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狼惑星 / ギターウルフ
カワサキZ II 750 Rock'n' Roll
KAWASAKIには乗ったことがない。
ただ、俺はその疾風を知っている。
夜中の3時の超スピード、 荒川の河川敷をママチャリで爆走する。
どこに向かうでもない。
ただ、突っ走っていたかった。
立ち漕ぎで、遠くへ、
誰も知らない何処か遠くまで。
雄叫びをあげ、真っ直ぐに。
ただ、ひたすら真っ直ぐに走り続ける。
あの日、俺は宇宙一��かった。
どんなに向い風が吹こうとも、
俺はペダルを漕ぎ続けた。
燃えろ、燃えろ、
ロックンロールという、私の魂。
Embroidery Natsumi . Review Kosuge
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/2zgAjhp1YboywpCLe2GFyr?si=mIN6AUx-SfOXFuPn6YNz9w
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COBALT HOUR / 荒井由美
ルージュの伝言
こいつマジで嫌だなぁって奴が、
もしもこの曲を突如好きだと告白してきたとするならば、
異なる視点から其奴のことを観察し、
再考すべきなのかもしれない。
例えば、ニシンのパイ。
それがどんなものであるのか。
自分の目で確認するところから始めてみたい。 Embroidery Natsumi . Review Kosuge
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/5q4nqytaxLA99VEVJ6yQRu?si=hviNmhyEQLWfJ1FskL02DA
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Love is a Battlefield / Hi-Standard
Can’t Help Falling In Love
中学一の不良の家に遊びに行くといつもハイスタがかかっていた。
主にドン・キホーテで調達したと思われるインテリアの数々に囲まれ、 先代の不良から譲り受けたベースをボンボンボンと弾いている。
学校なんて行かない、ゲーセンが主戦���、煙草をふかして、原付を乗り回す、僕の友達。
先生に言われるがまま学級委員長になった私。
自分の意志を持って、生きているように見える彼の姿に、少なからず憧れのようなものがあった。
中学三年生、最後の夏、彼を思い切って野球部に誘った。
万年初戦負けの弱小校だ。 最後に彼と自分の好きなことを一緒にやってみたかった。
考えておくよ。
柴又の河川敷で彼が放ったスリーベースヒットを忘れない。
史上初なんじゃないかしらと、延長戦に突入。
しかしながら、サヨナラ押し出しフォアボールで、あっけなく僕たちは初戦で敗退した。
ハイスタが奏でる高速のエルビスのバラードが頭の中を駆け巡る。
暑い夏の日。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/1QwhR7nfWScyyDaa6Rwj5y?si=1-05uccOREuEFfr7SgDRFg
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人間なんて / 吉田拓郎
いつも疲れている気がする。
なんだか気怠い感じがするし、どうでもいいことで腕を組んで、首を傾げてみたりする。
なんでこの人は僕のこと、こんなに知っているんだろうか。
なんだか上手くいかないもんだな、という時はいつも、吉田拓郎が僕の胸で歌っている。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/6iqNb7agAREVhxYZgQkQe8?si=a4tHilMOSIa1LnLViChM7A
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陽気なメロディとリズムに乗っかって、
よく見かけるタレントが眩しい笑顔で、今日も語り掛けてくる。
夫と妻は多少の口喧嘩くらいはするものの、互いの信頼関係は構築されており、 ちょっとした我儘を言うが、純粋で素直な二人の子供たちは無邪気に笑っている。
海辺を颯爽と走る新車のボディが今日もまた美しい。 夕焼けを駆け抜けて、星空の下で家族水入らずでキャンプする。
なにが本当の幸せなのか、時々分からくなっちまう。
でも、大丈夫なんだ。
それはあらゆる電波に乗っかって、私たちを脳天から少しずつ刺激して、 最新型の幸せをご教授して下さる。
