matecosoiro
MATECO
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素材色彩研究会MATECOは2012年2月2日に発足しました��� Lab・Class・Workshopを中心に、より良い環境の創造について考える、自主研究・勉強会です。素材や色彩は単に外観の保護や美観を保つ表層としてだけではなく、まちなみの調和や適度な連続性・地域の“らしさ”に対し多大な影響を持つものです。景観を構成する重要な要素であることを広く多様に議論し、共有して行くことを目標としています。 また建築設計等における空間構成やフォルムの生成において、素材や色彩から立ち上がるボリュームという考え方もあるはずであり、素材や色彩で解決出来ることの限界を十分に把握しつつ、その無限の可能性を探求し、身体と頭と心を動かしながら考え、興味ある素材と色彩の出現を具現化して行きます。 mateco images http://matecoi.tumblr.com/ Facebook、twitterでも情報を発信しています。 下のアイコンからご確認ください。
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matecosoiro · 10 years ago
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素材色彩研究会MATECO連続セミナー「都市・まちの素材と色彩10」開催のお知らせ
MATECO連続セミナー第十回はゲストに建築家の松島潤平氏を、聞き手に建築家の森田一弥氏をお迎えし、「ノスタルジー・リセッティング」というテーマでお話頂きます。連続セミナー、お陰様で節目の第十回を迎えることとなりました。この「都市・まちの素材と色彩」というテーマは一旦これで区切りと致しますので、今回が最終回となります。
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今回のテーマ「ノスタルジー・リセッティング」は、松島氏のブログに端を発しています。何かのきっかけで始めて読んだとき、実は受け入れるのが難しい、と感じました。なぜリセッティングが必要なのか、ということがずっと気にかかっており、その後も松島氏の作品や言説を追いかけて行く中で、直接お話を伺う機会もあり、少しずつその意図するところを理解できるようになってきました。
ノスタルジーとは懐かしい感情を指すもので、実態が明確な訳ではありません。時間の経過、あるいは空間的に離れた場所を想像し、私達の感情がつくりだす「��値」の一つと捉えることができます。
価値はこうして様々なものに宿ります。しかしながらそれはともすると懐古趣味、等と揶揄の対象となることもあり、ものや空間をつくる立場に居る・目指す私達にとっては創作の根源となる原風景、あるいは時に切り捨てられない条件であると同時に、捕らわれ過ぎてしまうと次の時代のノスタルジーとなり得るものの可能性に気づくことができないかも知れない、という懸念が生じます。
現代建築家としてノスタルジーのリセットの仕方を探求されている松島氏の聞き手には、同じく建築家の森田一弥氏をお招き致します。「つなぐこと・ながもちすること・いきること」を通して建築家の役割や空間のあり方を実践されている森田氏のご活動も紹介頂きながら、素材や色彩が都市・まちに与える様々な事象について、お話を伺います。
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皆様お誘いあわせの上、ぜひご参加下さい。
●テーマ:ノスタルジー・リセッティング
●日時:2015年5月30日(土)16:00開場 16:30開演 20:00終了予定
●場所:にこぷら新地(〒213-0002 神奈川県川崎市高津区二子2-6-47・東急田園都市線二子新地駅西口下車徒歩3分)
●お申込み Facebookイベントページへの参加表明、またはe-mailよりお申し込み下さい。
・e-mail e-mailでお申し込みの場合、お名前(ふりがな)・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。 100mateco(アットマーク)gmail.com
●定員 先着60名(先着順)
●参加費 学生:無料 社会人:1,000円(いずれもワンドリンクつき)
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matecosoiro · 10 years ago
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MATECO十人素色レポート【十人素色Vol.3 NO METAL NO LIFE その1】
2014年10月26日(日)に開催致しました十人素色Vol.3。10人のレクチャーラーの方々のレポートを順次UPしていきます。3回目のテーマは「金属」。建築家・デザイナーをはじめ、金属メーカーの方にもご登壇頂きました。 構造材・建材として、また家具や什器の材料として、用途に応じ強くしなやかに姿を変える素材。その仕組みや柔軟さを学び、多様な視点から掘り下げて行くことを目的としました。10人のレポート、今後も是非ご期待下さい。
※末尾に専門用語の解説があります
デザインと合理性の探究-渡邉竜一氏
戦後日本を代表する構造家、坪井善勝の言葉「真の美は構造的合理性の近傍にある」から渡邉氏のプレゼンは始まった。氏はいわゆる構造的合理性は大事なこととした上で、一般的な合理だけでないデザインの在り方を模索しているという。“近傍(きんぼう)”という言葉は多様な観点を統合的に解く美しい解が、次善の選択の中にある様子を的確に表現しており、この“近傍”という部分に構造デザインの真理があるように考えているそうだ。
次いで技術=構造、場所性、空間の3要素を提示がされた。これら3要素は(構造)デザインと合理性を理解するヒントとなる。かたちの違う3橋梁を通じて(構造)デザインと合理性について解説がなされていった。
1. クノッケ歩道橋
ベルギー西部クノッケ・ヘイストにある歩道橋で厚さ12mmの鋼板シェル構造で橋長は102m。技術=構造に関しては、曲げモーメントの分布に���いかたちを決め、構造の最適化を行ったという。一般的な設計手法であれば、橋に対して加わる水平方向と鉛直方向にかかる荷重への対応を組み合わせるところだが、全体のかたちを曲げモーメント図をヒントに一旦決め引き算するように最適化プログラムを使い一体として設計している。
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この設計手法により従来にないユニークなかたちを手に入れることとなった。また、場所性の観点から見るとまちのシンボルとしての象徴性を求められること、ビーチリゾートとして非常に白い要素の多い風景であったため、白い象徴的なかたちは力学をベースに探していったという。さらに空間として歩行者と自転車のスムーズな接続と歴史的搭状建造物の位置関係、ビーチから公園へ抜けるためにカーブをさせた線形を決め、橋をわたす際に自動車や路面交通の通り道となる建築限界からスパン割りを考えたそうだ。
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そうした新たな空間性を模索する中で1枚の鋼板スチールのプレートでできる橋となった。結果、非常に印象的な橋が出来上がったが、ここでスチールの鋼板を使ったことで非常に軽い印象でかつシークエンスを意識した視線の抜けを作ることできたという。
2. スメーデンポート歩道橋
ベルギー西部ブルージュにある歩道橋はスパン60m。古い中世の門がありその両サイドに橋をかけるプロジェクトで、歴史的風景の中でどういうデザインがあり得るか考えるプロジェクトだったという。構造に関して、基本的に手すりが構造体となっている。
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ワーレントラス構造とフィーレンデール構造を混合した構造システムを採用、せん断力の分布から発想してかたちをつくっている。手すり自体が構造になっているので、非常にシンプルで薄い印象が可能になったという。また、場所性に関してブルージュ郊外でまちに入る際の運河沿いあるゲートとしての役割とまちの周囲を取り巻く緑、煉瓦造の街並みの風景から素材としてコールテン鋼を選択されている。
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スメーデンポートはオランダ語で「鍛冶屋の門」という意味で、非常に繊細で手工芸的なディテールが選択されている。空間的な観点からは、歴史的構造物への配慮として門を包み込むと同時に、橋を歩く際のリズム感を演出するために床板はコンクリートのプレキャストを使い分割されており、クノッケとは対照的に橋に対して加わる水平方向と鉛直方向にかかる荷重に対して各々対応する構造となっている点も見逃せない。スパン割りは既存の門のアーチに合わせながら決定したそうだ。
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渡邉氏は合理性とは?という問いに対し、技術の積み重ねだけでなく、新しい機能や使い方まで含めた様々な観点からの合理性を考えており、そこから新たな構造物のかたちがあり得るのではと答える。場所性と空間という観点を重視し、いわゆるエンジニアリング(構造)の観点とアーキテクチャ(意匠)の観点を統合することによってこれまでにないようなものの在り方を実現できるのではないかと考えられている。
加えて、構造物をつくる仕事は専門家だけの仕事でないため、構造自体の表現がクノッケのように必要な場合もあるが、ブルージュのような構造自体の表現が消え去るような在り方があるのではという。時代の技術を使った技術的解決でありながら、最終的に出来た構造物は美しく綺麗な空間が立ち上がっているのが理想的な姿なのではないか、と。
3. 出島表門歩道橋
最後に、現在進行中の長崎市にある国指定史跡「出島和蘭(オランダ)商館跡」にかかる橋のプロジェクトが紹介された。構造に関して、史跡の出島での反力を取れないという条件の中で、死荷重時に片持ち、活荷重時に二径間連続桁へと変化する構造システムを採用している。尚かつ、このシステムは橋脚を建てないこととし、場所性に対しても出島の眺望を遮らないために上部に構造物を突出させない工夫がなされている。
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河川景観への配慮として橋脚も建てず、河川の線形に対する調和も図り、日本の造船技術も取り入れた印象的な橋が現在、設計されている。空間性の観点では長崎の都市軸と建物のスケールを尊重し、既存の建物との調和を考え粒子的な塗装が盛り込まれている。
