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#お祭りジバニャン
negotomikan · 1 year
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生まれました
6月下旬に子が生まれました。 結婚10年目。 子供がいない夫婦二人で生きていく家庭になるんだろうなーと思ってたので、まさか自分たちが親になるとは思わず、驚きの方が大きかったです。 妊娠中はとにかく体がしんどくて心も折れそうで、でも生まれてみたら本当にかわいくてかわいくて目に入れても痛くないほどかわいくて仕方なくて…… 子は6月生まれ、私が7月、夫が8月生まれなので、3ヶ月連続でお祝いができるのも嬉しい。 生まれた時の初めての産声を聞いた時と初めて顔を見た時の感動は何にもかえがたい。 エコーで見てはいたけど本当にお腹に赤ちゃんいたんだ、かわいい、声もかわいい、顔も体も小さい……という、不思議な体験だった。
赤ちゃんの成長とパワーってすごいですね。 毎日成長して、毎日可愛いを更新し続ける。 パワフルすぎて自分の生命力が吸い取られる時もあるけど。 結婚した当初『笑顔が似合う料理上手なお母さん』が私の理想でした。 それから長らく子を授かれず、お母さんにはなれなさそうだから路線変更しよう、美魔女路線は無理だから上品なマダム路線でいこう、などと思ってました。 授かれなくて悩んでいた頃はつらすぎたけど、終盤はもう半ば諦めて受け入れていたのでけっこう呑気だったのです。 なので育児中心になり、自分のやりたいことがなかなかできなくなった今もけっこう平気です。今のところ。 母親としてではなく自分らしくいられる時間を持てなくなることはそりゃあ淋しいけど、心を蝕まれるほどつらいわけではない。 子ができなくて泣いた日々に比べたらなんてことはないです。 うまくできてるもんですね。
妊娠中とくに初期はつわりが重くて(毎日寝込んでました)、体調が悪いと心もそれに引っ張られ、あまり幸せを実感できず。 「高齢出産なんて誰からも歓迎されないだろう、誰からも祝福されない、しかもこんなハードすぎる社会に生み出されるなんてこの子がかわいそう」とまで思ってました。(後半は今でも思うけど) 安定期に入って胎動を感じられる頃に初めて心から幸せと思えたのです。 生まれてからも、子と一緒に自分たちも成長していけてると思う、多分。 そしていざ生まれてみると、両家の親たちや兄姉、親戚、友人たち知人たちから意外なほどお祝いしてもらえて、ありがたすぎて嬉しすぎて…… 子には感謝してもしきれない。 あとかわいすぎる。 本当に私の子かと思うほどかわいい。 珠のような愛し子、宝玉ベビー。
今はまだ小さすぎてそれほどでもないけど、幼稚園小学校と子が大きくなるにつれて自分の子供時代の追体験をしていくんだろうなと思ってます。 これは妖怪ウォッチ(ケータくん編)を見ていた時も思っていたことですが。 そうそう、アニメの妖怪ウォッチは終わってしまったけれど、妖怪ウォッチの流れをくむ何かは制作されているそうなので…… 自分の子と妖怪ウォッチを見るのが夢だったので、期待してます。 ジバニャンやコマさんやウィスパーは出てこないと思うけど…… その悲しさにはシャドウサイドで慣れてるからな、調教されたオタクを甘く見ないで頂きたい。 育児を頑張る活力にしようと10周年記念アニバーサリーウォッチも買っちゃったわ。 映像がきれいだし可愛いし、ジバニャンやヒキちゃん等初期メンのメダルも懐かしカワイイ。
8月31日、育児を頑張る活力第2弾として買っていたPLASMAのライブDVDをやっと見ました。 去年の今日、お父ちゃんとお母ちゃんはこのライブに行ったんだよ、と子に語りかけながら。 酷暑の中見に行ったライブの感動が蘇り、いつかTVかラジオで聞いたあ~ちゃんのひとことを思い出した。 3人は多分今後も離れることはない、公園とかで会う、というようなことを言ってた。間違いなく。 確かツイッターでもそのことに言及してる人はいた。 『公園って、それぞれの子供連れて公園で集まるってこと?』みたいに。 Perfumeは過去に何度も解散説が出たことがあり、2020年(東京五輪開会式の舞台に立つ予定だった)を最後に引退するのではと囁かれていたのです。 昔から結婚願望を隠さない3人だったし、とくにあ~ちゃんは小さい子が大好きで『福くんみたいな子供がほしい』と発言したこともあったし。 当時私は複雑でした。 結婚出産願望が強いならアーティストとしての幸せだけでなく個人としての幸せも掴んでほしい、そのためなら一度解散(というか活動休止)して夢を叶えてから戻ってきてほしいという気持ちと、このまま一緒に令和を突っ走ってほしいという気持ちで。 それが自分が親になった今となっては、ぜひ母になったPerfumeも見てみたいと思うようになってしまってるんだから単純なもんです。 いろいろ大きなお世話を通り越し過ぎて気持ち悪いのは自覚してるので人前では言いませんが。 私も夢を叶えてもらったことがあるので…… イッテQでイモトアヤコさんの前に安室ちゃんが現れる回が好きすぎて『推しが突然目の前に現れるサプライズとか最高だよなあ私もある日ふとPerfumeが「いつもお疲れ様ー」って現れてくれないかな、でもただの専業主婦だし労ってもらうほど何か頑張ってるわけでもないし』 と思ってたのですが、Future Popのツアーでそれをやってくれたのです。 「お医者さん、社長さん、サラリーマン、学生」みたいに呼び掛けられたらその当事者が挙手する通称職質のコーナーというものがあるのですが、その時「主婦ー!」と呼んでくれまして。 「頑張っても報われないこともあると思うけど感謝してるよ、大好きだよ」と言ってくれて……思い出すだけで涙が滲む。 次々と夢を叶えていく姿を見せることでファンを勇気づけるというのはPerfumeの魅力のひとつだけど、まさか直接ファンの夢を叶えてくれるなんて。 いつかのライブのMC中に、カップルでライブに来ていたお客さんが数年後子供を連れて来てくれるようになった、何年もPerfumeをやっていてよかったという旨のことをあ~ちゃんが言ったことを思い出します。 ライブは当分行けなさそうだけど、私たちもいつかこの子と一緒にライブ参戦したいです。 そういえば妊娠中、Perfumeの曲を聞きながらウォーキング(といってもリビングをぐるぐる歩き回る形式)してました。 憧れのPerfume胎教が実現した瞬間でした。
夫の3ヶ月間の育休が終わり、夫が出勤して、正直淋しいです。 ワンオペ育児が不安なのもあるけど、6月に子が生まれてから3人で長い夏休みを過ごしてきたような貴重な経験だったので。 夏休みが終わってしまって淋しい、元々夏生まれの夏大好き夏厨なのもあるけど。 夏らしいこと何もできなかったといいながら今年の夏は特別すぎた。 来年の夏はビニールプールで水遊びしたり夏祭りに行ったりしようね。
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misttimes · 2 years
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1月15日のツイート
和実ゆいの好きな食べ物「おむすび」も「ゆい」の名前自体も伏線になっていた事に驚かされたが、「おむすび」を漢字で書くと「お結び」となり結果的に漢字の勉強にもなるのはお見事と言うしかない。 #デパプリ #precure pic.twitter.com/N1Ak74mK95
posted at 11:28:05
Twitter Blueに月額980円の価値は感じないけど、サードパーティーアプリのAPI制限が撤廃されるのであれば980円払っても良いと思ったり。まず無いどころかますます締め出されそうだけど。 www.itmedia.co.jp/mobile/article…
posted at 11:15:32
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RT @oto_yuri: ごはんは笑顔!!!おかわり!🍚🍚 pic.twitter.com/G0wry3YKtN
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RT @oto_yuri: ごはんは笑顔!!!!!🍙😄✨ pic.twitter.com/7p7eWtX0nO
posted at 11:06:52
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RT @oto_yuri: レジーナを追加しました🖤 pic.twitter.com/nO9XxvzL7y
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キュアプレシャスを表敬訪問してみた。 youtu.be/peZ_D1mUWPI 農水省職員白石さんのヲタク特有の早口動画にもなってる。
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RT @MAFF_JAPAN: フェンネルの所業は当省として断じて許せるものではありません。 「答えは大切な人の笑顔にある」キュアプレシャス、みんなの笑顔を守ってください。 #precure #デパプリ #プリキュア twitter.com/TVanime_precur…
posted at 10:55:38
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RT @MAFF_JAPAN: 【キュアプレシャス様への表敬訪問の動画を公開】 youtu.be/peZ_D1mUWPI ごはんを食べることの素晴らしさ及び尊さを教えてくれる「デリシャスパーティ♡プリキュア」の活動を最後まで注視、応援する意向を示しました。 #precure #プリキュア #デパプリ twitter.com/MAFF_JAPAN/sta… pic.twitter.com/hq8PKtET0E
posted at 10:52:46
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RT @masumi_asano: 結局仕事が終わらず、機内でネームする気の毒な週刊連載漫画家の姿がこちらです。香川県ついた!遊ぶぞー pic.twitter.com/MmdU4wNCm8
posted at 10:52:17
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RT @keio_ekiben: ◤#京王駅弁大会2023  いよいよ1週目最終日😳◢ 一部商品入れ替えのため、本日は午後5時閉場となります🙇 アンケートでも僅差だった海鮮弁当❣️ 会場にはきらびやかな駅弁がずらり🌊 #ぶりかまめし #海の輝き #うに貝焼き食べくらべ弁当 などなど2週目も販売✨お見逃しなく👀 #京王百貨店 #新宿 pic.twitter.com/dPBRxvYmIj
posted at 10:47:10
TVアニメ「スカイガールズ」OP映像(Virgin's high! /MELL)【NBCユニバーサルAnime✕Music30周年記念OP/ED... youtu.be/YBe_eX88l3c @YouTubeより 主人公チームの一人が静御前。シンドイーネさん。
posted at 10:45:13
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RT @mesotabi: 「ひろがるスカイプリキュアはヒーローガール・スカイプリキュアなんだ!」ってのすごく良いなと思ったが、どうしてもスカイガールズが頭によぎる つまりフミカネ先生のケツ
posted at 10:41:22
【試聴】『ひろがるスカイ!プリキュア』オープニング主題歌【ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~】youtu.be/OiJpouVOjF8 曲の第一印象でスカイガールズOPを連想。空を駈ける感じだとこういう曲になるな。
posted at 10:40:11
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RT @MachicoOfficial: #ひろプリ OP主題歌🌈 石井あみちゃんが歌う『ひろがるスカイプリキュア ~Hero Girls~』に北川理恵さんといっしょにコーラスで参加させていただきました✨ あみちゃんのどこまでも広がる空へ響く歌声を堪能してください❣️ BY:Machico(・山・)#precure twitter.com/precure_marv/s…
posted at 10:36:09
積極的になれてるここねちゃん。パムパムとメンメンも同じポーズになってるw #デパプリ #precure pic.twitter.com/OcqCfCY1xJ
posted at 09:36:34
ゆいの泣き演技、1年間演じてきた菱川花菜さんの成長が感じられる名演技だった #デパプリ #precure pic.twitter.com/Wte6H1YAvr
posted at 09:33:22
昨日観てきた妖怪ウォッチ映画が好きな食べ物が消えてしまう話でデパプリ連想してしまう意味でも笑った。単なる偶然だろうけど。 www.tv-tokyo.co.jp/anime/eiga-yok… >ジバニャンの大好きなお菓子・チョコボーと、コマさんの大好きなソフトクリームが、なぜかこの世から次々と消え始めたのだ。
posted at 09:05:58
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RT @precure_kansha: \ #デパプリ感謝祭 新CM公開📺💕 / www.youtube.com/watch?v=ZiZge9… #プリキュア #デパプリ #precure
posted at 09:01:13
ゆいの名前もおむすびも伏線だったとはなあ #デパプリ #precure
posted at 09:00:57
OP歌詞 #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:58:20
これだけキャスト多いと分散収録大��だっただろうな #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:57:27
キャスト多い #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:56:58
