Tumgik
printingtypeholic · 5 years
Quote
結局のところ重要なのは、現在の一念、つまりひたすらな思いよりほかにはなにもないということである。一念、一念と積み重ねていって、つまりはそれが一生となるのである。
三島由紀夫『葉隠入門』
ISBN 4-10-105033-3
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
いでや、この世に生まれては、願はしかるべき事こそ多かめれ。
兼好法師『徒然草』
ISBN 4-8168-0009-3
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
すべて何も皆、ことのととのほりたるあしき事なり。し残したるを、さてうち置きたるは、面白く、いきのぶるわざなり。
兼好法師『徒然草』
ISBN 4-8168-0009-3
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
大きなる器物に水を入れて細き穴をあけたらんに滴ること少なしと言ふとも怠る間なく漏りゆかば、やがて尽きぬべし。
兼好法師『徒然草』
ISBN 4-8168-0009-3
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ。男女の情も、ひとへに逢ひ見るをば言ふものかは。
兼好法師『徒然草』
ISBN 4-8168-0009-3
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
そして堅くなりすぎるか 自堕落になりすぎるかしなければ、 自分を保つすべがないやうな破目になります。
中原中也 『中原中也詩集』 大岡昇平編
ISBN 4-00-310971-6
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
あれはとほいい処にあるのだけれど おれは此処で待つてゐなくてはならない 此処は空気もかすかで蒼く 葱の根のやうに仄かに淡い
中原中也 『中原中也詩集』 大岡昇平編
ISBN 4-00-310971-6
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
瓦が一枚 はぐれました これから春の日の夕暮は 無言ながら 前進します 自らの 静脈管の中へです
中原中也 『中原中也詩集』 大岡昇平編
ISBN 4-00-310971-6
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
港の市(まち)の秋の日は、 大人しい発狂。 私はその日人生に、 椅子を失くした。
中原中也 『中原中也詩集』 大岡昇平編
ISBN 4-00-310971-6
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
これが、ぼくの物語だ。語り終えたあと、ぼくはそう言ったように思う。
伊藤計劃 『虐殺器官』
ISBN 978-4-15-030984-8
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
──二年前、彼女は面と向かって『裸の女』などという言葉を使える人ではなかった。園子がもう純潔ではないことが、こうした些細な言葉の端から痛いほどわかるのである。角のところまで来ると彼女は立止った。 「家はここを曲って突き当たりなのよ」 別れが辛いので、私は伏せた目を、バケツに移した。バケツのなかには、日を浴びて、海水浴の日に灼けた女の肌のように見える蒟蒻がひしめいていた。
三島由紀夫 『仮面の告白』
ISBN 4-10-105001-5
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
それならどうしてこんなに不貞な、汚れた女に未練を残しているのかと云うと、全く彼女の肉体の魅力、ただそれだけに引き摺られつつあったのです。これはナオミの堕落であって、同時に私の堕落でもありました。なぜなら私は、男子としての節操、潔癖、純情を捨て、過去の誇りを抛(なげう)ってしまって、娼婦の前に身を屈しながら、それを耻とも思わないようになったのですから。いや時としてはその卑(いや)しむべき娼婦の姿を、さながら女神を打ち仰ぐように崇拝さえもしたのですから。
谷崎潤一郎『痴人の愛』
ISBN 978-4-8002-5237-1
0 notes
printingtypeholic · 5 years
Quote
時間等曲率漏斗群の発見は、要するにこういうことを人類に告げたのだ──「おまえたちがどこかへ行けるなんて考えがどうして出てくるんだね?」
カート・ヴォネガット・ジュニア 『タイタンの妖女』浅倉久志訳
ISBN 4-15-010262-7
0 notes