#アラサー、真夏の大冒険
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アラサー、真夏の大冒険
もうすぐ30を迎えるというのに、未だ実家で療養しながら単発のバイトをたまにしては小銭を稼いでる自分であるが、久しぶりの一人旅に出ることにした。
行き先は東京、そして初上陸の九州は福岡へ。
無職なんて期間はもうこの先の人生無いと踏んで初の九州へ足を延ばす事にした。
支払い手数料やら手荷物預かり料に憤りを覚えながら初めて自分で予約したLCC。
およそ3年ぶりの深夜バス東京行き。
首都圏では地下鉄に乗って、浅草から水上バスでレインボーブリッジでも見てやろう。
写真のような帽子、リュックを持った男を見かけたら笑ってやってください。
早くも地元から県庁所在地行きのバスの中。
旅の途中。東北の空の下より。
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10月の記録(The Cheserasera、NCIS、弾き語りと、たくさん見たよ)
10月はめちゃくちゃ忙しないひと月だった。
The Cheserasera(弾き語りも含めて)は、6日下北沢(弾き語り)、8日大阪ミナホ、11日札幌、14日渋谷ルールブルーとピストルディスコ、21日稲毛K's、23日FEVER、25日熊谷、27日高崎灯火祭、28日響音祭(東放学園)
それに加えて5日はGFO見に横浜行ったし7日はNCIS武道館、29日は拓ちゃん晃太さんの弾き語りも行った。
我ながらひと月の1/3は多い…(笑)10月の頭は(仕事における)やる気が全然出なくてどーしたもんかと思ってたけど、NCIS武道館行ったあたりからやる気に満ちてきて、身体は疲れてるはずなのに毎日すごく元気だった。
7日は真夏のような暑さで汗をダラダラかいたのに、月の後半にはほとんど冬みたいな気候になった。10月ってこんなんだっけ、へんなの。以下、ザーッと振り返ってのメモ。
6日宍戸翼弾き語り。この日は出演者それぞれに「そんなの飲んでたら身体壊すぞ!」とかお兄さん風に言い(笑)曲を贈りながら歌う。最近、弾き語りで聴く賛美歌はかなり良い。ずーっと前に見たときよりも、直近で見た2つのステージではシャン!としてる(気がする)。物理的な話じゃなくて胸板厚くなったみたいな感じ…(笑)声の太さ?声量が増えた?わからないけど、歌に表情が増えたというのだろうか。もっとAIR PLANEとかやってほしいし、その反面、めちゃくちゃロックな曲をやってほしくもある。弾き語りは本当に個体差がわかりやすい。もっと大きくなる気しかしない。なんだろう、そわそわする。ふわふわする?ぞわっとする。過渡期のやつ。そう、あれ、トンネル抜ける前みたいな感覚。
弾き語りの話ついでに、29日の清水エイスケ、松��晃太、村松拓の弾き語りについても書いておくと、まさに三者三様で、エイスケさんの弾き語りは一番歳下なのに一番渋かった。吠えるようだったり、囁くようだったりで、侍感。武士感。それがバンドだとどう変わるのか、Age Factoryも聴いてみたい。新譜「GOLD」のツアーにはircleも出る。
晃太さんの弾き語りは一瞬で終わってしまった!と、思った…。黄金になるで始まって、ニコウエ。バンドでも聴きたかったな…。弾き語りの方がメッセージが強い気がした。天気の話をするバンドはダメだ!そんなバンドを追いかけるのはやめなさい!と言いつつ(笑)天気の話をして雪国。そして東京。この曲ができた時のことをすごく覚えてる、とウミネコ、最後はバンドマン鎮魂歌。私、晃太さんの声がとても好き。めちゃくちゃカッコよくて、自分が男ならこうなりたい、憧れの男性で言葉に嘘がないというか、有無を言わさず信じられる人のように思う。また行きたいよぉ!
