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スパイラルステアーズ(ポップンチュンスト)
(曲名) BabeL~Grand Story~
(ジャンル) スパイラルステアーズ
(収録) ポップンチュンスト
物語は、ここからはじまる。
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ポップン19と言えばタウンモードですが、その終わりのはじまり、壮大な物語の幕開けを告げる曲です。
片岡さんがボス曲というのも珍しいですが、その曲調もまた珍しい、ハラハラドキドキでエキセントリックでアグレッシブなカッコイイ曲です。洋画のサントラみたい。
まるで雷雨のように降り注ぐ、これでも���という程の階段譜面が印象的ですね。
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バベルという曲は三部作な訳ですが、このスパイラルステアーズは起承転結のメリハリがとても効いていて、この曲単体でもとても大きな物語を感じさせます。
サビのカッコ良さは言わずもがな、特にドラムが格好良いなあと思います。良い感じにバタバタしてて、ジャズドラムっぽい要素もあるような。タムの刻みに所々重なるシンバルの長い音が、破壊感というか破滅感あってとても味わい深いです。
惜しむらくは、サントラだとドラムの音が少し控えめに聞こえちゃうところ。ゲーセンでプレイしているとよく聞こえるのですが、プレイ最中に細かい音を拾う余裕がないのが切ない。
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始まりの予感を告げるストリングスからの、静かに落ちていくような、ピアノの転調。ここまでの短いイントロだけで、物語の、というか音楽の全容が何となく印象づけられます。とても良いイントロです。
物語はまさにそこから始まり、上へ上へ、天へ天へと登っていく。そして階段を上り詰めたところで、全てを一気に崩壊させ、混乱へ突き落とすようなサビがやってきます。
前半に一度混乱がもたらされたあと、階段は、塔は、ピアノのメロディとドラムの刻みと共に再びゆるやかに上昇を始めます。
そして登って登って次の段階がもう一度やっと見えそうになってくると、すかさずまた混乱がもたらされる。そしてさらにもう一度、まるで天へと近づく人間の業を見逃すまいとするかのように、大きなサビがプレイヤーを振り落とします。
全ての混乱が過ぎ去ったあと、メロディは静かに下降を続け、最後には塔はすっかり崩れ落ちたのか、それとも混乱を乗り越え耐え切ったのか、平穏な音がそっと流れます。
これはどちらの意味にも取れて面白いですよね。クリア出来なかったプレイヤーの塔は呆気なく崩れ落ち、クリア出来たプレイヤーの塔はさらに次の階層へと高みを目指し、伸びていくという。
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「 BabeL」というタイトル、そしてキャラ(タワーさん)からして、そのまんま旧約聖書の「バベルの塔」をイメージした曲なのですが、そういえばバベルの塔が未完成に終わったのは、人間が天に近づくのを業と見なした神様が、人々の言葉を混乱させてしまったからでしたね。
思えばポップンワールドも、ポップンという言わばひとつの大きな共通言語のもとに、様々な種族たちが生きて協力し合って世界を形作っているのであって。
とすると、神様……つまりMZDのさじ加減ひとつで、もしかしたらポップンワールドって全く違う世界になっちゃうのかもしれないですよね。
ポップンという共通言語がある世界がポップンワールドなのだとしたら、それが「ない」混沌の世界って、もしかしたらこの現実世界のことだったりして……。
ところでバベルの塔の話におけるキーワードは、先に示したように「言葉」な訳ですが、バベル三部作は、どれも言葉を用いないインスト曲ですね。
言葉が混乱をもたらすのだとしたら、それを取り去った先には、圧倒的なイメージとしてひとつの完結した世界があったりするのかも。
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ソフトロック(ポップン5)
(曲名)Homesick Pt.2&3
(ジャンル)ソフトロック
(収録)ポップン5
みんな旅の途中なんだから。
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1月27日は毎年127の日!ということでソフトロックです。127は当時の全楽曲数だと聞いたことがありますが、そうかー。
ちなみに2月27日は毎年227の日です。
あのイントロを聴くと、胸がどきどきワクワクするプレイヤーは多いのでは。永遠の定番曲ですね。ポップン史上に燦然と輝き続ける、永遠の名曲だと思います。
初期ポップンの「なんちゃって感」を受けて、からの5作目として、ポップンのこれから新たな一歩を元気良く踏み出すような曲。
私がソフトロックを聴いたのは7のlongバージョンからなのですが(なにしろ7のサントラからポップンにハマったもので)「風に乗って羽ばたくのは烏の計画」という出だしの歌詞の自由さに、新鮮でとても驚いたのを覚えています。
ソフトロック「Homesick Pt.2&3」全体に言えることですが、音楽の根底に、羽を大きく広げたような自由さが漂っている感じがとてもします。
また杉本さんの声質がたまらないん��すよねー。あれはもうひとつの伝説だと思います。
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リズムはとっても伸びやかでキャッチー。そのうえで、ストリングスでちょっと大人びて、硬派にシティポップっ載い感じもあったりして。ソフトロック、あるいは渋谷系には必須のトランペットとタンバリンもばっちりで、そしてアコギとピアノでネオアコもカバー、さらに特徴的なフレーズのキーボードで掴みもOK、もう全方位まんべんなく如才無い感じで、向かうところ敵無しです。例えばオレンジジュースってオレンジのいい所をぎゅっとしぼったものですが、なんというか、そういう感じ。過不足なく、という言葉が良く似合う曲です。
余裕をたっぷりと持たせたイントロからの、元気一杯に飛び出していくドラムのリズムがとても好きなのです。後にギタドラに移植されましたが、さもありなん、というくらい、ドラムが素敵な曲だなあと思います。
印象的なイントロのピアノの連打ですが、あれよく聴くと最初の方、不思議な間隔のリズムで、微妙にバックの音と若干ズレてるんですよね。曲中の要所でも同じフレーズが使われますが、あのフレーズが入ると、場面の切り替えがピッ!と締まるのがすごいです。
ホーンセクションとタンバリンはちょっとおとなしくてあまり目立たないのですが、そこがまた大人っぽくて(というか、むしろちょっとドライな感じで)とても良いのです。
ホーンはサビの手前の細かく盛り上がっていくところが、まるで歌ってるみたいにとっても楽しげで好きだし、サビでは対照的にのびやかで、特に「トラックに~」のあたり、音が大きくくるりと跳ね上がる箇所が大好きです。あのへんは「載・せ・て♪」のみっつのリズムもまた堪らないですよね。
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そんなわけで、今日ゲーセンに立ち寄りソフトロック(と、ソフトロックlong)を久しぶりにプレイしてきたのです。「あっミスった!」とか「ここ上手く叩けた!」とか一喜一憂したりして、とても楽しかったなあ。
そして、プレイ中にふと、ポップン5がゲーセンで動いていたころ、色んなプレイヤーが、それぞれ色んな想いを抱えながらソフトロックを遊んだのかなあ、なんて考えたりしました。
ポップンは長く続いているゲームです。長く続いている事の意味のひとつに、もしかしたら、昔のプレイヤーの記録を追体験することもあるのかなあ、とかなんか思っちゃったりしたりして。
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自分の希望や趣味趣向をひとまず置いといて、そのうえで「ポップンを代表する曲をひとつ選べ」と言われたら、多分「ソフトロック」と答えるんじゃないかと思います。次点で迷うのはポップスかな。
そのくらい、ポップンという音楽ゲームのなかで、ソフトロックという曲が占める位置って、とっても大きいんじゃないかな、と思います。
