#スイッチ入れ忘れちゃったおばちゃん
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単なる光の屈折とか
虹を生き物と見なしていた古く中国では、大きなものを雄、小さなものを雌として、雄は「虹」、雌は「霓」と漢字表記も書き分けていたらしい。性の多様性を象徴するレインボーにも雌雄の別があるな��て、なんて皮肉なのかしら。結婚式でロットバルトバロンの"霓と虹"をかけた。図らずも示唆に富んだ選曲だったらしい。
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サッカーの欧州選手権の決勝を朝4時に起きて観た、ということを書こうと思ってしばらく経っていた。ハーフタイムでお腹が空いたのでパンケーキとハムを焼いて、朝5時からバドワイザー飲んだ。ラミン・ヤマルの台頭、ハリー・ケインの呪い、そしてイングランドの敗北を見届けてもう一度床に就き、浅い短い眠りを何度か繰り返すうちにピピピピピピというアラームが台所の方からきこえて、起きて見に行くとガスコンロのスイッチが入ったままで安全装置が作動していた。時計を見たら正午だった。
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五輪開幕を控えたパリの情況を伝えるニュースで、セーヌ川のほとりに係留された船で暮らしているという女性が取材されていた。『河岸忘日抄』じゃん! と思って興奮した。一番好きな小説のひとつ。堀江敏幸みたいなものが書けたらいい、と一時うぬぼれていたこともあった。話らしい話のない話。
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26年振りに田辺さんに会った話
昔は現在の釣りフェスティバルが東京国際釣り博と呼ばれ、まだ幕張メッセで開催されていた。僕は中学校1年生で初めての釣り博で興奮気味に電車を降りた時、確か隣のドアから降りてきた人物を見つけ、まだ会場に着いていないにも関わらずその興奮度メーターは丁度ドラゴンボールZのスカウターのように爆発して消し飛んだ。本物の田辺哲男だった26年も前の話らしい。
興奮し過ぎてよく覚えていないけど、多分子供特有の勢いで物怖じせず写真をお願いして、駅を歩く誰かにシャッターをお願いしたのだろう。覚えている限り当時雑誌やカタログ、テレビで見て憧れた人の中で、実際に目にして直接自分に話す声を聞いた唯一の人だと思う。
ご存知の人もいるかもしれないが、僕がメインで使っているベイトリールはスコーピオンクイックファイヤー、またの名を”白スコ”なんて呼ばれたりする古いリールである。当時周りの釣り友達がスコーピオンだメタニウムだと赤いリールを手にするのを見て「皆が赤なら俺は白だぜ」みたいな天邪鬼スイッチが入ったのも否めないが、きっかけは田辺さんがクイックファイヤーとIGハイスピードと併せて使っていたからだ。どれだけドラグが弱っていようが小型電動リールみたいとディスられようがこのリールを使い続けるのはもちろんリール自体に愛着もあるしただ自分に馴染んでいるのもあるけど、思春期に脳裏に焼きついたカッコイイ釣りの衝撃はそうそう消せないものなのだ。少年時代、ブラックバス釣りに始まり海外で釣りをするというビジョンを一番見せてくれたのは間違いなくこの人だった。
僕が釣り業界に足を踏み入れてからもう10年は経っただろうか。今まで田辺さんと話す機会なんてその気になれば何度もあったし、実際に遠目に見かけたこともあったけど、心のどこかで田辺さんから僕を認知してもらって出会い直したいという馬鹿げた勘違いドリームを常に心のどこかに隠していた。「君もオーストラリアでバラやるの?」と田辺さんに話しかけられたり、パイクを初めて釣ったスピナーベイトはクリスタルSですとかそんな話をしながらいつか一緒にどこかで釣りができるんじゃないかとお花畑に暮らしていた訳で、それは一つのモチベーションみたいなところもあったり、恥ずかしさとか意地とか、憧れとかいろいろなものが入り混じってとにかくただただ待っていた。何をだよっていう話だ(笑)。
しかし2023年、久しぶりのリアル開催となった釣りフェスティバルでいとも容易くその決意は揺らいだ。詳しい経緯はよく知らないけどジェンキンスチャンネルのカメラマンのゆうちょんが気付けば売れっ子動画クリエイターとなりなんとノリーズの仕事もしていて、その担当者さんがジェンキンスのことを知ってるから紹介してあげるとか言うものだから、、、。勝手に恋焦がれて、だけど今の自分ごときではまだ会えないとか勝手に決めつけていたのに我慢できなくなり、ブースに行くなら急に会いたいと思ってしまった。もう会いたくて会いたくて震えて気づいたら手に汗握ってスタッフ出入り口で出待��していた。
会った瞬間のことは緊張して正直よく覚えてない。ただこの歳になっても自分って緊張するとボソボソ喋るし話す順番はめちゃくちゃだし、変な顔でニヤニヤするんだなってとこだけ冷静に分析。でもはっきりオーラを怖いと感じた。自然に対する畏れ(おそれ)の怖いと同じ種類というか、完全に気圧されて、もっと伝えたかった田辺愛の2割ぐらいしか言葉にはできなかったけど、自分にとっては忘れられない2度目の邂逅。いわゆる爪痕は何も残せなかった。 古い写真を見せると「随分懐かしい写真だな〜」と目を細めてくれて、クイックファイヤーを何台も持ってると写真を見せたら多分若干引いていたような気がした(笑)。「そんな無理して使わないでいいよ」って言われて、一生使おうと再度決意した。こんな天国と地獄の入り混じったような濃密な機会を与えてくれたゆうちょんと担当のY氏には後日何かご馳走したい。
今年は色々と変化の年で、心機一転頑張らないといけないものも浮き彫りになっていた中でこれは神様が僕にくれた最高の応援だと思う。今後僕の釣りや生き方が世界の田辺哲男とクロスオーバーすることはないかもしれないし今の自分では思い描いていたお花畑に花が咲くことはないことも重々理解しているけど、これまでだって何度も願ったり宣言したり、勘違いを貫き通したからこそ実現したこともたくさんあった。仲のいい人は知っていると思うけど、僕は本当に滅多に人に憧れない。だけど昔も今もしっかりと憧れている。ぽわぽわしながら駅に歩いている頭の中でまた懲りずに妄想を繰り広げる自分、がんばれよ!!
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前の車と比べて今の車の気に入らないところを書く。
でかい。のに、運転席が狭い。ステアリングシャフトがオフセットしている。シートが合わなくてケツが痛くなる。これが一番気に入らない。前の車は3日走り続けてもなんともなかった。
前の車のは明らかに抵抗がない3ターンシグナルの範囲があって、そのあとに"か、っくん"とウィンカーが入る。BMWは一貫してウィンカーレバーの操作感が気持ちいい。操作系はだいたい気持ちいい。
今の車も3ターンついているのに、どこからどこまでが3ターンなのかわからないまま"ぐあわっちゃあん"とウィンカーが入る。操作感がめちゃめちゃ安っぽい。3ターンは範囲がわからないので使っていない。
フューエルリッドはどちらも押せば開くのだが、今の車は樹脂製で剛性がなくスイートスポットを外して押すと変形するだけで開かない。前の車のフューエルキャップはトルクリミッターが付いていて常に一定荷重で閉められる。だから開けるときも力がいらない。開けるとキャップの内側に棒が出ていて、これをリッドの裏側に刺すようになっている。わかりやすいし安定して固定できるし、リッドからキャップが飛び出しているので締め忘れ防止になっている。キャップを閉めるときには向きを気にしないで突っ込んでカリカリ言うまで閉めればいい。
今の車はうんと力入れて開けないと開かない。開けたらリッドの裏に、ここに置くんだろうなあと思われるブラケットに載せるが載せ方の正解がわからない。落ちそうになる。閉めるときが最悪でどの向きで刺すのが正解なのかわからないので毎回ガチガチやる。
インパネが小洒落てて夜間はどれが何のスイッチなのかわからない。ルームランプつけようとするとエマージェンシーコールのボタンをおしてしまう。
パワーシートのスイッチがドアについてる。座ってるときも操作しにくいが掃除のときに外から操作するときは本当に使いにくい。なぜかランバーサポートのボタンだけシート側についてる。
前の車はドアを開けたキー毎にシートポジションを覚えていて調整してくれたが、今の車にはそういう機能はないようだ。
前の車のときにそうしてたので、リバースギアに入れると左のミラーが下を向くように設定しているが、何故か1回内側に向いてから下側を向く。バックしようするその一瞬ミラーがあってない状態になる。
その状態の前には大体インパネにリバースに入れる際にはブレーキをしっかり踏んでくださいと表示されてリバースに入っていない状態がある。
ステアリングコラムにレバーが4本���えてて、しょっちゅう間違う。間違えてスピードリミットスイッチ押したときは最悪。
センターコンソールのダイヤルコントローラーの上に邪魔するためのタッチパッドがついてる。タッチパッドだと手書きで文字入力ができるらしい。誰がそんなことするのか。ただただ邪魔。ダイヤルもタッチパッドも操作に統一性がなくて使いにくい。メニュー・コマンドがあっちにこっちに配置してある。
ラジオは合わせるだけで変わるのに音楽再生は合わせて更に選択操作が必要とか。ラジオは合わせるだけで変わるので何かがタッチパッドに触わると勝手に変わる。カーナビは色使いが生理的に無理なので使っていない。
小物入れがセンターコンソールのボックスしかない。そして、これが両開き。開くときはボタンで左右に開くが閉めるときに右、左と別々に閉めてやらないといけない。普通に後ろヒンジにしてくれれば開けて閉めてってワンアクションなのに。
エンジンが回らない。上の方はまったく回らない。
前の車より大きくて重くてパワーがないのに後輪は前の車より太いタイヤを履いてる。買うまで気が付かなかったが前後輪のサイズが違う。
9速である。しかし、60km/h巡航だと5速までしか使わない。そして、実は普段は2速発進する。実質4速。下りで100k/h巡航で8速。ネットで9速に入りますか?って質問してる人がいた。
9速あって2速発進する車は自分でシフトしようとすると何速が適切なのかわかないのでマニュアルシフトは諦めた。幸いオートマが賢いのでこれは問題にしてない。
普通に走ってるときに突然うるさくなったと思ったら、ルームランプが点灯してることに気がついて、次にインパネでドア開きのウォーニングランプを確認した。段差を乗り越えたとかなんとか一切なく、ただ走っててドアが開いた。たまたま締め方が悪かったんだと思いたかったが、これが3回起きた。運転席と後席。ドアがアルミで剛性が足りてないんじゃないかって思ってる。
このあいだのインナーフェンダーがちぎれたのは未だに信じられない。
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おっとっ登場 まったくもう家に帰りたくな〜いと想う日々、荷物の整理はコツコツ進んでおります 日当たり風通し良好で希望は三茶あたりがいいなあと みりちゃん出産まで100日切りました!誕生日ケーキありがとう^^
いいか君、あの娘を1ミクロンでも悲しませたら殺すよ、それで私も死んで男に生まれ変わって結婚して唯一無二の家族になるんだから お父さん、彼女の事は僕に任せてください つってね〜へへ〜ん 何の曲で手掴まれたか忘れたのありえない!いや、ペンネシャーペンやったかもしれん
��母様からいただいたキンキンっのおビール2ℓ 泣 会社の畑で大量に咲いたひまわり 長生きするように葉っぱとったけどひまわりのかわいさは葉っぱだったことに気づき悲しくなる 付き合って3年だとこれから倦怠期入ることですし最後に楽しんどく?ってことでグランピング行ってたらたら遊んでライブで締めてしやわせ3日間フワフワ日記書けるかと思ったのに海に放置して歩かせたら背中ケガして能登でビール飲んで運転法律的に拒否し不機嫌にさせてしまい、大騒動ライブ後に平常心スイッチが誤作動で切れて困らせてしまう始末 恋焦がれたルーキーだったのに後味悪くなってしまい、嫌な思いでにさせたことは本当に申し訳ないと思っています 彼には直接膝をつき合わせ、ごめんなさいをしました。猛反省 はじめて落ち込んだ 安心する物体と四六時中一緒にいすぎるの体質上よくない���柔らかい地獄とはこのこと 安全に帰れればはなまるあげちゃいます^∇゜)だったのにヨ(T . T) 自分に幻滅、これ以上させないでって話!なんだよね もうちゃんとひとりで立てよって話!なんだよね でも金沢で一番美味しいお店2個見つけれて最高🎶ずっと頭パーになってないとだめなの!朝までつきあって!あさのノリ方バスケ部滲みすぎてて本当におもしろい運動部じゃなくて絶対バスケ部 次はハーキーと残り数秒で勝ち負け決まるフリースロー1本もらったの落として負けた人 してもらおう 声嫌なんで飲んだくれday&night 加入します!それ歌わせろマイクかせ
晴れうれしい〜!初入道雲!ばいばい
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日記 / 5.7 / 写真を再び
どうもここ数ヶ月、写真が撮れなかった。半年前から撮っている写真のシリーズについてのことだ。製本ワークショップに参加して製本してみて、一度立ち止まって俯瞰的に見てみようと試みたが、これがまさかの急ブレーキとなってしまった。本の形になった高揚感に浸りつつ、「足りない」こと探し、粗探しを繰り返した結果、撮影を始めたときに抱いていた前のめりな感覚を忘れてしまっていたように感じていた。
