#なんかぁ……あまりに三白眼マルがしっくりきててぇ……
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エレウテリア 第一話
Conte エレウテリア Ghost and Insurance 第一話 「今すぐ君をぶっとばせ」 しかし山だな。「深山幽谷」ってそこいら中に油性ペンでベッタベタ書いてあるみたいな"山"然とした山すぎてもうホント山。山が山な山の山を山した山で山っ山。まっさか、バスで寝過ごしたら日本昔ばなしに到着するとは思わないよっての。縦んば違うとしてもメルヘェンホラーだからね。どのみち人死にの出そうな大自然にオアツイ抱擁を受けちゃってるのは変わらなくってよアタシぃー。イタリア人じゃねんだからさー? 挨拶がてらのハグとか通報もんですぜ。そんなつつましやかにしておしとやかなくせにやかましい時ゃやかましいアチシはジャパニーズガーゥなので早いとこ放してくらはーい。コンクリートとアスファルトと汚れつちまつたあーでもないこーでもないが渦巻く愛無き世界へいざないたまへー。ビバラ排気ガスー。おんりぃしゃろぉー。 マイナスイオン満天の森を彷徨う少女は気力を使い果たした生気の無い目をしていた。マアそれは生来の特徴なのだがそれにしても丸1日歩き通しで障害物センサーを搭載したお掃除ロボットの、クオリティ高めな物真似をしている。そことて元からアルコール無くともALWAYS千鳥足。やる気の無い歩行は彼女の持ち味であった。 客観的な検討の結果、割とアタシまだ全然平気なのと違う? いつも通りやあらしまへん? という疑いが彼女の中に持ち上がる。 眼界は何処も彼処も深い緑。濡れ煎餅の枯れ葉の下で夥しい蠢動。控え目ながら強かに肺を支配していく水気の多い空気。午睡の重みが流れる平行線と暗転の景色。 自分でも今まで意識したことの無かった、秘されていた猟師の心が脳内で「獲物だ!肉だ!」と叫んだのを必死に打ち消す必要に迫られたので少女は前言撤回した。「アタシやっぱ結構疲れてるわ。……し、餓えてるわ」と設定し直す。等間隔に並ぶ樹木の隊列を乱す水際立った巨木の一本から意想外の遭遇者が、ひゅっ、と姿を見せたのである。その人物もまた、少女という形容が似つかわしい姿形をしていた。 可能性。 「幽霊」。偶然スカートのポケットに入っていた岩塩をヒットアンドアウェイ。除霊ならず。これはゼロ。 「刺客」。なんとなく靴下に入れといた手裏剣をスライアンドザファミリーストーン。刺さった。これもゼロ。 ってことはアタシと同じ「迷子」がパーセンテージ高めな感じかな。 江戸に絶滅し明治大正昭和を経て見事平成の世に甦った激痛にうずくまる女の子の肩を叩いて、アタシは声をかけようとした。 「ア、すいません!」 先を越された。白(せりふ)被ったから返事しそびれた。 「道に迷っちゃって! 山の下り方、知ってたりしませんか?」 何の、なのかは言わずもがなな張本人が言うのも何だけど、そこじゃなくね。今この時、声を大にして森じゅうに響き渡らせるべき議題それじゃないんじゃないの。背中に突き刺さった恐らく銃刀法違反を等閑はいかんぜよ。 てかさ。 山の下り方だと? そんなんアタシが知りたいのだが。 「んとね、分かれ道に出る度に左へ曲がり続けて。したら見えてくる悲しき石像の目線の先の地点で眠りの笛をお奏でなさい」 ……………………やっちまった……。 「悲しき石像ってお地蔵さまのことだったんですねッ!? それで目線の先の地点というのはここ、この廃病院で! 眠りの笛というのは疲れて寝落ちしたことによる盛大な鼾を指していたなんて………すごい! すごいすごい! ゴイスー! ギロッポンでチャンネーとシースーをターベールー! あなた、さてはヌシですか? この山を統べるヌシなんでしょ?」 ちげーよ。 なんて最早言い出せないのは口から出任せがことごとく現実と合致してしまったからだ。何はともあれ……特に傷害罪はともあれ、あれから私達は歩き出してみると旧東西ドイツの文化について会話はゴムボールの弾み方で、ピョンピョコピョンピョンと、いわく以外の物を見出だすには全身粉砕骨折待った無しな「あいんしゅてゅるつぇんでのいばうてん」に遭遇した。……オスタルギーなんてもう知らない! メイの馬鹿! パンはパンでも飛べない豚は焼豚! 