家さえ、車さえ、家電さえ、酒さえ、食事さえ、お菓子さえ、化粧さえ、匂いさえ、携帯電話さえ、ゲームさえ、恋愛さえ、正義さえ…
それさえ手に入れれば、私たちはきっと幸せになれる、なんとなくそう思っている。
コマーシャルでお馴染みの名曲が多数収録されている。
だけど、その他の曲もどれも素晴らしい。
広告のないところに、自分の好きだと思うものを見つけると少しホッとする。 embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/6YUCc2RiXcEKS9ibuZxjt0?si=ZbK7dryZQOGvjdL4pOd0UA
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solid state survivor / yellow magic orchestra
RYDEEN(雷電)
いつから頭に刻み込まれているメロディなのか分からない。
漂う近未来感を子供ながらに察知した。
和洋折衷、和魂洋才、文明開化の音がする。
2020年
イーロン・マスク率いるスペースX社は、 民間初の有人宇宙飛行を成功させた。
米ソ冷戦から本格的にスタートした宇宙開発に、 遂に民間ベンチャーが風穴を開けた。
火星に辿り着いたら、 またみんなで笑ってパーティをしよう。
友達がプレイするDJで、
火星の皆様とRYDEENで踊り明かそう。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】https://open.spotify.com/album/6LkCc6q4fRJPg0MTSrJxKq?si=xuhdncijSQWvxKv6rAaq5Q
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大瀧詠一 / 大瀧詠一
指切り
どうだいぼくと指切りしないか 約束なんて何もないけど
いつしか当たり前にあると思っていた僕らが集う場所がなくなることになった。
なんとなくいつもそこに集って、そこには誰かいて、なんてことのない話をする。
たくさんの人に出会って、笑ったり、泣いたり、同じ時間を一緒に分かちあった。
寂しい気持ちも悲しい気持ちもある。
でも、笑って「これから」のことを話す友の姿に背筋が伸びる思いになった。
約束なんて何もないけど、 きっとまた一緒に歌を唄ったり、踊ったりするんだ。
幸せな結末がきっと待っている。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Youtube】 https://youtu.be/fwTrcx288dA
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Orange / The jon spenser Blues Explosion
Bellbottoms.
なんなんだこれは、こんなんありなんか。
Bluesを力ずくで捻じ曲げて拡大解釈した、そのサウンドに、 俺のイヤホンはぶち壊されそうになる。
目が覚めて、顔を洗って、歯磨きをして、ネクタイを括る。
満員電車に乗って、新聞記事を読んで、オフィスのPCの前に座る。
ぬるくて安っぽいインスタントコーヒーが眠気を覚ます、訳でもない。
悪いことなんてないさ、みんな生活するために生きているんだろう。
千円札を握りしめて、立ち飲み屋で煙草を燻らせ、ぼんやりと野球中継を眺める。
どっちの球団が勝っても負けても僕には関係はない。
ドラフト6位の5年目の新人が中継ぎ4番手投手の代打で登場する。
誰やねん、球場に霞む、まばらな歓声。
消化試合の雰囲気に士気が下がる応援団。
緊張のプロ野球初打席。 社会人上り、もう後はない、本人が一番理解している、という目つき。
初球、デッドボールを受け���。
もちろん全力で一塁に向かう。
出塁した、紛れもない成果だ、悪くないだろう。
リードを目いっぱいにとって、投手にいくつも牽制させる。
与えられた責務を全うする。
サインはヒットエンドラン、打者は空振り、新人はむなしくも2塁で刺された。
歯を食いしばって、ベンチに引き返す。
その後の守備には、つかなかったようだ。
なにが悪いってわけじゃないんだ。
ただ、このまま終わっちまう、その前に、
このまま終わっちまう、どうかその前に、お前のBluesで俺の頭をぶち抜いてくれ。
といった感じのミュージック。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/6n6VzpTcnHFpGVwJhLNkoH?si=cHHmTvrMR6qPjLvq4zRSHw
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UKIUKI / JAGATARA
タンゴ『破壊の音楽』?