京都国際写真祭でそれに拍車がかかった。凄みのある作品を三日三晩浴び続けることで、着眼点や撮影の技量、熱量、我が事とする力強さ、数え切れないポイントと比較ばかりして苦しくなってしまっていた。正直、息ができていない状態に陥っていた。1年前は「制作」をしていなかったから、どの作品も憧れのような対象だった。尊敬する写真家の自宅に訪ねて相談させてもらったり、他の写真家の方には、勤務中に彼の働く会社まで足を運んで助言を請うたりした。ようやく、自分なりの視点を持って撮影してこれたのではと、思った今年のはず…と思っていたのだが、違った。「作品をつくるようになった若い人」(と言われるようになった)��、先人たちから厳しいレビューを受け、落ち込んでしまったのだ。この落ち込みを誰かに解消してもらうことなんてできないし、親しい友人に話しても、結局情けをかけてもらいたいという気持ちから始まってしまうわけで、健全ではなかった。
先週には、撮影をお願いしていた方と長い時間お茶をして撮影に望んだが、正直に伝えた。「今は撮れるような状況ではない」と。相手からも、見透かされたような気がして、ブローニーフィルム一本を撮り切ることだけにしか集中できなかった。つまり被写体との対話ができていたとは言い難い。きょう、現像から上がってきた写真たちは、それなりに撮れているのだが、撮ったときの感情をまだ記憶しているので素直に見ることができないことで思い知らされた。現像があがるまでの高揚感、ポジティブな気持ちを抱いていなかったことに気づいた。
ここまでネガティブなことばかり書き連ねているのだが、ようやくトンネルを抜け出せそうな感覚をきょうは覚えた。一日を振り返りながら、いろいろ考えてみようと思ったからきょうは書こうと思う。
まずは、久々に早朝に起床できたことに始まる。朝マックに足を運び、エッグソーセージマフィンのセットを食し、スイッチを入れる。朝ごはんを食べると血糖値が高まり、血の巡りを感じる。ファストフードとはいえ、気持ちが前向きになったようだった。その勢いで、都内の展示へ。本当は丸木美術館に行きたかったが、せっかく晴れている日、2時間も電車に乗るのがもったいないと思い、終了日前日なのに諦めた。
昨日、WHOがコロナ緊急事態宣言の終了を発表。週明けにはコロナが第5類に移行する。パンデミック下に置かれていた日常は、ようやく活気づいてきたことを武蔵小杉から乗り換えた行楽日の総武線快速で感じた。先月行った京都も、外国人観光客が戻ってきて、マスクをしている人がほとんどみなかったので、不思議ではないのだが、東京にもコロナ前の日常が戻りつつあった。そんなことを思いながら、上野に着くとすごい人だった。動物園に並ぶ人々の姿も見えた。美術館前で記念撮影をする人。にぎやかな声が聞こえてくるから、自然と触発される。
向かったのは東京芸術大学陳列館。「解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐」(脱境界:インターアジアの木版画実践)(※)を見るためだった。初夏の日差しに浴びる青々とした葉をつけた木々が陰をつくる上野公園がこんなに気持ち良いとは思わなかった。陳列館の2階は、天窓から優しい日光が注ぎ込み、版画がすられたキャンバスや布がゆらゆらとしていた。版画は力強かった。日本、韓国、中国、香港、台湾、フィリピン、インドネシアのアーティストの作品をゆっくり何周もしながらみる。印象的だったのは、タイトルの通り、ボーダーを越えていくことの希望だ。
點印社(香港)の「私たちは輪になって食べる、刷る」は横長の大きな版画。テーブルでご飯を食べる様子を描いているのだが、そこに描かれているのは、人間だけでなく、シャチや、犬など動物もいる。コロナ禍によって幾多の国境が閉ざされた世界で、異なる国籍や民族やルーツ、バックグラウンドを持つ人々の間に境界線が引かれるようになったことを忘れてはいけない。そんな時代だからこそ、他者との時間を共有することを肯定し続ける力強さを感じた。登場する人々や、動物の表情は笑顔で豊かで、美しかった。決して丁寧に、きれいにつくられたわけではないけれど、その雑然さを版画で刻む描くことの尊さを感じた。
韓国のキム・オクさんが制作した7枚の版画からは、いつか未来で消える朝鮮半島の南北の境界線を想像させた。30年以上に渡り、朝鮮半島南部をくまなく歩き、フィールドワークしてきたというキムさん。農村地帯など韓国の原風景が描かれた7枚は、南北統一という先に続きがうまれるはずだという期待を抱かせ、そしていまだ解決しない南北問題について、極東の島国にいる自分をハッとさせた。
何よりエンパワーメントされた。この展示の作家の多くが社会運動に参画し、運動を活性化させたり、アジテーションを強化するという目的を持ったりしながら制作しているということを掲示されているテキストで知る。政治的抑圧に抵抗する。それは大きな主語を語りがちのように感じられるが、版画を刷るということによって我が事として捉える身体性が一層増していくように感じた。何より、作家自ら社会に対して、異議申し立てをするまでのプロセスを、自らの生活実践の場において果たそうとする姿勢が感じられた。だからこそ、「私たちは輪になって食べる、刷る」のカラフルな描き方に心が揺さぶられたのだろう。
何より、描いて、版を作り、刷るという繰り返しを諦めない。その先に、社会的に生じている苦しさから解放されるように思えた。新聞記者として多くの時間を、社会的課題について考えようとしながら、当事者性があるかどうかなど悩み、写真撮影においても強度があるかないかなど気にしていた自分にとって、今までの悩みがちっぽけに思えたし、何よりそうだ、自分が言いたいことを言えばいいんだと思えた展示だった。
彫り続ける作家たちの姿勢に刺激をもらい、浅草に移動してから���ったタリーズで本を開いた。坂口恭平の「継続するコツ」だ。数ヶ月前に綴方で購入したまま開いていなかったが、効果てきめんだった。「才能という言葉」の呪いにかけられたように、他者の作品を羨望の眼差しで見ていた。そして、撮影ができない状態に陥っていたけれど、それは「比較が始まり、否定が始まり、手が止まる」という項で正体が書かれていた。ある程度、自分がやりたいことを続けていくと「慣れ」が生じるというのだ。「慣れ」。なるほど。確かに、慣れてきた。こうして撮っていけばいいのだ。こう進めていけばいいのだという実感は、いつしか、「見る人に伝えるには○○が足りない」と���成度ばかり気にすることに変わっていたからだ。
製本して、足りないことが見えて、評価を受ける作家のアーティストブックやダミーブックに圧倒され、到底その領域に達していないのにと自分を卑下して、比較をし続けていたなと気付かされた。なんか自分が馬鹿らしくなった。撮っていく。それだけでまずは十分じゃないか。当初抱いていた撮りたい写真への気持ちは、いろんな人の助言や苦言や励ましで少しずつ変容したりしているけど、自分の撮りたいという気持ちに正直になれるのは自分しかいないわけなんだから。
そうだ。去年の7月、アレック・ソスに「SLEEPING BY MISSISSIPPI」にサインを入れてもらったとき、メッセージをお願いして書いてもらった言葉を思い出した。「Don't ever forget the feeling when you first piched up a camera」。そうだよね。初心忘れずって言うよね。いま撮っているカメラは別に「First」じゃないけれど、このカメラで撮っていくぞって嬉々としていたときのことを思い出した。小さな1Kで、千尋からも「買ってよかったね」なんて言われて、ファインダーを覗いて初めて装填したネガフィルムに彼女を焼き付けたんだっけ。うまく扱えず、フォーカスと露出を決めるのに時間がかかって切ったシャッターによって写し取られた千尋のふと力の抜けた表情が自分は好きだったんだなと。あの感覚があったから、静かに被写体となる他者に正対する感覚を今でも大事にしているのかもしれない。
そんなことを思いながら、ベトナムの写真作家たちのダミーブック展をあとにしたあと、ブローニーを装填した。ゴールデンタイムの日差しが当たる街にカメラを向けてシャッターを数枚着る。隅田川に沿って歩いていくと、ふと人を撮りたいなという気持ちが湧いた。
ふと、目が止まった。若い男女が微動だにせず、静かに抱き合っている姿に見とれてしまった。高校生か、大学生かな、と思い、声をかけさせてもらった。こうやって街にいる人に声をかけて撮りたいって伝えるの久々だな。心のなかで自分に語りかけていた。それに、やっぱり最初は緊張する。「ティックトックですか?」と聞かれたけど、「いえ違いますよ」という。最近、インスタやYou Tubeのショート動画で確かに「ストリートスナップ撮っているんですけど」という動画が流れてくるなと思い出した。それのおかげなのかな。恥ずかしがっていた彼らは、少し悩むそぶりを見せてくれたけれど快諾してくれた。撮らせてもらえる。高揚感が全身に走った。
マキナで露出を決め、フォーカスを固める。透明の四角いファインダーの向こうで、静かに佇む二人に引き込まれる。女性は恥ずかしいからマスクをしたままだったけれど、風になびく黒髪の隙間から見える青いカラーコンタクトをつけた瞳から向けられる視線が、まっすぐ力強く凛としていた。男性の方も、無表情ながら芯の強さを感じさせていた。
撮影後に聞くと、二人は15歳の高校1年生。男性はぼくの父とおなじ江戸川区で生まれ育ったという。在日朝鮮人の母を持ち、インスタグラムには日本と韓国の国旗アイコンを掲げる。聞きづらかったけれど在日コリアンかどうかを聞いてしまったが、「そうですよ」とさらりと答える。僕がこれまで川崎で取材をしてきたことなども伝えると、親しげな感じを見せてくれた。そして、なにより自分のルーツに誇りを持っているようだった。スケートボードが好きで、スケートボードが「バ先」だといって、店長のインスタグラムアカウントを見せてくれた。女の子はシャイだ。ファインダーの奥に見たあの視線の強さとは相反するのか、不思議だった。
街で声をかけ写真を撮る。撮影時間を入れても、賞味10分ほどしかなかったかもしれない。写真はSHOOTだ。池澤夏樹によると、「Shoot」は銃撃か撮影でしか使わない。だから、若い彼らをカメラの前に立たせる行為というのは、主従関係が生じ、抑圧・被抑圧の関係性が生まれることにほかならない。それでも、撮影を許容してもらうために、僕は彼らに誠意を伝えようとする。そして彼らも受け入れるために覚悟をする(覚悟を強いている可能性も忘れてはいけない)。そのわずかな時間でも、僕と彼ら彼女の間に一定の緊張感が生まれ、正対することによって他者を信じ切るしかないのだ。嘘偽りがないとは言い切れない。それでも、1/500秒という膨大な時間軸における一瞬、フィルムに焼き付ける行為そのものが、僕がこの社会に接点を築いていくことに必要なプロセスなのだと言い聞かせるには十分なんだ。そのことを、二人との出会いによって改めて認識させられた。
これが、明るい兆しだ。写真を諦めなくてよかったと思えた撮影だった。写真を撮ることでしか、僕は社会を知るすべがないことも知っている。それが、なにか明確なメッセージや、スローガンがなくても、そこに写し込まれた人々の姿によって、この社会の輪郭が際立ち、描かれていくことを信じたいから撮っている。僕にとって人を撮ること、正対してポートレートを撮ることとは、その決意表明みたいなものなのだ。沈みかけていた気持ちが、ようやく前を向き始めた。
※参考)近年、アジ��各地で木版画による芸術・文化実践が再び注目を集めています。20世紀初頭の中国で魯迅によって始まった近代木版画運動は、民衆自身が社会や現実を表現する運動/方法としてアジア各地に伝播しましたが、20世紀後半になると社会構造やメディア環境の変化により下火となっていきました。しかし、2000年代から2010年代にかけてアジアの芸術家や社会活動家たちの一部は木版画を通じて社会や政治の問題を表現し、文化的直接行動や集団的創造の実験、さらには国境を越えた交流・ネットワークを生み出してきました。 本展は《「解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐」(脱境界:インターアジアの木版画実践)》と題し、アジア各地から12の作家・活動団体による木版画を紹介します。とりわけ2020年に始まったパンデミックでは、人やモノの移動を一元的に管理する国境の問題や、差別や排外主義などの社会的、心理的な排除や断絶の問題を現前化させました。本展はわたしたちの生きる世界や社会に張り巡らされた「境界」を改めて主題化し、これらの境界からの離脱・解体を志向するトランスナショナルなアジアの木版画実践とそのネットワークについて紹介します。同時に、コロナ期に各地で制作された木版画を比較することで「アジア」という地理的/政治的概念への批判的認識と、さらなる理解・議論の可能性を開くことを目指しています。
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給湯器、年の瀬なのに壊れたってよ
寒さもひとしお身にしみるころ、皆様いかがお過ごしでしょうか。うちでは給湯器が壊れました。
年の瀬にー(女子全員)
給湯器がー(男子全員)
壊れましたー(6年生全員)
これは即ちお風呂に入れないということです。よりによってこの年の瀬に。ガッデム。
たしかに予兆はありました。お風呂のお湯だけ出なくなるというトラブルが発生し、急遽シャワーを伸ばしてお湯を張るという生活を10ヶ月ほど余儀なくされたのが2年前のこと。修理していただいた東京ガス子会社のパーパス社の方、ありがとうございました。10ヶ月間すっかり修理依頼のこと忘れてたらしいですね。まだ恨んでますよ?
その当時すでに「もうそろそろ13年目なんで交換をおすすめしたいんですけど、いま在庫がないんですよね〜」ということを言われていたのですが、すっかり忘れておりました。いや脳裏のどこかにこびりついてはいたものの、来年の夏には引っ越しだしそれまで保てばいいやーという、お年寄りが予算案を組むときのような心情で臨んでいたんですよね。
果たして前回の修理から一年経ち、給湯器は残念ながらその全ての機能を喪失してしまわれたのでした。
修理を依頼はしてみたものの、流石にもう部品がないですねーという悲しいお返事をいただき、入れ替えるなら35万円程度ですかねーというさらに悲しい見積もりも同時にいただきました。修理した場合、一日あたり2000円程度の利用料(ガス代別)てコト……?
