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あっちゃん
あっちゃん
私がバクチクを好きになったのは、小学生だった。当時好きだったイラストサイトでファンアートがあって。その人が「カインめっちゃいい」って書いてたから、早速ワンライフをレンタルして聞いたのが始まりだった。
インターネットの黎明期には色んなファンサイトがあって、バクチクのもたくさんあったなあ。ファンの人たちの情報漁ってどんどん好きになっていった。
���所のブックオフにカタログ(黒版)のビデオもあって、中学時代は家に来る友達みんなに見せてたよ。みんな引いてたな。
あっちゃん
高校時代にはライブにも行ったよ、十三階のツアー。お父さんと行ったよ。愛媛に来てくれてありがとう。
文化会館のライブで客席指定だったのに「ALIVE」でみんなが最前に駆け寄った波に飲まれて、私もあっちゃんの真ん前に行っちゃったんだよね。手を伸ばしたらあっちゃんの衣装を掴んじゃって…振りほどいたあっちゃんの顔いまでも覚えてる。あのときはごめんなさい。
その日、帰ったら飼っていたウサギが死んじゃって、夜中にベランダでタバコ吸いながら、楽しくて悲しい日ってあるんだなって思ったよ。
あっちゃん
その後くらいから30になるまでしばらくバクチクトレインは下車して。でも新譜が出る情報とか、今何やってるかとか、いつも気にしてた。東京にはバクチク好きな人多くて、よく飲み会で「好きなアルバム」の話になって。でも毎回答え出ないんだよ、その日の気分で変わるんだもん。
前の職場辞めようと思い始めた頃、SpotifyでFUTURE SONGがたまたま流れて「いやーバクチクやっぱかっけえな」ってなってね。また聞き始めたよ。パワハラ社長に辞職するの伝える日は独壇場Beauty聞きながら「ワインもタバコもバラもある。俺が笑ってみててやる」ってあっちゃんの言葉に勇気をもらったよ。
FISHTANKにも入ったんだよ。2020年5月。再乗車したよ。バクチクトレイン。
あっちゃん
彼氏も好きになってくれてね、35周年の横アリ一緒に行ったよ。周辺が真っ黒な人たちで溢れかえってたのすごい光景だった。嬉しかった。悪の華もNew Worldも最高だった。好きな人と一緒に楽しめて、何もかも最高だった。
群馬に花壇も見に行ったよ。今井商店も行ったよ。ここにみんなで居たんだね。
あっちゃん
19日はTwitterで「救急搬送された」って見て、びっくりしたけど、またお腹悪くしちゃったかなって思ってたんだよね。次の日にゆうたがブログ休むとか野球イベント中止とかでザワついてるの見て、彼氏と「そんなわけないよね」ってお酒飲んでたよ。あっちゃん、もういなかったんだ。いなかったんだね。
そうか、あっちゃん、死んじゃったんだ。
あっちゃん、いないんだね。
あっちゃん、あっちゃん、つらいです。
あなたを知ってる人生のほうがよっぽど長くて、あっちゃん、あなたがいない世界で、私どうやって生きてたんだろうね。
あの頃の、私の孤独を、私の希死念慮を、私のどうしようもなさを、全て掬いとってくれた。
生きることの素晴らしさを、生きていることの尊さを、一生懸命歌ってくれた。
なんでもう会えないんだろう?
