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目次
★このタンブラーのあらすじ 戯書というゲームに登録されている、 3期:Eno.51 終末剣士セイクリィド 4期:Eno.498 とある剣士のお話 に関する物語とイラストをまとめるものです。
以下、発表順時系列にそって ↑古 新↓ という順で載せています。 ◆ソロール・異本・設定・会話ログまとめ ◎イラストまとめ
◎ 剣士セイクリィド ◎ 剣士セイクリィドの演出絵・アイコン
◆ 第一話 「魔神」
◎ エンダー
◆ 第二話 「魔神と剣士」
◎ 魔人セイクリィド ◎ 魔人セイクリィド リンク絵
◆ 第零話 「おわりのはじまり」
◎ 少年セイクリィド
◆ 第零.一話 「はじまりのおわり」
◆ 第三話 「書手《ストーリーテラー》」
◎ 秋津冬菜
◆ 第三話~第四話幕間
◎ 剣士聖クリード ◎ 聖クリード リンク絵
◆ 第四話 「再動」
◎ 万鬼 ◎ 赤土かぶら
◆ 第五話 「四聖剣士」
◎ 四聖剣士と、『終末剣士聖クリード』の世界観設定
◆ 第六話 「とある兄妹のお話」
◎ 『終末剣士セイクリィド』の世界観設定
◆ 第七話 「邂逅」
-------------戯書3期リセット 、4期始動-------------
◎ とある剣士
◆ 異本『とある剣士のお話Ⅰ』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅰ』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅰ』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅰ』 8頁目 結果ログ
◆ こかこさんとの対話
◎ 終末剣士セイクリィド(剣士エス)
◆ 異本『とある剣士のお話Ⅱ』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅱ』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅱ』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅱ』 8頁目 結果ログ
◆ 異本『とある剣士のお話Ⅲ』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅲ』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅲ』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅲ』 8頁目 結果ログ
※この頃、色々あってエスの恋人になったくれたこかこさんが、 親友を助けるため、連続殺人犯(かぎつきさん)を 捕まえるというロールをされていました。 エスはその手助けをすると申し出ましたが、 こかこさんからは「物語に干渉できる相手とエスを戦わせるのは危険」と、 その申し出を断られてしまっていました。 大事な恋人を、一人危険な戦いに送り出さなければならなかったエスは、荒れに荒れます。 ◆ 異本『昏闇』 2頁目 結果ログ ◆ エスとクリードの会話1 ◆ リルさんとエオリーさんとクリードとエスの会話 ◆ 異本『網本』 2頁目 結果ログ(上記会話中での戦闘) ◆ エスとクリードの会話2
◆ 異本『とある剣士のお話Ⅳ』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅳ』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅳ』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅳ』 8頁目 結果ログ
◆ 異本『とある剣士のお話Ⅴ』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅴ』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅴ』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅴ』 8頁目 結果ログ