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愛を探そう(J-R&B2)
(曲名) 愛を探そう
(ジャンル) J-R&B2
(収録) ポップン3
きっと、誰もが強くなれる。
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疲れた時に聴きたい、胸きゅんR&B。
初期ポップンに燦然と輝くR&Bシリーズ第2弾「愛を探そう」です。良い曲ですよねー。ほんとに大好きです。
しかしR&Bってジャンルを今の日本の音楽ではあんまり聞かなくなっちゃったような気が。一時期はたくさん聞こえたんだけどなー。
R&BのアタマにJがつくと日本のR&Bということで、歌詞や曲調とかどことなくやっぱり日本っぽくなってて、とても良い意味でのカオスというか、うまく言えないんだけど音楽的な「ごった煮」感があってとても好きなのです。和洋折衷というか。そういうのが最近聞こえなくなってきたってのは、なんだかちょっと寂しいなあと思います。
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「愛を探そう」って曲はポジティブなんだけれどちょっとどこか寂しくて切なくて、でもやっぱり最後はポジティブで、そういう所が救われる気がしてとても好きです。
R&Bはともすればクールで重くなりがちなんだけれど、「愛を探そう」は軽めのリズムと効果音と、何より伸びやかな明るい歌声!のおかげであまり暗くなってないところが凄い良いです。ラブアンドピース的な感じ。
透き通るシンセのリズムが気持ちよくて、そこも重くなり過ぎない要因なのかな、と思ったり。ゆったり余裕のあるベースラインがかっこいいです。じんわり心に沁みます。ギターのフレーズも小気味よく効いていて良いっすね。
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基本的にはすごくストレートで素敵な歌詞なのですが、前半の部分「心から笑えた/あの頃では /自分の幸せ気付かないネ」のところ、ふと考えるところがあったり。
実は意外と、幸せな時って、幸せであることについて特に意識してなかったりするんですよね。自分にとってなにが幸せかな?幸せってどういうことかな?とふと考えるのは、(一時的に)それを失った時のこと。風邪を引いた時に健康の大事さが身に染みるみたいなもんでしょうか。
ポール・オースターの編纂した本に「ナショナル・ストーリ・プロジェクト」というものがあるのですが、人々の話を集めてまとめたその本の最後に、色々なものを失ってしまった女性が孤独を感じるなかで、それでもその孤独によって忘れていた「自分」の存在に気づく……という話が収められています。その話の最後は、こういった文章で締められています。
「ときには、打ち捨て��れるのも幸運なことなのだ。喪失から立ち直っていくあいだに、自分がいつの間にか戻ってくるかもしれないのだから。」
愛されるより愛したい、なんて歌がありますが、愛されることよりも、自分の心で何かを愛している/愛していくことって、ほんとうは何より大切なことなのかもしれないですよね。
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ボーカルベスト3にはロングが収録されていて、ファンには超必聴となっております。昔のポップンは、ゲームの容量のせいか曲が全体的に今よりもちょっと短めで、今改めて聴くとちょっと物足りないなーとか思ったりするので、そういった意味でもロングが収録されているボーカルベストは貴重です。
特に聞きどころは後半転調からのサビ、そしてラストの盛り上がり。あの部分はほんとに良いです。こう、胸に詰まるというか、とても胸の奥深いところがきゅっとなります。なにか大切なことを思い出すときのような、そんな気持ち。
ボーカルベスト3はポップンにハマってすぐの時に手に入れたCDなので、そういった面でも個人的に感慨深いです。
デザインも好きだったので、また復活しないかなー。
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ラガポップ(ポップン8)
(曲名) Sci-Fi Girl
(ジャンル) ラガポップ
(収録) ポップン8
すこしふしぎな女の子。
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その昔あった異色の打楽器ゲーム「マンボ・ア・ゴーゴー」。収録曲の良さはもちろん、キャラも画面ももちろん筐体の作りも楽しげなので、いちどでいいので触ってみたいゲームのひとつです。確か基板にプレミアがついてるとかそういう噂が昔あったような気がしたけど、今はどうなんでしょう。
楽曲はのちのBEMANIシリーズにぼちぼちと移植されてはいるのですが、どうにかサントラだけでも作って欲しいなーと思います。ゲーム自体は、そうだなあ、今ならばタブレット用に配信とかどうだろう。勢い余って叩きすぎちゃうからダメか。
ラガポップ「Sci-Fi Girl」はポップン8に大量移植されたマンボ・ア・ゴーゴー楽曲のなかのひとつです。
ラガポップ、つまりインド系ポップということで、マンボなのに何故ラガポップ?という疑問が湧くわけですが、TOMOSUKEさん曰くタブラーという打楽器繋がりなわけですね。そう言えば「素敵なタブーラ」という素敵な曲もありましたね。それとは関係ないか。
しかしそこになぜSFなのか……。
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全体がゆらゆらうらうら揺れるみたいな、ゆるーい風合いが魅力的です。あたたかいバブルバスにふわふわ浮かぶしゃぼん玉のような曲だと思います。
ボーカルは、流して聴くと普通にゆるっと可愛らしい感じなのですが、よくよく聴くと本当に独特かつものすごく歌唱力が高くてビビる。特にサビのゆらゆらっとした声の立ちのぼり方がすごくて、音階の捉え方というかよくこの音階外さずに取れるよなあと思います。力って、入れるより抜く方が難しかったりするのですが、いい感じに力が抜いてある歌い方なんですよねー。すごいなあ。うまいなあ。イントロと間奏のセリフネタもたまらんです。
ラガポップでコンガじゃなくてタブラーということですが、他にも後ろで鳴ってるシタールっぽい音がインド風ですし、基本のリズムの刻み方や、間奏に入るゴージャスな効果音もまさにインド。
しかしこれだけインド風なのに、ちゃんとポップで少女でしかもSFって物凄いですよね。どれだけの要素を盛ってるんだ。
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Sci-Fi GirlということはSF少女な訳ですが、音的にどの辺にSF要素を感じるかと言えば、宇宙通信的に入るピポパポ効果音や、周波数を探すように時折ブレるサインウェイブ。あとは何より、前にも書きましたが、全体に漂うふわっとした電子音がたまらなくSFちっくです。なんというか、SFとひとくちに言ってもあまりハードでクールじゃない方のSFというか、ソフトな感じがしますよね。なんたってラガポップですし、なんたってガールですし。
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アンドロイド(でいいのか?)のキトゥン777が「人間って幸せなのに泣いちゃうのはなんで?」という具合に、論理と相反する人間の性質について疑問をなげかける曲(ということで合っているのか)なのですが、アンドロイドって人間を模して作られたものだとして、アンドロイドがより人間らしくなるためには、人間のことまずを知らねばならないのですね。
コンピュータ思考、人工知能(AI)が事実を論理的に処理する時にふと気づくのは、人間の心と体の不思議な矛盾。人間だってよく分かっていないソレに気づいてしまったら最後、答えのない問いは永遠のループになって、回転数に影響するのかも?
だとしたら、そんなアンドロイドが感じる世界のリズムは、ちょっとふわふわで、ゆるやかなのかもしれませんよね。
もしかしたら、彼女は足元の星以外のどこかのヒトと通信して、そんな「すこしふしぎ」なものに少しでも多く触れたいと思っているのかな。
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カドルコア(ポップン10)
(曲名) 「 murmur twins 」
(ジャンル) カドルコア
(収録) ポップン10
キラキラな毎日でありますように!
