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Best Albums of 2019 (Prog)
15. Melodramus - 1+1=1
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USの男女ツインボーカルのProg Metal/Rockの3rd。 リッチー・コッツェンの香りがするギターが自分の性癖にぶっ刺さった1枚。 時折顔を見せるモダンな展開とジャジーな雰囲気にグッと来る。 コレといったラジオフレンドリーな曲は見当たらないが、 ずーっと聴いていられる静と動の行ったり来たりが心地良い。 Prog好きには是非聴いてもらいたい1枚。
14. I Built the Sky - The Zenith Rise
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ここ何年か、毎年のように素晴らしいギターインストがリリースされている。 個人的に自分がギタープレイヤー且つDTMerという事も有り、 こういった作品はどうしても評価が高くなりがち。
Djentyな楽曲には耳からこぼれるほどのフックがねじ込まれ、 極上のメロディを表現するためのテクニックも十二分。 前作までは光るものがあったが音質的にイマイチ評価できなかったが、 今作はその点も劇的に改善されている。 Djentyなギターインスト好きはマスト。
13. Dream Theater - Distance Over Time
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このバンドに関しては今更説明する必要は無いですよね。 前作は世間では賛否両論(主に否が多い)だった気がしていますが、 各々がドリムシに何を求めるかで変わってくる感じのものです。 私個人の意見ではドリムシにはProg Metalを求めている訳ではなく、 一つのProg表現者集団だと思って聴いて居るので前作はすごく良い評価になりました。
今作も安定のドリムシ。何を求めていてもすべてが高次元です。 前作でもそうですがドラムがマンジーニに変わってからは、イカレてる! と思う瞬間は減りました。 まあ想定内っちゃ想定内の出来という感じは否めませんが、 ドリームシアターという信じられないほど高いハードルがある。 という事を忘れてみましょう。普通にめっちゃ良いアルバムです。
もうちょっと冒険してみてもいいのでは?と思うので 次作では外部プロデューサー、特にPOPS畑でも活躍しているような 有能な方のチカラを借りてみるのもアリなのでは?と感じました。
12. Lee McKinney - Infinite Mind
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Born of Osirisのギタリストのソロ作品。 現代のギターゴッドと言っても過言じゃないJason Richardsonが Born of Osirisから脱退した時このバンドはもうダメかもしれない・・・ そんなことを思った時期が一瞬でもあったことを正式に謝罪したいです。 Jasonが居なくてもBorn of Osirisは素晴らしいアルバムを作り続けています。
そしてこの作品。 最近のメタルのトレンドであるサックスを上手いこと使ってます。 メロディの質はオシャレ系のソレで Born of Osirisでの神秘的な雰囲気も少し垣間見える。 テクニカルごり押しではなく、純粋に楽曲勝負なところが気に入りました。
11. Darkwater - Human
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自分の中では今年のProg Powerはこの1枚で決まり。 展開に次ぐ展開。これこそProgの醍醐味。
中東的なシンフォアレンジも登場し、もう至れり尽くせり。
完成度が非常に高く、どれとっても捨て曲が無い。 メロディの質もキャッチーで、ギターにもフックがある。 所謂メタルメタルしてるハイトーンボーカルではなく、 ロイ・カーン的な中音域での表現セクシーな表現が非常に好印象。
どっかで聴いたことある声だなーと思っていたら、 Universal Mind Projectでも歌ってました。
10. TheNightTimeProject - Pale Season
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ジャンルは何といったらいいのか・・・プログレッシヴデプレッシヴゴシックロックとかそういう感じなのかな? 元Katatonia、October TideのFredrik "North" Norrmanのバンドです。 メランコリックに次ぐメランコリック。退廃的且つ美しく切なげなメロディの連続。 そこにProg的な展開があるのですが、Prog要素は飽くまで味付け。 如何にメランコリックな楽曲を際立たせるか的な使い方をしている気がします。
ギターメロディ、歌メロ共に最上級に美しいです。 派手さは1mmもないので即効性は薄く、じっくりじっくり噛みしめて聴くタイプです。 Katatonia好きな人はマスト。
9. In Mourning - Garden of Storms
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もう何も言うことはない。 私が求めているProg Deathはこういうの! と自信を持って紹介できる1枚。 静と動を行き来し、イマイチ地味なところが最高に刺さる。 ジャケットも美しくて素晴らしい。 Prog Deathを実質卒業したOpethの後を継ぐのは In VainとIn Mourningだと信じています。
8. Wilderun - Veil of Imagination
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今年各所で話題になっていた1枚。シンフォニックな味付けの多いProg Death。 1曲目から14分というエピック。非常に素晴らしい。
雑に言うとBlackwater Parkの頃のOpethを明るくした感じ。 あちこちでOpethとの対比がされていましたが、まさに陽のOpethとはよく言ったと感じました。 静(アコースティックな音)と動で構成される楽曲や音作り等、Opethと近しい部分が散見されます。
アルバムの流れも完璧で非の打ち所がないのですが、 個人的には、こういうアルバムはじっくり一人、暗い部屋でしっとり聴きたいので、 シンフォニックなアプローチがちょっと派手過ぎる気がしてこの順位になりました。
7. Iamthemorning - The Bell
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Post Prog界隈では非常に有名なロシアのProg Rock / Chamber Popデュオ。 優しく囁き、時に力強くなるMarjana Semkinaのヴォーカルは今作も絶品です。 Glebは昨年ソロアルバムをリリースし非常に良い出来でしたが、 この本拠地Iamthemorningでもやっぱり素晴らしい仕事人っぷりを発揮しています。
今まで全作品購入していますが、 クラシカルな室内楽にProgな感性とロックを取り込むというのは 異質な感じがしそうですが、改めて全然違和感が無いなと感心します。
身も蓋も無いですが、このグループが売れない世界は嫌だなって思います。
6. Baroness - Gold & Grey
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なんでSilverじゃないんだ?と思ったのは私だけではないハズ。 5thは「金と灰」なんですね。
今作はポストノイズオルタナロックみたいな感じです。 もちろん15曲目みたいな今までのBaronessタイプの曲もあります。
2曲目は何故かMogwaiを感じ、6曲目の冒頭はAlcestみたいな音。 ポストロックのような、空間を感じさせる音が今作のテーマになってるような気がします。
巷では音が悪いと言われているようですが、私はすごく好きです。 ストーナー、スラッジの行きつく先はノイズなのか? と思わせるようなかっこいい説得力があります
楽曲は今までより俄然聴きやすくなり、メタルリスナーだけでなく すべてのロックファンにアピール出来そうなモノ。
これはすごく良い変化だと感じました。
5. Borknagar - True North
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このバンドを知らない人のために Prog Viking/Folk/Blackというようなジャンルです。今作で11枚目です。
Borknagarが今後駄作を作ることはあるのだろうか?いやないだろう。 毎回そんなことを思ってしまいます。
再生し始めて2曲目「Up North」を聴いた時、 なんて美しい曲なんだと本当に感動しました。 興味ない人もこの曲だけでも良いので是非聴いてもらいたい・・・
最初から最後までアルバムには緊張感が漂います。 この緊張感は、聴き手の予想を裏切る転調が生み出してると私は思います。 1度転調が登場すると聴き手の脳裏に「次はどうなる?」 という何が起こるか分からないドキドキ感が生まれます。 そのドキドキ感を煽る楽曲配置がまた巧い。
転調から元の展開に戻るときも非常にスムーズで違和感が無く、 この辺が職人技っぽくてすごく好きです。
さすがBorknagar。 今作も多くの人に聴いてほしいと思うアルバムに仕上がっています。
4. Daniel Tompkins - Castles
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現TesseracT、元Skyharborのボーカリストのソロ作。 ほんと素晴らしい。 全11曲。ボーナストラックを含めると13曲。 その7曲目までが本筋なのですが、 8曲目からはリミックスVer.のような曲が収録されています。 8~11曲目までのそのリミックスというか別Ver.というか、 そっちの扱いがめちゃめちゃ巧い。 ただのおまけじゃなくて、キチンと機能している事に驚きました。
ジャンルは一括りには出来ません。曲によっては、 ダブ要素があったり、ロックだったり、お得意のDjentyな雰囲気だったり。
私はこの人の歌声が単純に大好きなんだなと改めて気付いた1枚。 とにかく黙ってSaved (feat. Acle Kahney)を聴いて欲しいです。
3. TOOL - Fear Inoculum
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皆さんご存じProg界隈で最も成功しているモンスターバンドの1つ。 長い事待った甲斐がありましたね。 TOOLの何がスゴイって、
1曲で15分以上ある楽曲が収録されてるピュアなModern Prog。 こんなアルバムがUSチャート1位を取るんだからスゴイ。
そして何といってもCDの収録時間より長いアルバムを作っちゃう所。 CDからDL、その後のサブスクの台頭により、 CD時代の終焉だと言われてます。 売り上げ的な意味でなく、USチャートで1位を取るほどのバンドが、 このCDというフォーマットは限界ですよって言ってるところが最高にかっこいい。 CDの本来の収録時間は74分(79分59秒のもあります)。 それに対してこのアルバムは約86分。 DLやサブスクで配信されている方が本来の意味でのフルアルバムだという事。
収録時間という制限から解放されるという事はProgというジャンルにおいては、 他のジャンルよりもその恩恵が格段に大きいと私は考えています。
今まで収録時間の関係で2枚組になっていたアルバムの流れを止めずに聴くことが出来る。 もしくは収録時間の制限によりアルバムに収録されずにいた曲が、収録される。
収録時間の制限がある中で楽曲の長さという今までの欠点(というか悩ましい箇所) そしてその長さとアルバム1枚の流れや展開が非常に重要なProgというジャンルの構造を 最大限に発揮出来る。これからはそういうアルバムが出てきていいんだよという TOOLからのメッセージ、そしてそれは革命的な出来事だと私は思います。
アルバムの完成度や質に関しては期待してた通りの素晴らしいモノです。 このアルバムを皮切りに今まで制限をされてたProgアーティスト達が、 今後もっと自由に表現出来るようになることを期待しています。
2. Leprous - Pitfalls
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もうIhsahnのバックバンドだなんて考える人は居なさそうですね。 前前作、前作とかなり高い評価を得てProg界隈では既に話題の中心の一つです。
今作は今までとは打って変わってかなり「歌」で勝負しています。 1曲目から飛ばしまくり。本当に説得力が違いますね。 圧倒的な歌唱力の前にただただひれ伏すしか無いという状況。
もはやこれはメタルではないと思いますが、 そんなの関係ねえと言わんばかりの全曲シングルカットレベル揃い。 明らかに飲み込んだ、というよりも現代のクラブミュージック(特にダウンテンポやトリップホップ)、 をProg的にやってみた的な仕上がり。 ストリングスも素晴らしく、こっそりとカントリー的な音使いまで飲み込んでいるのは最高のアレンジ。
現代の雑多なジャンルを貪った結果出来上がった作品という感がすごいので、 なんとなくですが、昔からプログレを愛聴してる人には受け入れられないような気もしてしまう。 それくらい斬新でProgressive。私はこれが今のProgだ!と自信を持って全ての人に紹介したい。
1. Opeth - In Cauda Venenum
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皆さんお待たせしました。私の神様です。 2017年のラウドパークで涙で前が見えないほどに号泣しまくっていた。 そんな私の評価なのでかなり甘くなってしまっているかもしれません。
でも!だとしても!めっちゃ良いアルバム!! Opethが脱デスメタル化してから(Heritage以降)最高のアルバムなんじゃないだろうか? 私はそう思っています。
脱デスメタル化した後のHeritage、Pale Communion、Sorceressでは 徐々にらしさは戻ってきていますが、基本的に70年代のProg Rockへの傾倒が大きく、 ここまでOpethらしいアルバムは無かったと私は考えています。
Opethらしさ全開のコードワーク、緊張感のある静と動の行き来。まさしく従来のOpethのソレ。
Svekets Prins(英:Dignity)での優しく囁くような声から粗野なハーシュクリーンへの移り変わり Minnets Yta(英:Lovelorn Crime)でのギターソロ Banemannen(英:The Garroter)で、たとえがっつりジャズをやっていようとも もうOpeth以外の何物でもない。
何をやっていても、どの曲でもちゃんとOpethである。
個性を確立し、自分たちの原点を模倣し、そしてそれが最高のバランスで表現されている。
いやあ本当に素晴らしいアルバムだ。 一瞬たりとも聴き逃せない、Opethらしさの詰まったアルバムです。
ちなみに、今回のアルバムは英語とスウェーデン語の2タイプが存在しますが、 スウェーデン語タイプの方は聴き慣れない言語のせいか、より呪術的というか不気味に聴こえます。 特に4曲目De Närmast Sörjandeなんかは顕著です。 気になる方は2タイプとも購入して聴き比べてみるのもいいかもしれません。
今年はProg好きにはかなり良い年になったんじゃないでしょうか? 大御所が次々とアルバムをリリースし、まさかあのTOOLまで。 Soen、The Flower Kings、Barock Projectなどなど まだまだ良作がありましたが、とりあえずこんな感じになりました。 来年も良作がたくさんリリースされることを楽しみにしています。
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Best Albums of 2018
2018年の下半期は身内の不幸が重なったり、不運なことが立て続けに起こり心身ともにかなり疲弊していましていつものように新しい音楽を探すことが気持ち的に出来なくなっていました。
おかげでここの更新も滞っていました。
そんな中昔から好きなアルバムだったり、古いブルースだったりを本当に良く聴いていることが多かったなと。
まあ下半期も有名どころや好きなバンド、偶然出会ったものなど聴いてたものもあるので聴いてなかったわけではなかったですけど。
ということで今年いつもの年の半分くらい。購入した全109枚の中から個人的に気に入った上位20作品をランキング。
15位からは少しだけコメントもつけていきます。
ランキングの選出基準
・好きな作品であること
・聴いた回数の多い作品であること
・今後、聴き続けそうな作品であること
では、どうぞ!!!
20. On Thorns I Lay - Aegean Sorrow
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19. Skyharbor - Sunshine Dust
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18. Tribulation - Down Below
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17. Orphaned Land - Unsung Prophets & Dead Messiahs
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16. The Ocean - Phanerozoic I: Palaeozoic
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15. Art of Illusion - Cold War of Solipsism
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クリーン化した昔のOpethみたいな感じ。っていう説明で伝わる人には伝わりそう。
静と動を行ったり来たりしながら、地味だけど琴線に触れるメロディが良い。
2ndでコレなら今後もっとオリジナリティが出てきたらどう変わるのか。
続きの気になる作品。
14. Alkaloid - Liquid Anatomy
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もう少しメロディの質がキャッチーならもっとランキングが上だったと思う作品。
今年の聴いた中ではかなり面白い事をやってるProg / Death Metalだと思いました。
アルバムを通して聴くと私の脳では処理しきれない情報量にかなり疲れちゃいます。
4曲目みたいな優し目の曲がもう少し多ければ・・・
13. August Greene - August Greene
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今年もっとも聴いたラップミュージックでありジャズ作品。
ジャズ界のスターの演奏(特にRigginsのドラム)が抜群に光っています。
Amazon Music限定での配信(後にUS AmazonでCD化!)でした。 
今年もっとも売れてほしい!と思った作品 。
12. Haken - Vector
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前作「Affinity」は2016年の年間ベスト2位だったのですが、今作はこの位置。
相変わらず曲作りは抜群に面白いし、新しい事に挑戦してるのも非常に好印象。
前作の6曲目Earthrise的な立ち位置の曲つまり、まるでColdplayのようなラジオフレンドリーな誰にでもオススメ出来そうなキャッチーな曲が無かったのがこの位置の理由になるのかな。
今後もDream Theaterとは別の方法論でProg Metalというものを探求してくれると思うと、ワクワクしますね。
11. 宇多田ヒカル - 初恋
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「First Love」という歴史的な大ヒットアルバムから約20年。今「初恋」というタイトルのアルバムをリリースするのはいったいどんな気持ちなのだろう?