◆ 異本『とある剣士のお話Ⅵ』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅵ』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅵ』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅵ』 8頁目 結果ログ
◆ 異本『とある剣士のお話Ⅶ』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅶ』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅶ』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある剣士のお話Ⅶ』 8頁目 結果ログ
◆ 異本『とある宴席の会話』 2頁目 結果ログ ◆ 異本『とある宴席の会話』 4頁目 結果ログ ◆ 異本『とある宴席の会話』 6頁目 結果ログ ◆ 異本『とある宴席の会話』 8頁目 結果ログ
異本結果・タワムレラインでのロール掲載許可を下さった 皆様に心からの感謝を。 ENo.53 神無木カタストロフ 様 ENo.184 リル 様 ENo.321 こかこ 様 ENo.507 喫茶店 様 ENo.760 エオリー 様 ENo.1650 梟と悪魔 様
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ハセさんへ
ハセさん、ご感想・ご考察ありがとうございます。 また、いつも素敵なファンアートをありがとうございます。 ハセさんの情熱的すぎる(失礼ながら、狂気的な、とまで言っても、 殆どの人は賛同してくれると思う)応援があってこそ、 自堕落な僕は終末剣士の物語に終末を導くことができました。
というかきちんと終わらせないと刺されると本気で思いました。 そういう意味でもハセさんの応援なくしては 終末剣士の話はまとまらなかったと思っています(これも何度か話してますが)。
冗談はさておき、決して強迫観念などではなく……… こんなに待ち望んでくれているありがたい人がいるんだ、 頑張らなくては、と、心の底から思えるようにしてくれたのはハセさんです。 ほんとうにありがとうございます。 (僕は天邪鬼ソヤロウなので、せがまれるとやる気がそげていきます。 そんな僕をもやる気にさせたハセさんは心底すごいと本気で思っています)
ツイッターにあげてくださっていた考察について、 回答になっていないかもしれませんがお返事しようと思います。
(※以下、本編のネタバレを多分に含むため 念のためテキストファイルとして畳みます)
http://ori.moo.jp/tawagaki/4/etc/hase.txt
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れじさんへ
とても遅くなってしまったんですが、 この場を借りてれじさんのDM(と、直近のツイッターでの考察)への返信をいたします。 あまり返信にはなっていなくて、つらつらと長文になってしまっているだけかもしれません……ごめんなさい。 れじさん、僕が落ち込んでいた頃に 励ましてくださってありがとうございました。
(※以下、本編のネタバレを多分に含むため 念のためテキストファイルとして畳みます)
http://ori.moo.jp/tawagaki/4/etc/reji.txt
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終末剣士セイクリィド(剣士エス)
かつて終末剣士だった男。 己の存在意義に疑問を感じ、その名を棄てた。
もう一人の自分が、 諦めずに物語の終末を目指し続けていたことを知り、 己��その意志を継ぎ、物語の終末を目指しはじめる。
男は、再びセイクリィドと名乗った。
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※セイクリィドが3期Eno.828こかこさんと 3期リセット前最後のお別れ時に、 「次の自分に、果たすべき使命を伝えてくれ」と お願いさせて頂いたという経緯があります。 こかこさん、お願いを聞いてくださってありがとう。
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とある剣士
剣士。