ここで2000kcalパンチ どこに打ち込むの? #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:55:37
ワンターン #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:43:50
3人バンク #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:43:37
ゆいぴょん今まで挫折味わずに育ってきたのだろうな #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:39:08
今までと逆 #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:36:41
神の舌様w #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:36:01
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RT @nagatsumajuri: \ハッピーサンデー!/ 本日、ブログを更新しました。 『たまこ10周年』 ameblo.jp/wife812-juri/e…
posted at 08:32:24
ここねママンも #デパプリ #precure #tvasahi
posted at 08:30:52
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RT @yukachiofficial: (ゆ)ちょいとわたしは今日デパプリリアルタイムツイートできなそうなんだけど🥺みんな観てね💛
posted at 08:29:26
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RT @kamikitafutago: 🍙おはようございます🍙 『デリシャスパーティ♡プリキュア』43話 「レシピボン発動!おいしーなタウンの危機」#デパプリ #precure pic.twitter.com/Y9HhPRVy8Q
posted at 08:16:20
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onyomugan34 · 7 years
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2017年7月30日11:56
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uncikirasworld-blog · 6 years
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ファミマに3日間行ってお祭りジバニャン げっとぅー🔥( ◉ㅅ◉ )🔥 #お祭りジバニャン #妖怪ウォッチワールド #IGTV #ゲーム好きと繋がりたい #ゲーム好きな人と繋がりたい #Tumblr #タンブラ #Instagram #インスタ #インスタグラ厶 #followme #follow100 #followback #followback100 #たくさんの人と繋がりたい #相互フォロー #相互フォローok #相互フォロー100 #相互フォロー希望 #いいね返し #いいね返します #いいねした人全員フォローする #いいね100 #フォロー返し #フォロー #フォロー歓迎 #フォロー返します #フォローした人全員フォロー #フォロー100 #フォロバ100
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youkaimikantext · 2 years
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⑥真夏の大三角関係
 プールでのあの一件以来、ふぶき姫は特に変わった様子もなく、ケータを拍子抜けさせていた。 いつも通りケータの世話を焼いたりちょっかいをかけたり、椿姫や百鬼姫と火花を散らしたり。 クラスの子たちとカンチの家に集まって宿題をするという日も、快く送り出してくれた。 その中にフミちゃんもいたというのに。 フミちゃんもフミちゃんで、ふぶき姫に関して特に何も言わない。 ケータにはもう、何が何だか分からなかった。 もし自分だったら、フミちゃんが誰かと抱き合っているところなど見ようものなら、普通ではいられない。
「あのさ……ふぶき姫って、なんか言ってた?」 「なにかって? ケータくんのこと?」 思い切って椿姫と百鬼姫に聞いてみる。 「腹黒女と何かあったのか?」 「別に何もないんだけど……ふぶき姫最近なんか変じゃない?」 ケータは彼女たちと目を合わせないように言う。 「ふーちゃんがというより、ケータくんが少し変なのかもしれませんわね」 「やっぱり何かあったのか」 「いや、ほんとになにも……」 ケータは口を閉じて、会話を強制終了させた。 鋭い彼女たちのこと、何があったのか見抜かれそうで怖い。 気にしないようにしよう。 自分にとって特別なのはフミちゃんで、ふぶき姫たちは大事な友達妖怪。 それは変わらないのだから。
 8月の第一土曜日、おおもり山で夏祭りが開催される。 もちろんケータたちも行くことにしていた。 ケータの母と一緒に選んだ華やかな浴衣を、3人は楽しそうに着つける。 「うちは女の子がいないから楽しいわ」 母も楽しそうにそれを手伝った。 ケータは普段着で出かけるだけなので、知らぬふりをする。 「オレっちはかき氷とわたあめ食べたいニャン」 「あーたどうせまたケータくんの盗み食いするんでしょ」 はしゃぐジバニャンとウィスパーを横目に、実はフミちゃんの浴衣姿を心待ちにしていた。 フミちゃんとの仲が進展する何かがあればと、期待していた。
「こんばんは、お世話になります」 「こんばんはフミちゃん、浴衣かわいいわね」 お祭りはケータの両親が連れていってくれるので、フミちゃんは礼儀正しく挨拶をする。 ケータは分かりやすく、フミちゃんに見とれた。 「フミちゃん……浴衣似合う……」 「ふふ、ありがとう」 ケータがキラキラと目を輝かせるので、フミちゃんは少し赤くなって言う。 それを見ていたふぶき姫はつまらなそうにするのではなく、穏やかな表情をしていた。 おおもり神社に着くと、夏祭りの賑わいに満ちていた。 両親はビールと枝豆を買って、打ち上げ花火の時間まで座って一休みすると言う。 ケータたちはヨーヨー釣りや金魚すくいをしたり、たこ焼きを分け合って食べたり、存分に楽しんだ。 「妖魔界のも楽しいけど、人間界の夏祭りもすっごく楽しい!」 ふぶき姫が楽しそうに言うので、ケータも笑顔になる。 様子がおかしく見えるのは気のせいなのだとしたら、それでいい。 「ケータ、オレっちかき氷食べたいニャン」 「あの~、わたくしも……」 「えー? しょうがないなあ」 ケータはひとこと告げて、ジバニャンとウィスパーと連れ立ってかき氷の屋台へ向かった。 女の子4人は、りんご飴を片手に祭りを練り歩く。 「ねえフミちゃん、プールの時のこと、聞かないの?」 ふぶき姫はフミちゃんにぴたりとくっついて、小声で言う。 フミちゃんは少し驚いた顔で、ふぶき姫を見つめ返した。 「ケータくんとどんなことしてたか、気になるでしょ?」 可愛い顔をして、なんて意地悪な言い方をするのだろう。 フミちゃんの目にはそう見えた。 「体調がよくなかったから、ケータくんがふぶき姫を支えてあげてたんでしょ?」 フミちゃんはきっぱりとした口調で応戦した。 「そんな言い訳信じてあげるなんて、フミちゃん優しいね」 ふぶき姫も負けじと笑顔で言い切る。 ふたりの間に、ぴりぴりとした緊張感が走った。 「この前、ケータくんと一緒に寝ちゃった」 ふぶき姫は勝気に言う。 挑発には乗るまい、そう思っても、フミちゃんはどうしても想像してしまう。 ケータの布団の中で仲よく密着する二人を。 「そう……私には関係ないから」 「本当にそう思ってる?」 「何が言いたいの?」 ふぶき姫の真意が分からなくて、フミちゃんは半泣きになりそうなのを堪えて言い返す。 その時、最初の花火が打ち上げられた。 「間に合ったー」 ケータたちが小走りで戻ってきて、みんなで一緒に花火を見上げた。 いつの間にか、フミちゃんの目の前からふぶき姫がいなくなっている。 ふぶき姫はケータの腕に掴まって、肩に頭を乗せて花火を見ていた。 ケータが嫌がることもなく、ごく自然にそうしているように見える。 一緒に寝たというのは本当なのだろう。 フミちゃんのモヤモヤは最高潮に達して、花火を楽しむどころではなくなってしまった。 ふぶき姫はフミちゃんのそんな様子を見て、ケータに耳打ちした。 「ケータくん、いいもの見せてあげる」 「え? なに?」 花火の音に紛れて、よく聞こえない。 夜空に咲いてはキラキラと散っていくいくつもの花火の中に、ひとつの映像が浮かび上がった。 それは映画館のスクリーンのように鮮明で、ケータは驚いて周りを見る。 どうやら、それが見えているのは自分たちだけらしい。 どこかの家のキッチンに立つふぶき姫が、振り返る。 ふぶき姫は大人びていて、未来の映像なのだと分かった。 「おかえりなさい、夕食できてるわよ」 ふぶき姫にそう言われて、男の人がスーツの上着を脱ぐ。 誰かに似ていると思ったら、その男の人は大人になったケータだった。 ケータは唖然として、隣にいるふぶき姫を見る。 「よく見てて」 ふぶき姫に指さされ、ケータは夜空に視線を戻す。 大人のケータは大人のふぶき姫にただいまのキスをして、一緒に夕食を食べ始めた。 そのあとはお風呂に入って背中を流してもらって、大きなベッドで一緒に寝る。 映像には続きがあり、休日はふたりでドライブに出かけたり、一緒に料理をしたり、夜更かししてリビングで映画を見たりした。 裸で体を重ねるシーンもあった。 ケータは恥ずかしくなって目を逸らす。 それでも気になってちらちらと見ると、映像の中のふたりはとても幸せそうだった。 それを見るふぶき姫の表情も。 この映像はなんなのだろうか。 未来の自分たちの姿なのだろうか。 場面が切り替わって、真夏の海が現れる。 ケータとふぶき姫は、小さな女の子と男の子を連れていた。 子供たちはケータをお父さん、ふぶき姫をお母さんと呼び、甘えたりじゃれついたりする。 そこで打ち上げ花火が終了し、映像も中断された。 映像の余韻に飲まれたまま、ケータはぼんやりと立ち尽くした。
 そのあともはっきりとした記憶がなく、気が付いたら家に帰って来ていた。 あれは何だったのだろう、自分は将来ふぶき姫と結婚するのだろうか。 ケータはそのことに頭の中を占領されたまま、入浴を済ませて床に就く。 部屋の電気を消して目を閉じても、眠れそうにない。 確認するように映像の内容を思い出していると、静かに掛布団がめくれられる気配がした。 「一緒に寝ていい?」 「…��来ると思った」 拒否しても無駄だと分かっているので、ケータは体をずらしてスペースを空ける。 ふぶき姫は嬉しそうに、ケータの布団の中に潜り込んだ。 幸せそうに目を閉じて、ケータの腕に頬を寄せる。 ケータはどうしても、さっきのことを思い出してしまう。 映像の中でも、ふぶき姫とこうしていた。 そのあとはキスをして、服を脱いで…… 頭のスミに追いやろうとしても、開かれるふぶき姫の美しい体が消えてくれない。 「さっきのこと思い出してる?」 悶々としていたケータは、はっと目を見開く。 ふぶき姫は熱っぽい目でケータを見上げていた。 「ごめんね、あれ本当はケータくんとフミちゃんの未来なの」 「えっ、どういうこと?」 ケータは驚いて固まる。 「本当にフミちゃんだけなのか、私を選んでくれる選択肢もあるって、分かって欲しくて……」 ふぶき姫の指が、ケータの頬にふれる。 「悪戯しちゃったの。ケータくんが決めて」 ケータの頬をさらさらと撫でて言う。 ケータは当然、すぐに答えられるわけがない。 あの映像だけでも理解不能なのに、フミちゃんとふぶき姫を天秤にかけるなど考えられない。 「未来の私、きれいだったでしょ?」 「……うん……」 問われるまま、頷く。 でも、だからと言って、ここであっさり未来の選択を覆すことはできない。 ケータのフミちゃんへの気持ちは、簡単に変えられるものではないのだから。 「未来とか、大人になってからのこととか、まだ全然分かんないけど……」 ふぶき姫は手を止めて、ケータの目を見る。 「でも多分、オレはずっとフミちゃんのことが好きだと思う……」 ケータはなんとか言い切った。 その言葉を聞いて、ふぶき姫はケータにも分からないほど、ほんの一瞬だけ泣きそうな顔をした。 「そうだよね」 ふぶき姫はやわらかく微笑んで言う。 穏やかな声に、ケータはついほっとした。 泣かれるかもしれないと身構えていたから。 「あーあ、夏休み終わっちゃったな……フミちゃんにも謝らなきゃ」 「えっ? フミちゃんになんか言ったの?」 戸惑うケータを見て、ふぶき姫はくすっと笑う。 ふぶき姫はケータに顔を寄せて、唇を重ねようとする。 「目、閉じて」 言われてケータはぎゅっと目を閉じた。 ふぶき姫はキスをしようとして、ぴたりと止まる。 唇ではなく、頬にキスをした。 「フミちゃんに悪いから……」 そう断って、ちゅっちゅっと音を立てて何度もケータの頬に口づける。 ケータは目を閉じて、されるがままになる。 くすぐったいけれど、気持ちいい。 ふぶき姫はケータの体を押して、仰向けにさせる。 体を重ねるように、ケータの腰の上に跨った。 ふぶき姫はケータの体の上にもたれて、目を閉じる。 「なでなでして」 「あ、うん……」 言われた通り、ケータはふぶき姫の髪を撫でる。 ふぶき姫の青い髪は、ふわふわとケータの指に絡んだ。 「気持ちいいなあ……好きな人に撫でてもらうのって、こんな感じなんだ……」 ふぶき姫はうっとりと言う。 ケータは体をくっつけたことによって、ふぶき姫に伝わってしまうのではというほど心臓が早鐘を打った。 女の子のやわらかい体と密着するのは気持ちいい。 そのことは、最近知った。 立て続けに色々なことがあったから。 「私だけこんなに楽しいことして、いいのかな。つーちゃんとひゃっちゃん怒っちゃうかな」 ケータはふぶき姫の髪を撫でながら、幸せそうに目を閉じる顔を見つめる。 頬も唇もつやつやと紅潮した、ふぶき姫の顔。 正直、かなり可愛い。 ケータが好きなのはフミちゃんで、それは絶対に変わらないけれど、つい見とれてしまう。 「大人になったケータくん、かっこよかった」 不意に見つめられて、ケータは照れて目を逸らす。 