両者の間には未だベルリンの壁が健在していた。ヴェスタルギー礼讚派の手裏剣使いは液晶からお辞儀するアンペル��ンに心を射ぬかれながらもジブリ的、なぞなぞ的罵倒に臨むのである。試す肝が底冷えしていて彼女は火を求めていた。 「あの………うんそうそうその通りキサマヨクゾワガショータイヲミヌイタ。で、ヌシさま今かなーり寒くていらっしゃるんだけど、キミは寒くないの? ……あと」 あ。そうそう。 「あと結局キミは誰なの?」 明るいグレーのジップパーカーをその下にひっそり息づいていたブレザーもろとも二枚抜きした手裏剣の跡がチクチク罪悪感を水増ししてきて目を逸らしながらの質問は、安っぽいホラーの心臓発作導入法でつまり逸らした先で女の子はアタシの目線をナイスキャッチして自己紹介する。ファインプレー。んー。珍プレー好プレー寄りかも知らん。 「保険委員です!」 「あーなるほど保険委員ね! そうかそうか、じゃ居るよね~山ん中ひとりで彷徨うよね保険委員はァ~! 納得納得!」 唐突なロボットダンスでしょうか? いえ、オーヴァーな二度見です。 「無ェよ!!」 「何が……ア! ア、すいません、ア、アー! ア、まだ渡して無かった! アー私としたことが! 3年4組出席番号は下から数えても上から数えても大差無いことにおいては世界に名立たる優秀な保険委員ともあろうこの私が目標と難なく遭遇しておきながら未だ目的を達成していませんでした! かァーっ! 泣かせるねィ!」 フリスビーが思わず自らの存在意義について真面目な考察を始めそうなくらいには美しい弧を描いて、かつて幾つかの悲劇を演出したであろう病室を飛行したそれは所謂、俗に言う、今風な言葉だと、有り体に言えば、忌憚なく言わせてもらえるなら、てか単純明快「保険だより」だった。角がちょっと刺さって血が滲んだせいで、物々しさが校庭10周終えた感があり寧ろ何か出そうで何一つ出て来られなさそうな景色に馴染み過ぎている。小道具。美術さん頑張ったねありがとうってレベルに小道具。んでセットもパないんだから美術さん神ってるとしか言いようが無い。……アタシは何の話を誰相手にしているんだ。 「へい熊さん! そりゃ本当かい!? おうともよ! この耳でしかと聞いてきたんだ、間違いなんてえのはあるほうが間違いってもんだぜ! そうは言うがよ、おめぇその耳に付けてるのは一体何だい。おっこれかい? これはな……ありゃこいつぁ“いあほーん”てシロモンだ! たぁーっ! やっちまった! オイラの聞いた話ぁ“ら��お”の中のこったぁ! こっ! ここっ! こったぁ! たぁ! ……たぁ! へい! へいへい! くまっ、くっ! くっ熊さん! へい熊さんへい! へいっ! HEY YO! COME ON!」 そしてこの子に至っては何を誰に、とか以前にあの…………………どうしたの!? あのあのあの……えっと、えーっと。熊さん何聞いてきたんだろうっていうのと時代考証班もっと頑張れや。 うーん。 いやそもそもがタイミングよ。落語………エ……このタイミング? いまっ、今ってさ。あのね今って落語っちゃうタイミングだった? この子はどこにチャンスを見出だしたのか。今だ!って。落語るなら今だ!というチャンスをだね。2070年くらいまでにはこの謎解き明かされてれば良いなトゥーサウザンドフィフティーン。全米が半ベソ。全北欧が遠い目………やめた。これ、ちゃんとアタシ多分この子と向き合わないといけないやつ。クリエイティブな現実逃避は計画的にってCMでも言ってたし。どんなプロのミスやねん。アマチュアだそんなやつ。じぇじぇじぇ。JAJAJAJA!! アーッハハハ!! …………泣きたいぃー!!! つうか全然さぁ! 山下りるどころかさ! 廃墟見つけ出してんだアタシはァ! 天才かってんだ、くそぅ……くそぅ………。ソーニャちゃん奴ぇ………。くそぅ……くそぅ………。 「キルミーベイベー面白いですよね」 「…………おうともよ。どの辺から声になってた?」 「“抱きたいぃー!”」 「言ってねーし」 「“薪パニーック!”」 「なかなか割れないのかな」 「“吐きがちぃーっ!”」 「酔っ払い? 胃弱?」 「ひとつ良いことを教えてあげます」 「何? 菊地凛子離婚した? やったこれであのロリ声三十代はアタシのモノ」 「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」 「キサマ趣味が合うな……!?」 