Tumgik
hadashi772 · 4 years
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私は何も欲しくないけれど、欲はある。
お金で買えない欲が、星の数ほどある。
遠い遠い星の光が見えたときに、心が溶ける。
心が溶けるその瞬間を夢見て、今日も眠る。
足の裏の皮が破けても、眠れる。
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hadashi772 · 4 years
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「ゲッシュタルトは崩壊、ときどき嘘」
渋谷の道を、手ぶらで歩いたのは初めてだった。荷物を背負わないだけで、こんなにも外の世界が軽く感じる。だけれど、気分が悪いから、店舗限定390円のクレープを食べようか迷った。迷って、そのお店の横の道を歩いた。目的地までただ歩く中に、光の粒が多過ぎる。夜は昼。昼は昼だった。目的地までにホテルが多く並び、あいだ、間でタバコを吸う人たちがいるのが見えた。
すれ違う人の中で、ある男がわたしを見た。わたしも男を見た。男は目だけを動かしていた。歩き方は何も変わらず、立ち止まりもしなかった。どんな服装をしていたか、黒っぽい感じだった。男は何も話さなかったけれど、わたしの視界に入った時から、わたしに何か言っていたようだった。すれ違う時、男は言った。言葉を話した。わたしは首を振った。何も言わなかった。そのまま歩き続けた。それから、振り返らずにいた。わたしは次第に、あの人が本当に男だったのかすらわからなくなった。男が、なんなのかすら曖昧になった。
目的地の映画館について、明日のチケットの予約をした。ネットで予約すればいいのに、ついでだからいいけど。わたしは手ぶらで道を歩いた。あるホテルの前で、高校の同級生に会った。久しぶりに会った彼女は言った。「クソ早漏おやじだった。その方がいいけど、クソおやじだった」わたしは「そんな言葉、人から聞いたの久しぶりだよ」と笑ったけれど、久しぶりなんてもんじゃ無かった。わたしはそうゆう言葉を彼女からか、漫画の中からしか聞いたことがなかった。
彼女と2人で駅まで歩いた。彼女はずっと話をしていた。近況のあいだに、クソおやじの話が時々挟まったけれど、それは次第に本当のクソ親父の話になっていた。
わたしは彼女の話を聞きながら、最悪だと思った。彼女が相、変わらずに愛おしかったから、好きだと思って。彼女が生きていることに安心して、彼女のように生きないと、生きた心地がしないような気がして、そんなふうに思うわたしを最悪だと思った。
目の前が、光だった。
歩いていたら、いつの間にかわたしは1人になった。
退屈そうなカラオケの店員さん、キャッチのバイトの男女。手を繋ぐ恋人たち。別れる3人の男たち。ユニクロの光が明るすぎて、くる時に地下から階段を上がってきた時のことを思い出した。もう暗い夜のはずなのに、ビルの照明の数が多くて、白と黄色っぽくて、昼間かと勘違いしたことだった。地上に片足を踏み込めば、そこはすっかりやっぱり、夜だった。
すれ違うひとたちが、すれ違う人でしかないことに、なんとなく耐えられなくなって、すれ違う人たちの顔に、自分の顔を当てはめた。すべて違和感があり、全てにしっくりきた。誰にでもなれると思った。
彼女みたいになれば、わたしは冬でも足を出して、彼みたいになれば、クランチバックを片手に颯爽と歩くようになって、彼みたいになれば、彼女のようであれば、誰にだもなれる。服装はある程度ジャンルがあって、数種類の系統があるだけだった。みんな同じに見えた。同じだった。同じ。
同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。同じ。違う。
ゲッシュタルト崩壊。
20201220、これは小説
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hadashi772 · 4 years
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生活
間引き
文脈
やる気
喪失と声
温もり
吐息
反吐
裸足
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hadashi772 · 4 years
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hadashi772 · 4 years
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毎日、行きたいところに行かない生き方してた。
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hadashi772 · 4 years
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hadashi772 · 4 years
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hadashi772 · 4 years
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二の腕が太くって、キャミソールが着れないと考えるほどに、私は幸せであるということ
20200904