「ケータくんの未来に入り込んだ時、幸せだった……私じゃなくてフミちゃんを見てるって分かってても」 ふぶき姫が記憶をたどるように言うと、ケータもあの映像を思い出しながら聞いた。 「ケータくんにしてもらってる時、気持ちよかったな……」 ふぶき姫はうっとりと蕩けた表情で言う。 あれのことだと分かると、ケータは居心地悪そうにした。 あのシーンを思い出すと、体の奥がムズムズしてくる。 このムズムズが始まると、そういうことしか考えられなくなってしまう。 「して欲しいって言うと何回でもしてくれて、すごく優しくて、時々すごくSっぽくて……」 恥ずかしさのあまり、ケータは真っ赤になって顔をしかめる。 「ケータくん、硬かった……」 ふぶき姫は頬を赤らめて、ため息混じりに言った。 「ごめんね、こんなこと言って……でも、ケータくんに優しくしてもらったり、気持ちよさそうにしてる顔も独り占めできると思うと、フミちゃんが羨ましくて……」 ふぶき姫は切羽詰まった声と表情で言う。 ケータの頭の中はもう、そういうことでいっぱいだった。 大人になった自分が裸で組み敷く相手は、ふぶき姫になったりフミちゃんになったりした。 おなかの下あたりが苦しい。 なんとかして、このムズムズを解放したい。 ふぶき姫は上体を起こすと、ケータの腰に圧しつけるように力を入れた。 「う……」 思わずケータの声が漏れる。 密着させてはいけない部分どうしを密着させて、擦り合わせるように体を動かした。 「あ……」 ふぶき姫は苦しそうな気持ちよさそうな表情で目を細める。 暗闇でも、目に涙を溜めているのが分かる。 夏用の薄手の寝衣は、互いの体の感触を生々しく伝えた。 「あ、あ……ケータくん……気持ちいい……」 ふぶき姫はうわ言のように、何度も「気持ちいい」と言う。 細い腰を前後させるのを見て、ケータは下腹部からぞくぞくする感覚を味わった。 ここをさわると気持ちいい、それは分かっていたけれど、誰かにそうしてもらう気持ちよさを知ってしまったから。 しかもふぶき姫みたいなかわいい女の子に。 「ケータくん……気持ちいい……?」 ふぶき姫は吐息混じりに、悩ましい表情でケータを見下ろす。 「……気持ちいい……」 「どこが気持ちいいの……?」 ケータは一瞬ふぶき姫を見上げてから、また目を伏せた。 「……チンポ気持ちいい……」 声を上ずらせて答える。 ふぶき姫は満足したように微笑む。 自分のものにならなくても、今この瞬間だけはケータを虜にしている。 そのことがふぶき姫の心身に強い快感を与えた。 ふぶき姫は腰の動きをゆるめて止める。 「すごく気持ちよかったけど……最後までしちゃうと、フミちゃんに悪いから……」 さっきと同じようなことを言って、体を離した。 ケータはぼんやりしながらも、下腹部にモヤモヤが残ったままにされて、少しだけ残念に思う。 「ごめんね、途中でやめちゃって。続きはいつかフミちゃんとしてね」 ふぶき姫はそう言うと、ケータの隣に添い寝した。 「これで最後にするから……いいよね」 「……うん……」 ふぶき姫はケータの腕に頭を乗せて、涙を隠すように目を閉じた。
 翌日、フミちゃんはケータの部屋に来ていた。 「私たち今日で帰ることにしたの」 ふぶき姫の言葉に、ケータとフミちゃんは驚いて宿題をする手を止めた。 「ずいぶん急でうぃすねー」 「私たちはもう少しいたかったんだけどね」 「腹黒女はわがままだからな」 どうやら、ふぶき姫の提案に椿姫と百鬼姫もつき合わされることになったらしい。 「メダルはケータが持ってるニャンから、いつでも会えるニャン」 「そうよ、いつでも呼んでね」 ジバニャンが寝転がって怠そうに言うと、ふぶき姫も相槌をうった。 「ケータくん、お父さまとお母さまによろしくね」 といっても、ふぶき姫たちが帰れば暗示は解けて、人間たちから3人の記憶は消える。 そうと決めると早いもので、うんがい鏡を呼び出して本当に妖魔界へ帰ってしまった。 「フミちゃん、色々ごめんね。ケータくんと仲よくね。プレゼント気に入ってくれたらいいな」 ふぶき姫は笑顔で手を振る。 妖怪たちはケータの部屋から影も形もなくなり、ケータたちはぽつんと取り残された。 「行っちゃった……」 「ふぶき姫が言ってたプレゼントってなんだろ? ケータくん、何かもらったの?」 「何もないと思うけど……」 最後に残された謎の言葉に、二人は頭を捻る。 考えても分からないので、宿題の続きを再開した。 ジバニャンは昼寝をし、ウィスパーは妖怪パッドの手入れをする。 いつも通りの日常。 沈黙が続き、ケータは宿題にまったく身が入らない。 「あのさ……昨日、花火見てる時……」 ケータが口火を切った。 「夢っていうか、変なの見たんだ……起きてる間に夢なんか見ないと思うけどさ」 フミちゃんはケータの目を見て、続きを促す。 「大人になったオレが出てきたんだけど……その……フミちゃんと結婚してたんだよね……」 ケータは真っ赤になって、後ろ頭を掻きながら言う。 「それ、私も見たよ」 「えっ!?」 フミちゃんがけろりと言うので、ケータは驚愕した。 「小さい女の子と男の子連れて海に行ったとこで終わったよね?」 「そう! それ! フミちゃんも見たの!? マジで!?」 ケータの驚きように、フミちゃんはくすっと笑う。 フミちゃんは幼少期から、時々目に見えぬものを感じ取る体質だった。 さらにケータを介して妖怪たちと出会ってから、多少のことでは驚かなくなってきていた。 「あれって、予知夢ってやつかなあ……」 「うん、多分そうだね」 赤い顔のままケータが言うと、フミちゃんはさらりと答える。 ケータはそこではっとした。 フミちゃんも見たということは、あの場面も見たということでは。 裸で絡み合うラブシーンを思い出して、ケータは耳まで真っ赤になる。 「でも未来のことはまだ分からないし、自分たちで変えようと思えば変えられるよ」 フミちゃんはあっさりと言う。 一瞬でケータを現実に引き戻す、無慈悲な正論だった。 しかし、ここで心が折れるケータではない。 今まで何度フミちゃんの前で醜態を晒しても、負けずにフミちゃんの気を引こうとし続けてきた実績がある。 「正夢になるといいね」 ケータはフミちゃんの目をまっすぐ見て言う。 「そうだね」 フミちゃんは笑顔で答える。 ケータは一瞬で有頂天に昇りつめた。 フミちゃんが同意してくれた。あの予知夢を肯定してくれた。 ふぶき姫からのプレゼントとは、このことだった。 「ケータくん、手が止まってる」 フミちゃんにぴしゃりと言われて、ケータは「はい」と宿題に向き直る。 この夏、ずいぶんいろんなことがあった気がするけれど。 夏休みはまだ始まったばかりだった。
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kaialone · 6 years
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Yokai Watch Busters 2 Translation
(Masterpost for my Yokai Watch translations can be found here)
This will contain major spoilers for Yokai Watch Busters 2, specifically Chapter 8, so proceed with caution.
With that being said, this will be a translation of the aftermath of the battle with Gowin Bundory.
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These are the scenes that follow right after the battle with Gowin, the related scenes of which I have translated here, so I recommend reading that if you want more context.
Bolded is the original Japanese; for reference and in case someone who is better at Japanese reads this, and feels like correcting something.
Bolded and italicized is my translation.
(Number) Indicates I got a specific comment to make on that part in the translation notes.
Please keep in mind that I’m a beginner when it comes to Japanese, so it’s possible that I make mistakes, too.
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After the Battle with Gowin:
Jibanyan: ん? ここはどこニャン? Hm? Where are we, nyan?
Zom B Chopper: あ あれを見ろ! Ah, look at that!
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Zom B Chopper: なんだこれは… 船を操縦するための舵 …つまりハンドルだな! What is this... A rudder to steer a ship... ...in other words, a steering wheel! (1)
Jibanyan: うーん 何かありそうだけど 全然わかんないニャ〜ン。 Hmm, seems like there’s something up with this, but I don't get it at all, nyaaan.
Indy Jaws: きさまら死にたいのかぁぁ! Do you want to die or something!?
Indy Jaws: こんなもの あきらかなワナだ! 触るんじゃないっ! This is an obvious trap! Don't touch it!
Indy Jaws: いいか? ちょっとでも 触ろうもんなら… Got it? Even the slightest touch could....
Indy Jaws: って さめえええええっ! Ah- Sameeeeeee! (2)
Jibanyan: めちゃめちゃガッツリ さわってるニャーン! You just totally touched it as much as possible, nyaan!
Whisper: え? え! うわわ… 床が動きますよ〜! Huh? Huh!? Uwawah... The floor is moving!
Zom B Chopper: そうか…! これはハンドルを 「右に回すと床が上へあがる」しかけだな! I see...! This wheel is a mechanism that "raises the floor when turned to the right"!
Komasan: もんげ〜!! さすが大大大冒険家ズラ〜! Mongeee! As expected from a Great Great Great Adventurer!
Jibanyan: この島に来て はじめて 謎を解いているとこ見たニャン! This is the first time I’ve seen you solving a puzzle, since we came to the island, nyan!
Whisper: でも グーゼンですけどね〜! Even though it was an accident, whis!
Indy Jaws: グ… グーゼンではない! ワナにさえ愛され 味方にする! It wasn't an accident! Let the trap love you, and turn it into an ally!
Indy Jaws: そ それくらいでないと 大大大冒険家とは言えないのだよ! I-if you can't even do that, you can't call yourself a Great Great Great Adventurer!
Indy Jaws: ハハハ… ハ〜ッハッハッハ!! Hahaha... Haaahahaha!!
Notes:
The word I translated as steering wheel is ハンドル/handoru in Japanese, which is derived from the English world “handle”, and can be used to refer to the steering wheel of a car.
Indy Jaws often uses さめ/same, which literally translates to shark, as an exclamation of suprise, shock, or the like.
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On a Higher Floor:
Jibanyan: ニャニャ… なんだニャン? Nyanya... What's this, nyan?
Indy Jaws: 見ろ…!祭壇だぞ! 安置されている宝玉は…。 Look...! An altar! And the jewel that's enshrined there...
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Zom B Chopper: ああ! あれこそ 「バンバラストーン」……!! Ahh! That's the "Banbara Stone"...!!
Jibanyan: ニャ… ニャニャ!? Nya... Nyanya!?
Indy Jaws: あ… ジバニャンの宝剣が勝手に…! Ah... Jibanyan's Treasure Swords are acting on their own...!
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Jibanyan: やったニャン! 「バンバラストーン」 ゲットだニャン!! Hooray, nyan! We got the "Banbara Stone", nyan!!