名を尋ねられればエスと答える。 それ以上の素性については口を開こうとしない。
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第七話「邂逅」
セイクリィドが戯書世界を歩いていると、向こう側からクリードが歩いてきた。
クリード「……はじめまして。あなたが、セイクリィドさんですか?」
セイクリィド「……そうだが。」
クリード「よかった。やっと出会うことができました。」
そういうと、クリードは手に持っていた黒い栞を愛おしそうに指の腹で撫ぜる。セイクリィドはこかこに渡された黒い栞を取り出し、それをじっと見つめた。
クリード「僕はクリード。終末剣士です。」
セイクリィド「俺はセイクリィド。終末剣士だ。」
クリード「お揃いですね。」
セイクリィド「そうだな。」
二人の間の空気が、ピリピリと張り詰める。
セイクリィド「何か用があって会いにきたんじゃないのか?」
クリード「いえ、僕の用はあなたと会ってみたいというものでしたから。もう目的は果たしているんです。」
セイクリィド「そうか。じゃあ俺はもう行くぞ。」
クリード「あ、待って下さい。」
セイクリィド「なんだ。」
クリード「セイクリィドさん、あなたの役割はなんですか?」
セイクリィド「しれたこと。お前も終末剣士なら分かるだろう。物語を終末に導くことだ。」
クリード「それだけですか?」
セイクリィド「何が言いたい。」
クリード「僕は今、神に与えられたその役割を漠然と果たしています。でも、本当にこのまま��いいのか、という疑問は、ずっと前から抱いていました。」
クリード「物語は終末を迎えて始めて成立する。では、終末への導き手である僕達自身の物語は、一体誰が終末に導いてくれるのか?とね。」
クリード「自分ではそれができない。それは、終末剣士となった時点で、物語の枠外に存在してしまっているから。自らの物語を終末に導くためには、さらにその枠外から終わらせてくれる存在が必要だ……と。」
セイクリィド「…………。」
クリード「僕はあなたのことを人伝に聞き、驚きました。終末剣士は、たった一人しか居ないものと聞かされていたからです。でも驚くと同時に、胸に希望が湧き上がるのを確かに感じました。」
セイクリィド「俺にお前の物語を終わらせて欲しい、ということか?」
クリード「あなたは僕の物語を終わらせたいですか?」
セイクリィド「質問に質問で返すんじゃない。俺はお前に興味などない。お前が停滞しようと終わろうと知ったことか。」
クリード「では答えましょう。僕が終わるのはまだ早いと思っています。でも、その時が来たらきっと……」
クリード「僕とあなたは、互いに剣を向け合うことになる。」
セイクリィド「何故、俺がお前と戦わなくちゃならない。」
クリード「理由は分かりません。でも、理由なんてなんでもいいんです。たとえば・・・」
栞を手の中でくるくると弄びながら、クリードは語る。
クリード「僕の大切な友達を、セイクリィドさんが傷つけて泣かせる・・・とか。」
セイクリィド「はっ、笑わせるな。お前が誰かを大切だと思うことなど、ありえない。」
クリード「……なぜ、そう言い切れるんですか?」
セイクリィド「お前は自分自身を価値のある存在だと認めていない。いくら詭弁を尽くして自分と他人を騙そうが……自分を大事だと思わない人間が、誰かを大事に思うことなど不可能だ。」
クリード「…………。耳に痛いですね。」
クリード「セイクリィドさんは、ご自身が大事ですか?」
セイクリィド「言わずもがなだ。俺は俺の目的とすべきことを果たすためだけに居る。」
セイクリィド「故に、これ以上くだらん無駄話に付き合っている暇はない。」
そう言ってくるりと振り返ると、セイクリィドは一度も振り返らずにその場を立ち去った。
クリード「……さようなら、セイクリィドさん。」
「次相まみえる時は……戦場で��」
そうつぶやくと、クリードは来た道を引き返し歩みだした。
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※黒い栞は、クリードが3期Eno.828こかこさんに 「もしセイクリィドさんを見つけたら渡して下さい」と託し、 その後無事セイクリィドまで届けて頂いたモノです。 また、黒い栞のアイコンは、 こかこさんPL様に描いて頂きました。 使用許可ありがとうございます!
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『終末剣士セイクリィド』の世界観設定
