どらごんしりゅうさん右中心 みじかいおはなし。 みじかいぶんしょう。 しんぷるででぃーぷ、だといいなあ。 Σ(゜Д゜ノ)ノ
Don't wanna be here? Send us removal request.
Text
80☆花よりも桜
「桜でも見に行かないか?」と、誘ったみたが恋人の返事は少しつれない。 「この辺じゃ、もう終わってますよ。もう一ヶ月も前ですし」 「それは、─────すまなかったな」 約束したのだ。次に会う時は桜を見に行こうと。アレから何か月たったのだろうか?そもそも、当分は会えないことを想定して約束をするというのも、いかがなものなのだが。とはいえ、日本の国土は縦に長い。 「まだ、北の方ならいけるのでは?」 時計を見れば明け方には、まだ早い。車を走らせるには十分だ。 「ノープランですか?スマホで確かめもしないで?」 「イヤなのか?」 「否ではありませんが、その……」 口ごもる恋人に、察しのいい男は思い当たる。 「そうか、まだ学校か」 「それもそうなのだが、まあ、学校は自主休校という選択が形が取れなくもないので」 「いいかの?」 「誘ったのは、アナタでは?」 「では、他に問題が?」 「えーと、ですね」紫龍の声が吐息交じりになった。 「その一回だけ、ですか?」 「……………あっ、ああ」 休みをもぎ取れて、まっすぐ日本に来て、そのままキスをして、ハグをして、ベッドに雪崩こんだせいで、横たわっている紫龍の肢体には、なまめかしい花びらの痕が彩られていて─────、とりあえず、シュラは目の前の花を愛でることにした。
0 notes
Text
79☆-許せないこと
「シュラって、俺がすること何でも許してくれますよね」 「何でもでってことははないがな。ほぼほぼって所だ」 正直に答えると紫龍は折角、肩までかけ直したブランケットから跳ね起きてしまった。 「えっ?うそ」 「何だ?そんなに驚くことか?俺はそんなに甘い男ではないぞ」 「十分、甘いと思いますけど」 「どこがだ?」 「えー、終わった後、頭を撫でてくれるとか、お風呂に運んでくれるとか、水はすぐに用意してくれるし……」 「そんなのはフツーじゃないのか?」 「……そうなんですね」 ここで何故か溜息をつかれた。 「フツーって良く判らないんですけど、まあ、俺は嬉しいってことで」 「それは良かった。ほら」 起きたついでにパジャマを渡す。紫龍は、お世話をかけますと云って着替え始めた。上着のボタンを閉じてやると、何か云いたげな視線に気がついた。ふむ、こうゆうことだろうか? 紫龍はぽすんともう一度、ブランケットに収まると、話の続きを始めた。 「��っ、判りました」 「何がだ?」 「アナタが俺に許してくれないことです。ズバリ浮気では?」 自信満々に答える紫龍はとても可愛いが、全然、違う。 「うん?もしかして、そうゆう相手がいるのか?」 「えっ?シュラは俺がそんな男に見えるのか?」 「まあ、見えないが、弾みでうっかりということもあるじゃないか。どちらにしても、問題はないが」 「えっ?問題ないんですか?しちゃっても構わないんですか?」 「構わないとは云ってないぞ。ただ、知った後のSexはメチャクチャ燃えそうだなと。それは楽しみ……」 冷たい視線に気がついてシュラは軽口を止めた。 「心配するな。どちらにしても、相手は二度とお前の前に姿を現せないことになるがな」 それは”許してない”ということなのではと思ったが、紫龍は話を変えることにした。 「では、何です?許せないことって」 「何にしろ、お前は知らなくてすむことになるだろうな」 「そうですか。良かった」不意に紫龍が微笑んだ。プレゼントに綺麗な絵本を貰ったようなその幸せそのものの表情にシュラは胸騒を覚えた。経験上、紫龍が満ち足りた顔は碌でもないことを考えている場合が多い。 「良かったのか?」 はいと、紫龍は無邪気に頷いた。 「俺が知らなくてすむ理由なんて、一つくらいしか思いつきませんから。あれっ?違いますか?」 上目遣いで問いかける紫龍にシュラは努めて優しく語りかける。 「それがどうして良いのだ?」 「今度はアナタじゃなくて、俺がってことですから」 大事な事をぼかすのが、こにくたらしい。 「そうゆうお前は?」 「はい?」 「お前は何か無いのか?俺に、そのして欲しく無いこととか」 シュラとしては言葉を選んで紫龍に答えやすくしたつもりだったが、ムダな努力であった。 「何もないですよ。俺はアナタのモノですから。ですから、アナタは何をしてもいいのですから」 「そうゆう所だぞ」 「えっ?」