給湯器は修理しません、と宣言したときの子供達の反応、皆さんに見せてやりたかったですね。
とはいえ、風呂には入りたいわけです。冷たい水で皿を洗うのも床が冷たいままなのも許容できるけど、真冬に水風呂は無理。開かなくてもいい悟りが開いちゃう。銭湯という手もあるけど、移動をふくめると1時間近いイベントになっちゃうので、毎日それはなぁ。
仕方ないので、しばらくの間はコンロと電気ポットで沸かしたお湯を湯船に運んでたんですが、あまりにめんどくさい。その上、そのうち現場猫案件になる確信があったので、早急な代替案を必要としていました。
というわけで、導入したのが湯沸かし用電気ヒーター、約3000円。使い方はシンプルそのもの、というかスイッチすらなくて、コンセントに繋いでお風呂に放り込むだけ。そうすれば自称1500ワット(後述)の強力ヒーターが電気を無駄に熱へと変換し、お湯を水へと変えてくれるという寸法です。際限なく地球に厳しいお湯張りですが、背に腹は代えられません。でも地球にもいつか厳しく育てられたことに感謝する日が来ると信じてる。
コンセントをつなぐと、一瞬家中の照明が暗くなります。電気代のことに思いを馳せ、僕の気持ちも暗くなります。ポツポツと表面に発生しつつある気泡を眺めながら、なんでこいつトレーニングもインファレンスもマイニングもしないくせにこんなに電力食うの?GPUを風呂に沈めてエルデンリング遊べば一石二鳥なんじゃね?とぶつぶつ毒づきつつ電力計を見ると、このヒーターときたら1000ワットしか消費してません。どこ行った公称との差分は。絶対数字盛ってるだろ。
少なめに水を張っているため、四時間も経つと触れられないくらいの水温になります。それを水で薄めて、足湯でももうちょっと深いよね……くらいの湯量のお風呂の完成です。肩まで浸かれるくらいの水量だと多分六時間はかかるんじゃないかな。今どき1Kw/hあたり35円くらいの電気代なので、お風呂一回あたり140円の電気代ということになります。まあ、給湯器修理するよりは圧倒的に安いかな。
そういうわけで、文明の利器に頼りつつ、文明つっても二十世紀前半な感じがするけど、文明的な生活をなんとか継続している次第です。みんな、10年経った機材はいつ壊れてもおかしくないからホントよく気をつけてね!
同じ目にあった人へのアドバイス
- そもそも、給湯器の調子が悪くなったら修理じゃなくて交換を検討したほうがいいよ。
- 少なめの水を沸かしてから、後で水を足して湯温と湯量を調節したほうがいいよ。���のでヒーターには湯温調節機能は不要だよ。
- Amazonで出力1500Wって書いて売ってあるヒーターがいっぱいあるけど、あれ多分��部嘘だよ(本当に1500W出力のがあったら買い替えるから教えてください)。
- どこから電源を引っ張ってくるかを考えないとブレーカーが落ちるよ。
では、今日は買い足した2個目のヒーターも稼働させ、半分の時間でお湯はりをしてみたいと思い
ブツン(ブレーカーの落ちる音)
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【小説】非・登校 (上)
目覚まし時計が鳴る前に起きることができた朝の、清々しさったらない。
階段を降りて行くと、ママが僕を見てにっこりと微笑んだ。
「あら、今日は早いのね。朝ご飯、すぐに用意するわね」
自分でできるから大丈夫だよ、と返事をしたが、ママは忙しそうに白いエプロンを揺らして奥のキッチンへと消えてしまう。僕の頭上では、三階の天井から吊り下げられたシャンデリアが、東向きの窓から射し込む日光にきらきらと輝いている。完璧な一日が始まる予感がした。そんな朝だった。
ダイニングではパパがコーヒーを飲みながら朝刊を読んでいた。
「おはよう。今日は早いんだな」
そう言うパパも、いつものようにパジャマ姿ではない。背広を着て、もうネクタイまで締めている。
「パパも早いね」
「うん。今日は、大事な商談があるんだ」
ショウダンというのがなんなのか、僕にはよくわからないけれど、それがある日はパパが気合いを入れていることはわかる。パパの気合いというのはその前髪の形に表れているのだと、いつだったか、ママがこっそり教えてくれた。今日のパパは前髪をオールバックにしていたから、これは気合いマックスってことだ。初めてママに出会った日も、パパはこの髪型をしていたと聞いた。
「そう言うケイタは? 今日は何か大事な予定があるのか?」
「まぁね」
僕はそう言いながらコーンフレークの袋を手に取ろうとしたが、そこにママが颯爽と現れて、「ほらほらケイちゃん、用意できたわよ」と言いながら、トーストと、ハムエッグの皿をテーブルに並べた。
「自分で用意できるって言ったのに」と、僕は肩をすくめてコーンフレークを棚に戻し、それから「もう、ケイちゃんって呼ぶの、やめてよ」と言うべきか、一瞬悩んだ。しかし、そうしている間にも、ママは「オレンジジュース持って来るわね」と、再びキッチンへと消えてしまった。
トーストにバターを塗り、ハムエッグを頬張っている間にオレンジジュースが運ばれてきて、最後に残り物のポテトサラダがちょこんと皿に盛られて置かれた。それらを順番��咀嚼して、「ごちそうさまでした」と手を合わせた僕は、歯を磨くために洗面所へと向かう。
歯ブラシに赤と青と白の三色歯磨き粉を捻り出していると、階段を降りて来る緩慢な足音が聞こえた。
「リスコ、起きたのか? おはよう」
階段に向かってそう声をかけると、僕の妹はまだ眠たそうな声で返事をする。
「ケイタにいちゃん、おはよー」
リスコは寝起きがあまり良くないが、この時間に一階へ降りて来たということは、今日はまぁまぁ、上出来な方だった。僕は歯ブラシを小刻みに動かしながら、廊下の柱時計を見やる。今日は僕も、良いペースだ。口をゆすぎ、洗面所を出る。
ランドセルは昨日のうちに、玄関先に用意してあった。お気に入りのマッドシューターのスニーカーもばっちりだ。ランドセルを背負い、靴を履いて爪先をとんとんしていると、ママが出て来て僕を見送ってくれた。
「気を付けて行ってらっしゃい」
僕がもっと小さかった頃は、出掛ける前にいつもハグしてキスしてくれたママだけど、さすがに最近はするのをやめてくれるようになった。僕はそれが、自分がたくましくなったような気がして、少し誇らしい。
行ってきます、と手を振って家を出た。
今日はいつもより時間が早いから、まだハカセもボーロも通学路に出て来ていない。いつもならそのふたりと一緒に登校しているが、今日は僕ひとりで学校へ向かうつもりだ。ふたりを早い時間に付き合わせるのは申し訳ないような気がしていたし、そしてそれ以上に、他の誰にも知られたくない、僕だけの秘密でもあったからだ。
どんなに仲の良い友達にだって、秘密にしておきたいことがあるのは、別におかしなことではないはずだ。
今はすっかり葉桜となった桜並木を黙々と歩く。ひとりで歩く通学路は退屈なはずだったが、今の僕はこの後に待つ出来事が楽しみで仕方なかった。ハカセやボーロと昨日観たテレビの話をしたり、僕たちが異様なほどに熱中しているテレビゲーム、スターストレイザーの進捗を確認したりすることができなくても、胸の奥がわくわくして、羽でも生えたかのように足取りは軽い。
小学校の校門をくぐると、登校してきた児童の姿はまだまばらだった。僕は早足で広い校庭を横切り、昇降口で靴を脱いだ。上履きに履き替えながら、もう完璧に位置を把握している、ナルミヤの下駄箱を横目で確認するのも忘れない。
僕の予想通り、ナルミヤの黒いエナメルのスニーカー、ブラックキュートの最新モデル(らしい。妹のリスコがそう言っていた)は、すでに下駄箱に納まっていた。やはり、もう登校しているのだ。五年二組の靴箱をざっと見渡してみたが、他に登校してきたクラスメイトはまだいないようだった。僕は心の中でガッツポーズをする。
三階の教室まで向かう。急いで来たようには感じさせず、眠たそうにも見せず、クールに、自然に。シャツの襟が折れていないか、袖口が汚れていないか確認しながら、階段を一段一段、登って行く。
三階の廊下にずらりと並ぶ教室は、灯かりが点いているクラスが半分くらいだった。まだ登校してきた児童が少ないのだ。僕が目指す五年二組の教室は、廊下から電気が点いているのが見えた。閉まっているドアを引く。大きな音を立てないように、かと言って、あまりにもそろそろと開けるのでは不自然だ。
「あれ? おはよう、ケイタくん」
僕の予想通り、ナルミヤはすでに教室にいて、水を交換してきたばかりらしい、ロッカーの後ろに花瓶を置いているところだった。
「おはよう。日直の時、ナルミヤはいつも早いね」
「そう言うケイタくんこそ、どうしたの。もしかして、日直の当番の日、間違えちゃったの?」
「あはは、そうじゃないよ。一時間目の国語、今日は漢字のテストでしょ? でも、うっかり漢字ドリルを持って帰るの忘れちゃってさ」
自分の机にランドセルを置きながら僕がそう言うと、ナルミヤは目を丸くして、それから小さく、ふふっと笑った。
「ケイタくん、いつも置き勉してるんだ、いけない子だね」
そう言う彼女の口調には、僕を蔑むでもなく咎めるでもなく、不思議とどこか楽しそうな、嬉しそうな、そんな響きがあった。僕にはきょうだいが妹しかいないが、もしも姉がいたらこんな感じだったのかもしれない、なんて思う。同級生のナルミヤを姉のように思うのは、少しおかしいのかもしれないが。
しかしナルミヤは、このクラスで一番、大人びている。透き通るような白い肌も、まっすぐに伸びた毛先の揃った長い髪も、誰かの冗談に口元を緩めるようにして笑う様も、その時の見守るような優しい眼差しも、とても僕らと同じ年に生まれたのだとは思えない。
彼女の細い指先は、教室のオルガンを優美に奏で、花の絵に繊細な色を塗り、習字の時間には力強くも整った字を書き、授業の板書を美しくノートに写していく。僕はナルミヤと同じクラスになって、すぐに彼女の魅力に気が付いた。そしてこのことは、僕だけの秘密にしておこうと決めた。
僕は自分の席で漢字ドリルを取り出し、漢字を覚えようとしている振りをしつつ、ナルミヤのことを眺めた。彼女は僕に背を向けて、黒板に新しいチョークを並べていた。今日もいつものように、水色の水玉模様のパッチンヘアピンが、彼女の左耳の上、艶やかな黒い髪に留まっている。
日直になると、朝と帰りに当番の仕事をこなさなくてはいけない。朝は教室の花瓶の水を取り替えたり、植木鉢に水をやったり、生き物を飼っているクラスでは餌をあげたりする。それから、黒板に新しいチョークを並べて、黒板消しを綺麗にする。どれも時間のかかる仕事ではないから、普通に登校してきてからでも十分に間に合う。でもナルミヤは、日直の当番が回って来た日、いつもより早く登校して来て、その仕事をする。
そのことに気付いたのは、ナルミヤが前回、日直の当番になった時だった。学校に宿題を忘れて帰ってしまった僕は、翌日に早く登校して、そうして偶然にも、その事実を知った。だから今回は、僕も早く登校して、彼女が日直の仕事をこなすところを、こうして眺めることにしたのだ。
教室にいるのは、僕とナルミヤ、ただふたりだけ。
少しすれば、クラスメイトたちが登校してきて、教室はいつも通りのにぎやかな空間になる。ふたりだけでいられるのも、ほんの短い時間だ。何か今のうちに言っておくべき言葉を、僕は探そうとしたけれど、でもこの静けさを大切にしたいような気もする。
僕はパパの今日の前髪を思い出しながら、僕も気合いを入れた前髪にすべきだっただろうか、と思った。猛烈なアタックをしてママと結婚したパパは、ナルミヤとふたりきりでいるこの状況で何も話しかけない僕を見たら、「そんなんじゃ駄目だぞ」と怒るだろうか。でもママなら、僕の気持ちをわかってくれるかもしれない。おしゃべりが必要な訳じゃない。ただそこに居てくれるなら、それを見つめることが許されるなら、それだけで僕は満足した気持ちになる。それは、やるべきことがすべて終わって、家族におやすみを言って布団の中に潜り込む時のような、そんな気持ちに似ていると思う。
黒板消しを手に取ったナルミヤがこちらを振り向きそうな気がしたので、僕は目線を彼女から外して、手元の漢字ドリルへと向けた。
「ねぇケイタくん、こないだ聞いちゃったんだけど」
ナルミヤは黒板消しクリーナーのスイッチを入れながら、そう話しかけてきた。ナルミヤから話しかけてくるとは思っていなかった僕はびっくりして、思わず彼女の顔を見る。彼女は黒板消しにこびり付いているチョークの粉をクリーナーに吸い込ませている最中だった。ぶいいいいいいんという間抜けな音が、教室に響いている。
「ヒトシくんとキョウイチロウくんと、スタストの話、してたよね」
僕はその言葉に、再度びっくりさせられた。まさかナルミヤの口から、ヒトシやキョウイチロウやスタストの名前が出て来るとは、まったく思っていなかった。ヒトシというのはボーロの本名で、キョウイチロウはハカセの本名だ。スタストは僕たちがハマっているテレビゲーム、スターストレイザーの略称。
「う、うん。そうだけど……」
僕たちは教室でも廊下でも、スターストレイザーの話をよくしているから、どこかで会話を聞かれたのかもしれない。彼女が僕たちの話している内容を覚えていたということが、なぜか少し嬉しかった。
「ケイタくんもやってるの? スタスト」
「やってるけど……」
「ケイタくんは、強い?」
ナルミヤが黒板消しクリーナーを止めた。教室は再び静かになる。
ナルミヤが僕を見ていた。彼女の大きな瞳。ふたつのそれが僕を見ていた。その目に、もっと見つめてほしいと思う気持ちと、お願いだからこれ以上見つめないでほしいと思う気持ち、その両方が湧き上がった。
「ねぇ、ケイタくんは強いの?」
「えっと……弱くはないと思うけど、僕よりもキョウイチロウの方が強いよ。キョウイチロウが考えてきた攻略方法を、僕たち三人で検証してるんだ」
「トチコロガラドンが倒せないの」
トチコロガラドンは、スターストレイザーに出て来る敵モンスターの名前だ。その名前を知っているということは、「倒せない」ってことは、まさか。
「もしかして、ナルミヤもスタストやってるの?」
僕の問いかけに、彼女は小さく頷いた。意外だった。ナルミヤがテレビゲームをして���るところを、僕はまるで想像できていなかった。彼女がクラスメイトとテレビゲームの話をしているところを、少なくとも僕は聞いたことがない。
「……私がゲーム��るなんて、変かな?」