●廃稿の世界 〜シグノタタン〜
荒涼とした、物語の掃き溜めの世界。
世界の形状はいわゆる普通の現実世界に似ているが、 様々な文化レベルの都市が、同時並行的に世界の各地に点在していて、 それが矛盾なく成立している不思議な世界。
この世界の住人は全て物語の登場人物である。 結末を与えられなかった物語、 様々な都合で引き伸ばされている物語、 未完のまま作者が死んでいる物語。 それらが寄り集まってこの世界は構成されている。
そこにある物語の展開は幾度も幾度も繰り返し、しかし終わることはない。 それはある意味で完成された永久機関である。 だが、その無限に続くひとつひとつの物語達に、 終末をもたらし、消滅させていく存在が現れた。 終末剣士である。 この世界における、彼の真の目的とは……。
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第六話「とある兄妹のお話」
あるところに二人の兄妹がいました。
二人の親は二人が物心つくころには流行病で亡くなっていました。 兄は生きていくために身を粉にして働きました。妹も流行病に冒されていましたが、 医者に見せたところ、治療薬を飲ませさえすれば助かる命だということでした。
しかしその異国製の治療薬は高額で、その購入費用はすぐに兄に出せるもので��ありませんでした。 兄は金の無心をする相手も居ませんでしたから、自分で稼ぐしかありませんでした。
兄はさらに苛烈な肉体労働に従事しはじめました。自分は飲まず食わずで、ひたすら働きました。 辛い思いもたくさんしましたが、彼にとってみれば、残されたたったひとりの家族を失うことのほうが余程恐ろしかったのです。
ある朝目覚めたら妹が亡くなっている悪夢を何度も見て、飛び起きました。心配する妹の顔をみて安堵しました。 流行病で痛みに耐える妹の顔を見て、何度も思いました。「俺が代わってやれたら」、と。 不思議と、兄は流行病にはかかりませんでした。
何日もの労働を終え、とうとう治療薬代を稼ぎきった兄は、その金の入った袋を大事そうに抱えて医者のもとへ奔りました。 ようやく苦労が報われる。これで妹は助かるんだ。これから二人で幸福に暮らしていけるのだ。 足取り軽く医者へと向かう路地に大柄な男が立っていました。横を避けていこうとしましたが、通らせてくれません。
「すみません、急いでいるんです、通して下さい」 兄は大柄な男に向かって言いました。 「そんなにここを通りたいなら通行料を置いていくんだな」 大柄な男は兄を見下ろして言います。
通行料?そんなものはもっていない!第一ここの道を通るのにそんなものを払う必要は今まで無かったはずだ。 兄がそういきると、大柄の男は何も答えず、代わりに兄を殴りつけました。地面に仰向けに倒れこんだ兄の胸の上に座り込んで兄のことを何度も殴りつけました。何度も何度も殴りつけて、やがて兄は気を失いました。
・・・兄が次に目をさますと、自分の家でした。身体のふしぶしが激痛に悲鳴をあげます。
妹が自分の膝元で寝ていました。その顔には涙のあとがありましたが、今は安らかに寝ているようでした。 は、と兄は青ざめてあたりを見回しました。立ち上がってそこらじゅうを探し回りますが、金のはいった袋は見当たりません。
慌てて外にでるともう真っ暗でした、夜の中を奔り医者の元へ向かいます。路地に大柄の男は居なくなっていました。通りすがる人に袋が落ちていなかったと問いますが、誰もまともにとりあわず、足早に立ち去りました。
兄はがっくりと項垂れて家に戻りました。体中の痛みを思い出したように感じました。 家につくと、妹が起きていました。妹は兄のもとに駆け寄り、泣きました。
「お兄��ゃんが無事でよかった。私にはそれ以外他に何もいらない」 と言って泣きました。兄も泣きました。妹を抱きしめて、
「心配かけてごめん、治してやれなくてごめん」 と言って泣きました。
―――――――――――
兄は今日も労働に従事します。城壁を修繕する仕事で、延々と重い岩を運ばされています。
妹は今日も兄のことを想い、窓の外を眺めていました。
ある日、妹が窓の外を見ると、一人の男が腕組みをしてこちらを見ていました。一振りの黒剣を背負った黒髪の男は、妹のことを睨みつけているように見えました。怖くなった妹は、カーテンを閉じました。 しばらくしてカーテンの隙間から外を覗くと、男はもう居なくなっていました。