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あけましておめでとうございます!本年もレビューを書いていきたく思います。
ということで新年一曲目はカドルコアです。
今年の��月一日にポプ初めと称してプレイしてきたのですが、そのとき選んだ一曲です。
願うところは、楽しい素敵な毎日が送れますように、というやつ。
きりもみ階段で昇り降りするギターはジェットコースター、楽しくはね回ってくるくる流れるピアノはメリーゴランド、まるで遊園地みたいです。断片だけ聞き取れる歌詞と合わせて、まさに子どもの世界をめいっぱいに表現した、楽しさいっぱいの素敵な曲です。
弐寺の原曲はwacOSということで、デジタル感もあるかわいいポップなのですが、こちらポップンのギターポップ版は、ギターによってさわやかさプラスのかわいらしさ倍増、キラキラもマシマシのスペシャル・プリンアラモードとなっております。
アコギとエレキのいいとこ取りというか、アコギは胸がきゅんとするような不思議なノスタルジーを、エレキはわくわくするようないたずらっぽさをもって、カドルコアという曲を作っています。
そして常盤ゆうさんの歌声がいいですよね。明るくて可愛らしくて、ちょっとやんちゃで。常盤さんのちょっと鼻にかかったような声質と曲の雰囲気がマッチして、いい意味での子どもっぽさがありますよね。「Are you ready?」が可愛すぎてたまりません。そこでいたずらっぽく鳴らされる、短いギターの音も。
カドルコアには、全体的に、なんというか心の琴線をピーンと弾く小さな仕掛けみたいなのがたくさん仕込んであると思うのです。きっとそれは、心が音のひとつひとつに弾むのは、誰もがかつて、小さな子どもであったからだと思うのです。
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カドルコアのコンセプトで「言葉の魔法」ってのが大好きなのです。アルファベット26個だけでどんな言葉でも作り出せる!というアレ。日本語だとちょっとややこしいことになるのですが、確かにアルファベットだとたった26個の組み合わせでありとあらゆる言葉を作れるんですよね。
つまりそれは、世界を創造するということに等しい。sadnessが組み立てられるのなら、happinessだって組み立てられるはず。気がついたひとだけが使えるそれは、まさしく魔法。そしてきっと魔法に気がつくのは、言葉と世界に慣れっこになってしまっている大人よりも、やっぱり子どもなんでしょうね。
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うかうかしている間に今年ももう1週間が経ってしまいましたねえ。こんな感じで、今年も1年あっという間なのかなあとか思っていたり。
どうにもならないことも世の中多々ありますが、自分で言葉を並べられるのなら、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでも自分の力で世界をキラキラにすることは出来る……かも。
ぺちゃくちゃおしゃべりしながら、はちゃめちゃ楽しみながら、毎日を送っていきたいなあ。
今年も世界が、キラキラでありますように。
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オオミソカ(ポップンいろは)
(曲名) さようならこんにちは
(ジャンル) オオミソカ
(収録) ポップンいろは
良いお年を!
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いろは以来、年末になると「今年もオオミソカの季節だなあ」としみじみ思います。大晦日という日に特別な雰囲気があるというのはもちろんですが、一年の最後にふと思い出してしまう理由は、この曲が超いい曲だからです。片岡さんは毎度捻ったコメントを載せる方ですが、歌詞はものすごくストレートに、胸を打つ言葉を紡ぐ方なんですよね。
BPMものんびりめで、譜面もハイパーまでだし、聴いていて、遊んでいて、つい一年のことをふと振り返ってしまうような曲です。穏やかななだけじゃなくて、なんてったって楽しく前向き!ふっふー!はっはー!のコーラスが楽しすぎて大好きです。大晦日って、思えば、ひとがいちばん前向きになれる日かも知れません。
曲コメントも短いながらも味わい深くて良いですよね。じんときちゃう。ポップンスタッフの、そういう言葉遣いというか、ものごとに対するセンスがとても好きです。
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年越しを迎える瞬間は何をしているか、人によっていろいろあると思うのですが(蕎麦食べてたり、何もしなかったり、カレンダーめくったり、ジャンプして「新年おれは地上に居なかった!」とか言ったりとかとか)私は紅白歌合戦からの「ゆく年くる年」をのんびりと見つめる派です。
年が明ける瞬間、真っ暗闇に灯る篝火とか、参拝をする方の白い息とか、そういうのが映りつつ、鳴るのがあの「ポッ、ポッ、ポッ、……」というカウントダウンの音。いよいよだな、と思うのです。そして最後に「ポーン!」と鳴った瞬間の、不思議な気持ち。オオミソカでもそれは再現してあって、最後には除夜の鐘が鳴り響く。
現実の大晦日では年が明ける瞬間、昨年のことを改めて考えたり、新年のわくわくなんかを思い描いているわけですが、ポップンのオオミソカのラストを聴いてふと思うのは、今までに迎えてきた数々の「大晦日」だったりするのです。あの時はこうだった、この時はこうだった……そしてもちろん、これから迎えるであろう「大晦日」のことも。
ポップンのオオミソカのことを個人的にひっそりと「ポータブルオオミソカ」と呼んでいるのですが、一年いつなんどきでも、大晦日の日に考えていたことを思い出すのって、実はわりと大事なんじゃないかと思うのです。勝手ながら断言させていただくと大晦日って、どんな人でも、絶望よりかは希望の方が、ほんのちょっとでも多い日だと思うから。
だから、そんな気持ちをいつだって思い出させてくれるこのオオミソカ「さようならこんにちは」という曲を、いつでもポケットに入れて持ち歩いていたいと思います。
さあ、あと1時間あまりで今年の大晦日がやってきます。
良いお年を!というのは前回うっかり言ってしまったので、今回は敢えてこんな感じでシメちゃいます。
みなさま、良い大晦日を!!
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ウィンターダンス(ポプ9)
(曲名) White Eve
(ジャンル) ウィンターダンス
(収録) ポップン9
聖夜に流れるヒットソング。
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ポップンで冬の曲と言って、真っ先に思い浮かんだ曲です。ポプ9の稼働が12月のクリスマス過ぎだったこともあり、以来毎年赤と緑が街に溢れ出すとつい「今夜はきっと♪」というメロディが頭の中に流れてしまっています。けっこう同じ思いをしているポッパーは多いのではないでしょうか。
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「冬の街に流れるヒット曲」という曲コメントから、そういうテイで作られたキャッチーな曲なのだということが分かります。みんなドラマのヒロイン気分ということで、ポップン世界で冬クールに放送してる人気恋愛ドラマの主題歌で……みたいな設定だと楽しいですよね。月9っぽい。
曲調も歌詞もいい感じにベタな感じで、ほんと曲コメントの設定がハマってるなあ~と思います。
全体的に軽やかで、キラキラした透き通った音が冬感満載です。そのままだとふわっと甘くなっちゃいそうなのですが、ギターソロが要所要所を引き締めていてとても良いのです。
同じ新谷さんの冬曲だと他にウィンターポップがありますが、あちらが甘くやわらかく、舌の上でそっと溶けるような冬だとしたら、こちらはもう少し味がはっきりしていて、飲み込むと喉の奥がキンと冷えるような冬。もちろん甘いんだけれども、それだけじゃあなくって、みたいな感じがあるかなあと思います。……二度目のクリスマスだから?(そうか?)
