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either/imp./Naeber小檜山普晶のブログです。
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funniaking · 11 months ago
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タイ旅行記2019/09/25編④
6時半に起床。目覚ましもなにもかけていなかったが、
目標のチェックアウト7時が達成できるとガッツポーズ。
昨日の自分が残した課題の移動手段を考えながら
チェックアウトするとゲストハウス側から謎の返金があった。
散々態度が悪いイメージがあったものの、
自分は現金だなと感じるように、返金によりいいゲストハウスだなと思ってしまった。
前回勘違いしていたカープール台帳の脇にミニタクシーが呼べると書いてあり、
受付にミニタクシーを依頼した。
ミニタクシー呼ぶから少し待っててと言われ、
受付の猫を眺めながら過ごしていると運転手のおいちゃんが呼びに来てくれた。
「ミニタクシー、400Bだよね?」と念を押すとそうだよ!と言われたので、
安心してついていく。
タクシーに向かうまで、おいちゃんは友達に「ドンムアンだよ、ドンムアン!」と嬉しそうに言ってる。
きっと400Bでも法外な値段なんだろうな。
こう言うのよくあるなあ、と思いながら勉強代は惜しまず行こうというポジティブ面と、
「タイ語勉強しとけばよかった。。」という反省面の心の自分が二人でてきた。
カオサンから市街に出るまでとんでもない渋滞でなかなか動かなかったため、飛行機に間に合うか不安になっていた。
市街を出るとスムーズに流れて予定通りに到着できた。高速?もしくはバイパス乗って60分くらい。疲れと早起きからか眠気がすごくて車内ではうたた寝してしまった。
空港について支払いしたあと、もう客としての役割を終えた俺に対して運ちゃんはどこか冷たい。
まあ仕方ないか、と思いながらバックパックを降ろすと控えめに気をつけて的なシグナルとして親指を立ててくれてグッと来た。
小腹が空いたため空港内のスターバックスでチキンモッツァレラフォッカチオを購入。
オリーブが入ったフォッカチオでチキンとモッツァレラを挟むという感謝したくなるほどうまい朝ごはんを食べた。
日本にもあるのであればぜひ食べたい。
コーヒーも安かったため、フォッカチオと合わせて購入していたが、すぐ保安検査だったので少し飲んで捨ててしまった。
(物を残して捨てるのは農家の息子としてはいかなる面でも憚れる)
保安検査まで時間に余裕がないと知っていればコーヒーのサイズも調整できたのだが、
そこらへんが至らぬところと反省。
失敗が成長に繋がると信じて、保安検査を済ました。
保安検査を通ったあと、
財布に入っている現地通貨を使い切りたいという思いがあったため、
再度スタバでアイスコーヒーを注文。
旅行記のメモをしながら待っていると待合室が解放されたので
待合室に入ると地獄のようなクーラーの効きで夏にも関わらず、寒くて震えるほどだった。
スタッフも上着を羽織ってる。
パタゴニアのシェルジャケットを羽織っていたのでそこまで辛くはなかったが、半パン、サンダルはやはり寒い。
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飛行機に乗り込むとすぐに寝てしまった。
日本に近づくと夕方になっており、
タイでサンセット見たかったなあと残念な気持ちになる程、夕日が素敵だった。
機内では気になっていたレヴェナントを見終え、親父という背中の大きさに
俺自身そうなれるのかという気持ちを持ちながら着陸した。
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到着すると税関から声をかけられた。
「カメラはよく撮られるんですか?」
「旅行だったのでフ��ルムカメラを使いました」と答えるとすんなりと通してくれたが、
恐らく、手荷物の中に大量のフィルムがあったため何かの運び屋かと思われたのではないか。
成田空港内の吉野家を食べて、「ありがとう」と声が漏れてしまった。
安心して暮らせる街があり、安心して食事ができて幸せだと思った。
この旅のきっかけは深夜特急の触発されてではあったが、
本当にひとり旅をしてよかった。
定期的に読み返しているパウロコエーリョのアルケミストにも描写があるが、
心の対話という時間は喧騒の中ではなかなか生まれない。
だれかを求めてしまうように、寂しさを埋めるためのSNSからも離れられたことで
話相手はちゃんといるじゃん、と再認識できた。
ゆっくりと本を読み、手書きでメモを書き、頭を整理する。
そんな時間が旅行でしかできない今の自分を呪いつつ、
旅をすればそういうモードでまだ居れることに嬉しさを感じた。
次はどこへ行こうか。
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funniaking · 11 months ago
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タイ旅行記2019/09/24編③
10時に起床。同室は人気がなく恐らく一番寝坊しているのは自分だと気づいた。
ホテルの予約を全然していなかったので、連泊する旨を受付に伝えた。
ついでにネットから予約した際に朝食付きの内容だったので、どうやって朝食を食べられるのか質問すると、
追加で払ってくれと言われた。予約してるので、そんなことないだろうと戦う姿勢を見せたものの、
やはりダメと断られ、お腹も空いていたので、仕方なく払ってしまった。
まだまだ押しに弱いぜ。
朝ごはんはザ朝ごはんを食べ、目玉焼きとハッシュポテトを食べた。
日本なら和食とか洋食選べたりするが洋食オンリーだったので
洋食の広がりに驚きながら食べた。
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地球の歩き方を読みながら寝てしまったので、
ゲストハウスに併設しているプールに浮き輪でぷかぷか浮きながら当日の予定を考える。
BGMは爆音で流れるテイラースイフト。
ここでもまた洋の広がりを感じた。
ある程度予定が固まったのでプールから上がり、
着替えて部屋へ戻るとジム終わりのアンドリュー��汗だくになっており、
「これからプールに飛び込まなきゃ」と言っている。すごい体つきだった。
お土産を買いにカオサン通りへ向かう前に、
タイに着いてからお気に入りになったレストランで昼から飲酒しながら前来た時と同じメニューを注文。
冒険しにきたが、この辺は冒険しない自分を嫌いではない。
昼食をとり終えると、時間があまりないことに気づいたためパタヤーへ向かうことを諦める。
アユタヤ同様、目的意識を持ってしまうとうまく思考ができずまたぼったくられることを
リスクと感じたのた。大人になるとリスクヘッジがうまくなる分、つまらなくなってしまうなあ。
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カオサン通りに着いて、まず自分のお土産からと、お香たてを探した。
前回来た時の顔を覚えていたのか、気にしてたお香たてを売ってるおばさんが表示価格より安くしてくれた。
(家について実際に使おうとしたら全く灰落としの長さが足りていなくて使えなかった。)
時間もなかったので一人一人考えるよりもまとめて買った方が楽だと思ったのでそのお店で10着以上のタイパンツを購入。
一着100Bだったが、値切って150Bにしてもらい安く購入できた。
値段の概念がわからなくなってしまう国だ。。
店主のおばあちゃんがなんか前回来たときよりも優しい顔をしていて微笑みの国たる所以を感じた。
衣類を大量に購入したのでもっと散歩しようと思っていた気持ちが荷物の煩わしさに負けてしまった。
煩わしくなったお土産をゲストハウスに置いておくために一度ホテルへ戻ることに決めた。
戻ったゲストハウスではたくさんの利用者がプールでわちゃわちゃしており、
大きめの手提げを抱えていた自分は田舎もの感がでてしまったことで、少し恥ずかしさを感じながら部屋へ向かった。
現在地から近い距離でタイをたくさん感じるために行くことに決め、
近場にあるワットポーを見に行くために外に出ると露天で190Bのアロハシャツが売っていた。
リゾートっぽいから着て歩きたいぞ!と思い浮き足だって覗いてみた。
結局はタイシャツを購入したのだが、友達にあげることにした。
ワットポーは徒歩圏内だったので、タイ旅行で培った徒歩移動しているとトゥクトゥクおじさんが声をかけてきた。
150Bというので50Bにしてくれというとダメだとの返答。
歩き出すと袖を掴んできて80Bならいいよという。
70Bでどうだいと返すと仕方なく了承してくれた。
おじさんの友達が笑いながら50Bでいいよ、と言ってきたので、
本当に50でいい?と聞くとトゥクトゥクおじさんにはシカトされた。
トゥクトゥクは移動にはコスパ悪いけど、折角だし乗ってよかった。
タイのほどよい暖かさにちょうどいい風を感じた。
次はリモバイクに乗ってみたいなあと思った。
ワットポーはメインだと思われる大きめな涅槃像よりも、寺院内にある大仏の方が趣があって好きだった。
理由は昨夜のレストランで、ライブを見ながら興奮気味にチップを渡して路上で呑んだくれてた青年が寺院内で静かに拝んでいた姿があったからだ。
ちょっとしたヒッピーみの彼の旅に幸あれと胸に秘めながら寺院を散策。