その日の夜、兄が家に帰ると、妹はその男の話をしました。 兄は、眉根を寄せて不機嫌そうになりました。 妹に、しばらく窓の外を見ないように言いつけました。妹はしぶしぶ了解しました。 けれども家で寝ているだけの妹にとって、外を眺めることは唯一の楽しみでもありました。
数日間、兄の言いつけを守ってカーテンを閉めきっていましたが、ある日退屈に耐えかねてカーテンを空けました。 窓のすぐそばにこないだとおなじ男が立ちこちらを見ていました。
ひっ、と小さな悲鳴をあげ、すぐにカーテンをしめましたが、 少ししてからコンコン、と窓を叩くおとがしました。妹は震え上がって布団に包まりました。 「お兄ちゃん、助けて・・・」 暗闇の中でじっと固まっていた妹ですが、窓の外から男が立ち去る気配はありません。 妹は勇気を振り絞り、再びカーテンをあけました。
―――――――――――
その日兄が家に帰ると、妹の様子がいつもと違うような気がしました。どこか遠くを見つめているようで、ぼうっとしていました。
「お前、どこか悪いのか。また胸が、痛むのか」 兄は心配して妹に問いかけます。
「ううん、なんでもない。なんでもないの」 妹はふるふると首を振りました。
「ねえお兄ちゃん。お兄ちゃんは……私が治ったら嬉しい?」 妹は兄に問いました。
「何を言ってるんだ、当たり前じゃないか。そのために俺は働いているんだぞ」 兄は答えます。 「おまえ、やっぱり今日はどこかおかしいぞ。はやく休んだほうがいい」 兄は妹を寝かしつけ、自分も隣に横になります。
「ううん・・・平気だよ。 おやすみ、お兄ちゃん」
「おやすみ」
兄はいつものように日が昇る前に目を覚まし、 まだ寝たままの妹の髪をそっと撫で、労働へとでかけました。
扉が閉まる音を聞いた妹は、ぱちりと目をあけました。 撫でられた頭の感触を、自分の手でそっとなぞりました。
その日の夜、兄が労働から帰ってくると、 家の中の何処にも妹の姿はありませんでした。
兄は真っ青な顔��外に飛び出しました。もう暗くなった街のなかを半狂乱で妹の名を叫んで探しまわりますが全く見つかりません。 通行人は誰も兄の相手をしません。夜通し街中を駆けずり回って探しましたが、妹はどこにも居ませんでした。
明け方近くなりました。もしかしたらもう妹は家に戻っているかもしれない。 わずかな期待をもって家にもどると、
家の前に、見知らぬ黒髪の男が居ました。 一目見てピンと来ました、以前妹が話していた男とは、この男に違いありません。
「妹をどこへやった!!!!!!」 兄は男に向かって叫びました。男は、額にもう一つ目がありました。黙りこくったまま、3つの目でこちらを見つめています。
「この、XXXX野郎!!!!」 兄が男に殴りかかりました。男は軽く身を揺らしてそれをかわし、逆に兄の首を右手で掴んで家の壁に叩きつけました。
「カッ、ハ………」 兄は壁に後頭部を打ち付け、気を失いかけます。 ですが、妹のためにもここで気を失うわけにはいきません。男の片腕を両腕で引き剥がそうとしますが、それはピクリともうごきませんでした。
やがて兄は抵抗をする力を失い、四肢をだらんと垂らして、それでも涙を流しながらかすれた声で懇願しました。
「頼む・・・妹だけは・・・ゆるしてくれ・・・俺のことは殺してもいい・・・なんだってする・・・ 金なら・・・誰かを殺してでも奪ってくる・・・だから・・・」
「かわいそうな子なんだ・・・親の顔も知らずに・・・流行病にかかって・・・ この街から出たこともなく・・・友もおらず・・・ずっと家の中で・・・ あの子には・・・しあわせになってほしいんだ・・・俺の願いは・・・」
「それだけなんだ」
男が手を話すと、兄は地面に崩れ落ちました。男は、そこでようやく言葉を発しました。
「お前を殺すことはできない。」
兄は、かすれた目で男を見上げました。この男は何を言っているのだろう。
「やがて夜が明ける。それで陽の光を浴びれ��お前は消えるだろう。 お前は、」
もうとっくの昔に死んでいるじゃないか。
兄はようやく思い出しました。
ああ・・・・そうだ。自分はとっくの昔に死んでいた。両親とおなじ、流行病にかかって。だが、たったひとりの妹を残して死ぬに死にきれなかった。まだゆりかごの中の妹を残して、自分まで死んでしまったら・・・・。
だから、望んだ。望んでしまった。 自らの命が尽きようとも、己の意志が終わらないことを望んだ。 神に祈った。
果たして、その願いはかなった。