どうして6/8拍子にしようと思ったのか? どうしてパクチーなのか?疑問はたくさんあります。
アルバムを追うごとに少しずつ「リズム音楽」から「歌」へのシフトを強めてきた気がしますが、復帰してからは特に「歌」を聴かせることへの拘りを異常なほどに感じます。
あまりこの言葉を使うのは好きではないんですがやっぱり天才。改めて自分は宇多田ヒカルというアーティストが大好きなんだと感じました。
10. Subsignal - La Muerta
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大御所だからといって新しいモノを取り入れることを一切恐れないその姿勢とModern ProgやPost Progに対する嗅覚の鋭さに脱帽。
今年スタジオライブ盤をリリースしたiamthemorningの歌姫を起用してる点でもそのことは明らか。
メロハー的な歌メロが個人的に大好物で、非常にキャッチーなProg Rockなのが抜群に好み。
もっと上位でも良かったかもしれない・・・ 
9. Thy Catafalque - Geometria
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メタルというジャンルの中でメタル以外のジャンルを使って如何に面白いことが出来るか。そんな野心的かつ挑戦的な内容。
ヴァイオリンの使い方が非常に巧妙で素晴らしい。
これを全て一人でやってるんだからほんと恐ろしいですよね。
変則的で変態的なのに何故か聴き疲れしない。そんな不思議な力をもった作品。
8. Riverside - Wasteland
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今年最も切なさや悲しみのような感情を抱いた作品。
やはり近しい人間を失うとこうなるんだよなと、自分の心情的にもかなり近いものがあったので共感度で言えば今年随一。
そして久しぶりにメタリックなと言えば語弊があるかもしれないけど、ハードな音を使っていて結構驚きました。
6曲目The Struggle For Survivalで聴くことの出来る9分近いインストパートにプログレバンドの矜持の様なものを勝手に感じ取りすごくカッコイイと思っています。
7. Florence + The Machine - High As Hope
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今年聴いた中で最も「無駄な音の無かった」アルバム。
アレンジの巧みさが光った大胆な作りと歌いこなすフローレンス。漂う「ホンモノ感」
前作までの作風とは若干違うものの、非常に良質なポップミュージックであることに変わりはありません。
INNA、 Rita Ora、Christina Aguilera、Bebe Rexha、Camila Cabelloなどの私好みのポップアルバムがリリースされた2018年それらを抑え堂々の第7位!!!
6. In Vain - Currents
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今年の頭にこのアルバムを聴いた時は「きっとこれが年間ベスト1位だろう」そんなことを思っていました。それほどまでに緻密で完成度の高い作品です。
Opethが路線を変えた今、まさにプログレデス界隈の新たなる頂点の一角を担う存在になりつつありますね。
静と動を行き来ながら多くの楽器が登場し、豊富な展開で聴き手の予想を裏切る。 たくさんの仕掛けが用意されていてそれを探しながら聴くのはすごく楽しい時間でした。
何故この位置になってしまったのか私にも分かりませんが、まあ10位より上の作品はどれもこれも甲乙つけがたいってのが本音なのです。
5. Karma Rassa - Vesna​.​.​. Snova Vesna
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ロシアの Atmospheric / Prog Metal。全5曲ながら40分越えの大作。
サプライズ指名枠。自分でもよくこんなドマイナーバンドに出会えたなと感心しております。
アルバムを通して漂う物悲しいメロディと湿っぽさがKatatoniaやSwallow The Sunが好きな人にオススメしたい作品。 展開も豊富で鍵盤やサックスの味付けも非常に好み。
このバンドは上位の方で紹介して、多くの人に知ってもらわないとないと!!!みたいな使命感に駆られたのでこの位置!!第5位!!!
4. Obscura - Diluvium
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最近はより一層Prog化が進んできているように感じるテクデスマイスター。
曲芸じみたテクニックとそのテクを余すことなく聴かせるための曲作りには相変わらずの脱帽。
6曲目の冒頭のアコギフレーズみたいな静パートが曲中にちりばめられてるみたいな展開が個人的な好みなのですが、今後の作品で多く登場してくるような気がしませんか??
これだけテクニックに振り切ってるのにこんなに聴きやすいってのはやっぱメロディの質がキャッチーだからなのだろうか??
3. Slugdge - Esoteric Malacology
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今年最も驚いた出会い。もはやこれは運命なのか。Youtubeのオススメの所に出てきた再生回数300回ちょっとだったこのアルバムの収録曲を聴いて衝撃を受けました。
やっぱり、全然知らないバンドだけどめちゃくちゃ質が高いとか、自分の好みだ!っていうバンドを見つけた時が一番興奮しますよね。その興奮の出会いの今年最高峰こんなに興奮したの久しぶり。
中身はテクニカルでプログレッシブ(展開の豊富な)ブラッケンドデスメタル。
エクストリームメタル好きにはぜひ勧めたい正に「今年の1枚」なアルバム。
2. Rivers of Nihil - Where Owls Know My Name
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今年はテクニカルなエクストリーム系バンドがプログレ化したアルバムをリリースした印象の強い年だったと思います。そしてその最高峰がこのバンド。
前作までは聴きやすいメロディのある高品質なテクデス。でしたが今作は完全にプログレ化。
サックスやトランペット等を導入し、Fallujahのような空間を感じさせる音使いを導入し、Opethのように静と動を行き来し、そしてそれをテクニカルデスメタルであることをやめずに高次元で纏め上げる曲作りのセンス。信じられない。
進化するにしても順序ってもんがあるでしょ!ヒトカゲから急にリザードンになられてもほんとビックリするからね!?そう言いたくなるような衝撃的な変化を見せつけたアルバムでした。
1. Ihsahn - Ámr
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闇魔界の覇王ことIhsahn。これは魔王にこそふさわしい椅子なのか?なんて疑問はさておき。
今作はメタルしか聴いてないリスナーには伝わりにくいかもしれませんが、R&BやHIPHOPなど最近のチャートムーヴを追っている人には物凄く面白いアルバムだ思います。現に私もその魔力に憑りつかれています。
まさかトリップホップやダウンテンポを取り入れるなんて誰が予想してました?世界中の誰もが想像してなかったようなことを悠々とやってのけるIhsahn大先生。
新しい事に挑戦し続けるその姿勢こそが本当の意味でのプログレッシヴだと感じました。堂々の第1位!!!
最後に。ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。今年一年ありがとうございました。Tumblr自体が規制が厳しくなったようなので、何か別の方法での投稿を模索しておりますが、時間を見つけて更新していこうと思っています。これからもよろしくお願いします。
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2018年上半期のまとめ
このブログを開設して、半年が経過しました。
最初は記事の熱量は高めで、長めの文章で面白く!
みたいなことを考えていたんですが、好きなモノをただただ長ったらしい文章で羅列していくみたいな感じになってしまっています(笑)
このスタイルだと1個の記事の熱量は高いですが、一つの記事にを書き上げるのに6~8時間くらいかかってしまっているので、今後変えていくかもしれません。
2018年1月1日から6月30日までの間に、84枚のアルバム、EPをフィジカルもしくはDLで購入しました。シングルも数で言うと2枚購入しました。
今まで記事で書いてきた作品はどれもこれも気に入っています。
それとは別で、記事にすることが出来なかったけど気に入ってる作品や、
単曲でこれだけめちゃくちゃ好きなんだよな!っていうものをここでは紹介していこうと思います。
まずは記事に出来なかったアルバムを
ロシアのピ���ニストGleb KolyadinのGleb Kolyadin
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Post Progの最前線に居るIamthemorningの鍵盤奏者が放ったソロアルバムです。
このアルバムは本当に本当にすごくて、今の記事の書き方だと(特に単曲解説的な部分で)文章にすることが出来ませんでした。
記事の書き方変えようかと悩むキッカケになったアルバムです。
そのうちレビューを書きたいと思っていますがいつになるかは未定です・・・
スウェーデンのHard Rockバンド
W.E.Tの3rdアルバムEARTHRAGE
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1stの透明感と2ndのメタリックな感じがちょうど良いぐらいに合わさったバランスの良い作品だなと思いました。ものすごい名曲があるわけじゃないけど何度も聴いちゃうスルメ盤かなと。
USのアンビエント/アトモスフェリック
Fading LanguageのVessels Of Time 
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ただただナチュラルに優しく流れて行く時間を堪能するのに本当に最適のアルバムでした。特に鍵盤のメロディの美しさや優しさたるや。
でもアンビエント系ってほんとうにどうやって記事にしたら良いの?ただ焚き火の音が流れてることに解説なんていらなくない?という結論に至りました。
言わずと知れたUSのスーパーポップスター
Justin Timberlakeの5thアルバム(前2部作を1枚とするなら4枚目)Man of the Woods
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ティンバランドとネプチューンズの起用という大胆な作品。10年くらい前のヒップホップやR&Bを聴いてた人たちはこの2つの名前を聞いただけで買ってしまいそうなくらいに豪華。今作はカントリー調の楽曲が多く今までと作風自体は違いますが、相変わらずノレるビートのオンパレードです。
ジャスティンに関しては単純に歌声がめちゃくちゃ好きってだけなので、レビューはいいかなと。
では次に
単曲だけでものすごい気に入った曲を記載していきます。
As I Lay Dying -  My Own Grave
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言わずと知れたメタルコアの皇帝アズアイの復帰作。俺達のアズアイが帰ってきた!!!
倫理的にティムの事を受け入れられない層はたくさん居ると思いますが、私個人の考え方は良いモノは良いというスタイル。
何年も復活を待っていました。本当に。
キルスウィッチやアズアイの音楽と共に青春時代を送った身としてはこれほど喜ばしい復帰は今まで経験したことが無いかもしれません。
曲自体も前作Awakenedの延長線上のスタイルで文句のつけようがない。
普段は歌詞とか全然気にしないんですが、この曲はしっかり歌詞を読み込みました。ティムの想いやメンバーの覚悟、バンドとしての意思が伝わってくる本当に良い歌詞だなと思いました。
今は認めてくれない人たちも、しっかり活動してマトモに頑張ってるっていうのが伝わればきっと認めてくれるようになると信じて地道に頑張って欲しいですね。
6月前半に公開された楽曲ですが既に再生回数104回!!
気に入った曲ランキング第1位!!!!
欅坂46 - もう森へ帰ろうか?
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とある人物の影響で昨年からドハマリしている欅坂46の6thシングルのカップリング曲。デビューシングル「サイレントマジョリティー」から楽曲に異常なほどの仕掛けが用意されていて、これはポップスという名のプログレだと感じています。
今回はカップリング曲の方が個人的に好みでした。
不満がある人や病んでる人にこそ伝わりそうな反抗的な姿勢とカッコ良さ、ダークさが良いです  
王道アイドルだった姿から徐々に闇に堕ちていくような欅坂サーガはまるでダースベイダーになっていくアナキン・スカイウォーカーを見ているようで今後も目が離せません。
気に入った曲ランキング2位!!!
再生回数も2番目に多かった曲です。 
Slaves -  I'd Rather See Your Star Explode
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ポストハードコアバンドSlavesの3rdアルバムの収録。
破天荒を絵に描いたような界隈のスーパーボーカリストJohnny Craigの歌声はいつ聴いても上手すぎてもう好きすぎますね。
気に入った曲ランキング3位!!
Insolvency – Antagonism Of The Soul
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フランスのメタルコア/メロディックデスメタルバンドの1stアルバム収録。
いやーこんなかっこいいバンドまだ出てくるんだなと驚きでした。
所謂、昔ながらのメロデス感溢れるメタルコア。
この作品はその内レビューを書こうと思っているのでお楽しみに!!
気に入った曲ランキング堂々の第4位!
けやき坂46 - 期待していない自分
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欅坂サーガを語る上で欠かすことのできない、ひらがな表記の方のけやき坂46がランクイン!!