ワットポー内で猫が横になっているのを見つけたので、寝顔を納めようとカメラを近づけると
動物特有の複式呼吸がなかった。
しっかりと確かめなかったが、きっと亡くなってるんだろうと思いカメラを下げた。
ひとり旅はなんでも刺激的で記録として残したかったためいろんな箇所でカメラを向けてたけど
その瞬間ハッとしてしまった。
写していいものと悪いもの、BE HUMBLEしなきゃいけないことが頭によぎった。
(寺院内には至る所にBE HUMBLEという注意書きがあり、恐らくうるさくしないでといったことがメインであるが
生き物を尊重する、ということも含まれると勝手に解釈した。)
ワットポーは社会人1年目の研修のミャンマーで見た涅槃像がファーストインプレッションなので、ワットポーの涅槃像との違いがイマイチわからないかったので
刺激も興奮もなかった。
ただし、寺院内の装飾が素晴らしく、大仏や涅槃像よりもお寺の中の手入れのされ方などがタイの寺院の魅力なんだと個人的には感じた。
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ワットポーを見終わった後にワットアルンを見に船着場へ。
船着場の猫がフラフラと天井に上がっていて
猫特有の気ままさが可愛かった。
タイの猫は特に人懐こさがあり、飼い主によく躾されているように見える。
(もしくは野良だけど常識ある猫。)
人の言葉がわかるような印象がある、魔女の宅急便のキキのような佇まいだった。
タイでは犬よりも猫を見る方が多かった。
ワットアルンは厳かで感動した。
白を基調にした場所で、日差しが差し込むことによって言葉に言い表せない感動があった。
途中揉め事が近くで起こっていたけど、何が起きてるかは分からなかった。
(恐らくゲイのカップルが面白がられて写真撮られたりした雰囲気だった。そしたら最低だと感じる。)
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ワットアルンを一通り楽しみ、ワットポー側の岸に着いたとき
次のワットアルンへ向かう船の列に並ぶ日本人がちんたらと歩いており、欧米系の人に抜かされていた。
抜かされた日本人が日本語で「白人ってこういうことするよね」って言っており、
とてもイラついた。
海外に来ている以上、お前の常識ではないんだぞ?思った。
少し腹が立った状態でワットアルンを後にし、名所と思しきルンピニ公園の入り口を眺めながら、
歩きたくない病によりバスを待つことにした。
となりの欧米系の若いカップルがバスに乗ろうとするがタイ独特のパワープレイアピールでないと
バスが止まってくれないらしく、なんどもトライしていたが結局乗れず、諦めてバス停から去っていった。
俺もトライしようとしたが、まずこの路線のバスはどこへ行くのか調べてみようと思い、
地球の歩き方に書いてあったバンコクのバスアプリをダウンロード。
最寄りのバス停を調べるため目的地��での移動手段をグーグルマップで検索をかけると歩いて最寄り駅に行って、
メトロに乗れとのことだった。
(デジタルデトックス言うてる場合ではなく、インターネットさまさまになってしまっていた。)
サンセットが近づいており、フォトジェニックな風景を撮りたいと思い、
最寄り駅からメトロに乗ってリバーサイドレストランへ向かう。
一杯引っ掛けながら、日没を見ようと楽しみにしていたが、
到着すると船着場しかなくてレストランやバーが見当たらない。
残念がりながら駅周辺を探索をしてみた。
映画ハングオーバー!で使われていたスカイタワーがあるため、そこで飲むか!高いところの景色綺麗だし!と調べてみると
ドレスコードが存在し、サンダルがNGのためバカンス気分でサンダル短パン姿の俺はスカイタワーに行けなかった。
(次回リベンジしたい。)
目的地だったリバーサイドレストランも
タクシー、バスに乗ろうにも交通量が多く、結局向かっても日没は車内で迎えると判断して諦めた。
駅付近を探索してるとシャングリラホテルという有名なホテルの近くで見つけた「chill」の文字が書いてあるバーで
そろそろチルしたいと体が悲鳴を挙げていたため、
タイに着いてからずっと飲んでいるレオビールのブラックを注文し、少しのチルタイムを迎えた。
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特にすることもなく、手持ち無沙汰になったため、お土産を買いにサイアムへ向かう。
サイアムへ向かう途中で汗疹?もしくは蕁麻疹が出てきて、
悪いもの食べたかなと思い返しても直近はビールだからきっと疲れが原因だと思った。
サイアムに到着し、MBKセンターで買い物。
これは紛い物ばかりだー、ワハハ!という品揃えだったので全然魅力を感じない。
安いからとかそういうことじゃないだろう!と思いながら一種のエンタ��を味わった。
MBKセンターではトムヤムクン味のプリッツを購入し、お土産ミッションをコンプリートしたので
MBKセンターを後にした。
流石にもうサイアムからカオサンまでは歩けないと思い、タクシーを捕まえる。
50Bでどうです?とタイ慣れてます、アホな日本人ではないです、というアピールを兼ね備え
交渉とメーターだよ、アホと言わんばかりの態度をされた。
(タイでは交渉式とメーター式のタクシーがあり、メーター式はある程度しっかり金額管理されている)
メーターならまだ安心かと判断し、乗せてもらった。
昨日のアユタヤからの帰りとほぼ同じ道中をタクシーで通った際に、この距離を歩いたんだなあと物思いに耽っていると
あっという間にカオサン通りに着いてしまった。
乗り物すげーな。と思いながら、徒歩でしか味わえない街の空気と、ドラマも楽しいよなと自分を正当化した。
カオサンに着くとメーター通りの70Bを請求されたので100Bを出すとお釣りが25Bで帰ってきた。
あれ?という大袈裟なリアクションをして再計算していると
運転手から早く降りろと言わんばかりの態度をされた。
5Bと10Bは似てるから単なる間違いだよなと思い、
100B出したから30Bのお釣りのはずだけど、5B硬貨だよ、これ、と渡すと「はて?」という顔をされた。
失敗から学び続ける気持ちで、折れてはいかんと思い、はい、5B!って運転手の顔の前に出すと
タイ語でブツブツ言われていたが、結局10Bのお釣りを返してもらった。
カオサン通りに着くと、連泊しているからか、もはや安堵感が生まれた。
相変わらず、賑やかな街並みを通り、お土産を置きにゲストハウスへ向かう。
昨日ついたばかりと言っていた、アンドリューがほかの宿泊者と仲よさそうに話しており、
アンドリューにとって第一ゲストハウス村人だった俺は謎の「一番の友達だよね、俺ら!」感を持ってた自分に羞恥心を感じながら
こうやってゲストハウス過ごすもんだよね!びびってるよね、俺!と反省した。
(転校生と一番最初に仲良くなったけど、そいつは別の友達と仲良くなった時の気持ちみたいな)
一息ついたのでシャワーを浴びた後、最終夜のカオサン通りに繰り出す。
さすがに今夜は行き慣れたレストランとは違うレストランに入ってみようとトライしたが、
きっと同系列のお店だった。なぜならメニューが同じだった。
タイ最後の晩餐はトムヤムクンとビール。
翌日の空港へ向かうタクシー代を考えると、あまり豪勢な食事はできなかった。
(あまりタイ料理で豪勢というのもイメージつかないが。。)
これで満たされるかと不安があったが、スープは意外にも腹にたまりビールがなかなか進まなかった。
ひとり旅だし、解放的になった俺は”なんか街で歩いている人みんな可愛く見える病”にかかりながら
カオサン通りを歩いていくバックパッカーや観光客を眺めていた。
持ってきていたブラッドベリの短編を読みながらビールを流し込んでいく。
しばらく過ごすことができたのだが、流石にビール一杯とトムヤムクンで
長時間居座るのも、居心地が悪くなりゲストハウスに戻ることにした。
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翌日のタクシーを予約するため、受付脇に置かれていた”taxi”と書かれたシートに記帳していたため、
タクシー来るまでの段取りをゲストハウスの受付に確認すると
「カープールは同じ方向に向かう人を集うシートであって、タクシーを予約するやつではない、自分で調整してくれ」と言われ、
無知って怖いなあと勉強できました。英語で書かれているんだから文字もちゃんと読むべきだよなあ、という反省。
どうしようかと考えあぐねていたが、まあ明日考えようという持ち前ポジティブマインドになってしまったので
お酒が買えなくなる24時前にビールとお水を買いに外に出た。
ゲストハウスへ戻ってくるとロビー内のテーブルが片付けられていたので
フロントでビールを飲みながらぼーっと旅の思い出を整理しながら時間を過ごした。
コンビニでも買うくらい、お気に入りとなったレオビールを飲み干し、最後の夜を無事に終えた。
あとは空港までの移動のみだ。
翌日のタクシーのことは明日の自分に任せて、ベッドに入った。
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funniaking · 5 years ago
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タイ旅行記2019/09/23編②
一抹の不安が拭えない。
フィルムカメラの装填がうまくいき、脳内のタスクが1つ��ったことで目の前の状況が徐々にクリアになっていく。
この状況は結構危ないのではないか?