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hadashi772 · 4 years
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意味のないこと
服についたカボチャの汚れ
まだ弾けないギター
スクロールされる譜面
いつもより下手になるうた
突然訪れるごきぶり
対峙するひとと
逃げる奴
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hadashi772 · 4 years
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今日、約2ヶ月ぶりに1人で電車に乗って出掛けた。
電車はすごい。駅のエスカレーターもトイレも、ホームも、誰のものでもなくて、誰のものでもある場所だった。
ずっと家にいて、しばらく街が稼働していることを画面越しにしか見ていなかった。
怖かったから。心配性のわたしは、なによりも怖さが勝ち、怖いことをなくすためなら、ほとんどのことを我慢できると思う。
だけど、去年知り合ったひとの展示に、どうしても行きたかった。分からないけれど、彼女とまた会いたいと思っていた。いつかまた会えると思っていたけれど、こんなことになり、いつかがいつ来るのかすら不確かになったから。
意識して気をつければ大丈夫だと、時間帯を探り、わたしは街へ出た。
電車内、窓は空いているのか、座席に座っても平気か、何分くらいの連続乗車は控えた方がいいのか、携帯には触れないほうがいいか、いろいろなことが頭をよぎる。女子高生が制服を着ている姿に、日々通っている人もいるのかと安心した。人と会って食事をしている人たちもいるのだから大丈夫だと思わせた。抑制された移動時間は窮屈で、こんなんだったら家にいればよかったとさえ思ったと同時に、以前のわたしのこの東京という、日本という街に対しての、気持ちの緩さを思い出した。
電車の外側のアルミニウムに触れたいとか
道路に寝転がりたいとか
満員電車で目の前にある誰かのリュックについてるキーホルダーのほわほわを触りたいとか
広告を全て剥がしてしまいたいとか
いつだって思っていた。
なんならほんとうは時々触っていた。それは社会的に迷惑なのかもしれないと思いながら、そこの境界線ぎりぎりにいれば、他人は対して気付きもしない程度のことであれば。
けれどやはり、多くを抑制していたのは自分自身の身のためではなく、社会という枠組みの中にある、してはいけないことを認識しているからである。それはみんなのルールとして、みんなが認識していて、そこにあることはなるべくしてはいけないから、わたしはしない選択をしていた。そして、その見えない形のないルールに、縛られていることを窮屈に感じていた。
だけど、いまは自分自身の身のためにそんなことはできない。普通にしたくなかった。
1ミリもしたいと思わなかった。
わたしはあの不自由な世界の中で、不覚にも自由に生きていたのだと気づく。
その感情を抱くこと自体は許されていた。自分自身にも社会的にも。
でも、いまは自分自身すらもその感情を許さない。許さないなんて言い方は少し違うかもしれないけど、怖さをなくそうとするわたし自身の強いエネルギーが、やはり許してはいないのである。
好奇心が衝動が、恐怖によってかき消されることに苛立ちを覚えながら、窓の外に目を向けた。
きっと見たことある街があって、ずっとそこにある建物たちが右から左に流れていくのをみながら、何も考えなかった。
そんなことを考えていたら、目的地についた。
帰り道、やだなぁ。
なんて思っていたけれど、展示を見たら、そんなことどうでもよくなった。どうでも良くなってはいけないけれど。
時間を忘れさせてくれる作品は、わたしにとっていつだって偉大だ。
流れる水の音と機械の作動する音。水が溜まる、流れる、奥にあるアルミにできたでこぼこが照明に照らされて光る。
そこしゃがみ込み、じっとそれを見ることを彼女も、その空間も許してくれた。
流れ出る水の銅線を、彼女が変える。
水がたまらなくなる。音は鳴り続ける。
こういう時間が、いつもほしい。
わたしはやっぱりアルミに触れることはしない。
隣で同じようにしゃがみ込む彼女と話ができて、嬉しかった。3度目、会うのは3回目だった。
写真集を見せてくれたとき、やっぱり好きだと思った。
できるかぎり、話をする彼女の目を見た。
帰りにケーキを買って帰ろうと思う。
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hadashi772 · 4 years
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メモ。
過去は自分の中だけでなく外に出す場合に、自分の意思で簡単に変えられるけれど、今に染まるために、無かったことにするようなださいことするのはやめる。
わたしにはたくさん友達がいるし、楽しかったことと、嬉しかったこと、あの時の出会いも、嫌な時間も、全て自分のことだと認める。今に負けないためなんかのために、その生を消化させるようなことはしない。
久しぶりに思い出すクラスメイト。ときどき思い出してる彼女。16歳のわたしの後悔を忘れないでいる。
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hadashi772 · 4 years