僕は慌てて首を横に振った。
「変じゃないよ。ただ、少しびっくりしたものだから」
スターストレイザーは、いかにも女子が好きそうな、洋服を集めて着せ替えするゲームでも、畑で作物を育てて収穫するゲームでも、家を建てて家具を並べるゲームでもなく、宇宙から飛来する巨大で不可思議な敵を殺していくゲームだ。このクラスでスタストを遊んでいるという話を聞いたことがある女子はいないし、男子だって、全員がプレイしている訳じゃない。いや、女子だとヒナカワがプレイしているらしいけれど、あいつは筋金入りのオタクだから、特殊なケースだろう。
僕とボーロだって、ハカセから、「このゲーム面白いよ、皆でやろうよ」と言われるまで、そんなゲームが発売になったことすら知らなかった。テレビでコマーシャルが流れることもなかったし、電器屋さんにソフトを買いに行った時も、ゲームコーナーの新発売の棚の隅っこに、ぽつんと置いてあっただけだ。そんなマニアックなゲームを、ナルミヤが遊んでいただなんて。
スターストレイザーは、発売から半年以上経った今も、攻略本という物が発売されていない。十二人の操作キャラクターと十二種類の使用武器をプレイするたびに自由に選択することができ、どれを選択するかによって戦略が変わってくる。ひとりでもプレイすることができるが、インターネットを介したマルチプレイにすれば、戦略の幅が大きく広がり、同じ敵でも倒し方は数十通りあり、どのように倒したかによってストーリーが細かく分岐していく。だから僕とハカセとボーロは、いつも「どの敵をどう倒したらストーリーがどうなったのか」を報告し合って検証し、ゲームクリアに向けて最適解の近道を模索している。
「トチコロガラドンが、いつも第八都市を壊滅させちゃって、そこでゲームオーバーになっちゃうんだよ」
「第八都市は、壊滅させるしかないんだ」
「え……?」
僕の答えに、ナルミヤは大きな瞳を真ん丸にした。
「あれって、都市を壊滅させるのが正解なの?」
「そう。僕と、ハカセ……キョウイチロウとヒトシと、三人で何度も調べたけれど、どう隊列を組んで戦略を練っても、最終的に第八都市は壊滅する。だから、トチコロガラドンを倒すための本拠地を第八都市ではなくて隣の第七都市に置いて、そこから出撃するしかない。第八都市は、見捨てるしかないんだ」
これは僕たち三人だけで辿り着いた結論ではなく、ハカセの家のパソコンでインターネットの掲示板を見た時も、同じ結論が導き出されていた。世界じゅうの、顔も知らないプレイヤーたちもまた、同じように見つけ出した答えなのだ。「絶対に何か他の戦略があるはずだ」と検証しているプレイヤーは今もいるが、第八都市を陥落させずにトチコロガラドンを倒したという声は、確認した限り、まだない。
「そうだったんだ……。私、てっきり都市を守り抜くのがあのゲームのルールなのかと思ってた……。そうなんだ、見捨てるしかないんだね」
驚きつつも、小さく頷きながらナルミヤはそう言って、それから微笑んだ。
「全然知らなかった、すごいね、ケイタくん。教えてもらって良かった。今日家に帰ったら、���速やってみるね」
そう言うナルミヤの笑顔があまりにも嬉しそうで、僕もなんだかとても嬉しくなって、そして同じくらい、胸が苦しい感じがした。でもその苦しさが、本当はちっとも嫌じゃなくて、むしろ心地良くて、僕はそんな風に、嬉しくなるような苦しさを感じたことが初めてで、一体どうしたら良いのか、ナルミヤになんて言えば良いのか、わからなくなった。
そこで教室のドアががらりと開いて、クラスメイトたちが数人、教室にぞろぞろと入って来た。登校してきたクラスメイトと「おはよー」の挨拶を交わしたところで、ナルミヤはくるりと僕に背を向けて、綺麗になった黒板消しを置き、新しいチョークをてきぱきと並べてから、廊下に出て行った。日直の仕事を終えて、廊下の水道に手を洗いに行ったのだろう。
その後も続々とクラスメイトたちが登校して来て、教室の中はいつも通りのにぎやかさになった。ハンカチで手を拭きながら帰って来たナルミヤは、僕の席の方に来ることはなく、自分の席に戻ってしまった。僕は彼女との会話が終わってしまったことを名残惜しく思った。
でも今日の短い会話で、ナルミヤと共通の話題ができたことは大きな収穫だった。今度一緒にスタストをやろうよ、と声をかけてみようか。僕がナルミヤの家を訪ねるのと、彼女にうちへ来てもらうの、どっちの方が良いんだろう。
本当は、トチコロガラドンの攻略方法だって、あんなあっさり教えるのではなく、「今度、僕が一緒に倒してあげる」とでも言えば良かったのかもしれない。僕のパパだったら、きっとそうしただろう。僕たちが何度も挑戦して掴み取った倒し方を、簡単に教えてしまうのではなくて、ナルミヤと一緒に検証しても良かったはずだ。僕はそのことを少し、今になって後悔した。
「あ、ケイタ! やっぱり、先に学校に来てたんだな!」
そう言いながら教室に飛び込んで来たのはボーロで、その後ろから、
「ひどいよケイタくん、ひとりで先に行っちゃうなんて!」
と、文句を言ってきたのはハカセだった。
「ごめんごめん、漢字ドリル、学校に置いてきちゃってさ」
僕はそう謝ってみたけれど、ボーロの目は吊り上がっているし、ハカセの顔は泣き出しそうだった。親友ふたりの僕への非難は、先生が教室に入って来て、「さぁ皆、自分の席に着いて」と言うまで続いた。僕はふたりの話を聞いているふりをしながら、途中何度か、ナルミヤを見つめていたのだけれど、彼女は僕には気付いていないようで、一度もこちらを見ることはなかった。
「朝の会を始めましょう。今日の日直はナルミヤさんね、お願いします」
先生にそう促され、ナルミヤの凛とした声が、朝の教室に響き渡る。
「起立」
椅子をがたがたと鳴らしてクラスメイトたちは起立する。僕も立ち上がりながら、「今度、一緒にゲームをしよう」と、放課後にナルミヤを誘ってみよう、と決めた。
ナルミヤとふたりで秘密の攻略方法を発見することができたら、どんなに幸せだろうか。もしかしたら誰も発見することができなかった、第八都市を壊滅させないでトチコロガラドンを倒す方法が、ナルミヤとだったら見つかるかもしれない。彼女を見ているとそんな風に、僕はなんでもできるような気分になってしまうのだ。
と、いうのはすべて、僕の妄想だ。
現実の僕は、廊下の床に片頬をつけたまま、中途半端に閉められたカーテンの隙間から射し込んで来る、冷たい光を見ていた。光を見てそれを冷たいと感じるのは、光がカーテンの��色を透過して部屋じゅうが青っぽく見えるからなのかもしれないし、もしくは僕が布団どころかカーペットさえ敷かれていない、冷え切った廊下に横になっているからかもしれない。
眩しさに目を細めながら、寝ぼけたままの僕はその光が朝陽だと理解して、室内の壁にかかっている時計へと目を向けた。時計の示す時刻と部屋の中の明るさは、午前中だとしたらあまりにも暗く、午後だとしたらあまりにも明るく、それを妙に思うよりも早く、秒針が動いていないことに気が付いた。昨日の夜に止まったままになっているのであろう時計から目線を逸らし、「電池を交換しなきゃ」と思ったものの、電池がどこにあるのかわからない。そこで、この家に時計は壁のそれひとつだけだと思い出す。運良く新品の電池を見つけたところで、時計がそれしかないのだから、正しい時刻に合わせることもできない。
今は何時なんだろう。
せめて母親の携帯電話があれば、時刻を知ることができる。部屋の中をもう一度見渡してみたが、母親の姿もなければ、部屋の隅のローテーブルの上にいつも置かれている携帯電話も見当たらない。母親も携帯電話も、外出したまま、戻って来ていないようだ。
母親が不在であることに安堵と落胆が入り混じったような気持ちになりながら、僕は床から起き上がり、まずはトイレへ、それから洗面所へ向かった。トイレにも洗面所���も、その隣の脱衣所にも、浴室にも、家族は誰もいなかった。用を足して手を洗ってから顔を洗う。
洗面所の鏡には、皮脂にまみれた髪が額にべったりと貼り付いている僕の顔が映って、顔を洗うついでに蛇口の下にまで頭を突き出し、髪を濡らしてごしごし擦ってみたけれど、物事が好転したようにはまったく思えなかった。どこかにあるらしい傷に、水がしみて痛かった。
何日も着替えていない服からは饐えたような臭いがしていたし、手も足も少し擦るだけですぐに垢が剥がれ落ちた。もう何日間、風呂に入っていないんだろう。この部屋のガスが止められてからどれくらい経ったのか、思い出せない。今はこうしてトイレも使えるし顔も洗えているけれど、水道が止められる日も近いのかもしれない。
いつ洗濯したのかもわからない、黄ばんだタオルで濡れた髪を拭きながら洗面所を出た。さっきまで横になっていた廊下を踏みしめて部屋に入り、ローテーブルの下に転がっていた煙草の箱とライターを拾って、ベランダへ続く窓を開ける。
窓の鍵は開いたままになっていた。素足のままベランダに出て窓を閉めてから、箱から煙草を一本引き抜いて、口に咥えて火を点ける。息を大きく吸って鼻から煙を細く吐きながら、外が思っていたよりもずっと明るいことに気が付いて、もしかしたら、もうとっくに学校へ向かわなくてはいけない時刻になっているのかもしれない、と思った。
室外機の上に置かれた灰皿に灰を落としていると、アパートの下の通りをふたりの小学生男子がおしゃべりしながら歩いて来るのが見えたので、僕は咄嗟に、ベランダに置かれた目隠しパネルの陰に隠れるようにしゃがみ込んだ。そうすることで彼ら��ら僕の姿は見えなくなり、僕からも彼らの姿が見えなくなったのだけれど、わざわざ顔を確認しなくても、僕はそのふたりが誰なのかを知っていた。同じクラスのハカセとボーロだ。
ハカセというのもボーロというのも、本名ではなく、あだ名だ。ハカセと呼ばれている、分厚いレンズの眼鏡を掛けた背が小さい男の子は、確かキョウイチロウというのが本名で、もうひとりの、ボーロと呼ばれている体格の良い坊主頭の男の子は、ヒトシというのが本名だ。ヒトシというよりフトシという感じだけれど、そう呼ぶと泣くまで殴られるので、誰も間違ってもそうは呼ばない。クラスメイトのほぼ全員が、ふたりのことをハカセ、ボーロを呼ぶので、僕はそのふたりの名字を思い出すことはもうできなかった。
ふたりは近所に住んでいるのか、仲が良いのか、登校の時間になるといつも決まって、おしゃべりしながらこのアパートの前の通りを南から北へと歩いて行く。朝から元気が良いことに、ふたりの会話はベランダにいる僕にまでよく聞こえてくる。
話の内容は、昨日観たテレビのことか、スタストとかいうゲームのことがほとんどで、ときどき、マッドシューターの最新モデルがかっこいいだなんて、スニーカーの話をしていたりする。今日はなんの話をしているのだろうと思いながら、目隠しパネルの陰で煙草を吸っていると、僕がそこにいることなんて知りもしない彼らが、いつも通りおしゃべりをしながら歩いて行く。
「なぁ、聞いたか? 昨日皆がしてた噂話」
「ナルミヤさんの話でしょ? あんなの信じられないよ。何か証拠があるのかなぁ」
「でもほら、火のないところにナントカって言葉もあるだろ。何にもないのに、ナルミヤがエンジョコーサイしてるなんて噂、出回る訳ない」
「あれって、ヒナカワが言い出した話だよね。ヒナカワってほら、ナルミヤさんと仲良くないじゃない。なんでヒナカワが、仲良くもないクラスメイトの秘密を知ってるのか、不思議に思わない?」
「なんだ? ハカセはナルミヤの噂が嘘だって疑ってるのか? 信じたくないって? なんだハカセ、お前、もしかしてナルミヤが好きなのか?」
「ち、違うよ! ただ僕は、ヒナカワがナルミヤさんを嫌いだから、あんな噂を広めたんじゃないかって思ってるだけで……」
「なんでヒナカワがナルミヤを嫌ってるってわかるんだよ?」
「だってほら……ナルミヤさんは美人だけど、ヒナカワはブスじゃん……」
僕は短くなった煙草を灰皿に押し付けて、火を消してから立ち上がる。部屋に戻る頃には、ハカセとボーロの会話は聞き取れないくらい、ふたりはもう遠くへ行ってしまっていた。
一本抜き取ったことが判明しないことを願いながら、煙草とライターを元通りローテーブルの下に置き、それが不自然に見えないよう、あたかもずっとそこに転がっていたことを装うようにその角度を微調整してから、台所の方へと目を向けた。
電気を点けないといつも薄暗い台所は、窓の近くからでは中の様子がよく見えない。僕は意を決して、台所へと近付いた。食べられる物がほとんどなくなってしまって久しい台所は冷え切っていて、とても静かだ。冷蔵庫のコンセントはとっくの昔に引き抜かれているし、蛇口も長いこと捻られていない。
時計の秒針さえも止まってしまった今、家の中は恐ろしいほどに静かだった。ただじっとしているだけでは、この空気に取り込まれて、僕まで透明になってしまいそうな、そんな錯覚に陥りそうになる。僕は台所の入り口に立って、その薄暗がりの中を覗き込んでみた。
台所の床の上にはど��黒い色をした水溜まりが広がっていて、その中心には、僕の父親が倒れている。
たいした深さもないはずの水溜まりの真ん中で、溺れてもがいているかのように、こちらへ右手を伸ばしたまま、どこか遠くをじっと見つめたまま動かない父親は、もうかれこれ二日はこのままの状態で、脈を確かめるまでもなく、完全に絶命していた。心臓を刺し抜いているのであろう包丁の切っ先が、父親の背中から突き出していて、その汚れた銀色だけが、暗闇の中で妙にはっきりと見える。それはひどく恐ろしい光景だった。
怖いからなるべく見ないようにと過ごしてきたけれど、一度目を向けてしまうと、まるで縛り付けられたかのように身体が固まり、目線すら動かせなくなってしまう。ずっと見つめ続けたところで何も変化など起きないのに、僕は間違い探しでもしているかのように、目の前の光景を食い入るように見つめている。
ふと、父親の身体の下に広がっている水溜まりの中に、何かが転がっているのを見つけた。今まで何度か台所を覗き込んでいたけれど、それに気が付いたのは初めてだった。
あれはなんだろう。恐る恐る、水溜まりへと近付いた。その時、突然父親の右手が動いて僕の足首を掴んでくるところを想像してしまい、思わず悲鳴を上げそうになった。けれどそれは僕のただの妄想で、実物の父親はやはりぴくりとも動かない。明らかにこちらを見ている様子のない両目が、それでも僕を見つめている気がして、何度も父の顔を見てしまう。家にいる時はいつも父の機嫌を窺って過ごしていたけれど、死んでからも顔色を窺わなくちゃいけないことが急に馬鹿馬鹿しく思えてきた。それでも、一度想像してしまった恐怖から逃れることはできない。僕は怯えながら水溜まりに落ちている小さなそれを拾い上げる。