月光下騎士団は、夜の廃れた病院施設に座り込む二人の少女という映像にも映え、あべこべに食らい尽くさんとする様はまるでウェイパー。雑菌の交換行為として悪名高いイヤホンを片耳ずつ分け合う聴き方すら、触れることを躊躇わせる美味しさで包んだ。 「Who’s gonna die first?」 「Who’s gonna die first?」 言っちゃった感というものは塗り潰しなら早いに越したことはない。早ければ早いほど泥沼に陥ることが出来るのだ。 「オイ! オッ、やめろよそーゆー、ねぇ? 縁起でも無いっつかさ……」 「いや今ハモったでしょ? 私達バンドメンバーなら良かったのにって位息ピッタリに歌っちゃったじゃないですか」 「えー? えー何アタシ知らないそんなのー。えー。えー歌ったとか何それアタシただ聴いてただけだしぃ? 誰か別の人じゃない?」 「別ッ………。……ウソ」 「あっ」 これぞ泥沼である。 「夜の廃病院で……。別の……別の、ヒト」 「あっ! いやその!」 「私達以外の、別の…………」 「あのね! 何というかね! 勢いというか!」 「私達以外の……。ヒト……以外の…………!」 「オイオイオイやめて怖いやめて怖い」 「キャアアアアアア!!!」 「キャアアアアアア!!! ………アアア、やめてってば! 歌ったよアタシは歌いました! …………もうハリウッド行けよキミ……もうホラースターだよ」 「ホラースター?」 「分かんないよ……。アタシもう向こう30分間位は何にも分かられる自信が無いよ」 30分後。 「アタシには世界の全てが見えている」 「立ち直り方が極端」 都市ガスのタンク。熱を持った充電器。賞味期限が半年先のコーヒー。糊の効いたシャツ。発売してから日の浅い漫画本。 暖を取る道具探しがてらの30分間に亘る傷心旅行による戦利品達は、口を揃え、低声でこう囁いていた。 “檀那、此処やっぱり誰か居ますぜ” 「へい……熊さんへい………」 「YO………どうしたブラザー………」 「あの、熊さんさ………。やっぱり如何考えて、何処迄も希望的に観測したって。……熊さん。此処さァ」 「“熊さん”呼びが定着してしまいそうだからそろそろ言うよ。……個人情報はギリギリまで成る丈け守りたかったけどしゃーない。アタシの名前は……」 「知ってますよ」 「ぬくもり狩り強行軍」の締めくくりを飾った、火が点いたままの赤マルを、あの子はその時、恰好附けようとしてくわえた。そして息を止めた。目が段段泣きそうになって、それから間もなくの大音響を超える噎せ方をアタシは今でも知らずにいる。 「幽霊転校生!!!」 咳をしいしい、あまりにも正確に的を射抜いたその形容の狡さがきっと、出口だったんだ。 変な自殺がしたかった。 二十七歳は、近いようで遠い。そんな雲みたいな、太陽みたいな月みたいな追いかける程に附いてくる未来は待てないし、たぶんアタシはロックスターではなかったし。じゃあ、でも、あんまし普通の死に方も、他人様に迷惑の掛かる死に方もしたくなかった。昔、よく授業中に話が脱線する先生が、不意に言った「鉄道自殺だとダイヤが乱れて迷惑した客全員の億単位の乗車賃を遺族が支払わされる」という話を聞いてからは、それまで可成上位にあった手��は固く封じられた。 死にたい理由なんて大したことじゃなかったと思うけれど。 ……で、その頃のアタシが熟慮の末に思い泛んだ手段は「オーディション」だった。 次回 第二話 「歩いて、車で、スプートニクで」
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こっちでマルク絵見ると「誰だこのお目々きゅるきゅるぶりっ子は⁉️⁉️⁉️⁉️」って思ったりするけど、擬人化するにあたって公式画像じっくり見たら大体そうだった お目々きゅるきゅるぶりっ子だった ごめんな
#なんかぁ……あまりに三白眼マルがしっくりきててぇ……#微塵も信用しちゃいけないような悪の顔してるのが好きでぇ……#っていうか昨日シェアした人の作品で何か新しい扉が開いた 何とは言わないが 何か#これは口外無用だ いいな!?(じゃあネットに載せるな)#jp.txt
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