「妹は・・・流行病なんかじゃ、なかった」 兄がぽつりと呟きました。 「それは俺が日の出ている間、妹に姿を見せられないがため、 ずっと働くための口実に��ぎなかった」
「俺はずっと働いてなんかいなかったんだ おれは……一体何をしたんだろう 妹をこの家にしばりつけて。 護るために、なんて、俺の勝手な都合でしかない」
「でも・・・それも、これで終わりだな」
家の中から妹が出てきました。 兄に駆け寄り、服が汚れることも厭わず地面に座り、倒れた兄を、羽根のように軽い兄の身体を抱き起こして、「・・・お兄ちゃん」と言いました。
涙がぼたぼたとこぼれ、兄の顔を濡らしました。 妹は泣きじゃくりながら言葉を重ねました。
「急に居なくなって、ごめんね」 兄はうなずきました。
「嘘ついて、ごめんね」 兄はうなずきました。
「私、幸せだよ」 「お兄ちゃんが居てくれたおかげで、寂しくなかった」
「ひとりだけ、ずっと辛い思いさせて、ごめんね」
幸せだった。 本当に、ずっと幸せだったよ。
やがて朝日が差し込むと、兄の身体は少しずつ薄れ、消えていきました。 兄の顔は、とても穏やかでした。
男がそれを見届けて立ち去ろうとしたのを、妹は引き止めました。涙でぐちゃぐちゃになった顔を腕で拭い、 「ありがとうございました。私にろくなお礼はできませんが、せめて名前を教えて頂けませんか」 そう言いました。
「……セイクリィドだ。」
男はそれだけ名乗ると、その場を立ち去りました。
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第五話 「四聖剣士」
クリードが木陰で本を読んでいると、 鎧を身にまとった、見知らぬ女に声をかけられた。
???「そこの方。少しよろしいかしら?」
クリード「はい。なんでしょう。」
???「あなたがこないだ、新しく終末剣士に就任した……クリード、で、あっているかしら。」
クリード「……はい。 確かに僕がクリードですけど、僕のことを知っているあなたは一体…。」
???「フフフ…あなたが驚くのも無理はありませんわね。 四聖剣士の存在は、この世界においては一つの上位存在。 凡人が知る由もない、神に最も近しい存在ですもの。」
???「わたくしはエーヴェ。 起承転結の“起”を司る、開闢剣士聖エーヴェよ。」
クリード「!」
クリード「…なるほど。はじめまして、エーヴェ。」
エーヴェ「……。 ……「様」、は?」
クリード「はい?」
エーヴェ「わたくしは由緒正しき貴族の生まれである上に、四聖剣士としてはあなたの先達よ。 敬愛と崇拝を込め「エーヴェ様」と呼ばせてあげる、と言っているのが分からない?」
エーヴェ「あなたのような平民とは格が違うのよ、と、 わざわざ口に出して教えてあげないと分からないほど、育ちが悪いのかしら?」
クリード「………。」
クリード「これはこれは失礼しました。 風貌も風格も品も、とても貴族の出であるようには、見えませんでしたもので。」
エーヴェ「……………。」
エーヴェ「なんですって?」
クリード「平民である我々と、わざわざ目線を合わせてくださっているのですね。 いやはや、通りで気付かなかったわけです。ありがとうございます。」
クリード「第一、四聖剣士になった時点で、登場人物としての出自は既に些事でしょう? ですから僕はあなたと違って、 あなたのことを出自にとらわれる矮小な存在だと見下したりなんかせずに、 対等な存在だと認めてあげますよ。 エーヴェ。」
エーヴェ「………実力で分からせてあげないと格の違いが理解できない程、真性のお馬鹿さんのようねぇ……!」
エーヴェの手の付近が光ると、身の丈ほどもある大剣が出現する。 一瞬で間合いを詰め、それをクリードに向けて振り下ろす。 背負った剣を抜き放ち、クリードはそれを受け止めた。金属と金属がぶつかり、大きな音が響く。 鍔迫り合いをしながら剣越しに互いが互いを睨みつける。
クリード「さすが開闢剣士……火蓋を斬って落とすのがお好きなんですね。 でもその剣、抜かないんですか?鞘に入ったままですけど。」
???「おいおい開闢ちゃんよう!」
また別の誰かが二人に歩み寄り、声をかけてきた。
???「勝手におっぱじめちまうなんてズルいじゃねえかぁ~?」
エーヴェ「……あんたは引っ込んでなさい。」
……背中にゴテゴテとした刺のような何かを装着した、怪しい出で立ちの男。 ミラーシェイドをつけているため��目元はよく見えないが、口だけで十分に表情は見て取れる。 両手に持つふたつの曲剣をくるくると回しながら、そのまま近づいてくる。