唇をこじ開けて、唇と唇が触れ、舌と舌を絡め合い、その先を求め合うことになった。着せたパジャマを脱がし、自分が付けた痕を辿る。許せない代わりにこのカラダをいたぶる。この子が止めてと懇願するまで、ただ貪った。足を大きく開かせて、真ん中刺し貫いた。何度も、何度も。泣いて、泣いて、許しを請うて、お願いと名前を呼んでくれるまで。
0 notes
Text
78☆-おまつり
てるてる坊主を下げて、浴衣も用意して、はだけると困るからHも厳��で望んだ夏祭り────町内会主催の近所の神社で楽しめるお祭りという縁日の当日、案の定というか、紫龍は小さくなっていた。カラダはコドモ(まあ、元からだが)頭脳は大人という奴だ。 「ごめんなさい」と、小さな紫龍はしゅんと項垂れている。 「うん、何がだ」 別に14才が6才になったからといって夏祭りなのだ。予定をキャンセルする理由は無い。それに────。 「想定はしていたから」 「えっ?」 あくまで、推測の域は出ないのだが、紫龍が”お子様”化する現象は、子供の時に出来なかったことをする時が多い。 「おまえ、夏祭り初めてだろ?」 「いえ、そうでもないぞ」 「あれ?」 「いちど、いったことがあるんだ。まあ、ゆかたじゃなかったけど。ちゃんと、おかねももらって……。でも、まいごにあっちゃって、そのこを、じむしょにつれて行ったりと、ばたばたしているうちに、かえるじかんがきてしまって……」 「ああ、成る程な。いつものビンボウくじ」 紫龍はそれに答えないで、 「だから、ふつうに、たのしんでみたいなって」 そうかと頷きながらシュラは用意していたモノを差し出した。それは浴衣だった。今の紫龍にぴったりサイズの白地に青い金魚が描かれたミニサイズの浴衣。 「じゃあ、これに着替えて」 「えっ?すごい、どうして?」 「それはお前のことを愛しているから」 要約すれば真実は一つだ。何度も云ってることなのに、小さな紫龍はぽっと顔を赤らめたのは一瞬だった。 「いや、こんなことはしているばあいではない。はやくいかなければ。このちいさなあしでは、じかんがかかるしな」 「そのことなら心配するな」 シュラは紫龍を持ち上げると、そのまま肩車した。 「これなら、平気だろう」 「すごい、シュラはまるで”まほうつかい”だな。どうしてわかったんだ?」 だって、ずっと云えなかった。一緒に祭りの事務所で待つ羽目になった迷子が迎えに来た父親に肩車して変える様がちょっと羨ましかったなんて。 「うん、何がだ?」と、自分を見上げる男に聞いても、答えはもう、知っているから。
「シュラ、だいすきです」と、小さな声で囁くだけにした。
---------
【おまつり】は気を抜くと、不穏になってしまう前科があるので、小さくなって貰うことにしたけど、やっぱりなって感じですね。ごめんなさい。
0 notes
Text
77☆-言葉パレット1-21
日本の夕立は昨今ではゲリラ豪雨と呼ばれているそうで、一応、傘は用意してあるが、到底防げるとは思えない。運良く博物館から出た所だったので、シュラと紫龍はそのまま併設のカフェに飛び込んだ。とはいえ、いつまでもアイスコーヒーとサンドイッチでで粘るわけにもいかない。 「走るか?」 「女神が怒りますよ」 「冗談だ」 「本当ですか?」 「そういえば、さっきのショップで長靴があったなあ。アートプリントされた奴。買うか?」 「イヤです」紫龍にしては珍しい即答。 「何故?いつも履いているだろう」 「それは、畑仕事とかです。なんか都会の真ん中では、流石にちょっと……」 「そのための、アートプリントじゃないのか?」 そうなのかなと、紫龍はちょっと考えてみたが、すぐにぷるぷると頭を震わせた。 「あの、長靴を履くのって、走ることを前提にしてませんか?」 「ばれたか」 もうと、むくれる紫龍も可愛いなとなんて思っていたら、急にくすりと微笑む。 「たまにはいいですよね。雨宿りも」 「そうか?俺はお前と何をしても楽しいけどな」 「シュラ、ちょっと恥ずかしいです」そう云いつつ頬を赤らめる紫龍がやっぱり可愛いから、もう少しだけ、硝子ごしの雨の中、二人きり。