このまま車で誘拐されて、どこかに監禁される?
現地に着いたら結局置いていかれる?
カウンターのお姉さんがリーに見せた表情がずっと脳裏に焼き付いている。
まず落ち着こう。
こちらから先にペイをしなければ、彼はアユタヤまでの報酬はないわけだ。そうすればアユタヤに置いていかれたとしてもタダでアユタヤに来れたと考えれば片道1100バーツは浮くのだ。ましてや置いてかれたらなんとかアユタヤで宿を取り、アユタヤ発のバスに乗りバンコクに戻って来れば万事解決ではないか。
よしよし、寧ろ置いてって欲しいな。
そもそもアユタヤにたどり着けない場合、どうしたらよいだろうか。よくわからん場所に降ろされたら途方に暮れるしかない。しかしネットがあれば自分の位置も把握できる。インターネッツのありがたみを感じながら、旅の目的であったデジタルデトックスをすっかり忘れて携帯を握りしめた。
そんな心配を頭に置きながら、空港を降りてから会話らしい会話をしていなかったなあとリーと世間話をしながら思った。
男二人旅っぽくてまあまあ悪くないな、と持ち前ポジティブシンキングで不安を少しずつ削ぎ落としていった。
1時間ほど車を走らせていて、外の景色に面白みがなくなった頃、眠気が襲ってきた。泥のように眠い。という表現を個人的によく使うのだが、深い意味はなく、とても眠いと同義である。寝てはいけないと思い昨夜のコンビニでレオビールと共に買ったクロレッツのタブレットを頻繁に食べて意識を保った。
お近づきの印として、リーに勧めると頑なに断られた。逆に相手も見知らぬ観光客を乗せてるから警戒するよな、そりゃと思った。自分は観光客で見知らぬ土地でぼったくられたタクシーに乗ってい��不安、リーは見知らぬ観光客を乗せているリスク。
お互いの緊張感が旅の楽しいグルーヴを作り出すのを拒んでいる。
気づけば標識にアユタヤの文字をよく見かけるようになった。
地元猪苗代町に似たような小さい街中に入っていくと遺跡っぽいものがポツポツと見えてきた。
感動している。遂に一番の目的を達成できるのだ。
そもそも街の中に点在している遺跡の迫力ですら込み上げるものがある。
リー曰く、目的のワットマハータートに始めから行くより、遺跡を何箇所かぐるっと回っていった方が効率よくアユタヤを満喫できるらしい。
アユタヤ観光するなら!レンタサイクル!というガイドブックに載っていた言葉通り観光客がグループで自転車に乗っている。雨合羽を着ているが、スコールのせいで着ている意味をなさないほどずぶ濡れになっている。
アユタヤ観光スタートはワット・ヤイ・チャイ・モンコン。フィルム装填完了して準備万端なカメラを持ってタクシーを降りる。バックパックはかなり邪魔だが盗難の不安があるので背負っていくことにした。
入場料50バーツ。リーも一緒に降りて入場料を支払っている。彼の車内には金の仏様が鎮座している。信仰心がしっかりとある男なのだろう。
観光客が多く、ツアーのガイドさんが流暢な日本語で遺跡の紹介をしている。紹介を盗み聞きしながら遺跡の広大さに圧倒されている。フィルムカメラで最初に撮った写真。真っ白な仏像がそこにあった。
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不思議な雰囲気に包まれながら写真を撮った。
仏塔には傾斜が急な階段があり、登ってみると結構な高さがあった。
登った先には井戸と呼ぶには立派すぎるものがあり、観光客がその井戸のようなところを囲んでいる。
どうやら小銭��落として、底にあるザルに乗せようとしているらしい。
チャレンジしたもののうまくいかず、すぐに諦めてしまった。
仏塔から出ると正面にリーが待っていて、こちらに気づき手を振っている。手を振り返すと、良いものがあると言わんばかりについてこいと手招きをしてきた。
彼が連れてきてくれたのはなかなかの大きさの涅槃仏だった。
カメラのジェスチャーを何度もしてくれていたので、記念として写真を撮ってもらう。
なんだかんだぼったくられてるけど、悪いやつでは無さそうだ。
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一通り見終えて車に乗り込むと、バックパックが重そうだから次行くとこから置いていけ的なことをリーが言っている。
貴重品は身につけてるとは言え、必要なものが入っているバックパックをそう簡単に置いていけない。
しかし、確かにバックパックがかなり重さでさっきの探索だけで、疲れが溜まっているのは確かだった。
いつのまにか買ってくれていた水をもらい、そこまで悪いやつじゃないという自分の心を信じて、到着した次の目的地ウィハーン・プラモンコン・ボピットではバックをリーの車へ預けた。
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彼が仕切りに行くべきだと勧めてきた場所で、白を基調にした大きな宮殿が見えてきた。
ここはどうやらユネスコに登録されている���うで、
建物よりユネスコ登録記念碑で写真撮るのをリーは勧めるのであった。
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建物の中には大きな金色の仏像があり、多くの参拝者がいる。近くで日本語が聞こえて振り返ると若い女性たちが写真撮りながら参拝している。
雨合羽がひどく濡れていて再度タクシーでよいんだ、と自分に言い聞かせた。
仏像の周りをぐるりと歩き、遺跡内ガイドの女性と話すリーと合流し車に戻ろうとすると、遺跡が目の前に広がっていた。
少し時間をくれ、とリーにお願いし、
ワット・プラシーサンペットを探索した。
ワット・プラシーサンペットはかつてアユタヤ王宮内にあった最も重要な寺院だったそうで、終始厳かさを感じながらフィルムカメラ片手に探索した。
地球の歩き方に書いてあるように沢山の野犬が我が物顔で居眠りしていた。
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雨が小雨になってきた中、到着した目的地。
ワット・マハータート。
はやる気持ちを抑えながら、あの菩提樹が仏頭を包んでいる場所へ向かう。
遂に到着した目的地。
観光客はガイドさんにお願いして自分たちと
仏頭の写真を撮っている。
一通り写真を撮り終えた一行が去り静けさを迎えた仏頭に対し、自撮りで一緒に写る勇気もなく、楽しみにしてた割には質素に数枚シャッターを押して満足してしまった。
そもそもフォトスポットが設けられているのが個人的には疑問であった。少しがっかりしてしまった。
楽しみにしてた割には上手に撮れておらず
完全に心のシャッターが優先してしまった写真がこちらだ。
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目的を達成したという満足感をもちあわせながら小雨が降り始めた遺跡内を探索していると、自撮りをしてる若い女性が二人いた。
旅テンションで「写真撮りますよ!」と声をかけ
写真を撮り終えたあと颯爽と「では!🤞」と言ってひとり散策を続けてしまったオレダッセ〜〜と反省した。
ただ二人組がオレの撮った写真に上手だね!と喜んでくれていたことだけが救いだった。
一通り見終わり出口に出ると疲れをすごく感じた。
もう帰ろう。いや帰りたいな。
リーと合流し、車に乗り込むと「次はどこへ行く?」とわりとヤル気を出してきており、オレとの反比例加減にゲンナリしていた。
「もうバンコク戻ったっていいよ」と伝えると
「まだ見せたいのがある」と別の遺跡へ連れて行ってくれた。
ワット・マハータートすぐそばにあるワット・ラチャブラナに到着。地球の歩き方に書いてある凄く綺麗な絵を指差してここだここだ!とリーは示していたが、いまいる場所と名前が一致していない。
折角だから見てみようという気持ちで車から降りる。
多くの野犬を背に首のない仏像や細かくまで装飾された仏頭に再度ワクワクしてきた。
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しかし、心のガソリンがワット・マハータートで空っぽになってしまったので綺麗な絵を見つける前に車へと戻った。あれは、きっとリーの勘違いだ。
リーが腹は空いてないかと聞いてくる。
アユタヤではカワエビが有名だそうだが、
疲労がピークすぎて食欲が湧かない。
朝食はカワエビを食べるつもりで八分目にしていたが、緊張感のせいか、八分目か���減ってない気がした。
もうバンコクに帰ろうと頑なに言い続けるとやっと察してくれたリーが無言で車を走らせる。