あっちゃん、痛くなかったかな。あっちゃん、苦しくなかったかな。
あっちゃん。あっちゃん。あっちゃん。
大好きです。大好きで大好きで、こんなのないよ。
体がちぎれて、心が破れて、つらいです。
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みえていますか
よく晴れた冬の日にあの人は逝ってしまった。
鈴みたいな声で、子供のままの体と心で、逝ってしまった。
私の声、知っててくれていましたか。
私の温度、感じてくれていましたか。
あなたが怒ったり、笑ったり、歌ったり、そのひとつひとつが私の支えでした。少しは気づいてくれていましたか。
確かめようもないことを、こんなくだらない感情の押し付けを、あなたは許してくれる気がして、こうしてここに気持ちを書き綴っています。
あなたの左手の小指、爪がいつも欠けていました。私の右腕をあなたが握るとき、この世でたった二人のような、この世で生まれたときからあなたといたような、そんな気がしていました。
あなたを見送ったあの日、もう二度と会えないだろうと気づいていました。
とりとめのない感情でごめんなさい、でもやっと今泣けています。
たった一人で、知らない声ばかりの中、本当に本当に大変だったと思います。
光と影だけの世界で、もしもあなたが、私の影を少しでも感じてくれていたなら、私はそれだけで報われます。
ねえ、幸枝ちゃん、大好きです。寂しくて寂しくて仕方ありません。大好きだったんです。
あなたに出会えて幸せだった私、そこから見えていますか。
これからも見ていてくれますか。
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しりぞきますか
私にとって、小籔千豊という芸人は、肋がすぐに折れるチンピラであり、シスターであり、予定調和だけで充分だと思っていたヤマキの幕の中をハイカラに変えてしまったスーパースターであり、フォートナイト下手くそおじさんである。
小学校高学年、土曜の半ドン、集団下校、だれもいない家で食べるサッポロ塩ラーメン。やかんに水を入れコンロに火を点け、あわただしくテレビの電源を入れる。「ほんわかぱっぱー」と聞きなれたジングルが鳴る。
池野めだかの「保安官のロバートです」、竜じいの「おじゃましまんにゃわ」、内場勝則の「いーーーーーっ」、花月うどんの暖簾に安定感と笑顔を得て、幼い休日が始まる。
そして、ある土曜日、颯爽と現れた顔の長い兄ちゃんは、およそ「新喜劇の役者なのか?」と疑問を持ちたくなるほど、不穏な顔つきで、猫背で、ペラペラの身体でこう言った。
「殺人、強姦、強盗…以外はやってきとんねや…」「妹殴るとか」
((なんやこいつ、なんやこの顔。めっちゃいい、めっちゃおもろい!))
気付けばもう、小籔ワールドの虜になっていた。
その後、その兄ちゃんは新喜劇以外の番組に現れるようになる。芸人としてだけではなく芝居やモデルで、土曜日の12時以外にいつでも当たり前に見られるようになった頃、私は上京し新喜劇はおろかテレビからも興味を失っていた。私の興味はスマートフォンのなかにすっぽりと集約され、呑んだり吐いたりを繰り返し、気付けば25をすぎていた。
ある日、インスタグラムで見知った顔の長い兄ちゃんが、新喜劇の古株座員が若手座員の実家のグーグルマップを見て、どうのこうのと要らん意見をしている動画をアップしているのを見つける。
ひたすらに笑った。いいねボタンを押し、久しぶりに「ヤマキの幕」のことを思い出した。同時期、東京でよしもと新喜劇が放送されていることを知った。 土曜日にサッポロ塩ラーメンを作っていた子供は、深夜にべろべろで帰宅し半分寝たまま、よしもと新喜劇を見るようになった。
親友と疎遠になったり、結婚したり、離婚したり、過去の自分を切り捨て、呑んでも吐くことが少なくなった頃、顔の長い兄ちゃんの座長回はどんどん少なくなっていて、彼はYouTubeの中で銃を構えて1/100を目指すおじさんになっていた。
先に、恋人が夢中になった。私もどんどんそのゲームを好きになり、気付くとPS4を買い、長時間配信の時には投げ銭をして、コメントを読み上げられた瞬間は涙が出るほど興奮した。
彼は今年、よしもと新喜劇座長を退くことになった。ひとつの時代が終わることをとても悲しく思うけれど、残されたものが何かをしっかりと見届けたいと思っている。
小籔さん、いつもいつも、ハイグラ取ったときどうしたらいいか分からず、資材が無くなって落下するか、ストームで死んでしまいます。
小籔さん、私の「おもろい人が好き」という異性に対する結構なハードル設定は、あなたのせいだと思っています。