---------
靴/ 傘 / 寄り道 で山羊龍 単にいちゃいちゃしているだけという。
0 notes
Text
76☆-言葉パレット1-20
朝市で紫龍を見かけた感想は、ああ、神聖衣持ちの子供も買い物するんだという、新たな発見だけであった。勿論、聖闘士である前に一応、【人間】であるのだから、考えてみなくても当たり前なのだが、自分と同じタイミングでというのが、ちょっと奇跡のようだと思った。が、幸いなことにシュラはそれを本人に云わずに済んだ。男に気がついた子供が会釈の後、ぱたぱたと近づいてきたのだ。 「こんにちは。シュラもお買い物ですか?」 「そりゃあ、【人間】だからな。生活維持に必要なモノがあれこれと。忙しくて出かける隙もなかったしな」 自分達のことは棚上げして、容赦なく任務に駆り立てる女神のせいだと、少し含ませたつもりであったが、紫龍には通じないようであった。 「そうですね。やっと落ち着きましたね」 「………そうだな」 冥界との聖戦が終局を迎え、ハーデスと平和条約を取り交わした女神が、どさくさにまぎれて、聖戦で死んだ者を地上に連れ帰り、聖域の、強いては地上の復興に尽力をこき使われるハメに陥っている────というの��口さがない同僚の弁。 シュラ自身といえば、アイオロス達と一緒に任務にいそしむ日が来るなんて、まるで日本でいう所の、盆と正月が一緒にきたという奴だろう。何より極めつけが紫龍が居た。生きて、動いていた。なんのてらいも、戸惑いもなく、自分に優しく微笑んでくれている。その屈託のない天使のような笑顔に、思ってもみなかったことが口から出てくる。 「紫龍、買い物は済んだか。終わっているなら、コーヒーでも飲んでいくか?」 すると、紫龍が初めて困った顔、可愛いのだが、をした。 「構いませんが、あの、コーヒーを飲んで何をするんですか?」 「何って、………そりゃあ、天気の話とかコーヒーの感想?」と、云う自分だって、時間つぶしと張り込み以外、飲食店なんぞに入ったことはない。 「うん?この後、予定があるのか?」 「いえ、俺、コーヒーの感想とか大したこと云えないですよ。あんまり飲んだことないですし」 どうやら、紫龍もカフェに誰かと入ったことは無いようである。 「お前も初めてなのか?」 「判りますか?修行していると、そうゆう所、縁遠くって。ということはシュラもですか?」 「まあな。じゃあ、初めて同士で入ってみるか。あそこにアフロディーテから教わったケーキの美味しい店が………」 「俺で良ければ」と、とびきりの笑顔を見せた紫龍のカラダが沈んだ。躓いたのだ。何にも無いアスファルトの上で。無論、転びはしなかった。とっさに男が支えたのだから。 「おい、大丈夫か?」 「はい、すみません。シュラ。それで、あの………ご迷惑をかけておいて、差し出がましいのですが、その、下ろして頂けませんか?」 「うん?どうして?」 抱えた拍子に、横抱きになっている。その拍子に荷物を派手に放り投げたから、卵は駄目になっているだろう。とはいえ、この体勢を容易に崩せるはずも無かった。 「又、転ぶと危ないだろう」 「聖闘士はそうそうそんな目に合いませんが」 「今、あったじゃないか」 シュラの正論故に、紫龍は少し頬を赤らめた。 「すみません。ちょっと、人混みは苦手で、その………」 「シブヤとか、もっとスゴイのでは?」 「渋谷なんて行かないですよ」 「紫龍はイイコだな」 だが、その賛辞に対して紫龍はますます顔を赤らめるだけであった。 「あの、顔が近いです。その………」 云われてみれば、胸元で抱き寄せている形になっていて、紫龍の品の良い顔立ちやら、すっきりとした眉、真っ黒な黒曜石のような瞳は切れ長で髪は艶やかで一本一本が細くてしっとりとしている。紫龍は同じ言葉を繰り返した。 「恥ずかしいです」 「だが、お前のような美しい男が傷つくのが耐えられん」 「別に美しくないので」 「そんなことはないぞ。云われたことないのか?」 「ともかく、下ろしていただけませんか?」 とりあえず、放り投げた荷物を回収しようとしてシュラは己の両腕が塞がっていること��改めて気がついた。 「ふむ、だったら………」 シュラは紫龍を肩に担ぎ直した。 「これなら、いいだろう」 この形態なら片手が自由になる。