リーにお願いして車に乗った時は後部座席に乗っていたが、帰り際助手席に乗って気づいた小さな仏像が可愛らしかったので「写真を撮っていいか?」と許可を取り撮らせてもらった。
夕方近くの時間帯にもかかわらず、外が真っ暗闇に包まれた。すぐに強い雨が車の窓を打ち始めた。頻繁に起こるスコールのタイミングに慣れながら、リーが流してくれているラジオから染みた曲をShazamしてスクリーンショットを撮る遊びをして暇を持て余した。
アユタヤに行くまでは長く感じたが、帰りは早く感じた。
もうそろそろバンコクというところで、自分がバーツを所持していないことに気づく。
そう、リーに払う金が手元にないのだ。
リーに「金が手元にないから両替所に連れてってくれ」と伝え、バンコクらしさが戻ってきた少し都会風の街の両替所で、レートの悪い両替を完了した。
次の目的地を伝えていたオレのことに気を使ってくれたリーは駅まで送ってくれた。
自分の心がオープンになったし、
それなりに楽しい旅ではあったが、
当初提示されていた金額が安くなるわけはなく、
きっちり2200バーツを支払い、リーに別れを���げた。
いい勉強をさせてくれてありがとう。
この日にゲストハウスを取っているカオサン通りまで行くには、まずサイアム駅へ向かう必要がある。
サイアム駅は免税店があったりと、観光客に人気のスポットだ。
BTSに乗り込み、サイアム駅に到着した。
若い観光客を眺めながらぼーっと歩いていた。歩くのが楽しくなってきたので、このまま歩いて宿のあるカオサン通りへ向かおうと思った。
そもそもサイアム駅周辺が帰宅ラッシュなのか、とても混雑していて、どうもタクシーを捕まえる気にもならなかったのだ。
昔からの性分で何かをするのに列に並ぶのが猛烈に嫌なのだ。ラーメンを食うのに並ぶ、アトラクションやるのに並ぶ、ゲームを買うのに並ぶ、エレベーターに並ぶ。並ぶ、待つなら何かしらアクションをしてたい性分はバンコクでも発揮してしまう。
タクシー待って、渋滞なら1時間歩くっしょ、と心が言ってる。
サイアム駅からゲストハウスのあるカオサン通りを目的地に、歩いていた。
車も滅多に通らず、街灯も少ない通りで少し心がソワソワする。まさに人っ子ひとりいない状態。
孤独を感じる瞬間のソワソワが久しぶりで一人旅してるなあ、よく今まで痛い目にあってないなあと自分を鼓舞しながら進んだ。
40分ほど歩いたところで、急にお腹が減り、孤独感からかもう歩きたくない病を発症した。
発症したからどうなるわけでもないので乳酸の溜まった足を引きずりながらハンバーガー屋さんのドアを開けようとした。
中には明らかに人がいるし、看板に書いてある営業時間帯のはずだ。しかし、ドアが動かない。しばらくガシャガシャしてると中の客が冷たい目で睨んできたのでそそくさと逃げた。
ちぇっ、と言いながら石ころを蹴飛ばしたい思いを腹に収め、どうにか空腹が収まるのか考えながら歩く。
しばらく歩くと鶏の看板がある。
店の外に置かれているメニューを開き、カオマンガイが食べれるお店であることを確信する。
店内に入ると閉店の準備をしている提供係の青年と料理長っぽいおじさん、食事しているカップルがいる。
観光地から外れたお店なのででかいバックパック背負った男が閉店間際に来たことに料理長か少し驚いているようだった。
カオマンガイを注文する。
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お吸い物的についてきた
パクチーが少し入ったスープを飲む。
パクチーなんて大嫌いなのに郷に従えば、気にせず摂取できるんだと人間力に感心した。
カオマンガイの味の濃さはとても素朴で疲れ切った自分にはとてもちょうどよかった。
目線を感じて振り返ると料理長がずっと見てる。
特に何か質問するわけでもなく、ただがっついてるオレをみてる。
食事してるところを凝視されてると嫌な気分になるはずが、彼の目は優しさそのものだった。
見守られながら速攻で完食し、お会計を済ませる。
40バーツのカオマンガイ定食。
リーのタクシー代に換算すると55食分だ。
ごちそうさまと伝えるとコップンカーと手を合わせて挨拶してくれた。
元気が満たされたので目的地までの3分の1を大股で進み始めると、歌のようなものが聞こえてくる。
音の先には塀に囲まれた寺院があった。
入館料取られないか、入っちゃいけない時間帯なのでは、そんな考えをちらつかせながら、空いてる扉からどんどん中に入っていくと荘厳なシャンテと初めて見るほど煌めいている寺院があらわれた。
心が浄められる感情ってこれだー!っと久しぶりに思い出した。
事前に調べてないのでその寺院の名前もわからないし、偶然通りかかった食堂の名前も覚えてないけど、心が満たされた状態でしばらく立ち尽くした。
偶然といえば中学の同級生が同じタイミングでバンコクに来ているとのことだったので、合流することになっていた。
カオサン通りの宿へチェックインして、お酒を飲みに出かけた。
聞き覚えのある歌が聞こえてきて、
足を止めるとレストランで二人組が
生演奏をしている。
初日にご飯を食べた正面のレストランで
ライブを見ながらビールを飲むことに決め、
同級生を待つまでに一人で大瓶を空ける。
RadioheadやOASISの名曲が演奏され、
とてもノスタルジックな気持ちになった。
レストランの前には通行人が立ち止まって聴いたり、眺めたりしている。
その中に若者がウイスキーの瓶片手に、地面に座りながら盛り上がっていた。
チップも弾み、演奏してる二人組から感謝されていた。
中学の同級生と合流し、最近の近況報告やそれぞれの展望を話す。片田舎からでてきた俺たちが海外で夜中に飲み歩いているのはすごく不思議な感覚だった。
みんなの知っているStand by meが演奏され、大団円感がレストランに溢れた。
同級生の目的だったワニ肉と足つぼマッサージを受けに、より喧騒な通りへと向かう。
通り一面渋谷のクラブのようにどでかいダンスミュージックにのって、若い観光客の男女が踊っている。
踊っている間を掻き分けながら、目的のワニ肉を食べ、足つぼマッサージを堪能した。
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一眼でズラだとわかる胡散臭いおじさんが担当してくれたのだが、彼は店で1番のテクニシャンだそうだ。
的確なツボ押しと緩急は言葉にし難い気持ちよさだった。
同級生と解散し、ゲストハウスに戻ると供え付きのプールやビリヤード台が閉められており、やり場のなくなったままベンチに座っていると端正な顔つきのわかめの男性から話しかけられた。
彼の名前はアンドリューで、アイルランド出身。
お医者さんをやっていて、インドに行ってたけど、合わないからタイに来てみたという快活な男だった。
話せてよかった、と握手して解散。
海外のスルッと自分をさらけ出して話すコミュ力かっちぇえと尊敬してしまうくらいの、潔いコミュニケーションであった。
翌日の予定を決めてなかったので、ドミトリールームの二段ベット下で地球の歩き方を読みながら考えていたらいつのまにか眠ってしまっていた。
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funniaking · 5 years ago
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タイ旅行記2019/09/23編①
9時に起床。ゆっくりベットで寝れたのは3日ぶりで最高な気持ちで目が覚めた。時間に追われずに起き上がるのは久しぶりの感覚。
バックパック背負いながら2万歩以上歩いた割には疲れが残っていない。
汚い話だが、昨日のレオビールの影響かお��っこの色が見たことないくらい濃かった。
アユタヤへ向かうために持ってきたブーツと、野犬が多いということで噛まれないよう長ズボンの装備をする。
10時にホテルをチェックアウトし、スクンビット駅へ向かう途中のカフェで朝ごはんを食べた。スクンビット通りは観光客やビジネスマンで栄えている場所だ。昨日のお色気ネオンの熱量は何処かへ行ってしまったようで、商業施設独特の淡々とした雰囲気が漂っている。スクンビット通りは新宿から幡ヶ谷まで歩いた時の甲州街道のような雰囲気だった。首都高に位置するところにはBTSというモノレールのような高架鉄道が走っている。
バンコクはとても栄えていて、日本人観光客も多いので時折日本にまだいるのでは、という錯覚に陥る。
マッサージ屋さんの前に女性が立ち並び、マッサージ?マッサージ?と聞かれるまではタイいるとは思えないほど先進国っぽさがある。