Zom B Chopper: 秘宝に認められたんだ…! やったな! よし… 早くここを離れようぜ!! The Hidden Treasure accepted us...! We did it! Alright... Let's hurry up and get out of here!!
Jibanyan: わかったニャン! Got it, nyan!
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As they’re about to leave:
Indy Jaws: ん? 待て! あれを見ろ! Hm? Wait! Look at that!
Dandory: はぁ…はぁ…くくく… 待ち待ったぜ この時を!! *pant*… *pant*… Hehehe… We've been waiting for this moment!!
Indy Jaws: くっ またお前たちか… 往生際が悪いぞ!! Kch, you again… You just don't know when to quit!!
Dandory: バンバラヤーの秘宝が復活…  ってことは いるんだろ? The revival of the Hidden Treasure of Banbarayā… That's it, isn't it? (1)
Dandory: 壺の妖怪… 「カナエンデス」!! Yōkai of the Vase… “Kanaendesu”!! (2)
Black Catleen: ふふふ… やはりお前たちも来たか しつこいやつらめ… Hehehe… So you came after all. What a persistent lot… (3)
Whisper: うぃす? どいうこと? Whis? What's this?
Kirene: あぁっ!! Ahh!!
Dandory: ふ…ふふ… 参ったぜ 本当にその姿のままなんだな… Heh… Hehe… I'm at loss. You really have become like this…
Tanto: か… 母ちゃん!? 母ちゃん!! M… Mommy!? Mommy!!
Spatto: あっ タント!! Ah, Tanto!!
Tanto: わかるかい 母ちゃんオイラだよ! ずっとずっと探してたんだよォ! You understand, Mommy? It's me! We've been lookin' for you for so long!
Whisper: ええっ お母さん!? ブンドリー一家の? What!? The Bundory Family's mother?
Whisper: で それが壺の妖怪? ど…どゆこと〜? And, she is this Yōkai of the Vase? W… What are you talking about?
Spatto: バ… バカ! いくなタント!! You… You idiot! Stay away from her, Tanto!!
Spatto: 今の母さんは… 母さんじゃないんだっ!! Mom is not… she's not Mom anymore!!
Dandory: まだ小さかったあいつには話してないんだ… Since he was still small, we didn't tell him…
Dandory: 母さんと壺の妖怪が… 合体していることを! …that our mother and the Yōkai of the Vase… have fused!
Everyone: ええーっ!? Whaaaat!?
Black Catleen: くっ… な なんだコイツは!! ええい! はなれろっ!! Kch… What's with this one!? Arrghh! Get off me!!
Tanto: うわああああ!!! Uwaaahh!!!
Indy Jaws: 地鳴りだ! やばいぞ! Rumbling! This is bad!
Black Catleen: なんだ!? 塔が… 変形する? What!? The tower is… changing shape?
Black Catleen: 秘宝の前にして… こんなことがぁぁっ!! Why does this have to happen… when the Hidden Treasure is right there!?
Dandory: タント… タントはどこだ あっ!! Tanto… Tanto, where are you!? Ah!!
Tanto: ゴメンよぉ… オイラいっつもみんなの 足引っぱってばっかでさあ… Sorry… 'm always just draggin' you guys down…
Dandory: ガレキが… タントっ! う…動くな The debris… Tanto! D… Don't move!
Dandory: 待ってろ! 兄ちゃん今行くからな! Just wait! Your big brother will be right there in a moment!
Gowin: ハッハッハァァ!! ここはワシとバアちゃんにまかせろや! Hahahahaaa!! You can leave the rest to me and Grandma!
Toranka: ハッハアア! その通りだよォ! Haha! That's right!
Gowin: グハハ…… フウ…… フウ…… Guhaha… *huff*… *huff*…
Dandory: 親父…! ばあちゃん…! バスターズとの戦いでもう力が… Dad…! Grandma…! You're still out of energy from fighting the Busters…
Gowin: グハハ… バッスルしすぎたかのォ Guhaha… Guess they busted us. (4)
Kirene: イヤぁ! パパ〜っ! おばあちゃん〜!! No! Papa! Grandma!!
Komasan: タントさぁ〜ん! 待ってるズラ〜 Tanto! Hang in there!
Komasan: スィーツ好きどうし 助け合いズラ!! Sweets lovers gotta help each other!!
Treasure Komasan: よいしょっ… ズラ Heave-ho…
Tanto: コ… コマさん… オイラなんかのために Ko… Komasan… You're doin’ this for someone like me…
Dandory: タント…… お前… Tanto… You…
Tanto: ゴメンよ 兄ちゃん 敵なのに友だちになっちゃって… 'm sorry big bro, I made friends with him, even though he's our enemy…
Dandory: ありがとよ バスターズ 弟をたのむぜ Thank you, Busters. Please, take care of our little brother.
Dandory: おい! スパット! キレーネ! Hey! Spatto! Kirene!
Dandory: 親父たちを追うぜ! ヤツと決戦だっ!! We're going after Dad and the others! This will be the final battle with that guy!!
Spatto: ああ! Right!
Kirene: うん 行きましょう! Yeah, let's go!
Tanto: 兄ちゃん! 姉ちゃん! み… みんなあああっ! Big bros! Big sis! G… Guys!
Zom B Chopper: おい! やつらが上の階に! 追うぞっ! Hey! They're going to the upper floor! Let's go after them!
Zom B Chopper: さあ急げ ウィスパー!! Now, hurry up, Whisper!!
Whisper: うぃす〜〜っ!? この流れで私に来ます!? Whiiiis!? You're coming at me with that!?
Whisper: いやいや! おかしいでしょ〜〜っ!! Oh, no, no! You're not making sense!!
Zom B Chopper: お前一番 その輪っかのハンドルに近いんだよ! You're the closest to that steering wheel!
Zom B Chopper: 右に回して床を上げろ! Turn it to the right and raise the floor!
Indy Jaws: そうだ早くやれ!! 穴が閉じるぞ!! Yes, and hurry it up!! The opening is closing!!
Whisper: あわわ… 右って言ったらどっちです! Awawa... When you say right, which one do you mean?
Whisper: いつも私が鼻をホジホジする方の手? The hand I always use to pick my nose?
Jibanyan: どっちでやってるかなんて知らないニャン! As if I'd know which one you do that with, nyan!
Whisper: ですね! そうこっち! こっちが右手! True! Right, this one! This one is my right hand!
Whisper: ハイ息すってぇ〜… 右に力を入れてぇ〜… Alright, take a deep breath... Put your strength into your right hand aaaand...
Whisper: 回すぅぅ!!!! Turn it!!!!
Zom B Chopper: おい ハンドルは「右」から回しちゃったら 「左」に行くだろうが… Hey. If you turn the wheel from the "right", it will go "left", you know...
Whisper: …うぃすぅ〜? ...Whis?
Indy Jaws: 何やってんださめぇぇぇぇぇ〜〜!! What are you doing, sameeeeeee!!
Notes:
The term バンバラヤー/Banbarayā could be romanized in different ways, for example the first syllable “Ban-” could also be romanized as “Bam-”, the middle part “-bara-” could also be “-bala-”, and the ending “-yā“ could also be romanized as “-yar”, “-yaa”, or “-yah”.
Kanaendesu is taken from 叶えんです/kanaendesu, which translates to “it is granted”, as in, a wish is granted. It's also noteworthy that  デス/desu is the Japanese spelling of the English word “death”, and I feel that this is likely intentional here, so the name could be spelled as Kanaendeath. But, I’m sticking with a literal romanization for now.
This “form” is labelled Black Catleen later in the game, so that’s what I’m using here.
In Japanese, I’m fairly sure he is making a pun on バスターズ/basutāzu (”Busters”) with the word バッスル/bassuru (”to punish”).
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drumsoft · 5 years
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武蔵野八幡宮のお祭りに来てた あんず飴 屋さんのすごおく年季の入ったコリントゲーム。のらくろ や オバQ 等往年のキャラクターに、おそらく近年になってジバニャンが突然描き足された感じなのもすごい。 https://t.co/uBIx1MDR1S
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妖怪ウォッチ ワールド:ファミリーマートとコラボ 報酬は「お祭りジバニャン」 MANTANWEBまんたんウェブ https://t.co/GP2bR4iHzm
妖怪ウォッチ ワールド:ファミリーマートとコラボ 報酬は「お祭りジバニャン」 MANTANWEBまんたんウェブ https://t.co/GP2bR4iHzm
— 少佐 (@DawnPer76892244) July 2, 2018
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ponsans33 · 6 years
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ランキング1位記念イベント開催中!お祭りコインを大量ゲット可能!
ランキング1位記念イベント開催中!お祭りコインを大量ゲット可能! | 妖怪ウォッチワールド #妖怪ウォッチワールド
妖怪ウォッチワールドがAppStore/GooglePlay無料ダウンロードランキング1位獲得したことを記念してイベント『挑戦状クエスト』が始まりました!