拓ちゃん。拓ちゃんは拓ちゃんだった(笑)こんだけ松山晃太好き…と思ってたのに一瞬で「はい村松拓最高世界で一番好きな声」でした。シナプスの砂浜で始まり、被災したり、今もどこかで元気にしてる人へつながりの話をして「青の雫」、晃太さんに歌えって言われた「Isolation」は、アレンジがやっぱカッコいい。手拍子ないとできないとか言うのも可愛いくてですね…(盲目)歌い直したのに同じ曲を歌った「朱い群青」、仙台の女の子との遠恋の話からSilent Wheel、手拍子くれってやったSave the World、アブストの曲もやってくれて過去じゃなくて今なんだって嬉しかった。冒険者たちへ、と贈られたアンコールのAdventuresは私にとってものすごく大切な曲になっている。2年前と同じ場所で、同じタイミングでまた聴けてありがたかった。ここまで見て、この人たちと宍戸翼をサシでぶつけたいなーと思いました(笑)やってくんないですかね。見たい。
7日のNCIS武道館で泣きまくり完全に魂が抜けてしまって8日はケセラとバクホン見にミナホへ。サーキットだと男性が前の方にも多く入ってて、機材見たり音の良さや演奏力の高さに異常に興奮してる。ベースやば!とかドラムなんなん?!とか、そーゆー声がわさわさ聞こえてくる。それを聞いてニヤってするのが私は楽しい(笑)宍戸くんがまたステージを端から端まで歩いてて楽しそうだった。ジョゼのことに触れて歌ったBlues Driver、感情が爆発しすぎて声が出なくなる。すんごい顔して歌ってるのを見て、��いなって思う。西田さんはIHLSの笑わせんなよ!の時に耳に手を当てて煽っていて、わたしは笑わせんなよじゃなくてなにそれすきぃ!と言ってしまったので罪深かったし今後もやってください。あと、たぶんお財布をなくさなかったのでえらいなとおもいました。そしてバクホン!前に突っ込んでぐっちゃぐちゃになって楽しかったしダイバーの足が顔面に入って流血したけど(笑)楽しかった!晩秋聞けたの嬉しかった。将司さんの誕生日でした。
札幌は別で書いたので割愛。
14日のルールブルーは午後イチと出番が早かった。「頑張って朝早くからきました!(笑)」と言う宍戸さんが「僕たち今日まだもう一本決まってて、夕方SNSチェックしといてください!」と意味深発言。
消えないロンリー、いつかの仙台で聞いたとしたら1年ぶり?くらい。ベースがバリバリした音を鳴らすところが好きだし、キラキラしてるのにそういう裏の顔出してくるところあるよね、という感じ。愛しておくれやるかなぁと思ってたので「愛しておくれという曲ですぅ!」に大興奮でした。そーゆーとこ!笑 ベースの指弾きとコーラス入ってくるところがめっちゃ好き。あと、もうこの歌詞はつらいなぁと思う年齢をとっくに通り越してきたはずなのに、ちょっと胸が苦しかった。これがエモ…?
そして17時にピストルディスコの出演が発表になる。20時40分のトリ。音の旅crew見たかったので頭から行って中抜けして戻る戦法。音の旅、心地良くて好き。今年3回くらい見てる(笑)ゆるっとしてからのDJタイムとテキーラショットをキメる若者たちを見てるのはかなりつらかった…
The Cheseraseraのときにはデキあがった会場が新鮮でした。縦に揺れたり横に揺れたり手あげたりあげなかったり好きに楽しんで!と宍戸さん。BLUEで跳ねすぎて汗かいた…。札幌でテキーラによる失態を見せたらしく、見たくもないと嫌がっていたにも関わらず、アンコ���ルではショットガンを(ご馳走になったようで)キメてからSHORT HOPE。西田さんは「1人運転だから」と2ショット。酔いが回りそうでドキドキした。ずっと好きだよ!のとこ顔面スレスレで弾いてくれて最高でした…。へへ。弦組2人が暴れ倒すと美代さんが大変そうで、そんなシーンも好き。1日に2回も見るのは年末感があって、ものすごーくしあわせだった。ビール飲んだり楽しかった。
21日はbattaのレコ発で稲毛へ。その前に渋谷で女王蜂!告げ口を109前でやる女王蜂のブレなさ、めちゃくちゃ好きです。小さな女の子がアヴちゃーんて呼んでたり、老若男女問わず人がいて、なんというかね…胸が熱くなるし涙がこみ上げてきます。カッコいい。
そしてるんるんで稲毛。宍戸さんに「快適に過ごしてんじゃねえ!!」て言われるくらい(笑)快適な空間でエアコンが寒かった。ステージが高いので後ろから見たい好きなハコ。ビギナーズラックが嬉しくて飛び跳ねたりしてめちゃくちゃ自由だった。最近、月と太陽の日々のサビ前に宍戸さんが「いこう!」ていうのが私的にはツボ。その日のテンションで色んなパターンがあるので楽しくなってしまう!