ねちょ、という感触がして、指に赤と黒の中間色のような色が付着する。「それ」も僕の指を汚したのと同じ液体がべったりとこびり付いていて、摘まみ上げた「それ」がなんなのか、最初はわからなかった。「それ」は小さくて、金属でできていて、何かを挟むような形状をしていた。
しばらく見つめているうちに、僕の目は「それ」にまだ汚れが付いていない部分があることを発見し、そしてそこに描かれているのが水色の水玉模様だと認識した時、僕はナルミヤのことを思い出した。
透き通るような白い肌、まっすぐ伸びた長い髪、大きな黒い瞳。ナルミヤは僕のクラスの一番美人な女の子で、いや、きっと、学校で一番の美人だ。けれど誰も、彼女が笑ったところを見たことがない。というのが、もっぱらの噂だった。
ナルミヤは笑わない。そして、人前で口を開くことはほとんどなく、開いたところでつっけんどんな、素っ気ない言葉が棘にまみれたような声音で吐き捨てられるだけなのだった。彼女がクラスメイトを見つめる時、それは眉をひそめるように細められた冷ややかな眼差しで、ぱっちりとした瞳が台無しに思える。ナルミヤの美しさは、男女問わず誰でも彼女と仲良くなりたくなるような、ずば抜けた輝きがあったけれど、当の本人がそういう具合でしか他人と関わろうとしないから、誰も彼女には近付かない。しかし誰ともつるもうとしないその姿勢が、彼女の美しさをより一層引き立てているように見えなくもない。
ナルミヤは孤高だ。クラスメイトの誰にも似ていない魅力が、彼女にはある。
僕は指先で摘まんだ金属片を見つめたまま、どうして今、彼女のことを思い出しているのか不思議であったが、やがてその水色の水玉模様が、ナルミヤの左耳の上、髪に留められているパッチンヘアピンの模様だと気付き、そしてこの金属片が、彼女のヘアピンなのだとわかった。
これはナルミヤの物だ。だから、彼女に返さなくてはいけない。
そう思った僕は洗面所に引き返し、ヘアピンを洗った。赤黒い粘着質な汚れは、執念深く擦り続けているうちに流れ落ち、それから、自分の手もよく洗った。もう何日も風呂に入っていない僕の頭を拭いたタオルでナルミヤの私物を拭くことをなんとなく躊躇して、軽く水を切ってから、僕はそれをズボンのポケットへと入れる。
学校へ行ってみよう。ナルミヤはきっと、登校しているだろう。
汚れがマシな靴下があったら履こうかと思ったが、そんな物はどこにも見つけられず、僕は裸足のまま玄関へ向かった。
玄関の土間には、僕のスニーカーと父親のくたびれた革靴と、妹のリスコが落ちていた。リスコは手足を縮めるようにして土間にうずくまり、まるで芋虫のようだった。うつ伏せの姿勢のまま、そこにじっとしているので、顔は見えない。ぐっすり眠っているのか、僕がすぐ側でスニーカーを履いても、ぴくりとも動かなかった。
僕と同じようにずっと入浴していないリスコの髪には、ところどころ綿埃が付着している。その髪は明るい茶色をしていて、これはリスコが母親にねだって市販の薬剤で染めてもらったからだった。茶髪になったことが嬉しくて、はしゃいでいた妹の様子をまるで昨日のように思い出す。でも今は、その髪も汚れきっている。
妹はいつから、ここで寝ているんだっけ。
リスコは昔から寝起きの機嫌が良くない。起こそうとして噛みつかれたことも一度や二度ではないし、あの父親でさえ、眠っているリスコを起こそうとはしない。だから僕は、妹には触れることなくスニーカーを履き、その横を黙ってすり抜けた。
玄関のドアを開けて、外へと出る。家の鍵は持っていないので、ドアを閉めても鍵は閉められない。僕が不在の間に誰かが訪ねて来て、うっかり妹を起こしてしまうなんてことが、なければいいのだけれど。
家から一歩外に出ると、不思議と気持ちが楽になった。僕が家の中にいるとどことなく居心地が悪い理由は、そこに両親がいるからだと今まで思っていたけれど、母親が帰って来なくなり父親が呼吸をしなくなっても、やっぱり家の中にはいたくないというのが、僕の本心らしかった。比較的軽い足取りでアパートの階段を降り、学校へ向かうための通学路を歩き出す。スニーカーの中に溜まった砂が、たちまち足の裏にまとわり付くのが気持ち悪かった。
どうやら小学生が登校する時間はとっくに過ぎているようで、もうどこにも黄色い帽子やランドセルを身に着けた子供の姿を見つけることはできなかった。ひとりでとぼとぼと学校へ続く道を歩きながら、そういえば僕のランドセルはどうしたんだっけ、と考えた。
学校へ行くのであれば、ランドセルくらいは持って行っても良かったかも��れない。でもどうせ、教科書もノートもないし、鉛筆は皆折れているし、ランドセルだけあってもどうしようもない。
葉桜になった桜並木を歩いて行くと、途中、一本の桜の木の陰に、思わぬ人物の姿を見つけた。ナルミヤだった。
彼女は桜の木にもたれかかるようにして立っていた。しかし、登校の時に被るように言われている黄色い帽子も、真っ赤なランドセルもない。足元はいつもと同じ、エナメルの黒いスニーカーだったが、黒と白のワンピースは、学校の制服ではなかった。ナルミヤは僕に気が付くと、まるで汚物でも見るような目をして、��をしかめた。
「……ケイタくん」
「おはよう、ナルミヤ」
「……おはよ」
「ここで、何してるの?」
「別に」
「学校、行かなきゃいけない時間じゃないの?」
ナルミヤは僕から顔を背けるように真横を向きながら、それでいてその目は、突き刺すように僕を見ていた。
「そう言うあんただって、学校は?」
「今、行くところ」
「……その格好で?」
「うん」
「あっそ」
僕はポケットの中からパッチンヘアピンを取り出して、ナルミヤへ差し出す。
「これ」
「……何それ」
「これ、ナルミヤのでしょ」
「なんであんたがそれを持ってるの?」
「僕の家に、落ちてた」
「…………」
「これをナルミヤに返そうと思って、それで学校へ行くところだったんだ」
「…………」
ナルミヤはまるで引ったくるように、僕の手からヘアピンを取ると、すぐさまそれをワンピースのポケットへと仕舞った。横を向いたまま目だけで僕を睨んでいるのは、変わらなかった。
「そのために、来たの?」
「うん」
学校に辿り着くずっと手前で、ナルミヤに会えたことは予想外だったけれど。
「それだけ?」
「うん」
「…………」
彼女は僕を睨みつけていたが、やがて、その目線さえもそっぽを向いた。
「ケイタくんさ、わかってんの?」
「何を?」
「あんたのお父さん殺したの、私なんだよ」
「うん」
僕は頷いた。
「私のヘアピン、証拠じゃん。私が殺したっていう証拠」
「そうかな」
「だって殺人現場に落ちてるんだよ。犯人が落としたんだって、思うでしょフツー」
「そうかも」
「ケーサツ呼んでないの?」
「呼んでない」
「なんで呼ばない訳?」
「うち、電話ないし」
ナルミヤの目がさらに細くなる。細くなればなるほど、僕を貫くように視線が研ぎ澄まされていくように感じる。しかし今、彼女の目は僕の方をまったく見ようとしていなかった。
「はぁ? 電話なんかなくたって、ケーサツくらい呼べるでしょ。近所の人とか、お店の人とか」
周囲の大人に助けを求めれば良い、と言いたいのだろうか。しかしナルミヤは、それより先の言葉を口にはしなかった。
「あんたのお父さん、どうなってんの?」
「どうもなってないよ」
「どうもなってないって?」
「そのまま」
「あれから、ずっと?」
「そう」
「…………」
ナルミヤは最大級に嫌そうな顔をした。
「…………きもちわる」
ぺっ、とナルミヤは僕に向かって唾を吐いた。彼女の唾液は、放物線を描いて僕の足下へと落ちる。僕がその唾液の、白いあぶくを見つめていると、ナルミヤは心底不機嫌そうな声で、怒鳴るように言う。
「用が済んだらさっさと失せろ。二度とその面を見せるな」
それはまるで、僕の母親が言いそうな言葉だった。けれど彼女が僕の母親に似ているとは、ちっとも思わなかった。ナルミヤの方がずっと綺麗だ、と思った。
学校へ向かおうと思ったけれど、目的はすでに達成してしまったし、もう何もすることはないので、僕は家に戻ることにした。さっき出て来たばかりなのに、もう引き返すのかと思うと、それだけで足が重くなる。結局、僕はあの家から逃れられないのだろうか。のろのろと歩きながら、一度だけ後ろを振り返ってみたけれど、もうナルミヤの姿はなかった。
ナルミヤはどこへ行ったのだろう。あの格好だと、学校へ向かった訳ではないような気がする。彼女も家へ帰ったのだろうか。それとも、僕の予想もつかないような場所へ向かったのだろうか。
帰っている途中、どこからかサイレンの音が聞こえてきた。パトカーのサイレンだ。家が近付くにつれて、その音はどんどん大きくなっているような気がした。
寝ていたリスコは、この音で起きてしまうかもしれない。寝起きの妹の相手をするのは、考えるだけで嫌な気持ちになる。妹なんて、一生あのまま、目覚めなければ良いのに。もしくは、リスコはもうとっくに、死んでいるんじゃないだろうか。起こしたくないから触りたくなくて、ずっと土間に転がしたままにしていたけれど、本当は、もう二度と目覚めないのかもしれない。
アパートの前まで来ると、そこには三台のパトカーが停まっていた。近所迷惑を考えてか、さすがにサイレンは鳴らしていなかったけれど、赤色灯がくるくるくるくる、風車みたいに回っている。目の前の光景に呆然としていると、二部屋隣に住んでいるおばさんが駆け寄って来る。僕の家のドアは開いていて、中から出て来た警察官が階段下にいる僕を黙って見下ろした。
やっぱり、家の鍵をもらっておけば良かったな、と僕は少なからず後悔して、今度母親に会ったら、ちゃんとそれを伝えようと思った。でもそれと同時に僕は、もうこの家に二度と母親が戻って来ないような気もした。
と、いうのはすべて、僕の妄想だ。
現実の僕は、きちんと制服を着て、黄色い通学帽を被り、ランドセルを背負って、玄関で靴を履こうとしている。ママは僕の後方、廊下の奥の部屋の入口で、中にいる妹のリスコに熱心に声をかけている。
「リスちゃん、もう出掛ける時間よ。いつまでもぐずぐずしているなら、ママは先にケイちゃんを学校へ送りに行くけど。ねぇ、本当にいいの?」
リスコは部屋の中から何か返事をしたらしかったが、なんて言ったのかまでは聞き取れなかった。
「そう、じゃあ先に行くからね。ケイちゃんを送って帰って来たら、ママと一緒に学校へ行きましょうね」
ママはそう言うと、廊下を早足で歩いて来た。
「ケイちゃん、先に行こう。リスコは後で送るから」
僕は黙って頷いた。ママは仕事に行く時の洋服を着ているのに、靴はいつもの黒いヒールではなく、コンビニに行く時のピンク色のサンダルを履いた。僕を小学校へ送ってからそのまま会社へ向かうのではなく、どうやら本当に、また家へと戻って来るつもりらしかった。でも、ときどきママは間違って、そのサンダルで会社へ行ってしまうことがあって、だから僕は、ママがサンダルを履いたことを指摘するかどうか悩んだ。
けれどママの言葉の端々が、妙に尖っているように聞こえることに気が付いたので、そのことを口にするのはやめた。決して表情に出さないように努めているようだったけれど、ママが今までになく緊張しているのがなんとなくわかった。 僕はアパートの階段を先に降りて駐車場の車のドアの前に立ちながら、玄関を���錠したママが後から階段を降りて来るのを待った。車の鍵を操作したのか、唐突にピッと車の鍵が開いたので、僕は後部座席に乗り込んで、さっき背負ったばかりのランドセルを隣の座席へと置く。運転席に乗り込んだママが何も言わないままシートベルトを締めて車のエンジンをかける。ルームミラーで後部座席の僕をちらりと見て、いつもだったらそこで、「ほら、シートベルトしなさい」と言うはずだったけれど、今日のママは「じゃ、行くわよ」と言っただけだった。
※『非・登校』(中) (https://kurihara-yumeko.tumblr.com/post/766015430742736896/) へと続く
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995 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:24/10/13(日) 03:26:24 ID:ULbM 一部界隈でDV男が話題になっているけど、高校時代自分も被害に合った 同級生の彼氏が急にビンタしてきたり、蹴りを入れるような男だった 殴る前は普通に話してたんだよ? いきなりで何が原因かわからなかった スイッチみたいなのがあるんだよね だけど、自分もめちゃくちゃ気が強い方だったのでスクバの持ち手を首にかけて転ばせて、 倒れた時にあそこをちょっとだけ手加減して蹴った 1回だけど、凄くもがいてた その倒れたままの彼氏を冷たい目で見て「お前、今何やった?誰に何をやったか言ってみろ」って言いながら 向こう脛を踏み続けた 泣いて謝ったけど、その姿を撮って「口外したらわかってるよな」ともう1回踏んづけて帰ってきた 自分がDV気質のヤバイ人間だと気づいたのでそれからは気を付けて生活している だが、昔親に「剣道を習いたい」と言ったが理由を聞かれて素直に 「だって人を物(竹刀)で殴っても怒られないもん」と言って却下されたことがあったんだよな 忘れてたけど、その事件の時に思い出したわ 警察に捕まるのはごめんなので、これからも手はあげない、蹴りは入れない、踏ん付けないの3ないを守って 真面目に生きていくよ
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20241027
7時に起きて、oyster walk を歩いてboat rampへ向かい、お気に入りのコーヒーバンでカプチーノを買って海辺で飲んだ。道中、ランニングをする綺麗な女性と一緒に走る4歳くらいの子どもとすれ違い挨拶を交わす。そのあと、3歳くらいの小さく歩く女の子とおじいさんのお散歩にも出会った。それぞれが、それぞれのペースで朝の時間を過ごす。美しい日曜日の始まり。