開催期間
2018年7月9日 3:59まで
イベント内容
以下のクエストが追加されています。
クエスト内容
ジバニャンと1回バトルする。
※ジバニャンのすみか一覧を準備中です
ごほうび
お祭りコイン
クエストは全部で7回挑戦でき、計21枚のお祭りコインを入手できます。
お祭りコインの中身 Sランク [link キュウビ icon=1] [link あつガルル icon=1] [link ヤミまろ icon=1] [link オロチ icon=1] [link ラビィ text=”お祭りラビィ” icon=1] Aランク [link とどろき獅子 icon=1] [link モテマクール icon=1]
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terasokunet-blog · 8 years
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【悲報】ピカチュウさん、東京五輪の公認アニメキャラからリストラwwwwwww(画像あり)
1: 2017年1月5日(木) ピカカスはもう終わりやね 2: 2017年1月5日(木) ジャンプから3タイトルってすげーな 4: 2017年1月5日(木) ジバニャンの場違い感 5: 2017年1月5日(木) 残念でもないし当然ポリ 6: 2017年1月5日(木) よう知らんけど東京五輪ってアニメの祭典かなんかなんか? 8: 2017年1月5日(木) 多分別に出番あるんやろ 9: 2017年1月5日(木) ドラカスおらんやん 17: 2017年1月5日(木) 一番右はおかしいだろ 10: 2017年1月5日(木) なんでプリキュアやねん それならクレヨン王国でええわ 14: 2017年1月5日(木) プリキュアはせめて初代やろ スポンサーリンク
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youkaimikantext · 2 years
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⑤プールサイドの女神
 ふぶき姫と椿姫と百鬼姫と過ごす夏休みは、とても充実していた。 彼女たちは意外にもケータの家での振舞に気を使ってくれるし、家事の手伝いも積極的に引き受けてくれる。 ケータの代わりに母の買い物についていってくれるので、その分ケータは家でごろごろする時間が増えた。 ウィスパーやジバニャンやヒキコウモリとも衝突することなく、仲よくやってくれている。 何より、彼女たちはとても美しい。 家にきれいな女の子たちがいるということが新鮮で、その点はケータもまんざらでもなかった。 そして、フミちゃん。 一緒に海へ行ったあの日から、どことなくフミちゃんとの距離が縮まったように感じていた。 明確にどこがどう変わったというわけではないけれど。 二人で同じ時間を共有した、そのことがケータの中で宝物のようになった。
「ケータくん、宿題しなくていいの?」 「あとでやるよ」 ふぶき姫が問いかけると、ケータはゲーム画面に目を落としたまま言う。 「お母さまに叱られちゃいますわよ」 今度は椿姫が言う。 ケータは「んー」とだるそうに呻いてから、渋々Switchの電源を落とした。 「しかたない、やるかあ」 ケータは椅子を引いて座ると、宿題のドリルを開いた。 ふぶき姫ではなく、椿姫の言うことを聞いてケータが机に向かった。 椿姫は得意な表情でふぶき姫に微笑みかけ、ふぶき姫は悔しそうに頬を膨らませる。 ふぶき姫は平常心を取り戻そうと、懐から小さなものを取り出した。 「ケータくんにもらった桜貝、本当にきれい……」 窓から射す日光にかざして、うっとりと桜貝を見つめる。 「ねえケータくん知ってた? 欠けてない桜貝を好きな人にもらうと、恋が実るんですって」 ふぶき姫は声を弾ませて言う。 「それ拾ったのフミちゃんたちだよ」 ケータはこともなげに答える。 「そうだけど、でも本当に嬉しかったから……」 ふぶき姫はケータの横ににじり寄って、見上げるように顔を覗き込む。 「無茶ぶりっ子とコンたんに会ったんでしょ? 4人で遊んだんでしょ? 何したの? あの子たちなにか言ってた?」 急な質問攻めに、ケータは困り顔でふぶき姫を見る。 「もう、ふーちゃん。ケータくん宿題してるでしょ」 「せっかく寝ぐせがやる気になったのじゃ。邪魔するな、腹黒女」 椿姫と百鬼姫に窘められて、ふぶき姫は納得いかない顔で小さくなる。 「明日は学校のプールの日でしょ? 約束どおり、今度こそ連れてってね?」 「ちゃんと覚えてるよ」 よほど楽しみにしていたのだろう、ふぶき姫に念を押されてケータは頷いた。
 翌日も、朝から30度近い猛暑日になった。 水着とバスタオルをプールバッグに詰めて、ケータたちは出かける準備を済ませる。 「オレっち水に濡れたくないから待ってるニャン」 「わたくしもそうさせていただきまうぃす」 寝転がってチョコボーを食べながらジバニャンが言うと、ウィスパーも妖怪パッドを磨きながら続く。 「あそう、じゃあ留守番頼んだよ」 ケータは3人を連れて、家を出た。 「そうだ、日焼け止めとか持ってきた?」 学校への道すがら、ケータが言う。 「日焼け止め?」 「一応持ってるけど、私たちはほとんど日焼けしないから……」 ふぶき姫と椿姫がきょとんとして答える。 「寝ぐせ、海で何かあったな?」 百鬼姫の鋭い指摘に、ケータはギクリとなる。 「そうなの? 何があったの?」 「誰とですの? フミちゃん?」 「いや、別に、何もないよ」 ケータは目を泳がせてごまかす。 女の子というのは、どうして気付かれたくないところを突いてくるのだろう。 一番気付いてほしい相手はずっと気付いてくれないのに。 「無茶ぶりっ子とコンたんとどんな遊びしたのか気になるけど……」 「今日たくさん遊んでくれたら許してあげますわ」 ふぶき姫と椿姫は、左右からケータの腕を組む。 両腕を拘束されて、ケータはさながら連行される容疑者のようになって歩いた。
「フミちゃん、もう来てたんだ」 フミちゃんの姿を見つけると、ケータは嬉しそうに言う。 「うん、サトちゃんと一緒に来たの」 フミちゃんも笑顔で答えた。 気のせいではなく、ケータは自分たちの関係が少し前進した手ごたえを感じる。 「あとで一緒に準備体操しよ」 ケータが言うと、フミちゃんは笑顔のまま頷く。 「私たちもね」 そこに割り込むように、ふぶき姫が言う。 「分かってるよ、5人一緒にって意味で言ったの」 ふぶき姫とケータのやり取りを見て、フミちゃんはくすくす笑った。
水着に着替えた生徒たちが、楽しそうにプールサイドに集まる。 ケータはといえば、着替える直前にトイレに駆け込んでいた。 家を出る前にお茶を飲みすぎたのが災いしたらしい。 手を洗って更衣室に滑り込み、大急ぎで水着に着替える。 やっと更衣室を出ようとした時、ふぶき姫がドアを開けて入ってきた。 「ふぶき姫、どうしたの」 堂々と男子更衣室に入ってくるので、ケータは驚いて言う。 「ねえケータくん、手かして」 「?」 こんな時になにを言い出すのか、よく分からないままケータは右手を差し出す。 ふぶき姫はその手を掴んで、水着の胸元に差し込んだ。 「うわっ」 ケータは驚いて手を引っ込める。 一瞬で顔が真っ赤になるのが分かった。 「もっとさわりたい?」 「なに言ってんの……」 陽の射さない薄暗い更衣室内で、ふぶき姫は妖しげに笑う。 「だってケータくん、フミちゃんと一緒にいるとフミちゃんにばっかり夢中になっちゃうから」 「……ごめん……だって……」 ケータは俯いて、しどろもどろ弁明しようとする。 フミちゃんが好きなのだから仕方がない。 「私のこと好き? 嫌い?」 「……好き」 短く答える。 「友達として好き? フミちゃんと同じ意味で好き?」 「……友達として……」 ケータは突き放すようにではなく、努めて優しく言う。 それがケータなりの気遣いであることは、ふぶき姫もよく分かっている。 ふぶき姫は、体をぶつけるようにケータにしがみついた。 ケータは驚いて、小さく声をあげる。 心臓が急激に速くなるのが分かる。 「私はケータくんが好き……」 ふぶき姫の切羽詰まった声に、ケータは何も言い返せない。 「どうして妖怪が人間の男の子を好きになっちゃいけないの……?」 ふぶき姫はケータの首元に頬を寄せるようにして、震える声で言う。 ケータはとにかく驚いていた。 ふぶき姫が自分にちょっかいをかけるのは、椿姫や百鬼姫とのごっこ遊びの延長のようなものだと思っていた。 ひな祭りの時と同じように、誰が一番になるか競って遊んでいるだけだと。 まさかこんな風に、真正面から感情をぶつけられるとは思っていなかった。 「……ごめん、でもオレ……」 「聞きたくない」 ケータの言葉を、ふぶき姫が遮る。 続きは分かっているから。 その時、更衣室のドアが静かに開いた。 フミちゃんが、そうっと顔をのぞかせる。 ケータは慌ててふぶき姫の体を引き離した。 「フミちゃん……これは、あの……」 ケータが必死でなにか言おうとしている間も、ふぶき姫はケータから手を離さなかった。 「もう準備体操始まるのに来ないから来てみたら、ケータくんとふぶき姫の声がしたから……何してるのかなって……」 ケータは固まったまま、ふぶき姫はそのケータに掴まったまま、立ち尽くしていた。 「……何してたの……?」 フミちゃんの表情が、みるみる青ざめていく。 抱き合っていたところを目撃されて慌てているようにしか見えない。 「……もういい」 フミちゃんはそれだけ言って、ドアを閉めて行ってしまった。 「フミちゃん、待って……」 追いかけようとするケータの腕を、ふぶき姫が引く。 「行かないで」 引き止められて、ケータは思わず止まってしまった。 「もう分かったでしょ? フミちゃんはケータくんが好きなの。ケータくんとフミちゃんは両想いなの」 その言葉に、ケータは目を見開く。 「でも私は今しかないから……今だけこうしててもいいでしょ……?」 ケータは頭が真っ白なまま、身動きできない。 ふぶき姫の言ったことがうまく理解できない。 フミちゃんと両想いとは、どういう意味だろうか。 心臓が痛いほど大きく脈打って、音が耳に直接響く。 ケータが黙ってしまったので、ふぶき姫はケータから体を離す。 一歩下がって、ケータを見上げた。 「……帰るね」 「えっ……」 ふぶき姫のやることなすことすべてが分からなくて、ケータはますます固まった。 「プール楽しんできてね。帰ったら一緒に宿題しよ!」 ふぶき姫は笑顔で言って、更衣室を出て行ってしまった。
 プールサイドへ上がると、もう準備体操が始まっていた。 ケータはフミちゃんの隣に滑り込んで合流する。 まだ心臓がドクドク鳴っていた。 「ふぶき姫は?」 ケータの方を見ずに、フミちゃんは静かに言う。 「帰った。具合悪いんだって。妖怪も夏バテとかするんだね」 ケータはつくり笑いをして見せる。 やましいことがあったという誤解だけは、どうしても解いておきたい。 「一人で帰らせて大丈夫なの?」 フミちゃんは眉をひそめる。 「オレもそう思ったんだけど……」 そこはケータも同意見だった。 あの時のふぶき姫は危うい感じだったから。 それでも、フミちゃんを誤解させたまま帰ることはできなかった。 「分かった」 フミちゃんは小さく息をつきながら言う。 「ふぶき姫、具合悪かったんだよね。それでふらついたのを支えてあげてたんだよね?」 ケータは驚いてフミちゃんを見る。 「そういうことにしといてあげる」 フミちゃんは笑顔で言い切った。 助かった。 首の皮が一枚繋がって、ケータは内心胸を撫で下ろす。 でも、ふぶき姫のさっきの様子が気にかかる。 能天気に安心していていいのだろうか。 フミちゃんは何故見逃してくれたのだろう。 ふぶき姫が言った、『ケータくんとフミちゃんは両想い』という言葉が頭の中でぐるぐるする。 ケータはフミちゃんの笑顔を、ぼんやりと見つめた。
続く
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youkaimikantext · 2 years
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③天野家と5年2組
「夏休みまでの短い間だけど、みんな仲よくするように」 先生は黒板に3人の名前を書いてから言った。 教卓の前に並んだふぶき姫、椿姫、百鬼姫の3人は礼儀正しく一礼をする。 ケータとフミちゃんは不安な表情で目を合わせた。 3人の希望により、1学期最後の1週間を5年2組で過ごすことになった。 3人とも人化けの術が上手で、完全に人間の小学生に馴染んでいる。