K'sのトイレには懐かしいバンドのステッカーがたくさんあって当時を思い出してエモみが溢れてきます。そういえば、西田さんが前回のツアーファイナルでは声出なかったんだよねって言ってて(その次からフィーバー、熊谷とまさに同じコースだった)、それがもう半年ほど前の出来事だってことに時の流れの速さを感じました…。battaの新譜もカッコ良い。鋭利で夜っぽくて、でもめちゃくちゃ愛を歌ってたり。今年はbattaもたくさん見てるなぁ。
23日、新代田FEVER。この日から新しい黒Tが出たので、物販で3人とも着てた!ラストワルツ、夢を見ていたの美代コース。ドラムの音がちょっと奥まっていてメロディアスさが物足りなかった…。最近、曲づくりしてるからって言う時の宍戸さんはなんか目がうるうるしてる。私この日すごく疲れてた。
25日、平日の熊谷は遠い(笑)翌日疲れすぎててもうダメだ!と思ったけど金曜日だったからなんとか乗り切れました。
KAKASHIは2度目かな。お客さんに若い子や高校生が多くてドキドキした…!ドラマストアはやっと見れた!海くんぷくぷくしていた…(笑)鍵盤の子はギターの子だとわかってひたすらため息でちゃう。途中抜けようとしてたけどしっかり最後まで見てしまった…
この日のThe Cheseraseraはなんだかめちゃくちゃ楽しかった。なんだろう。楽しかった。この日の朝、心に抱いたままも好きなのになかなかやらないなぁと思いながら聞いてたんだ!始まった時、鳥肌立った!
27日灯火祭、実はすんごく楽しみだった。ircleもkoboreも見れる!てウキウキで行きました。クワルー見てたら仲道さんが前に立って見ててしぬほどドキドキしてた。(ドキドキするので場所変えた笑)クワルーも5回くらい見てる。クワルー→ケセラ→インキー→kobore→ircle→秀吉→KAKASHI
ircleめっちゃ楽しかった。サーキットや対バンとして見るだけじゃなくてまたライブ行こ!てことで後日行きました。有言実行だいじ。The Cheseraseraキラキラしてて楽しかった。袖に集まってくる子たちが可愛すぎた。BluesDriverのときにドラムの横で体育座りしてる子とかいた。改めてめちゃくちゃ大好きだし、本当にライブがどんどん変わってきた。大きくなったというか、強くなったというか、もともと自由だったのかもしれないけど、今とても自由な気がする。のびのびしてる?のかライブが楽しい。思い立って、行ける限り��ライブにぜんぶ行こうと決めて、最優先でどこにでも行くのはハンパな気持ちじゃなくてすごく疲れるしお金もかかるしもう2度としたくないけど(笑)それでも目を離したくない。
28日、アラサーはもうくたくた!(笑)若者ばっかりの学園祭は辛い。でも、学校も学祭のステージもめちゃくちゃ興味あるしとても良いライブだったし、行ってよかった。音が素晴らしく良くて、ちょっと間違えてもすぐわかるくらい。「努力したら報われるなんて嘘だ」という言葉は彼等からだから響くものだろうね。努力しなければ今はないけど、なかなか比例はしない。頑張っても結果が出なければ評価はされない。東京タワーもDrapeもとてもよかった。周りの男の子たちが曲ごとに「ヤベーかっけえ」のオンパレード、終わってからステージの機材チェックしたりで胸熱でした。ドラム叩きながら美代さんの叫んでる声が聞こえたり、熱かった。
MCであった血みどろのハッピーハロウィンは流石に怖いんだけど(笑)、「困ったことがあったらライブハウスに来てください!」と力強い言葉でしめて、アンコールまでキッチリやったステージは本当に素晴らしかった。
誰かや何かを貶めなければ得られない快感なんか必要ない。無益で虚無。好きなものが在ることがひたすらしあわせで、元気だ。人生は時間で出来ているから、好きなものに目いっぱい時間を使ってたくさん笑いたいし笑ってほしい。つかれたけど悲しくて憂鬱で泣くような暇なんてなかった。
バンドマンなんか単純なんで、あなたが今日ここに見にきてくれてる、それだけでハッピーなんです!と言った晃太さんの言葉がとてもしみわたったなぁ。