遅めの朝食はアユタヤで川エビを食べる予定なので、軽食としてパン2つとコーヒーを注文した。
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昨日の出来事をメモしながら朝食を食べ終え、
スクンビット駅からMRTと呼ばれる地下鉄に乗った。
アユタヤへはバスを利用する予定なので、
アユタヤ行きのバス停のある北バスターミナルまで向かう。
バスターミナルの最寄りのモーチット駅の隣駅パホンヨーティン駅で降りる。隣駅で降りた理由は駅付近にカメラのフィルムを取り扱っているお店が何軒かあるとネットで予め調べていたからだ。
日本から持ってきていたフィルムカメラでアユタヤにある目当てのワットマハータートを収めたいと思っていたので、アユタヤへ向かう途中で準備するのにちょうど良いのだ。
目当てのカメラ屋さんへ到着。予習していた通りに、欲しかったフィルム名を伝え、無事に購入完了。日本で買うより1つあたり100円程度安かった。アユタヤへの準備が整ったので、あとはバスターミナルへ向かうだけだと思い、歩きながら買ったばかりのフィルムを装填していると上手く巻き上がってくれない。日本で装填した時も同事象が発生した記憶があるのだが、対処の仕方を忘れてしまった。
立ち止まりガチャガチャと弄り装填を試したものの、どうしてもダメだった。せっかく買ったのだからという思いを胸に、フィルムを買ったお店に行って、自分のカメラの使い方を店員に聞こう、と判断力の鈍った頭が答えを出した。歩道橋を渡り、先ほどフィルムを購入したお店の店員に「フィルムが上手く巻きあがらず、認識されないんだけどどうしたらいい?」と伝えたところ、面倒な客だなという顔をされ、追い返せといったような奥の店主のジェスチャーに促され、店員がお手上げの仕草をした。ですよねえ感を噛み締めながらカメラ屋から出る。観光客だから優遇されるとか考えていたのだろうか。全くもって考えきれてない行動に少し恥ずかしくなった。
どうしようかと考えあぐねていたら、ネットでカメラの説明書が載っているはずではないか、と徐々に理性が戻ってきた。しかし、時計を見ると13時を過ぎようとしている。アユタヤまではバンコクから1時間程度。まだスタートラインに立ってないので、早く行かないとワットマハータートが拝めないかもしれない。地球の歩き方曰く、夜のアユタヤは一人では危険と記載があったので、フィルムの装填は諦め、バスターミナルを探す。ターミナルを探す。ターミナルを探す。。
ターミナルが見当たらない。
得意の徒歩で歩き回ったが、見当たらないのだ。看板らしきものもない。降参してタクシーを捕まえ、北バスターミナルまで送ってもらった。タクシーの中でフィルムカメラの説明書をネットで検索していると、北バスターミナルに到着。
62バーツとメーターに表示されている。60バーツを渡したあと、小銭を支払おうとすると、「60でいいよ」とジェスチャーをされた。
タイではタクシーに乗る前に行き先と値段交渉をしてから乗る文化であるとバイブルには載っていたので、タクシーを止めた際に、「50バーツでどう?」と尋ねたら「メーターだから、距離で金額変わるよ」と諭されていた。メータータクシー以外では口約束での値段になるため、着いたら金額をちょろまかされたりするそうだ。そういった話が頭をよぎり、騙されてはいけないと少しタイに来てから強情になりかけていたが、マケてくれた運ちゃんを見て、オラついてもロクなことないよなあ、と少し落ち着いた。
アユタヤ行きのバスを探すが、行き先にアユタヤが見当たらない。タイでの交通手段はバスがメインだそうで、特に遠出をする場合はバスがリーズナブルでよく利用されているらしい。そのため北バスターミナルにはたくさんのチケット売り場があり、そこから目的地への行き先のバスを探してチケットを買う。しかしチケット売り場の隅々を探してもアユタヤ行きがない。
地球の歩き方には「北バスターミナルからアユタヤ行き」が出ていると書いてある。地球の歩き方のアユタヤのタイ語部分を指し示しながら「チケット?」とチケット売り場で尋ねても知らない顔をされる。売り場の前に立っていたおばさん��「アユタヤ?」と同じように尋ねると「ターミナルの対面にある」と教えて��れた。しかし、明らかに活気があるのは自分がいる面だ。どこからともなくやってきた人たちもこちらへ向かってくる。
疑問に思いながらも対面へ向かおうとするも対面にはバス停らしいところがない。不安に思いながら歩いていると客引きに「タクシー?」としつこくつきまとわられる。これはもしや、おばさんとの癒着で騙されているのでは?と頭によぎった。対面に行くまでも歩道橋を渡り、あるかもわからないバス停を探すのにも体力がなくなってきており、もう一度落ち着いて探してみよう、と教えてもらった対面にはいかずアユタヤ行きのチケット売り場を探した。
日が暮れる前にはワットマハータートを拝みたいと思いながらも時間は14時をまわっている。
焦り始めたので、近くにいた男にアユタヤ行きのチケット売り場を尋ねると、「アユタヤ行きのバスはないよ」と答えが帰ってきた。頭が真っ白になった。何のために北バスターミナルにいるんだ!アユタヤ行けないと目的達成できないじゃないか!と混乱してしまった。
男は「でも俺運転でタクシーやるから、アユタヤまで1000バーツでいいよ」とオファーをしてきた。地球の歩き方に書いてあるアユタヤ行きのバスは60バーツだ。明らかに法外な値段なので、断り、もう一度チケット売り場を探す。立ち止まって考えてみた。天気も徐々に悪くなってきている。暗くなったら危険も増える。そもそも目的の場所に行けなかったら旅に来た意味がないではないかと考えた。
先ほどのオファーをした男にもう一度話しかける。
「700バーツでどうだろうか?」
「だめだ、いけない。アユタヤまでのバスはないし。今はもう14時になろうとしている。観光するなら遅すぎる。観光した後もバンコク戻ってくるなら帰りのバスはない。」というようなニュアンスな気がする。
「俺はそこの駐車場に車を停めてる。」と鍵を出してリモートで鍵を開けた。「2200バーツ払えばアユタヤに着いたらガイドもするし、バンコクまでいっしょに帰ってこれる」と言われた。
明らかに騙されているし、この節約旅行でそんなに出費するつもりもなかった。
きっとフィルムカメラの一件で頭が回転しなくなった所為で、仕方なく交渉に乗ることにした。
それまで愛想が悪かった男は上機嫌になり、男の会社がやっているカウンターへ「カモを捕まえたぜ」、と言わんばかりにチケット売り場の窓口の女へ何かを伝えた。窓口の女は、みすぼらしいデカイバックパックを背負った日本人旅行者を舐め回すように眺めてから、目を見開き「まじかよ、」と言わんばかりにアユタヤへの運転手となった男に視線を送った。
運転手(彼をリーとする)の極普通の乗用車へ乗り込む。
早速彼はアユタヤで象に乗ってみないか、と勧めてくる。癒着パターンと判断したので遺跡をただ観光したい、と伝えるとつまらなそうな態度で彼は車を走らせた。
車内では謎の緊張感に包まれながら、後部座席でフィルムカメラの装填に取り掛かった。ネットで探し出したマニュアルの通りに装填すると、さっきまでの未認識が嘘かのようにすんなりとディスプレイに撮影可能であるフィルム枚数1のマークが灯っている。車内で小さなガッツポーズをした。それに気づいたリーが話しかけてきた。
「雨が降りそうだ」
空を見るとアユタヤ方面の雲が��ても暗い。タイの9月は雨季なので突然のスコールは頻繁に発生するそうだ。そんな話をしているとすぐに大雨が降り始めた。この状況で観光できるのか不安な気持ちになってしまった。折角いってもびしょ濡れでバタバタしながら観光するのは落ち込むなあ、と思っているとすぐに雨は何事もなかったかのように止んだ。少し雲の隙間から光が覗き込み、いい調子だぞ!と思っていると気まずさからリーが流してくれていたラジオからBillie Eilishのbad guyが流れた。耳馴染みのある曲だったから体を揺らしていると、リーもハンドルを持つ指でリズムを刻んでいる。音楽ってほんと壁超えてくるんだなあ、と実感して嬉しくなった。
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funniaking · 5 years ago
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タイ旅行記 2019/09/22編
FILTERパイセンのツアー福岡編打ち上げ後、2時ごろにタクシーを捕まえて福岡空港まで送ってもらうも空港は閉館。
