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円城塔「コード・ブッダ 機械仏教史縁起」(文藝春秋)
久しぶりに円城塔の本を読んだけど、やっぱり円城塔の小説を読んでる時だけ働く頭の回路ってあるよなー。こういう小説が書きたいと思っていたのを思い出す。なんとか付いていくので必死で、結局最後の最後に置いて行かれたような感じだったけど。
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伊藤邦武・山内志朗・中島孝博・納富信留責任編集「世界哲学史7」(ちくま新書)
ついに(本編は)あと1冊というところまで来た。全てが曖昧なまま……。かなり知ってる思想家の名前が出てくるようになったけど、どこまで身についてるんだろうか。しかしこの巻の6章、「数学と論理学の革命」は本当に何もわからんかった。
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戸部田誠「王者の挑戦 「少年ジャンプ+」の10年戦記」(集英社)
著者の本をずっと追ってるという理由で手に取ったので、話題に出てくる漫画を読んだこともなければジャンプ+をダウンロードしたこともない。そんな読者もほとんどいないだろう。
実際にジャンプ+がリリースされるまでで全体の半分弱が占められていることと、ジャンプ+のリリース後は1度のリニューアル失敗を除いてほとんど挫折がないままひたすら成功するので、試行錯誤や紆余曲折というよりは、ジャンプという巨大なブランドの中で編集者がどのように仕事をするかというところが大きいように思えた。マネタイズに特化した作りにしないことで成功するというのも、まずもってジャンプだからなんだよなたぶん。
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平岡直子「Ladies and」(左右社)
あくまで自分の感覚でしかないけど、短歌と比べても、下の句がない現代川柳という形式は、言葉の飛距離があるというか、スキージャンプのように飛び立ったまま見えなくなるようなイメージがある。
性交の株価で言えば売るあたり
コピー&ペーストされた歯磨き粉
11月はずいぶん長い縞模様
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ちくま日本文学を全部読む:036 織田作之助
織田作之助ははじめて読んだ。ずっと思うけど、20年以上途絶えることなく本を読んでいるのに、なんでこんなにも何も読んでないんだろう。で、実際数字で測るようなことをすればどう見えるかはわからないんだけど、やたらスピードが早く思えた。どうなんだろう。書いてあることは、今の感覚からしてどう捉え直したらいいか迷うところもあるけど、個人的には特に「勧善懲悪」がおもしろかった。あと、経緯が色々あったようなのだけど、戦時中に書かれた作品に戦中感がほとんどなくてびっくりした。戦後のものは戦後感あるんだけど。
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「藤田嗣治 絵画と写真」(東京ステーションギャラリー)
写真に写り込んでいる絵画をその隣で見ることができたりするのはかなり面白い試みだと思った。あとやっぱアジェの写真好きだなー。自分で(趣味としてしっかり)写真を撮りたいとかあまり思ったことないけど、アジェみたいな写真なら撮りたい。
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「短歌研究 2025年7+8月号」(短歌研究社)
新人賞の結果発表。選評を読んで、ここまで一首一首を丁寧に読み解いていくんだな…と思ったけど、しかし票が割れた状態から(もちろん書き起こし上のことだけど)最後バタバタと決まっていくようで変なおかしみがあった。
それ以外だと工藤吹「Green light」が印象に残った。自分の作る短歌とは通じるところがほとんどないような連作だったけど、情景の切り取り方が、なんだろう? 情の話をしていても情が排除されているような感じすらする。
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宮内悠介「スペース金融道」(河出文庫)
結構思ってたのと違うテイストの作品集だった。どんなのを予想していたのかと言われると困るけど。読みやすさに引きずられてするする読んでるととんでもないところに連れて行かれる感じがして面白かった。しかし2016年に書かれた巻末の作品が、現状と符合しているように思ってしまうのと、この作品を楽しむために必要なレベルで��ら経済の知識がないのは大人としてどうなのか…。
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京極夏彦(訳)、東雅夫(編)「稲生物怪録」(角川ソフィア文庫)
稲生物怪録というのは色々とバージョンがあって、それを元にした創作もたくさんある。自分が初めて読んだのは稲垣足穂の作品だったので、三次もののけミュージアムに行くにあたって読んでおこうと思い手に取った。まず巻頭に絵物語があり、本人執筆とされているバージョンを京極夏彦が訳した(ほぼ翻案)ものが続き、最後に聞き書きとされているバージョンを東雅夫が訳したものが置かれている。当然表現が違うし、色々と細部が違っていてそこが読みどころでもあるのだけど、だいたい同じ話を3回いろんなバージョンで読む感じになるので興味がある人向けかもしれない。
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宮本常一記念館、三次もののけミュージアム、ひろしま美術館、広島県立美術館(25/6/22〜25/6/24)