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声からの出会い
川崎駅近くのビジネスホテルから駅へ向かいながら、会って最初の一言は「はじめまして」がいいだろうと考えていた。
向こうは俺の顔を知らない。ある有名バンドのボーカルに似ているとは話していたが、顔写真はいらないと断られた。反面、向こうは知り合いの猫の写真を送ってきた時に、その猫を抱いているのを自分と忘れており、思いがけない形で顔を見た。思ったよりも目鼻立ちがはっきりしていて可愛らしく、胸ポケットにマルボロが入っているのがその子らしかった。
駅のエスカレーターを上っているときに、待ちあわせ場所に着いたとLINEが入る。時刻はまだ予定より五分早い。女性と待ち合わせした中で自分が遅いのは初めてだった。
エスカレーターの途中で聴いていたAmazonミュージックから久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」が流れてきて、何だか滑稽だった。
待ち合わせ場所の改札口が見えてきたとき、その子に通話をかけた。数コールして出た声は少し寝起きっぽい低い声だけど、その子らしい少年味のある少し鼻にかかった女の子の声だった。
「改札いるよ。どこいる?」
「俺もう少しで改札。黒い帽子被ってるよ」
「あっ、見つけた」
周りを見渡すと一人の女性が俺に向かってきた。
マスクをしているから写真の印象とは違った。そして思ったよりも背が高かった。
「エリちゃん?」
「うん、えっ、だよね?」
「あっ、よかった。はじめまして」
「はじめまして。じゃあ行こっ」
俺が歩いてきた方へエリは歩き始める。店は任せていた。
歩くスピードは男らしいくらい早かった。
「いつ東京着いたの?」
「今朝の七時くらい」
「はやっなにしてたの?」
「浅草行って船乗ってレインボーブリッジくぐってた」
「面白いことしてんね」
「さっきまで寝とったやろ」
「そう、モンハンやってたら夜遅くなったけど、ちゃんと起きたかんね」
通話なときと同じ会話のテンポで、ほんとにこの子なんだなと思った。
エリと出会ったのは通話アプリの掲示板だった。
五月半ばの初夏の日差しが暑くなってきた頃。
ボーイッシュで鼻にかかった声の音域が何とも魅力的だった。最初、アプリでの名前はシェリーだった。後から聞くのだが、シェリーは実際のあだ名で、本名のエリをもじって友人たちがつけたらしい。
話していくうちに出身が同じ県であること、高校の最寄り路線が同じということ、俺が大学時代に住んでいた市に今住んでいるということで、距離感が一気に縮まった。
バンドをやっていたということで、地元のライブハウスやスタジオの話題で盛り上がる。
歳は四つ下だから、後輩のような妹のようなそんな人懐っこさがどこか可愛らしくて、週に一度は話すようになった。
サバサバした口調や性格だが、アニメの話になると声色が変わり、一緒に「時をかける少女」を見たときは酔っていた事もあるんだろうが、普通の女の子の黄色い声になっていた。そのギャップが可笑しかった。
「来週東京行くから飲もうよ」
「いいよ」
エリの休みに合わせて東京へ着く日を調整した。
そしてその日を迎えた。
エリについていった先は早くからやってる居酒屋だった。
「ここでいい?」
「いいよ」
「ここ煙草吸えっからいいんだよね」
席に座る。
「お腹すいたー、何も食べてない」
「好きなのたくさん食べな。でも飲むときあんま食わんのやろ?」
「そう、だからちょっと食べてあとは飲む!生でいい?」
「いいよ」
俺がオーダーしようとするのよりも先に、エリは大きい声で店員さんを呼んでオーダーした。これもあまりない体験だった。
「嫌いなもんある?」
「ちょこちょこあるけど、エリちゃん好きなの選びなよ」
「しめ鯖は?」
「大好き」
「じゃあしめ鯖」
「紅生姜天いいな」
「あたしも思った」
ビールを持ってきた店員さんに手早くオーダーを言う。牛タンとタコ唐もオーダーした。