最適解と思いきや、ショーウィンドウに映る姿を見れば、映画かなんかで見る誘拐犯の姿と相違ない。正義の聖闘士として如何なものか? 「紫龍、大丈夫か?」 瞬間、自分で何を聞いたのか良く判らなくなってしまったが、今、花束のように抱えているのは、流石、自分が見込んだ男であった。 「うわー、高いですね」無邪気に喜んでいるので、シュラはこのまま聖域に連れて帰ることにした。 「おっと、コーヒー」 「良かったらお礼に煎れましょうか?お茶になりますが」 「お礼をされることは何もしてないが?」 「そう思って居るのはアナタだけだと思いますが。今だって助けて頂きましたし」 この程度と断言するのは簡単だった。だが、気が変わった。 「そうだな。では、チャイニーズティーをご馳走になろうか」 「はい、喜んで」 その途端、さっきまで軽くて小さくて鳥のように思って居たカラダが急に重くな��た。 「うん?何だ?聖衣でも着たのか?」 「シュラは面白いことを云いますね」 「そんなことは云われてたの初めてだぞ」 「そうですか」と、紫龍が笑う。 「やっぱりお前は可愛いな」 「シュラはやっぱり面白いですね」 ………このままでは、いつまでも平行線を辿ると、流石に容易に推測できた為、シュラは作戦を変更することにした。とりあえず、宮に戻ろう。それから、茶でも飲みながら、紫龍がどんなに可憐で美しく、愛らしく、それから、長い暗い夜空を彷徨っていた自分に初めてとって輝いた一番星であると、何度も語り聞かせよう。
そう決意を新たにしたシュラは、女神のお気に入りで、次代の聖闘士の要、義に厚いくせに美しくも可愛らしい龍星座の聖闘士を、所謂、山賊抱きで聖域に連れて帰るという危険を────これが、あれやこれや巻き起こる大騒動のまだ、ほんの第一章であることを、何より自分自身が根底から覆ってしまったことを、男はまだ知らずにいた。
---------
根底/アスファルト/挨拶
根底じゃなくて想定外だと思っていた。そのせいで、なんか、まとまってないような気がしないでもないけど、フッ、きのせいか。
そして、恐ろしいのは、この山羊、まだ自分が恋をしていることに気づいてないという。。。ふっ。
0 notes
Text
75☆-言葉パレット1-19
「後ろ姿を見かけたのだが、なんだか声を掛けそびれてな。何故なんだろうな」
いつものテラスの朝食を兼ねたミーティング。薔薇園の��が出したコーヒーは溜め息で覚ましている状態に、
「どうした?」と尋ねるのも莫迦らしいので、放っておいたのだが、最終的に根負けしたのは、魚座の聖闘士の方だった。勿論、真実は一つ。こみ上げてくる笑いが抑えきれないからだ。すると、怪訝な顔をする男に、仕方なく問いかけることにした。
「それで、シュラ。紫龍の側に誰が居たんだ?」
「女神と小僧たちだが………。うん?どうして、紫龍が一人じゃ無いって判ったんだ?」
そして、美貌の聖闘士は笑い過ぎて過呼吸を起こしてしまったという話は、オチも無ければ、どこが面白いのか皆目見当のつかないので、今、紫龍と二人きりの時間には全く相応しい話題とはとうてい思えない。なのに、どうしてか思い出したのは、黄金聖闘士の体を極上の椅子にしている紫龍の横顔があの時と違うからだ。
「うん、どうしました?」
あんまりしげしげ見ていたので、見ているだけだったので、読んでいた本を置いた紫龍が不思議そうな顔をしている。
「どうしたって?」
「何もしないから」
「何かされたいのか?」
「いえ、そうゆうわけでもなく……」と口ごもる紫龍が可愛くて、つい額と頬にキスをしてから、答えた。
「いや、お前、俺と居ると可愛いの顔をするな」
「ソレは心外なのだが」
男は可愛いと云われて喜ばないというのが、紫龍の持論だ。
「アナタだって上司や先輩から可愛いって云われたら面白くないのでは?」
「それは甘んじて受け止め、聞き流すというのが大人というのものだ。まだまだ、子供だな、紫龍」
「その子供に何をなさるんですか?」
そう男にもたれながら浮かべる笑みは、凛々しくなく、可愛くもなく、どこか女王のように婉然としていて、
「続きはどうする?ここでいい?それともベッド?」
唐突ですねと、少しねじ曲がっているくせに砂糖より甘い唇に始まりの合図。
---------
唇/砂糖/後ろ姿 まあ、単にいちゃいちゃしているだけなんですけど!