漢字欅のアンダーグループのように始まった彼女達が武道館3daysなどを経験し、ついに単独デビューを果たしました。
1stアルバム「走り出す瞬間」のリードトラック。
普通にめっちゃ良い曲です。風呂でよく歌ってます。
漢字欅がアナキン・スカイウォーカーだとするならば
ひらがなけやきはルーク・スカイウォーカーです。
気に入った曲ランキング5位。
ここからはアーティストと曲名のみの表記です。 
  6位 Thirty Seconds To Mars - Rescue Me
  7位 Breaking Benjamin - Psycho
  8位 宇多田ヒカル - 誓い
  9位 ヤなことそっとミュート - クローサー
10位 Pop Evil - Ex Machina
私のiTunes上ではこんな感じになってました。
上半期でレビューしたアルバムをランキング化しようとするとちょっと数が足りなさ過ぎてこんな感じになってしまいましたが、逆にこういうのもアリなんじゃないかなと書きながら思っています。
長々と駄文を書いていくスタイルは今後変わっていくかもしれませんが、今後も良いと思ったものを自分のペースで発信していこうと思っています。これからもよろしくお願いします。
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Parkway Drive - Reverence
オーストラリアのメタルコア/ヘヴィーメタルバンド。 Parkway Driveの6thアルバム「Reverence」
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年月を追うごとに少しずつ、時には大胆に音楽性を変えてきているParkway Drive。 今回は過去作に少しずつですが触れていき、 その音楽性の変遷を改めて書いてみるので、前置きなげーよと思う方は下の方まで飛ばしちゃってください。
USでKillswitch Engageが登場して以降、メタルコアというサブジャンルが大きく盛り上がることになります。 KsEに続いて台頭してきたメタルコアバンド群 (Shadows Fall、As I Lay Dying、Unearth、All That Remains、August Burns Red等)
上であげたバンド達は全てUSのバンドですが、それと同じくらいの時期(2000~2005年頃)にAUSでも Parkway DriveとI Killed The Prom Queenという素晴らしいバンドが誕生しました。
Parkway Driveは
2003年に結成し、I Killed The Prom Queenとのスプリット盤をリリースしています。 2004年にはEPをリリースしています。 この頃のサウンドはお世辞だにも良い!とは言えない音質も演奏も粗削りなものですが、 曲自体はキラリと光るモノをもっていました。 強いハードコア色に北欧メロデス由来の単音リフを備えた所謂メタルコアの原型とも言える音楽性です。
2005年。1stアルバム「Killing With A Smile」をリリース。 KsEのアダムをプロデューサーに迎えて制作されたこのアルバムは EPの頃からとは比べ物にならないほどサウンドプロダクションが向上し、 楽曲もそれに見合った順当な進化を遂げています。
またこのアルバムにはメタルコア史に燦然と輝く名曲「Romance Is Dead」が収録されています。 この曲はMVが無いのですがYoutube上では600万回以上再生されています。
個人的にはアルバムのラストを飾る「A Cold Day In Hell」がお気に入りです。
2007年。2ndアルバム「Horizons」をリリース。 前作同様KsEのアダムをプロデューサーに迎えて制作されています。 前作の成功もあり、今作はAUSのチャートでは6位、USのヒートシーカーズチャートでも27位を記録しています。 未だにこのアルバムがParkway Driveの最高傑作だと言う人も多いだろうメタルコア史に名を刻んだ超名盤です。
音楽性自体は前作から特段の変化は見られませんが、 前作よりも演奏力が格段に上がったことで新たに生まれた、今までよりもカチっとした演奏が、 メタルコア特有の全パートユニゾンでの刻みや3連符を驚くほど上手く機能させています。 メロディアス且つキャッチーな歌えるギターリフの応酬と思わずピットを駆け回りたくなる疾走パート それと相反するように頭を振らせる鈍重なブレイクダウンパートを兼ね備えた まさにメタルコアのかっこ良さ全部詰め込みました。みたいなサウンド
全曲大好きですが個人的には 「Idols And Anchors」と「Five Months」がお気に入りで、 「Boneyards」のブレイクダウン明けのパートが異常なほどに好きです。
2010年。3rdアルバム「Deep Blue」をリリース。 このアルバムは数々の大物バンドと作品を作ってきたJoe Barresiによるプロデュース。 今作は前作でのチャートムーヴの影響もあり、AUSチャートでは2位 USインディーチャートで4位、USロックアルバムチャートでは2位と好成績を収め、 その他全世界的にチャートインが見られています。
前作ではドロップB#だったチューニングがドロップAにまで落とされることでヘヴィーさが増し、 またメロディの質自体も少し暗めになっていてダークさが増しています。
このアルバムには、ド派手なサーフMVで有名な「Karma」が収録されています。 また2003年にリリースされたParkway Drive、Think Straight、Shoot to Killによるコンピ盤 「What We've Built」に収録されていた「Hollow Man」という楽曲が 「Hollow」としてリメイクされて収録されています。
個人的には「Home Is For The Heartless」がお気に入りです。
2012年。4thアルバム「Atlas」をリリース。 今回のプロデューサーはSlayerやDeftonesとの仕事で知られるMatt Hyde。 今作もAUSを筆頭に世界的にチャートインが見られます。
前作「Deep Blue」と同様にダークさとヘヴィさを兼ね備えた楽曲が多いのが特徴ですが、 この頃から徐々にですが、ミドルテンポ且つシンガロングを多用したメタルコアと純粋なメロディックメタルやスタジアムロック的なものを かけ合わせたような音楽性の曲がアルバムの中にちらほら見え出してきます。 今、振り返って聴いてみるとそのアイコニックなサウンドは メタルコアを一歩先へと進化させる序章だったのかと感慨深いものがあります。
このアルバムに収録されている 「Wild Eyes」はYoutube上で1000万回以上 「Dark Days」は1400万回以上再生されています。
お気に入りは前述の「Wild Eyes」と「Swing」です。
2015年。5thアルバム「IRE」をリリース。 今作では遂にAUSチャートで1位を獲得し、USビルボードTOP200で29位 ビルボードTOPハードロックアルバムチャートで1位 ビルボードTOPロックアルバムチャートで4位など素晴らしい数字を収め また、ヨーロッパ各国で非常に良いチャートムーヴを見せています。
前作から予兆はありましたが 今作でガラっと音楽性を変えてきています。 ミドルテンポ主体のグルーヴィーな曲にアイコニックなギターメロディが大胆に導入され ライブで絶大な威力を発揮するシンガロングを良いところでバチっと入れてくる。 グルーヴィーなメタルコアmeetsクラシックなメロディックメタルをやってみたら突然変異で スタジアムクラスの大きな会場が似合いそうな何とも聴いたことが無いサウンドが生まれた。 そんな感じの仕上がりです。
個人的にはこの路線変更は非常にうれしく思っています。 こういう作品は、今まで聴いたことが無かった人たちにヘヴィメタルのかっこ良さだったり、 奥深さや器の大きさを知ってもらえるチャンスになる作品だと感じました。 ヘヴィメタル自体の裾野を広げる事が出来るような、こういった作品に出会えることは本当に稀です。 しかもそれが自分の大好きなメタルコアというジャンルから出てきたということは非常に喜ばしい事です。
また、メタルコアの新たな可能性を感じさせてくれるアルバムであることに間違い無いという事と同時に、 きっとこれからも面白い作品を生み出すバンドがたくさん現れるだろうという メタルコアの未来を感じさせる作品でした。
今作のデラックスエディションには 同郷オーストラリアの人気ポップパンク/オルタナバンドのTonight AliveのボーカルJennaを客演に迎えた A Deathless Songのアナザーバージョンが収録されています。
個人的なお気に入りは スカイダイビングMVが印象的な「Vice Grip」 この曲はYoutube上で1100万回以上再生されています。
さて、長かったここまでは前作までの話。
今作のメンバーは今までと変わらず
Winston McCall – Vocals Jeff Ling – Lead Guitar Luke Kilpatrick – Rhythm Guitar Jia O'Connor – Bass Ben Gordon – Drums
今作は前作の延長上の仕上がりになっています。 ・グルーヴィーなミドルテンポ主体 ・アイコニックなギターメロディ ・ライブで絶大な威力を発揮しそうなシンガロング ここまでは前作の流れのままに
今作で新たに加えられた特徴は ボーカルとコーラスが同時に歌うキャッチーなChorusパートの導入です。 ボーカルのWinstonがスクリームそれに他のメンバーが合わせて歌うという 音源だけを一聴すると非常に単純な手法ですが、 これをライブに置き換えて考えると、ここで大合唱が起こるだろうなということは簡単に予想が出来て いかにParkway Driveがライブを重視した楽曲制作を行っているかということが見えてきます。
そして何といっても、クリーンボーカルの導入という事には触れざるを得ません。 これまで頑なにスクリームのみのボーカルを貫き通してきた(クリーンによるスポークンワードは除外) Parkway Driveですが初めてクリーンによる歌を導入しました。 これには何らかの心境の変化だったりがあるのかもしれません。 バンドが新たなステージへ突入したという証拠でもあるような気がしてなりません。
1.Wishing Wells 2.Prey 3.Absolute Power 4.Cemetery Bloom 5.The Void 6.I Hope You Rot 7.Shadow Boxing 8.In Blood 9.Chronos 10.The Colour of Leaving
1.Wishing Wells 風の音やカラスの鳴き声の中アコースティックギターとスポークンワードによる静かな幕開け。 「Until I'm done!」というスクリームと共にメタルらしいヘヴィなサウンドへと変化します。 非常に印象に残りそうなギターメロディのパートから 3連符による刻みとワウペダルのパートへすぐさま移行します。 その後スクリームと刻みのパート ここではドラムの金物の鳴り(おそらくですがクラッシュシンバルの中央)が印象的です。
2.Prey 今作のキラーチューンその1. アイコニックなギターフレーズとChorusでのボーカルとコーラスで否が応でも盛り上がる。 正直な話Chorusパート以外は早くChorus来てくれ!と思ってしまうような曲ですが、 この作りは非常にポップス的で面白い試みだなと感じました。
この否が応でも盛り上がる感じは往年のハードロックバンドの曲にありそうな雰囲気を持っています。 それにしてもこのバンドのギタリストの作るメロディは本当に優秀だと改めて感じさせられるアイコニックな一曲。
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3.Absolute Power ヘヴィなスタートを切り、静かなアルペジオフレーズになったりしながら まるでグルーヴ感の押し売りみたいに進んでいく一曲。 常に頭を振らせる展開の中にワウペダルを用いたギターソロの導入だったりが存在します。
4.Cemetery Bloom なんとなくチベットあたりの仏教音楽を連想してしまうようなコーラスが印象的な一曲。 弦楽器によるアレンジと静かなスポークンワードとコーラスによって構成されていますが、 後半からバンドサウンドも徐々に導入されていきます。
いわゆるSkit的な機能を持った不思議な曲。 これはこれでライブの曲の展開を変えるのに持ってこいな感じもするけど なんて説明していいのか本当に難しいので是非聴いてみて下さい。
5.The Void ヘヴィ且つキャッチーなギターリフが印象的な今作のキラーチューンその2. Chorusではこれ絶対大合唱起こるでしょというなんともライブ映えしそうな一曲。 Verseでもグルーヴィーなノリが非常に楽しくこれは是非ともライブで体験したいです。 またギターソロのメロディも非常に煽情的で良いです。
まさにキラーチューン。
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6.I Hope You Rot 単純なスネアとハイハットの組み立てが頭振らせるために作ったでしょこの曲と言いたくなる一曲。 アイコニックなギターフレーズも登場するし途中にあるブレイクダウンパート的な展開も非常に好みです。 この曲も非常にライブ映えしそうで本当に楽しくなります。
7.Shadow Boxing アルペジオとピアノによる始まりから唐突に導入されるクリーンボーカル。 その後ラップ的なまくし立てるボーカルからスクリームへと変化していきます。 楽曲自体の構成は非常に単純ですが、ストリングスによるアレンジが非常に印象的です。
今までのParkway Driveには無かったタイプの楽曲なので非常に驚きました。 クリーンの導入とラップ的なモノまで同時に入れて来る驚きの2乗。 聴きなれない感はありますが、これはこれで全然カッコイイです。
8.In Blood で!で!で!で!と書かざるを得ない曲のスタート。 メロディアスなリードギターが非常に印象的で、跳ねるようなドラムも非常にグルーヴィー。
この曲も作り自体は単純ですが、ライブではこういう単純な曲の方が盛り上がるんだろうなという 印象を強める結果になりました。
現時点ではですがこの曲が個人的にアルバムのハイライトです。
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9.Chronos 畳み掛けるようにライブ映えする曲が続きますが、この曲も同じタイプ。 メロディアス且つアイコニックなギターフレーズと 頭が振りやすいよう計算されたかのようなミドルテンポ。 曲が終わりに近いと思わせる静パートの導入から ヘヴィなパートへ戻っていく展開も素晴らしいです。 楽曲中盤と後半にそれぞれ配置された今作屈指のメロディアスなギターソロも見事。 6分越え楽曲ですがまったく長さは感じません。
10.The Colour of Leaving 今作を締めくくるのは風の音や足音の中、クリーンギターとクリーンボーカルによる静かな展開で始まります。 途中からストリングスによるアレンジも導入されますがこのまま静かに終わりに向かっていきます。
1曲目の風の音と繋がっているんだろうなと連想させるアルバムの締め感満載の曲です。
何度か聴いてみて
Bring Me The Horizonはメタルから脱却する変化をすることでより多くの人気を獲得し素晴らしいロックアルバムを生み出しましたが、
Parkway Driveはメタルから脱却せずにより聴きやすく分かりやすい音楽性に変化することで人気を獲得しようという試みを行っているんだと感じました。
「キラーチューンでは大合唱を」
「とにかく頭を振らせること」 というものを最優先で考えたような正にライブのために作られたアルバムだなと感じました。 単純明快で非常に分かりやすいヘヴィなメタルアルバムです。
また捨て曲らしいモノは一切見当たらず、ほとんど全曲ノレるっていうのは非常に好印象。
前作でも思いましたが、もはやこれはメタルコアではない何かだなと感じましたが、 これが今後なんというジャンルで呼ばれる事になるのかは分かりせんが間違いなく個性的ではありますね。
こんなに分かりやすい作品に触れたこと自体も結構久しぶりな気がします。 「力こそパワーだ!」という言葉がピッタリの単純にめちゃくちゃ楽しいアルバムです。
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Ihsahn - Ámr
ノルウェーのエクストリームプログレッシヴ/アヴァンギャルドメタル
Ihsahnの7thアルバム「Ámr」
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上でジャンルをエクストリームプログレッシヴ/アヴァンギャルドメタルと記載していますが もはやそんなものは不要なほどのオリジナリティがあり私の中ではIhsahnというジャンルです(笑)
積み重ねてきたキャリアに裏打ちされた完成度であることは前作までを聴いているだけで分かり切った事実で、個人的には、作品をリリースする度に停滞すること無く進化(変化)している稀有な存在だなと感じています。
アルバムを出す度に最高傑作(私の中では)を更新し続けている、
闇魔界の覇王(私の中で勝手になっています)ことIhsahn大先生の最高傑作はもちろん前作の「Arktis.」でした。
そして今回もそんなハードルを易々と越えてくるんです。 もう逆にちょっと恐ろしい気すらしてきます(笑)
今作では 成功請負人Jens Bogrenがマスタリングを担当。 ドラムは元LeprousのTobias Ørnes Andersen。 2曲目では私の主神であるOpethのギタリストFredrik Åkessonがギタ-ソロを。
ここでOpethのギタリストを客演で迎えるのは個人的に非常に嬉しい驚き。
さらっと聴いた感想
・短い曲ばっかりだな?最も長い曲でも6分を切っているのが意外でした。
・鍵盤の音や使い方が曲によってだいぶ違う事
1曲目での鍵盤は曲の主役(曲の大半の部分で同じリフを繰り返しています)を担っていて、使い方としては個人的にですが、