ウィンターポップが少女だとすると、ウィンターダンスはお姉さん、的な気がしますね。
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サビから始まって起承転結が実にしっかりとしているので、まさにヒットソング的というか、聞いていてすごく安心する展開ですよね。
思えばポップン曲って実際のドラマの主題歌と曲の長さがけっこう近いわけで、そう考えるとさらにウィンターダンスが持つ冬のヒットソングという設定はしっくりくるなあと思うのです。ポップンはこういう入れ子構造的ななんちゃって感が楽しいですよね。
メロディは、普通に聴くと……ダンス?とか思っちゃうのですが、実際曲をプレイしてみるとリズムがしっかりダンスのリズムなんだなあということがよく分かります。EXで言うところの白ボタンがそれ。
乱打もあるし音が細かく刻んであるしでなんとなくBPMが速いのではという気がしてしまうのですが(私だけか)、実際はそんなことないんですよねー。耳の錯覚というかなんというか……。でもって、試しに口ずさんでみると普通にゆったりに聞こえるんだからまた不思議。
ツガル……じゃない、津軽には7つの雪が降るとかなんとかですが、同じ雪でも降り方が違うように、ひとつの曲でも色んな聴き方ができるのは楽しいなあ、と思います。
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もうクリスマスかあ。一年って早いですよねえ。
ということで今回、クリスマスに引っ掛けての選曲でもあったのです。ポプ9稼働からもう16年かあ。年の瀬ということもあり、なんだかしみじみしちゃいますね。
本年のポプ曲レビューの更新はこの記事が最後となります。思いつきで始めてみた割には、意外と続いているのが愉快ですね。とりあえず50曲書くのが目標!!だったりするので、来年も毎週日曜日に細々と書き続けていきたいなと思っております。ウィーラブポップンミュージック!
それではひと足早くメリークリスマス!!そして、どうか良いお年を!!!
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ジャズワルツ(ee'mall)
(曲名) CLOUD
(ジャンル) ジャズワルツ
(収録) ee´mall
灰色の街のうた。
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すっかり年末というかもう真冬だし、今年の残り2回は冬特集です。
冬を思い出す曲…と色々挙げて行ったなかでふと思い出したのがジャズワルツでした。明確に冬のイメージが盛り込まれた曲ではありませんが、覆い隠しようのないもの寂しさには、晩秋~真冬の空気を感じる気がします。
曲名の「CLOUD」は工場の街というイメージの他にも、個人的には、天気があまり良くなくて低くたれ込めた曇り空のイメージもあります。ちょっとだけ息が詰まるような空気感。歩いていると、視線がつい足元を向いてしまうような。
ジャズワルツというわけで、どちらかと言えば普通にちょっと重めのワルツっぽいのですが、よく聞いてるとドラムの音がジャズワルツっぽいんだなあと思ったり。
一見ばらばらに聴こえつつもしっかり刻みを取ってるジャズワルツのドラムって、かなり好きなリズムです。特にこの曲では、控えめな叩き方が少し重たい雰囲気にピッタリで、とてもいい味出してると思います。
主旋律のギターの爪弾きがよいですよね。ジャズワルツと言うと、割と明るくオシャレにな印象がありますが、ギターがぴんと爪弾かれると一気に深く渋い空気になります。後を追うアコーディオンもちょっと寂しくて、半音下がった感じの物悲しさがあると思います。
でも寂しいだけで終わっちゃうんじゃなくて、ちゃんとしっかり激しいワルツ。中盤から後半に掛けて、登っていくように盛り上がる部分、そこからの、ラストにすっと抜けていく場面。始まって終わっていく、まるで物語のような曲調だなあと思います。
村井聖夜さんの手がける曲の中でもダウナーな風合いの曲ってとても好きでして(例えばほかにはナイトアウトRemixとか)、暗く苦しいのとは少し違う、鼻の頭が冷たい風で冷えていくような、言い様もなく寂しげな感じがどうしようもなく好きです。
��してテンションが低い訳では無いんですよね。盛り上がりも、起承転結もきちんとあって。むしろだからこそ、いっそう寂しさが際立つのかなあ、とも思います。
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灰色の工場の街というと、イメージされているのは産業革命直後のイギリスですかね。でもワルツだし担当セシルくんだし、ちょっと北イタリアっぽい感じもする。
曲コメントから垣間見えるように、労働階級の生活の合間合間に聴こえてくる音楽というか、そんな感じがします。銀河鉄道の夜のジョバンニが暮らす街の空気というか、天空の城ラピュタのパズーの生活の一幕というか……。
そういえばイギリスと言えば児童文学ですが、イギリスで児童文学が発達した背景には、産業革命があるのだと聞いたことがあります。
急激な産業の変化によって大人が必死で朝から晩まで働くようになったため、その間に子どもが一人でも学べるように、退屈しないように、児童文学が発達したのだとか。
物事はいろんな見方があるのでもちろんこれが唯一の理由ではないとは思いますが、言われてみるとなるほどなーって感じですね。
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石炭の煙で厚く曇った空の下、酒場から流れてくるワルツの音楽と足を踏み鳴らす音、そして汗の匂い、蒸留酒の香り。どこかで誰かのために紡がれる言葉たち。
そういったものを全て内包して、音楽って、そして物語って出来ていくのかもしれないですよね。
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人妖絵巻其ノ参「鴉天狗」~鞍馬のHAYATE~(うさ猫)
(曲名) 人妖絵巻其ノ参「鴉天狗」~鞍馬のHAYATE~
(収録) ポップンうさ猫
これぞ!爆音和風ジャズ。
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ポプ曲レビュー、うさ猫特集のラストは満を持しての鴉天狗です。解禁直後から稼働終了までずっとやっていただけあって、これを書かねばうさ猫特集は終われない!と思って最後までこっそり取っておいてました。最後はこの曲で絶対書くぞ!と決めていたのです。
例えばスコア更新するとかミスを減らすとか、そういうふうにやり込んだ、というよりは、ほんとただ単純に「やりたいからひたすらやってた」みたいな曲でしたね。なんというか、ずっと聴いていたくて。音楽に合わせて、手を動かしていたかったのです。本当に好きな曲だなあと思います。
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うさ猫の目玉だった人妖シリーズ、三作目はまさかのインスト、し��も和ジャズ。狐と鬼かカッコイイ男性ボーカルだったので、そのままそういう路線なのかなと思っていた人は多いと思います。(とりあえずの)ラストでインストか!ととても驚きつつ、好みの曲調に燃えに燃えて、一気に解禁を目指した思い出があります。今となっては、何だか懐かしいな。あとインストということで、崇徳様の性別がよくわかんなくなりましたね笑。いやまあ、男の子(子?)なんだろうけど……。希望的観測(何の)をうっすらと残しつつ、いつかの未来にまた再登場して欲しいな~なんてこっそり思っていたりして。ギタドラのAncientBreezeが移植されたりしたら、担当は彼がぴったりなんじゃないかと思うんですけど。どうでしょうか。
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和ジャズ、ということで思い浮かぶのは禅ジャズですが、あちらとはちょっと方向性が違くて、もうちょっと明るく元気に弾けた感じ。とてもいい意味で、カッコつけた感ありますよね。
