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創作に関する長文の記録
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lains-posts · 1 year ago
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2年進級制作
2年はテンペラ技法に加えて大好きなレンブラントについての研究した。その集大成とな���課題だった。
油絵にマンネリ気味になっていたが古典技法を学ぶことで中1の頃に知った���を描く楽しさを思い出すことが出来たので技法に感謝と敬意を表せるような進級制作をしようと思った。そしてこの技法を用いて自らのスタイルで絵作りをするのは初めてなのでわくわくした。
ボスの「快楽の園」という祭壇画の表扉にある真っ暗な地球が今まで見た絵画の中でも特に美しく印象に残っていたので何となく旧約聖書で光がやどる前の地球を描こうと思った。
参考にした画家はボスのみで夢野久作の「瓶詰地獄」大好きなアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」など絵画よりは物語にインスパイアされ、ストーリーを可視化するようなイメージで作り上げていった。
そして人間が天国よりも謎に地獄の解像度が高いことについて魅力を感じていたので(地獄だけすごく細かく分類されてるし名称がある)私の考える地獄のビジュアルを練った。ボスの絵では宗教音楽以外を聞かされるという地獄や鳥頭の怪物に食われて排泄物として人間が出てくるというユニークな地獄描写がある。それに憧れて私も実践し、構図が出来上がった。
その結果男性の上半身のヌード資料が必要になり、8年間女子高育ちで男性の知り合いもいない私は死ぬほどビビりながら男性ヌードモデルの方と連絡をとり沢山資料を取らせて頂いた。相手のことを1ミリも知らないのに何故か上半身裸体の写真を大量に握っているという異質な関係になった。
定期を家に忘れたことに最寄りで気付き学校に行くことに萎え、しょうがないのでProcreateでラフを描いた。ラフが終わり次の工程に進みS100号にエマルジョン地を5〜6回ほど塗り(先生が作ってくださったエマルジョン地はすごく乾きやすかった。私はスタンドオイルを入れてたけれど先生はリンシードを入れたからなのかな?)でももう少しテカリが欲しかったなと思った。
そして1層目、レンブラントに習ってイエローオーカーで下地を塗った。ここで少し思ったのは私はもう少し暗い色味の下地の方がやりやすい。次からはそうしようと決めた。
下地が終わったあとカーボン紙に描いたデッサンを転写し、茶色で陰影を描き起こしたあと黒でグレーズした。
白で細かく描き起こす。私はかなり段取りを追いながら描かないと不安になってしまうタイプなので、というか前半の詰めの甘さから来るしわ寄せを対処する自信が無いのでとてもこの技法が合っている。そしてこの工程は1番重要だ。
だけれど制作期間が短い上、年末は冬休みになってしまうためどうしても冬休み前に急ピッチで進めなくてはならなかったのでもっと細かくやりたかったが課題なので妥協した。
白で書き起こした部分が乾き絵の具が動かなくなったら固有色をグレーズ。
赤を引き立たせられたのは良かったけどもっと何層にも分けてグレーズするべきだった。
古典技法特有の光沢のあるガラスからパネル奥の世界を覗くような美しさを出せなかったためこの工程も時間が無く理想とは程遠い形でタイムアップになってしまった……。
憧れの先生に「もっと描きこめたね」と言われ、その通りなので落ち込む気持ちと真っ直ぐ伝えてくださることに嬉しさを感じた。
制限時間を考えて次はもっと小さいパネルで綿密に描きこみたい。
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