#「父の娘」たちーー森茉莉とアナイス・ニン
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『「父の娘」たちーー森茉莉とアナイス・ニン』 矢川澄子
1997年の本。論文系なのかと思って借りたが、エッセイ集だった。著者さんは森茉莉の生前に関わりがあった人で、森茉莉の有名な汚部屋とまではいかないかもしれないがとにかく乱雑な部屋にも入ったことがあったそうだ。この人の森茉莉に関する他の本を読んでみたいなと思ったり。
この本が編纂されたのは映画『ヘンリー&ジューン』のおかげでアナイス・ニンの人気が高まったからだろう。アナイスが実父と関係を持ったと言うのは過去にも読んだことがあったと思う。この頃の日記も出版されてるだろうけど、読んでみたい気がしない。私は私に無理強いはしません。
森茉莉の『甘い蜜の部屋』を再読してみることにした。この本は30前後の時に甘い蜜のあまりの濃厚さに窒息しそうになりながら読んだ記憶がある。若くなくなった今読んだら、大人の目線で登場人物たちをみられて、違う感想を持てるかもしれないと思っている。そうそう、森茉莉はこの作品を六十代の途中から10年かけて書き上げたそうだ。著作家としてのデビューは54歳で。矢川は鴎外が、文学者として円熟し出した頃五十代半ばで亡くなり、茉莉がその円熟を引き継いだと言っている。面白い考え。森茉莉やっぱり好きだわ。
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