「いつもケータくんとフミちゃんがお世話になってます」 ふぶき姫が笑顔で言うと、クマとカンチは少���赤くなった。 放課後のさんかく公園で、頭上に蝉時雨を受けながらクラスメイトたちが詰め寄る。 「ケータくんにこんなにかわいい親戚の子がいるなんて」 「知らなかったねー」 「親戚っていっても、超超~……遠い親戚だけどね……」 サトちゃんとミカちゃんが目を輝かせて言うと、ケータは顔を引き攣らせて答える。 「フミちゃんとも知り合いなんだね」 「小さい頃にね、少しだけ会ったことがあって……」 メグちゃんが言うと、フミちゃんも困り笑いで返した。 こう見えてもケータたちより長く生きている妖怪。 おかしなことはしないだろうと思いつつ、ケータとフミちゃんは気が気でない。 「いざとなったらわすれん帽に頼んでみんなの記憶を消してもらおう」 ケータが小声で言うと、フミちゃんはコクコクと頷いた。 「みんな普段どんな遊びしてるの? 私たちも一緒に遊びたいな」 椿姫の呼びかけに応じて��すぐに遊びの時間が始まった。 だるまさんがころんだをしたり、Switchを取り出して対戦ゲームをしたり。 クラスメイトたちに混じって彼女たちが楽しそうにしているのを見て、ケータとフミちゃんはほっとして笑った。 妖魔界を抜け出して人間と思い切り遊んで、純粋に楽しんでいるのだろう。 たまにはこういう時間があってもいいのかもしれない。 それに、3人の姫たちは人間の姿をしていてもとてもかわいらしい。 ケータは思わず、愛らしい彼女たちの姿に見とれた。
 遊び疲れて、少し休憩しようという時。 ふぶき姫たちはサトちゃんやミカちゃんたちと木陰に座っていた。 「ケータくんとフミちゃんっていつもどんな感じなの?」 ブランコに座ってお茶を飲むケータとフミちゃんを見ながら、ふぶき姫が言う。 「どんな感じって?」 「ケータくんってフミちゃんのこと好きでしょ? 少しは相手にしてもらえてるのかなって」 ふぶき姫の言葉に、サトちゃんとミカちゃんは苦笑いで顔を見合わせた。 「そんな感じじゃないと思うなー……仲はいいけど」 「ケータも時々暴走するけど普段はあんまりガツガツしてないしね」 サトちゃんとミカちゃんの返答に、ふぶき姫と椿姫は「そうなんだ」と相槌をうつ。 「フミちゃんって、恋愛とか彼氏とかに憧れはあるみたいなんだけど、少し鈍いっていうか」 「フミちゃんのこと好きっていう男子はケータだけじゃないけど、フミちゃん本人があんまり興味なさそうなんだよね」 ふぶき姫たちは少し意外な表情になった。 自分たちがケータにちょっかいをかける時、フミちゃんは決まってヤキモチを焼くような素振りを見せていた。 フミちゃんもケータを憎からず思っているのだろうと踏んでいたのに。 「じゃあケータくんって全然脈なしなの?」 「そうじゃないかなー」 女の子たちはくすくす笑って答える。 ふぶき姫と椿姫もそれにつられるように笑った。 「じゃあ、私たちの誰かがケータくんもらっちゃってもいいんだ」 笑顔の奥に隠すように小声で言う。 「えっ、なんか言った?」 「ううん、なんでもない」 ふぶき姫は笑顔のまま答えた。
「3人とも大きくなったわねー、ごはんつくるから待っててね」 母は上機嫌でキッチンに立っている。 「私たちも手伝います」 椿姫はエプロンをして、手を洗いながら言った。 「なんだかとんでもないことになっちゃいましたね」 「あれ大丈夫ニャンか?」 ケータの母と楽しそうに夕食の準備をする姫たちを見て、ウィスパーとジバニャンは不安な顔をした。 ふぶき姫たちは遠縁の子であると、ケータの両親に暗示をかけてある。 彼女たちはまがりなりにもSランク妖怪。 人間界に潜り込むことなど造作もないのだろう。 「なんかごめん……うまく合わせといて」 ケータはキッチンから顔を背けて、ソファに寝転がってゴロゴロコミックを広げた。
「学校どう? 楽しかった?」 ハンバーグカレーができあがり、食事が始まるとすぐにケータの母が言う。 「すごく楽しかったです」 「みんな優しくしてくれるし」 姫たちは口々に言ってから、「ねー」と声を合わせる。 「サラダはふぶきちゃんがつくってくれたのよ」 母が言うと、父は「へえ」と感心する。 「カレーのお野菜は百鬼ちゃんが切ってくれて、ハンバーグは椿ちゃんが焼いてくれたの。すごく助かったわ」 「みんな料理上手なんだなー、ケータ、よかったな」 ケータは少し照れたように「うん」と頷いてカレーを頬張る。 どうも居心地がよくない。 「かわいくて料理上手な女の子が3人もいるなんて、幸せだな」 「なにそれ」 ケータは少し赤くなって、父をジロリと横目に見る。 「そういえば、ケータくんってけっこうモテるんですね」 「あら、そうなの?」 ふぶき姫の言葉に、母が即座に食いつく。 「ちょっと、やめてよ」 「ケータくんとフミちゃんって最近いい感じらしくて……」 ケータの制止を振り切って、ふぶき姫が続ける。 「まあ、フミちゃんと?」 「私たちがケータくんと仲よくしてると、フミちゃん少しヤキモチ妬いちゃうみたいで……」 「はあ? そんなわけないじゃん!」 「そういえば、少し前にもクラスの女の子たちが急に騒いだことがあったわね」 「ケータやるなあ」 「やめてってば!」 慌てるケータを見ながら、両親と姫たちは楽しそうに盛り上がる。 ケータにとっては、まさに針のムシロだった。
「もー、頼むからお父さんたちに変なこと言うのやめてよ」 自室に戻るやいなや、ケータが不満げに言う。 「変なことって?」 「本当のこと言っただけじゃない」 彼女たちはまた「ねー」と声を合わせる。 「それもやめて! とにかく、フミちゃんや学校のみんなに迷惑かけるようなこと言わないで」 ケータは3人の顔を交互に見ながら言う。 「迷惑?」 「でも、フミちゃんがヤキモチ妬いたのは事実よね。カフェの時も温泉の時も」 ケータはハッとして、フミちゃんのこれまでの様子を思い出す。 確かに、自分とふぶき姫たちが必要以上に近づくとフミちゃんはおもしろくなさそうにしていた。 あれはヤキモチと言っても過言ではない。 「ヤキモチ……そうかなあ……いやでも、オレなんかに……でも……」 もしフミちゃんが自分を少しでも意識してくれているなら。 そう思うとケータのニヤつきは止まらず、赤くなってもじもじと頭を掻いた。 「そうだケータくん、4人でお風呂入らない?」 ケータを楽しい妄想から現実に引き戻したのはふぶき姫だった。 「お風呂? 絶対無理! オレ1人で入るから、絶対入って来ないで!」 先日の温泉での二の舞になってたまるかと、ケータはきっぱりと言い返す。 「大体一緒にお風呂なんか入ったらお父さんとお母さんに変に思われるし」 「でも、背中を流すくらいなら」 「それでもダメ!」 ケータが毅然と言い切ると、ふぶき姫は少ししゅんとしてしまった。 良心が少しズキリとしたが、折れるわけにはいかない。 「ケータくん、私たちと一緒にお風呂入るのイヤなの……? この前は一緒に入ってくれたのに……」 ふぶき姫は目にうっすらと涙をためて言う。 ケータは一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに気を取り直した。 「悪いけど無理。親に心配かけたくないし」 女の子(というかふぶき姫と椿姫)は涙を自在に操ることができると、雛祭りの件でよく分かっている。 それを看破できないほど、ケータと妖怪たちとの関りは浅くない。 「じゃあ、今度また一緒にごくらく温泉に行ってくれる?」 ふぶき姫は目を潤ませて、ケータを見上げる。 正直またあんな思いをするのは勘弁してほしいところだが、なんとなく断りにくい空気になってしまった。 「……いいよ」 ケータはふぶき姫の顔を見ずに答える。 こう言っておけば今日のところはおとなしくしてくれるだろう。 「本当? 嬉しい!」 ふぶき姫は目に涙をたたえたまま、幸せそうに笑った。 ケータは迷惑そうに、でも少し頬を赤らめてそれを見る。 ぐいぐい来るのではなく、あんな風に控えめでいてくれたらいいのに。 ケータは満願叶って、のんびりと一人で湯に浸かった。 一人になると、人は自分に正直になる。 私たちと一緒にお風呂入るのイヤなの? さっきのふぶき姫の声が内耳に響く。 「……一緒に入りたいわけないじゃん……」 ケータはそう呟きながら、どうしても、湯けむりにかすむ彼女たちの体を思い出してしまう。 そのまま湯に沈み込みながら、ぶくぶくと泡を吐く。 背中に圧しつけられた椿姫の濡れた肌。 湯の中で絡みつけられたふぶき姫の腕、百鬼姫の脚。 そこまで来ると自動的に、初めて見たフミちゃんの裸が脳裏に現れた。 またこれだ。 あの日から何度も繰り返し思い出しては、ケータを悩ませる。 体の奥がムズムズし出す。 ケータは煩悩とムズムズを追い払うように、湯の中でジタバタともがいた。
 湯あたりしたわけでもないのに、ケータはドサッとベッドに倒れ込むと、そのまま目を閉じた。 「ケータくん今日は大変な1日でしたね」 「今日だけじゃなくて明日からもなんだよなあ……」 ウィスパーが心配そうに言うと、ケータはくぐもった声で答える。 リビングに布団を敷いて、ふぶき姫たちはそこで寝ることになっている。 入浴時と睡眠時だけは普段どおり過ごせることに、ケータはほっとしていた。 「明日寝坊しないように起きて下さいよ、それじゃおやすみでうぃす」 「おやすみニャーン」 ウィスパーとジバニャンはそれぞれの寝床に就いて、すぐに寝息をたて始める。 ケータも吸い込まれるように眠りに落ちた。 その眠りの中で、妙な夢を見た。 くすぐったいようなやわらかいような、不思議な感覚。 とてもいい香りがする。 ひんやりとしたやわらかいものが体に密着して、気持ちがいい。 ぎゅうっと圧しつけられて、おなかの下の辺りがむずむずする。 頬を撫でられた気がして、ケータはハッと目を開けた。 目の前にいたのはふぶき姫だった。 「ふぶ……!」 思わず声を上げたケータの口を手で塞いで、ふぶき姫はくすっと笑う。 「声出しちゃダメ。みんなが起きちゃうでしょ」 ふぶき姫は唇の前に人差し指を立てて、優しく微笑んだ。 「なんで……下で寝てるはずじゃ……」 「眠れなくて来ちゃった。ケータくんと一緒ならよく眠れるかなって」 まさかベッドの中にまでもぐり込んでくるとは。 ケータは大きくため息をついた。 「ケータくんを困らせるようなことしないから。こうしてるだけ。いいでしょ?」 ふぶき姫はケータの体に両腕を巻きつけて言う。 「……じゅうぶん困るよ……」 至近距離にあるふぶき姫の顔を見ることができず、ケータは目を逸らす。 ちらりと見ると、ふぶき姫も頬を赤らめてケータを見つめていた。 黙ったまま、数秒間見つめ合う。 可愛いから困る。 ケータが好きなのはフミちゃんなのに。それは絶対に変わることはないのに。 ふぶき姫はそうっと、両脚をケータの脚に絡めるように密着させる。 ケータが抗わないのを見て、安心したように目を細める。 「なんか、ドキドキしちゃう……」 熱っぽい目で見上げられて、ケータはごくんと嚥下した。 ふぶき姫はケータの耳元に唇を寄せる。 「いけないことしてるみたいだね……」 「……うん……」 細い声で耳元をくすぐられて、ケータはぞくっとする。 頭がぼーっとして、ふわふわする。 ふぶき姫はそのままケータの頬に口づける。 「おやすみ」と囁いて、目を閉じた。
続く
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youkaimikantext · 8 years
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⑥キスを止めないで