0 notes
Text
74☆-言葉パレット1-17
自分をソファに追い詰めた男に簡単に降伏したくなくて、紫龍は小さな声を上げた。 「あの、シュラ」 「何だ?」 「………眼鏡、新しいの買ったんですか?」 前に同じ体勢になった時、驚いて男の手を払いのけたつもりが、実際は眼鏡に当たり、落ちた拍子に壊れたつるをテープで直して応急処置をした。その跡が見当たらない。すると、男はちょっと意外そうな顔をする。 「ちゃんと覚えていたんだ」 「そんなの、忘れるはずがない」 「そうだな。お前が俺に傷を付けたんだからな。────ほら、ここ」 こ��かみ辺りを指さされ、気を取られた隙にキスをされた。唇を噛まれ、そのまま舌を入りこんでくる。 「あぅ、」 何度となく、口内をまさぐられているうちに、力が抜けていくのが判る。それでも、簡単に征服されるわけにはいかない。男としてのわずかなプライド。 「やぁ、ダメ、しゅら、ズルイ、おねがい、ですから」 「では、どうすればいい?」 いつだって答えを待っていてくれるくせに、シュラの長い指先が紫龍のシャツのボタンを外し、胸元の傷に男の唇が触れた。腕時計と眼鏡をローテーブルに置く音がやけに大きく響いた。 もう逃げられないと、覚悟を決めた紫龍に最後の通告。 「────本当にいいのか?」 そう聞いてくるズルイ男を離したくなくて、紫龍は自分から男の首に手を回した。
---------
時計/テープ/眼鏡 小道具ムリクリ出した感以上に、山羊!ほんとうにズルイなあ。
0 notes
Text
73☆-言葉パレット1-16
届けられた鉢には青い封筒の手紙が添えられていた。 「紫龍、何て書いてあったの?」 「ピンクのファレノプシスの花言葉は、アナタの愛してますって、ああ、この花、胡蝶蘭じゃないんだな、瞬」 「和名だと思うけど、えー、なんか重くない?フツー花束とかだよ。こんなの贈るの開店祝いとかじゃない?鉢植えだよ。世話とかめっちゃ大変そうじゃん」 「でも、手紙を読んだけど、窓際においといて、水を遣ればいいみたい」 「そうゆう意味じゃなくて、だって、アナタを愛してますなんて、花束くらいで丁度いいんじゃないかなあと?」 「でも、花束じゃきっと抱えられない位の持って来そうだから」 「あー、聞いたボクがアレだったね。割れ鍋に綴じ蓋って奴なんだね」 「うわ、なん���嬉しい」 「褒めてないから」
と、云いながらも、何だか楽しげに笑う紫龍のことは、枯れて葉っぱだけになった鉢植えを見る度に、思い出してしまう────残像。
---------
手紙/残像/花束
山羊龍で。 ファレノプシスを出したかったんだけど、素直に花束になってくれなくて、こんなことに。。。
0 notes
Text
72☆-言葉パレット1-15
シュラ、本物の恋ってなんだと思いますか?一戦終わった後のベッドの上で、シャワーも浴びずに聞いてくるので、冷蔵庫から取り出したミネラルウォター���渡し、「それは俺とお前のことではないか」想定される中で一番ベストの解答のつもりだったが、案の定、お気に召さなかったらしい。 「即答できないのが嘘ぽいですね」 「いきなり何を云い出すか面食らっただけだ」 嘘ではないが、紫龍は時々俺が本当は別の人物を愛している(それも絶対に想像したくない輩)という妄想に悩まされている。あくまで妄想で、故に証明する手立ては一つだけ、俺がどんなに愛しているかしかないので、その度にキスをして、頭を撫でて、その先に持ち込んでいたが、毎度毎度のことなので、────始めはちょっと頑なで、珍しく抵抗ぽいことをするのは押さえ込んでいるうちに蕩けだして、最終的にいつもより激しく求め合うというのは、悪くはないというか、むしろキライではないのだが、今回はちょっと戦法を変えてみることにした。 「もし、本当にそうだとしたらお前はどうしたい?」 すると、紫龍はちょっと困った顔をした。 「そうきましたか」 「お前が振ったんだろうが」 「まあ、そうなんですけど」隣に座った俺を無視して、枕を抱えこみ、うーんと唸っている。 「あー、そうですね。それは所謂、三角?四角関係ってことで、色々あるってことですよね。………まあ、ガンバリマス」 「頑張るって何をだ」 「アナタが恋人じゃなくなるのを。────大丈夫ですよ。俺はだいたい余ってましたから。独りは慣れているんです」 「そうか」 力強く頷く子供がどれだけ独りが寂しくて、ずっと誰か一人をおそらく、親と呼ばれる存在を待ちわびていて、もしかしたら、そんな大人への思慕を恋と勘違いしているかもしれなくても、まあ、お前ならばそれでいいやと割り切れ居るので、この想いはニセモノではないということだから、