ずっとこの日を楽しみにしていた。スチームミルクのカプチーノが飲みたかった。「1週間このコーヒーを楽しみに頑張った〜」ってなんていうんだ、とchat gptに聞く。"I've been waiting to have your coffee for a week!" と練習しながらトラックにたどり着き、その通り伝える。伝わった!嬉しそうだ。私も嬉しい。こういう、初心者なりの喜びを純粋に味わっていられることが、フレッシュに学び続けられる秘訣ではないだろうか、あまり自分を俯瞰しすぎないようにしたい。と最近すごく思う。
昨日、やっと訪れた土曜日は突然の誘いを受けて釣りの日となった。Brendyと彼の兄弟Tony、妻Lindyと出かける。時々、いい魚が入ったら私はpickを持って締めに向かう。アジの頭は尖っていてピックが上手く刺さらずに身を切ってしまった、血抜きもイマイチ。サーモンは思いの外上手くいって一発で締まった。血抜きも入念に。釣りそれ自体より、魚を触っている時間の方が好きだ。
この日Lindyは誕生日で、夜は友人たちがきてパーティーをするの、メインは今日の魚、という話の流れであなたも来る?と言われた。私は今回は行かないことにした。誕生日、身内の集まりに言葉のわからない初対面の私が一人紛れ込むことによる諸々の影響を考えて、いやそこは皆さんで楽しんでください、と思ったし、何より先週のような撃沈パーティー(ただでさえ苦戦する馴染みの四人で夕食のはずが、突然6人くらいの知らない人たちが現れて何もできずただ満月を見上げていた)に今週も遭遇するのはごめんだった。休みたい。という本音を、宿題があるから、という理由でごまかす。断る、というのも私なりに勇気の要ることだった。Brendyは「too shy」と言った。その通りです。
釣りの最中は頑張って話した。ひとつの物事からとにかくいろいろ出来る限り力を尽くして話す、たとえ相手が興味あろうとなかろうと枝葉までつたって行く、日本語ですらやらないことを、練習とかこつけて一生懸命にやる、これはひとつのいい練習であると最近気がついた(ただでさえ口数が少ないのに、英語となるとあまりにも無口な最近だったため)。そして帰り際、Brendyが「夜パーティーをやるから。来たければ来たらいい」と言った。え!さっき断ったのに!いやー、という戸惑い。後ろからTonyが、「Her Birthday だよ!」と言う、そのpushにさすがにNoと言えなかった、私はオーケー場所はどこ?と困った笑顔を向ける、多分相当眉毛が下がっていたと思う。
それからの数時間は完全に体が重かった。いや、行きたくないなら行かなければいいじゃないか、そもそもそんな気持ちで行くのは彼女に失礼だ、挨拶だけしてプレゼントを渡して帰ろうか、社交のためにいったいこの小さい町で何を買えばいいんだ…と葛藤を繰り替えす。が、少し外でうたた寝して驚異の回復スッキリ具合。ちょっと考えて、うーん、どうなりたいか、と自分に問うとしたら、初めて会った彼女の誕生日を出来る限り小さな何かだとしても心から祝い、楽しめる人でありたい、という小さな明るい気持ちを抱いてプレゼントのレモンカードを急いで作り、IGAで白ワインを買って向かった。
英語であろうとなかろうと、パーティーや飲み会は大の苦手である。特にここ数年は出来る限りの力を尽くして逃げていた。場にいるために、自分の社交スイッチをONにし続けなければならない。そのエネルギー消費は凄まじい。ナチュラルに社交的であれる人たちが羨ましい。かと言って受け身な人間ではありたくないから頑張る。まあでも出来ることなら一人で静かに過ごしたい、という面倒くさい自分が結局そういう場から自分を遠ざける。
結果として今回は行ってよかった。一瞬危うい場面もあったけれどなんだかんだ楽しかった気がする。50代の皆さんの優しさ(ゆっくり話し、話題を提供してくれ、グループであってもアイコンタクトを交わして仲間に入れてくれる)に大いに助けられ、私も出来る限り話す、という努力をすることができた。小さくて大きな成長と呼びたい。
3人の子どもを持つ(一人は私と同い年)タスマニア出身のお母さん世代の女性との話が印象深かった。毎朝5時に起きてエクササイズと犬の散歩をするヘルシーで素敵な女性。子どもが小さい時にもNZやアメリカに家族で旅をしてきた、それらの話の中で私は少し深く入り込みたくなった。いつも英語でできる会話は表面をギリギリなぞるくらいの程度までしか潜れないから、自分の中にそういう気持ちが生まれたのは意外だった。そして、小さい子どもがいながら旅行をする大変さについて聞いた。私には、それに関するストッパーがある。彼女は、全く問題じゃない、と言った。むしろすごく楽しい、(細かい表現は忘れてしまったけど)人生で初めての体験や感動をする人を見るのは美しい経験、みたいなことを言っていた。
オーストラリアに来て思うことの一つが、女性たちの格好よさである。魅力的に見える。自身があり、余裕があり、自立している、それらがにじみ出ているような女性に出会うことが多い。うち多くは経済的に余裕のある人たちであることは確かなのだけれど、それらを差し置いても、旅人である私への接し方、話し方、立ち姿や振る舞いに惹かれることの多さは日本での自分の感覚と少し違う。私は今まで基本的に男性に憧れてきた。というか、惹かれる、こうなりたい、強い魅力を感じる対象がほとんど男性だった。それについてはよく思いを巡らせるテーマではあって、唯一「こんな風になりたい」と強く感銘を受けた女性は斉吉商店の和枝さんである(唯一なのでよく覚えている)。それが、ここではどうだろう。強烈に印象に残る、もっと話したい、彼女の人生の話を聞いてみたい、と思う出会いがすでにいくつもある。初めて、女性としての人生にこんなにも意識が向いた。
もう一つ、いくつかのホームステイやパーティーを経て思うパーティー文化の良い部分、はじめにちょっとした前菜やスナック(この日は下にハーブを敷いてレモンを絞った牡蠣)を食べお酒を飲みながらちょっとした雑談を楽しむ。お酒を飲みながら、キッチンの真ん中の大きなテーブルで食事の準備、主に男性。魚のフライの準備。Lindyはオーブンでポテトを焼いている。サラダ。パン。魚のフライとテーブルセッティングをそれぞれが同時にして、着席してディナー、シンプルで簡単で美しいプレート。あまり料理に参加しなかったメンバーがさらっとお皿を片付けて、デザートに移行。面白いのは、「良いよ良いよ、私やるから座ってて」みたいなやりとりが見当たらない。役割分担があらかじめ決まっているのかいないのか、暗黙の了解のようにスムーズに、それぞれがそれぞれの役割を果たす、同時に楽しみながら、この流れの美しいことよ。負担が偏ることのない自然なパーティーのあり方、これなら私も家でやりたい。
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悟り7
こんにちは😃
今日は長々と書いていた悟りについてのブログの最終回です!
私は時々変なスイッチが入ってダラダラと真剣にブログを書いてしまいますが、思考の整理になっていいですね💡 私の頭の中で起こったことがどこかで皆様のお役に立ちますように☆彡
(ちょっと長いので、ぜひ休み休み読んでくださいませ🙏 初めての方はこちらから。)
ではでは本題です↓
定説からは外れてしまうのですが、私は最近は悟りとは真理を悟るのではなく、���完全さを悟るってことなのかなぁと思っています。
南麻布の「分とく山」をはじめとするグループ5店舗の総料理長を経て、2023年に勇退された和食料理人、野崎洋光先生が著書にこんなことを書かれています。
魚を調理するとき、ぼくは慣習にとらわれないやり方も用います。
ここでは、それらをお伝えしますが、その方法は、現段階での最新のものです。やり方は常に更新されていますから。※1
あんなに和食を極めた方でもまだ進化しているというのがすごくかっこいいです。
また、同じ本の中にこんなエピソードがあります。
あるとき、店の若い子が炊き込みごはんを炊くときにだしを入れ忘れ、水で炊いてしまいました。そのことをぼくは知らずに味みをしたのですが、「なんだか、いつもと違うぞ」と感じたのです。
そこで、どうやって炊いたのかと聞いただしたところ、だしではなく水を使ったということが発覚したのです。そのときに、「だしを使うより水で炊いたほうが、むしろおいしいではないか」と感じ、それ以降、だしを使わずに炊き込みごはんを炊いています。
これまでは、だしであるのが当たり前と思い込んでいましたが、具材からだしが出ますし、水のほうが具材の味も引き立ちます。水で十分だったのですね。※1
これ、自分が指導者であり上司であり絶対的な立場だと思っていたら、 「作り直して」 で終わってしまうような場面ですよね。野崎先生が常に学ぶ姿勢を持っていて、誰からでも学ぼうとする開かれた態度でいらっしゃるから起こったことのように見えて、素敵だなと思ったのです。
私はスポーツクラブのオンラインヨガを担当していた時、多いと1クラスに10個ぐらい質問が来て、わからないことは調べたり他の先生に聞いたりと大変だったけど、ひとつひとつに丁寧に答えたことがとても勉強になりました。
知らなかったこと、知識があやふやだったこと、この説明じゃわかりにくいんだってこと等、ヨガだけではなく教え方についても学ばせていただきました。
このように学びって相互に起こることであって必ずしも一方的ではないはずです。そして指導者や上司の立場になっても学ぶ姿勢を保ち続けるためには、自分の未熟なところ至らないところをありのままに受け入れる勇気が必要なんだと思います。前回のブログにも書いた “起きていることをはっきりと観る” です。
そういう勇気を持てずに頂点を極めたと錯覚して、自分の言うことがさも絶対であるかのように振る舞うヨガの先生に、私は幾度となく会ったことがありますが、そんな先生のところには2度と行く必要はありません!
そしてヨガに限らず、パワハラ上司とか鬼コーチとかもこの部類の人であり、自称悟った人も私はこのカテゴリーに入れています。
私のところには、今まで習ったヨガの先生に体が硬いだの体力がないだの言われて傷ついて、自信を無くし、“体が硬くてポーズができなかったらすみません🙏” などと謝ってくる人がたくさん来ます。
お金を払って習いにきてるんだからポーズができなくて当たり前です!ある程度できるなら、わざわざお金なんか払わず自分で勝手に練習すればいいからです!
私はこういう人を作ってしまった、その人がそれまで習ってきた指導者にブチギレていて、その先生にもし会えるなら、あなたは始めから上手にできたんですか?今は完璧なんですか?と問い詰めたい気持ちです。
…そうなんです!みんな始めた時は下手だし今だって完璧ではないはずなんです。
偉そうにしてる人はすごいわけではなく、すごくない自分を直視する勇気がない意気地なしです。それがわかると、まともに相手をする必要のない人が見えて来るように思います。
でも完璧でないからと言って完璧になるまで待っていたら死んでしまいます。なぜなら完璧はないからです。
なので完璧でないことを自覚しながらも、自分の今の精一杯を差し出すこと。これは完璧ではないことを認めるよりもっと勇気がいることだけど、これができるようになることこそ人の目指すべきところかなというのが私の結論です。
参考になりそうな引用を3つあげてみます↓
精神科医ロロ・メイ先生の本より
これは、もっとも戦慄すべき段階である。それは自分の規準や判断がいかに限られたもの、不完全なものであるかを承知の上で、それに対して責任をとることを意味する。
これはP・ティリッヒが、「自己の有限性をうけいれる勇気」 ということばで述べているものであり、それはすべての人が持たねばならない勇気であるとティリッヒは主張している。
それは有限であるという事実にもかかわらず、本来の自己であろうとする勇気、本来の自己を信頼しようという勇気である。つまりそれは、自分はその究極の解答を持たないということを知りながら、行為し、愛し、考え、創造することを意味する。しかも彼は間違うかもしれない。しかし自分のもたない力を発展させることは、ただ 「有限性」 を全て受け入れること、および責任ある行為を行なうということからきている。
この段階では、かなりの程度のパーソナリティーの統合が必要である。しかもその統合に必要な勇気は、成熟せる勇気である。※2
未熟な自分を受け入れかつ行動するには、成熟した勇気がいるそうです。
次はアインシュタインがラビ(ユダヤ教の聖職者)に宛てた手紙より
わたしたち人間は、「宇宙」 とよばれる全なるものの一部であり、ある一定の限られた時間と空間のなかに存在しています。
人間は、自分自身、自分の感情や思考を、他宇宙とは独立しているものだと感じていますが、これは錯覚にすぎません。この錯覚がわたしたちを苦しめ、縛りつけています。
他者とは独立したバラバラの個として存在していると錯覚するがゆえに、わたしたちはさまざまな欲求をもち、近くにいる限られた他者の愛を求めます。わたしたちはこの錯覚から抜け出さなくてはいけません。そして愛の輪を広げ、すべての生きとし生けるもの、美しい自然のありのままを、身近な人を愛するがごとく愛せるようにならなくてはいけません。
もちろん、完璧にできる人はなかなかいませんが、そうしようと努力することが、わたしたちの心を自由に羽ばたかせ、心の平和をもたらすのだと思います。※3
そうしようと努力することが心を自由に平和にしてくれる。やっぱり悟りというのは結果でなく意図やプロセスなんだという気がします。
最後はこのブログシリーズの途中でも少し触れました、大槻ケンジさんのエッセイより
これも予備校講師発言ぽくなりますが、「人前で赤っ恥をかく覚悟を持つ」 ということも重要かと思いますね。
バンドをはじめました、映画を撮ってみました、小説を書いてみました、何らかの表現活動をはじめた当初というのは……いや、最初だけじゃなくて、どんなにキャリアを積んでいたとしても、褒められなんてしませんよ。満足もできない。大概が 「やっちまったー!」 という大恥をかくもんなんですよね。恥しかかかない、赤っ恥の連続。それが表現者のお仕事かなぁとよく思います。※4
椎名林檎さんが名曲 “丸の内サディスティック” を恥ずかしくて聴きたくないとおっしゃってると最近ニュースで読みました😱 やっぱり恥ずかしくなるっていうのは、その時はベストを尽くしたけどそこからまた成長した証拠で、いいことなんだと思います!