6/22〜6/24にかけて、周防大島、三次、広島を旅行した。
宮本常一記念館: 1日目。自宅から公共交通機関利用でほぼ最速くらいのスケジュールで移動してたけど、周防大島に入ってから途中で帰りのバスがないことに気付く……(結局タクシーで途中まで戻った)。やっぱ免許ないと無理あるな! それはともかく、もうちょっと小さい施設の可能性もあると思ってたけど、1時間以上滞在、結構見応えのある展示だった。宮本常一の撮った数十年前の周防大島の各地の写真と、現在の写真が並べられている展示が印象に残った。
三次もののけミュージアム: 2日目。広島から直で通じる高速バスに乗るためにこの日も6時半起きとかで、開館直後に入る。事前にそんなに大きくないとは聞いてたけど全体で1時間半くらいかな、結構満足した。妖怪の展示自体はコンパクトなので、それなりにスペースが割かれている稲生物怪録に興味がないと物足りないところのはある気がする。今回の特集展示(「幻獣」)すごい良かったな。できた時からずっと気になってたところなので、やっと行けてよかった。
ひろしま美術館: 3日目。展示替えの時期ということで常設展だけで、思ってたよりコンパクトな美術館だったけど印象派から戦前くらいまでの西洋画がざっくり見れてよかった。シスレーとスーラ見れた(好き)。
広島県立美術館: 3日目。こちらも常設展だけ。広島の作家と1920〜30年代の作品、工芸を重点的に収集しているらしく、特に工芸はほとんど見たことがなかったので面白かった。縮景園に特に前知識なく入ったら広くてびっくりした。
なんか今回の旅行は突然気分が落ち込んだりすることが多かった……目の前のことから一時的に解放されることで逆に目を背けてきたことが現れてくるというか。もちろん行って良かったけど。しかし相変わらず効率の悪い旅行をしてるな……。
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宮本常一「忘れられた日本人」(岩波文庫)
ちくま日本文学に採録されていたぶん以外のところを読んだ。だいたい3分の2くらい。やっぱり派手なところが採られているのか、ちょっと地味目のパートが残っている印象だけどやはり読み応えはある。立場・住処はバラバラだけど、確かに自分の人生を生きた市井の老人の生涯が綴られているので、彼らと比べて自分の人生はどうなのだろうとか、そんなことばかり考えてしまう……。
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ちくま日本文学を全部読む:034 寺田寅彦
寺田寅彦は「科学歳時記」だけ読んだことがあって、重複もいくつかあった。普段何気なく見逃しがちな様態を、科学的な視点から再検討するようなエッセイが多いと思っていたが、このシリーズの編集だとそれだけではなく幅広い側面を知ることができて良い。ただ後半のいくつかのエッセイは自分には難しかった…。
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古泉迦十「崑崙奴」(星海社FICTIONS)
単行本500ページ超の厚さ、それほど馴染みのない舞台設定、複雑なプロット、特殊な漢字使いなどが揃いに揃っているにも関わらず一定以上のリーダビリティがあることがまず印象に残った。ミステリとしては実はそこまで新しいことをやっているわけでもないとは思うので、歴史ミステリ、歴史エンタメとしてしっかりしていることを評価すべきなのかとか。
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「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(2025年、渡辺一貴監督)
原作を読み返してから観たので、よくあの話からここまで膨らませたな!と感心するのが先に来る。原作はどちらかというと因果?の話だと思うんだけど、それを「運」の物語に定義しなおすことで、原作では傍観者だった岸辺露伴と物語の距離が一気に縮まっているのがすごい。俳優陣もそれぞれ良かったなあ。
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荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない(3)」(ジャンプコミックス)
取り返しがつかない話に一番恐怖を感じるので「ホットサマー・マーサ」がめちゃくちゃ怖かった。
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開高健、小玉武(編)「開高健ベスト・エッセイ」(ちくま文庫)
外出用にしてた本で、読み切るまで7、8ヶ月?くらいかかった。やっぱ文章に色気がある。で、その色気が人生やその思考と直接繋がっている感じがする。
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井口可奈「わるく思わないで」(現代短歌社)
生活と、その生活の裏面というかパラレルワールドというか、それらが二物衝突している?のか一首の中で重なり合っているのか。その姿を見つめているようにも見える歌たち。そういう歌は多いと思うけど、かなりそのカメラが近い、わけじゃないか、ピントが調節されているというか…。
ざわついたところで話すきみたちの声きこえない いつ殺される?
��根に乗るおどけたおじさんが消えても誰も探さなかった早春
好きでいてくれるなら好き 差別しないことが差別につながる映画
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