────静かに涙する塗れた頬に唇に、口付けを。
---------
偽物/口付け/余り物
という不穏な単語ばかりの山羊龍はなし。
実は番号が飛んでますが、気にしないでください。
0 notes
Text
71☆-兄弟ではしないこと②
お前は瞬が弟じゃなかったら、俺とこんなことしないんだろうなと、さんざん色々出し切った後でぽつりと呟くのは反則じゃないかと思ったので、 「お前だって俺が瞬の兄じゃなかったら抱かれなかっただろ」 ────なんて絶対に云ってはいけないことを。ましてや、あの山羊のことを口に出そうものなら、 「どうせ泣くんだろうし」 「何故、そうなる?」胡乱な目で俺を見るから。説明するのも面倒なので、とりあえず口を塞ぐことにした。
──── ──── ────
なんで���こう薄ら暗い方に進むんでしょうね。
0 notes
Text
HushaByeDragon/ アフロディーテ編
「誰だ!」と、薔薇の茂みにあるベンチにさっと懐中電灯を照らせば、そこに居たのは小さな子供、いや幼児だった。 「………紫龍、キミは何をしているのかね?」 「すまない。アフロディーテ。すこし、かくまってほしいのだが」 円らな瞳で訴えかける紫龍は真剣そのものだった。妖精だ、天使だと誉めそやす同僚2の気持ちが判らなくもないが、アフロディーテは黄金聖闘士の中で一、二位を争うくらい常識を持ち合わせていた。故に、大人として、このいつも以上に小さな子供が真夜中にかくれんぼしている理由を問いただす義務があった。まあ、見れば察しはつくが。 「その、このからだだとシュラが、しんぱいするとおもって」 「真夜中に居なくなる方が、心臓に悪いと思うのだが。それにその姿は一晩、経てば治るというものでもないのだろう」 言葉に詰まった紫龍は困ったようにアフロディーテを見上げた。 「それは、わかってはいるが。でも、やっぱりこのすがたをみたら、シュラはまただって、あきれるし、できなくなたってかなしむだろうし」 「できないって、何が?」 「それは………」と、いつも以上に小さなカラダを小さくしている。 「紫龍」アフロディーテは小さな紫龍を撫でた。柔らかい花の香りがした。 「君はシュラがそんな器の小さな男だと思っているのかね?」 「いや、そんなことはないが、しかし」 「では大人しく宮の自分のベッドに戻るがいい。風邪でも引いたら、却ってシュラに迷惑を掛けることになる」 「俺はそんなにヨワムシではない」 どうやら、小さくなった紫龍がいつも以上にガンコで融通が利かなくて、しかも、デスマスクの云う所の脳味噌まで退化しているというのは本当だったらしい。原因は不明だが、気が済むまで幼児化していると、元に戻るので、この際、もう少しつきあっているかとアフロディーテは折衷案を出すことにした。 「では、シュラが迎えに来るまで一緒に居ようか。それともシュラは君が居ないことに気が付かなくて、朝まで眠りこけていると思うかい?」 「むう」 小さな紫龍はコツさえ掴めば御しやすいというのもデスマスクの云ったとおりだ。アフロディーテは紫龍をベンチの上に座らせると、自分も隣に並んだ。 「そうだ、ハーブティーでも飲むかい?温まるぞ」 「ありがとう、じゅんびばんたんだな」 「おっと、砂糖が無いって無いけど、平気かい?」 「だいじょうぶだ。みためはこどもだが、ずのうはおとなだからな」と、豪語していたくせに、水筒のカップに口を付けただけで、顔をしかめている。 「すまない、紫龍」 アフロディーテはクッキーを取り出した。 「これで、勘弁してくれ」 「きもちはうれしいのだが、よなかにあまいモノをたべると、むしばになるって、シュラがおこる」 「もう一度、歯を磨けば大丈夫だよ。シュラも居ないことだし」 「………むう、それもそうか」 ���つまるところ、子供に甘いお菓子は麻薬のようなもので、素直に手が伸ばされた。ぱくっと、一口、囓ると、笑顔が咲き誇る。 「おいしい。アフロディーテがつくったのか?」 「まあな。こっちはのチョコチップ入りだ。たまになら、真夜中に甘いモノもいいだろう?」 「そのとおりだな。それで?」と、幼子が急に真面目な顔になった。 「さしつかえなければ、おしえてほしいのだが、アナタは、こんなよなかになにをしていたんだ?」 「ふふ、私は張り込みだよ。時々、不埒モノが私の薔薇を盗みに来るのでな。何でも、私の薔薇を差し出して、恋を打ち明ければ百発百中で成功するという都市伝説が発動してしまったらしく、その恩恵に与りたい愚かな者が後を絶たなくてね。全く、聖闘士の正義はどうなっているんだ?」 「それはゆるせないな!アナタがいっしょうけんめいそだてているバラを!」 