大学に入学してすぐの頃、先輩にどんな音楽が好きなんだ?と問われた。
ipodでJAGATARAをかけて、こういう本物のロックバンドの音楽が好きだ、と答えた。
先輩は首をもたげて、 「お前はこんな『破壊の音楽』ばかり聴いているからダメなんだ。」 と、謎ジャンルを提示された上で、文字通り、ダメ出しをされた。
お前はこういう音楽を聴かなきゃダメだよ、 そう言っておもむろにケース(CD-R約50枚)を渡された。
クラシックや王道JAZZ、恐らくそういう音楽が詰まっていると想定される口ぶりであった。
理論で人の心を圧倒する音楽、そうか、僕に足りないものは、それなのか。
音楽的な教養が、僕には確かにないのだ。
自らの非力さに、悔しさで、足が震えた。
でも、そういう音楽も気持ちが大事なんじゃないのか、俺の戯言は空に溶けていった。
恐る恐る、ケースを開く。
一枚目に「ART-SCHOOL」が入っている。
「…ん?」あの時の戸惑いを僕は未だに鮮明に記憶している。
ただ、とにかく先輩がART-SCHOOLが好きなんだというピュアな気持ちが伝わってきた。
とにかく悪い人じゃないんだ、後輩思い��優しい先輩なんだ。
その後、1年の時を経て、先輩から「お前の好きな曲だけやるバンドを作ろう」と持ち掛けられ、 僕らは「幹部 N‘ ROSES(通称カンズ)」を結成した。
学園祭、僕は先輩と謎ジャンル『破壊の音楽』をだけをひたすらプレイした。 きょとんとした学生たちの前にして、風に谷のナウシカの巨神兵的なパワーを自らに感じ、『破壊の音楽』の意味が少しだけ分かった気がした。
先輩と会ったら、またきっと僕らは、『破壊の音楽』に乾杯するだろう。
さあ しっかり 狙いをさだめて いつものように おやり
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/track/6wvs8vViJXjj2sKkkHYOFO?si=Lmr5NLcaTbyM2IJaF2d3Ww
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紀元貳阡年 / ザ・フォーク・クルセダーズ
「悲しくてやりきれない」
このやるせないモヤモヤを
だれかに告げようか
沢尻エリカが捕まった時、真っ先に「パッチギ」が脳裏をよぎった。
彼女がどんなに悪態をついても、またはそんな報道がなされても、僕にとって彼女は「パッチギ」のリ・キョンジャのイメージのままだ。
イメージを拭い去るのは恐らく難しい。
新垣結衣を電車の広告で目にしたら反射的に「みくりさん元気で良かったな」等と思うし、 堺雅人をCMでみかけると「また半沢が倍返ししてるなー」等と思ってしまう。
俺はマーケティングの格好の餌食になっている、と思うが、勝手に反応してしまう反射神経を俺は止めることができない。
イメージが勝手に自分の中で生き続けている。
音楽にもイメージがこびりついている。
その曲を耳にすると勝手にその頃のことが脳内で再生される。
これってなんなんだろか。
真っ暗な部屋の中で、14inchのテレビデオのブラウン管の向こう側にいた、彼女の眩しい笑顔が今も脳裏に焼き付いている。
勝手ながら、いつまでも幸せ��いてほしいと切に願っている。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】
https://open.spotify.com/album/1ENos6WhoHjLXwF329NBo9?si=3L_MwX6VQ3uix66XdDc-zw
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憂歌団 / 憂歌団
「嫌んなった」
嫌んなった、もう駄目さ
だけどクサるの止めとこう
陽の目を見るかも、この俺だって
STAY HOME.