気づいたことは、これら全ての橋がいわゆる合理性という観点からのみでは記���することができないとい���ことである。構造的なアイデアを根底に場所性や空間性、その他経済性や施行性、維持メンテナンスなど複雑な多要素を統合させひとつのかたちに結合させた結果が以上の橋梁群なのだ。そしてこれは下手をすると限られた時間の中で非合理的でまとまりをもたない状況に陥る可能性もある。
それでもNEY&Partnersは驚くべきさりげなさでそれをこなす。時代の技術をつかいながら、ブルージュの歩道橋では一般の人が見ただけでは視覚的にただ美しいと感じるだけであろう。そしてこの「ただ美しいかどうか」がNEY&Partnersのデザインの状況を作り出しているように思う。歴史を振り返れば、著名なエンジニア・アーキテクトは他者とは一線を画する得意とする構造システムを持っていることが多い。
例えば、フェリックス・キャンデラであればHPシェル、ヨルグ・シュライヒであれば張力構造などがその代表だ。しかしながら、NEY&Partnersの射程は広く多様な構造システムにトライしそのスケールの範囲も広い。従来の設計手法を解体し、恣意性の少ない普遍的な秩序(構造)と、身体感覚的な心地よさ(意匠)を同時に思考していくことで、エンジニアリングとアーキテクトを統合し次代のデザインを目指すことに努力を惜しまないNEY&Partnersは稀有なデザイン集団といえるのではないだろうか。
●レクチャラー紹介 渡邉 竜一/Ryuichi Watanabe デザイナー・建築家 DESIGNER/ARCHITECTURE 1976年山梨生まれ。 ネイ&パートナーズジャパン代表取締役。 2001年、東北大学大学院都市建築学専攻修士課程修了。 2009年−2012年Ney & Partners(ベルギー)勤務、橋梁デザインに取り組む。 2012年株式会社ネイ&パートナーズジャパンをローラン・ネイと共同設立。 橋梁を中心とした土木構造物の設計、民間メーカーとのプロダクトデザインなど構造(技術)的アイデアを軸に、デザインと構造が融合した切り口の提案を行っている。国内で進行中のプロジェクトは、出島表門橋、三角東港キャノピー、札幌路面電車停留所など。
●レポート執筆担当 中島 直弥 / Naoya Nakajima 信州大学工学部土木工学科4年藤居研究室在学 1990 東京都出身 2010 信州大学工学部土木工学科 2012-2013 ルーベン・カトリック大学 KULeuven
【用語解説】 シェル構造:貝殻や玉子の殻に「かたち」の原点をもち、薄くて硬いという形と素材の特徴を持つ。空間の大小に関わらず、軽快でダイナミックな空間デザインに多用される。ひとことでシェルといってもその種類は多岐にわたる。
曲げモーメント:部材に対し折れ曲がったり左右の物体が回転したりする変形に抵抗する回転モーメントのこと。曲げ変形によってせん断で断面内に引張り及び圧縮応力が生じ、曲げモーメントとなる。
曲げモーメント図:曲げモーメントが断面の位置の変化に伴ってどのように変化するか部材軸方向のグラフとして示したもの。
ワーレントラス構造:棒状部材をつなぎあわせ三角形の構成要素をもつ骨組によって安定の良い強剛な構造をトラス構造という。ワーレントラスは梁トラスの一種。上部の水平材と下部の水平材とウェブ材(上下弦材以外の部材)からなる。
フィーレンデール構造:ベルギーのエンジニア、A・フィーレンデールが19世紀に考案した構造システム。梁トラスのウェブ材から斜材を取り除いた構造。力学的にはトラスではなく、梁柱構造の一種であり、梁と柱がその交点で剛接されている特徴をもつラーメン構造としての性質をもつ。
せん断力:部材を鉛直面で切断した際、滑り落ちようとする部分を隣接する部分が支えるような方向に作用する力をせん鉛直せん断力、水平方向にスライスしてスライス面に沿ってずれを生じさせた際、ずれないようにする力を水平せん断力という。
せん断力図:せん断力が断面の位置の変化に伴ってどのように変化するかを部材軸方向のグラフとして示したもの。
反力:構造物が支点を介して地盤などから受ける反作用としての力を(支点)反力という。
死荷重:固定荷重で時間的に変動しな荷重。
活荷重:自動車や列車のように載荷位置を自由に変える荷重。
片持ち:片持ち梁とは梁の一端が固定されており、他端は自由な構造体。
二径間連続桁:個別の支点間の長さを径間という。ひと続きの橋桁で複数の支間をわたす構造を連続桁と呼び、二径間連続桁は二つの橋桁で支間をわたす構造。
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matecosoiro · 10 years ago
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素材色彩研究会MATECO連続セミナー「都市・まちの素材と色彩08」開催のお知らせ
MATECO連続セミナー第八回はゲストに建築家の菊地宏氏を、聞き手に画家の福津宣人氏をお迎えし、「色の気づき」というテーマでお話頂きます。
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●テーマ:色の気づき ●日時:2014年11月15日(土)13:30開場 14:00開演 17:30終了予定 ●場所:GS Knot(〒113-0033 東京都文京区本郷 6-16-3 幸伸ビル B1F) ●お申込み Facebookイベントページへの参加表明、またはe-mailよりお申し込み下さい。 ・e-mail e-mailでお申し込みの場合、お名前(ふりがな)・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。 100mateco(アットマーク)gmail.com ●定員 先着40名 ●参加費 学生:無料 社会人:1,000円(いずれもワンドリンクつき)
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matecosoiro · 10 years ago
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【十人素色Vol.3】参加募集のお知らせ
お待たせいたしました。 2014年10月26日(日)に開催致します「十人素色・NO METAL NO LIFE~MATECO的ステキな金縛り」の参加募集についてのお知らせです。
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以下詳細をご確認の上、メールにてお申し込み下さい。Facebookをご活用の方は、イベント頁からの登録も可能です。 皆様のご参加を、心よりお待ちしています。
私達は長く実務に携わってきた経験から、そうした素材の特徴や色の持つ意味、更に様々な事象に影響を受けるという“素材や加工技術の特性”を知ることの大切さを学んできました。その事象を見る眼は一体どのように実務の中で、あるいは制作・製造のプロセスの中で養われていくのか、ということに興味を持ち、10組の専門家をお招きしてのレクチャーイベントを過去二回、開催して参りました。
第一回目は「決定の論理」、第二回目は「素材と色彩のリノベーションとイノベーション」というテーマでしたが、第三回目はひとつの素材「金属」に注目し、「NO MATAL NO LIFE」というテーマとすることと致しました。
私達の生活(=衣食住)に欠かせない様々な金属。金属には様々なスケールがあり、身につけるものから果ては宇宙空間でも活躍する素材の一つです。構造材・建材として、また家具や什器の材料として、用途に応じ強くしなやかに姿を変える素材。その仕組みや柔軟さを学び、多様な視点から掘り下げて行くことを目的としています。
普段これだけのスペシャリストが一堂に介する機会は���々ありません。皆様ぜひお誘いあわせの上、ご参加下さい。
●開催日時 2014年10月26日(日) 13:00開場 13:30開演 18:30終了予定
●会場:代官山ヒルサイドウエスト
●定員:先着70名
●レクチャラーの方々(五十音順・継承略) 大久保 俊 (ジュエリーデザイナー)http://www.shunokubo.com/ 折井 宏司 (伝統工芸士)http://www.mf-orii.co.jp/ 黒岩 敏則 (三和タジマ株式会社・埼玉工場商品管理センター長)http://www.tajima-st.co.jp/ 坂下 和長 (デザイナー)www.critiba.com 菅原 大輔 (建築家・アートディレクター)http://sugawaradaisuke.com/ 関口 宏之 (SUS株式会社・エスコムマーケティングチーム)http://www.sus.co.jp/ 鶴本 晶子 (SUSギャラリー・クリエイティブディレクター)http://susgallery.jp/ 南雲 勝志 (デザイナー)http://www.nagumo-design.com/ 増沢 隆樹 (アートディレクター)http://horta890.tumblr.com/ 渡邉 竜一 (建築家・デザイナー)http://www.ney.co.jp/contents.html
●お申し込み方法 お名前(ふりがな)・学生・社会人の種別(学生の方は学校名もお願いします) 連絡先(メールアドレス)を記載の上、 100mateco(アットマーク)gmail.com へメールにてお申し込み下さい。
Facebookのイベント頁はこちら ↓ https://www.facebook.com/events/1560414634193348/
※お申し込み後、受付確認のメールをお送りさせて頂きます。メール送信後、4~5日経っても返信の無い場合はお手数ですが以下加藤アドレスまで連絡をお願い致します。
●参加費学生1,000円 社会人3,000円 (同会場での懇親会費込み) ※当日開場にて徴収させて頂きます。
●お問い合わせ先  ykatoykato(アットマーク)gmail.com  担当:加藤幸枝(CLIMAT)
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matecosoiro · 10 years ago
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素材色彩研究会MATECO連続セミナー「都市・まちの素材と色彩07」開催のお知らせ
MATECO連続セミナー第七回はゲストに横浜市都市デザイン室の桂有生氏を、聞き手にデザイナーの土橋陽子氏お迎えし、『まちの素材と色彩/横浜の都市デザイン』というテーマでお話頂きます。
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日本のアーバンデザインを先導してきた横浜市。桂さんは建築以外のスケールを扱いたいと思っていたときに、都市に関わるチャンスに出会ったのだそうです。 おのずと、プロダクトやインテリアから離れることになった桂さんが聞き手として推薦して下さったのはデザイナーの土橋陽子さんです。土橋さんがインテリアに対する興味と、都市について考えられていること…。 美術系予備校時代の同級生でもあるお二方。様々な素材・色彩が持つスケールとそれがかたちづくるものについて、お話を伺いたいと考えています。 皆様お誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。