小籔さん、甥っ子や姪っ子が物心ついたときに「小籔座長回がやっぱ一番おもろいよな」と話すことを当たり前だと思っていました。
小籔さん、あなたが回さないヤマキの幕の中はどんな景色になるのでしょうか。
小籔さん、私の大好きなよしもと新喜劇を、こんなに素敵なものにしてくれて、本当にありがとう。
小籔さん、本当に、本当に、お疲れ様でした。
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まにあいますか
昨年暮れに父方のおばあちゃんが亡くなった。97歳の大往生だった。
夏頃から入院していた。そのことを誰も教えてくれなかったどころか、家族のLINEグループで父親から「ばあちゃん、元気です」なんてメッセージ付きで、酸素吸入器やら点滴やらの管まみれになったおばあちゃんの写メが送られてきて、初めて発覚した。全然元気やないやん、何言ってんのこいつ。と我が父親ながら呆れた。(遠方に住む子供に心配かけまいとした気持ちは分かるけど、けどさ)
亡くなった知らせが来たのは、神田沙也加が亡くなって、その両親が記者会見をした日だった。職場で帰ろうか迷っていると話すと、同僚が「記者会見のニュース見て思ったけど、きちんと納得したほうがいいよ。葬式にはそういう意味があるよ」と言われ、次の日の同じ時間には飛行機に乗っていた。
もともと小さいおばあちゃんは、ふたまわりくらい小さくなっていた。地味な人だったのに、最期の唇には真っピンクのリップが塗られていた。末期の水をとるたびに、脱���綿がピンクに染まって、なんだかカッケーなと思った。
おばあちゃんて、別に私のことを好きじゃなかったと思う。不思議な人で、可愛がるとか愛するみたいなのは自分の長男に対してだけで、あとの人には欠落してた様にも思う。
思い出すのは、2人で桜を見ながらお弁当を食べたこと。私のためだけにおばあちゃんが作ってくれて、私のためだけに見せてくれた桜があった。あの日、なんだかとても幸せだったことを覚えている。
3日ほど滞在して、東京に戻る飛行機に乗った。着陸が近くなると、東京上空が強風だと言い「シートベルト着用」と何度も機内アナウンスが流れた。強い揺れに注意しろと何度も機長は言った。
実際はほとんど揺れることもなく普通に着陸した。
なんとなく、おばあちゃんが助けてくれた気がした。私の中に初めておばあちゃんへの愛情が生まれて、おばあちゃんのために初めて泣いた。
とっても好きだった。本当に本当に大好きだった。
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すくえますか
ER全シーズン見終わった。
最後のエピソードはこれでもかってくらい旧レギュラー陣が出てきて、「終わるのか…」って絶望感じてたけど、最終話、とても粋だった。
チャップリンの 「人生は近くで見ると悲劇だが、 遠くから見れば喜劇だ」って言葉思い出す。
救えることと、報われることは、また別だったり。愛することと、憎むことは、同じことだったり。登場人物全員がとても愛おしかった。
本当に素晴らしい医療ドラマ。マイケル・クライトン、ありがとう・
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かわりますか
しむけんがこんなもんで死ぬわけないって思ってた。きっと1ヶ月もすれば、志村でナイトの冒頭で大悟と闘病生活について笑いながら話すんだろうって。
昨日は、ふとした瞬間に涙が出て、我慢できなくて、電車のなかで号泣してしまったりした。今もこれを書きながら涙が止まらない。
小さいころドリフもバカ殿もそこまで見てなかったけど、5年前くらいに仕事から帰宅してテレビ点けたらバカ殿やってて、志村けんのコントの質の変わらなさに大爆笑してから、やっぱり「この変なおじさんが好きだな」って思ったんでした。ちょうど離婚やら退職やらで、心が人生最大に荒んでたからよく覚えてる。変わらず、当たり前に居る芸人のすごさに救われた。
オザケンがこう歌ったとき、タモリは「生命の最大の肯定」と言ったというのが今に本当に良く分かる。
「 左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる 僕は思う! この瞬間は続くと! いつまでも 」
あなたのこと、そんな風に思ってたよ。あんまり当たり前だったから。生きていてこそ、なんだろうな
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たのしみますか