 フミちゃんと一緒に夏期講習へ通うようになってから、2週間が過ぎた。 分からないところはフミちゃんが教えてくれたりするし(しかも教え方が先生よりうまい)、一緒に電車に揺られて学校へ行ったり一緒にお昼ご飯を食べたり、 帰りに本屋さんに寄り道しておすすめの参考書を教えてもらったり、フミちゃんからメールが来ることも増えた。 彼氏がいてもいなくても、どっちでもいいような気になってきた。 たとえいなくてもつき合えないかもしれない。 それなら今のこの時間を手放すようなことはしたくない。 「だらしないニャンねー、つき合って欲しいってはっきり言えばいいニャン」 「う……しょうがないじゃん、今振られたらショックで勉強が手につかなくなるし……」 ケータは小声で弁解すると、手早く制服を着て「行ってきます」と家を出た。 8月の第一金曜日。 いつも待ち合わせる交差点でフミちゃんと落ち合うと、一緒に駅へ歩き始めた。 「今日花火大会だね」  シャワシャワとセミの声に交じってフミちゃんが言う。 「そうなの?」 「うん。ケータくん誰かと行く予定ある?」 「いや、ないけど。今知ったし……」 ケータが答えると、フミちゃんは小さく微笑む。 「……じゃあ、よかったら一緒に行かない?」 少し頬を上気させてフミちゃんが言う。 ケータの頭の中には浴衣姿のフミちゃんと手を繋いで花火を見上げる自分の姿が瞬間的に浮かんだ。 「うん、行こう行こう」 内心かなりがっついているのを必死に押しとどめて、ケータはさわやかな笑顔で言う。 「よかった。サトちゃんもちーちゃんも彼氏と行くって言うから」 懐かしい級友たちの名前を聞いて、ケータはさらに確信を深めた。 フミちゃんには一緒に行く彼氏がいないという確率がこれでまた上がった。 ぜっこう蝶でも取り憑いているのだろうか、ケータは成層圏まで舞い上がりそうになる。 立ち並ぶ夜店を見て練り歩きながら、一緒にかき氷を食べる。 花火をきれいと言うフミちゃんに、君の方がきれいだよと言い、人混みでは危ないからと手を取ってエスコートする。 そこまでシミュレーションしていたら今日の講習は終わってしまった。 「じゃあ、6時に迎えに行くね」 フミちゃんと手を振って別れると、ケータは自宅に戻っていそいそと出かける準備をした。  シャワーを浴びて、髪を手ぐしで整える。 「頭ボサボサじゃないかな、いつもとあんま変わんないか」 クローゼットを開けて服を選ぶ。 「何着てもいつもとあんま変わんないか」 さっきと同じようなことを言いながら、結局いつも通りTシャツとカーゴで行くことにした。 「ケータぁ、オレっちたちも一緒に行っていいニャンか?」 「わたくしたちは別行動した方がいいでうぃすか? デートですし」 「デ……」 デートなのか、やっぱり、これは。 ケータは今さら赤くなる。 「一緒に来てもいいけど、おとなしくしててよ」 ケータが言うと、二人ははーいと元気よく返事をした。 ウィスパーはケータのデートが円滑にいくようにサポートするつもりでいるけれど、ジバニャンはケータのかき氷やたこ焼きに期待していた。  久々に木霊家の前まで来ると、ちょうどフミちゃんも玄関から出てきた。 「ケータくん、お腹すいてる?」 ケータは思わずフミちゃんをまじまじと見る。 シフォンのノースリーブにデニムのショーパンにかごバッグという、予想に反してシンプルな装い。 「浴衣じゃないんだね」 「着たかったけど……」 フミちゃんは言葉尻を濁して、ケータの背中を押すように「たこ焼き食べたいな」と歩き出した。 さざなみ海浜公園への道を行きながら、ケータはフミちゃんに釘付けになる。 浴衣ではなかったけれど、普段着も相変わらず可愛い。 シャワーを浴びてきたらしく石鹸の香りも漂っている。 久々に見たポニーテールからのぞくうなじの遅れ毛が愛らしい。 こんな子が彼女だったら、毎日どんなに幸せだろう。 実際、彼女だった時期はあった。 毎日最高に幸せだった。 ケータはそのことを思い出そうとすると、ぴたりと妄想をやめてしまう。 フミちゃんに振られた時は本当に辛かった。 あの辛さが今でも胸に引っかかって、一歩踏み出そうとするケータの足を止めてしまっていた。 だらしないとジバニャンに言われてしまっても。  薄暮の海辺は賑わっていて、生ぬるい風が潮の香りとソースの焦げる匂いを運んでくる。 フミちゃんのリクエスト通り夜店のたこ焼きを買って、分け合って食べた。 釣り下げられた提灯や電球の灯りがどこか幻想的で、灯りに照らされたフミちゃんはますます美しい。 スタートを知らせる花火が上がると、フミちゃんは「始まったね」とケータの腕を引いて海岸近くへ行こうとする。 フミちゃんに触れられた腕が熱い。 親友たちとも妖怪たちとも接点が減り、冴えない日々に突然花火が上がった。 なんとなく過ごしていた毎日をフミちゃんが変えてくれた。 矢継ぎ早にスターマインが繰り出され、観客たちの歓声に交じってウィスパーとジバニャンが「たまやー」とはしゃぐ。 楽しそうに花火を見上げるフミちゃんの横顔が赤、青、緑と次々に照らされる。 このまま時が止まればいいと思ったのは何年ぶりのことだろうか。  花火大会が終わり、ぞろぞろと帰路へつく人たちに交じってケータとフミちゃんも歩いた。 歩き疲れたので、ラムネを買ってベンチで少し休むことにした。 「楽しかったね」 「うん。誘ってくれてありがとう」 並んで座ると、同時に背もたれに上体を預けた。 人々のざわめきが遠のき、二人だけ薄い膜を隔てた世界に来たかのように錯覚する。 「まさかフミちゃんと一緒に来れるって思ってなかった」 火照った頬でケータが言う。 「来週の夏祭りも一緒に行きたいね」 フミちゃんが言うと、ケータは満面の笑みで頷いた。 人目につかないベンチを選んでしまったせいで、起こしてはいけない欲が湧く。 ケータは手を伸ばして、そうっとフミちゃんの手に重ねる。 フミちゃんは一瞬身をこわばらせると、熱っぽい目でケータを見上げた。 そのまま見つめ合う。 何も言葉を交わさなくても、言葉以上の感情を交わす濃密な数秒間。 どちらからともなく近付き合って、目を閉じて唇を重ねた。 口づけ合っていると、もっと密着したくなる。 抱き締めたくなる。 フミちゃんがそうして欲しがっているのも伝わってきたけれど、ケータはそうしない。 そうっと唇を離すと、至近距離で見つめ合う。 ケータを見上げるフミちゃんの潤んだ目。 めまいがするほど可愛い。 額をこつんとぶつけて、ケータは重ねていたフミちゃんの手をぎゅっと握った。 「……帰りたくない」 か細い声でフミちゃんが言う。 フミちゃんからこのセリフを言われたがっている男がどれだけいるだろうか。 ここで糸の切れた凧になれたらどれだけいいか。 ケータはクラクラしそうになるのをなんとか堪えて、しっかりとフミちゃんの目を見た。 「……今フミちゃんとこれ以上親密になったら、他のこと手につかなくなると思う。絶対勉強どころじゃなくなる�� フミちゃんは不安そうにケータの次の言葉を���つ。 「オレ、フミちゃんのこと本当に好きだから、そんな風になりたくない」 ケータは途切れながら慎重に言葉を紡ぐ。 「……だから、もう少し手応えとか結果とか出るまで、このまま一緒にいて欲しい……」 しどろもどろになりながら何とか言い切ると、ケータは体中から空気が抜けたようにぐったりとベンチにもたれ込んだ。 「どうしたの? 具合悪いの?」 フミちゃんが心配そうに言うと、ケータは力なく笑って首を振る。 「今の、すっげー緊張した……」 帰りたくないのたった一言でも、フミちゃんだって緊張はした。 ケータの言葉に嘘はないのだと実感して、フミちゃんもホッと安心する。 「待ってるね」 繋いだままのケータの手を握り返して言う。 本当に、どこまでも幸せな奴だ。自分は。 「あーーー………帰したくねえ……」 つい本音がこぼれる。 脱力しきってケータが言うと、フミちゃんはくすくす笑う。 ケータは涙が出そうになるほどすべてのことに感謝した。  手を離すことなく、繋いだまま歩いて帰る。 フミちゃんの手のやわらかさ滑らかさに、ケータは前言撤回してしまおうかと何度も心が揺らいだ。 「だったら浴衣で来たらよかったな」 「え?」 「浴衣は一度脱いだら自分で着付けできないもん」 フミちゃんはわざと意地悪に言って見せる。 「フ、フミちゃん………」 蛇の生殺しとはこのことを言うのだろう。 本心だったとはいえ強がったことをケータは後悔しそうになる。 「ふふっ、冗談」 ケータの反応を見て、フミちゃんはくすくす笑った。 「フミちゃん、オレの方が我慢してるんだから……決心が鈍るからやめて」 「ごめんね」 フミちゃんは可笑しそうに笑い、そうしている間に木霊家に到着してしまった。 なかなか手を離すことができずに、二人は立ち止まって向かい合う。 「ねえケータくん、抱っこして」 「えっ、あ……うん……」 手を離して、ケータはフミちゃんの体を包み込んだ。 フミちゃんも両手をケータの背に回す。 腕の中に収めてしまうと、フミちゃんはこんなに小さいのだと実感した。 ケータが体を離そうとすると、フミちゃんはぎゅうっとケータにしがみつく。 「フミちゃん、誰かに見られるといけないから……」 「もう少しだけ」 本当の本当に、フミちゃんにこんなことを言われたい男がどれだけいるというのか。 もしかしたら夢じゃないだろうか、ケータは今さらながら心配になる。 「フミちゃん、ちょっとほっぺつねってみて」 「夢じゃないよ。私も同じだもん」 ケータの考えていることなどお見通しというように、フミちゃんはケータを見上げて、つねる代わりに頬に口づけた。 真っ赤になるケータを開放して、フミちゃんはふふっと笑う。 「送ってくれてありがとう、おやすみケータくん」 フミちゃんが玄関の中に入っていっても、ケータは頬を手で押さえたまま呆然と立ち尽くしていた。 「女の子にあそこまで言わせて帰すなんて、フミちゃんかわいそうニャン」 「いーえ、ケータくんがフミちゃんを本当に大事に思っているからこそでうぃす」  ケータの椅子でゴロゴロするジバニャンに、何故かウィスパーが熱弁する。 大体合っているのでケータは口出ししないでおいた。 「こういうのって慣れてないから疲れるね」 ケータはそう言って入浴を済ませると、勉強もゲームも漫画も手を付けずに寝てしまった。 瞼と耳の奥に残るフミちゃんの余韻を感じたまま眠る。 こんな幸せな一日の終え方はない。  次の月曜日は、朝からフミちゃんから『寝坊したから先に行って』のメールを受け取った。 フミちゃんが寝坊なんて珍しいけれど、ケータもギリギリの時間に起きたので慌てて学校へ走った。 教室に入ると、もう空いている席も少ない。 なんとか2人分空いている席を見つけて座ると、隣に誰かが座った。 「天野くんも夏期講習来てたんだ」 隣を見ると、ケータと同じクラスの女の子。 「あ、うん……」 「先週ノート取ってないとこあるんだけど、見せてもらってもいい?」 その席は人が来るからと言う間もなく被せられてしまって、ケータは仕方なくノートを貸した。 「この子誰ニャン?」 「なんとなく雰囲気がフミちゃんに似てますね」 ケータの背後で妖怪たちが呑気に言う。 確かに彼女はクラスの男子たちの間で、フミちゃんの次に可愛いと目されている。 さらさらの長い髪、透き通るように白い肌、キラキラと大きな目、ツヤツヤの唇、整った顔立ち、華奢な体つきと、フミちゃんに似ていなくもない。 仕方ない、フミちゃんにはメールで知らせておこうとスマホを取り出そうとした時。 「ねえ、数Ⅱの授業分かりにくくない? 私いつも眠くなっちゃうからもし寝てたら起こしてね」 彼女はケータに体を押し付けるように近寄る。 彼女とフミちゃんの最大の相違点。 Fカップはあろうかという豊満な胸がケータの左腕に当たった。 ケータは思わずそれを見る。 別に鼻の下を伸ばして見とれる訳じゃないけれど、健全な17歳男子としては至ってまともなことのはず。 はっと顔を上げると、それを見るフミちゃんと目が合った。 ヤバい。 咄嗟に言い訳をしようとすると、フミちゃんは何もなかったようにすいっと通り過ぎて、空いている席に座った。 結局フミちゃんにメールをする時間もなく1限目が始まり、ケータはもどかしい気持ちでチャイムが鳴るのを待った。 「フミちゃんごめん、オレも今朝遅刻寸前で、席取っとけなかったんだ」  1限目の終わり、教室を出ようとするフミちゃんを廊下で慌てて捕まえて、ケータは両手を合わせた。 「ケータくん、あの子のこと好きなんでしょ」 「え?」 「だから花火大会の後帰っちゃったんでしょ?」 フミちゃんの目から涙が一雫こぼれる。 また泣かせた。 何故そうなる。 「いや、ちょっと待って……」 「私あんなに胸大きくないからでしょ? ケータくんなんて大っ嫌い! 最低!」 フミちゃんはそれだけ言うと、鞄を持って教室を出て行ってしまった。 廊下側の生徒たちには聞こえたらしく、何人かがケータをちらちら見る。 「……嘘だろ……」 昔のケータなら、真っ先に妖怪の仕業を疑った。 でも今はもう、女の子の心は妖怪不祥事案件以上に不可解だと知っている。  休憩時間ごとにメールをしたけれど、返事がない。 負けじとお昼休みにメールをすると、すぐに返信が来た。 急いで見ると、それはエラーメールだった。 「あらー、フミちゃんアドレス変えちゃったみたいでうぃすね」 「やること早すぎニャン……」 それならと電話をかけてみると、ケータの耳には『おかけになった番号は現在使われておりません』の無慈悲なアナウンス。 「完全に嫌われちゃったかな……ハハ……」 フミちゃんはそういえばかなりのヤキモチ妬きだったことを思い出す。 がくっとうなだれるケータの右肩と左肩を妖怪たちがさする。 かけてやる言葉がない。 それからフミちゃんが夏期講習に来ることはなかった。 家庭教師をつけるようになったと風の便りに聞いた。 女の子は分からない。 本当に分からない。 恋はまたしても、突然終わりを告げた。 ケータは失恋の傷を癒すように、のめり込むように勉強に没頭した。 続く