乾杯してビールを飲む。美味かった。
「緊張しとるわ俺」
「あたしもだよ���
「慣れてるやろ友達多いだろうし」
「そういうわけでもないよ」
「そうなんか、あっ、そういえば土産持ってきた」
「えっ、なに?」
前にエリと話した地元で有名なかぼちゃのパイとクラフトジンを持ってきていた。
「あー!そのパイ!」
「好きって言ってたからさ」
「ありがとうめっちゃ嬉しい」
「あとこのクラフトジンも飲んでみて」
「ありがとう!」
これで少し緊張が解けた。
「帰りに渡すから持っとくよ」
「うん!」
一気に声色に女性っぽさが出てきた。
あれこれと話した後。
エリがポケットからマルボロを取り出す。
「あっ、ライター忘った」
俺はリュックから同じマルボロとライターを出した。
「好きに使っていいよ」
「ありがと!無くなったら煙草もらうわ」
「いいよ、他のも持ってきとるから」
二人で煙草を吸った。
仕事の話やら最近の休みが変わった話やらをしているうちに互いに酔いもまわってきた。
今の仕事は楽しいらしい。
ウーロンハイと緑茶ハイが好きなのは通話で知っていた。生ビールのあとはずっとウーロンハイだった。
エリは元々楽器屋で働いていたり音楽業界に精通していたから、話題は音楽の話になっていった。
ビートルズではイエローサブマリンが一番好き。
一番好きなバンドはHi-STANDARD。
仕事で横山健と撮った写真を見せてきて羨ましく思った。
「地元には戻ってこないんか?」
「うーん、仕事がなー。それにあたしまだまだやりたいことあるからさ」
「でも子供生みたいんだろ?」
「そうなんよ。今すぐでも欲しい。そしたら実家近いほうがママに頼れるからいいんよね」
「難しいとこやな」
「そうなんよねー」
エリは完全に酔っていて、顔の表情筋がやわやわだった。
俺がスマホを向けるとエリはポーズを取り出した。
「顔隠すポーズやめろー」
「えー、しゃあないなぁ」
おそらく俺は今までで一番いい表情の写真を撮った気がした。
屈託のない、エリの魅力が溢れていた。
「カラオケいくか」
「いく」
店を出てカラオケに行くことにした。
会計で俺が支払っていると、胸ポケットに千円の束を入れてきた。というよりも突っ込んできたという言い方が適当かもしれない。
「いらんよ、俺が誘ったんやから」
「いいって、いいって。ほらいこう」
店の斜め向かいにあるカラオケ館へ。
「なんかさ」
「なに」
「思ったより似てたよ」
「ああ、あのボーカルに?」
「そう!」
また屈託のない笑い顔だった。
部屋に入る。
「はくび歌う」
「はくび?」
「あたしKing Gnuめっちゃ得意だから」
「それさはくじつっていうんだよ」
「嘘、ずっとはくびはくびって言ってたけど」
「周りのやつも知らんかったんかな」
「めっちゃ恥ずい」
バンドでギター・ボーカルをやっていただけあって歌はうまかった。
「声が似てるって言われ大塚愛歌ってよ」
「いいよ」
黒毛和牛上塩タン焼680円を歌った。確かに声質はピッタリだった。本当は俺の好きな桃ノ花ビラを歌ってほしかったが次回に取っておこう���思った。
俺はというと、ワンナイトカーニバルやらミッシェル・ガン・エレファントを歌ったら声が潰れてしばらく歌えなくなった。
エリのオンステージだったけど、楽しそうな姿を見ているだけで幸せな気持ちになった。
煙草を吸いに喫煙室に行ったとき、酔ってフラフラのエリがしゃがみ込んだ。
少し躊躇ったあと、エリの頭を撫でた。
湿気でボサボサになっていた頭を何度も撫でた。
「今朝シャワー浴びてないから」
頭を振った。ポンポンと頭に触れた後に、手を元の場所に戻した。
可愛らしくてしょうがなかった。
それは妹を可愛がる兄の気持ちなのか、酔った後輩の面倒を見る先輩の気持ちなのか、それとも本気の気持ちなのかわからなかった。
ただ、その髪を撫でたい。それだけだった。
部屋に戻ってまた歌の時間。
今度はファジーネーブルをエリは飲み始めた。
ELLEGARDENの「make a wish」を一緒に歌った。ELLEは共通の趣味だった。