???「やーだね!こんな面白そうな戦い指くわえて見てられっかい! 俺も混ぜてくんな、いっちょバトルロワイヤろうや!」
エーヴェ「フン、言いつけも聞けない下賎な戦闘狂が……。 いいわよ、あなた達程度、二人まとめて相手してあげる。」
鍔迫り合いの体制から大きく後ろに跳び、 剣をかざすと、それが光を帯び始め―――
突然、エーヴェの背後から巨大な手が剣を“摘んだ”。
エーヴェ「……ッ!」
???「けんか、だめ。」
大柄の戦士は、剣を摘んだまま離そうとしない。 エーヴェが振り払おうと力を込めるが、剣はピクリとも動こうとしなかった。 顔を真っ赤にしていきむエーヴェの様子を、クリードともう一人の男が見つめている。 その視線に気が付くと、エーヴェが一度大きな咳払いをして、溜息をついた。
エーヴェ「……………分かったわよ。 分かったから、離して頂戴。」
???「………。」
手が離されると、剣が少しずつ透けていき、消えた。
エーヴェ「……クリード。何も知らない哀れなあなたに、慈悲深きわたくしが教えてあげる。 この変質者っぽい男は翔昴剣士。」
???「おいおいおいおい、こんないい男捕まえておいてヒデェ言い草だなぁ開闢ちゃん! まあいいけど。」
男はズカズカとがに股でクリードまで歩み寄り、ミラーシェイドを外す。
???「俺ぁ、スカンダっつーんだ。開闢ちゃんが紹介してくれた通り翔昴剣士やってるってわけよ。 四聖剣士同士、よろしくな終末君!そのうち手合わせしようや!」
強引に握手して、手を大きく上下にブンブンと振った。
クリード「……よろしくお願いします。」
エーヴェ「そしてこっちの無口で無愛想なのが、天変剣士。」
背が高いスカンダよりもさらに大きいその戦士は、 ゴテゴテとした鎧を全身にまとっているため、見た目からは性別が判別��きない。
???「……ひさしぶり、クリード。」
その場に立ったまま、天変剣士は軽く会釈をした。 それに対して、微笑んで軽く手をあげるクリード。
クリード「久し振り。チィタン。」
エーヴェ「……何よ、あなた達知り合いだったの。」
クリード「………しかし、今日はまたどうしたんですか? 四聖剣士が一堂に会するなんて珍しい。何も意味がないわけではないのでしょう」
エーヴェ「あなた、本当になぁんにも知らないのね。 魔神エンダーが、とうとう正式に復活したのよ。」
クリード「……!」
エーヴェ「しかもあんたの故郷で。 ……あんたの母親に取り憑いているって噂だわ。」
クリード「何……?」
驚いたクリードだったが、一つ思い当たるフシがあった。 父親の形見であり、家に残してきた一振りの剣。 あの剣はかつて父が、魔神を封印した剣でもあったと聞いている。
クリード「まさか、幕引剣が……」
エーヴェ「この世界に同時並行的に展開される物語の数量は、一定でなくてはならない―― だからこそ、調停役としてわたくし達四聖剣士が存在するのは、流石に学がないあなたでも知っているわよね?」
エーヴェ「停滞した物語は区切りをつけて終わらせなければならないし、 物語が減ってきたらわたくしが開闢しなければならない。 でも、今あの魔神ときたらこの世界の秩序なんてお構いなしに、 勝手気ままにバンバン物語を終わらせていくんだもの。たまったもんじゃないわ。」
エーヴェ「おかげさまで、開闢剣士たるわたくしの仕事の忙しさが半端じゃないわよ。 どう落とし前つけてくれるの?」
クリード「……。」
スカンダ「終末君にんなこと言ったってしょうがあるめぇよ、開闢ちゃん。 終末君だってエンダーのせいでやること無くなっちまって暇極まりねぇだろっしよー。」
スカンダ「それよりアレだ、とっとと魔神ぶちのめしに行こうぜ!! なにせ魔神だ……神だぜ?神と戦える日が来るなんてなァ……クククク。 俺ゃー今から、ワクワクが止まんねぇや!!!!」
エーヴェ「相手は魔神なのよ?簡単にぶちのめせるわけないでしょうが。 だからこそ、このわたくしがわざわざ、直々に貴方達に声かけているんでしょう…… 全く面倒くさい。知能指数の低い平民��と会話するのは本当に疲れるわ……。」
エーヴェ「とにかく、四聖剣士の力を合わせてあのエンダーを打ち取る必要がある。 クリード……あなたには辛い役目でしょうけど。」
エーヴェ「勿論わたくしもあなたの母親をどうにかして救えないか、手を尽くしてみるつもりではあるわ。 ただ……どうしようもなくなった場合は、手段を選んでなんて居られない。 言いたいことは分かるわよね?