ポップン爆音ジャズ。赤い流れ星の……いやどうだろう。結局未だこの曲公式コメント出てないですよね?曇天の秘密は今後明かされるのかどうか。
和ジャズとひと口に言っても色んな要素があると思うのですが、この曲ではとてもストレートに、和風の楽器の音、そして和音階を取り入れてるってことで和ジャズ。
時折聴こえてくる、効果音的なキメの和楽器音が萌えどころ、もとい燃えどころです。前半、高く響く笛の音が鴉天狗要素バリバリな感じでとても好きです。あと鼓も良いし、それに混じる後半の拍子木も聞きどころ。半鐘も良い味出してますね。こうしてみると舞台装置っぽい音が揃ってるな。
個人的に、天狗様って強くて派手なイメージがあるので、そんくらい見世物っぽい「いかにも」なかっこよさがあっても超いいと思うのです。
*
ゲーム曲をサントラを買って聴く醍醐味は、ゲームで集中して遊んでいる時には聴き取れない細かな音が聴こえるということだと思っているのですが、そういう意味では「鞍馬のHAYATE」はほんとうにサントラを買って良かったというか、耳を澄まして聴けば聴くほど、意外な発見と面白みがある曲だと思います。
例えばイントロからのギター。偏執的なまでにぎゅんぎゅん唸っていて掴みどころが全くないのですが、そこがものすごくカッコイイ。曲の雰囲気は全然違うのですが、jet coaster☆girl のギターに近いものを感じます。あれも偏執的なギターだ。
あとピアノですよね。特に後半、わざと体系を崩しつつも、ラストに向かって一気にまとめあげていく疾走感、そして爽快感。いつの間にか一本の線で全てがピン!と繋がっている感じ。一見まとまって見えるものがよく目を凝らしたらばらばらで、それでも圧倒的な力を持ってまとめあげてねじ伏せていくような感覚。いろんな意味で、これはほんとうに「強い」曲だなあと思います。さすが天狗様ですよね。
*
ポップン曲レビューでうさ猫曲特集をやろう!と決めた時、最後は絶対鴉天狗にしよう!と密かに狙っていたので、とりあえず最後ま��駆け抜けることが出来て個人的には満足です。
鴉天狗が解禁イベントに乗っかってきたのははじめの頃ですが、あまりにカッコよくて一生懸命解禁したので、とても印象に残っています。これだけは何としても解禁せねばと思って頑張った思い出の曲です。クリアも安定させるべく頑張ったなあ。ハイパーはラストの微妙な配置がくせ者でしたね。あそこは今でもたまに引っかかります。
うさ猫という新作を通して、自分にとってポップンの醍醐味とは楽しい曲に触れること、そしてそれを思いっきり遊ぶことなのだと改めて思った訳ですが、「鞍馬のHAYATE」はその思いを確実に彩ってくれたと感じています。これからも末永く、ずうっと遊んでいたいなあ、と思ってます。
もちろん曲コメントもずっとずっと待ってますので、いつ更新したっていいのよスタッフ様!
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90G Race(うさ猫)
(曲名) 90G Race
(収録) ポップンうさ猫
新時代の宇宙派スピードポップス。
*
「ドッペルゲンガー」と同じコンビの楽曲ですが、あちらとは微妙に方向性が違う感じです。ナチュラルベアとkiyommy+seiyaみたいな差異がある気がします。
BPMマシマシで疾走感アップ、ギャグも切なさも不満も不安も車載しつつ、行き先不明の判断に迷ってるうちに超スピードでぶっちぎる爽快感。
スペース×レース、という宇宙感とスピード感に溢れた曲です。今思ったけど、スペースとレースって語感がちょっと似てる。
ふと「宇宙間でのスピードの計算ってどんなもんだろう」と思ったのですが、慣性法則も壊してって歌われてましたね。そうか……。
宇宙っぽいふわふわした無重力と、レーシング的な圧倒的スピード、一見反作用に働く力を一気同時に展開しているところが素敵なのです。光年って実は時間じゃなくて距離の単位だけど、のんびりした時間のように見えながらその実って光の速さの距離なんだよ、みたいな具合で。
*
ドッペルゲンガーで強く意識されていた「キャッチーさ」がところどころにしっかり入って、かっとばしながらも落としどころもばっちり。超速なんだけれども決して置いてきぼりにはしないところが、にくいですよね。
反面、この世界のあらゆるものすべてを振りほどいてブレーキなんて知らなくて、アクセル踏めるだけ踏んじゃうような、TANEKOさんの振りきった歌声がとてもカッコいいのです。この曲の歌い方にはパワーとスピードがあって、力強さと爽快感、その二つが揃ってたらもう最強ですよね。
*
サントラでは嬉しいサプライズでロング収録でしたね。まさかの「ドッペルゲンガー」と同時ロング化で、情報解禁されたときとても嬉しかったのを覚えています。
ロングでび��くりするのは、なんといってもあのちょっとゆるめのラップパートの挿入。そこから、あの転調からのサビ、そしてラストめがけて上がっていく焦燥感、疾走感、エンジンの回転数。
ゲームサイズの曲をロング化するにあたって、そのままの感じで引き伸ばすのも全然ありだと思うのですが、それでもアーティストのこういった「イタズラ」に近いような仕掛けにまんまと騙されることができるのは、聴く側の特権ですよね。とてもしあわせだなあと思います。
*
うさ猫稼働終了時点で選曲一位の曲でした。
追加情報が来たとき、曲バナーを見るとだいたい好みの曲かどうかなんとなく勘が働くのですが、そんな勘に突き動かされて選曲して以来ずっとずっと遊んでいました。新規イラストのローラ様もとてもおうつくしくてね……。青いまつげとアイラインにめろめろです。
はじめてハイライト発生を意識してプレイしたり、easyつきだけどもはじめて45をクリアしたり、やり込んだだけあってとても思い出深い曲です。
うさ猫で一番好きな曲だと思います。
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カルボナーラ泥棒(うさ猫)
(曲名) カルボナーラ泥棒
(収録) ポップンうさ猫
正解泥棒。
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カルボナーラどろどろ、と一瞬聞こえてしまった人は、過去にカルボナーラの製作に失敗したクチですね。仲間だ。
カルボナーラ泥棒、という言葉のインパクトがすごいです。カルボナーラでしかも泥棒だぞ。電波曲ではもちろんぜんぜん無いんだけれど、サビをしっかりボタン叩かせる譜面と相まって、どうにも軽く洗脳されてしまう曲です。しかも曲調と歌声はしれっとお洒落でキュートなもんだから、もう!
ファニーでキュートでファッショナブルで、絶妙なバランスなところがとてもポップンらしい曲だと思います。
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はじまりのゆるいドラムロールに、後期渋谷系……というかサブカルキュートな系譜を感じます。
お洒落で可愛いだけだと隙がないんだけど、要所でちょこっと入る電子音とか、転調時の「チーン☆」とか、ラストの太鼓(っていうのか)とか、そういった面白要素が、音楽にとっても素敵な広がりをプラスしていると思うのです。「cute」なだけじゃなくって「funny」もあるよ、みたいな。肩の力がほうっと抜ける感じがするのです。
お洒落って、突きつめていくとシャープでエッジの効いたものになっちゃうので、特にゲーム音楽のように遊ぶことが大前提としてあるものだと、そういういわば「落とし所」みたいなものってとっても大事なんだろうなあと思います。
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ゲームに集中してるとどうにも歌詞の聴き取りまで頭が及ばないので、歌詞がとても気になっていた曲のひとつだったのです。
「ちょっと散らかっているけれど」「必死で片付けた」と歌っているので、���の子が彼を呼ぶために、お料理の前にお部屋を片付けてから買い物に行って……と、そんな感じかと思っていたのです。真逆でしたね!