シバナンダヨガの創始者、シバナンダ先生がこんな言葉を残されています。
善くあれ、そして善くせよ。そのとき、叡知は余すところなくあなたのものとなるだろう。日々、進歩を点検しよう。常に成長するように、常に怠りなく。※5
完璧じゃないから日々努力して、日々点検するんですね。この振り返りが日記であり、瞑想であり、悟りへと続く一歩なんだと思います。なかなか難しくはありますが、私も時々サボりながらもなんとか取り組み続けています。皆様、ぜひ一緒に頑張りましょう!
ということでめちゃくちゃ長くなってしまいました💦 最後までお読みくださった皆様、本当にありがとうございました❤️
何かが伝わっていたら嬉しく思います😌
そして次からはまたしょうもないブログに戻る予定です。お時間できた時があったらぜひ時々遊びに来てくださいませ✨
ではまた次のブログでお会いできますように✌️
(おまけ)
シバナンダ先生の名言はヨガ業界では結構メジャーで、海外でも Be good. Do good. として親しまれています。
そんなBe good. Do good. パーカーをロシア人の女の子が着ているのを見つけてしまった😱
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可愛い欲しいー😭💘 どこで買ったんだろう?いいなぁー!!売ってるのを見つけた方はぜひ教えてくださいませ🙏
1人でご飯を食べてる時にももかジャパンを見るとなぜか自分も一緒に食べてる気になってきて(?)ご飯が美味しくなりますよ☝️ 私の1人ご飯の楽しみです🤭
(引用、太字は私の判断です)
※1 野﨑 洋光
野﨑洋光が考える 美味しい法則
※2 ロロ メイ
失われし自我をもとめて
※3 ダニエル・J・シーゲル
脳をみる心、心をみる脳:マインドサイトによる新しいサイコセラピー 自分を変える脳と心のサイエンス
※4 大槻 ケンヂ
サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法
※5 スワミ・サッチダーナンダ
インテグラル・ヨーガ (パタンジャリのヨーガ・スートラ)
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悲しいことが重なってあまりにもつらかったので、気を紛らわすためにロマサガ2リメイクの体験版をDLしました。
続きに軽い感想など!
体験版を初起動したわたし「なるほど、体験版だから経験値がもらえる戦闘回数に上限があるのか。じゃあサクサク進めちゃえばいいんだな」
体験版をちょっと進めたわたし「さっきのボスにすごく苦戦した。次のダンジョンに行く前に、入念にレベル上げをしよう」
(途中から技術点が0になっちゃいました)
てかロマサガって戦えば戦うだけ敵が強くなるから、そもそもあんまりレベリングしないほうがよかったのか。(技術点0からの気づき)
結構どのゲームでも「レベルで殴る」的な進め方をしてしまうので、そういえばサガシリーズはそこが苦手だったな。最近は世界樹などでヒリヒリした戦いに楽しみを見出してきたので、今ならばそこも楽しめるかもしれません。
チュートリアルの初戦闘で、敵シンボルが思いのほか勢いよく向かってきたのにビビってつい逃げ出してしまったんですが、それを見るジェラールの「ち……父上……」みたいな顔がずっと忘れられない。
レオン皇帝、結構重そうなローブ着てて全く動きやすそうではないのに、洞窟の中を走り回ったり、高いとこからジャンプして向こう岸に渡ろうとして失敗して落ちて、ツタのハシゴを登ったりしてるの、なかなかじわじわきます。あまりにもアクション要素に向いていない風体。原作のイラストだともっとシュッとしているのに……。ベアとかがローブくらい持っててあげなよ。
SFC版を幼い頃に触ったことがあるはずなんですが、ドットのキャラに多少見覚えがあるくらいで全く内容を覚えていなかったので、お城にジェラールの肖像画はやたらと飾ってあるのにヴィクトールの肖像画がほとんど無いせいでヴィクトール……おまえまさか…………死…………🫢となったりしていました。思ったよりかなり早かった……。
最期の言葉が「申し訳ありません……」とか「無念です……」とかじゃなくて、「流し斬りが完全に入ったのに……」なのが、戦士として・皇太子としての言葉ではなく、父の顔を見たことによって出てきた、子供としての言葉かなって思ったので、なんだか人間味があってよかった。
あんな強くて優しくてカッコいいお兄ちゃんがころされて……戦いが苦手な自分が敵うわけないのに、父に弔い合戦だと言われて頷くジェラールは、甘ちゃんの次男坊に見えてやっぱ王族の男なんだなと思ったりしました。
プレイヤー(むりだよぉウォッチマンに負けかけてんのに……)
ロマサガ、そういえばLPという概念があるのでキャラロストが怖いですね。バトルシステムがオクトラのタイムラインバトルと同じなので、相乗効果で戦略性はかなり高そう。
なんか、戦闘のテンポが早くてボタン押したらポンポン進むので特にタイムラインを確認せずポンポン進めてたら、ベアが誰にも回復してもらえないまま攻撃全部受けてとにかく死んでるみたいな悲しい事態が起こりまくりました。ポンポン進むからと言って本当にポンポン進めてはならない。
ヒーラーのつもりで連れてきたアリエスの魔法が強いのでつい攻撃させたくなってしまうため、最終的にレオンが月光でみんなを癒や��ていた。陛下……😭
アリエス、陛下と連携技を繰り出すときのセリフが「サン、ハイ!」だとだいぶ面白い。不遜がすぎるよ。ジェラールが続くと、術の先生みたいで可愛いんだけど。
字が小さめなのと、スイッチだとイベントシーン等がカクつきがちなのはちょっとネックかな。でも悲しいことも忘れて結構夢中になって遊んじゃいました。とりあえず体験版はここまでって言われるまではやろうかなと思います!
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13年ぶりにやったXBLA版バンジョーとカズーイの大冒険の話
2011年くらい、当時Xbox360版のL4D2でフレンドになった方がバンカズ大好きな人で
そんなにおもしろいのか~と気になったので買ったけど結局チュートリアルだけやってやめてしまった。(いつもの悪習)
この間買ったXSXで昔買ったDLゲームを漁っていたら見つけて、かわいい絵だし子供向けっぽくてなんとなく始めたけど…
激むずすぎる…!なんだこれは!
開発元はレア社、ということはドンキーコングと同じ会社。納得の難易度。
なんとか自力でまっどないとマンションまで攻略したけど、空を飛ぶ操作がむずすぎてゴビさばくのサボテンのとげに囲まれたハニカムが取れず。(それ以外は100%にした)
その前のステージのフローズンズンやまでも、雪玉を圧倒的コントロールでぶちあててくる雪だるまの敵を空を飛んだまま突進して倒すというのに苦戦していて気が狂いそうでした。こいつがまた後のステージで出てくるし…。
終盤サビサビみなとというステージに入り、死にまくり…これは絶対に自力では無理だと思い調べてチートを使用することに(空気、コンテ回数無限)
そのデメリットとしてセーブ不可になってしまった。まあいいかとこの時は思っていました。
(XSXにはクイックレジュームという機能があってゲームを終了しないまま本体の電源が切れるし、ゲーム中もホーム画面にすぐ戻れます。次プレイするときは前回やめた画面から始まるのでめちゃくちゃ便利)
サビサビみなとは海に重油が浮かんでて普段より空気の消費量が二倍、そして海面に浮かんでも空気量は回復しない(陸地に上がると回復)。
それに加えて回ってるプロペラの中にあるジグソーを、高所の極狭足場と動く扇風機みたいな羽を乗り越えた先のスイッチを押して戻りギリギリの時間制限で取りに行かなきゃいけないというのがあり…
チート使っても落ちまくったし(落ちたら死亡扱い)まじで投げようか悩んだ。
最後のステージのカッチコッチなもりは3時間かかりました。春夏秋冬と同じステージで分かれててやることも多くて大変だった。
それを乗り越えてのラスボス戦!謎のクイズステージ。
今までクリアしたステージの一部分の写真を見せられてここはどこ?とか、音楽クイズとかあって楽しかった。
各所にいたボスの妹のグレンチルダ?ブレンチルダ?に聞かされていた悪口がクイズのヒントになっているとは。
ゲームの振り返りも兼ねていて感慨深かった。
なんとかクイズもクリアして、助かったチューティ。流れるスタッフロール。クリアだー!!
と見せかけて、偽のエンディングです。レア社ですから。
ボタンを押すとタイトル画面へ。
あっ(手遅れ)セーブ不可なの忘れてた…。
再開してみるも、サビサビみなとから未クリア状態…。
本来なら助かったチューティに早くボス倒しに行け!って言われるらしい。うん…。
一応アクションゲームへたくそ人間としてかなりがんばったしこれをクリアを諦めたゲームに入れるのは悔しいからここに書いて供養させる。
また時間が経ったらやるかも…。
あおむし集めて苦労して育てたエアリーかわいかったよ。
関係ないけどswitchの64オンラインにもバンジョーとカズーイがあるので興味を持った人はぜひプレイしてみてね。
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月刊「しのみやさんち」8月度実況・執筆活動連絡表 ※2024/8/7追記※
つうぃったーでやってた日程表は今後こちらで提示していきます。
ちょっと追記事項があるので、改めて訂正箇所をご確認ください。
あっちは認証マーク外されたし、今後プレミア払うつもりもないですし、インプレゾンビとかいう愚者・亡者が湧いて出てくるのが嫌になるわけなんですね。
というわけであちらの認証マークは8/26を以て再度消えます。
そして今後永久的につきません。付けるならここで付けます。ヤッホイ
そんなわけで、月間「しのみやさんち」8月度、以下よりどうぞ。
熱射差し光る8月の日程になります。
例によって後遺症闘病・体調の不穏がありますので、 参考程度にでもお留め置きください。
長文のため、皆様が気になる箇所を狙い撃ちしてご覧ください。
#しのみやさんち #ゲーム実況 #ゲーム実況者
★ はじめに ★
無理しないし頑張りません。出来ることから少しずつ。 実況・小説活動を行う上で前提・最優先です。健康って大事よ。
無理しそうな時はやむなく時間変更することをご了承ください。 「いのちだいじに」精神で、皆様が笑顔を忘れないためにも、 自分から皆様を笑顔にする実況者・小説家を引き続き目指します。
無理してんなコイツ…と思ったら叱りに来てください。 よろしくお願い申し上げます。
★ YouTube ★
基本的に配信は金曜土曜の25時(土曜日曜・午前1時)を目安に 色んなゲームを触ったり遊んだり喋ったりといったことをしてます。
その中でも現状、定番と銘を打たせてもらっています、
・夜更かし配信 ~日本の夜を一緒に過ごすおしゃべり夜更かし~
についてはスイッチでスイカゲームやったりSwitchOnlineで レトロなゲームでお茶を濁しつつお話に興じたりといった メインコンテンツとしてお送りしております。
他にも平日のいずれかの25時(翌日の午前1時)に設定してある 配信があれば、その日の体調や家庭事情に問題がなければ 予定通り実施すると見ていただいて問題ないです。
が、上述した通りの問題が発生するなどで実施が困難になる場合、 やむなく時刻あるいは日程を先延ばしにする可能性があることは ご了承頂ければと思います。
良識の範囲内に於いての質問やリクエストも気軽にどうぞです。
また、今シリーズとしてお送りしております、
・Final Fantasy Pixel Remaster ~実況者異世界転移シリーズ~
ですが、今までに行ったシリーズとして、
・Final Fantasy ~光の実況者たち~ ・Final Fantasy II ~光と闇の実況者編~ ・Final Fantasy III ~千変万化の実況者編~
がありますが、実況者異世界転移シリーズ第四部として進めていた、
・Final Fantasy V ~孤高を極める実況者編~
がついに完結と相成りましてございます。
いやはや楽しかったです。ただ、他実況者様のお名前を借りても 他に日本人組がいない、ソロ異世界になる漢字だったので、 そこはやはりチャンネル運営主の僕、行ってきましたFF5世界。
FF3に続くジョブチェンジシステムということで、 物理から魔法から色々ございましたが、ある種縛りを入れるには 丁度良いシリーズだったかと思います。
レベル平均20.75でラスボス倒した時は自分でも驚きましたとも。 ま、FF5のストーリー的な正史エンディング(全員生存)も見たし、 実況者異世界転移シリーズとしての正史エンディング (主人公役の僕だけ戦闘不能)も出せたし、かなりよかったです。
次回、4作目ながらにして実況者異世界転移シリーズ第五部となる、
・Final Fantasy IV ~月夜に輝く実況者編~
については他実況者様の名前をお借りしたい人数が実に
11名
といった、大多数とも言える数なので、開始がいつになるかは 正直今の僕でははっきりと決めきれません。
あと、事後報告ではなく事前報告で許可を取るようにしたいです。 が、もし「私(僕/俺)の名前使っていいよ!」という方がいたら 感謝の意を表しつつ喜んでお借りさせていただく予定です。
全員が揃うまで保留にするか、進行度合いに関わる人数分借りて 要所要所まで進行する方針にするかは、今後次第ですね。
あと夜更かし配信でやっていた、
・Nintendo Switch Online - Super Famicom 真・女神転生 仲魔禁止縛りプレイ
についてですが、今月後期かなり体調の悪化に悩まされ、 冗談抜きで死ぬ思いをしたこともあって未だにレベル上げ中です。
もうしばらくお待ちください。
そんなことがありつつも8月初期、いよいよあのシリーズが超復刻!
・密室のサクリファイス
実況動画の投稿が再度開始されます! 編集の細部まで拘った復刻シリーズ第1本、期待したいですね!
密室のサクリファイスについては是非ご検索ください。 超高難易度の激ムズ脱出ゲームってリクエスト元の友人からは 聞きました。めっちゃむずいです。編集もむずいですww
また、新たにシリーズとして投稿しようとしていた、
・魍魎戦記MADARA2
も、ニコニコ動画より一足先にシリーズ化することに決定です! 始まりの第一本は、まさかまさかの編集者が僕じゃない!! だ、誰なんだ~~~!?!?
