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実験的なアプローチと、どこか土着的だったりオリエンタルだったりと七変化する雰囲気の中に絶妙なポップ性が隠れている、とても器用でひねくれたことをしてるなぁと感じるバンド。その1stアルバムはその感覚に違わず、滅茶苦茶にになる一歩手前を綱渡りしているような、危なっかしいが心地よさを感じる。「サイケ」という言葉で一括りにはできない、現在の日本ロックシーンの中で頭1つ2つ飛びぬけた独自性を持った良作だと思う。Wataru Sato(Gecko&Tokage Parade)
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仲間がいるっていうこと、ただそれだけでも美しくてたまらない気持ちになる。
俺は武田涼太郎の下手糞な歌がたまらなく好きだ。
仲間がいるっていうこと、ただそれだけでも美しくてたまらない気持ちになる。
東京あたりのトライブ(部族)として鳴らすアーバン(都会的)でプリミティブ(原始的)な祈りの儀式。トラッド(伝統的)にしてドラッギーな音霊奉納を経験セヨ。
原田卓馬
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【インディーズのアルバムとしてではなく、スクエアな���界の「歪」として】
「グルーヴってのは楕円だ、まんまるの円じゃない。わかるか?」
高校生のころ、ギターの師匠にそう教わった。彼は「例えばよォ…」と続け、The Allman Brothers Band「Hot 'Lanta」のライブ盤を聞かせてくれた。なるほどこれはたしかに、真円ではなく楕円である。
楕円であるということはつまり「歪(いびつ)」であることだ。「Hot 'Lanta」のグルーヴもブルースフィーリングも、数学的な音楽理論から見ればあまりに揺らぎが多く、正しくない・外れているものである。しかしそれゆえに、プリミティブな熱をかきたてる。
スクエアでフラットな世界に住む私たちは、身の回りを注意深く探すたびにあらわれる「歪」に強く惹きつけられてしまう。十二平均律や二十四進法をリスペクトしながら、そこから外れてしまった自分の置き場所をていねいに探しているのだ。
p?の音楽を聞きライナーノーツにまで目を通すあなたは、きっと「歪」に対する豊かな感性を持っていることだろう。そして、あなたが既に理解している通り、p?のアルバム「silk」を”インディーズバンドの出したファーストアルバム”と認識するのは、大きな遠回りであり的外れ、もはや間違いと言っていいだろう。
なぜならこのアルバムは、立入禁止の防波堤に釣り人がかけるハシゴだからだ。これは高所作業員だけが見ることのできる、脳の芯まで冷水で洗われるような景色なのだ。このアルバムは、秘密の水辺に生え今もなお増え続けるクレソン。もうすぐ消滅してしまう言語の、大量の録音資料。札幌の原生林に下弦の月の夜だけあらわれる屋台、マンハッタンの貯水塔に忍び込んで密やかに開かれるジャズバー。このアルバムは、モロッコ独立戦争後に故郷のサハラ砂漠に帰り、遊牧民として死んだベルベル人なのだ。
p?のアルバム「silk」は音楽の根源的な魅力である「ループによる高揚」を取り込み、前半から後半にかけてていねいに盛り上がる。それは結成当時の名曲「小嶋さん」をひとりで歌い始めた武田が、2019年にたくさんのメンバーと音楽を作るようになったその歩みを想起させる。そうです。今、皆さんが、お聞きになられているのがその音楽です!