ということで、女の子が反対方向の位置に住む彼をわざわざ訪ねて、カルボナーラを作ってあげる歌でした。
ここで特筆すべきは「必死で片付けた跡がかわいいのよ」ですね。女の子が!彼のことかわいいって!!言ってる!!!しかもこの女の子は多分、そういうこと思ってても本人に直接言わない系ですよね。心のなかで思ってて、彼が見てないところでそっとほほえむ感じ。女の子が一枚上手な恋愛なのですね。ああ、とてもかわいい……。
さらにこの「一枚上手感」は曲中でもう一か所出ていて「シンプルな料理は奥が深いの/恋愛と同じね!ねえ?気づいてた?」というところ。この「多分気づいてないんだろなあ」「でも気付いてるかも」「やっぱ気づいてないっかあ」的に、気づいていて欲しいような、そうでもないような、ていうかそもそも気づいてないよね……と全ての正解を知りながらもパスタを茹でるお湯の如くぐらぐらゆらゆら揺れる感じがたまらなく女の子!だと思うのです。
しかもさらに言えば、一枚上手?な女の子でありながら、それでも彼のハートを盗みたい、とりこにしたいって思ってるんですよね。
なんかもう可愛すぎてにやにやしてしまいます。うひーたまらん。
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配信当時、この「カルボナーラ泥棒」と「朝までワンモアラブリー」をひたすらやり込んでいたら、ナビくんがどうにもかわいい感じにしかならなかったりした思い出。
熱血は結局途中で諦めたっけな……。
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Spangles(うさ猫)
(曲名) Spangles
(収録) ポップンうさ猫
夜の時間のネオンサイン。
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稼働当初からひたすら遊んでいた思い出深い曲です。細かく素早い癖のある階段譜面に苦戦して、うさ猫後半あたりにやっとHをクリア出来るようになったという……。そんな譜面に象徴されるメロディアスなピアノが印象的な、大人っぽくて、でも渋いだけじゃない、良い意味で癖のある中毒性の非常に高い逸品です。
イメージするのはネオンサイン。それもけばけばしく派手さのあるものではなく、ピンクと淡い紫色、みたいな、賑やかさのなかにもどこか大人っぽさとニヒルなクールさを漂わせるような組み合わせ。それはそのまんま、担当キャラのシェリーさんそのまんまのイメージですね。キャラクター先行の募集企画だけあって、そのへんほんとうにぴったりだと思います。
クラブというのか、お酒も飲めるけど生演奏でちょっと踊れるみたいな場のイメージです。
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一時期、踊れる感じのノリがいいエレクトロスウィングをやたら耳にする時代があったのですが、満を持してそれ系がポップンに来たなー��てとても嬉しかったりしてます。音が近いところでは猫又さんのエレクトリックマヌーシュスウィング(ジャンル名長い)がそんな感じですね。
PON氏のコメントでもありましたが、ジャズ系というとどうしても渋くなりがちなのですが、このSpanglesを含め、ポップンで扱うジャズ系はいかにも!なものからちょっとした変化球まで、バラエティに富んでいてほんとうに楽しいなあと思います。
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ピアノで基本メロディを引っ張りつつ、ブラスとリズムを電子でまとめあげた曲なのですが、要所要所に挟まる電子ドラムが透明感あって気持ちいいです。暗闇に浮かび上がるネオンの光って妙に透明感あるなあ、と思うのですが、そういうのに近い感じの音だと思います。生のドラムもカッコイイのですが、電子ドラムもいいですよね。華やかでクールな音です。
あとなんと言っても、この曲はベースがいいですよね。出だしのかっこよさはもちろんですが、中盤のピアノソロへ向かう所の音階がたまらなく渋いです。電気的で透明感があって、ちょっとふわっと浮いたような感じの曲だからこそ、地に足をつけるようなしっかりしたベースラインが重要になってくるんでしょうね。
思えばネオンサインって明るい所ではあんまし目立たない訳で、その輝きが引き立つのは、夜の暗さがあってこそなのですね。
何かの良さを十全に引き出すためにはその反対となる性質のものも必須なのであって、そのポイントを外さずにしっかり抑え切ってるSpanglesという曲は、カッコよく無いはずがない!と思うのです。
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稼働してから真っ先にやり込みをはじめた曲でして、個人的うさ猫の流れはこの曲から始まったという気がしています。稼働当初から終了まで、うさ猫というタイトルを私のなかでずっと引っ張ってくれた一曲です。
実は未だに修行中の曲だったりするのですが……精進します!
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朝までワンモアラブリー(うさ猫)
(曲名) 朝までワンモアラブリー
(収録) ポップンうさ猫
多分死ぬまでワンモアラブリー。
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渋谷系という前提で作られた渋谷系、という箱庭的要素というか、「敢えて」の面白さを素敵なメロディに乗せてこれでもか!!と詰め込んだ曲だと思います。チープなオマージュはよくなくないそうですしね。
先にジャンルがあってそれから曲があるというあたりが、ナンバリング一桁時代のポップンを彷彿とさせます。「なんちゃって」と「ごっこ遊び」の時代ですね。
さて、レオくん(とスギくん)と言えばパーフリのイメージがありますが、今こうして改めて考えてみて、単純にほんとにいいのかそれで!とか思ったり。けれど、そもそも色んな始まりであるところのポップス(リエちゃん担当)がまんまアレなので、やっぱ良かったんだな。と20年たった今、ひとりでしみじみ納得しております。
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渋谷系って言葉が出てきた頃の渋谷系って、メロディは素直に綺麗なんだけど、歌詞がちょっと��ねくれた(って言っていいのかなあ)ところがあって、それがとても特徴的だと思うのです。ロックと相通じるところがあるのかもしれないですが、ロックを「反骨」とするのなら、やっぱり初期渋谷系って「ひねくれ」なんだと思ってます。ちょっとだけ意地悪な感じというか。
「朝までワンモアラブリー」が示すところの「渋谷系」は、そんな渋谷系へのオマージュも含めつつ、オマージュするってことは言わば要素を取り入れるってことで、要素を取り入れるってことは、ある意味では揶揄するってことですよね。そこだけ見るとちょっとだけいじわるなんだけど、なんたってオマージュなもんだから、結局やっぱこういうのって素敵!なんだよね、という話になるのです。
そんないじわる具合とチープな(と自虐する)オマージュを照れ笑い隠しながらひねくれて誤魔化したら、やっぱりそれって渋谷系ですよね。
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イントロの掠れた感じのエレキギターがすごく好きで、つい繰り返して聴いてしまいます。そこから入るタンバリンがいかにもって感じがものすごくしてにやにやしてしまう。この手の曲と来たらタンバリンは絶対!と勝手に思っているので、嬉しいのです。
スキャット部分でぱぱ♪とキメを入れてくるあたりの盛り上げ方が確信犯的で、くやしいくらいに好きです。サビ前のぱぱぱぱ♪もたまらんですね。ちくしょう踊らされてやる!全部wacのせいだ多分。
基本的に音数多くて寄木細工みたいな厚さがある曲ですが、そのなかでもグロッケンシュピールみたいな高いチロリロリン♪的な、かわいい音が聴こえてくるのが萌えです。やっぱり渋谷系はキュートさがなくちゃね。ワンモアどころか永遠にラブリーでいて欲しいです。
あと後半のスキャットからの部分で、ドラムの転がし方がネオアコっぽい部分があって楽しいです。
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地方民で東京にはあまり馴染みがないもので、渋谷のことも実はよく知らなくて(東京都のどのへんにあるのかもよく分かってなかったりする。山の手で遠い、みたいな説明に困るイメージしかない)、個人的に渋谷という場所は、渋谷系の音楽がそのまま街のイメージになっています。
ということで、時代は流れて渋谷系も90年代も遠くなってしまっても、ずっと渋谷って、ひいては東京って、ちょっとひねくれた感じのオシャレな場所であって欲しいなあ、と願うのです。
あ、でもセンター街を歩く人はみんな病んでるんでしたっけ。
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ドッペルゲンガー(うさ猫)
(曲名) ドッペルゲンガー
(収録) うさぎと猫と少年の夢
女の子って、何でできてる?