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●日時:2014年10月8日(水)18:30開場 19:00開演 21:30終了予定
●場所:にこぷら新地(川崎市高津区二子2-6-47) 東急田園都市線二子新地駅西口から高架下を高津方面に徒歩3分 http://dt08.org/
●定員:先着60名
●参加費:1,000円(ワンドリンクつき)
●お申込み Facebookイベントページ、またはe-mailよりお申し込み下さい。
・Facebook イベントページ
https://www.facebook.com/events/1552771084945582/?ref_dashboard_filter=upcoming
・e-mail e-mailでお申し込みの場合、お名前(ふりがな)・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。 100mateco(アットマーク)gmail.com
このセミナーは素材色彩研究会MATECOが企画・主催している、都市・まちの素材と色彩をテーマとした連続セミナーです。
世界・日本の様々な都市の地域性豊かな素材・色彩について、現地に渡航・滞在経験のある方々にご紹介頂くことの他、それぞれの分野に係わりのある素材や色彩が、その地でつくりあげられてきや景色の成り立ちを紐解いて行きたいと考えています。
その地域や場所特有の景色の生成に大きく影響を与えている素材や色彩、独自の工法等にフューチャーすることにより、素材と色彩の関係性やそれぞれが持つ構造を探り出したいと思います。またその地域ならではの素材と、その地理的環境や状況における素材や色彩の使われ方を学び、日本のまちの保存や再生、そしてより豊かなまちなみの創造に向けて役立てて行きたいと思っています。
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matecosoiro · 10 years ago
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MATECO十人素色レポート【十人素色Vol.2 素材と色彩のリノベとイノベ その10】
余沢の海を泳ぐ-上出惠悟氏
九谷焼というのは石川県の代表的な伝統工芸です。 呉須(ごす)と呼ばれる藍青色で線描きをし、「��彩(ごさい)」と呼ばれる赤・黄・緑・紫・青の濃色を多用した色絵を特徴とする磁器を指します。
上出長右エ門窯は明治十二年、石川県能美郡寺井村(現石川県能美市寺井町)にて創業致しました。以来百三十年、先人の伝統を守り昔ながらの手仕事で日々の食器から茶陶まで一点一線丹誠込めて伝統を現代まで守り続けております。 彩り鮮やかな上絵付けと深い発色の染付け、そして何より丈夫で美しい生地が長右衛門窯の特長でございます。 ※上出長右衛門窯・HPより
上出惠悟さんはこの上出長右衛門窯の6代目です。事前に資料に記載する肩書をどうしましょう、と相談したところ、「茶碗屋・アーティストで」というお返事を頂き、6代目という重圧とどのように向き合っておられるのか、ぜひじっくりお話を聞いてみたいと思っていました。
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©TERUHIRO KATAOKA
はじめに大学(東京藝術大学)時代に描かれた油絵が紹介されました。それはバーントシェンナ(※くすんだ黄赤・バーントは焼いた、の意味)1色で描かれた風景画です。白も使われていません。「これは僕が色を使えない証拠だと思って下さい…。」と解説が付け加えられます。
次にはじめてつくった九谷焼の作品、卵が紹介されました(エッグスタンドに置かれた卵、殻の一部が割れているもの)。「これは卵=黄色でしょう、ということを言いたくて作った作品で…」という一言に会場は一瞬にして笑いに包まれます。
工芸は強い縛りがあって、九谷の場合は焼かなくてはいけない、ということがそれにあたるのだそうです。作家として作品をつくるということになると、そうした条件は縛り(=自由さを奪うもの)として認識されるのだなということを少し不思議に感じました。デザインの場合、条件や様々な制限があることは当たり前だから(と自身が考えている)せいかもしれません。
続いての作品は白いバナナ。色があるのは小さなロゴの部分ですが、これは古九谷の技法で限定された色が用いられています。これしかないという色合いですが、ここから様式や技法として「昔からある」もの・ことを使っている、というお話へと展開されて行きます。
普段はそうした作家活動をされながら、上出長右衛門窯では割烹食器��言われる料亭で使われるような高級食器をつくられています。最近ではリーズナブルな普段使いの食器もつくられているそうです。 九谷には中間色がありません。赤・青・黄といったはっきりした色合いにより、自ずと華やかさが漂います。そうした色の制限があることに対し不自由さを感じた一方、自分自身は美しい色に憧れて油絵科に入ったものの、中間色も何も満足に使えないという葛藤もあったのだとか。 今はこういう(九谷の)「わかり易い」色合いで作品をつくっている、と語られていましたが、どこかその部分にほっとしていらっしゃるような印象を受けました。
●染付の青 続いて上出長右衛門釜の特徴の一つである青色。上出さんはその青を海や空に代表されるように両方とも「遠い色」だと表現されました。 掴もうとしても掴めない青。古くから再現する・着色するための材料が貴重だったことも相まって、私達人間を魅了する所以なのかも知れません。
染付(ホワイト&ブルー)の食器は世界中に見られますが、自然にない独特の色の組みあわせだからこそ料理が映えるのではないか、と上出さんは仰いました。 金沢の食を思い浮かべるとき、季節感に溢れた様々な実りの色が想像できます。その地となる白と青による器と料理は、様々な国や地域の風景を表しているのかもしれないと感じました。
焼物の難しさの一つは焼かないと色がわからないという点で、経験によってある程度予測はつくものの、どうしても失敗する・こんなはずではなかった、ということの繰り返しなのだそうです。 「想像で絵付けをするけれど、それが完璧に想像できるようになったらまたその先に行けるのでは」という一言。焼くという工程の中にどのような変化や差違があるのか。先代から引き継がれているのは技術だけではなく、その探求心なのかもしれません。
●自作とこれからの仕事について 最後に紹介されたのは2013年、ギャラリーαMで開催された個展で私も拝見した「硯海(けんかい)の貝」。九谷焼でできた真っ白なサザエが墨に浸っている作品です。 硯海というのは硯(すずり)の墨汁が溜まるところを指します。そしてサザエの語源には「ささいえ(小さな家)」という意味があるそうで、貝(家)の中でじっとしている様子が何となく自分と重なるようでしっくりきた、とのことでした。
上出さんは墨や焼き物を古代と繋がることのできるツール、と考えているそうです。余沢(先人が残した恩恵)の海を潮流に流されないように棘をもって泳ぎ(創造し)、そうやって昔の人と繋がりながら仕事をしていきたい、という一言でレクチャーが締めくくられました。
上出さんの作品に漂う静けさは、ご自身のとても自然な姿・ふるま��と重なります。様々な危機感を持って家業を継がれたはずでありながら、そこには過剰な気負いは見受けられずあくまで「様々な制限のある九谷焼」という伝統工芸にごく自然に導かれた印象を受けました。
限定された素材、技法、色。上出さんは伝統工芸という厳しい縛りの中で勝負をされていますが、九谷焼のバナナを拝見した際、これが昨日作ったものなのか、あるいは100年前につくられたものなのかわからなくなるような錯覚を覚えました。
古い・新しいといった時間に対する概念は無意味で、ただ滑らかな質感と色がそこに佇んでいるという価値。伝統工芸の良さ・素晴らしさというのは、その技術や歴史的な背景もさることながら、良いものが時間を超えて尚、私たちの目の前に存在するということにもあるように感じました。
※おまけ 十人素色は10分という短い時間でお話を頂いていますが、上出さんが話を終えたちょうどその時、10分のベルが鳴りました。会場から「おお~っ」という声・拍手を受け、上出さんが思わずガッツポーズを決めた姿が、何ともチャーミングで強く印象に残っています。
参考:【特別企画】αMギャラリートーク「上出惠悟が語る九谷焼と自作について」 https://www.youtube.com/watch?v=ZCB4JhxCoY0
●レクチャラー紹介 上出惠悟/KEIGO KAMIDE 茶碗屋・アーティスト 1981年石川県生まれ。家業である九谷焼窯元上出長右衛門窯の六代目として2008年「髑髏 お菓子壺」を丸若屋と共に発表。2010年にはデザイナーJaime Hayon氏とコラボレートした食器を発表、東洋で始まった磁器の歴史を舞台にしながら現代に通じる九谷焼を提案している。 個人としても定期的に作品を発表し代表作に「甘蕉」。主な個展、2013年「楽園創造」(αM、東京)、「游谷」(Yoshimi Arts、大阪)、2010年「KUTANI CONNEXION」(スパイラルガーデン、東京)。
●レポート執筆担当 加藤幸枝/YUKIE KATO・色彩計画家 1968年横須賀市生まれ。カラープランニングコーポレーションCLIMAT取締役。 1990年武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒後、日本における環境色彩計画の第一人者、吉田愼悟氏に師事。トータルな色彩調和の取れた空間・環境づくりを目標に、建築・ランドスケープ・土木・照明等をつなぐ環境色彩デザインを専門としている。 2012年2月、素材色彩研究会MATECOを設立、マテリアルディレクター・田村柚香里氏と共に代表を務める。
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matecosoiro · 10 years ago
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MATECO十人素色レポート【十人素色Vol.2 素材と色彩のリノベとイノベ その9】
空間と呼応するテキスタイル-安東陽子氏
8人目のレクチャーはテキスタイルデザイナーの安東陽子氏。
安東氏の講演は「従来のテキスタイルデザイナーは自分の作品を作っている。 自分の仕事は建築家の空間やインテリアとテキスタイルが関わった時にどの様に美しく変わるのか、自分の作品から自らの手を離して空間にかけてあげること。」 という自らの仕事のスタンスを語る事から始まった。
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その後、5つのプロジェクトの紹介をして戴いた。以下、まずその要約を記し、感じたことを後半にまとめてみた。