Mediumbuddha (MEDIUMBUDDHA SOUNDWORKS)
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参考資料
Hot 'Lanta _ https://www.youtube.com/watch?v=FWSoo3bLhIc
「札幌の原生林に下弦の月の夜だけあらわれる屋台」 _ http://hokudaiwiki.net/index.php/%E6%9C%88%E5%A4%9C%E3%81%AB%E7%8F%BE%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%B1%8B%E5%8F%B0
「モロッコ独立戦争後に故郷のサハラ砂漠に帰り、遊牧民として死んだベルベル人」 _ http://moroccocco.jugem.jp/?eid=296
「マンハッタンの貯水塔に忍び込んで密やかに開かれるジャズバー」 _ http://heapsmag.com/the-smallest-hidden-bar-brooklyn-nyc-threesometollbooth-1
「秘密の水辺に生え今もなお増え続けるクレソン」(URLとは別の場所だけど、山男に連れられて群��の秘境でメチャウマなクレソンを採りに行ったことがある) _ https://blogs.yahoo.co.jp/danger500jp/34030030.html
「もうすぐ消滅してしまう言語の、大量の録音資料」(アイヌ語は「危機に瀕する言語」と呼ばれる言語の中では、例外的と言って良いほど、大量の録音資料が残されている言語である。オープンリールやカセットテープに記録され、現在まで残っているアイヌ語の音声資料は豊富である。しかし、その音声資料については、内容が不明なものも多く、調査は発展途上であるため、アイヌ語学習に使用できる資料は限られている。今後のアイヌ語学習には、この音声資料の活用が課題となっている[10]) _ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E8%AA%9E
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「silk」発表に寄せて
今回のアルバムを発表する前に、100人からレビューを集めることにした。
ファーストアルバムを作ろう、と思ってから結構な日数が経っている。物心ついた時からだからね。色んなバンドを経て、最初に「じゅうたん売りの話」に関するファーストアルバムのための録音をしてから内容や曲順が結構変わった。一番古い録音は2016年のGood Vibration Very Goodの再ミックス作で、一番新しいものは2018年に自宅でメンバーのみんなと再び録音したMoonlight mediate indian。この曲は2014年(!)に作った。kick start my heartは新宿ナインスパイスの楽屋でボイスメモで録音したものだし、wave connectはおれが寝ている間にimo magic orchestraが完成させていた。
俺は無限に、仲間たちと共にこのアルバムを作っていられるような気がしていた。夢の、最高のファーストアルバムにあるべき全部を置いていけるような気がしていた。でもいつの間にか、全てがあるべき場所にすっぽりと収まって、全体としてなにかを主張していたような感じがする。いつの間にか終わりの地点に立っていた。p?のファーストアルバムにあるべき要素はこれで揃っていて、これが今後ものすごい名盤として扱われるとか、フィジカルがすごい売れるとかは、正直知ったことではない。そういうのは、この先の未来にかかっているのだ。
このアルバムは全体として何かをはっきりと主張しているんだが、おれはリスナーとして未熟ゆえに何を言ってるのかわからなかった。つまり、最高の可能性がある、と思った。最高の音楽はいつも、一回聴いただけじゃ何が書いてあるかわからないのだ。快楽原則がこころの深いところにある。そうでないものは、ちらっと見ただけで、あーはいはい、こういうことね、と思ってしまう。もうすでに存在する感覚に、わざわざ触ってくるのだ。
自分でこのわからない何かに対して、何かを書こうと思ったが、(実際書いてしまっているし)じっくり聴いた一人の感想で終わりにするよりも、さらっと聴いたりじっくり聴いたり、日常の中で音楽としてこの作品を聴ける色んな人に書いてもらおうと思った。俺はsilkは春のアルバムだと思ったんだが、誰もそうは書いていない。春と結びつくバンドの音楽なんて今までこの世に存在しなかったからだろう。すべてはここから始まるのだ。
俺は根本的なところで単なる音楽オタクなので、人の解説を読むのが好きだし、文章は一本の糸で、糸が絡み合うと布ができ、模様ができるはずだ、と思ったからだ。糸と糸との接点をみんなに感じて欲しい。なんと言ってくれても構わない。嘘を書こうと言外の意味は人に伝わるものだし、本当のことなら最高だ。
「silk」をレビューしてくれる100人はみんな、俺にはもったいない素晴らしい感性を持った最高の友人だ。こんなすごい人たちがゴロゴロいるなんて俺は日本が恐ろしくてならない。「silk」は100人の鑑賞に耐えているのだろうか?わからない、しかし、末長く聴ける飽きないアルバムであるのは明らかだ。なぜなら俺がそうだから。
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