Tumgik
kanekon-book · 8 years
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「夜の国のクーパー」伊坂幸太郎
自分たちが不利になった途端に不公平を言い出す人間ほど、不公平な者はいない。違うか?
相変わらず伊坂さんはセリフはカッコいいですね。設定も猫やネズミか喋ったり、仙台近くに謎の王国があったりと伊坂さんらしいお話。各登場人物の断片的な語りで初めはなかなか入り込めないけど、後半からの伏線が繋がっていく様は気持ちいいですね。
おもしろさ: ★★☆
夜の国のクーパー #Amazon
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kanekon-book · 8 years
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「廃工場のティンカーベル」永嶋恵美
馬鹿げている、と思う。いつか必ずやって来る別れの日のために、その悲しみを軽減するために、誰に対しても距離を置き続けるのは。 『廃線跡と眠る猫』より
人との距離の取り方は誰でも悩ましいですね。この本は6つの短編集で全て舞台は廃屋。人間関係で何かしら問題を抱える主人公たちが、廃屋での出来事をきっかけに前へ進み始めるストーリー。ありがちな内容だけど、朽ち果てた場所から希望が生まれるという対比がステキだと思いました。
おもしろさ: ★★☆
廃工場のティンカー・ベル #Amazon
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kanekon-book · 8 years
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「火星の話」小嶋陽太郎
人間の体には科学では解明できない特別な器官があって、それはたぶん胸のいちばん奥のところにある。胸にあるけど、心臓ではない。肺でもない。そういった内臓とは違うものである。形はない。しかし確実にある。 緑が日差しを遮る二人きりの境内で、僕はその、胸のいちばん奥にある形のない器官を人知れずぐーっと縮ませていた。
抜粋が長くなっちゃったけど、人は恋をしたり、悲しかったり、切なかったりすると胸が痛くなるのはどうしてなんでしょうね。この一節からもわかるように、この本は青春で恋愛なお話で、かつ不思議なお話でもあります。佐伯さんは本当に火星人なのか?主人公は火星に行ったのか?などいろいろ気になる点はあるけど…単純に登場人物たちの淡い恋愛模様を楽しんじゃうのが正解じゃないかな。
おもしろさ::★★☆
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