クリード「………ええ。 魔神の存在はこの世界にとって、最悪の厄災。 僕達四聖剣士が滅ぼさねばならない存在です。 万が一倒せなくとも…最悪、封印まではしなくては。」
エーヴェ「………情に流されるようだったら、ここでしとめておこうと思ったけど。 さすがに四聖剣士に選ばれたことだけあって、そこまでダメではないようね。」
エーヴェ「さて、それでは早速案内してもらおうかしら。あなたの故郷に。」
クリード「……いいでしょう。 田舎も田舎なので、少し長旅になりますけど。」
クリード「ここからだと……そうですね、途中馬車を拾えても、早くて10日ってところですかね。」
エーヴェ「………今時、馬車しか交通機関がないっていうの……?…とんだド田舎だわ。 どうしてわたくしがそんな所までわざわざ出向かなければならないのよ……ったく。」
エーヴェは、吐き捨てるように言うのだった。 かくして、奇妙な四人組の旅が始まる―――
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四聖剣士と、『終末剣士聖クリード』の世界観設定
●開闢剣士聖エーヴェ
起承転結の“起”を司る。 物語がはじまるきっかけを作り出すための聖剣士。 もとは「由緒ある家系の一人娘」としてこの世界に“登場”した。 何不自由ない環境で蝶よ花よと育てられた為、 自分は物語の主人公であるという自覚が非常に強く、 その思い込みは聖剣士の覚醒と共に一層強固となっている。 世界は、自分を中心に回っていると 寸分の疑いもなく信じている。高飛車クソアマ。
●翔昴剣士聖スカンダ
起承転結の“承”を司る。 物語を盛り上げるための聖剣士。 もとは「乱痴気騒ぎ大好きお祭り男」としてこの世界に“登場”した。 産湯の中からあたためてきた生粋のバーサーカーソウル。 強敵と戦うことが大好きで、聖剣士としての覚醒は、 より強敵との戦いの渦中に身を投じる機会を増やせると 喜びを伴って受け入れられた。
●天変剣士聖チィタン
起承転結の“転”を司る。 物語の流れを大きく変えるための聖剣士。 もとは「巨人族の血を引く戦士」としてこの世界に“登場”した。 自分のことを多く語らないため、詳細は不明。
●終末剣士聖クリード →◆
●物語の世界 〜オストリィ〜
遍く物語が絶えず生まれ、育まれては消えてゆく世界。
世界の形状はいわゆる普通の現実世界に似ているが、 様々な文化レベルの都市が、同時並行的に世界の各地に点在していて、 それが矛盾なく成立している不思議な世界。
この世界の住人は全て物語の登場人物であり、 “登場”という出生と“退場”という死を幾度も繰り返す。 繰り返すたびに前世の記憶は失われているため、 同じ登場人物の物語であっても、 毎度同じ展開・同じ登場人物とは限らず、それらは少しずつ異なってくる。
世界には一つのルールがある。 同時並行的に展開される物語の総数が決まっているということだ。 一定数以上の物語が展開されている間は、別の新たな物語は始まらない。 そのため、何らかの理由で物語が停滞すると、物語の巡りが悪くなる。 これを解決するために、この世界には調停役が存在する。四聖剣士である。
四聖剣士達は皆、もともとは物語の登場人物として生まれる。 神に選ばれし者が覚醒し、物語展開の輪から外れ、 世界に展開される物語数の調停役となる。
また、この世界には世界の秩序を乱し、 展開される物語を強制的に停滞させたり、 終わらせたりする存在がしばしば生まれる。 それらを打倒し世界を正常な状態に戻すことも四聖剣士の役割である。
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赤土かぶら(ペンネーム)
●赤土かぶら(ペンネーム) 売れっ子ギャグ漫画家。25歳。 秋津の実の弟。『終末剣士セイクリィド』の原作者。 月刊漫画誌『ウツケ』にて、 『終末剣士セイクリィド』を連載開始。
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オマケ 赤土かぶら(戯書2期キャラクター)
~浪花の世界~オーサカ出身の ギャグ漫画家志望14歳男子。 漫画天使ポンチエルの誘いにより このゲームに参加する。 彼にとって戯書は、 彼のネタ帳に繰り広げられる草稿の世界。 彼が干渉する物語は、 どんなシリアス展開や悲劇的展開も、 最終的にギャグに持ち込まれてオトされる。
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