2000年代、US南部のヒップホップシーンの中心的な存在であり、その後爆発的に世界で人気を得た「クランク」というジャンルに似てるなと感じました。
2曲目ではChorus付近でギターリフの補完をするように使われています。
3曲目では音自体は1曲目ほど派手ではなく、冒頭部こそ鍵盤が目立ちますが、 以降は他の楽器(特に弦楽器)が目立ちます。
7曲目ではギターリフとユニゾンで登場したり、展開ごとに音を変えて所謂ピアノらしい音になったりしています。
他にも鍵盤は登場しますが、分かりやすく違うなと感じる所を挙げてみました。
・他のジャンルからの影響が見え隠れする事 主にダウンテンポやトリップホップ等の内省的且つ遅めのビートが主体のトラックを用いたジャンルからの影響はかなり強いと感じました。 特に5曲目では顕著で、普通のドラムの他に打ち込みのビートまで用意していて非常に分かりやすく表れています。
ヒップホップから影響を受けたダウンテンポやトリップホップというジャンルが 逆にヒップホップというジャンルを拡張し、一歩先へ進めたと個人的に考えていますが、いよいよメタルにまで影響を及ぼし始めたのかもしれません。
私がメタルを大好きで居る一番の理由は 「他のジャンルから良いものを取り込み、次々と新しいものが生まれる器の大きさ」です。
それを実行し、新しいものを聴かせてくれるIhsahn大先生には足を向けて寝られません。
1. Lend Me the Eyes of Millenia 2. Arcana Imperii 3. Sámr 4. One Less Enemy 5. Where You Are Lost and I Belong 6. In Rites of Passage 7. Marble Soul 8. Twin Black Angels 9. Wake
1. Lend Me the Eyes of Millenia 再生開始後の1音目から「はい。好き」と言いたくなるようなアルバムオープナー。
上でも触れましたがクランク的な使い方の鍵盤が非常に印象的な曲。 また弦楽器や金管楽器(これは打ち込みかな?)によるアレンジもかなり強いです。
Ihsahn印の闇の深いスクリームが意外にもマッチするド派手な曲。
2. Arcana Imperii 思わず頭を振りたくなるような小気味良いギターリフとドラミングから幕を開ける一曲 細かく刻まれるギターの展開、Chorus付近でギターの補完をするよう使われる鍵盤、 スクリームによるVerse、Chorus部分では気だるく聴こえるクリーンの導入。 我らがOpethのFredrik Åkessonによるギターソロはトーン自体はマイルドですが 知的なメロディと鋭利なテクニックを兼ね備ています。 ドゥーム的というか、かなりダークな展開によって曲は終わります。
非常に緻密なドラムが聴けてこの辺りはやはりLeprousを思い起こすなと感じます。 そりゃあTobias Ørnes Andersenが叩いてるんだからそうだよなと妙に納得してしまいますね。
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3. Sámr 鍵盤が目立つイントロを過ぎた後に
静かに歌うクリーンボーカルと打楽器のように使われるベース、シンプル過ぎるドラム、物悲しい鍵盤による無駄なものを削ぎ落した展開。ここの部分でトリップホップ感を味わう事が出来ます。
Chorusではボーカル自体、高低差の少ないものですが、なんとなく口ずさみたくなる耳馴染みの良いメロディです。
またChorus部分では、弦楽器によるアレンジが非常に優秀で高低差の少ないボーカルを補うように配置されています。 そしてこの弦楽器の合間を縫うように強くなるギターの聴こえ方が本当に職人技です。裏方さん達の凄まじさをハッキリと感じ取れる分かりやすい箇所なので是非耳を傾けて頂きたいです。
泣きまくっているギターソロが登場した後に、リバーヴとディレイを効かせたギターだけがほんのりと残る静寂。 Chorus部分をアレンジした曲の終わり方も非常に好みです。
4. One Less Enemy そこはかとなく近寄る闇を感じさせるオクターブ主体のイントロ 平坦なリズム隊とスクリームが絶妙に絡み合い、 そこにギターや鍵盤が味付けするというお手本のような展開 闇感はあるんだけど、どこかコミカルに感じるChorusやギターソロが登場する曲。
個人的にですが、この曲は威力の高い3曲目と5曲目を繋ぐために配置されているんだろうなと感じました。 この曲があることによって、5曲目の引き立ち方がハンパじゃないです。
5. Where You Are Lost and I Belong 仄暗いけど美しいメロディをギターと鍵盤を主体に構築。 打ち込みのビート、無駄な音を一切出さない削り切ったドラムが非常に内省的に感じます。そして重ねたクリーンボーカルの歌メロが心を打ちます。 途中から徐々にボーカルがエモーショナルになり、前に出てくるような演出と その後の美しいメロディの構成も完璧。
メロディックドゥームから多くの音を削いでいった結果 闇のダウンテンポ若しくはトリップホップが出来ちゃいましたみたいな曲。 これは何だ?ダウンテンポプログメタル?プリグレッシヴメタリックホップ?そんな感じです。
闇。とても深く美しい闇。 この曲にはそんな言葉が似合う気がします。
打ち込み感のある遅いビートなのに、それが人の鼓動のようにも聴こえるから非常に面白い。 私はこの鼓動のような遅いビートをダウンテンポのように感じました。 そしてそのビートと生々しいドラムが共存し、 音数の少ない打楽器の隙間を埋めるよう美しい闇を聴かせてくれるギターや鍵盤。 徐々に感情的になっていくボーカルが本当に素晴らしい。
この曲からメタルの新しいジャンルが生まれてもおかしくないような画期的な曲だと感じました。 間違いなくメタルの範疇なのに何故こんなに違うジャンルのように感じるんでしょうか? 展開も少なく遅い曲なのに、このアルバムで一番衝撃を受けた楽曲です。 個人的には今作のハイライトはこの曲です。
6. In Rites of Passage ギターリフはスライドを中心に構成されたキャッチーなタイプ。 Ihsahn印のスクリームと、どこかSF感やサイバー感を感じさせる鍵盤や目まぐるしいドラミングが中心の展開。 ここまでの展開が曲中で何度か繰り返されます。 ギター主体のブリッヂ。 曲中に1度しか出てこないクリーンボーカル主体のChorus。 前述のスクリームのパートが出てきて曲が終了。
この曲では特にドラムがすごいことになっています。 キャッチーなギターリフと暴力的な手数のドラミングの威力が凄まじいです。
7. Marble Soul コーラスとギターが絶妙に絡み合うに印象的な始まり方。 スクリームが始まってからもこの展開続けるんだ!?とすごく意外でした。 Chorusはクリーンがメインの優しい感じ。 スクリームパートやChorusなどが登場しますが、 曲の後半では前半のコーラスとギターの展開に行きそうで行かない 焦らされてるような感じすらしてきます。
Chorus部分でのクリーンとコーラスの聴こえ方が見事。 裏方の人たちの仕事ぶりが素晴らしい。
8. Twin Black Angels 非常にシンプルなクリーンボーカル主体の楽曲。
ボーカルのメロディラインはもちろんですが、 ギターメロディがホントに優秀です。 音の聴こえ方としてはボーカルの裏で鳴るバッキング的ですが メロディ自体はギターが主役でもいいよねコレと言いたくなります。
9. Wake アルバムのラストを飾るのは爽やかな歌メロのChorusが印象的な曲。
なんとも表現しにくいけどIhsahnっぽい! と感じるギターリフとスクリームを中心に展開される前半。 ものすごく爽やかなChorus。 ドラムは一曲通して結構暴れまわってますが、 一瞬鍵盤だけになる展開があったり、静かなアルペジオと音数の少ないドラムの展開もあります。 また今作中最もメロディアスなギターソロも完備されている。高級ホテルのような至れり尽くせりを味わえます。
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アルバムを何度か聴き終えて
メタルだけを聴いている生粋のメタラーさん達よりも、 普段から多くのジャンルを聴いていて、その中の一つにメタルがある。そんな人に響きそうなアルバムだなと感じました。
個人的には5曲目Where You Are Lost and I Belongの印象が非常に強いです。
この曲を聴いた若い世代の人たちが影響を受けて何か新しいムーブメントを起こすんじゃないかという 「ジャンル成立の基盤を見つけてしまった」そんな印象すら受ける本当に新しいモノだと感じました。
荒っぽい言い方をするとDjentブームが世界中で起こり、カッコイイなあこのサウンドって思っていると そういえば、そのだいぶ前からMeshuggah聴いてたじゃん!あれが元かい!みたいなそんな感じです(笑)
また、その新しいモノを「生み出してやろう!!」という印象を受けず「造られた」感が一切しないのが凄いなと。 Ihsahnの内から溢れるモノを具現化した結果こうなったとしか言いようがない楽曲な気がします。
その他の楽曲の質も非常に高くもちろん捨て曲なんて1曲もありません。 また、Jens Bogrenら裏方さん達の仕事ぶりが非常に素晴らしく、もともと質の高い楽曲にこれ以上ない相乗効果を生み出しています。 特に3曲目ではそれが非常に分かりやすいので、その辺りにも注目して聴いてみると面白いです。
今作でも自身最高傑作を更新した(個人的に)Ihsahn。 新たなサブジャンルが生まれそうな予感さえさせてしまう、メタル界の新たな転換点になりそうな気がするアルバム。 毎度毎度こんなすごいクオリティのモノを生み出し続ける彼の脳内はいったいどんなことになっているんだろう?
同じ作品をあっきーさんも記事にしているので、是非読んでみて下さい!!!http://artmusic-satellite.com/2018/05/30/ihsahn-amr/
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Thy Catafalque - Geometria
現在とある推理モノのドラマをよく見ているんですが、 毎度の事のように私の推理は外れてしまいます。 怪しい!と思った人間は大概途中で死んだり、全然関係なかったり・・・ そして思ってもみなかったダークホースが犯人で。みたいな
今回はそんな登場の予想もしてなかった作品です。
UKの(出自はハンガリー)一人エクスペリメンタル/アヴァンギャルドメタル Thy Catafalqueの8thアルバム 「Geometria」  。
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YOUTUBEのオススメ機能から見つけた作品。 1999年からコンスタントにリリースを続けてるようですが、 私がこのプロジェクトを聴くのは今作が初めてになります。
インターネットの普及やPC、DAWソフトの進化に伴い、 誰でも少し勉強すればPCでの作曲が出来るようになってからというもの、 メタル界隈でも多数のDIYミュージシャンが誕生していますが、 DIYミュージシャンの特権は、やはり「自分のやりたいようにやる」が出来る ということに尽きると思います。 このThy Catafalqueの中の人Tamás Kátai氏もやりたいようにやってる感が非常に強いです。
ボーカル、ギター、ベース、キーボード、打ち込み を使いこなすマルチプレイヤーにして、この作曲能力の高さ。 作風自体は全く違いますが、メタル界きっての稀代の天才ダン・スワノを想起させます。
また、この作品には多数のゲストプレイヤーが参加していますが ヴァイオリン、サックス、女性ボーカルが非常に聴き応えがあります。
1. Hajnali csillag 2. Szamojéd freskó 3. Töltés 4. Gőte 5. Sárember 6. Hajó 7. Lágyrész 8. Sík 9. Balra a Nap 10. Tenger, tenger 11. Ének a búzamezőkről
1. Hajnali csillag アンビエント且つジャジーな印象の曲。 途中からヴァイオリン、女性ボーカル、エレキギター、重厚な多重コーラス、ヘヴィなギターが登場。 少しずつロックサウンドへ移り変わっていきます。 徐々に楽器が増えていくのはライブの始まりの演出みたいで素敵。 ほんのりとフォーク的な匂いのする女性ボーカルと 金切り声のようなヴァイオリンが非常に怪しげでワクワクします。
2. Szamojéd freskó 禍々しく刻まれるギターとツーバスで爆走。その中にほんのりと聴こえるキーボードサウンド。 そんな曲の始まりからグルーヴィなリフが登場しヴォコーダーによる浮遊感のあるボーカル。 目まぐるしく変わっていくヘヴィリフの応酬が続き3曲目のイントロへとつながるキーボードが登場したまま終焉。4分くらいの短い曲ですが、この曲は3曲目への序章に過ぎません。
3. Töltés 2曲目で登場したキーボードのリフレインが印象的な楽曲。 4つ打ちではないですが、ディープハウス的な雰囲気の曲でで構成自体はシンプル。 ですが、ここでも女性ボーカルが怪しげに光るメロディラインが良い味を出しています。
作曲者が多種多様なジャンルの音楽から影響を受けているなと感じる事の出来る 非常に好印象な楽曲に仕上がっています。
4. Gőte コミカルなベースライン、ギターとキーボードによるフォーキーなメロディライン、 セクシーなサックスの響き、トランペットによるほんのりとした味付け、 フレットレスベースまで登場。それぞれの楽器が躍動し、 縦横無尽に駆け回り、それが見事に融合したザ・アヴァンギャルドな一曲。 ナレーション的な女性の声は少しだけ聞こえますがインスト作品です。
こんな曲聴いたことが無いなと思う非常に珍しいタイプの曲になっていると思います。 是非多くの人に聴いてもらいたいです。
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5. Sárember ブラックメタル的な印象を受ける楽曲。 楽曲自体はヘヴィなバンドサウンド。力の抜けた男性ボーカルと泣き叫ぶようなヴァイオリン。 個人的に、このヴァイオリンの音色をブラックメタルのボーカルのように感じ取りました。
メタルサウンドにおけるヴァイオリンの使い方として非常に面白みがあります。 楽曲後半ではヴァイオリンが主旋律を奏でているので、 やはり「ボーカルの代わりにヴァイオリン」という試みなんだろうなと感じます。
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6. Hajó 2分半ほどの短い曲。 ダンスミュージック的なビートと、ラウンジミュージック的な雰囲気を併せ持つ楽曲です。 語りかけるような男性ボーカルも登場します。
箸休め的な短い曲ですが、作曲者のバックグラウンドが分かるような 様々なジャンルからの影響が見える良曲。
7. Lágyrész 硬質かつ鈍重なブラックメタルな印象のパートと、 ギター、キーボードによる静パートが行き来する楽曲。
静パートがブラックメタルなパートを引き立てます。 このあざといほどのやり口個人的に大好物です。
8. Sík こちらも鈍重なブラックメタルな印象の楽曲。 楽曲終盤で登場するトランペット(だけの音には聴こえませんが金管楽器)の登場で 一気に説得力が上がる気がします。
9. Balra a Nap フォーキーな女性ボーカルが耳に残る曲。 おそらくハンガリー語だと思いますが、母国語で歌うことによる 「フォーク感」が存在しています。
どうしてなのかフォーキーなメロディを英語以外の言語で歌われると 「フォーク感」が増すような気がしてならないんですが、 誰かこの現象に名前を付けて欲しいです。
フォーク的なボーカルについつい耳が行きがちですが、 途中で登場するディレイをかけたギターやヴォコーダー 流れるようなベースラインにも是非注目して頂きたい。 聴きどころ満載な一曲です。
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10. Tenger, tenger Danger Dangerではありません。Tenger, tengerです。
悲しみに溢れたヴァイオリンから始まる一曲。 ボーカルも登場しますが、この曲の前半の主役はヴァイオリン。 後半からヴァイオリンがバッキングに移行し、ボーカルが主役になります。
70's Progライクなキーボードもちょびっとだけ登場し、 悲しい曲なのに個人的に少しだけテンションが上がります。
楽曲終盤で再びヴァイオリンが主役に戻ります。
11. Ének a búzamezőkről アルバムのラストを飾るのは闇の深いドゥーミーな楽曲。 ところどころでヴァイオリンや話しているようなボーカル、リードギターによる味付けがあります。 3分を超えた頃に唐突にアコギの静パートが導入されますが、すぐにドゥームパートへ戻ります。 その後は女性ボーカルとリードギターのユニゾンパートなどが登場します。
ドゥーミーかつその重たさが8分以上ある少し長めの楽曲ですが ところどころの味付けにより自然と聞き飽きしないようになっています。
アルバムを聴き終えて
不自然なまでに多種多様なジャンルを貪ったかのような楽曲群ですが、 それを面白みのある試みや曲順などにより、その不自然さを自然に聴かせてしまう 非常に説得力のあるアルバムです。
個人的にはヴァイオリンの使い方にスタンディングオベーション。
様々なジャンルの音楽から影響を受けた作曲家が メタルというジャンルの中でメタル以外のジャンルを使って如何に面白いことが出来るか。そんな野心的かつ挑戦的な内容です。
このアルバムを聴いてもらえば分かると思いますが、 マルチプレイヤーで、ここまでの完成度を誇るアルバムを生み出したことは 稀代の天才ダン・スワノの名前を引き合いに出しても全然おかしくない気がします。
今年のダークホースはこのThy Catafalqueかもしれません。
Bandcampでアルバム購入が出来るので是非!!!