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外の音を消すため窓を閉めている。扇風機は、ベットの上まで風が届かなくて、蒸し暑い部屋の中。からだが暑くて仕方ない。
どうしても覚���たかったのに、覚められなかった夢を見た朝。めがさめた時、夢だったと気づけた時に、泣いたわたしの残像がまだここにある。
一日中なんの曲を聞けばいいのかわからなかった。
夜、ベッドの上。ジャズの出てくる小説を読んで、ジャズをかけようとしたけれど、そうすると小説が読めなくなるから、音楽をかけずに文字を追う。だけどやっぱり空気に耐えられなくて、(たぶんじぶんに)聴きたくなったのはマライアキャリーのall I want for christmas is youだった。
マライアキャリーの声。
鈴の音。コーラス。
あたまの中で降る雪をみる。
人々が、街が浮き足立つ季節を思い起こす。
いつも、クリスマスによく耳にするようになる曲が皮膚に寄り添うみたいに、じわじわと感じさせてくるのは、寂しさだから、本来のタイミングでは、能動的に聞くようなことはしない。
けれど、それは今、なによりも温かくて、不思議だ。
外に吹く風が、冷たい風ではないことが、信じられなくなるまで同じ曲をリピートする。
鈴の音が後ろでなっている。
クリスマスソングは、寂しいと嬉しいがお互いにゆずりあう。
早く、優しい朝がくればいい。
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hadashi772 · 4 years
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hadashi772 · 4 years
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お風呂上がり、アルコールの巡る火照ったからだ。
歯ブラシを口にくわえて、長袖長ズボン、ドライヤーで乾かした温い髪の毛。歯ブラシを終えたら飲むための水を片手に窓を開け、そばに置いている椅子に座る。風が頬や鼻をくすぶり、気持ちよくて、そのまま書きはじめた。
書いていれば、はぶらしは中断され、唾液ばかりが口内に溜まる。雨戸越しの外の世界は、真っ暗で、窓のかど、斜め下からなにか、なにかがむくっと現れそうだから、わたしは外を見られない。
まだ、働いている音がする。車が出て行く音がする。荷物を運ぶ音がする。ベランダから見える郵便局は、いつでも明かりがつきっぱなしで、休むことはない。夜の時間、その姿を見ることはとても特別なように感じる。誰もが寝ている間に働く人を眺めるのは、貴重で、世界が動き続けていることを教えてくれる。けれど私の部屋からはそれが見られないし、リビングではお母さんが寝ていて、今ベランダに出ることはできない。それでも音を聞きながらいつかに見ている、働く人を思い浮かべる。
風の温度は、体よりはるかに低く、日中よりも少し低い。早く上の歯を磨いて、洗面所へ行こう。
わたしはまた、歯磨きをする。
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hadashi772 · 5 years
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喫茶店のさくらんぼは美味しくない。
隣り合わせに、水滴のついたお冷と、水滴のついているジンジャエールの瓶。
どちらも背丈が低い。
お水は特別低い。丸っこい体をしている。
お水が丸いんじゃなくて、お水が入���ているグラスがまるいけれど、お水が丸いと言う。
さくらんぼをひとつ、その中に入れる。
少し大きく見える。
さくらんぼはジンジャエールに入っている時よりも鮮やかに見える。
綺麗に見えたから、美味しそうに見えたから、口の中へ、なんとなく入れてみる。
綺麗になったさくらんぼは、相変わらず味のしないさくらんぼだ。
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hadashi772 · 5 years
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体の中の、臓器や血液や管が、つかんでも掴めないような柔らかい糸の集まりみたいになる感覚。
2019/11/19
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hadashi772 · 5 years
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最近、ほんとうに頻繁に苛々している。苛々していることに安心する部分と、抑え込む気持ちが対立する。
きょうも同じように苛々していたときに"わたしはその感覚を感じるのをやめるために、こうなったのだった"という感覚をふと覚えた。それは後味の悪いどろっとした液体を頭からかけて、自然と口の中へと含まれていき、飲み込んでしま自身に刺さるようになり、目の前にいる人たちはわたしの様子を伺うようになる。そしてわたしは不安になる。わたしはいまたぶん、本来の自分が見え隠れしていて、数ヶ月前に考えていた、自分の脱却をしつつあるところだ。だから、苛々するし、他人が気になり、自分も気になり、穏やかになれない。
ただ、わたしは正しいことはずっとしていない。けれど、悪いこともしきれていない。
怖いことがあるからだ。それはとてもくだらないことだ。
2019/06/14
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