②エルメス パヴィリオン バーゼル 設計は伊東豊雄建築設計事務所。 伊東氏の考えとしてエルメスの高級感と自然の素材を使う事、かつ日本らしさがある物にしたいとの事。 そこで安東氏は内装に「24節季」という日本の美しい季節の色にヒントを得て、エルメスの時計の時をコンセプトとしたテキスタイルを用いることになった。 ベルベットの素材を草木染めし、ビビットなオレンジから黄色のグラデーションのテキスタイルで空間の華やかさを演出した。 製作にあたっては、山梨で草木染め、東京で防炎加工、福井でプリーツ加工をしてバーゼルへ輸送するというプロセスを取っている。
③アルミ制作会社の社員寮 設計は伊東豊雄建築設計事務所。 室内はテクスチャがある様に見えて窓に掛けると裏側の色が透ける様なダブルフェースの生地。 プリントされている色はアルミの素材が光った光の色をイメージしている。
④ミラノサローネ カネカブース インスタレーション デザインはシナトの大野力氏、照明は岡安泉氏。 足下にスモークがたかれ、天井にテキスタイル生地が約50枚パネル状に吊り下がっている。 その中に有機ELの照明が点在したり消えたりしている。非常に薄い生地で、表はステンレス蒸着(じょうちゃく)、裏には転写プリントで色のグラデーションを付けている。 入口からはステンレスの面、裏からはグラデーションの色だけが重なり浮き上がってくる様に見える。白だと光が反射してしまうため、生地に色をつけて透過性を重視した。
⑤arflex RINN 藤森泰司氏デザインの椅子RINNの張り地のデザイン。 座面で空間を作る。面が空間で映える様なテキスタイル。 生地は、アルミ蒸着した面の上から事務所ビルの屋上で撮影した水面のモチーフをインクジェットでプリントした。
空間の中のテキスタイルは不思議な存在だ。 主体的に空間をつくる時もあれば、空間の性質を補佐する時もある。 光や音を遮断する時もあれば 適度に透過させる時もある。 控えめに佇む時もあれば、濾過した光が空間を満たす時もある。 力強く張られる時もあれば 風にうつろう時もある。
安東氏は、それらの性質を用いながらひとつひとつ性格の違う空間で、異なる役割のテキスタイルを素材・色彩・加工(縫製や染めなど)の技術を用いてデザインされていた。 例えば、LOUIS VUITTON 表参道のプロジェクトでは複数のレイヤーに囲まれた白い大空間という概念を補佐する大きなカーテン。 エルメスのプロジェクトでは草木染めで空間を彩り、ブランドイメージと建築のコンセプトを融合させていた。
トークセッションの中で「ただ窓辺の綺麗なものをつくっている訳ではない」と仰っていたが、その言葉の通りに安東氏の仕事は空間の性質、そしてそれを形作る概念を捉え、呼応したテキスタイルを産み出していると感じた。 空間の設計者との恊働、そしてある種のせめぎ合いがある所が非常に魅力的だ。 空間に安東氏のテキスタイルが掛かった瞬間、設計者はその空間の新たな美に気付かされる事だろう。
もう一つ印象的なのが、安東氏自身も”実際の空間にテキスタイルを掛ける迄はどの様になるか解らない部分がある”という事だ。 サンプルで見ていても解らない、経験から来るある種の勘の様な領域が其処にはあるのだろう。
丁度、今回の十人素色では他の登壇者の方々からもデジタルな世界と共に存在する不確定性や、焼成するまではどの様になるのか解らず想像するしかない、などの論理的な技術と共にある感覚の領域が話題になっていた。 テキスタイルは光や風、空間など様々な状況に影響される。 安東氏はこれを「余地を残す」と表現されていた。
「呼応」と「余地」。 講演会のテーマであった「リノベ」と「イノベ」に何処か通じるキーワードが印象に残るレクチャーであった。
●レクチャラープロフィール 安東陽子/YOKO ANDO テキスタイルコーディネーター・デザイナー 1968年東京生まれ。 武蔵野美術大学短期大学卒業後、「NUNO」での勤務を経て、2011年個人事務所「安東陽子デザイン」設立。 伊東豊雄、山本理顕、青木淳、隈研吾、石上純也など多くの建築家の設計する公共施設や個人住宅などにテキスタイルを提供している。
●レポート執筆担当 山田 敬太/ KEITA YAMADA 1984年 神奈川県生まれ。 慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科修了 フィンランド・ヘルシンキ工科大学(現Aalto University) Wood Program 修了 第4期ツリーハウスビルダー養成講座 修了 2012年カラープランニングコーポレーションCLIMAT入社
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matecosoiro · 10 years ago
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MATECO十人素色レポート【十人素色Vol.2 素材と色彩のリノベとイノベ その8】
なめらかな技術と探求心-谷口信隆
今自分は大学時代を過ごした高知でこのレポートを書いています。
当時の自分は何の変哲もない大学生で、ただ課せられた設計課題と模型製作に追われる毎日を過ごしていたことが懐かしく思い出されます。思い返しています。そんな建築の専門知識の浅かった学生時代を経て、実際に現場に出るようになってからは建築の仕事には実に様々な職能を持つ方々が存在することを知りました。
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©TERUHIRO KATAOKA
その中で自分にとって”職人”というイメージだけは、その頃から相変わらず強く持っていたのだなぁということが、今回のレクチャーの内容から記憶が蘇ってきました。
◯◯職人、◯◯屋と聞くと丹念にコツコツと刻んできたその道のプロフェッショナルという印象だったのですが、塗装・左官職人である谷口信隆氏は新しい塗装や左官の表現方法を追求されており、その姿は様々なマテリアル に挑戦するアーティストのようでした。
今回十人素色に登壇された谷口氏のお話で、塗装・左官職人のイメージは見事に覆されました。和紙を使った独自の素材の開発や、古くからある建築技術のひとつ「版築(はんちく)」を応用した谷口信隆氏の作品 仕事を見たとき、現代の職人の定義はアーティストとしての立ち位置の方が上回るのではないかと さえ思ったくらいです 。
施工事例の中で特に自分が作品に吸い込まれてしまったのはやはり「版築」でした。版築は本来、厚みが45㎝から1mくらいあるそうなのですが、それを建物の表層に使っています。仕上げとして使うため厚みは出せない、でも版築の風合いを損なわないよう、それは5㎝の厚さで表現されていました。
他にも、厚みが出るとどうしても重量が増してしまうため、左官の技法を使った表情豊かな塗り壁等も、現代の建築にもマッチする新しい方法としてとても興味深かったです。
更に木彫で良く用いられる浮造り(うづくり)のような技法を使って、陰影をつけた壁仕上げ等、設計者からの「もっと濃淡を付けたい」と言ったような要望にも積極的に応えられています。
それらのテクスチャーはプロジェクターで投影された画像からも想像できる、独特な質感です。突き固められた砂や土、その堆積した色の境界は曖昧になり、なめらかで美しいグラデーションを生み出し、それがまるで柔らかな音階を持つ五線譜のような役割を持った作品仕事として目に映りました。
また、金属の粉体をコテで塗って削って光沢を出すというパンメタル(※ぬり貫のオリジナル)は、ジョイントが出ないという利点があり、金属の表情が最大限に生かせるという新しい商品として、商標登録・特許が取得されています。 例えば錫と鉄を混ぜて一枚のパネルをつくることも可能になり、それが様々に酸化することで独特な表情が生まれて行くという技法は、マテリアルそのものが持つ特性に塗りという技術が加わることでより多様で深みのある質感が生み出されています。
塗りという技術が持つ特性や強み。それを十分に熟知した左官職人としての技術に加え、新しいことに次々とチャレンジする探求心が、見慣れているはずの素材に新しい表情を加えている様な気がしました。
いつか谷口信隆氏とMATECOとのコラボレーションによって版築を実際に見て触れるワークショップを是非開催してみたい、と考えています。
●レクチャラー紹介 谷口信隆/NOBUTAKA TANIGUCHI  1973年 東京生まれ 1991年 株式会社ヒノキ工芸入社 1993年 有限会社ぬり貫入社 2011年 同社 代表取締役就任 オンリーワンの表現をお手伝いすること。 設計者・デザイナーとのコミュニケーションを大切に。二代目ぬり貫代表として日々素材開発に勤しむ。
●レポート執筆担当 粟飯原典久/NOROHOSA AIHARA 1984年 大阪府生まれ 2006年 阿南工業高等専門学校建設システム工学科卒業 2008年 高知工科大学社会システム工学科卒業 2008年〜 株式会社一条工務店入社 現在、工事課主任。戸建住宅の施工管理を担当。 大学在学中に都市計画、建築設計コンペやアートこんなど幅広くコンペに参加。 UDC主催「まちの活性化・都市デザイン競技」奨励賞 日本建築学会主催「人口減少時代のマイタウンの再生」支部入選 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」に作品出展。作品名「ツマリ・コメ」
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matecosoiro · 10 years ago
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MATECO十人素色レポート【十人素色Vol.2 素材と色彩のリノベとイノベ その7】
“土木の構造美と再生”-大波修二氏
「土木らしく愚直にまとめているので、ちょっと今までのおしゃれなプレゼンとは全く違うのですが…。」
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©YUJI OKADA
何気ない言葉ですが、大波さんのレクチャーの中で一番印象に残ったのは冒頭にあったこの言葉かもしれません。終了後加藤さんも仰っていましたが「さすがエンジニア」だなぁと感じるプレゼンでした。様々な立場の方々に分かり易いように説明するのもコンサルタントの仕事のひとつです。会場には建築関係やデザイン関係の方が多かったかと思いますが、そのような土木関係ではない方々にもとても分かりやすいプレゼンだったのではないでしょうか。
◎土木におけるイノベーション 前半では土木技術発展の歴史についてのお話がありました。その中で、「建築と違うのは素材がそのまま構造に現れてくるので…」という言葉が印象的で、私が橋梁に興味を持っている理由の一つもここにあります。
石橋から始まり、時代とともに技術が進化するにつれてスパン(柱と柱の間隔)が伸び、アーチライズ(円弧を描く弧の高さ・高いものはオーソドックスな印象を与え、低いものは近代的でシャープな印象を与えると言われる)も低くなってきます。かつて鉄や鋼、コンクリートが登場したときも、素材の特性を考えずに石橋の形をそのまま使っていたが、構造を合理的に考えるようになり、それぞれの特性にあったような形に昇華させてきた、という歴史があります。