https://thycatafalqueuk.bandcamp.com/album/geometria
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Barren Earth - A Complex Of Cages
しばらく振りの投稿です。 アベンジャーズの最新作が公開されてシリーズを見返したり、 水曜どうでしょうの甘いもの国盗り~ユーコン編を見返したり、 頼んだCDが全然届かなかったり。 そんなこんなをしている内に時間が過ぎていきました(笑)
フィンランドのプログレ(フォーク)メロデス / ドゥームメタル。 Barren Earthの4thアルバム「A Complex Of Cages」
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Hamferd、Amorphis、Moonsorrow、Kreator、Waltari等で活躍するメンバーが揃ったスーパーバンド。
本作のメンバー構成
Jón Aldará - Vocals Olli-Pekka Laine - Bass, Vocals (backing) Marko Tarvonen - Drums Janne Perttilä - Guitars, Vocals (backing) Sami Yli-Sirniö - Guitars, Vocals (backing) Antti Myllynen - Keyboards
毎度の事ながら、期待した分をキッチリ返してくれるような「手堅い」出来に仕上がっています。 1st~2ndにもアコギによる静パートを用いた展開で十分にプログレッシヴな内容でしたが、前作の3rdからそのプログレ色をより一層強めた内容に変化しました。
そして今作はさらにその路線を強く推し進めた内容に仕上がっています。
まあ何が言いたいかというと、3rdでもその傾向は強かったですがBarren Earthというバンドは メロデス界隈のバンドではなくプログレ界隈のバンドへと完全に進化(変化)したということに尽きます。
今まではBarren Earthの比較対象や似ているバンドは?という問いには Amorphisの名前が筆頭に挙がっていたと思いますが、 今作ではIn VainやBorknagar、In Mourning等のバンドの名の方が先に出て来るんじゃないかなと感じました。
1. The Living Fortress 2. The Ruby 3. Further Down 4. Zeal 5. Scatterprey 6. Solitude Pith 7. Dysphoria 8. Spire 9. Withdrawal
1. The Living Fortress ��んのりと浮遊感のあるイントロから「A Complex Of Cages」というアルバムタイトルが聴こえ プログレデスらしいダークでどこか怪しげな展開へと流れます。ここではキーボードが大活躍。 そこからアコギとクリーンボーカルが目立つ静パートを挟み、 メロディアスなギターフレーズとグロウルとクリーンを用いたChorusへと移行します。 その後は思わず頭を振りたくなるようなグルーヴ感強めの刻み、笛とクリーンによる物凄く静かなパート カウベルを用いたザックザクなグルーヴパート、Chorus。最初に出てきたダーク怪しげな展開で終了。
どこでカウントするかにもよりますが、約6分40秒曲中に10回ほどの展開を行ったり来たりをしています。 しかもそれが違和感無くシームレスに変化していくもんだから完全にヤラれました。 集中して聴かないと展開の聴き逃しが発生しそうなリスナー泣かせ(嬉し泣き)なアルバムオープナーになっています。
2. The Ruby シンプル且つヘヴィなギターによるイントロ。ザックザク刻みとグロウルの展開。 クリーンとグロウル、ドラムの金物の鳴りが印象的なChorus。 リードギターによるメロディアスな展開からギターソロへと流れていきます。 その後Chorusに戻ります。
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3. Further Down ブリッジミュートの刻み感が心地良いイントロから、ほんのりとフォーキーな匂いを感じるリードギターの展開。 完全にフォーキーなリードギターとクリーンのChorus。ここまでの流れを3分くらいまでまで行ったり来たりします。 そして70'sプログレのような展開が約10秒ほど登場し、左右の耳を交互にザクザクと刺激してくる刻みの展開、 ピッキングハーモニクスやら弦楽器やらクリーンボーカルやらキーボードやらが活躍する豪華なパート、Chorus、刻みと流れて曲の終わりを迎えます。
4. Zeal ピアノによる物悲しい音と耳元で囁かれてるような優しい歌の展開からスタート。 徐々に登場する楽器が増えていき、怪しさ100パーセントの展開へと流れます。 その後はドゥーミーだけどどこかコミカルな印象のパート、キーボード大活躍のパート、 デスメタリックに疾走するパート、伸びやかな歌声が印象的なChorusで曲が終わります。
Chorusは曲の終盤に一度しか登場しないですが、そこまでの溜めて溜めてが凄いので 圧倒的な爆発力と刹那的な美しさを伴って非常に印象的に聴かせることに成功していると感じます。
5. Scatterprey いかにもな北欧メロデス的な漢泣きのギターメロディから始まる一曲。 3分を少し過ぎた辺りからフランジャーのエフェクトを用いたデスメタリックな展開が登場。
6. Solitude Pith フォーキー且つプロギーな印象の強い10分越えの大曲。 フォーキーなメロディが続く前半約3分。 そこに70's Progリスペクトなキーボードも加わり凄く好みです。 そこからバンドサウンドを強め、フォークメロデスなChorus。 5分を過ぎた辺りで「曲変わった?」と思わせるような 前半とは別のフォーキーなメロディの導入と展開。その後Chorusへ戻って終了。
元は別々の曲だったんじゃないかと思わせるようなメロディの変化と その行き来をナチュラルに1曲の中でやってのける凄さ。 特に後半のフォーキーなメロディからChorusへの繋ぎに違和感が無さ過ぎて、 前半も同じ展開で進行してたよね?という錯覚さえ起こさせるような曲に仕上がっています。
7. Dysphoria アコギと弦楽器隊による静かな幕開け。 その後バンドサウンドが登場しますが、そこで出てくるギターメロディが非常に秀逸。 レガートを駆使した、耳残りの良いメロディが強く印象に残ります。 そこからはドゥーミーな感じを漂わせながらと進行していき、ギターソロの登場。 アコーディオンの登場と共に楽曲を終幕へと導いていく感じが個人的にすごく好みです。
8. Spire 本作中最もデスメタリックなVerseの曲。 そのVerseがオペラティックなクリーンのChorusをより一層際立たせている。 醜と美の対比が非常にしっかりとした正にプログデスな仕上がり。 民族感溢れる打楽器もちょっとした不気味さや奇妙な感じを出すのに一役買っている。
9. Withdrawal 本作のシメを飾るのは非常にアコースティックな一曲。 優しく語りかけるようなボーカルが夢見心地にさせてくれる。 楽曲中盤からは雰囲気は前半のままだが、若干力が入ったなという 優し目のバンドサウンドの展開へと変化します。
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何度か聴いてみて。 よりプログレッシヴな方向へ舵を切ったのは個人的には非常に好み。 強いメタルサウンドであるのにも関わらず全体的に静かな印象を受けました。
特に9曲目なんかはK Scopeからリリースされてもおかしく無いような気すらします。
「ハッ!」とさせられるような曲は正直1曲目だけでしたが、 なんというか「全体的に地味だけどすごい好き」という感想を持ちました。
フックのあるメロディや極端な展開などの登場は稀なので、 プログレの様じっくり聴き込むというよりも、ポストロック的な聴き方(BGM的な)の方が合っている気がします。
これがBarren Earthの望んだ進化(変化)なのかは分かりませんが、個人的にはこの方向性はすごく好みです。 もっと分かりやすい展開やフックのあるメロディなどを今の曲の雰囲気のまま導入することがあれば間違いなく世間からの認知は上がると思います。
作風は地味ですが、飽きの来なさそうな良作。 「地味だけどすごい好き」という評価がやっぱり一番シックリくる気がします。
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Light The Torch - Revival
私はもともとKillswitch Engageというバンドにはハワードのボーカルは合わないと思っていました。 その大きな理由はハワードが歌うと全てが「ハワード色」に染まってしまうということです。 KsEにはアダムのキャッチーなギターメロディという物凄く強い武器があります。 その武器をハワードの余りにも強い「歌」が食ってしまう。 そのくらいの個性と実力を持った、諸刃の剣のような抜きん出たボーカリストでした。
そんな界隈屈指のボーカリストであるハワードが放つ、 彼のキャリア史上最高の出来(個人的に)のアルバムがついにリリースされました。
USのメタルコアバンドLight The Torchの1st「Revival」
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もともとDevil You Knowというバンドで2枚のアルバムをリリースしていましたが、 バンド名をLight The Torchと改めてから数えると初めての作品になります。
メンバー構成
Howard Jones : Vocals(Ex. Killswitch Engage) Francesco Artusato : Guitar (Ex. All Shall Perish) Ryan Wombacher : Bass (EX. Bleeding Through) Mike “Scuzz” Sciulara : Drums (EX. Extinction A.D.)
こんな非常に豪華なメンツながらDevil You Know時代はどーも個人的にピンと来るものが無く、 ハワードが歌っているというだけの、その辺にいる凡庸な今風のメタルコアだな。 とそのくらいの印象しかありませんでした。
ところがバンド名を変えてリリースした今作はこれこれ!こういうの待ってたよハワード!と言いたくなる出来。
とにかく歌メ���が冴えまくっていて、ものすごくキャッチー。 界隈屈指のスーパーボーカリストであるハワードの実力が余すところなく発揮されています。 もうこのアルバムはハワードの歌を聴くためのものと断言しても良さそうな気すらしてきます。
そしてこのバンドの強みは ハワードのボーカルはもちろんですが、そのハワードの歌を活かす作曲方法。 そして時々登場するコーラスワークが非常にカッコ良い事だと感じました。
バンド名を変え「Revival」と題された今作。 正にバンドが生き返ったかのような力強い作品に仕上がっています。
01. Die Alone 02. The God I Deserve 03. Calm Before the Storm 04. Raise the Dead 05. The Safety of Disbelief 06. Virus 07. The Great Divide 08. The Bitter End 09. Lost in the Fire 10. The Sound of Violence 11. Pull My Heart Out 12. Judas Convention
01. Die Alone 本作の幕開けはDrop A(おそらく)チューニングの非常に重たいギターと Chorusのボーカルラインがキャッチーな力強い一曲。 クリーントーンのギターの登場であざとさMAX!すごくかっこいいです。
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02. The God I Deserve 鈍重且つグルーヴ感満載の演奏とコーラスワークが耳を引く曲。
デスコア感強めの演奏の合間に聴こえるコーラスはとてもキャッチーに聴き手の耳に作用してきます。
03. Calm Before the Storm Chorusの歌メロが余りもキャッチーな今作のキラーチューン。 キャッチーな歌メロの裏で鳴るギターのオクターブも典型的ではあるが、 ハワードの歌を邪魔していないので、思う存分歌を楽しむことが出来て良い。
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04. Raise the Dead 跳ねるリズムが非常にライブ映えしそうですごく好みです。 もちろんハワードの歌メロは完璧です。 コーラスワークが非常にかっこ良くてこの曲の一番の聴きどころになっています。 曲全体でベースの主張が強めで、ブリッヂではドラムが目立ち、 そしてメロディアスなギターソロまで備えています。 各楽器の聴きどころを各所にさり気なく配置する作曲能力の高さが見える一曲。
05. The Safety of Disbelief メロディアスなギターリフが印象的な一曲。 高低差が少な目の歌メロとメロディアスなギターの相性は抜群で、 お互い殺しあってないのが非常に好印象。
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06. Virus グルーヴィーな演奏と、スクリームとクリーンの対比が心地良い曲。 シンセの味付けによりChorusの歌メロが際立たって聴こえるよう工夫がなされています。
07. The Great Divide 「今風」感溢れるイントロから最近のBring Me The Horizonを彷彿とさせる展開。 この手の曲はボーカルを非常に際立たせるので、 ハワードのようなボーカリストを活かすにはピッタリだと思います。
08. The Bitter End 某9人組の猟奇趣味的激烈音楽集団を彷彿とさせるイントロに思わずニッコリしてしまう。 メロディの味は濃くないですがメタルコア由来の単音リフも備えていて、コーラスワークもかっこいい。 ハワードのボーカルもキレッキレで個人的に今作のハイライト。
09. Lost in the Fire
重たくズンズン刻むギターが印象的な一曲。 この曲に関しては取り立てて言うことは無いかな?
10. The Sound of Violence ブリンブリンの演奏もスクリームも暴力的なデスコア色強めの攻めの一曲。 クリーンボーカルが一切登場しないのも潔くて好印象。
11. Pull My Heart Out キレの良いギターの刻みがかっこいい一曲。 ブリッヂでデスコア感強めのブリンブリンな演奏が聴けて、 ブリッヂ後にはこのバンドの強みのコーラスワークが登場します。
12. Judas Convention 静かな展開から幕を開け、ヘヴィなパートへ移行。 アルバムのラストらしい「これで終わり」感が強い一曲。
アルバムを聴き終えて ハワードの類稀なる才能とそれを支える演奏隊による手堅い作りの良作だと感じました。 各所で冴えるコーラスワークもかっこよく、演奏も上手いメンバーによる 界隈屈指のボーカリストを活かしきった「歌モノ」作品に仕上がっています。
今作では演奏隊の個性はそこまで見えませんが、メンバーの経歴から見ても分かるように 界隈の有名どころが集まっているので、引き出しはまだまだありそうな気がします。
次作以降で各メンバーの個性とハワードの歌がお互いを活かし合えるような 作品になっていれば、今以上の評価を得られることは間違いないでしょう。 今作で生き返ったバンドは次作以降でどう進化するのか今からとっても楽しみです。
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August Greene - August Greene
もっともっと多くの人にこの作品を知って欲しい。 世界にはまだまだこんなに素敵な音楽があるんだよ。 でもこのリリース形態じゃあ絶対に話題にはならないよなあ。 もったいない・・・今回はそんな作品の紹介です。
ラッパーのCommon ピアニストのRobert Glasper ドラマーのKarriem Riggins の3人からなるジャズヒップホップトリオ August Greeneの1stアルバム「August Greene」
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まずは軽めに各メンバーの紹介を
ラッパーのCommon。 個人的にヒップホップ界隈で一番好きなラっパーといっても過言ではない人。 過去にたくさんのアルバムをリリースしていますが、 中でも2005年の6thアルバム「Be」はヒップホップ史に残る大名盤として有名です。 このアルバムはOpethの「Watershed」と同じく、私の墓に是非入れてほしい作品ですね。
ヒップホップ作品に触れたことない人はラップと言えば「YO YO俺がナンバー1だぜ!」 みたいなことをブカブカの服を着た屈強な男がやってるもの(所謂ギャングスタ)と思われがちですが、
このCommonは非常に知的な雰囲気を感じさせるリリシストです。 トラックに関して言うとジャジーヒップホップというJazzとHip-Hopを組み合わせたサウンドが 非常に心地良く、生音で温かみのあるトラックが特徴的です。
ジャズピアニストのRobert Glasper。 最近のジャズ事情に詳しい人なら、今更グラスパーの紹介?と笑われてしまいそうです��。笑 グラミー賞ベストR&Bアルバムを受賞したこともある凄腕です。
最近の作品だとCommonはもちろんですが、 Kendrick Lamarの大名盤「To Pimp A Butterfly」等に参加している事も界隈では有名です。
敷居の高いジャズという音楽をヒップホップやR&B引いてはロックまで融合させることで 従来のジャズファンはもちろんですが、これまでジャズを聴いてこなかった層をも魅了し ジャズというとっつき難い音楽の裾野を広げる事でジャズファンの人口を増やそうとしています。
個人的に新しいモノを生み出そうとするアーティストは本当に応援したくなります。 古いものにばかりしがみつくのではなく、他の物と融合させてみようという心意気。カッコイイです。 現在進行形でジャズを新しい領域へ進化させているプログレッシヴという言葉が非常に似合う人物です。
ジャズドラマー、プロデューサーのKarriem Riggins。 こちらも界隈では知らない人はいないだろうというスーパープレイヤー。 名手であることは知っていましたが、改めて調べてみると Common、J Dillaとの仕事は有名ですが、他にもあのPaul McCartneyやThe RootsやDiana Krallなどなど ロック、ヒップホップ、ジャズに至るまで各ジャンルの大御所からお呼びがかかる超重要人物です。
まあそんな3人のスーパーグループが誕生するってんだからそりゃあもう外れる訳が無いです。
1.Meditation 2.Black Kennedy 3.Let Go feat. Samora Pinderhughes 4.Practice feat. Samora Pinderhughes 5.Fly Away 6.Aya 7.Piano Interlude 8.No Apologies 9.The Time 10.Optimistic feat. Brandy 11.Swisha Suite
1.Meditation シンプルなドラムビートにうっすらと鳴るピアノ、コモンのラップ。 書くとそれだけになってしまうんだけど 短い中にアルバムの流れが見える自己紹介的な一曲。
2.Black Kennedy このドラムまじすげえって言いたくなる曲。 コモンのラップもグラスパーのピアノもすごく良いけど何よりドラムが本当にすごい。 スネアとハイハットとバスドラムの3つしか使ってないのに、信じられないような音の種類。
客演のSamora Pinderhughesの気だるい感じの歌も非常にゆったりとした時間が流れるようで心地良いです。 1つだけ不思議なのはどう聴いてもSamora Pinderhughesの声なのに feat.Samora Pinderhughesの名前がある曲と無い曲があるのはなんでだろう?ということ。
3.Let Go feat. Samora Pinderhughes いかにもジャズらしいスタート。 ボーカルジャズの曲に強めのドラムビートとラップを組み合わせたような一曲。 あえて籠って聴こえるようにしてあるピアノフレーズが物悲しくてすごく良いです。
4.Practice feat. Samora Pinderhughes 今度はピアノが主役の一曲。 3曲目の逆でこっちはピアノを前に出してドラムを後ろに下げるミックスがなされています。 仄かに聴こえるベースもすごく素敵です。
5.Fly Away ドラムと打楽器(クレジットが読めないので何が使われてるかは不明) 籠ったミックスの笛(たぶんフルート?)、弦楽器によるクラシカルなアレンジまで飛び出す豪華な一曲。 この曲もSamora Pinderhughesの声が聴こえます。 メロディ自体は非常にチルアウト出来そうな感じですが、 打楽器の音が大きいのでそこの差が非常に面白いです。
6.Aya これまたドラムがめっちゃくちゃカッコイイ一曲。 世のドラマー達がこんなグルーブ一生かかっても出せねえよって泣き出しそうなほどです。 この曲はドラム、ピアノ、ベース、フル-ト(おそらく)、あと一個何かの楽器が聴こえますが 私の耳では判別できませんでした。 「あーやー♪」と聴こえる籠らせたボーカルを幾重にも重ねているメロディラインが非常に印象的です。 そしてこの曲にはコモンのラップは登場しません。
7.Piano Interlude ピアノとコモンのポエトリーリディングによる短いインターリュード
8.No Apologies ここまでは全体的に落ち着いた曲が多かったですが一転。 めっちゃくちゃファンキーな攻めの一曲。 絶妙な休符のドラムとベースが物凄くカッコイイです。 コモンのラップも非常に冴えている上に、 あえてピアノじゃなくキーボードなのも非常に都会的で洗練された感じがします。
楽曲終盤の徐々に変化してまったく違うビートになっていくドラムに本気で脱帽。 もうここまで来ると音のマジックと表現しても言い過ぎじゃない気がします。 個人的にアルバムハイライトはこの曲です。
9.The Time 強めのハイハットとあえてオフビート気味に乗せるコモンのラップセンスがカッコイイ! R&BレジェンドのBrandyのボーカルが光る一曲。 この曲もfeat. Brandyと表記されてないのは何でだろう?