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うさ猫ではじめてプレイした曲でした。ものすごくポップで明るくてハジけた感じを想像していたので、実際プレイしたら思いのほかジャジーな感じで、とても驚いたのを覚えています。そういうの大好きなのでめちゃめちゃ嬉しい誤算でしたが。
思えばキャラのちぇるみんもロリポップ・キャンディみたいなフォルムと色合い(スタッフさんいわく「外国のお菓子」)の印象で必然的にポップ感ある!!と一瞬思ってしまうんだけど、ポップはポップでも病み可愛い系の方向らしく、「予想してたポップと違う!」と思わず笑ったりしたうさ猫初期の思い出。
ドッペルゲンガーって本人であるにも関わらずどう考えても絶対本人では無いもの、なので、この勝手な当初のイメージとの差がそれっぽいなあとかおぼろげに思ったりします。
幽霊の正体は枯れ尾花なのだそうですが、案外ドッペルゲンガーの正体を突き詰めていくと、イメージの乖離と分離とか、その辺もちょっと関係あるのかも……なんて楽しく妄想がすすみますね。ドッペルゲンガーって、とっても好きな事象です。
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「キャッチーさ」を考えた(公式コメントより)、ということで、キャッチーさがあふるるフレーズとか効果音が要所要所に詰めてあって、萌えポイントになってます。ものすごく用意周到に考えられてるんだろうなと思います。
キャッチーさって、つまりはキャッチしてくれる相手のことを考えなきゃ成立しないわけで、それってとても気力と技術のいることだと思うのです。野球のピッチャーみたいに、球の種類だって必要だろうし、もちろんそれを上手く要所要所で使えるだけのセンスがないとならない。
人の心って多分いつでも永遠にバットが振られている状態で、そこにどこからか飛んできたボールがたまたま触れることでその人なりのヒットやホームランが生まれるんだと思うのですが、「ドッペルゲンガー」のキャッチーさってすごくうまいところに球が投げられている感じがします。個人的なバットの当たりで言えば、「ドッペルゲンガー」は鋭いヒットだと思います。ちなみに後で書くと思いますが、「90G Race」は場外ホームランです。
でもキャッチーなだけじゃないのが多分この曲のポイントなわけで、むしろキャッチーさが「要所要所」だけ、つまりポイントとして使われているあたりがすごくて、面白いなあと思います。隙のないキャッチーさって、時として重たいことがあるのですよね。味が濃いものを永遠に食べられないみたいに。
斬新さとキャッチーさって正反対に属するもので、振られているバットに球を当てなきゃならない以上は、バットの振り幅を読まなきゃならない。それで、バットを振ってる方としては「振ってるところに球が投げられてるんだからそりゃ当たるよ」って思うわけで、つまりひとつの事象に対してバットが球を捉える率が異常だと、それはそれで飽きちゃう。小さな子が大人とゲームしてて、つい慮って手加減してあげると「真面目にやってよ!」とか逆に怒られちゃう、的な。
彼氏とデートするのに100パーセント彼氏好みの服を着ていくのは「キャッチー」であって「個性」ではないのですが、キャッチーさの中に個性を混ぜることは技術が入り用だけど出来る人には出来るわけで、つまりT-HEYさんはコーディネートが上手いのでしょう。
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歌唱のTANEKOさんはほんとうに歌が上手くて、ポップン内外いろいろ聴くたびに相当すごいなーと思うのですが、やっぱりここでもさっきのコーディネートの話になっちゃうんだけど、着こなしが上手いだけなら実はマネ��ンでもいいんだと思います。そうじゃなくて、個性��呼ばれるもの、つまり遠くからぽつんと見かけても「あっ!あの感じは×××さんだ!」と分かるようなものって(もしかしたら技術と同じくらい)とても大切で、そういうのが彼女の声にはあるんだろうなあと思います。
そういう個性というものについて、百人いたら百通りの感じ方があるのでしょうが(りんごは甘いのも個性だし酸っぱいのも個性だし、秋から冬にしか食べれないのも個性だ)、個人的にTANEKOさんの声には、どうしようもなくほとんど絶対的みたいな少女性を、とても感じます。
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女の子は素敵な何やかやと砂糖とスパイスでできてるのだと、誰かが言ってました。
甘くてきらきらしたりゆらゆらしたりそんな素敵なものばかりでなく、ちょっと薬くさかったり舌にピリッとしたり、不思議な後味が残ったり、他を打ち消す位の強い香りだったり、女の子にはそういうのが入ってるのだということで。それってつまりは、ちょっとした毒ですよね。
PON氏がコメントで「歌い方や歌詞などに少し毒が感じられる」と書いていたのですが、もしも少女を構成する要素の中にほんのちょっとの毒があるのだとしたら、そこがTANEKOさんの歌声から感じる、どうしようもないまでの強い強いヒリヒリした少女らしさとつながるんじゃないかな、と思います。
というか今強い強いって書きましたが、彼女の歌声や歌い方って、どうしようもなく途方もなく少女を彷彿とさせるものでありながら、でも決して一切少女然とはしてないですよね。すごくハードでロックだと思います。いわゆる、単に「かわいい!」というのとは違う感じ。
なのにどうもこうして酩酊するくらいの少女らしさを感じるのか。
芥川龍之介の小説「歯車」にこんな描写があります。
しかし年かさらしい女生徒の一人は僕の側を通る時に誰かの足を踏んだと見え、「御免なさいまし」と声をかけた。
彼女だけは彼等よりもませてゐるだけに反かへつて僕には女生徒らしかつた。
TANEKOさんの歌声は、決して少女然とはしていない。けれどだからこそ、舌の上にピリッと走る刺激を通り抜けて、圧倒的な少女らしさとして響いてくるんだと思います。
鬼気迫るような、泣き出しちゃいそうな、ちょっぴり怒っちゃって、そこから絞り出すような、寄せて��返すような、はぐらかそうとしてやんなっちゃってぜんぶ開け広げちゃうような、何から何まで、すべてがすべて圧倒的な少女感。
そして、「だもん」「キミだ」「だってだって」「やんなっちゃうの」この辺の、歌詞からぽろぽろ溢れるたまらなくキュートな幼稚さ。人がいつまで経っても(男も女も)持っている隠しきれない少女っぽさ、うっかり零れたそれをすくいあげて、そのまま、ほんとうにそのまま音楽にうつしかえたなら、きっと「ドッペルゲンガー」みたいな曲になるんだろうな、と思います。
しかし「もーいっかい!」はかわいすぎてもう反則ですね!
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プリティ雅(CSいろは)
(曲名) 突確全回転!
