#ココディ・ココダ
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映画『ココディ・ココダ』
ゴールデウィークも終わってしまいました。
私は5月2日月曜も5月6日金曜も授業がなかったので、実質10連休!
私は出不精でゴールデンウィークだからといってどこかへ行くのは稀なのですが、今年は野外の音楽フェス「風のハミング」(@大阪・靱公園)に行き、唐組のテント公演『おちょぼ傘持つメリー・ポピンズ』(@神戸・湊川公園)に行き、大阪・舞洲の「ネモフィラ祭り」に行き、夙川のフランス料理店「ル・ベナトン」へ行き……かなり充実した連休を過ごしました。
連休の最後、5月8日の夜にはDMM. comで借りたDVDでヨハネス・ニーホルム監督の映画『ココディ・ココダ』を見ました。
2019年製作のスウェーデン・デンマーク合作映画で、スペインのホラー映画祭・サンダンス映画祭に出品されたもののようですが、ホラーというより不条理系というかキモチワルイ系の映画です。
『ココディ・ココダ』というのは意味のわからない題名ですが、日本語で言う「コケコッコ」で、実際にそういう童謡があるのでしょうね、映画の冒頭、白いスーツに蝶ネクタイ、カンカン帽姿の小柄な老人が大柄な男と女を引き連れて楽しそうに、しかしそれだけに不気味にその歌を歌います。
次に登場するのは、若い夫婦と8歳になるその娘の3人。娘の誕生日を翌日に控えた夫婦は娘が欲しがっていたオルゴールを買って、クルーズ船に乗り込みます。イースターか何かなのでしょうか、3人はウサギのコスプレをしています。
ところが、船中で食べたムールが悪かったのか、妻は気分が悪いと言い出し、トイレに入ってゲエゲエ吐きます。そしてトイレから出てくると、顔が膨れてすっかり相貌が変わっています。たぶん別の女優が演じているのでしょうね。一家はヘリコプターで病院に運ばれます。
一夜明けてーー夫婦は病室で娘の誕生日を祝おうとしますが、娘はベッドに横たわったまま起きません。死んでいるようです。
「え? なぜ?」と思いますが、娘は母親の料理を横からつまんでいたので、食中毒ということなんでしょうか。
泣き叫ぶ妻ーーそこから場面が変わって影絵になります。ウサギの夫婦と子どもを描いた影絵で、ウサギの子どもが大きな鳥の背中に乗るが、転げ落ちて死んでしまい、ウサギの夫婦が弔うというようなストーリーで、かわいいといえばかわいいので��が、それだけに不気味です。
3年後ーー
娘を失った夫婦はバカンスを過ごすため車で旅行に出ています。どうやら夫婦仲はあまり良くない様子で喧嘩ばかりしています。
夜、妻はホテルを探そうと言いますが、夫はキャンプをすると言って、強引に森の中に車を入れます。なぜか真っ白な猫が車の前を横切ります。
明け方、妻はトイレに行きたいと言って、森の木の下でおしっこをします。するとそこへ冒頭に登場した謎の3人組ーー巨漢の男は死んだ犬を抱いており、女の方は獰猛そうな犬を連れていますーーが現れ、妻をなぶり殺しにします。
3人組はさらにテントに残っていた夫に犬をけしかけます。夫はナイフで応戦しなんとか犬を殺しますが、女にピストルを向けられ万事休す。
するとーー
[以下ネタバレです。まだご覧になっていない方はご注意を]
そこで画面はロングショットになってストップします。実はこの映画はタイムループもので、夫が殺されそうになるところで場面がストップし、前夜に戻ることになっています。
なぜタイムループが起こるのか、説明は一切ありません。でもまあ仕方ない……というか、妙な説明があっても白けるだけですから、いいんじゃないでしょうか。
二度目、夫は妻にテントの中でおしっこをさせますが、結果は同じです。
三度目、夫は一人でテントを出て車に隠れ、妻が殺されるのを見ていますが、やがて3人組に気づかれ、やはり結果は同じ。
四度目、夫は妻をせきたてテントをそのままにして車で逃げようとします。途中、妻がどうしてもトイレに行きたいというので車を止めます。妻が森の中でおしっこをしていると、やはり3人組がやってきて、結果は同じ。
五度目はちょっと趣向が違います。テントの中で妻が目覚めると夫がいません。妻はなぜか夫の寝袋を持ったまま夫を探します。しばらく歩くと自分達の車が見つかります。車は木に激突して停まっています。夫はいません。
妻は運転席に乗り込み発車させようとしますが、車は動きません。彼女は一匹の白い猫を見つけ、猫に導かれるように森の中に踏み入り、一軒の家にたどり着きます。