10.Optimistic feat. Brandy シングルカットの曲(Sounds Of Blacknessの超有名曲のカバー)。 90年代~2000年代前半くらいまでの ビルボードチャートを思い出すようなゴキゲンなR&B/Hip-Hopナンバー。 超絶ハイトーンのホイッスルまで登場して、 やっぱBrandyめちゃくちゃ歌上手いなーと改めて思います。 コモンのラップもキレッキレでかっこいいです。
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11.Swisha Suite アルバムの最後を飾るのは12分越えの大曲。 ベースの主張とサックスが抜群にかっこいいです。 4分くらいからドラムビートの変化と共に曲調が変わります。 10分を過ぎた辺りから真打登場!と言わんばかりにコモンのラップが登場します。 曲の〆はヒップホップビートに乗せた ピアノベースドラムのスタンダードなジャズトリオ編成の形。
アルバムを何度か聴き終えて ヒップホップやジャズを聴いたこと無い層にも十分にアピール出来そうな聴きやすい楽曲群。 暖かいコーヒーを飲みながら是非このゆったりした時間を味わって頂きたいです。
また演奏技術に関しては抜群に上手い。 特にKarriem Rigginsのドラムに関してはメタラーの人達にも是非! とオススメしたくなるような出来に仕上がっています。
もちろんヒップホップ好きにはマストアイテムになるかと思います。
ただ1個だけ苦言を。この作品はAmazon Musicでの配信オンリーです。 つまりCDのクレジットを見ながらこの曲は誰が演奏しているんだ?とか この楽器何だろう?とか 何でfeat.の表記が曲によってあったりなかったりするんだ?とか そういう疑問点を解消する手段が一切無いということです。
是非ともすぐにCD化して頂きたいです(クレジットが読みたい)!!!
Leprousの「The Congregation」でドラムに衝撃を受けた人や ジャズってどんなんだろう?と気になっている人にオススメしたくなる作品です。
Amazon Musicでのみヒッソリと配信された今作は 2018年を彩る「隠れた名盤」となることは間違いないです。 本当はもっともっと大々的に売り出して今より多くの人の耳に届いて欲しいです・・・
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Slugdge - Esoteric Malacology
3月に入り社会人は決算、学生は卒業のシーズンがやってきましたね。 この時期になるとついついお風呂でレミオロメンの「3月9日」を口ずさんでしまいますね。 ドラマ「1リットルの涙」やなんとなく自分の卒業の頃のことを思い出したり・・・。 そんな卒業シーズンに出会った素晴らしい作品を紹介します。
UKのテクニカル(プロギー)ブラッケンドデスメタルバンド Slugdgeの4th「Esoteric Malacology」
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メンバー構成
Kev Pearson - Guitar Matt Moss - Vocals
どうやらデュオ編成のようで他の楽器については情報が出てこなかったので
もし詳しい方が居れば教えていただきたいです。
活動自体はどうやら2012年からしているようで、今までに3枚のアルバムと1枚のEPを出している模様。
2013年に1st
2014年に2nd
2015年にEPと3rd
とコンスタントにリリースを続けていたようですが3rdアルバムから今作4thまでは2年以上3年未満という若干長めの期間を置いています。
聴くのは今作が初めてなので前作からの変化とかはまったく分からないんですが、 調べてみるとジャンルの表記がブラッケンドデス/スラ���ジというのが多く見られるので、 長めに期間を設けたのも関連しているかもしれませんが、今作で音楽性を結構変えてきてるんじゃないかな?と予想しています。
簡単に今作の音楽性を表現すると
テクデス特有の演奏スタイルに ブラッケンドデスのブルータル且つ甘すぎない辛口のメロディ使いやリフ回し そこに加わるプログレッシブな展開の豊富さ。
といった感じになるかと思います。
ボーカルに関しては ハーシュボーカルは4~5種類くらい、クリーンは3~4種類くらいを使い分けていて 声質自体は特筆すべきことは無いですが、 非常に表現力豊かで表現方法が豊富な「巧い」ボーカリストだと感じました。
ギターに関しては 歪みを効かせたアルペジオフレーズがこのバンドの強みだと感じました。
ピロピロ度は割と少な目で、いぶし銀なテクデスといった印象も受けます。
私自身、過度にエクストリームな作品はそこまで得意としていないので、 他のバンドを上手く引き合いに出せないのが非常に歯痒いです。
感覚的には初めてNe Obliviscarisを聴いた時のような衝撃の受け方でした。 この衝撃を是非多くの方に味わってもらいたいです。
1. War Squids 2. Crop Killer 3. The Spectral Burrows 4. Slave Goo World 5. Transilvanian Fungus 6. Putrid Fairytale 7. Salt Thrower 8. Limo Vincit Omnia
#1 War Squids ブラッケンドデスらしい曲のスタ-トから儀式的なコーラスワークの登場 クリーンボーカルの登場後に訪れる変拍子の展開から闇の深い悪魔的なポエトリーリーディング クリーンギターによる怪しげなアルペジオを挟んでのザックザクの刻み
アルバムの1曲目から飛ばし過ぎじゃないの?
こんな強い曲が最初で大丈夫?と心配になるようなテンションもクオリティも高い楽曲
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#2 Crop Killer ベースタッピングによる幕開け、そこにギターが合わせてきて 「こりゃ思いっきりテクデスだぞ!」と思わせておいてからのクリーンボーカルによる静かな展開。 その後登場するDjent系バンドがよくやりそうな音使いで、もはや完全に予測不能。 この次何をやってくるんだろうというドキドキ感が凄まじいです。もちろんブラッケンドデスなパートも登場します。 リバーヴを効かせたギターソロも聴けて、終盤は映画音楽のような展開であっという間に終わってしまう7分19秒。 あっちにもこっちにも行くのにどこにもおかしい所の無い謎の整合性に脱帽。まさにアルバムのハイライト。
#3 The Spectral Burrows テクデスらしい��ターによるタッピングパートから始まり、 クリーンボーカルの儀式的な展開とブラック風の咆哮を用いたダークな展開。 楽曲中盤では変拍子によるギターの主張が全面に出たパートから 仄暗いアルペジオを挟んでヘヴィな方向へ舵を切っていく。 この楽曲中盤の展開が非常にかっこいいです。
#4 Slave Goo World ブラッケンドデスらしい低弦域によるキレのあるトレモロが非常にかっこいい曲。 そこからテクデス感のある展開に流れそれがしばらく続き、1分を過ぎた辺りでボーカルの登場。 歪みまくったアルペジオフレーズに痺れます。
#5 Transilvanian Fungus ミドルテンポのザ・ブッケンドデスな一曲。 クリーンボーカルとアルペジオによるChorusも 50秒ほどあるギターソロもどちらも不穏な音使いで「らしさ」が溢れています。 展開自体は少な目のド直球勝負な潔さもカッコイイです。
#6 Putrid Fairytale 怪しげなアルペジオから そのままの音使いでテクデス感溢れる歪んだフレーズに移行し、 キレの良いトレモロリフとを行ったり来たりする楽曲。 展開も多く飽きさせません。 楽曲中盤以降に聴けるメロデス風の単音リフによる展開が非常にキャッチー。 歪ませたアルペジオフレーズも多数登場しこのバンドの強みが非常に出ています。 アルバム屈指のピロピロギターソロまで登場して何度噛んでも味がします。 個人的に今作のセカンドハイライト。
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#7 Salt Thrower 歪んだアルペジオリフが主役。スローな展開でズンズンと進んでいくドゥーミーな一曲。 ボーカルはクリーンがメインです。 楽曲中盤を過ぎた辺りからブラッケンドデス感が溢れてきます。 その後テクデスパートを挟んでから流麗なギターソロへと流れていきます。 終盤でブラストビートが登場し、アルバム最長の8分54秒を締めくくります。 ドゥーム→ブラッケンドデス→テクデスと流れていく展開で長尺の曲も聴き飽きしません。
#8 Limo Vincit Omnia アルバムを締めくくる曲はギターリフが非常にかっこいい曲になっています。 楽曲1分30秒くらいまでは渋いギター裏で鳴っているバッキングが徐々に変化していきます。 ブラックらしいボーカルとトレモロによる展開がしばらく続いた後、 唐突にザックザクと刻んでいくヘヴィ且つスラッシーなギターリフの登場に思わずガッツポーズ。 その後クリーンギターによる不穏なアルペジオを挟んでから スライドを駆使したギターフレーズがこれまた非常にかっこいい!! トレモロによる展開から渋いギターの展開へ逆回しのように戻っていく終わり方も 「お!最初と逆!」という小さな驚きがあって嬉しい。
アルバムを何度か聴き終えて
圧倒的な構成力と緊張感をアルバムの最初から最後まで持続したまま突き進む様は圧巻。
全8曲中、2曲目と6曲目にハイライトとセカンドハイライトを持ってくることで掴みも良く、聴き飽きもさせないという絶妙な曲順もよく考えられているなと感じました。 一瞬たりとも気を抜くことが出来ないキレの良い演奏と絶えず変化していく展開の豊富さが非常に素晴らしいです。 多種多様なメタルのサブジャンルからの影響も垣間見ることが出来、 多くのエクストリームメタルリスナーの心を掴みそうな作品に仕上がっています。 こんなアルバムに出会わせてくれたYouTubeのオススメ機能ほんとに有能。
ブラッケンドデス好きやテクデス好きにはもちろんですが、 最近のThe FacelessやNe ObliviscarisやFallujahなどの プログレッシヴな雰囲気を持つテクニカルなバンドが好きな方には特に強くオススメしたいです。但し、上記の3バンドに見られる「派手さ」は薄いので、そこは要注意です!!
多くのエクストリームメタルからの影響を小さな展開として利用し、 プログレッシヴな雰囲気を持つテクニカルなブラッケンドデスアルバムへと昇華した素晴らしい作品。 他の楽器に頼らずシンプルなバンド構成のみでもここまでやれるんだという潔さも非常にカッコ良いです。 今年の最重要エクストリームメタルアルバムの1枚になるだろうと個人的には予想しています。
こんな作品に偶然にも出会って、ワクワクが止まらないんだから こりゃあ、いつまでたってもメタルは卒業できないなと思ってしまいますね。
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I Fight Bears - I Fight Bears
プログレ要素のある作品や個性的な音楽性の作品に関しては 分析しながら聴いたり、ああだこうだと言うのがすごく楽なんです。 書くことがいっぱいあるから。
ただ、無個性だけど質が高かったり、無個性だけどすごく自分の好みに合致した作品に関しては 書くことが無いというと言いすぎですが、レビュー自体が他の作品と同じようなものになって 面白くなくなってしまうのでは?というのが正直な気持ちです。
でもここの理念は「購入した作品から特に気に入ったものを」紹介していくというモノです。 無個性だからと言って書かなくて良いというのはちょっと違うんです。
したっけ逆に開き直って退屈な文章になるのを覚悟した上で描けばいいじゃん!という 頭の悪い発想でこのちょっとした危機を乗り越えようと思っています。
UKのメタルコアバンド。 I Fight Bearsの1st。その名も「I Fight Bears」
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Lost Generation Recordsという聞いたこともないような マイナーレーベルに所属しているようですが、とにかく楽曲が個人的好みと合致しました。
メンバー構成 Dan Blackwood : Vocals Drew Hamley : Bass、Vocals Marc James : Guitar Chris Treharne : Guitar Scott Preece : Drums
サラっと聴いた段階では
最近のKillswitch Engageのフォロワータイプ。それもかなりガッツリフォロワーです。
耳残りの良い単音リフとKsE復帰後のジェシーのボーカルスタイル(特にスクリーム)によく似た歌い方。
最近のコア系バンドの中では比較的軽めの ドロップCチューニングのギター(KsEのギターも多くがドロップCチューニング) による重すぎない重さがすごく耳馴染みが良く、聴き疲れを起こさない激しさが心地良い。
4分の3拍子の使い方も非常にKsE的で個人的に物凄くシンパシーを感じるものがあります。
バッキングボーカルの入れ方も思いっきりKsEのアダム感があり、 ここまでガッツリやってるKsEのフォロワーバンドは逆に探すの難しいんじゃない?と思いました。
総じてメロディセンスが良く、1stでこの出来はかなり凄いなと。 また、捨て曲も無く4分前後の曲が多いのでアルバム自体の再生時間がかなり短く感じました。 この感じのスタイルならあと2~3曲追加してもアルバムの流れに支障は無く、 リスナーの満足度がもう少し上がるかなと思いました。
1. Hammers 2. Envision 3. Lost The Fight 4. Design And Purpose 5. Life Of One 6. Disposed 7. Trust 8. Exhale 9. Smoking Gun 10. System
#1 Hammers Chorus部分でのリズムギターのハーモニクスの裏で鳴るリードギターにKsE感が溢れまくっている一曲。 またChorusの歌メロにTotoのAfrica感が物凄い出てます。
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#2 Envison メタルコアらしさ溢れるハンマリング/プリング奏法を用いた単音リフとドラミングがかっこいい曲。 ギターソロもなかなか渋くて素敵。
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#3 Lost The Fight 解放弦によるグルーヴィーな刻みが印象的な曲。 楽曲後半のブレイクダウンの入り方がKsEのLife To Lifelessのイントロにそっくり。
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#4 Design And Purpose
4連2連の刻みが印象的で、Chorusのクリーンボーカルが気持ち良い一曲。
#5 Life Of One 今作中もっともメロディアスなギターリフが登場する曲。 またメインが伸びやかなクリーンボーカルである所謂歌モノ。 拍子チェンジも登場しかなり力の入った曲だなと感じる。 個人的に今作のハイライト。
#6 Disposed ザ・メタルコアな楽曲後半にクリーントーンのギターとボーカルによる切ないパートを備えた一曲。 こういうあざとい展開の曲は個人的に大好物です。
#7 Trust 高速バスドラムとChorusのリードギターが耳に残る曲。 一瞬の休符の後に訪れる短めのギターソロも切なくて良い。
#8 Exhale グルーヴィーなギターリフ。ピッキングハーモニクスから溢れるKsE感。 今作中最もかっこいいギターソロが聴ける一曲。
#9 Smoking Gun 今作中唯一登場するシンガロングによって生み出されるハードコア感と ギターソロのタッピングフレーズが印象的な曲。
#10 System アルバムのラストを飾る今作中最もヘヴィなメタルコアナンバー。 ヘヴィな展開のVerseとリードギターのメロディアスなフレーズの対比がカッコ良い。
非常にKillswitch Engage愛溢れる1枚。 同じく個人的にかなり思い入れが強く、愛して止まないKsE。 逆によくここまでKsE感を出せたなと感心する出来。
数ある大御所メタルコアバンドの中でも、フォロワーの数自体は他の大御所と比べると そこまで多くないと思っていたKsE流のメタルコアスタイル。 それをここまで似せてくるようなバンドは中々思い浮かびません。
そして最も重要なのは「メロディックデスを通過したタイプのメタルコア」という雰囲気を楽曲から感じ取ることが無いということ。 飽くまでKsEを源流としたタイプの新しいメタルコアと考えて良いかと思います。 時代は流れているなと感じると同時に、これはこれで面白みのある変化を遂げそうだと期待が膨らみます。
強いハードコア色にほんのりとメロディックデス感を足したようなKillswitch Engageの初期のスタイルと メロディックデスを通過せずにKsEを基盤としているI Fight Bearsの1stである今作を聴き比べてみるのも非常に面白いかと思います。
余りにもスタイルが酷似しているので忘れがちですが、 楽曲自体のクオリティは非常に高く、1stでこの出来は本当に驚きです。
時代の流れを感じさせてくれるクオリティの高いKsEフォロワーのアルバム。 次作以降でどんなオリジナリティのある内容に進化しているのかが非常に楽しみな1枚。
https://www.amazon.co.uk/I-Fight-Bears-Explicit/dp/B077NT5NZY/ref=sr_1_1?s=dmusic&ie=UTF8&qid=1519040427&sr=1-1-mp3-albums-bar-strip-0&keywords=i+fight+bears
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Don Broco - Technology
居酒屋で必ず頼む定番のメニューと言えば 枝豆、出汁巻き卵、チョレギサラダ、なんこつの唐揚げ等いろいろと思いつきます。
ただ、ここで焦点を当てるのは無くても良いけどあると嬉しい。そんなメニュー
個人的には、 トウモロコシと枝豆のかき揚げ さつまいものポテトフライ(はちみつをかけて食べるやつ) が真っ先に思い浮かびました。
個人差や地域差はあれど誰しもそんなメニューの一つや二つありますよね。
今回紹介したいのはいつも聴いてるわけじゃないけど、 こういうのたまには聴きたくなりませんか? ラジオとかで流れてくるとけっこう良くないですか?そんなバンド。
このブログを始めるときに読者の層をどこに設定した内容にしようか迷いました。 音楽を普段全く聴かないような層なのか テレビで流れてくるようなのは大体知ってるよという層なのか
色々と考えた後にすごく大事なことに気付いてしまったのです。 こんな所にたどり着くような人は絶対的に自分と同じような人種だと。
そう!このブログは、程度��差はあれどオタクという圧倒的な音楽マイノリティーに 向けた内容になっています。
そんな自分と同じようなオタク達に問いたい!!
