#グレアム・グリーン・セレクション
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その夜は二人が新たに僚友関係を結んだ最初の夜だった。二人は灯火管制用カーテンのかげで政府支給の同型の椅子にすわって読書した。テーブルの上には、ウィルスンのためにウィスキーのボトル、ハリスのためにライムで味つけした麦湯のボトルがおいてあった。雨がたえまなく屋根をたたき、ウィルスンがウォレスの小説を読んでいるあいだ、異常なまでの平和感がハリスを押し包んだ。
— グレアム・グリーン著/小田島雄志訳『事件の核心』(2014年1月Kindle版、ハヤカワepi文庫〈グレアム・グリーン・セレクション〉)
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「ぼくは西部物の愛読者です」と、クーラーは言った。マーティンズはクルツを信じなかったが、彼の言うことは信じた。
グレアム・グリーン著/小津次郎訳『第三の男』(2012年9月3刷、ハヤカワepi文庫〈グレアム・グリーン・セレクション〉)
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