翌5時まで開かない。本当に人が誰一人いない。無慈悲ですね、この辺。逆に明かりがついてることに怒りが込み上げてくる。タクシーの運ちゃんが「この時間空いてるかなあ?」と言いながら送ってくれて、途方にくれてる俺を待っててくれたんだけども、その優しさに余計苦しくなって、大丈夫です!と気丈に振る舞い運ちゃんとサヨナラした。
見知らぬ福岡の土地で迷える子羊たちに準備されていたのが福岡空港近くにあるスーパー銭湯。
タクシーも見当たらないので徒歩で向かう。
ここであの運ちゃん引き止めておいて乗せてもらっとけばよかった、と後悔が込み上げる。
雨も徐々に強まってきえ旅の序盤から心が折れかけている。
歩いたことによる汗と雨に濡れたため銭湯についた後、速攻でサウナをかました。
銭湯では飛行機に搭乗に間に合うように過ごしているだろう若い人たちがたくさんいた。
睡魔に襲われながらもなんとか4時に銭湯から空港へ向けて徒歩で出発。
早めに銭湯を出て空港に着くも目的地である国際線ターミナルは逆方向であることに気づく。
7時50分出発の飛行機に乗るためには2時間前にはチェックインしておかなくては行けない。つまり5時50分の前には空港にいなくては行けない。時計を見ると4時半。地図アプリで目的地を国際線に合わせて徒歩で距離を算出すると50分かかってしまう。
途端��脂汗がでてきた。チェックイン遅刻フラグが立ってしまったのだ。まあまあの距離をこの大荷物を背負って間に合うのだろうか。
雨も強くなっていることもあって、せっかく洗った体もまた脂汗でじっとりしてきたところタクシーを発見し、通っちゃいけないようなところを走ってタクシーを止めた。
そもそも福岡空港は国内線国際線間をつなぐバスが走ってるのだが、6時から運行開始なので俺が乗りたい飛行機のチェックインには間に合わなかった。
5時の開館のタイミングで無事福岡航空国際線に到着。
チェックインをするときに預け荷物としてバックパックを申請するとチケット予約の際に預け荷物無しにしていたため追加料金ということで一万円がぶっ飛ぶ。
LCCはこういうのがあるのが恐ろしい。今後気をつけようと、高い勉強代を払った気分にして気を紛らわせた。
予約しておけば5000円程度で荷物が預けられる。カウンターのお姉さん談。
やはり早朝のLCCは安いからか混雑していた。保安検査の列に並んでいると二人組のおっさんがいる。いると意識したのは、目立つからだ。一人は静かだけど、もう一人はガハハセクハラタイプで無差別に人に話しかけてて、セクハラ紛いなことをしている。急に心の距離間が近いのだ。友達の友達の会合で距離が近く接してもらえれば引っ込み思案な奴からしたら凄くありがたいことなのに、赤の他人の一回分の友達の空間であのくらい距離が近いと引いてしまうというか関わらないでほしいというマインドになってしまった。一回分の友達のくだりはファイトクラブを是非見て欲しい。
機内でタイの旅程を地球の歩き方を見ながら組んでいると、全然寝れてなかった分の睡魔に襲われてほとんど寝てしまっていたのか、起きたらタイについていた。
そもそもなぜ急に一人旅かというと、
・深夜特急の付録のインタビュー曰く、26歳までに一人旅をしておくべきであるということ。
・デジタルデトックスをしたかったということ。
・世界遺産を見てみたかったということ。
といった特段面白みのない個人的な理由と
福岡でライブさせてもらうタイミングもあったので、タイへと向かうことにした。
ドンムアン空港に到着し、あのガハハセクハラ親父が入国審査の際、目の前に登場。
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話しかけるなオーラで対応していると隣のおばあちゃんの手を握る等の愚業を目の当たりにして感服いたしました。多分ヤキモチだ。俺はきっとあぁなりたいんだ。人の目を気にしないガハハセクハラ親父に。
入国審査が無事終わり荷物受け取りの列に並んでいると自分のバックパックが全然出てこない。これは波乱の予感、、と思っていたら、ガハハセクハラ親父に見とれている間にバックパックが流れていたらしい。
無事カラダはタイにいる。日本で予約したwifiを受け取ろうと探すも、予約の完了メールからではカウンターを見つけることができない。というか想像していた国際線のターミナル空港がこんな規模感でいいのか?!と驚いた。成田空港が凄いんだなと感心してしまった。
wifiレンタル屋さんを探す際に空港のインフォメーションセンターでwifi屋さんを探してる旨をと伝えると、知らないような顔をされてしまった。ただ後ろにいた同滋賀から来た親子がどうやら同じレンタル屋さんで予約していたらしく、一緒に探すことになった。
結局wifiの受け取りカウンターは国内線にあったため国際線に到着した我々にはわかりにくい場所にあった。親子と別れたあと、機内で考えたプランではホテルにチェックインしておくはずが、バスの乗り場を探しているうちにバックパッカーの聖地カオサン通り行きのバスへ乗車していた。
バスの添乗員さんのお金の受け取り方がパフォーマンスのようで、謎の筒で受け取ったお金を折り曲げて自分の指に挟み、小銭が出たら謎の筒から出し、領収証の角をその筒でちぎるという筒を最大限に活かしたものを見せてもらった。
同乗していた多分フランス人のバックパッカーの女の子たちが可愛らしくて、観察してしまった。
一人の子が携帯の画面を打ちながらポロリと涙を流したのだ。その姿を見た友達がとっさにティッシュを取り、折りたたみ、泣いている友達の横顔を温かく見守っていた。友達はどうやら画面に夢中で友達が涙を拭くティッシュを準備していることを気づいていなかった。結局友達には渡さずカバンにそっとしまっていた。彼女なりの優しさなのだろうか。何も言わず、結果何もしなかったけど、彼女は優しさを持ち合わせていて、その子と旅に来ている二人に幸あれと思った。ただ、同じバスということは空港から出てるバスに乗っているはずだ。恐らく旅初日だけその情緒大丈夫?と心配になった。
その子たちが降車したタイミングで、つられるように自分も降りてしまった。
想定してない場所に降りてしまった焦りからか、外部の情報をたくさん取り込もうとしている脳が悲鳴を上げている。
ふらふらと周りを歩いていると、そこには金色の寺院があってシャンテが優しく響いてた。なんという寺院か忘れてしまったが運良く、タイっぽい景色を拝むことができた。
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道路は一度訪れたことのあるミャンマーより整備されていて、寧ろ綺麗な印象があった。横断歩道もあり、信号機もついている。
寺院を出たあと人の群れに従って人通りの多いところへ向かっていると、シャーデーのスムースオペレーターが流れるレストランで朝から何も食べてないお腹を満たすことにした。はじめてのタイ料理、日本でもあまり食べないタイ料理。
303.88バーツ=日本円約1212円
グリーンカレー
レオビール 大瓶
ライス
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日本のランチと値段は変わらないけど、ビールは大瓶だったので一杯でお腹が満たされてしまった。
タイで初めて口にした料理は旅のアドレナリンも相まって、かなり美味いと驚いた。
昼食をとったレストランはカオサン通りの近くにあり、観光客向けのレストランのため清潔感とサービスがしっかりしていた。
カオサン通りを散策していると至る所にタトゥーショップがあり、外国の方たちがよく足を止めて店内を眺めていた。タイではタトゥーはお守りに近いものとして扱われているらしいのか、タイの方も、観光客も結構タトゥーが入っている人が多かった。
カオサン通りを一通り眺めたあと、地球の歩き方に載っていた宮殿付近を見てバンコクの土地勘を覚える作戦を考えた。
街を歩いて気づいたこととしては、専門店が多い。
例えば掃除機を治す屋さん、
テレビのディスプレイのみを治す屋さんなどなど。
掃除機のホースの部分だけが店頭に並んでいたり、なにかの基盤だけが店に並んでいた。
バンコクの人の生活が気になり始めた。
宮殿周辺の通りには楽器屋さんが盛りだくさんだった。楽器と時計、楽器と宝石、楽器と雑貨のように楽器だけでなくとなりの競合店との差別化をそれぞれ図っていた。
でかい涅槃像ことワットポーは16:30に閉園してしまったので、最寄りの駅から地下鉄に乗ってホテルまで向かう。といっても交通に慣れておらず2-30分駅を探して歩いた。