土木ではどのようなところでイノベーションが起きるのかということについて「社会のニーズが何か変わったとき」と仰っていました。最近では将来的な維持管理に対する要求が大きな割合を占めるようになったといい、これからは安全だけでなく、安心や快適性なども求められてくるのではないかと考えているそうです。
次に紹介されたのは、住民参画を検討のプロセスに盛り込んだ高架橋の色についてのお話でした。すべてを住民に委託するのではなく、明度や彩度、候補色まで決めてから住民にアンケートを取ることで、全体の方向性はしっかりとコントロールしつつ、地域住民の構造物への愛着にもつながっていくようになるという、土木にまちづくりの観点を取り入れた新しい試みだと感じました。
◎土木におけるリノベーション 「古い材料を大切にし、その良さを十分に理解した上で長く使っていく」というのが大波さんの考えるリノベーションだそうです。ご紹介されていた熊本の白川のプロジェクトでの石材を使った護岸や横浜の霞橋、余部鉄橋のプロジェクトでもこの思いが感じられました。
最後に首都高の改修プロジェクト。汚かった個所を色とパネルの張り替えできれいにしていくというものでした。色を塗り替えるということは、素地の保護という観点もあるが、耐震補強等に比べると比較的低い予算で空間を変えられることができる(※)。老朽化した構造物等も色を変えるだけでよくなる場合も出てくるのではないかと思いました。
私事ではありますが、私は2014年春から大波氏と同じようにコンサルで働いています。十人素色で感じたことを仕事に活かし、素材・色とモノとヒトをつなげていけるようなエンジニアになりたいと思います。
●レクチャラー紹介 大波修二/SYUJI OONAMI 1968 年福島県生まれ。 設計事務所を経て��菱重工入社。発電所や橋梁の設計・施工監理・技術開発に従事。その後インテリアデザイン事務所で店舗や商業施設のデザインに関わり、現在オリエンタルコンサルタンツ都市デザイン部。土木・建築のデザイン及び設計、地域計画、土木遺産の保存や活用に勤しむ。 一級建築士。技術士(鋼構造及びコンクリート、都市及び地方計画)。
●レポート執筆担当 土田翔平/SHOHEI TSUCHIDA 1989年愛知県生まれ。2012年芝浦工業大学工学部土木工学科卒業。 2014年山梨大学大学院医学工学総合教育部修士課程卒業後、株式会社パシフィックコンサルタンツ入社。 大学院では主に橋梁景観に関する研究を行い、その傍ら、まちづくりワークショップへの参加や、景観や色彩・材料に関するセミナーや勉強会などといったイベントにも積極的に参加している。
※土田さんのレポートにある「色を塗り替えるということは、素地の保護という観点もあるが、耐震補強等に比べると比較的低い予算で…」という一言があります。それ自体は間違いではありませんが、実際には土木構造物は「本体(躯体)が劣化し、安全や機能に問題を生じる場合」でないと改修の予算が付かないのが現状です。美観性や景観上の問題だけでは、色の塗り替えの予算はつかないのです。言い換えると、耐震改修の際に「塗装も同時に行う」と、リニューアルの効果を出しやすいという利点もあります。 寿命の長い土木構造物の色はとても難しい課題の一つですが、大波氏のようにエンジニアリングとデザイン、双方の特性を十分に理解し、時には住民を巻き込みながらの検討の様子、大変参考になりました。(追記:加藤幸枝)
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matecosoiro · 10 years ago
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素材色彩研究会MATECO連続セミナー『都市・まちの素材と色彩06』開催のお知らせ
連続セミナー第六回はゲストに植物系ランドスケーププランナーの山﨑誠子氏、聞き手にランドスケーププランナーの大橋尚美氏をお迎えし、『空間の手がかりをつくるランドスケープ』というテーマでお話頂きます。
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山﨑氏はプランナーとして様々な建築家と協働をされていますが、大学での教鞭、更には植物の専門家として行政のアドバイザーや各種審議会の委員等も務められています。植物の個々の特性を熟知し、場や環境との関係性を時間の経過も踏まえて計画・助言をされる様子は、大変きめ細やかでありながら、広く公正な視座に立たれていると感じます。
聞き手の大橋氏は数々の環境・景観設計の他、団地再生のワークショップ等にも関わられ、緑の保全・活用や花を介したコミュニティづくりを実践されています。担い手の育成における専門家の役割について、様々な取り組みをご紹介頂きます。
見た目の美しさだけではなく、防災や温暖化対策など都市の機能にも関わる植物は、環境を構成する重要な要素の一つであり、面的な計画や繋がりが重要とされています。一方生き物である以上、適切な維持管理がなされなければ私達の暮らしから扱いにくいものとして切り離されてしまう恐れもあります。植物が身近にあること、そしてその存在が私達の生活・まちなみにどのような影響をもたらしているのかについて、専門家の視点を通して考えてみたいと思います。
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●テーマ『空間の手がかりをつくるランドスケープ』 ●日時:2014年7月16日(水)18:30開場 19:00開演 21:30終了予定 ●場所:GS Knot(〒113-0033 東京都文京区本郷 6-16-3 幸伸ビル B1F)
参加募集、定員に達しましたので締め切りました。多数のお申し込み、ありがとうございました。当日キャンセルが出る可能性がございます、その場合はFacebookイベント頁にてお知らせいたします。(7/14)
●お申込み Facebookイベントページ、またはe-mailよりお申し込み下さい。
・Facebook イベントページhttps://www.facebook.com/events/1430525387221233/?ref_newsfeed_story_type=regular
・e-mail e-mailでお申し込みの場合、お名前(ふりがな)・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。 100mateco(アットマーク)gmail.com
●定員 先着40名
●参加費 1,000円(ワンドリンクつき)
●次回 第七回(2014年9月下旬・予定) ゲスト:桂有生(横浜市都市デザイン室)× 聞き手:調整中
このセミナーは素材色彩研究会MATECOが企画・主催している、都市・まちの素材と色彩をテーマとした連続セミナーです。
世界・日本の様々な都市の地域性豊かな素材・色彩について、現地に渡航・滞在経験のある方々にご紹介頂くことの他、それぞれの分野に係わりのある素材や色彩が、その地でつくりあげられてきや景色の成り立ちを紐解いて行きたいと考えています。
その地域や場所特有の景色の生成に大きく影響を与えている素材や色彩、独自の工法等にフューチャーすることにより、素材と色彩の関係性やそれぞれが持つ構造を探り出したいと思います。またその地域ならではの素材と、その地理的環境や状況における素材や色彩の使われ方を学び、日本のまちの保存や再生、そしてより豊かなまちなみの創造に向けて役立てて行きたいと思っています。
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matecosoiro · 11 years ago
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素材色彩研究会MATECO連続セミナー『都市・まちの素材と色彩05』 開催のお知らせ
連続セミナー第五回はゲストに照明デザイナーの岡安泉氏、聞き手に建築家の大野力氏をお迎えし、『パブリックとプライベートとその間』というテーマでお話頂きます。
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岡安氏が中心メンバーであるエッセンシャルライトジャパンプロジェクトは、東日本大震災を機に発足した有志による団体です。 節電の重要性が強く語られる現在の日本で、照明について改めて考え直し、これからの照明を取り巻く環境や、最適な日本の照明環境について自由に話し合えるプラットフォームを提供し続けることを目的とされています。
私達は光なくして色を認識することは出来ません。岡安氏には第一回目の十人素色でお話頂いて以後、互いの分野の繋がりを(何となく)意識しつつ、色々な対話を重ねて来ました。 今回はデザイナーとしての立場はもとより、もう少し広く都市やまちという視点から、光と空間について、色々なお話を伺ってみたいと考えています。
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●テーマ『パブリックとプライベートとその間』 ●日時:2014年3月8日(土)13:30開場 14:00開演 17:30終了予定 ●場所:GS Knot(〒113-0033 東京都文京区本郷 6-16-3 幸伸ビル B1F) ●お申込み Facebookイベントページ、またはe-mailよりお申し込み下さい。
・Facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/635107619902434/?ref=22
・e-mail e-mailでお申し込みの場合、お名前(ふりがな)・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。 100mateco(アットマーク)gmail.com
●定員 先着45名
●参加費 1,000円(ワンドリンクつき)
●次回 第六回(2014年7月中旬・予定) ゲスト:山﨑誠子(植物系ランドスケーププランナー)× 聞き手:調整中
このセミナーは素材色彩研究会MATECOが企画・主催している、都市・まちの素材と色彩をテーマとした連続セミナーです。
世界の様々な都市の地域性豊かな素材・色彩について、現地に渡航・滞在経験のある方々にご紹介頂くことの他、それぞれの分野に係わりのある素材や色彩が、その地でつくりあげられてきや景色の成り立ちを紐解いて行きたいと考えています。
その地域特有の景色の生成に大きく影響を与えている素材や色彩、独自の工法等にフューチャーすることにより、素材と色彩の関係性やそれぞれが持つ構造を探り出したいと思います。またその地域ならではの素材と、その地理的環境や状況における素材や色彩の使われ方を学び、日本のまちの保存や再生、そしてより豊かなまちなみの創造に向けて役立てて行きたいと思っています。
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matecosoiro · 11 years ago