家にいる時間が生活の大半を占めるようになった。
週に何度かオフィスに出向く。
現場の仕事と向き合う。いつもより数段と重い空気が漂っている。
オフィスには色んな業種の人がいる。
一人ひとりがこれからの毎日に不安や孤独を抱えている。
日本の労働生産性の低さの主たる理由に働き方が挙げられていた。
皮肉にも感染症の拡大に伴い、強制的に働き方が変わっていく。
人との付き合いや、時間の使い方も変わっていく。
いつもの通り道、いつもの信号は赤。
待っている間、眩しい太陽の日差しに気付く。
クサるのは止めとこう
日本を代表するブルース失恋ソングが不意を突く。
もひとつ気ばって、と吐き捨てて、信号を渡った。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】
https://open.spotify.com/album/5JrfK6Tq7tO4z7VdKEzPVw?si=aFM3dK_ZTxu7UIKq3ax7ZA
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RIDE ON TIME / 山下達郎
心に火を点けて
このポーズが良い。
この顔が良い。
この髪型が良い。
この色合いが良い。
この音が良い。
レコードを手に取って、眺める。
針を落として、メロディが流れる。
今日はなんでもない土曜日だ。
ベランダから桜の若葉が見える。
今年もこれから梅雨を経て、きっと夏が来る。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Youtube】 https://www.youtube.com/watch?v=hVncHR3ms0Q
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BOYS & GIRLS / GOING STEADY
DON'T TRUST OVER THIRTY
カラオケルーム歌広場で友達がしきりに叫んでいる。
マイクを鷲掴みにして、ソファーの上でのたうち回る。
テーブルの端に置かれたコップにマイクの配線がひっかかり、コップが倒れた。
床にだらだらとメロンソーダがこぼれていく。
掃除が行き届いていないフロアにたまった髪の毛に、炭酸がまとわりつく。
底の薄いコンバースの靴の裏で何度も何度もその液体をペチャペチャと踏んだ。
モニターにはカタカナで、「ドント トラスト オーバー サーティー」という文字が映し出されていた。
30歳にはとっくになってしまった。
30歳とはもっと大人なもんだと思っていた。
大人はなんでも知っていると思っていた。
感染症の流行で世界中が混乱の中にいる。
世界中の人々の将来がボヤけていく。
相手の姿も先も見えない戦いがいつまで続くのだろう。
洗濯物を干していた家の屋上から夕焼けを久しぶりに見た。
いつもと変わらない夕方の風景に少しほっとした。
「いつの日にか僕らが心から笑えますように」
身を切られるような思いだ。 embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/3rI2nA82txvkibpoGKievD?si=nfImlKB6TyynSquNPzRMlA
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ランナウェイ / シャネルズ
とても好きさ
気付いたら口ずさんでいる歌がある。
世代でもなんでもないのに、特に今日もなんにもなかったなぁという日常の帰り道、シャッフルで偶然流れるこの曲に、氷結片手に踊り出し、これなんの曲だっけ?と立ち止まる。
そして、あぁあれだ、と思い出す。
スカイツリーがチラチラと反射する隅田川を片目に、またとぼとぼ歩き出し、少しスキップをしてみる。僕はもう31歳だ。
この曲が好きになったのはきっと妻が出会った頃からよく口ずさんでいたか���だと思う。
妻がなんでこの曲が好き��のかは知らないけれど、僕にとってこの曲は妻の曲だ。
毎日歯を食いしばって生きてみても、思うようにいくことばかりではないけれど、今日も僕はなんにもなかった日常から音楽に救われている。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/3lJsgN4HitVhPksTLD5KPS?si=wIpXDvq3QdaE9UuxZXNqOA
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春夏秋冬 / 泉谷しげる 季節のない街に生まれ
父が所謂転勤族のため、幼少のころから転勤を繰り返した。
行くとこ行くとこで家が変わり、方言が変わり、友達が変わり、街のにおいが���わった。