「そうだろう。しかも、この所、急に被害が拡大してな」 「?むう、むかしはなかったのか?」 大きく頷いて、はたと気がついた。 「確かに昔は無かったな。神通力が落ちたのかもしれん。ああ、そうゆうことか」「うん、なにがだ?」 「紫龍や女神のおかげかもしれないということだ。私が今の聖域の正義を語ることが出来るのはな」 「えっ?おれたちのせいなのか?」 「まあ、悪いことばかりではないな。私の薔薇が無断で手折られ、リア充が爆発する以外は。 そこか!」 アフロディーテは持っていた薔薇を投げつけたが、少し遅すぎたようだ。悲鳴と供に、数名の走り去る足音が聞こえた。今から追いかけても間に合わなくはないが、この小さな子供を一人にするのも気が引けた。ともかく今日は被害が無かったので、良しということにしておこう。 「すまない」見れば幼児が、ぺこりと頭を下げている。 「おれがいなければ、ふらちものをギタギタにできたのにな」 「いやいや、きみのおかげだ」と、アフロディーテは天使の頭をもう一度、撫でた。 「とりあえず、原因は解明できたからな」 「そうか?おれは、なにもしてないのだが」 「ふふ、紫龍はカワイイって良く云われるだろう」 「そんなヘンなコトをいうのは、シュラとムウくらいだ」 「キミも、すみにおけないねえ。それで?」 愛と美の女神の名前を持つ男は、このチャンスを逃さなかった。 「どうゆういきさつで、シュラと付き合うことになったのかね?」 「しらないのか?このまえのじゅうにきゅうのたたかいで………」 「いやいや、そうではないよ、紫龍」シュラから何度も聞かされた話を紫龍から聞くのは一興であるが、聞きたいことは別のことである。 「シュラの宮に入り浸っているだろう?そのきっかけは何だろうと思ってね。あの男のこと��から、跪いて、足にキスでもするのかと思ったから」 「いやいや、そんなおんなのこじゃないですし」 「そうゆう認識はあるんだね」 「それは、あのおとこがすぐに、おれをエスコートしたがるからな。やめてといっても、やめてくれないし」 「でも、まんざらじゃないんだろ」 紫龍の顔が再び赤くなった。 「それは、ヒミツにしてくれないか?」 「おやおや、どうしてだい」 「だって、すごくあまえているみたいじゃないか」 「では、代わりに教えてくれないか?最もヒミツにしたいなら、これ以上は詮索はしないが」 すると、紫龍の目が丸くなった。 「それは、そんなにふしぎなことなのだろうか?」 「えっ?」 「みんなに、イチイチきかれるからな」 「それで、何て答えているんだ?」 「うーん、ごそうぞうに、おまかせしますという、むてきなことばをならったからな」 「でも、良かったら私にだけは教えて貰えないかな」 紫龍はぶるんぶるんと首を振った。 「いいたいのは、やまやまのだが、アナタには、ぜったい、ぜったい、いってはいけないと。シュラが」 「成る程」アフロディーテは閃いてしまった。 「そう云えば、紫龍。キミは匿って欲しいと云っていたね。男に二言は無いね?では、奴に云っておこう。『あの事をばらされたく無かったら、紫龍をしばらく預からせて貰うぞ』と」 「うれしいが、それでは、アナタがわるものになってしまうのでは?」 アフロディーテは鮮やかに微笑んだ。 「そんな心配は無用だよ、紫龍。だって、これから、悪になるのだから」 「えっ?」 アフロディーテと女神の、リアル着せ替え人形遊びにねをあげた紫龍が、シュラに泣きながら迎えを頼んだのは、それから割とすぐのことであった。
──── ──── ──── ────
HushaByeDragon-より抜粋しました。
シュラが紫龍に薔薇を渡す話をしていたので、折角だから抜粋してみました。
って、実際には渡した所ではないんですけどね。うふふ。
0 notes
Text
70☆-兄弟ではしないこと
「Sexと殺しあいは兄弟はしないもんだと、瞬が云っていたのだが」と、紫龍が告げると一輝は怪訝そうな顔をする。 「それは又、随分とぶっそうなセレクトだな。何かあったのか?」 「あったというか」 うーん、この男は弟のこととなると、思考能力が低下するなと思いつつ、ラチがあかないので、自分の仮定を述べてみることにする。 「ばれているんじゃないか?」 「何が?」 「だから、俺とお前がSexしているの」 「お前、今、それを云うのか、って、ああ」と、一輝はうめき声を上げた。瞬に知られたくなかったのは、紫龍も同じことだが、全部、兄弟の分だけ一輝とは重みが違う。たぶん。 しばらく、天を仰いでいた男だが、漸く復活できたようであった。 「まあ、でも証拠を突きつけられたワケじゃないからな。なんか知ったら、乗り込んでくるだろうし」 「………そうか?」瞬がそんな判りやすい直情的な単純な愚かな子供には思えないのだが。 「まあ、��前がソレでいいのなら、俺は構わないが」 それよりも、すまなかったなと、頭をふかぶか下げるので、ああこれはいけないことなのかと思って、涙が出てきたが、男が珍しくぎゅっと抱きしめてくれたので、紫龍は仕方ないなあと思うだけにした。