そんなにエクストリーム度の高いなデスメタルばかりで疲れませんか? そんなに一度聴いたくらいでは到底分からないプログレばかりで疲れませんか? そんなに荘厳でゆっくりすぎるゴシックドゥームばかりで疲れませんか? そんなにスラッシュばっかりザックザク刻んで右手疲れませんか?
いつものメニューとちょっと違うもの頼んでみませんか? たまに食べると意外と美味しいですよ!
UKのおしゃれヘヴィロックバンドDon Brocoの3rd「Technology」
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活動自体は2008年頃からで、前作「Automatic」がUKのチャートで6位を記録し、 Bring Me The horizonや5 SECONDS OF SUMMERのツアーサポートを務めたり 日本ではOne Ok Rock、Man With A Missionのサポートアクトに抜擢される等 各地で話題沸騰のバンドです。
メンバー構成 Rob Damiani :lead vocals Simon Delaney : guitar Matt Donnelly : drums、vocals Tom Doyle : bass guitar、programming
2ndアルバムから入った私は「ポップ、ヘヴィ、キャッチー、おしゃれ、面白い」 「これが今売れるロックサウンドだよな」とか勝手に思ってたわけなんですが
最新アルバム「Technology」がまあすごい!!! 数多あるロックのサブジャンル。その多くのリスナーにリーチしそうな雑多なことを うまーいことまとめてやってきたな!それは卑怯だわ!!みたいな出来なんです。
Don Brocoというバンドの核となるサウンドが「おしゃれでヘヴィで変幻自在」 このアルバムにザックザクに刻みまくるスラッシュサウンドの曲が入っていても ウェルカムトゥマーイライフ♪よろしくSimple Planのようなポップパンクサウンドの曲が入っていようと 彼ららしく「おしゃれでヘヴィ」なアレンジさえされていればそんなに違和感を感じないだろうなという おしゃれでヘヴィなジャンルレスロックアルバムに仕上がっています。
またボーカルワークが本当にすごい。 リードボーカルのRobはセクシーな歌声と男らしいハーシュクリーンが非常に優秀。 またドラムのMattの歌唱法が非常にポストハードコア的で、 ヘヴィロック的なバンドサウンドに、ポストハードコアのような広がりや幅を持たせています。 このMattのボーカルは他のバンドならフロントマンやれるよと言いたくなります。 この二人の見事な掛け合いは前作でも十分に力を発揮していましたが、 今作ではより洗練された。というよりも前作以上に「歌」にフォーカスして楽曲制作を 行っているんだろうと感じました。
「ロック」というすごく大雑把な括りになる代わりに アルバムを通して「おしゃれでヘヴィ」という統一感が続き、 全く飽きることなく最後の曲を迎えることが出来ます。
オルタナという余りにも雑な括りの中に入れて埋もれてしまうには惜しいサウンドなので あえて冒頭の紹介では「おしゃれヘヴィロックバンド」と記載しています。
前置きがなげーよとツッコミが入りそうなのでそろそろアルバムの中身に触れていきます。
1.Technology 3:36 2.Stay Ignorant 3:15 3.T-Shirt Song 4:03 4.Come out to LA 3:29 5.Pretty 3:35 6.The Blues 3:15 7.Tightrope 3:33 8.Everybody 3:20 9.Greatness 3:21 10.Porkies 4:09 11.Got to Be You 3:22 12.Good Listener 2:43 13.¥ 3:32 14.Something to Drink 3:58 15.Blood in the Water 3:32 16.Potty Mouth 6:51
#1 シンプルな4つ打ちが気持ちよく、ライブでChorus大合唱が目に見えるキャッチーな曲 2回目のChorusの後に入る「take it back back♪」から始まる(MVではPost Chorusと記載されている) パートの歌メロがカッコよすぎる
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#2 1曲目からの繋ぎが最高にシャレてる曲。この曲もシンプルなビート。 Djent通過型のように感じるギターを聴いて、 Twelve Foot Ninjaからメタリックな部分をそぎ��としていったようなサウンドに感じる。
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#3 Chorusの歌メロが非常に印象的。ホーンセクションのアレンジと セクシーなギターソロが非常に好み。アルバム前半を力強くリードする良曲。
#4 「カマァトゥエレイ♪」というキャッチーなフレーズだけでこの曲は勝ったも同然。 曲自体もヘヴィとオシャレを行ったり来たりで非常に好み。 このアルバムで一番コマーシャルな曲かな? 映画が好きな人をニヤニヤさせちゃいそうなMVがすごく面白い B級ホラーやターミネーターが好きな人は是非見て下さい。
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#5 メタリカのラーズがラジオ番組で「ベッドフォード?それどこだよ?」 というメンバーの出身地に対する発言をしたらしく、そのセリフを気に入って 曲冒頭にそのセリフがそのまま使われています。 セクシーなところからハーシュクリーンまで縦横無尽に行き来するボーカルワークが秀逸。
#6 ドラムが非常に素敵な一曲。シンプルなビートにはこういうオカズ欲しくなる。 またおしゃれなブリッヂが非常に優秀。この曲の一番の聴きどころ。
#7 これはもうボーカルを聴くための曲。 セクシーなファルセットとハーシュクリーンそして力強いポストハードコア風ボーカルが際立っている。 楽曲自体はとてもシンプルな構成で余計なものは一切排除したかのような作り。 Chorusでのボーカルのメロディラインが非常に魅力的。 最近のポストハードコアバンドの歌メロに対する一つの回答を見つけたような気がする。 まさかDon Brocoからポストハードコアへの回答が提示されるとは思わなかった。
#8 跳ねるリズム、ファンキーに聴こえる「間」のベース、カッティング、サックスなどからひしひしと伝わる リスナーを踊らせるために作ったんだろうなというヘヴィダンスロック。すごく好きです。 とにかくなんでもいいからこの曲はMVを見て欲しい。こんな訳わかんないMV初めて見た気がする。
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#9 ヘヴィ且つうねる、まるでベースラインのような面白いギターリフと 「アウッ」という声が印象的な曲。シンプルだけど飽きの来ないスルメな一曲。
#10 ハーシュクリーンと終盤のストーナーライクなギターパートが印象的な曲。 アルバム全編から漂うオシャレな楽曲群のなかでひと際目立つ「ロック感」満載。
#11 どこかで聴いたことあるようなギターなんだけど、どのバンドだったか全く思い浮かばない曲。 誰か分かる人が居たら是非教えていただきたい。
#12 この曲のメインはベース。楽曲の持つファンキーさの根源。所謂パーティロック。 派手なカッティングのギターリフと分かりやすいソロも 最高に偏差値が低そうで、ハチャメチャ感が物凄くかっこいい。 シメがベースなのも主張が分かりやすく伝わるのが良い。
#13 スローかつヘヴィな曲。 Chorus部分で交錯するボーカルの声質の違いが絶妙にカッコイイ。 曲が変わったんじゃないか?と思わせるような曲のシメ方も斬新で良い。
#14 非常にシンプルなロックソング。遊びの無い楽曲勝負な一曲。 ハーシュクリーンのカッコ良さとロック感がアルバム随一で単純にかっこいい。 彼らのオリジナリティの原点はこういう曲なのかもしれない。
#15 シンプル且つ印象的なギターリフから、Chorus部分が思わず裏でリズムを取りたくなるような良曲。 アルバム終盤にこういう曲を持ってくることでダレることなく最後まで聴けるようになってるのが非常に好印象。 ライブ映えしそうなリズムが規模の大きな野外フェスなどで最高の威力を発揮しそう。
#16 ラップパートも備えた「かっこよければ何でもアリ感」は このバンドの最大の魅力なんじゃないかと思わせるアルバムのラストソング。 楽曲自体は3分20秒くらいだが、6分10秒くらいからシークレットパートのようなものが収録されている。 サラっと聴いた感じ#14の曲のレコーディング風景のようで、15年くらい前のチャート入りするような メインストリームロック界隈ではこういうお遊びパート入れてるバンド結構多かったよなあとなんだか懐かしくなる
アルバム全体を通してとても多くのジャンルからの影響が見え隠れする。 ハウス、ディスコミュージック、80'sポップス、2000年代中期ごろのヘヴィロック/ニューメタル、 ニューウェイブ、Maroon 5等のオシャレロック、Fall Out Boy等のFueled By Ramen勢、 ストーナーロック、ポストハードコアなどなどなど。挙げだしたらキリがない
それをそのまま表現せず彼らのフィルターを通すことで全てが「おしゃれでヘヴィ」に仕��がっている。 多くのジャンルからの影響を感じさせるこのオリジナリティは他では聴くことの出来ない非常に新しいもの。久しぶりにチャートで数字勝負が出来そうなヘヴィなバンド。 
2018年ロック界隈の台風の目になるんじゃないかだろうかと感じさせる。そんなアルバムでした。
多くのジャンルを通過した圧倒的な知識量と耳を兼ね備えたオタクにこそ伝わるメインストリームなヘヴィロック。 それは正にこういう作品ではないだろうか。オタクの皆さん。たまにはこういうの良くないですか?
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In Vain - Currents
In Vain - Currents
私は全然サッカーとか詳しくないんですけど、 誰かと一緒に見ているときにカッコつけて「流れ変わったな」とか言っちゃうんです。 まあ全然知らない事なんてすぐにバレて、ツッコミでハチの巣にされるんですけどね。
今後この界隈の「流れ」をも左右しそうなバンドの新譜が遂にドロップされました。 ノルウェーのプログデス/ブラックメタルバンド。 In Vainの4thアルバム「Currents」
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実に5年ぶりの新作。本当に待っていました。
前作「 Ænigma 」で大化けしてこの界隈では知ってなきゃいけない存在にまで クラスチェンジしたことは周知の事実で、もし聴いたこと無い人が居たら、 今すぐにでも前作をカートに入れてほしい。絶対に損はさせません。
その前作で手を組んだ、現代メタル界における最高の プロデューサー/ミキサー/レコーディングエンジニアのJens Bogren 彼と再び手を組み、今作ではミキシングとマスタリングを手がけた というんだからもうこれは「優勝」の二文字しか見えない。
Jens Bogrenについて少し触れておくと、 スウェーデンのFascination Street Studiosのオーナー。 過去に何らかの形で(プロデューサー、ミキサー、マスタリング、エンジニア等)携わった作品は
Borknagar : Urd、Winter Thrice
Enslaved : Axioma Ethica Odini、RIITIIR、In Times、E
Haken : The Mountain、Affinity
Ihsahn : After、Eremita、Das Seelenbrechen、Arktis.
Katatonia : Viva Emptiness、The Great Cold Distance、Night Is the New Day、The Fall of Hearts
Kreator : Phantom Antichrist、Gods of Violence
Leprous : Bilateral、Coal、The Congregation、Malina
Myrath : Tales of the Sands、Legacy
Ne Obliviscaris : Portal of I、Citadel
Opeth : Ghost Reveries、Watershed
まだまだ山のようにありますが、もうここ最近のコレいいじゃん!というアルバムは、 Jens Bogrenがなんらかの形で関わった作品なのでは?と疑ってしまうくらい良作を連発しています。 もう成功請負人の名を欲しいままにメタル界隈の最高のプロデューサー/ミキサー/エンジニアとして君臨しています。
そんな人とアルバムを作るって言うんだから期待が膨らむのは、もうしょうがないですよね。
今作でのメンバー構成は
Johnar Håland : Guitars、Synth pads、Backing Vocals Sindre Nedland : Lead Vocals (clean) Andreas Frigstad : Vocals (lead) Kjetil D. Pedersen : Guitars (lead) Alexander Lebowski Bøe : Bass
ドラムは BorknagarやLeprousで大活躍している Baard Kolstadがゲスト扱いで作品に多大な貢献をしています。
またこのバンドはアレンジに多くの楽器を用いてプログレッシヴな展開を生み出すことを得意としています。
今作ではサックスはもちろんハモンドオルガン、パイプオルガン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ホーンセクションなど たくさんの楽器が使用されアルバムを盛り上げてくれます。 特にオルガンの響きは楽曲に神秘性を持たせたり、儀式的な雰囲気を構築するのにとても効果的で、 その神秘的な音がアルバムを大いに盛り上げてくれます。
そして最も重要且つ触れておかなければならない最大のポイントは、 ボーナストラックの入った国内盤、あるいはLimited Editionと ボーナストラック無しの通常盤との聴き方に明確な差が生まれるということ。 その、ボーナストラックが挿入されている箇所がとてつもなく重要で、 全9曲のアルバムの4曲目と7曲目。つまりアルバムの流れに変化が生じます。 私はボートラ入り全9曲のタイプを購入したので、今回はそのレビューになります。
どちらを選択するかは聴き手に委ねられているので、それぞれのバージョンによって 聴き方がだいぶ変わるということは言っておかなければと思いました。
1. Seekers of the Truth 05:11 2. Soul Adventurer 05:09 3. Blood We Shed 06:00 4. And Quiet Flows the Scheldt 08:05 5. Origin 05:44 6. En forgangen tid (Times of Yore Pt. II) 06:26 7. Ghost Path 05:56 8. As the Black Horde Storms 06:35 9. Standing on the Ground of Mammoths 07:20
一度聴いた時のザックリした感想は 「Triviumのマットの声。意外とめっちゃ合うじゃん!!」 「さすがとしか言いようがない。ツッコミを入れる隙が一切無いな」 「最初の方の数曲で今までと違うぞ!?と感じさせてから自分たちのスタイルを徐々に出していってるな」
という感じ。
2曲目でTriviumのフロントマンであるMatt Heafyが客演としてボーカルを取っています。 正直、最初にクレジットでマットの名前を見た時は「え?なんで?」と思ってました。 In Vainのメンバーとマットに本当に謝りたい。正直スマンかったと。 本当に意外なことにめっちゃ曲に合ってる!
