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二〇二〇年四月自由詠
にゃんしー
初茄子の溌剌とした初夏や
夏来らし風の匂いもそれとして風邪を恐れて未だ家なり
しゃくしゃくとした西瓜食べ微熱
野球の季節に球音しらず黙って見ている青い空
空だけが青い大人になった
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二〇二〇年二月兼題「黄」
泉由良
春の町ほそき芽の色うす萌黄
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二〇一〇年二月都々逸「黄」
にゃんしー
黄という字はふあんと読むよ黄河流れるかの国で
黄色い人を抱きしめていた赤でも青でもない人を
樋口一葉抱きしめて眠る気持ちがもしも愛ならば
黄色い紙だけ欲しがる君は色を知らずに死んでいく
金を持たずに歩くこの道すべてを身体と引き換えに
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二〇一九〜二〇二〇年「年末年始」
泉由良
小箱にてミニチュア作る鏡餅
零時なり銭湯で雑煮振る舞はれ
日記買ふ目標は作らない
仕事部屋久しく久し大掃除
小学生登る愛宕の初日の出
梅飾り御節のなかでセルロイド
七草を数へ白米だけ啜る
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二〇一九〜二〇二〇年雑詠
牟礼鯨
人日や尻の上には尾骶骨
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年末年始詠都々逸
にゃんしー
年の終わりに見ている夢は初夢じゃない忘れよう
さよならだけが人生ならばこの年もまた生きていた
年を越えるうた赤と白とのいつまでも響けしあわせよ
初めて見るゆめ正夢にしてそのために僕は生きるんだ
新年のおとは深淵と同じ覗くならばまた覗かれる
おもちを食べておとそを飲んでげらげら笑う極楽よ
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