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上州富岡駅に関するレクチャーのお知らせ
2014年5月10日(土)14:00~渋谷ヒカリエ9階にて、NPO法人GSデザイン会議・GS素材色彩分科会の主催により上州富岡駅をテーマとしたレクチャーが開催されます。
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講師は建築家TNA(武井誠氏・鍋島千恵氏)と構造設計家の小西泰孝氏です。素材色彩研究会MATECOでは、今年3月に同駅の建設に携わられた煉瓦職人・高山登志彦氏に連続セミナーにご登壇頂いたご縁から、このセミナーを共催させて頂くこととなりました。
地方都市の新しい駅について。建築や土木、ランドスケープ、まち���くり、煉瓦というマテリアル…様々な分野に関わりがあるテーマですので、是非色々な方にご参加頂きたいと思います。
開催概要 ■日時 2014 年5 月10 日(土) 13:30 開場 14:00 開演 16:30 終了予定 ■会場 渋谷ヒカリエホール9 階Room1104 〒150-8510 渋谷区渋谷2-21-1 ■定員 50 名(先着順) ※4/26、定員になりましたので申込一旦締め切らせて頂きます。キャンセル待ち・立ち見でも可、という場合はお手数ですが以下連絡下さい。 ■参加費 GS デザイン会議会員:無料 非会員:1,000 円 ■参加申込・問い合わせ先 加藤 幸枝 gssozaishikisai(アットマーク)gmail.com GS デザイン会議正会員・GS 素材色彩分科会代表
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matecosoiro · 11 years ago
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mateco images
mateco的なimageをpostするtumblrサイトを立ち上げました。
http://matecoi.tumblr.com/
ご興味が御座いましたら、ご覧下さい。
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matecosoiro · 11 years ago
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MATECO 十人素色レポート【十人素色VOL.2 素材と色彩のリノベとイノベ その6】
建築家が考えるエネルギーの未来-建築家・蘆田暢人氏
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©ENERGY MEET
蘆田氏には建築以外の、もう一つの活動についてお話頂きました。ENERGY MEETというのは東京とバンコクを拠点に活動されているデザインユニットです。蘆田氏の他に日本人とイタリア人のパートナーがいらして、他にもバンコクでタイ人のスタッフが活動に参加されています。
今の時代、エネルギーは農業・産業・情報革命に次ぐ、“第四の革命”と言われているそうです。自然エネルギーの利用よってエネルギーと人が近づいてきている、という言葉からレクチャーが始まりました。
蘆田氏はエネルギーをつくる“もの”がまちの中に出てくるようになると、まちと人、あるいはまちとエネルギーを繋げるということのために、デザインという切り口が必要になると考えられたそうです。
ゆったりとしたBGMと共に、幾つかのプロジェクトが紹介されて行きました。
  ●ゼロ・インパクト・インフォメーション・ビルボード (ZIIB)
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©ENERGY MEET
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一つ目はバンコクのデザイン・フェスティバルに出展されたインスタレーションです。
それはゼロ・インパクト・インフォメーション・ビルボードというもので、イベントを開催する時にどうしても大量にゴミが出てしまう、あるいは電気も空調もものすごく使う、という側面がありますが、それを全く出さないでつくってみようというものでした。
仕組みは至ってシンプルでありながら、最先端のロボット工学の制御システムが使われています。300個のミルク用ペットボトルを使いそれを画面に仕立て、パソコン操作でメッセージを流すというもの。電力はソーラーパネルによる発電でまかなわれています。
終わった後ペットボトルはリサイクルし、フレームやソーラーパネルはタイの電気が無い村に寄贈され現在も使われています。これはシリーズ化されており、日本でも福島県のいわき市で実例があるそうです。
●Floating Energy Station (FloES)
次に紹介されたのは水に浮かぶエナジー・ステーションのプロトタイプです。タイは洪水の多い地域です。現地の方は多少の増水には慣れていて日常生活はそれなりに行えるのですが、近年はパソコンでメールが送信できない・スマートフォンの充電ができないのは困る、といった問題があるそうです。
そうした非常時にPCやスマートフォンの充電程度の電力をまかなえるもの、ということで開発されたのがFloESという組立式のエネルギー・ステーションです。
http://www.energymeet.org/E-09b.html
それはまるであめんぼうをロボットにしたようで、スマートなフォルムが印象的です。水にエネルギー・ステーションが浮かぶ姿は、人工衛星が宙に浮いているような姿とも重なります。機能に従った形が生物に近づいて行くということはエネルギーデザインの分野でも同じなのだな、ということを感じました。
●応用範囲の広い形状のデザイン
次に紹介されたのは国内のメーカーと協働で行われている、太陽光パネルの開発。太陽光パネルは四角くて大きいというものが主流ですが、これは六角形のセルで考えられています。そうすることによって曲面や球体にも対応でき、多様な組み合わせや形状のバリエーション等が検討されています。
それを応用したツリーハウスのプロジェクトも紹介されました。エネルギーを自給し森の中でちょっとした時間を過ごすための空間が設計されています。これも前途のFloESと同じようにとても有機的で、蜘蛛の巣のような姿が印象的でした。
●まちとエネルギー
お話は徐々に建築のスケールに移行していきます。長野県の小布施ではまちの中でエネルギーを考える、ということが試みられています。小布施の名産であるリンゴと栗の栽培の際、剪定して余った枝を持ち寄り、それを燃料として電気や熱をつくる、すなわち人が集まる場所をつくるというプロジェクトです。これは蘆田氏が建築家として設計に関わられています。
そのプロジェクトの元になったのが、2012年の6月にスタートし、現在も続いている小布施エネルギー会議というまちづくり会議です。ソーラーパネルをまちに設置するとしたらどこが望ましいのか、まちの中でどうやってエネルギーを使うかということを住民が自分たちで考えながら、エネルギーをつくって・使って行こうという試みが行われています。
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©MASATO ASHIDA
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©MASATO ASHIDA
http://greenz.jp/2013/01/09/obuse_energy/
  ●サービスを単位からデザインする
最後に大学の社会サービスの研究室と協働している、循環型の都市モデルを構築するというプロジェクトが紹介されました。
これまでのツリー型・スプロール型ではない、円環状に循環する都市モデルを構築するために、都市や社会基盤を道路や建物などのハードから計画するのではなく、様々な要素をあくまで人が行うサービスとして捉え、そこからまちを組み立てて行くということが検証されています。
例えば人が歩くのに苦にならない距離(あるいは味噌汁の冷めない距離など)として、300mという単位が出てきます。それ以外にも提供するサービスによってそれぞれ固有の提供範囲もある訳で、そうした単位からまちを組み立てて行くことができないかという試みです。
現在電気は遠くから運ぶために交流という形式が取られていますが、自然エネルギーが使えるということは近くでつくったものを近くで供給できる、直流型の都市モデルを構築できる、ということに繋がります。これは東南アジアを中心に考えてられているプロジェクトのご紹介でした。
  ●建築家とエネルギー
蘆田氏はエネルギーに関してはイノベーションが進んでいるが、そこにはリノベーションの観点も必要だ、とおっしゃられました。
どこかでつくられた電気を勝手に好きなだけ使うということではなく、昔の囲炉裏のようにエネルギーを中心にしてそこに人が集まったり、団らんがあったりという暮らしを実現できないか。エネルギーがそうした場をつくるためのコミュニケーションツールであるということを再認識し、今の技術を使ってこれからの都市に取り戻すことができないか、と考えられているそうです。
蘆田氏には今回、是非ENERGY MEETのお話をして下さい、ということを随分前から決めていて、建築のお話は同年11月に開催の連続セミナーでということにし、同時に二つのお願いを引き受けて頂きました(連続セミナーの模様はまた別途ご紹介していきます)。
2011年3月11日の東日本大震災では、建築や土木に関わる多くの専門家が創造に対しての非力を感じると共に、よりよい社会をという願いを込めて通常の業務や東北地方の復旧・復興に携わられていることと思います。蘆田氏との出逢いは翌年2012年の秋になりますが、その時建築家としての活動やENERGY MEETのお話を伺った際『建築家としてエネルギーのことだけは、どこか人任せだったということに気が付いた』ということをおっしゃられていたことが強く印象に残っています。
私達は目に見えないエネルギーを長く当たり前の存在として(湯水のごとく)使って来ましたが、ENERGY MEETの様々な活動はそうした目に見えない(とされてきた)エネルギーやその仕組みを身近なものにし、人の手や暮らしに返すための試みでもあると感じます。
今回のレクチャーは直接的に素材色彩研究会MATECOの活動との接点はないのでは、と感じる方も多いかも知れません。でも例えば今ある太陽光パネルを設置した屋根等にとってつけた感があると感じたり、自身の分野においては風力発電機の色をどうすればよいか(現況は白が多いですが、設置される地域によっては適さない場合もある)等の相談を受けたりします。そうした観点から見れば、まちとエネルギーというテーマは、まちの景色をつくる要素の一つであると思うのです。
蘆田氏には10分という短い時間の中、エネルギーという観点で様々なスケールのお話をして頂きました。そのどれもが私にとっては未知のものではありますが、ただもっと知りたい・知らなくては、という気持ちに駆られています。