―――――――――――――――
一輝紫龍はこの位の距離感が好きなんだけど、タチの悪い兄さんだなあ。←ぼうよみ
0 notes
Text
69☆-シャワーを浴びたら②
シャワーを浴びたら、帰って良いぞというあまりの言葉に紫龍は一瞬、耳を疑う。酷薄な男だし、基本的に自分勝手であるが、オフィスで抵抗する自分をいつも以上に荒々しくその肢体を貪りおしまいのキスもない男に流石に絶句してしまう。ああと、従順な部下の困惑した表情に上司はやっと己のミスに気が付いた。 「仕方なかろう。お前とSex、オフィスでSexって唱えながら乗り切ったからな、クレーム処理」 「あんな神妙な顔をしてそんなことを考えていたんだですか?」 「悪いか?」開き直られると苦笑するしかない。それに紫龍だっていつになく性急に求められて、どうしようもなく乱れたのも事実である。とはいえ、 「たまにはいいだろう」というぶっそうな発言には 一歩間違えなくてもセクハラです」と、釘を指したが、こんな男には通じないようである。 「そうだな、今度はゆっくり攻めてるから、それで勘弁してくれ。足りなかっただろう?」 「そうゆうことにしておきます」額と頬に軽くキスをされ、思わず赤くなった顔を見られないように紫龍はそそくさとシャワー室に向かった。
――――――――――――
診断せんせいのお題一つで、色々書き殴ってみました。これはオフィスラブ編。(笑)
0 notes
Text
68☆-理由
「好きな人がいるんです」と、震える声で呟くお前に、 「そうか、奇遇だな。俺もだ」と、囁いて、お前をひどく、痛く、貫くのはこれがお前に聖剣を留めておくのに、必要な手段だから。だったら、これは愛などではなく、 ―――――恨まれた方がマシだ。 「シュラ、俺はアナタなら」だから、そんな言葉も要らないんだよ。
―――――― ―― ―― ――
小宇宙供給ってことで、不用意に、必然でえっちをさせてみたよ。
シュラは相変わらずですね。
0 notes
Text
67☆-オワラナイナツヤスミ
シャワーを浴びたら帰りますねと云ったら、シュラに思い切り怪訝な顔をされた。 「いや、だって、もう三日も帰ってませんし」 「連絡は入れているんだろう?」 「着替えもなくなりましたし」 「俺の貸しているじゃないか」 「大きいんです」 「妬けるか?それとも、着る度にドキドキしちゃう?」 もうと、赤く染まった顔が可愛いくて、キスが始まるから、また、帰りそびれる。 終わらない夏休みがまた、始まる。 --------------------------------- 多分、20回位、書いているなあ。 某さまからの萌の供給です。いつもありがとう(*^ー゚)この後、どこかに続くといいな。
0 notes
Text
66☆GA-神様、もう少しだけ
「紫龍、お前こそ次は自分の番って考えてないか?」 「まさか、氷河。そんな大それたこと」 ちょっと驚いた顔をしてみせると、ポーカーフェイスが売りのくせに露骨に安堵しているのが判る。 「すまない、心配をかけるな、氷河」と、深々と頭を下げるのは、きっとその時は言葉に出来ないだろうから。それに全部が噓というワケでは無い。 次では無く、今度こそ。―――――ああ、きっと、その時は言葉に出来ないだろうから。俺はお前を泣かせてばかりだ。でも、きっとこれが最後だから、もう少し、側に居させて。
―――――――――――――――――――――――
GAの氷河と紫龍は、お互いの感情と想いだけで、色々決められない所が、レディースのようですね。
0 notes
Text
65☆ずっと、ずっといつまでも
「アナタだって俺が聖闘士じゃなかったら要らないのでは」 「ああ、そうだな」と、答えれば案の定、傷ついた顔をする。その言葉はウソというより、少し正確さにかける。そもそも聖闘士で無かったら、お前と知り合うきっかけはないから問題外。そして、聖闘士で無くなったお前は俺だけのものと、安堵するのをお前は知らないし、教えるつもりもない。代わりに、ぎゅっと抱きしめる。この腕を戒めにする。 「シュラ、離して下さい」 「どうして?」 せめて、お前の涙が乾くまで。ずっと、ずっと、いつまでも。 ーーーーーーーーーーーー アハハ、さて、何番煎じでしょうか?
0 notes