あっという間に三時間が終わった。
支払いのとき、一万円札をだした俺の上から、エリはクレジットカードを置いた。
「五千円ある」
「あるよ」
エリに渡した。
外は雨が降っていた。
エリは少し派手目な柄の傘を持ってきていて、開いて俺も入れてくれた。
エリから傘を受け取ってエリに雨がかからないように歩いた。
空いた左手でエリの頭をまた撫でた。エリは大人しかった。
「楽しかったよありがとね」
「うん、めっちゃ酔ったー」
「まだまだやなー」
「強いなー」
改札につく。
リュックから土産を取り出して渡した。
「ありがとう」
「また飲もうな」
「うん」
「また休みの日通話しよう」
「あたし連絡まめじゃないから連絡して」
「うん、わかったよ。気をつけてかえってな」
「ありがとう、そっちもね」
またエリの頭を撫でた。嫌がる様子はなかった。
エリは改札をくぐっていった。
足はふらふらだった。
ホテルへ戻りながらエリにLINEを打った。
ベッドでうとうとしてると返信が来た。
どうやらお風呂に入ってベッドに入ったらしい。
吐いてスッキリしたから明日はちゃんと仕事に行けると書いてあった。
飾らない性格ってこういう子を言うんだな。
そう思って眠りについた。
未だに答えはわからない。
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福岡はよかとこよ
着いてすぐにホテルそばの居酒屋でゴマサバとモツ鍋。この居酒屋が大当たりだった。
���ビール一杯と芋焼酎を五杯。甕伊佐錦という焼酎が芋の香りとコクが強く好みだった。
その近くのバーもおしゃれで楽しいところだった。
翌日はまず室見へ行って室見川を見る。
椎名林檎の「正しい街」の一節に室見川と百道浜が出てくる。この写真は室見川の上から百道浜方向を望んだもの。
そしてこの川はスピッツの「ロビンソン」の一節、河原の道のモデルでもあるらしい。
スピッツファンにもこの室見川はとても重要なスポット。
その後は太宰府天満宮へ。
これから新たな職につくとき、間違いなく勉学が必要になるので、学業の神様へお参り。
梅が枝餅とやらを食べた。熱くておいしい。
友人に会う予定をすっぽかされたので、夜はまたバーへ行って楽しんだ。
常連のおじさんが東北好きで嬉しかった。
タイトルの言葉もおじさんの言葉。
出会いありの旅は面白い。
旅の途中。さっくり九州を振り返る。
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東京ってすごい
高速バスに十時間以上揺られ到着したのは東京駅鍛冶橋駐車場。
東京駅へと向かいながら街並みをキョロキョロと見ては歩く。そうか、ここは東京か。何て寝ぼけたことを思った。
Suicaをチャージして中央線に乗り込む。
最初の目的地は明治神宮。
神奈川に四年、東京に約一年住んでいたが明治神宮には行ったことがなかった。
山手線に乗り継いで原宿駅に降りる。
新しくなっていた駅舎に少し驚く。
駅からすぐに参道への入り口がある。
朝の参道はどこか神々しさがあって心地いい。
本殿では朝の祈祷が行われていて、二十人くらいの人がそれを見ながら祈りを捧げており、とてもじゃないが写真を撮れる空気ではなく本殿の写真はこれだけだ。
参拝を終えると原宿ではなく小田急線の参宮橋方面へ向かうことにした。
参宮橋という駅にはちょっとして縁がある。
高校時代に弁論大会のようなもので県代表になり、その時の全国大会の会場が、参宮橋近くのオリンピッ���センターだったためその時一度利用した。
その時以来およそ十四年ぶりだったが、商店街の景色はあまり変わってなく、これのまた駅舎が綺麗になっていた。
その後各停に乗って新宿へ。
少し遅めの朝食をとるため大好きな蕎麦屋へ向かう。
思い出横丁にあるかめやという店だ。
ここの天玉そばは絶品。
暑かったので冷やしにしたがこれもまた美味い。
天ぷらがサクサクで、たまごのとろみが蕎麦ののど越しをまろやかにしつつ優しい味わいにしてくれる。