アルバム全曲通して捨て曲が無いというのをもう当然の事のようにやってのける。 コンポーザーであるJohnar Hålandの作曲能力の高さに本当に脱帽。 自分たちの得意な事を本当によく分かっていて、尚且つ 新しいことにも挑戦する姿勢は本当にかっこいいです。
アルバムの冒頭2曲で、前作では目立たなかった「変拍子によるグルーヴ感」を わざとらしいほどに、あざとく取り入れています。
この手法は、大御所のToolやMeshuggah等を筆頭に多くのプログレ勢、 変拍子やポリリズムをジャンルの基盤に持っているDjent勢や Djentの登場と隆盛後の2010年代以降のメタルコア、デスコアなどの所謂コア勢などが得意とするモノで、 メロディで聴かせるのではなく、単純にリズムで聴かせるタイプの音楽の方法論です。
しかし前作を聴いた方なら分かると思いますが、同じプログレッシヴという枠組みの中でもIn Vainのスタイルは 変拍子で複雑さを表現したり、分かりやすいグルーヴ感を生み出すようなスタイルではなく、 飽くまで「展開の複雑さ、アレンジの豊富さで聴かせる」というタイプのものです。
よって、この「変拍子によるグルーヴ感」をアルバム冒頭の2曲に持ってきたということは、 聴き手に「あれ?前作と少し変わったのかな?」と思わせる。
ということを意図的に行っているんだろうなと感じ取りました。 そして新しい事にも積極的に挑戦していくぞという決意表明のような気がしました。
今後のアルバムはこの「変拍子によるグルーヴ感」というものが 一つのキーワードになってくるんじゃないかと、一人でウンウン頷きながら感じていました。
#1 変拍子と単音リフに「フアッ(と聞こえる)」という掛け声から幕を開ける一曲。 聴き手にあれ?変わったのか?と思わせるには十分すぎる程あざとい変拍子のVerseから In Vainらしいほんのり物悲しいギターメロディによるChorusへ急展開で流れていく。
2回目のVerseからはChorusへ繋ぐ際に所謂メロデスらしいギターによる短いブリッヂが登場します。 このギターフレーズは後にまた出てくるのですが、最初はあえてギター1本で聴かせ、 3回目のChorusの前にそのフレーズが聞こえた際には「一度聴いた」という既聴感とともに、 それがツインギターになって再登場するので恐ろしくキャッチーに聞えるように細工がされています。 この作曲能力と創意工夫ほんとに凄まじいなと身震いしそうになりました。
曲が進むにつれて徐々にホーンセクションによる盛り上がりが強くなり、 楽曲終盤に流麗なギターソロが挿入されメタルらしさ全開で曲が終わる。
是非、上で説明したメロデスらしいギターによるブリッヂの有無 1回目のChorusの前はブリッヂ無し 2回目のChorusの前はギター1本によるブリッヂ有り 3回目のChorusの前はギター2本によるブリッヂ有り
という細工をじっくり噛みしめて聴いてみてほしい。
このバンドの一番の強みは、聴き手に気付かせないように行われる細かい工夫が異常に上手い事だと私は思っています。
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#2 TriviumのマットをFeat.した一曲。 この曲も冒頭から変拍子によってグルーヴ感が生まれています。集中して聴かないと ボーカル/コーラスワークの凄さにばかり耳が行ってしまうほど素晴らしい「歌」が聴けます。 Baard Kolstadのドラミングが本当にすごい。唐突に爆走するブラストはもちろんですが、 ギターリフの隙間に入れてくるスネアにセンスが溢れまくっている。
ここからは完全な憶測ですが、 何度も聴いていくうちに、この曲はグルーヴ感を売りにしたモダンなメタルバンドへ向けた 「グルーヴ感を出すのにはこういう手法もあるんだよ」あるいは、 「俺達だってグルーヴ感ある曲なんて余裕で書けるから」というIn Vain流のメッセージなのかなと感じました。 あえて全然違うジャンルのマットを起用したのも、そんな彼らの意思表示だったような気がしています。
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#3 エクストリームメタルらしい不穏なギターとグロウルから始まる曲。 ピッキングハーモニクスでデスメタル「らしさ」を強調したVerseがしばらく続いた後に、 メロディックなギターと共に鳴るオルガンが物凄く印象的。 美しいボーカルワークと切ないギターとオルガンの相性はこれ以上無い極上の癒し。 「静と動」「美と醜」の対比を見事なまでに表現し、 プログレッシヴデスメタルの一番の良さってココだよなと改めて感じる一曲。
#4 ボーナストラック。 テンポが遅く美しい、まるでメロディックドゥームのような印象の曲。 前作でも大活躍したサックスがこの曲でも聴くことが出来、In Vain節炸裂!と言いたくなる。 また楽曲終盤では、今作中屈指の泣きのギターが聴けるソロに思わず胸が熱くなります。
#5 激しいグロウルと美しいクリーン メロディックブラックのような程よく甘口なメロディアスリフ 後ろで幽玄と流れるように鳴っているポストロックライクな響き ツーバスと共に変拍子を用いたグルーヴィーな展開。 Chorusでは力強いホーンセクションアレンジが加わり楽曲を一層盛り上げます。 所謂プログレデスらしい「静と動」の対比を存分に味わえる一曲。
この曲の一番の聴きどころはリズム隊。ドラムとベースです。 手数自体はそんなに多くないドラミングですが、絶妙のタイミングで放り込まれるオカズが最高にかっこいい。 そしてベース。基本的にはギターの裏で鳴っていますが、絶妙の「間」で表になる瞬間が存在します。 その絶妙の間から「ベースを聴いてほしいもしくは聴かせたい」という意図を持って 作られた楽曲なんだろうなということを感じました。とにかくかっこいいです。
#6 この曲もメロディックドゥームのようなスタイル。 オルガンによる見事な味付けと、幾重にも重なるボーカル/コーラスワークによって 宗教的または儀式的な雰囲気を醸し出し、神々しさすら感じる一曲。 ドラムで言えば裏でリズムを取る金物の鳴りは印象的ですが、 その他の楽器は割と小難しいことはせずシンプルな演奏。 展開自体もシンプルな構成になっています。
そんな、割と流して聴いてしまいそうな展開が続いた後に、楽曲の中盤を過ぎた当たりで 一瞬だけ唐突に訪れるボーカルとドラム以外の完全なる休符。 この休符に対して「え?この後どうするの?」とすごくドキドキしました。
In Vainらしい楽曲かと問われたら、そうではないかもしれないけれど、 こういうシンプルな展開の楽曲にすら所謂「細工」があるんだと分かったことで、 今後このアルバムを聴いていく上で、この「細工」を見つけることへの期待と喜びが まだまだたくさん残されているということを改めて教えてくれた楽曲だと思うので、 現時点では個人的にこのアルバムで最も好きな曲だなと感じています。
#7 ボーナストラック。 仄暗いアコースティックギターから一転ヘヴィなギターへというような幕開けから ブラックメタル感満載の闇の深い展開、サックスやホーンセクションを駆使しながら グロウル、ブラック的なスクリーム、クリーン、オペラティックな?(表現が難しい)クリーン など多種多様な楽器とボーカルワークによって複雑な展開が生み出され聴いていてニヤニヤが止まりません。 今作中もっとも展開が複雑で尚且つメロディもかなりダークなので、他の曲よりも即効性は低いですが プログレ好きならこの展開の豊富さにやられること間違いなしです。
また、この曲から多分に含まれるブラックメタル的な要素を排除していった場合、 OpethのStill Life~Blackwater Parkあたりの曲に近くなるんじゃないかなあ?と感じました。 プログデスの先駆者や大御所と比較されるのは当然だと思いますが、 今作中最もOpethっぽいと感じたのがブラックメタル的な展開を多く含んだこの曲だなんて自分でもかなり驚いています。
先駆者の手法をインプットし、「自分達らしく」個性的にアウトプットする事の難しさは どのジャンルでも言える事ですが、他の数多のバンドが実践して教えてくれています。 また自分がモノ作りをする上で一番難しいと思う部分でもあります。 このバンドは他には無い個性や強みを持ったバンドだと改めて教えてくれる。そんな曲です。
#8 メロディックブラックライクなギターリフのVerseと力強いクリーンが印象的なChorusを持った曲。 メロディアスなリードギターの展開から静かになったと思った途端にギターソロパートへ突入します。 驚く暇も与えないような急展開にこれぞプログレ!とワクワクが止まらない。
コーラスワークが個人的な好みにバシっとハマり、コーラス部分だけをお風呂でつい口ずさんでいました。
#9 アルバムの最後にこの曲を持ってきたことに120点!と言いたくなるような今作の集大成。 ホーンセクション、オルガン、サックス、弦楽器隊などたくさんの楽器によるオールスターなアレンジが最高の楽曲。 プログレデスらしい静と動の対比も最高潮のモノになり、非常に振り幅が大きいです。 楽曲中盤に登場するクリーンギターとサックスの掛け合いは極上の二文字。 ボーカルもキレッキレで非常に力強いです。 楽曲終盤に泣きのギターソロが待ち構えていますが、このアルバムもこの曲がラストかと思うと少し寂しくなり 「このままアルバム終わらなければいいのに」という願望さえ抱かせてくれます。
アルバムを聴き終えて
「In Vain流のモダンなメタルへの回答と挑戦」 「In Vainらしさの追求と発展」 今作ではそういったものが表現されていると勝手に感じ取りました。
バンドメンバーの演奏や表現はもちろんですが、 たくさんの楽器が登場し素敵なアレンジを加えていること 作曲能力の高さと創意工夫によって生み出された見つけにくい細工
これらの事を意識して聴くことで今よりも多くの情報を見つけることが出来 アルバムへの理解度が深まり、強い愛着が生まれるだろうと思います。
プログデスの本家大御所のOpethが70'sプログロックへの傾倒を顕著にしている今こそ In Vainの時代なのではないかと期待している界隈に改めて実力を示した今作。 正に「流れが変わった」瞬間を目撃したような気にさせてくれる。そんな一枚。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%84-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3/dp/B0738VNX4B/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1518280731&sr=8-1&keywords=in+vain+currents&dpID=61aIWy8TEiL&preST=_SX300_QL70_&dpSrc=srch
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Art of Illusion - Cold War of Solipsism
祝!初レビュー!
ひどいひどい雪に見舞われた2018年1月の日本列島。雪降ってんのにチャリ乗るなよとか昼間の内からライトつけて運転しろよとか言いたいことは山ほどあるけど、今日伝えたいのはそんな冬の鬱憤を晴らすような素晴らしい傑作と出会ったということ。
ポーランドのプログロック/メタルバンド
Art of Illusionの2ndアルバム「Cold War of Solipsism」
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正直このバンドについてはまったく知らなかったんですが、Youtubeでたまたま 視聴し1曲聴き終わる頃にはiTunesでアルバムを購入していました。 バンドの結成自体は2002年頃の様ですが、1stアルバムのリリースは2014年。 どうやら技術的な問題等で何度かメンバー交代を経てからの作品らしい。
「技術的な問題でメンバー交代を何度も経験」という文言を読むだけで どんだけ上手いのか気になりませんか?
ワクワクが止まらんぜ!!
肝心の作品について
1.Ico 02:25 2.Devious Savior 07:26 3.Allegoric Fake Entity 05:14 4.Santa Muerte 06:44 5.Able to Abide 04:22 6.Cold War of Solipsism 08:03 7.King Errant 10:09
1周聴いた直後の簡単な感想は 「各楽器の演奏力と表現力に関しては文句のつけようがないな」 「ボーカルは伸びやかに歌い上げるクセの無いメロハータイプかな」 といったところ。
ところどころに大御所からの影響が見え隠れしている。 マニアはニヤニヤしちゃうような展開やフレーズがちりばめられていて好印象。 楽器隊については全パート圧巻のハイレベル「変拍子?そんなの余裕よ」と聞こえてくる。 各曲で必ずと言って良いほど印象的な味付けをしている、ピアノ、キーボードが特に素晴らしい。 ボーカルに関しては個人的にすごく好きなタイプで 力を込めすぎずナチュラルに歌い上げるのがセクシーで素敵。という感じ。
影響を受けたんだろうなという大御所は Dream TheaterやRIversideやOpeth、Anathemaなどがあげられるかな?
比較対象としては 静と動を巧みに操るEarthsideと比べてみると面白いかと。
#1 環境音楽のような始まり方をするイントロ。これから何を聴かせてくれるのかワクワクする。
#2 ヘヴィなギターから幕を開ける曲。どことなくOpethの香りがする曲構成とアプローチ。 ギターソロにおけるタッピングはフレーズはメタラーならガッツポーズすること間違いなし。
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#3 ジャジー且つアバンギャルド感のあるベースが印象的なイントロからアコースティックな展開。 ピアノの旋律がとても美しく、伸びやかなボーカルが気持ち良い。 楽曲終盤のギターソロではペトルーシ的なフレーズが飛び出す。
#4 物悲しいピアノとアコギで始まり段々とギアチェンジしていくタイプの曲。 金物の鳴りを効果的に使っていて、ドラムがこの曲の主役は俺だと言ってる様。 個人的にこのアルバムで一番好きな曲。
#5 アコースティックギターとボーカルで聴かせる今作唯一のバラードタイプ。 バラードにしてはボーカルメロディがあっさりしているなという印象。 渋いギターソロが曲の持つ優しい部分邪魔していないのがとても素晴らしい。
#6 エスニックな香りのするギターが印象的。キーボードによる味付けが神秘的。 ここぞという所での3連符から始まる刻みの使い方で楽曲に重厚感とグルーヴ感が生まれている。
#7 10分越えの大作。アルバムを通して使っていなかったスクリームが楽曲中盤で 飛び道具的に使われていてとても驚かされ、このバンドの引き出しの多さを実感。 また楽曲終盤の7分辺りで聴けるギターソロでのレガートによる表現は かなりキャッチーでソロ入りの掴みとしては抜群の威力を発揮するかと思います。そして曲の終盤ではOpethのPorcelain Heartをオマージュしたかのようなボーカル/コーラスワークに「ここでコレ入れてくるセンスマジですごい!」と驚かされっぱなし。
何度か聴いた後の感想としては ほとんどの楽曲でギターソロを「見せ場」として配置している これはシングルカットだ!というようなキラーチューンが無い代わりに全曲高いクオリティ。 5曲目にバラードを置くことでヘヴィな曲が続いたアルバム前半からの耳休め的な効果と、アルバム終盤へ向けて緊張感を維持したままにヘヴィな曲をより際立たせる効果を同時に産んでいる。 古典的な手法ではあるが、アルバムのラストに10分越えの大作を置いているのも、 曲中の展開の豊富さや短いギターソロをブリッヂ的に使用することで「次はどうなるの?」というワクワク感を最後まで維持できるよう工夫されていて、長尺の曲も聴き飽きしない。という感じ。
2、5曲目で曲の雰囲気を壊さないように導入されるソロにギタリストの巧さが、10曲目では面白い使い方をする短いギターソロを曲構成に組み込める作曲能力の高さを遺憾無く発揮しているので、必然性の無いソロを曲に組み込んで見せ場にするような使い方をしない方がアルバムの流れに今よりメリハリが出てくるだろうと感じました。ソロを武器にせず曲構成と展開だけで十分勝負できる逸材だと思います。
まだまだ底が深く、引き出しも多そうなので次回作も本当に楽しみ。
2018年始まったばかりなのに既にこんなに素敵なアルバムと出会えて今年も良い年になりそうです。
https://artofillusion.bandcamp.com/
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