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youkaimikantext · 8 years
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③夢の途中
 修学旅行から帰って、ケータは心を入れ替えて勉強に励んだ。 今までも全く勉強しなかった訳ではないけれど、できればいつもの平均点より少し上のボーダーを超えたい。 「ケータくんの邪魔しないように、わたくしは妖怪パッドのお手入れしておきます」 ウィスパーはルンルンと楽しそうに妖怪パッドを磨く。 が、着信音が鳴るとケータは素早すぎる身のこなしでスマホをもぎ取った。 「あーあ、せっかく机に向かってたのに…」 「多分フミちゃんからのメールニャン」 フミちゃんからメールが来た時のケータはかなり分かりやすい。 目尻を下げて幸せそうにニヤニヤして読んだかと思うと、返信を打っている間はキリリとイサマシ系のイケメンになる。 見ていてけっこう楽しい。 「フミちゃん何ですって?」 「来月夏祭りがあるんだけどさ」 ケータは骨抜きの恵比寿顔のままきいっと椅子を軋ませて振り返った。 7月下旬の週末、おおもり神社で夏祭りが行われる。 一緒に行こうとフミちゃんから誘われたとケータは嬉しそうに言う。 「やったニャン」 「いやー、どうかな」 ケータは口元を緩ませたまま後ろ頭を掻く。 修学旅行以来、ケータとフミちゃんの距離は着々と縮まっていた。 メールのやり取りが次第に増え、時々電話で話すこともある。 (ちなみに内容は、ケータが分からない問題をフミちゃんが教えてくれるというものが9割以上) 学校では二人きりで仲良く話すことはないけれど、目が合うと笑いかけてくれたりする。 夏祭りに誘われたということは、これは脈ありと見ていいとケータも思っていた。 「はいはいケータくん、成績が落ちちゃったらフミちゃんと同じ高校行けなくなっちゃいますよ」 そう言ってウィスパーがケータの椅子をガラガラと押して机に強制送還させる。 「そ、そっか」 ケータもはっと我に返って教科書に向き直った。 「やっと夏休みだなー」  終業式の日、3人で帰り道を行きながらクマが言う。 「といっても受験生だし遊べないけどね」 「オレは遊ぶぜ。海にプールに祭りに」 冷静なカンチの言葉をクマが跳ねのけた。 「確かに彼女いたら遊びたいよね」 少し前から、クマはアイたんとつき合い始めた。 彼女と言われて、クマはへへへと照れ笑いする。 「けど女ってちょっとめんどくせーっつーか、よく分かんねーよな」 「いきなり怒ったり泣いたりするもんね」 カンチにも仲良くしている女の子がいるらしく、突然二人で同意し合う。 「そういえば、フミちゃんもそうなのか?」 「フミちゃんはそういうの慣れてそうだけど、ケータたちもケンカとかするの?」 聞き役に徹していたのに突然話を振られて、ケータは「?」となる。 フミちゃんと急接近したことは誰にも言っていない。 「なんでフミちゃん?」 「つき合ってるんでしょ?」 「えっ、何それ?」 「違うのか? すげー噂になってるぜ」 寝耳に水のケータに、クマとカンチがその噂について説明し始める。 修学旅行で二人だけ別行動していたことから噂に火が着いたという。 両方の親公認の仲で、結婚の約束までしているということになっているらしい。 「何それ? そんなこと言われてんの?」 「なんだ違うの?」 「違う違う、つき合ってないし!」 ケータは顔の前で手をブンブンと振る。 「そりゃ、そうなれたらいいけどさ……」 気弱にトーンダウンしていく親友に、男たちはずいと詰め寄った。 「じゃあ、実際はどんな感じなんだよ?」 「黙ってるなんて水くさいよ、全部話したら?」 ここまで来たら隠し通すこともできず、ケータはフミちゃんとの近況を二人に打ち明けた。 「そりゃー間違いないね、フミちゃんはケータのこと好きなんだよ」 「悪いことは言わねーから早く告れ、そんで噂を事実にしろ」  クマとカンチも妖怪たちと似たようなことを言う。 「え、でも……早くない? フミちゃんの気持ちも分からないのに」 「ケータから言ってくれるの待ってるんだよ、もたついてると女の子は冷めちゃうと思うよ」 「特に相手はあのフミちゃんだからな、つき合いたがってる奴なんていくらでもいる」 ケータはハッとした。 確かに。 今こうしている間にも、誰かがフミちゃんに告っているかもしれない。 「いいな、夏祭りの日に決めろよ」 「ケータ頑張って!」 「うん!」  と、威勢よく頷いたのはいいけれど、ケータは帰宅してフミちゃんからのメールを読み返してみる。 今のこの感じも悪くはない。 むしろ下手に告白して振られでもしたら、この楽しい時間はなくなってしまう。 「オレって意気地なしだよなー……」 ベッドにごろりとうつ伏せになって言う。 「そうニャンね」 チョコボーをかじりながらジバニャンが言うと、ケータはますますベッドに沈み込んだ。  夏休みに入ってからフミちゃんに会えなくなってしまった。 淋しい反面、うつつを抜かすこともなくなって勉強ははかどるようになった。 時々メールのやりとりをする、1学期と同じ関係。 そうしているうちに、夏祭り当日がやってきた。 やっとフミちゃんに会える。 ケータは朝から胸を弾ませて、長い1日をなんとか乗り切った。 待ち遠しさのあまり、気を紛らわせるために集中し過ぎて、夏休みの宿題を半分以上終えてしまった。 今会ったらがっついてしまわないだろうか、鼻息荒くなってないだろうかと、ケータは出かける準備をしながら色々気にする。 「これ変かな、チャラいかな」 ケータは最近買ったばかりのシャツを鏡の前で合わせてみて、やっぱやめたとベッドに放り投げる。 結局Tシャツにカーキのハーフパンツという普段着で出かけることにした。 「フミちゃん浴衣着てくるかな、それかちょっと大人っぽい感じの服とか着て来たらどうしよ、どっちにしても超可愛いんだろうなー」 ケータは目をキラキラと輝かせながらまだ見ぬフミちゃんに想いを馳せる。 ウィスパーとジバニャンは花火とたこ焼きとかき氷に想いを馳せて、手を取り合ってくるくる回った。 「ごめんね、待った?」  待ち合わせ場所であるおおもり神社に着くと、すぐにフミちゃんもやってきた。 ケータは振り返ると、フミちゃんの艶姿に釘付けになった。 淡いミントグリーン地に鮮やかな立葵柄の浴衣が似合い過ぎて眩しすぎて。 「フミちゃん、可愛い……」 「そうかな」 それ以上言葉もなく見とれるケータに、フミちゃんは照れてはにかむ。 「ケータくん、何か食べる?」 「オレ焼きとうもろこしにしようかな」 そんな話をしながら神社の境内を歩き始める。 自然にしているつもりでも、ケータの心臓はバクバクだった。 ヤバい、フミちゃんマジで可愛いすぎる。 ケータはもう隠す気もなく、堂々とフミちゃんに見とれた。  一度は引っ込めた欲がじわじわと湧き出てくる。 友達のままでいて、他の誰かにフミちゃんを取られるなんて絶対に嫌だ。 振られてもいいから、気持ちを伝えたい。 「好きって分かってほしいって思うのは悪いことじゃないニャンよ」 いつの間にかケータの焼きとうもろこしをかじりながらジバニャンが言う。 そうだ、フミちゃんに知って欲しい。 射的の出店の前を通りかかった時、フミちゃんの足が止まる。 「あの指輪、この前京都で買ったのに似てる」 フミちゃんが指さす先にあるおもちゃの指輪は、確かにあの時のものによく似ていた。 「ねえフミちゃん、オレと一緒に夏祭りに来ていいの?」 「え? どういうこと?」 突然ケータが真剣な顔で言うので、フミちゃんはケータに向き直る。 「オレとフミちゃん噂になってるの知らない? こんなとこ誰かに見られたらやっぱ本当だったんだって思われちゃうよ」 「……いいよ、思われても」 フミちゃんも真剣な顔で答えるので、ケータの心臓が一気に跳ね上がる。 ケータは出店のおじさんから射的銃を受け取ると、狙いを定めて撃った。 「あっ、すごい」 見事一発で撃ち落とし、景品の指輪がケータに手渡される。 フミちゃんはすごいすごいとケータの腕に捕まってはしゃぐ。 ケータは封を切ると、フミちゃんの手を取って薬指に指輪をはめた。 おもちゃの指輪はフミちゃんの指の上で、提灯の灯りをキラキラと受ける。 「……ありがとう……」 フミちゃんはそれをぼんやりと眺めて言う。 それからケータを見上げて、数秒間見つめ合った。 「……ねえ、今の私たちって、どういう関係なの?」 ケータもフミちゃんを見つめ返して、すうっと息を吸い込んだ。 「……オレはフミちゃんが好き。すごく好き」 そう言った次の瞬間、花火が打ち上がった。 二人は驚いて肩を跳ね上げる。 小さな子たちが喜んでもっと近くへ行こうと走る。 ケータはフミちゃんの手を取って、無言のまま歩き始めた。  夜店の輪の外に出ると人も少なく、遠目に花火を眺めることができる。 石段に腰を下ろして、ケータはフミちゃんにヨカコーラを手渡した。 「ありがとう」 フミちゃんはふたを開けて一口ごくんと飲む。 ケータは大きく息をつきながら、両手を後ろについた。 「あー……緊張した……てか取れてよかった……」 あまりにも正直な物言いに、フミちゃんは思わずくすっと笑う。 「だって、あんなかっこつけといて外したら超恥ずかしいじゃん」 フミちゃんはますます笑う。涙が出るほど笑い崩れた。 「ありがとうケータくん、嬉しい」 フミちゃんは目尻に滲んだ涙を指先で拭いながら言う。 「大事にするね」 目を閉じて指輪を頬に当てた。 やばい。本当に可愛いすぎる。 ケータはフミちゃんの手を取って引き寄せる。 そのまま引き合うように目を閉じてキスをした。 一瞬触れるだけの、短いキス。 唇を離すと、もう一度しっかり口づけ合った。 もっとずっとこうしていたかったけれど、人の気配が増えて���たので、仕方なく体を離す。 周りの人たちと同じように、二人も花火を見た。 手だけは繋ぎながら。 「ねえ、明日私の家で一緒に勉強しない?」 「フミちゃんちで? えー……勉強できるかなあ……」  フミちゃんが目を輝かせて言うと、ケータは気乗りしなさそうに答える。 「小学校の頃時々二人で宿題したじゃない。いいでしょ? 分からないところも教え合えるし」 「オレが教えることはないと思うけど……」 当時も今も、実際ケータが一方的に教わってばかりいる。 「少しでもケータくんと一緒にいたい」 「………」 フミちゃんにそんなことを言われて拒否できる男がいるだろうか。 おとなしく勉強だけする自信は100%ない。 フミちゃんに押し切られる形で了承してしまった。 「きれいだね」 ケータは「うん」と頷きながら、フミちゃんの方がきれいだけど、と内心思う。 そうして肩にもたれ合って、花火を見ていた。 続く
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ponsans33 · 7 years
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次世代WHF'18Winterでスペシャルメダルパックの販売が決定!
次世代WHF’18Winterでスペシャルメダルパックの販売が決定! | 妖怪メダル大百科
次世代WHF’18Winterでスペシャルメダルパックが販売されることがわかりましたので、お伝えします。   次世代WHF’18Winterでスペシャルメダルパック発売! 2018年1月21日(土)より開催される次世代WHF’18Winterで、スペシャルメダルパックが販売されます。 タイトルは「妖怪メダルトレジャー 閻魔猫王降臨祭!!」 1BOX10パック入りで、BOX単位のみの販売となっています。 全11種のラインナップは以下の通りです。 [su_note note_color=”#e4fafe”] <秘宝妖怪メダル> ・閻魔猫王マタタビ <ゴールドランク> ・覚醒日ノ神 ・ジバニャン ・ふぶき姫 ・先代閻魔大王 ・コマさん ・椿姫 ・アンドロイド山田 <シルバーランク> ・メラメライオン ・雷オトン <ブロンズ> ・ひも爺 <シークレット> ・??? [/su_note]  …
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