夏休みと冬休みは広島の両親の実家に遊びに行った。
古くなっても変わらず佇むばあちゃん家に安心した。
父の転勤の内示が出るのは大体毎年1月末くらいだったろうか、親の仕事の都合は分からないが、また知らない街に行くのかと思うといやだなぁと思った。
僕がこの町を去っても、町はなんにも変わらず、また別の誰かが僕の友達と友達になって、この公園できっと遊んでいる。
僕と入れ違いで転校していった僕と同じような見知らぬ友達がいることを考えて、なんだかなぁと思った。
僕が東京に引越してくる前、小学生の頃、世界に一つだけの花が流行った。
確かに僕らは元々特別なオンリーワンなのかもしれない、ただそれは公園の片隅の花壇に咲いたパンジーのように離れてみればどれがどれだか分からないくらいのものなのかもしれない。
それでもパンジーはしゃんと胸を張っている。
大人になった。
自分で住む家を自分で決めている。
賃貸借契約を更新する。
今日という毎日を積み重ねる。
今日ですべてが終わるさ
今日ですべてが変わる
今日ですべてがむくわれる
今日ですべてが始まるさ
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/2jNjqGjTb3x17FhYvtJyEN?si=j4pLPcMoSteGeYf3mP_HgQ
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PLEASE / RCサクセション
トンランジスタ・ラジオ
屋上が好きさ
はっきり言って憧れた。 授業をサボって、陽のあたるとこにいるやつに。 トランジスタラジオは持っていなかったが、俺の内ポケットのMDプレーヤーからはいつも君の知らないメロディーが毎日溢れていた。 音楽を好きだという気持ちが迸り、その気持ちに胸が焦がされていけばいくほど憧れを抑えきれなくなった。 高校1年生、授業をサボって、俺はキヨシローに近付くことにした。
体調不良だとかいって教室をそそくさと抜け出した。 水泳部の友達にお願いして屋上のプールへと続く、非常階段の鍵を開けておいてもらったんだ。 報酬はコンビニのリプトンのミルクティーで十分だった。 屋上のプールサイドから柵をの乗り越えて、なにもない、ただ空だけが広がった屋上へ飛び出した。 よく分からない開放感に包まれてなんとなく裸になった。 おもむろに寝っ転がってMDプレーヤーをそっと再生した。
木枯らしに抱かれて、俺が口ずさむホットなナンバーは確かに空に溶けてった。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【Spotify】 https://open.spotify.com/album/4P8jxsyV6woq3REgnxK0p8?si=qOLe7qF3ShSqpkZgmRqXNA
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有頂天 / サンハウス
ロックンロールの真最中.
目的なんかなかった。
「かまっちゃいられない 今ごきげんなんだ ロックンロールやってるんだよロックンロールの真最中」
どういう訳か大学時代、俺はアレサフランクリンがみんな大好きなのさ!みたいな部活にパンクロックが好きだったにも関わらず、入部してしまった。
軽音部のくせにめちゃくちゃ体育会系で、指の先が裂けるまでチョーキングの訓練をし、アロンアルファで治療したり、骨折したドラマーは湿布をはって一日8バンド分のライブをこなしたりしていた。
治るわけがなかった。
また、恐ろしいほどの逆黒人差別があった。
特にホワイトブルースなど愚の骨頂である、という謎の��念があり、ヤードバーズなんて聴いたら非国民みたいなものであった。
一体なんのために、誰のために。
僕たちには目的なんかなかった。
ただ、各々が初めて音楽の話ができる同士ができたこと驚愕し、絶望していたはずの人生に共鳴し合い、毎日ひたすらスリーコードのセッションを繰り返した。
先輩に誘われてはじめて自分がやりたい曲をやれるバンドを組むことができた20歳の頃。
大好きだったサンハウスからロックンロールの真最中とレモンティーをチョイスした。
ホワイトブルース禁止令が出ていたので、レモンティーがめっちゃヤードバーズの「Train Kept a Rollin'」と一緒だということにも知らずにステージから睨みをきかし、ひたすらがなり声で歌った。
目的なんかなかった。
ただ、俺は今ロックンロールをやっている。そう思うと、なんだかごきげんになった。
embroidery by菜津美 written by こすげ
【youtube】
https://youtu.be/JU5iDGkR-LY
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