恋人と年に2回くらい「外でお弁当食べる日」を作ってて、その時は普段作らない揚げ物(主に唐揚げ)作るんだけど、それがすごい好き。特別なことしてる感じ。好きな気持ち溢れる。
姪が生まれて、甥がお兄ちゃんになったけど、2歳半だからか、あんまり意味分かってない感じが見てて良いなと思った。姪は指がえらく長くてびっくりした。
在宅勤務続きすぎて、通常勤務戻ったら身体が戻らなさそうで怖い。酒ばっか飲んでる。
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かたよりますか
最近、肉をほとんど食べない。近所のスーパーで魚ばかり買っているから、魚女とか妙なあだ名ついてないか心配。
安売りの時に買いためた豚肉と牛肉はもう3カ月以上冷凍庫に入っていて、どうも食べる気にならない。
そもそも母親が肉が苦手で、豚や鶏はまだ比較的食卓にあがったけれど、瀬戸内海に育ったおかげでおいしい魚ばっかり食べていたから余計に食指が動かないのかもしれない。おかげで焼肉屋なんて両手で数えるくらいしか行ったことがなかった。(ちなみに兄は高校生時代焼肉屋でバイトをしていて、その理由は「肉が食えるから」だった。不憫だ) 母親が牛肉が苦手な理由は「獣臭いから」らしいんだけど、最近実家に帰ったら牛肉とにんにくの芽炒めみたいなのが出てきてびっくりした。あまりお腹も空いてなかったし「あ~わたしそれいらんわ~」と言ったら「え?あんた肉嫌いなん?」と驚かれたもんだから「そうよ、獣臭いやろ」と返事したら「わかる~」ってギャルみたいに言われて、いやそもそもお前発信で始まってるから。肉が苦手なのはさ!と、あまりの天然っぷりに笑った。 しかし、「魚ばかり食べる」でググったりすると、汚染物質が溜まって実は体に良くないだの、老化が早くな���どうのこうのという記事を見かけて、もうそんなんやったら何しててもあかんやん、って辟易した。 みんなそんな不健康なんかな…煙草にしたってそうだけど、やれ、子供がいる家庭は部屋で吸うなとか、副流煙で発がん率がどうのとか、死んでみなきゃわかんねーよバーカっていっつも思う。昔JTのCMで「煙が当たった」とか言うナレーションがあって、いやもうそんなんヤクザの言い分やんけ。と、今だに思い出しただけでムカつく。 体に良いから、副流煙がないから、って理由で推奨された電子タバコも。それで死んだ人がいるってニュースもあって、人間の生きてるだけで本末転倒感に少しにやける。なんかもう命張ったコントって感じ。 私は今すぐに死ぬとしても、魚と酒とたばこと好きな男があれば万事OK。みんなも早く色々捨てなね。
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つづけますか
「いつからか作り手側にいた自分を忘れている…」
ってツイートしてるやつがいて、ここからの意見は私がそいつをクソ嫌ってるからっていう理由が一番なんですけど、書きますね。
私は今まで一度も自分を「つくる側」だなんて思ったことねえけど。てめえが我を通したいだけでひり出した排泄物に大義名分べっとり付けて、なに如何にもな顔してんの。
黙ってやり続けてろ、って感じ。
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さわりますか
その柔らかな膨らみが、この世の全てを受け入れ、穏やかなモンだから、僕は許されたと思って、針の飛んだレコードみたいに何度も何度も思考を行ったり来たりする。
あいするちきゅうにかえり、またうまれるために。
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さぼりますか
年末年始はほとんど恋人の部屋にいて、火曜日の仕事終わりに久々に帰宅した。休みの間は酒ばっかり飲んで、体調崩すぐらい飲んで、月曜は月曜で休みの気持ちが抜けずに恋人とまた飲んだ。火曜の朝にここ10年で何千回思ったか分からない「もう酒��んていらない」を繰り返し呟いた。
年末あたりからプライムビデオでグッド・ワイフ(シカゴ舞台のやつ)見てたんだけど、プライム対象じゃなくなっちゃって消沈。代わりにERが見れるようになってたもんだから、昨日は晩酌しながら見てた。気づけば1.8Lのワインを半分ほど飲んでしまい、時計は午前3時近く。年末前と同じ生活パターンに戻りつつあって絶望感を抱きながら就寝。
目覚めると起床予定から大幅に遅れてしまっていて、まあ急げば間に合うんだけど、もうめんどくせーってなっちゃって、有給残日数2.5日・覚悟のサボタージュ。