この辺りのどこかで、また妻の相貌が変わり、食中毒の際に妻役を演じていた女優にチェンジ。彼女は家に入ると、祭壇とも劇場とも思える部屋があり、そこで影絵が始まります。
影絵は冒頭のものと似ていますが、続きがあります。ウサギの夫婦は娘を振り落とした大きな鳥に矢を放ち、捕まえて鳥籠に入れます。鳥は羽が抜け、尾が抜け、顔と足だけになってしまいます。
やがて鳥籠が燃え、鳥は焼け死んでしまいます。しかし、鳥は蘇り、元通りの姿になって空を飛んでいきます(「え? 不死鳥? 火の鳥?」と見ていた私は思いました)。
六度目、夫は無理矢理妻を車に乗���発車します。今回はおしっこに行くことすら許しません。妻はシーパンを濡らしています。
ようやくこれで助かったのかと思った瞬間、車の前に一匹の犬が現れます。夫は犬をはねてしまい、車はそのまま道路脇の水たまりに落ちてしまいます。
え? この犬は、巨漢の男が抱いていた死んだ犬じゃあありませんか。
ということは、夫婦が犬を轢き殺したので、3人組はその復讐をしたわけですか。
なるほど、それで万事合点がいったーーって、なるはずはないですよね。ナンダコレハというのが観客の思いでしょう。
でも、夫と妻は泣きながら抱き合いキスをします。
ラスト(というかエピローグ)ーー「ココディ・ココダ」の曲がかかり、座っている少女の後ろ姿か映ります。夫婦の娘のようでもありますが、私の目にはもっと大きな……一人前の女性のように見えました。
カメラがパンするとその女性がオルゴールを回しているのがわかります。カメラはオルゴールに描かれた絵を写します。絵に描かれているのは、巨漢の男と犬を連れた女と白づくめの老人……つまり、例の3人組です。
うーん、これはどう解釈すればいいのですかね。死んだ娘が両親の仲が悪いことを悲しみ、オルゴールから3人組を遣わして、夫婦の再生を試みたという解釈もあるようですが、それが当たっているかどうかはわかりませんし、そもそもこの映画をそんなふうに一つの解釈に引き下げてしまうのはもったいないような気がします。
私はこの映画を見ながら、「え?」、「え?」と思い、口をあんぐり明けていました。
そういう状態を楽しむ映画、不条理という言い方がいいのかどうかわかりませんが、もしそういう言葉を使うとすれば、不条理を不条理のまま楽しむ映画と考えるべきでしょう。
嫌いじゃないぜーーと思います。
追記: タイムループものの映画はそれほど多くはありませんが、粒揃いですね。『バタフライ・エフェクト』は文句なしの名作ですし、『ハッピー・デスデー』とその続編『ハッピー・デスデー・2U』も素晴らしい映画でした。『恋はデジャブー』もなかなかいい映画です。そういえばそれほど話題にはなりませんでしたが、つのだじろうの漫画を映画化した『予言』という日本映画もありました。それほど有名な映画ではありませんが、いい映画だったと思います。
タイムループものではありませんが、何度繰り返しても同じ結果になるという意味ではルイス・ブニュエル監督の『ブルジョワジーの密かな愉しみ』も同じ部類の映画と言えるかもしれません。
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2022年に見た映画(上半期)
勢いに任せて(?)今年見た映画も上げておきます。
と言ってもDVDやAmazon Primeで見たものばかり……実際に映画館に言ったのは数えるほどしかありません。
便利な世の中になりましたが、本当にそれでいいのかという気もしてしまいます。
1月(3) ・『ゴーストランドの惨劇』(パスカル・ロジェ監督の作品。) ・『検察側の罪人』(論外。) ・『BURN/バーン』(キモチワルイ系の作品。)
2月(8) ・『六月の蛇』(塚本晋也監督・出演の作品。) ・『マーターズ』(パスカル・ロジェ監督の作品。) ・『パーフェクト���ラン/人生逆転のパリ大作戦』(フィリップ・ラショーの仲間タレク・ブダリが監督したコメディ。でもこれはちょっと……) ・『ドライブ・マイ・カー』(これは映画館に観に行きました。でも、これ……そんなに名作ですか。) ・『シティー・コップ、余命30日のヒーロー』(これまたタレク・ブダリ監督・主演のコメディ。でもこれはちょっと……) ・『KOTOKO』(これまた塚本晋也監督の作品。) ・『ロブスター』、『聖なる鹿殺し、キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(どちらもヨルゴス・ランティモスの映画。不条理系というのかな?)