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降りた駅からホテルに向かう際にホテル近くの大きな公園を通っていきたくて地図を見ながら歩いていると
謎の門が出てきた。
警備員がたくさんおり、こちらを見ている。
地図ではそこは素通りができるはずなのだ。
これが俗にいうトイレとかでお金をとるアレか、と思いながら迂回しようするも行き止まりになってしまい、結局ペイ覚悟で門を通ると止められもせずに素通りできてしまった。バンコクでは公園の入り口にたくさん警備員がいるが何をしてるのかサッパリわからない。
気になってた公園に入ってみると湖?を囲うようにして大きなランニングコースが作られており、絶え間なく老若男女のランナーが通っていた。
湖を囲んだ高層ビルはバンコクが都会であるということを象徴していてバンコクのシティボーイ、シティガールのデートスポットはここかあ、と辺りを見渡す。
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公園から出て、少しすると日本で予約していたホテルがあることを地図アプリは示してくれている。
地図アプリに従って歩いていたが、方向的に近道ができるはず、と路地を曲がると
見たことのないエロさ溢れるネオンに照らされたお姉さんたちがこっちを見ている。
ガヤガヤしていた外の音が一瞬聞こえなくなった気がするほどのインパクトだ。
思わず立ち止まってしまったがイカン、イカンと頭を振りながらホテルの方向へ進む。
道を進んでいて気づいたがホテルは近くにあるはずだが、ホテルの入り口にたどり着くには迂回の必要があった。
バンコクでは結構迂回するくらい、目的地への道が繋がってない場合が多い。
さっき通ったお色気ネオンに戻って道を進んでいるとバーやレストランの軒先には複数人の女性が手持ち無沙汰に何かを待っている。さっきまで点いてなかった照明もエロネオンに変わり、夜の時間へと変わっていく。
タイの女性は素朴な印象なので個人的好感度は高かった。
中には元男性っぽい人や整形をトライしすぎて顔が変形してる人もいて、興味深かった。
整形をやりすぎると行き着く顔があるはずだと結論に至ったので、それらを”イカロスの翼現象”とする。
そんな夜の街になっていく通りを過ぎながら、
暗くなっていくことに少々焦りを感じ始めていた。
初めての海外一人旅でバックパック一個で歩いている。見知らぬ土地で、犯罪に巻き込まれたら何もできやしないのだ。急ぎ足でナビが示す通りに進んでいく。明らかに住宅街でホテル街ではないように思えたが、ナビを今度は信じようと進んでいく。
目的地に到着するととても大きな豪邸があり、車がゆっくりと車庫へ入っていく。直感でここではないな、と足を止め調べ直そうとすると、人感センサーで照明がつき、照らされた自分を見た途轍もなくでかいボクサー犬に吠えられて震えた。
心細さがピークになり、見知らぬバックパック男が住宅街ウロついてたら通報されちゃうよな、という焦りも出てきたところで人影を発見。
警戒しているようだが、門越しにホテルの名前を伝えると親切に教えてくれた。そういった人が飼ってるのは可愛い小型犬って相場が決まってんのかなあ。
今回の教訓としては信じられるのはネットでも地球の歩き方でもなく、己のみであることをしみじみと感じた。
無事にホテルについて、チェックイン。
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部屋に入るとカビ臭い、壁薄い、部屋が広過ぎて家具がないため虚しい。
これが旅かあ!!と独り言を言ってぬるいシャワーを浴びて、寝落ちしてしまった。
目を覚ますと22時だったので眠気覚ましの水とタイでお気に入りになったレオビールをセブンで購入し、アユタヤでの旅程を組むことにした。
ネオン街へ繰り出すにも酷い雨だったのでおとなしくしていることにした。
顔を洗って鏡を見ると死んでた目に光が宿り出した。
疲れてるけどいい顔になってきたじゃんと自分の髭面を見て思った。
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funniaking · 5 years ago
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タイ旅行記 2019/09/22編
FILTERパイセンのツアー福岡編打ち上げ後、2時ごろにタクシーを捕まえて福岡空港まで送ってもらうも空港は閉館。
翌5時まで開かない。本当に人が誰一人いない。無慈悲ですね、この辺。逆に明かりがついてることに怒りが込み上げてくる。タクシーの運ちゃんが「この時間空いてるかなあ?」と言いながら送ってくれて、途方にくれてる俺を待っててくれたんだけども、その優しさに余計苦しくなって、大丈夫です!と気丈に振る舞い運ちゃんとサヨナラした。
見知らぬ福岡の土地で迷える子羊たちに準備されていたのが福岡空港近くにあるスーパー銭湯。
タクシーも見当たらないので徒歩で向かう。
ここであの運ちゃん引き止めておいて乗せてもらっとけばよかった、と後悔が込み上げる。
雨も徐々に強まってきえ旅の序盤から心が折れかけている。
歩いたことによる汗と雨に濡れたため銭湯についた後、速攻でサウナをかました。
銭湯では飛行機に搭乗に間に合うように過ごしているだろう若い人たちがたくさんいた。
睡魔に襲われながらもなんとか4時に銭湯から空港へ向けて徒歩で出発。
早めに銭湯を出て空港に着くも目的地である国際線ターミナルは逆方向であることに気づく。
7時50分出発の飛行機に乗るためには2時間前にはチェックインしておかなくては行けない。つまり5時50分の前には空港にいなくては行けない。時計を見ると4時半。地図アプリで目的地を国際線に合わせて徒歩で距離を算出すると50分かかってしまう。
途端に脂汗がでてきた。チェックイン遅刻フラグが立ってしまったのだ。まあまあの距離をこの大荷物を背負って間に合うのだろうか。
雨も強くなっていることもあって、せっかく洗った体もまた脂汗でじっとりしてきたところタクシーを発見し、通っちゃいけないようなところを走ってタクシーを止めた。
そもそも福岡空港は国内線国際線間をつなぐバスが走ってるのだが、6時から運行開始なので俺が乗りたい飛行機のチェックインには間に合わなかった。
5時の開館のタイミングで無事福岡航空国際線に到着。
チェックインをするときに預け荷物としてバックパックを申請するとチケット予約の際に預け荷物無しにしていたため追加料金ということで一万円がぶっ飛ぶ。
LCCはこういうのがあるのが恐ろしい。今後気をつけようと、高い勉強代を払った気分にして気を紛らわせた。
予約しておけば5000円程度で荷物が預けられる。カウンターのお姉さん談。
やはり早朝のLCCは安いからか混雑していた。保安検査の列に並んでいると二人組のおっさんがいる。いると意識したのは、目立つからだ。一人は静かだけど、もう一人はガハハセクハラタイプで無差別に人に話しかけてて、セクハラ紛いなことをしている。急に心の距離間が近いのだ。友達の友達の会合で距離が近く接してもらえれば引っ込み思案な奴からしたら凄くありがたいことなのに、赤の他人の一回分の友達の空間であのくらい距離が近いと引いてしまうというか関わらないでほしいというマインドになってしまった。一回分の友達のくだりはファイトクラブを是非見て欲しい。
機内でタイの旅程を地球の歩き方を見ながら組んでいると、全然寝れてなかった分の睡魔に襲われてほとんど寝てしまっていたのか、起きたらタイについていた。
そもそもなぜ急に一人旅かというと、
・深夜特急の付録のインタビュー曰く、26歳までに一人旅をしておくべきであるということ。
・デジタルデトックスをしたかったということ。
・世界遺産を見てみたかったということ。
といった特段面白みのない個人的な理由と
福岡でライブさせてもらうタイミングもあったので、タイへと向かうことにした。
ドンムアン空港に到着し、あのガハハセクハラ親父が入国審査の際、目の前に登場。
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話しかけるなオーラで対応していると隣のおばあちゃんの手を握る等の愚業を目の当たりにして感服いたしました。多分ヤキモチだ。俺はきっとあぁなりたいんだ。人の目を気にしないガハハセクハラ親父に。
入国審査が無事終わり荷物受け取りの列に並んでいると自分のバックパックが全然出てこない。これは波乱の予感、、と思っていたら、ガハハセクハラ親父に見とれている間にバックパックが流れていたらしい。