新宿をあとにして、山手線に乗り込む。
上野まで行って銀座線。浅草へ。
隅田川の水上バスに乗るのが目的だ。
時間があったので二つのコースに乗船することにした。
最初は吾妻橋から上流へ向かって周遊するコース。
初めて乗るコースだったが、スカイツリーがアサヒビールの本社ビルに映り、金色のスカイツリーに見えるという中々レアなものをみた。
次に乗ったのはお台場海浜公園行きのコース。
二つのコースに乗るというのは珍しいらしく、受付係のお姉さんや乗務員さんから手厚いもてなしをうけたのは嬉しかった。
何度も乗っているが、定期的にこの路線で東京の街並みを見るのがたまらなく好きなのだ。
デートで使うこともしばしばあったから、ちょっとそれを思い出してはセンチな気持ちになったりもするけれど。
実は橋マニ���なところがあるから、橋をくぐるということで好奇心が高ぶる。
国技館、LIONのビル、浜町公園、聖路加タワーを過ぎていくと勝鬨橋が近づく。
勝鬨橋のすぐ近くに築地がある。トータルで十ヶ月くらい築地場外の店で働いていたのを思い出す。
また東京で暮らしたいとしみじみ思ってしまう。
そんなのも束の間で、早くも一番見たかったレインボーブリッジが視界に入ってくる。
レインボーブリッジ、スカイツリー、東京タワー
この三つのいずれかを見ると東京だなと思うのは、決して田舎者の自分だけではないはずだ。
お台場についてゆりかもめに乗る。
幸運なことに最前席が空いていて座ることができた。
新橋で降りて神田へ。
ここには安く国産うなぎを食べられる店がある。
その名はうな正。
これで990円。
うなぎはふわふわで、薄い皮が上品。
以前はグラスビールが200円で飲めたけど今はやってないのかメニューの��っていなかった。
満足して次に向かうのは宿泊地川崎へ。
実はここで人と会う予定がある。
Skypeを通じて知り合った子で、偶然にも地元が近かった。
サバサバしているけど、どこか女の子らしさがある子という印象だが、果たしてどうなんだろうか。
十六時に川崎駅で待ちあわせだったが、その子は早くに列車で来ており、ホテルから向かった自分のほうが数分遅くなってしまった。
互いに特徴を言いながら探しているとき、何故か聞いていたAmazonミュージックから「LA・LA・LA LOVE SONG」が流れてきて、何だか一人でおかしかった。
この話の続きはいつかまた書けたら。
この日、東京の空はずっとくもっていた。
旅の途中。東京ってすごい。
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グルメの街
食べて飲んでの福岡旅行。
何気にニ泊のつもりが三泊もしてしまった。
孤独のグルメにも出たみやけのうどん。
やわやわで二日酔いの胃袋に優しい。
長浜ラーメンで替玉したのも二日酔いの昼。
ちょっと刺激を与えたほうが体にもいいのかもしれない。
前とは別のホテル近くの居酒屋がサービス精神旺盛過ぎる大将のお店で飲んだ。
サラリーマン時代に山形で仕事していたらしく、山形の日本酒がたくさん置いてあった。もちろん東北トークで盛り上がりしこたま飲んで食べて五時間。
上限がある店だということで五千円で会計��済んだ。天井がある居酒屋は初めてだった。
常連さんと仲良くなって東北旅行の際は連絡いただく約束をする。
こういう繋りがあるから、旅先の酒場放浪は楽しい。
どこにどう縁があるかわからない。
最後には日本酒のお土産までもらってホテルへ。
人って温かいな。生きるっていいな。
そんな普遍的な事が改めて身に沁みた、アラサー、真夏の大冒険だった。
福岡からは飛行機を乗り継いで地元へ帰る。
飛行機の乗り方にもやっと慣れた。
次はどの街へ行こうか。果たしてそれはいつなのかわからないが、旅はまだまだし続けよう。やっぱり俺には旅暮らしが一番性に合っている。
旅の途中。福岡空港の搭乗口にて。
土産の詰まったキャリーが重い。
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