建築家がエネルギーをデザインするということは、まちの未来をつくるということに大きな意味と可能性を持っているのだと考えています。
●レクチャラー紹介 蘆田暢人(あしだまさと)・建築家 1975年京都府生まれ。蘆田暢人建築設計事務所代表・ ENERGY MEET共同主宰・東北アーカイブ理事。 1998年京都大学工学部建築学科卒業、2001年京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。2001年~2011年、内藤廣建築設計事務所勤務の後、株式会社蘆田暢人建築設計事務所を設立。 ENERGY MEETではエネルギーと社会とデザインを結ぶ活動を、タイ在住の仲間と一緒に展開。長野県小布施町(おぶせちょう)では、人とエネルギーを結び付ける活動に参画、建築の設計を通して新しいエネルギーのデザインにも取り組んでいる。
●レポート執筆担当 加藤幸枝(かとうゆきえ)・色彩計画家 1968年横須賀市生まれ。カラープランニングコーポレーションCLIMAT取締役。 1990年武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒後、日本における環境色彩計画の第一人者、吉田愼悟氏に師事。トータルな色彩調和の取れた空間・環境づくりを目標に、建築・ランドスケープ・土木・照明等をつなぐ環境色彩デザインを専門としている。 2012年2月、素材色彩研究会MATECOを設立、マテリアルディレクター・田村柚香里氏と共に代表を務める。
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matecosoiro · 11 years ago
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素材色彩研究会MATECO連続セミナー『都市・まちの素材と色彩04』 開催のお知らせ
連続セミナー第四回はゲストに煉瓦職人の高山登志彦氏、聞き手にマテリアルディレクターの田村柚香里氏を���迎えし、『時を見方にする素材  煉瓦のこれまでとこれから』というテーマでお話頂きます。
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煉瓦は積む、タイルは貼る。構造としての強度を持たせることが可能な煉瓦は、明治期以後、貼り煉瓦から煉瓦タイルへと姿や名を変えながら、現在数多く目にするようになったタイルの普及へ繋がりました。
原料の土から考えると、マテリアル自体の寿命は私達よりもはるかに長く、100年以上前に日本で製造された煉瓦が使用され、今なお現存する建造物もあります。素朴かつ強度のある煉瓦というマテリアルのこれまでとこれからについて、職人とマテリアル・デザインの専門家のお話から、次代の可能性を探求してみたいと思います。
皆様お誘い合わせの上、是非ご参加下さい。
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【素材色彩研究会MATECO連続セミナー】 『都市・まちの素材と色彩04』
【ゲストのご紹介】 次回3月8日(土)の連続セミナーにゲストとしてお越しいただく煉瓦職人の高山登志彦氏は、これまでに「風の丘斎場」(槇文彦総合計画事務所設計)や「豊橋芸術劇場」(香山壽夫建築研究所設計)等、名煉瓦建築に携わられてきました。 煉瓦職人の3代目として若手職人の育成にも力を入れながら、日本各地の現場を飛び回り、また、知識と技術を高めるために幾度となく海外へ視察に行かれ、煉瓦の持つ可能性を常に探求されています。 人の目のゆがみを想定し、髪の毛一本分の補正を繰り返しながら煉瓦を積んでいくという、圧倒的な職人感覚をお持ちの高山氏から、今回は煉瓦という素材の歴史や魅力についてお話しを伺いたいと思います。 気鋭の煉瓦職人 高山氏のお話を、どうぞお楽しみに。
煉瓦職人 高山 登志彦氏(たかやまとしひこ) 1968 年生まれ。東京ブリック社所属。 三代目彦八郎の名のもと、祖父の代から日本の煉瓦建築の現場に携わる。 主な仕事に風の丘斎場(槇文彦総合計画事務所:大分県中津市)/豊橋芸術劇場(香山壽夫建築研究所:愛知県豊橋市)/信濃町煉瓦館(清水建設 大山尚男:東京都)/晴海トリトンスクエア(東京都)/光世証券兜町ビル(永田・北野建築研究所:東京都)等。先代の代表作にホテル川久(永田・北野建築研究所:和歌山県)等。 聞き手:マテリアルディレクター 田村柚香里氏 ●テーマ『時を見方にする素材 煉瓦のこれまでとこれから』 ●日時:2014年3月8日(土)13:30開場 14:00開演 17:30終了予定 ●場所:GS Knot(〒113-0033 東京都文京区本郷 6-16-3 幸伸ビル B1F)
GS Knot website
●お申込み
Facebookイベントページ、またはe-mailよりお申し込み下さい。
・Facebook イベントページ
https://www.facebook.com/events/234326923422134/?ref_dashboard_filter=upcoming ・e-mail e-mailでお申し込みの場合、お名前(ふりがな)・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。 100mateco(アットマーク)gmail.com ●定員 先着45名 ●参加費 1,000円(ワンドリンクつき) ●次回 第五回(2014年4月下旬・予定) ゲスト:岡安泉(照明デザイナー)× 聞き手:調整中 このセミナーは素材色彩研究会MATECOが企画・主催している、都市・まちの素材と色彩をテーマとした連続セミナーです。 世界の様々な都市の地域性豊かな素材・色彩について、現地に渡航・滞在経験のある方々にご紹介頂くことの他、それぞれの分野に係わりのある素材や色彩が、その地でつくりあげられてきや景色の成り立ちを紐解いて行きたいと考えています。 その地域特有の景色の生成に大きく影響を与えている素材や色彩、独自の工法等にフューチャーすることにより、素材と色彩の関係性やそれぞれが持つ構造を探り出したいと思います。またその地域ならではの素材と、その地理的環境や状況における素材や色彩の使われ方を学び、日本のまちの保存や再生、そしてより豊かなまちなみの創造に向けて役立てて行きたいと思っています。
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matecosoiro · 11 years ago
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MATECO 十人素色レポート【十人素色Vol.2 素材と色彩のリノベとイノベ その5】
“光”が紡ぎだす空間-菊地宏氏
0.はじめに 十人素色のアンカーとしてプレゼンテーションして頂いたのは、建築家・菊地宏氏。実際にお話を伺うのが初めてで、恥ずかしながら氏に対する事前知識は、“SANAA”と“H&deM”出身の最近有名な若手建築家といった程度のものだった。10分という限られた時間内でのプレゼンテーションであったことを前提に失礼を承知で申し上げると、第一印象は“とても感覚的な人”だなということであった。
一方で、前回・今回の十人素色の中で最���気になっていたレクチャラーでもあった。このレポートは、十人素色当日の菊地氏のプレゼンテーションの内容を踏まえながらも、自身が菊地氏の著書を拝読し、“光”や“色”と“空間”といったことについて考え、思考したことを骨格に記述したものである。
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1. 色と空間 “光”と“色”と“空間”といったキーワードで、まず一番始めに頭に浮かぶのは間違いなくメキシコの建築家ルイス・バラガン(1902-1988)ではないだろうか。インターナショナルスタイルにメキシコの特徴的な太陽の光とカラフルな色、水といった土着的な要素を合わせた建築がよく知られている。 氏が、バラガン建築の影響を受けているか否かは分からないが、その着想の根源はとても近いように感じた。
一方で、氏の「色がわからなかった、白色の呪縛」の時代から「色が見えた日」のエピソードがとても興味深い。プレゼンテーションや著書の中で語られた、日本の建築教育や現代建築における思考停止状態から、欧州スイスでの生活や旅の体験を通じて色(光)に対する感覚が研ぎすまされていったことが想像される。(※詳しくは、菊地氏の著書『バッソコンティヌオ-空間を支配する旋律』を参照されたい。)
「色の追求は、自然の理解なくしてはできないと思っている。」という氏の言葉にも表されているように、自然に対する鋭い洞察力が、両者の建築における色彩(光)の方法論の根底にはあるのだろう。余談であるが、「色が見える」ということが、洞察力と経験に基づいた後天的なものであるという事実は建築や土木の学生や若手設計者にとっては勇気づけられるエピソードである。
2.色に対する思考停止 “白”という色は��近代建築においては絶対的な価値や信頼を置かれてきた。それは、概念や理念先行型の建築指向の強い我が国においては、建築を抽象化をすすめて世界に出ていくためには、消去法的に考えれば「白」は特に受け入れやすいものであっただろうし、20世紀後半の「化学革命(※)」による素材に対する感性の弱体化もそれを多いに助長したことであろう。
同時に、教育の現場において色彩の体系的な講義が行われてこなかったことも原因の一つであろう。 (※建築の白については、MATECO代表の加藤氏の論考を参照願いたい。)
また一方で、土木の世界では景観法を法的根拠として、各地で景観計画が策定され、守るべき色彩の範囲がマンセル値で定められていった。実務者としての自身の感覚ではあるが、提示される色彩範囲にさえ則りさえすればよいといった思考停止、あるべき論ではなく無難な色しか選択できないなどといった弊害も出てきているように感じる。
特に、景観に配慮した防護柵整備ガイドラインにおいては、景観配慮色という枠組みの中でいくつかの色が指定され、全国一律に右にならえで広がりつつある。これらの功績は大きいものの、色彩に対する新たな思考停止状態を創り出している側面もある。
では、どうしたらこの思考停止状態を抜け出せるのか。そのヒントが菊地氏のプレゼンテーションや著書にはあった。
3.“色”⇒“光” 基本的な事項ではあるが、色は光が物体によって反射され、我々の目に届き、脳で認識されることにより初めて理解できる“現象”である。この当たり前のことが、思考停止状態になると抜け落ちてしまいがちになる。氏の言葉で「白色の呪縛からの脱却は、空(くう)と光を分けること」というものがあった。 ここにイノベーションの可能性を感じた。つまり、色を単に従うべき基準として表面的に捉えるのではなく現象として理解し、その誘発因子である“光”と創造すべき空間の関係性を整理していくことである。