無事カラダはタイにいる。日本で予約したwifiを受け取ろうと探すも、予約の完了メールからではカウンターを見つけることができない。というか想像していた国際線のターミナル空港がこんな規模感でいいのか?!と驚いた。成田空港が凄いんだなと感心してしまった。
wifiレンタル屋さんを探す際に空港のインフォメーションセンターでwifi屋さんを探してる旨をと伝えると、知らないような顔をされてしまった。ただ後ろにいた同滋賀から来た親子がどうやら同じレンタル屋さんで予約していたらしく、一緒に探すことになった。
結局wifiの受け取りカウンターは国内線にあったため国際線に到着した我々にはわかりにくい場所にあった。親子と別れたあと、機内で考えたプランではホテルにチェックインしておくはずが、バスの乗り場を探しているうちにバックパッカーの聖地カオサン通り行きのバスへ乗車していた。
バスの添乗員さんのお金の受け取り方がパフォーマンスのようで、謎の筒で受け取ったお金を折り曲げて自分の指に挟み、小銭が出たら謎の筒から出し、領収証の角をその筒でちぎるという筒を最大限に活かしたものを見せてもらった。
同乗していた多分フランス人のバックパッカーの女の子たちが可愛らしくて、観察してしまった。
一人の子が携帯の画面を打ちながらポロリと涙を流したのだ。その姿を見た友達がとっさにティッシュを取り、折りたたみ、泣いている友達の横顔を温かく見守っていた。友達はどうやら画面に夢中で友達が涙を拭くティッシュを準備していることを気づいていなかった。結局友達には渡さずカバンにそっとしまっていた。彼女なりの優しさなのだろうか。何も言わず、結果何もしなかったけど、彼女は優しさを持ち合わせていて、その子と旅に来ている二人に幸あれと思った。ただ、同じバスということは空港から出てるバスに乗っているはずだ。恐らく旅初日だけその情緒大丈夫?と心配になった。
その子たちが降車したタイミングで、つられるように自分も降りてしまった。
想定してない場所に降りてしまった焦りからか、外部の情報をたくさん取り込もうとしている脳が悲鳴を上げている。
ふらふらと周りを歩いていると、そこには金色の寺院があってシャンテが優しく響いてた。なんという寺院か忘れてしまったが運良く、タイっぽい景色を拝むことができた。
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道路は一度訪れたことのあるミャンマーより整備されていて、寧ろ綺麗な印象があった。横断歩道もあり、信号機もついている。
寺院を出たあと人の群れに従って人通りの多いところへ向かっていると、シャーデーのスムースオペレーターが流れるレストランで朝から何も食べてないお腹を満たすことにした。はじめてのタイ料理、日本でもあまり食べないタイ料理。
303.88バーツ=日本円約1212円
グリーンカレー
レオビール 大瓶
ライス
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日本のランチと値段は変わらないけど、ビールは大瓶だったので一杯でお腹が満たされてしまった。
タイで初めて口にした料理は旅のアドレナリンも相まって、かなり美味いと驚いた。
昼食をとったレストランはカオサン通りの近くにあり、観光客向けのレストランのため清潔感とサービスがしっかりしていた。
カオサン通りを散策していると至る所にタトゥーショップがあり、外国の方たちがよく足を止めて店内を眺めていた。タイではタトゥーはお守りに近いものとして扱われているらしいのか、タイの方も、観光客も結構タトゥーが入っている人が多かった。
カオサン通りを一通り眺めたあと、地球の歩き方に載っていた宮殿付近を見てバンコクの土地勘を覚える作戦を考えた。
街を歩いて気づいたこととしては、専門店が多い。
例えば掃除機を治す屋さん、
テレビのディスプレイのみを治す屋さんなどなど。
掃除機のホースの部分だけが店頭に並んでいたり、なにかの基盤だけが店に並んでいた。
バンコクの人の生活が気になり始めた。
宮殿周辺の通りには楽器屋さんが盛りだくさんだった。楽器と時計、楽器と宝石、楽器と雑貨のように楽器だけでなくとなりの競合店との差別化をそれぞれ図っていた。
でかい涅槃像ことワットポーは16:30に閉園してしまったので、最寄りの駅から地下鉄に乗ってホテルまで向かう。といっても交通に慣れておらず2-30分駅を探して歩いた。
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降りた駅からホテルに向かう際にホテル近くの大きな公園を通っていきたくて地図を見ながら歩いていると
謎の門が出てきた。
警備員がたくさんおり、こちらを見ている。
地図ではそこは素通りができるはずなのだ。
これが俗にいうトイレとかでお金をとるアレか、と思いながら迂回しようするも行き止まりになってしまい、結局ペイ覚悟で門を通ると止められもせずに素通りできてしまった。バンコクでは公園の入り口にたくさん警備員がいるが何をしてるのかサッパリわからない。
気になってた公園に入ってみると湖?を囲うようにして大きなランニングコースが作られており、絶え間なく老若男女のランナーが通っていた。
湖を囲んだ高層ビルはバンコクが都会であるということを象徴していてバンコクのシティボーイ、シティガールのデートスポットはここかあ、と辺りを見渡す。
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公園から出て、少しすると日本で予約していたホテルがあることを地図アプリは示してくれている。
地図アプリに従って歩いていたが、方向的に近道ができるはず、と路地を曲がると
見たことのないエロさ溢れるネオンに照らされたお姉さんたちがこっちを見ている。
ガヤガヤしていた外の音が一瞬聞こえなくなった気がするほどのインパクトだ。
思わず立ち止まってしまったがイカン、イカンと頭を振りながらホテルの方向へ進む。
道を進んでいて気づいたがホテルは近くにあるはずだが、ホテルの入り口にたどり着くには迂回の必要があった。
バンコクでは結構迂回するくらい、目的地への道が繋がってない場合が多い。
さっき通ったお色気ネオンに戻って道を進んでいるとバーやレストランの軒先には複数人の女性が手持ち無沙汰に何かを待っている。さっきまで点いてなかった照明もエロネオンに変わり、夜の時間へと変わっていく。
タイの女性は素朴な印象なので個人的好感度は高かった。
中には元男性っぽい人や整形をトライしすぎて顔が変形してる人もいて、興味深かった。
整形をやりすぎると行き着く顔があるはずだと結論に至ったので、それらを”イカロスの翼現象”とする。
そんな夜の街になっていく通りを過ぎながら、
暗くなっていくことに少々焦りを感じ始めていた。
初めての海外一人旅でバックパック一個で歩いている。見知らぬ土地で、犯罪に巻き込まれたら何もできやしないのだ。急ぎ足でナビが示す通りに進んでいく。明らかに住宅街でホテル街ではないように思えたが、ナビを今度は信じようと進んでいく。
目的地に到着するととても大きな豪邸があり、車がゆっくりと車庫へ入っていく。直感でここではないな、と足を止め調べ直そうとすると、人感センサーで照明がつき、照らされた自分を見た途轍もなくでかいボクサー犬に吠えられて震えた。
心細さがピークになり、見知らぬバックパック男が住宅街ウロついてたら通報されちゃうよな、という焦りも出てきたところで人影を発見。
警戒しているようだが、門越しにホテルの名前を伝えると親切に教えてくれた。そういった人が飼ってるのは可愛い小型犬って相場が決まってんのかなあ。
今回の教訓としては信じられるのはネットでも地球の歩き方でもなく、己のみであることをしみじみと感じた。
無事にホテルについて、チェックイン。
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部屋に入るとカビ臭い、壁薄い、部屋が広過ぎて家具がないため虚しい。
これが旅かあ!!と独り言を言ってぬるいシャワーを浴びて、寝落ちしてしまった。
目を覚ますと22時だったので眠気覚ましの水とタイでお気に入りになったレオビールをセブンで購入し、アユタヤでの旅程を組むことにした。
ネオン街へ繰り出すにも酷い雨だったのでおとなしくしていることにした。
顔を洗って鏡を見ると死んでた目に光が宿り出した。
疲れてるけどいい顔になってきたじゃんと自分の髭面を見て思った。
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