしにして、試験管にゴム栓というような形で保管しているものもあります。(ちなみに、琥珀の原石も同じ場所において同時にお手入れ&癒やしタイムとしています。)
ハイアライトは乾燥に比較的強いという話を聞いたこともあり、水には今のところつけずにすぐ見える場所(笑)に保管し確認してます。
それぞれの環境にも左右されますので、何より見える場所に置くのが一番かなと経過観察しています。
国産オパール
国産オパールである、富山県立山温泉産の魚卵状オパール。
1~2ミリほどの小さな粒が集合体もしくはころころと球状の粒となって産出されます。
そしてこちらは「新湯の玉滴石産地」という名称で、国天然記念物指定となっています。
また、福島県宝坂産のオパールも有名です。
こちらは遊色のあるオパールです。
スタフェル石 Staffelite
写真のマッドな真っ白い丸い形の部分はスタフェル石です。
このスタフェル石は、燐灰石 APATITEの仲間です。
母岩に皮のようにくっついた状態や、ブドウの房のように丸い形をしています。
炭酸-弗素燐灰石~Carbonate-fluorapatiteもしくはCarbonate-rich Fluorapatiteと呼ばれます。
こちらは以前、燐灰石の独立種とされていましたが、現在は、フッ素燐灰石の仲間となっています。
フッ素燐灰石 Ca5(PO4)3F
炭酸フッ素燐灰石 Ca5(PO4,CO3)3(F,O)
ちなみに…
燐灰石は大家族です。
wikiのこちらを参考にしてください。
オパールの記事はその分類をメインに書いています。
こちらの記事と合わせて読んでいただければと思います。
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