4.氏の事例を通じて 4.1  色(光)が紡ぐ「内」と「外」の関係(プリズミックギャラリーほか) 青山にあるプリズミックギャラリーでは、床を真っ赤な絨毯として、窓から見える青山霊園の「緑」とのコントラストで内と外の関係性を紡いでいる。実際に自身も訪れたことがあるが、とても印象的な体験である。さほど広くはないギャラリー空間ではあるが、窓一面の眼前に広がる青山霊園と室内の空間が繋がりダイナミックな空間体験となる。
4.2 方角と色(光)の関係性(松原ハウス、大泉の家ほか) 方角によって空間が受け取る光の質は変わる、そう氏はスイスで誰かから教えてもらったらしい。言われてみれば誰もが納得するところであるが、氏はこのことに着目している。松原ハウスの北面の壁面は、彩度の高い臙脂色の外壁としたが周辺住民からの意見は全くなかったという。
南側壁面とは受け取る光の質が異なり、それほど北側壁面では色が際立ってこないという。勿論それだけではない、そこには臙脂色の壁と外構の樹々の緑との関係もあった。同様に、大泉の家を事例として内壁が受ける光についても氏は語った。
この線路沿いの大きくはない大泉の家においても、氏は色々な試みを行っている。東や北に面する部屋の壁では受け取る光は青く、南は黄色、西は赤い。このことに着目して、大泉の家では光の取り入れる窓の面する方角に応じて、壁面に効果的に色を施している。
同時に、氏はここでは単色のみならず、複数の色同���の関係性にも言及し、隣り合い重なり合う壁面に補色関係を用いたり、色の浮き沈みの調整色を用いたりすることで、音楽における和音のように空間の中でのハーモニーをつくっていきたいという夢を語られた。
4.3 モノフォニーではなくポリフォニー(松原ハウス、大泉の家ほか) 氏はプレゼンテーションの最後に、床や壁に施した色が白い壁に色が転色して濁った色が現れる、と語られた。質問残しのような形で、10分のプレゼンテーションが終了し、気になったので会後の懇親会でそのことについて伺った。
SANNAでは、とことん抽象的な表現に拘って、床の色が壁に転色するのすら気をつかって床を白に塗っていたという。その経験もあってか、転色による濁りをコントロールするために白ではなく、壁に若干の色をつけるのだという。 前者が抽象化の極みのモノフォニー空間で、後者はポリフォニーのような深みのある空間になる可能性を秘めているのだと感じた。
5.光と空間 氏の著書の「Basso Continuo -Melody Ruling over Spcae-」とは、その土地その土地がもっている固有の光環境のことであろう。その土地ならではの光環境とそれと呼応した(活かした)空間のあり方を探ることで、豊かな空間を創造し得るということに他ならない。
我々現代人は昼夜を問わず同質的な人工光に囲まれ生きているためか、光というものにたいする感度が衰退してきているのではないだろうか。同時に技術の進展に伴い、我々設計者の設計行為もデジタルによる仮想空間内での営みに完全に取って代わられようとしている。
この仮想空間内では、実際の空間の光環境は捉え難い。デジタルによる設計行為を前提とした教育環境で育つ(育ってきた)設計者は、このことに意識的でなければならない。そうでなければ、本当に豊かな空間は創造し得ないのかもしれない。
建築における白の問題は、設計者の光環境の感受性の衰退にも一端があるのかもしれない。考えてみれば、建築と芸術が近接して存在してきたのは、光に対する感受性をどちらも高度に求められてきたからであろう。 ものや空間は光を受け、その反射した光が我々の目に届き、世界は認知される。
光が世界を認知する、創造する一つの大きなな手がかりなのだ。同様に考えれば、触覚、聴覚、嗅覚といった人間が持つ感覚が、豊かな空間の創造にとって重要であることは想像に難くない。
6.最後に 「感覚的な人だな」と感じたプレゼンテーションの後、氏の思考を丁寧に追っていくことで氏が試行錯誤されている方法論は、イノベーティブかつリノベーティブなものであることに気づかされた。 我々設計者は日々、自覚的に感覚を研ぎすまし、世界と向き合っていかなければならない、そう強く感じさせられたプレゼンテーションであった。
末筆となるが、登壇頂きとても示唆あるプレゼンテーションをして頂いた菊地宏氏、そして早くから菊地氏に興味を持たれて今回登壇の交渉をして頂いたMATECO代表加藤氏の両氏にお礼を申し上げ、筆をおきたいと思う。
●レクチャラー紹介 菊地宏 / HIROSHI KIKUCHI 1972年 東京都生まれ 1996年 東京理科大学工学部第一部建築学科卒業 1998年 同大学院 工学研究科建築学専攻 修了 1998年 妹島和世建築設計事務所、SANAA勤務 2000年 ヘルツォーク&ド・ムーロン建築事務所 2004年 菊地宏建築設計事務所 設立 現在、建築設計事務所の他、武蔵野美術大学准教授も務める。 代表作に、松原ハウス(東京建築士会住宅建築賞奨励賞、グッドデザイン賞2006)、大泉の家(東京建築士会住宅建築賞)、浜田山の集合住宅(グッドデザイン賞2009)などがある。
●レポート執筆担当 岡田裕司 / YUJI OKADA 1987年 埼玉県生まれ 2010年 早稲田大学 理工学部 卒業 2012年 同大学院 建設工学専攻(景観・デザイン)修了 2012年 株式会社オリエンタルコンサルタンツ  現在は同社都市デザイン部において公共空間の設計/計画に従事。 学生時代は人道橋の空間論について研究を行う傍ら、国内外の設計/計画のコンペやWSに参加。また、GROUNDSCAPE DESIGN youth代表(2010-2012)として「風景」をキーワードとして、 様々なイベントを企画・運営し、広く社会に対して情報発信を行う。
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matecosoiro · 11 years ago
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MATECO 十人素色レポ―ト【十人素色Vol.2 素材と色彩のリノベとイノベ その4】
昨日の夕飯、何を食べましたか?―風景と食設計室ホー
そう聞かれるとなかなか思い出せないな、ということが私にはよくあります。その一方で、忘れられない食の記憶もあります。旅先での食事、お祝い事で振る舞われた料理。所謂おふくろの味、というのもそのひとつでしょうか。 思い返してみると、こうした記憶は料理だけでなく、様々な時間や場所の記憶と共に思い起こされるような気がします。
一口に「食」といっても、それはただ物を食べるだけに留まらない体験であること。ホーのお二人の活動からは、まさに「総合的な体験」としての食の存在に気づかされます。前職ではランドスケープデザインをされていたお二人。レクチャー内でもこんな言葉がありました。
「今は食を媒体に表現していますが、表現に至る思想と過程はランドスケープデザインをしていたときとあまり変わらないと感じています。」
風景と食。そこから私たちが得られる体験とはどのようなものでしょうか。レクチャーにて語られた4つのプロジェクトのレポートを通じて伝えられればと思います。
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©TERUHIRO KATAOKA
<山と木と人と> このプロジェクトは「暮らしとアートとコノサキ計画」の���ログラムのひとつで、鳥取県智頭町に滞在し住民とともに作品制作が行われたものです。その中で��かつて林業が盛んであった同町のリサーチを行い、今は失われつつある人と山との関係、およびその風景を次の世代に伝えよう、という試みが行われました。そこで1本の木をテーマとして、その木を椅子や器など色々なものに利用して祭を行い、その中で木こりの話を伺うことを企画されました。このときは、祭が行われた森で採れた木の実や鹿を使った料理が振る舞われたそうです。
そこで見られた風景は、かつてそこにあったものとは違っていたかもしれません。しかし、その背景にあるものは昔から変わらない山と木と人との関係であることに気づかされます。その様子を記録した巻物や木のベンチは廃校の小学校で展示され、より多くの地域の方々と共有されている様子も、作品の一部となっています。
<醗酵する部屋> 大分県別府市で開催された「醗酵する部屋」は醗酵食品を展示し、会期中にこれを来場者に食べてもらいながら、その都度新しい食品を醗酵させていくという進行の過程も作品の一部である「生きている展示」です。食品の入った瓶には1時間ごとに印が足され、積み重なる時間そのものを感じさせます。会場内に置かれた砂時計は醗酵に使われる砂糖でできており、こちらも変化し続ける食品に詰め込まれた時間を象徴するものでした。レクチャー内でも語られた「時間を食べる」という表現。こうした食に対する新しい解釈に気づかされるプロジェクトでした。
<水:塩:砂 少しの魚と海藻> あるコンペに向けて提案されたこの作品は、砂浜にて、目の前の海でとれた魚や海藻を調理し、砂でできたテーブルで食べるというものでした。このテーブルは海岸線ギリギリに作られ、潮の動きによってやがて無くなります。テーブルが無くなると、横にその時々の潮の動きに合わせて新しいテーブルを作っていきます。レクチャーでは「その場であるもので全て行う」という言葉の通り、海と砂との間で循環する食と場の関係が示されていました。
また、潮の満ち引きは日の周期、月の周期で移り変わるものであり、そのような長く緩やかな時間の流れの中で日常的な行為が行われるということが象徴的に示されていました。
私は今回のレクチャーを通じて、「食べる」という行為が、とても大きなものに繋がっているのかもしれない、という予感を覚えました。しかし、実はこうした予感は新しいものではなく、日常的にしている様々な行為の中に隠れていたものなのかもしれません。
気分を変えて、お弁当をいつもと違う場所で食べてみる。特別な日、ちょっと気合を入れた料理を作ってみる。こうしたことは、ただ物を食べるだけではなく、その先にある特別な時間や空間への期待が表れているように思います。 さて、今日は何を食べましょうか。
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©TERUHIRO KATAOKA
●レクチャラー紹介 高岡友美/TOMOMI TAKAOKA 永森志希乃/SHIKINO NAGAMORI
遠くの風景と、ひとさじのスープ。 世界と、わたしの手のひらは、繋がっている。
料理は、変化する物質の行く先をほんの少し変えるように。 ランドスケープデザインは、帰り路を想像するように。
風景と食、それぞれの先を想像し、それぞれを繋げる。 日常的、それでいて特別な、時間と空間の経験として。
●レポート執筆担当 志田悠歩/YUHO SHIDA 1985年 東京都生まれ 2010年 芝浦工業大学大学院建設工学専攻(土木構造研究)卒業 2010年~ パシフィックコンサルタンツ株式会社 現在、交通基盤事業本部鉄道部にて主に鉄道橋梁設計を担当。 2013年~ 土木学会景観・デザイン委員会 景観・デザイン研究編集小委員会 委員
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