と、いうことでこちらのシリーズ��も期待したいところです! 体調がいい時にしっかりやっていきたいですね!
そんな僕のYouTubeチャンネル「しのみやさんち」、 下記URLよりぜひお越しください。
★ ニコニコ動画 ★
大規模のサイバーアタックを受けて早2ヶ月が経とうとしています。 ですが、とうとう再開の目途がついたようで、
来る8/5にニコニコ動画が超復活!!
いやっほーい。
そんなわけでYouTubeの項目にも記述しました、
・魍魎戦記MADARA2
のシリーズを機を見て順次投稿を開始していきます。
元々この作品の実況シリーズは、以前やっていたPS俺屍での 2プラットフォーム同時公開という手法をそのままに、 カットのみ字幕のみの編集方法ではなく、今回については 編集方法をYouTubeに準拠してお送りする方針にする予定なのです。
というわけなので、しばらくはこのシリーズが上がるかと思います。 が、兼ねてより投稿を始めようとしていた、
・俺の屍を越えてゆけ リメイク版(R版)
の方も余力が出来た時に取り掛かっていこうと思います。 こちらはあまり期待せずにお待ちください。
ニコニコ動画のページは下記URLからどうぞ。 8/5から通常通り遷移できると思います。
★ 小説家になろう ★
この項目と次の項目は名義を「森羅 葉」としていますので、 お間違いのないよう。
代表作でもある現在の看板ライトノベルである、
・『ロリババアって”職業”なの??』
キーパーソンになる男性も出てきたのですが、 なんとその男性はオタク気質のある今代の大魔王!?!?
と、今代の勇者王が呆然とするようなシナリオになっておりますね。 今後この二人の掛け合いとかが楽しみです。
7月後期の急性症状により1~2週ほどお休みをいただきまして、 早ければ8/6の火曜20時に引き続き週刊連載の再開となる見込み。
※2024/8/7追記※
と書いたんですが、急性症状から快復したとしても、 現行の後遺症+喘息症状は未だに回復の兆しが見られないどころか それによって悪化した部分もあるため、
週刊連載の体は崩さずにやる代わりに、 8月いっぱいはお休みをいただくことにしました。
カクヨム項でも記述しておきますが、9月からの再開見込みです。
他の活動との兼ね合いもあって進みはあまりよくはないですが、 世に出した以上は確りと彼女たちの物語を描いていきたいので、 気長にお待ちいただけると幸いです。
・『異戦国の方程色』
設定資料が長期にわたって見当たらないという事故が起きています。 ので、しばらくの間はのじゃロリロイリーヌさんの物語をメインに お楽しみ頂ければと思います。
僕の「小説家になろう」メインページは下記URLからどうぞ。
★ カクヨム ★
ふと思いついて書き始めたタイトルである、
・『あれっ、もしかして理解ってない?』
も30話に乗りました。
相棒のレインちゃんや、カレンの義母の行方、中級ギルドの内情など 気になる要素はまだまだ増えるばかりですね。
何度も上述した通り7月後期の件でこちらも2~3週ほど お休みを頂いたんですが、こちらの投稿頻度を
旧投稿頻度:4日に1作のペースで20時投稿 新投稿頻度:毎週金曜日・20時投稿
と、週刊連載として再開することになりましたので、 こちらで改めて告知とさせていただきます。
※2024/8/7追記※
と書いたんですが、急性症状から快復したとしても、 現行の後遺症+喘息症状は未だに回復の兆しが見られないどころか それによって悪化した部分もあるため、
4日1連載の体は崩さずにやる代わりに、 8月いっぱいはお休みをいただくことにしました。
なろう項でも記述している通り、こちらも9月再開見込みです。
関西弁の【日本語】使いの行方が気になるところですが、 まずは元・レイスクイーンのレインちゃんの仇敵が相手かな?
どうなることやら~。
というわけで僕の「カクヨム」メインページは下記URLからどうぞ。
★ 終わりに ★
興味のあるジャンル・ページ・チャンネルについては、 各項目の最後に記述しましたURLからご参照・ご愛読ください。
コロナ後遺症、気管支喘息、急性気管支炎…
ただでさえ後遺症と喘息のダブルパンチでぜーはー言ってるのに、 7月後期に急性気管支炎を発症した、発熱した、ってことが 呼吸困難に襲われて危うく死にかけてからわかったことで、 僕の人生の中で最も死を身近に体感した月だったなぁと思います。
健康を当然のように考えて自らの体を苛める方々が後を絶ちません。
僕から一つお願いをしたいですね。
今ある環境、健康だったり境遇だったりを当たり前のように 考えないで、それがどれだけ大事なものであるかを 今一度振り返ってみてほしいと願います。
僕も健康当初は当然と思っていたんですが、それらを喪ってから 今まで享受し続けていた健康が如何に大切で無二だったかを 痛感してきました。皆様に同じ思いはしてほしくないと考えます。
なので、皆様に於かれましても健康を当然と思うことなく、 日常を何事もなくお過ごしいただけるよう、 僕からも各人様へ慈愛を祈らせていただきます。
8月になるにつれて外気温がピークに差し掛かることと思います。 熱中症、熱射病、脱水症状などを引き起こすことのないよう、 塩分や水分の補給を欠かさずにお願いします。
僕との約束ね。
なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。
余談:干し芋
寄付感覚でもいいですし、スルーしても問題ないです。 ただ、万が一来たら甥と姪が喜んでくれます。
送ってもいいゾと思ってくれるだけでもうれしいです。
以上、月刊「しのみやさんち」8月表でした。
皆様の健康をお祈り申し上げます。ではまた。
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シャンデラ「じゃじゃ〜ん!今日の語り部はボクが代役だモシ!
…え、なんで「モシ」かって?そりゃあ、ボクは元々ヒトモシだったから、昔の語尾がそのまま残っているモシよ。御愛嬌ってコト。
トレーナーのりな氏は諸事情によりクーラーもつけられない部屋で夏バテに苦しんでいるので、そこで熱につよーいほのおタイプのボクが初めて代筆をしてみたモシ!
ちなみにボクと一緒の時期に手持ちに入って、ヒトモシのままでいるヒトモシ(便宜上2世とでも呼ぶモシ)は、未だに家の隅っこのモンスターボールに入ったままだモシ…(※筆者注:ごく僅かに開封できなかったダンボール箱があるのだけど、その中にぬいぐるみ達が格納されています)。もうちょっと辛抱してな…。
カントー地方はやはりという感じで、常に変化とエンターテイメントとレジャーと情報でいっぱいだったモシ。ボクがいたところは八景島シーパラダイス!
最近はどこもスタンプ集めが流行っているけど、ただ場所に行くとかなんか見るだけじゃなく、プラスαがあるものだと良いな〜って思えたモシ!この水族館はどうぶつの森さんの生き物の説明を活かしつつ、さらにリアルな話を水族館サイドの補足で読めるという形で参考になったし、生き物への親しみが湧いた…とのりな氏談!
ボクは水は苦手だけど、仲間たちもテンション高そうで嬉しかったモシ!(まだ、ジメジメしててもカントーがそれほど暑くもなくて良かったモシな…りな氏…)
ヤバソチャ〜元気してたかモシ?見ての通りりな氏は帰宅すると気力がなくなる&転職というものをしてから長い間旅に出ず(※筆者注:スカーレットバイオレットをプレイせずに結構な月が経っていた感じ。色ビビヨンにちょこっと会えたくらい。後サブのスイッチもとりあえず引き出しの奥にしまっちゃったので、取り出すのが手間である)、ブルーベリー学園の入学も断って逃げ続けているけど、君のことは忘れていないモシ!りな氏は時間に追われて慌ててメニューを食べたらしいけど、良かったとの談!(あれ、この話したことある…? ←※筆者注:別の脈絡でNoteにこれは呟いたことあり)
気を取り直して、最近あった出来事だモシ!
ずーっと前から気になってた山形に行ってきたモシよ!
中でもずっと気になってたとりな氏が言っていたこの致道博物館。様々な施設と歴史的建造物を全部含めて「致道博物館」と名付けられていて、この写真の建物は旧西田川郡役所という元役所だモシ。縄文とかその辺の考古学資料が出てくる時代、戦国武将の時代、幕府で酒井さんが代々街を整えた時の時代、そして明治近代に至るまで、街の歴史や暮らしなどを幅広く紹介されていた面白いところだったモシ!
ユキメノコちゃんとりな氏はミニチュア作家さんの展示にも夢中になっていたモシな〜。この役所建物の1階がミニチュア作家さんのドールハウスを展示したおしゃれな空間になっていて、建物自体のスタイルとよくマッチしていたモシ。ご存命ではない作家さんらしいけど、遺った作品があれば探してみたい!とはりな氏談…
これは渋谷さんっていう人の民家を移築して保存した文化財だそうで、雪がたくさん降る地域でも生活ができるように、縦に何層と生活空間を作ったり、養蚕ができる作業場を作ったりと生活の知恵がたまっているなぁ…と感じられたモシ…
君たちもとても嬉しそうだったモシな。いかにも中の暖房がしっかりしてそうとか、とんがった屋根の家を見ると、やっぱり雪とか冬を思い出せるからこおりタイプのみんなが好きなのかな?
お祭りで会えた新しい子は色違いのニャスパーとセビエだけだったけど、どっちも初めてだからりな氏も満足してたモシ。
セビエはお肉のにおいを嗅いで来たのかい?うんうん、米沢牛の深い旨さと味わい深さ、ずっと忘れられないモシよ〜!!
(※筆者注:米沢牛亭 ぐっど さんです!美味でした!)
カントー地方だからスタンプのみんなもつい会いに行ったけど、暑くてみんなやばそうにしてたし、りな氏も歯を食いしばりながら本当にこまめに飲み物を飲みまくってたモシ…。改札外出たらすぐ!とか、少なくとも屋根があるところにスタンプ台はほとんどあったので、逆に雨降ってる時にまとめてたくさん稼ぐのが良いかも?とも思っちゃったモシ!
りな氏はとりあえずステージ2で満足、ステージ3は特に意欲ないけどブラッキーには会いに行きたいというスタンスとのこと。
ちなみにルートは
①(別日である前日 埼玉まで車で移動する用事があったので)蓮田→上尾→大宮→浦和→越谷レイクタウン 回収
②(ヌオーを撮った日@都区内パス使用)
両国→東京駅Newdaysでステージ1ゴール→東京→御茶ノ水→新宿→池袋→代々木→品川→川崎(※ここでパンを買い食いして休憩)→桜木町→北千住→東京 回収
という形だったモシ。
結論としては、蓮田とレイクタウン以外車で来るのはオススメしない
上尾もなんか道が狭くて混みがちだった
常磐線のダイヤが少ない感じがした、待合室に冷房が効いたので東京駅このホームの休憩室でたくさん休憩させてもらった 後弱冷じゃなくても暑め
東京駅でゴールして東京にスタンプ取るりな氏のルートだと、東京駅のレイアウトよく知らないと迷うかも
桜木町駅とか、スタンプ押す人が多くなると待機列が屋根外にはみ出ることがある、でも全体的に雨の方が逆に快適そう。JRは地上を走るので日差しが… との感想だったモシ!
乗り鉄も乗り鉄によりけりかモシ?あるいは季節的要因?
とりあえずステージ2ゴールできてよかったモシ…。貰ったテラピースのタイプには満足できなかったみたいだけど。
ここまで代筆してみたけど、りな氏がぐだぐだとどう書こう何書こうと悩んでいるより、サッサとボクが書いた方がアウトプット速度が速くなるような気は確かにしたモシ! SNSは言わずもがな、Noteっていうところでもあまり前に出るのは一旦は控えておこう、という話だったけど…。ま、Tumblrって日記帳により近い感じだし、ブログサイトよりは軽めだから、いいってコトなのかな?また気が向いたら書いてみよ〜っと!」
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気づけば出会って今年で2年目らしいです。もうそんな経ったのかと思う反面、ずっと一緒にいる感覚に陥ってまだ2年しか経ってねえのかなんて考えることがあるのよ。阿部ちゃんが俺のお題箱にくれた手紙を何度も読み返して、今まで以上に「阿部ちゃん」という人、人柄を好きになったな。阿部ちゃんと出逢い、色んな言の葉の花束を贈りあって、色んなとこに出掛けて、美味いもん食って。時に涙を分け合うそんな毎日がとっても幸せです。これは意識的なもんじゃなくて、の話なんだけども。俺の気持ちが不安定だったり、嬉しいこと悲しいこととか、なにか起きると真っ先に阿部ちゃんのとこに駆け込んでんのよ。ってそれは前からだから知ってるか。上手くいかねえなってときに、ふと返信が来て「え、エスパーなの?」って思うこともしばしば。これに関しては逆も然り。阿部ちゃんが上手くいかねえ時とか、自分を追い込んで頑張りすぎてる時に、俺が連絡入れてブレーキを掛けてあげられる存在でありたいと常に思ってるよ。最近は、俺よりも阿部ちゃんが頑張り時で、踏ん張って、まだ行けるって突き進んで、スイッチが切れた時に、俺が駆け寄ってぎゅっと抱き締められるくらいには近くにいるからね。お互いに色んなところを魅せてきて、きっと俺に対してムカつくこともあるだろうけど変わらぬ大きな心で受け止めてくれてありがとう。俺が食いたいって言ったものを忙しい合間を縫って作って送ってくれてありがとう。会いたいと思ってくれてありがとう。俺を必要としてくれてありがとう。まだまだ伝えたいありがとうがあるから、思った時に真っ直ぐ俺が伝えられるようにそばにいてね。後は感情だけじゃなくて、見た景色も共有したい人。なんて言いながら最近は空見上げるほど余裕ねえなって感じだから、次会えた時は散歩がてら一緒に空見上げようね。友達じゃ遠いし、親友じゃ薄っぺらいし、家族でもない。俺らの関係性に名前をつけるのは難しいけれども、誰よりも阿部ちゃんを大切に想う奴がいることをどうか忘れないでいてね。俺にとっての心の安定剤が阿部ちゃんであるように、阿部ちゃんにとって心の安定剤が俺でありますように。いつもありがとう、これからもどうぞよろしくね。
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