3月(13) ・『ローラとふたりの兄』(私が愛してやまない『愛しき人生の作り方』の監督ジャン=ポール・ルーヴの新作。これは映画館に観に行きました。やっぱりいいなあ、ジャン=ポール・ルーヴ。) ・『罪の声』(論外。) ・『事故物件、怖い間取り』(論外。どうした、中田秀夫!) ・『ザ・スウィッチ』(『ハッピーデスデー』、『ハッピーデスデー2 U』の監督クリス���ファー・B・ランドンの新作。) ・『地獄の警備員』(松重��が人を殺しまくる伝説の映画。) ・『明日に向かって撃て』(ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演の伝説の映画。恥ずかしながら、初めて観ました。) ・『宇宙人ポール』(『ショーン・オブ・ザ・デット』、『ホット・ファズ』のトリオが作ったコメディSF。) ・『ブリット』(スティーヴ・マックイーン主演の刑事映画。NHK. BSでやってたから見ましたが、まあ見なくてもよかったと思います。) ・『奥様は取り扱い注意』(テレビドラマの映画版だそうですが……論外。) ・『夏への扉』(ハインラインの原作は名作なんですが……) ・『燃ゆる女の肖像』、『水の中のつぼみ』(レズビアン映画という分類でいいんでしょうか。) ・『パラサイト』(「今頃?」と言われそうですが、今頃見ました。)
4月(19) ・『我らの生涯の最高の年』(これも伝説の映画ですね。初めて見ました。) ・『鳩の撃退法』(期待して見たんですが、イマイチ。) ・『総理の夫』(論外。) ・『グランド・イリュージョン』(まあ、こんなもんかな。) ・『コンフィデンスマンJP、プリンセス編』(いいと思います。私は好きですね。) ・『十二人の死にたい子ども館』(期待して見たんですが、イマイチ。設定はいいのになあ。) ・『自殺サークル』、『紀子の食卓』、『気球クラブ、その後』(園子温がマイブームだったので。『紀子の食卓』は名作だと思います。) ・『オールド』(ナイト・シャマラン監督の作品。) ・『新宿スワン』、『新宿スワンⅡ』(これも園子温ですが、駄作ですね。) ・『アルベール・カミュ』(こんな映画があったんだ。知りませんでした。) ・『007カジノロワイヤル』(おバカコメディ映画。時々見たくなる映画です。) ・『羊の木』(うーん、これはどうかなあ……) ・『外事警察ーーその男に騙されるな』(いいと思います。私は好きですね。) ・『すべてが狂っている』(鈴木���順監督の映画。そんなには狂っていません。) ・『フリークス』(伝説のカルト映画。初めて見ました。) ・『オンリー・ゴッド』(ニコラス・ウィンディング・レヴン監督の映画。) 5月(21) ・『ネオン・デーモン』、『ドライブ』(ニコラス・ウィンディング・レヴン監督の映画。) ・『プラン9・フロム・アウタースペース』(史上最悪の監督として名高いエド・ウッドの伝説の映画。ついに見ることができました。) ・『来る』、『渇き』(中島哲也監督の映画。どちらも私は大好きです。) ・『ココディ・ココダ』(キモチワルイ系のタイムループ映画。) ・『空に住む』、『東京公園』(青山真治監督の映画。追悼を兼ねて見ました。) ・『キングコング(1933)』(これまた伝説の映画。初めて見ました。) ・『さらば箱舟』、『書を捨てよ町に出よう』、『草迷宮』、『田園に死す』(寺山修司の映画。6月に青森に行くので、その予習ということで、寺山がマイブームだったのです。でも私は好きですよ、寺山。) ・『赤い航路』(ロマン・ポランスキーの映画。) ・『カムバック・トゥ・ハリウッド』(おふざけ映画ですが、私は好きです。) ・『秘密と嘘』(マイク・リー監督の映画。カンヌでパルムドールを取りました。地味な映画ですが、私は好きです。) ・『天国に違いない』(エリア・スレイマン監督の映画。カンヌで審査員特別賞と国際映画批評家連盟書を受賞した映画だそうですが、何が何だか……) ・『父はフロリダを夢見て』(老人介護映画……ではないはずですが) ・『シン・ゴジラ』(なぜこれが受ける? 私にはわかりません。) ・『コンフィデンスマンJP、運勢編』(だからワタシ、これが好きなんです。) ・『アンチ・クライスト』(ここからラース・フォン・トリアーがマイブームになります。)
6月(8) ・『ライト・ハウス』(一部で熱狂的な支持を得ている映画ですが……) ・『シエラ・デ・コブレの幽霊』(やっと見つけました。幻の映画です。まさかAmazon Primeにあったとは。) ・『ザ・バンド、かつて僕らは兄弟だった』(昔ザ・バンドのファンだったもので。) ・『メランコリア』、『イディオッツ』(はい、ラース・フォン・トリアー監督の映画です。) ・『狂った一頁』(無声映画。日本初の前衛映画だそうです。そうなんだ……確かに訳がわかりません。) ・『ヨーロッパ横断特急』(アラン・ロブ=グリエの映画。こんなのもAmazon Primeにあるのですね。) ・『華氏119度』(マイケル・ムーア監督の映画。『華氏911』ではありません。新作です。) 上半期だけで72本ですか。結構見てますね。
特に5月の21本は多いなあ。
下半期は項を改めて書きます。
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