この罪悪感を少しだけでも減らしたいので、そろそろ資格の勉強でもしよう。
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ときめきますか
君は真っ黒なロングスカートを地下鉄の風に靡かせていた。私はひとり、市ヶ谷の喫茶店で「納屋を焼く」を読んでいた。「未来が分かる」と言ってコーヒーカップについた真っ赤な口紅を指で拭っている、青い顔の女はどこへ行ったんだろう。
冬の空気と一緒に飲み込む薄荷煙草。あの頃、大人に隠れてベランダで吸ってた薄荷煙草と同じ味がした。
郷愁
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おわれますか
「有志で飲みに行くんですが、いかがですか?」と特に仲良くもない別部署の子からメッセージが入る。もうすでに14人まで出席者が決まっていた。
てめーらと行ってもつまんねーのに行くかよバーカ、てか数合わせのためにしゃーなしで声かけてきとんちゃうわ。
という気持ちを抑えながら「予定があるので今回は辞退します」と返信した。
もうここ一年会社の飲み会というものは全て欠席している。 まじでクソつまんねえのが一番の理由ではあるが、さして美味くもねえイタリアンダイニングばっかだし、「全部会社の金なんだからさ、感謝してよ」なんて言ってくる社長を目の前に飲むのもクソクソクソッタレな時間にしかならないし、てかそもそもマジで話が面白いやつが居ない。そしてダメ押しで強制禁煙。そりゃ行かねーだろ。
所属していた会社の株主が変わって、代表が変わって、事務所住所が変わって、もう1年以上経つ。 この1年で10人以上居たメンバーは社長に嫌気が差して辞めていき、今ではもう3人だけ。 クソつまんねーのは、誰のせいでもなく、そこに未だ身を置く自分のせいだと分かりながら、惰性で日々を過ごして来ている。
もうこんなの終わりにしよう。絶対に5月で辞める。資格を4月中に確実に取る。絶対。
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しってますか
若い頃はいつもお金と時間がなくて、心はささくれだっていて、詰まらんことで笑ってる地元のヤンキーとかバカな女なんかに辟易していた。
でも君が「そうなりたい」とずっと願っていた世間の大人(と言われる人たち)はみんなクソ詰まんねえことを楽しいと思って生きてるよ。相変わらずびっくりするくらいお金も時間もないけど。マジで詰まんねえ1mmくらいの楽しみを薄く薄く延ばして息してる。だけど、クソ詰まんねえなってことに楽しさを見つけたら、案外、世界って悪くねえなって思ったりするよ。
ねえ、誰にも便乗しないでも、君はとても素敵なんだよ。知ってますか。
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あるきますか
日本橋から永代通りを抜けて皇居方面へ歩く。曇り空を突き刺すように伸びるビルになんの感慨もない。上京して10年近く経つものね。尖った気持ちを忘れたり、優しい気持ちを奪ったり、人と人の間を行き来しながらもう30になった。昼前のオフィス街は老若男女さまざまなスーツ姿が入り乱れるけど、特別グッとくる人がいない。誰も私のオトコに勝てない。 東京10年で得たものはなにかと聞かれたら、老いと体重と内臓を悪くしたこと、あとは大事なオトコが居るということ。 地に足ついてないって罵られたっていい、この先に悔いることがあってもいい、と歌った自分の成長しなさを笑いながら気づけば九段下。
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のみこみますか
真夏の熱帯夜、地元の商店街から一本ずれた道端で、私達はズルズルとサンダルを引きずりながら、飲み屋に向かっていた。当時の恋人とその仲間数名。
急に、仲間内の男の子に手を繋がれた。めちゃくちゃ驚いて声が出なくて、ドン引きした。恋人が気づいて「いやいや、お前なにやっとんねん」と笑いながらその男の子にツッコむまで、ずっと固まっていた。
「いや、なんかそういう雰囲気だと思って」と男の子が言うと、恋人も私も仲間も、ドッと笑った。
あの頃、みんな、自分たちって最高だ、と思っていた。
火花が散るような淀みない若さを、「なんとなく」を躊躇なく飲み込めるくらい空っぽな自分を、簡単に欲情出来る浅はかで軽薄な本能を、最高だと思っていた。
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