(ジャンル) プリティ雅
(収録) CSいろは
不思議敷島四季折々。
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いろんな要素のサンプリングで出来ている、愉快な曲です。秋の虫の声をはじめとする四季折々の音から、時折挟まる謎のキュートな声ネタまで、強い個性が溢れています。ジャンルに当て嵌めるのがものすごく難しい。まさに「プリティ雅」としか言えない、すごい曲だと思います。強いて言うならミニマルになるのかなあ。
最後まで聴いた後に「これは一体……」とえも言われぬ気持ちになるのがたまりません笑。
水野達也さんは歌モノだとすごくストレートに投げて来るのに、インストだと途端に捻った投球になる気がします。
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雅要素はどこかと言えば、とりあえずやっぱり三味線の音ですよね。フラットな感じで「べべべん」よりかは「ぺぺぺん」という感じで……。ほかの弦楽器では、このフラットでぷかりと浮いた感じは出ない気がします。
そして次にお琴。さらに要所要所に挿入される鼓の音も忘れてはなりません。あと地味なところですが、イントロ、虫の声に紛れて聞こえてくる刻みが何気に雅要素だと思います。お祭りのお囃子というか、そういうものにリズムが似ているなあと想うのです。
そして最大の雅ポイントは、なんといってもサンプリングの音ネタ。実にうまい具合に混ぜてあって、聞き取るのが楽しいんですよね。
イントロからまずは秋の虫の声で始まって、お琴の音色に合わせて春の風景。うぐいすが鳴いているのが聞こえます。そこからきれいに転調して、真夏の蝉の声。そして最後に、ちょろちょろと流れるせせらぎの音……実は一瞬鼓の音色と合わせて鹿威し?とも思ったのですが、最後らへんに鳥の声っぽいのが聞こえる気がして。なので、春の小川のせせらぎかな、と思っているのですが、春の小川は雪解け水の流れなので、必然的に冬の要素も含まれているのかな、なんて思ったりもしたり。
しかし謎の声ネタはいいですよね。夏のところのもにゃもにゃ感が癖になります。赤ちゃんがああいう声をよく出すような……。あと可愛い「ハイッ」が絶妙にちゃんと三味線の入りになってるところが可笑しいです。例えば同じくCSいろは収録の三味線ブラザーズと比べてみると面白いのですが、渋くて切れ味の鋭い掛け声とだいぶ位相がずれたところにあるのが面白いです。
もともとサンプリングが好きなのですが、特に声ネタって、どう使うか非常にアーティストのセンスが出ると思うのです。「突確全回転!」は、コメディと音楽の微妙なキワの部分を、絶妙に渡っているところがたまらなくツボです。
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四季折々、一年を感じるのにはもちろん365日かかるわけですが、こうして音楽だとたった数分間で時の流れを体験できたりして、そういうのもまたいとおかし。
そういえば日本人は、古くは31文字、そして17文字のなかに四季を取り入れようとしてきました。意識的に時の流れを取り入れることで、限られた空間のなかに無限の広がりを作��のは、いにしえから現代に伝わる夢の形なのかな、と思います。
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オータム(CS7)
(曲名)赤い蝶
(ジャンル)オータム
(収録)CS7
秋の空に蝶が舞う。
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「オータム」というジャンル名どおり、どこまでも高く広がっていく、澄んだ秋の空を思わせる一曲です。風に舞う紅葉、高い空を見上げて物思う女性、とか、そんな想像さえ陳腐に見えてしまうような、心地よい、きれいな曲だと思います。
誰かを想って揺れる心と、木の葉が紅くなってゆく様子を重ね合わせて、その上で赤い蝶に例える、というのが華麗ですね。
北欧風ポップス(曲コメントより)という触れ込みですが、ギターの使い方とか、言われてみれば確かに……というか。北欧風ポップス、例えばスウェディッシュといえばリゼットちゃんですが、彼女をカーディガンズとするならばレイチェルさんはクラウドベリージャムみたいな。キュートとビューティ、みたいな……。北欧ポップスといわれるとどうしてもこの二大巨頭が頭をよぎるなあ。
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イントロの跳ねるようなリズム、そこから続くなだらかさ、その緩急がたまらなく好きです。岡めぐみさんの声がやさしくて、またいいんですよね。岡さんの歌唱全体に言えると思うのですが、洗練されたお洒落さのなかにどこか自然を感じるような気がするんですよ。土の匂い、風の匂い。岡さんの歌声を聞いたとき、どこかほっとするのは、そういうところなのかも知れません。
この曲はギターをはじめ、楽器の音ひとつひとつがそれぞれなんか面白いなーというか不思議な感じだなあと思うのです。
ギター、シンセ、ドラムなどなど、個々の音のパーツとして聴けば聴くほど、ばらばらにほどけていく感じがします。全体を引っ張っているのはピアノかなあと思いますが、それにしても。
特にギターの不思議度合いが強いと思うのですが、一節一節のどこをどう切り取っても、これはほんとうにあの「赤い蝶」という曲なんだろうか?と妙な気持ちになるのです。音を追えば追うほど、曲のかたちを見失っていく。ゲシュタルト崩壊のような、そうでないような……。
でもそこで、はっと意識を取り戻して、肩の力を抜いて素直に聴くと、れっきとした「赤い蝶」という一曲になるんですよねえ。
このパラドックスぽい感覚がまたこの曲の魅力でないかと思うのです。
一見飾らない正統派な大人ポップでありながら、目を閉じて耳を澄ませると、音の複雑な重なりであるという。
二つの聴き方が出来る曲って、しかもボーカル曲ではそんなにない気がするので、とても味わい深い一曲だなあと思います。
誰かに焦がれる心も、変わりやすい秋の空も、音楽と同じように、美しくて複雑なものなのかもしれませんね。
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3 A.M. ディテクティブ・ゲーム (エクラル)
(曲名) 3 A.M. ディテクティブ・ゲーム
(収録) エクラル
午前三時の探偵ごっこ。
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りんりん先生のリードが冴える一曲です。この曲に限らずなんですが、ひなビタ♪の曲はギターが左右に振られてるわけで、芸が細かいですよね。
よく聴いてると後ろのピアノも静かながらに相当激しかったりして、流麗なんだけれども実は結構熱いぞ、というまさにりんりん先生のための曲なんだなあと思います。
ベースラインはばしばし結構な速弾きだし(イブ頑張ったなあ~)、ドラムも気持ちよくころころ転がってるし。こういう曲ってリズムセクションが地道にしっかりしてないと絶対キマらないので、個人的にこの曲の功労賞はイブとめうめうだと思います。サビのベースラインの盛り上がりは鳥肌だし、間奏部分の運びも渋い。ドラムもあっさりしてるんだけど、いい意味でお約束なさわやかな展開がまたいい。
あとやっぱりギターは二丁あると音に厚みがあってよいですよね。この曲のギターは切れ味良くってかっこいいんだけどなんかふわふわしてて、えもいわれぬ空気感になっているところがたまらないです。咲子さんと凛ちゃんの良いとこ取り、的な。
ピアノの素敵さは言うまでもないんですが、アクセントに使う部分の流麗さとリズムを刻む部分の激しさ(特にサビ!)の対比が、なんかもうすてきを通り越してずるい笑。
こうしてみるとなんだかこの曲では、担当キャラたちの性格の二面性というかそういう感じのがうまく出てるなあ~と思います。
まり花は、かわいい×爆走。
イブは、激しい×屋台骨。
咲子さんは、透明感×激情。
めうめうは、キャッチー×まとめ役。
そして、凛ちゃん。
この曲のギターは切れ味よくて、と上にも書きましたが、それは単に鋭いってことじゃなくて、なんというか、良く切れるけれど刃先は丸い、みたいな感じがします。どこかになんとなくやさしさがあるかっこよさなんだよなあ。その丸くなった部分は、そのまま、凛ちゃんの角がとれた部分でもあるのかも。
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この曲はとにかく二面性の曲だよなと個人的に思っていて、凛ちゃんのひなビタメンバーと出会う前→出会った以降の変化という意味での二面性、そしてある種のツンデレとも取れるような、凛ちゃん自身の二面性、みたいなのを感じます。
ひなビタ♪というコンテンツの特性から言って、(この曲に限らず)曲を聴く→歌詞を知るという流れになるのですが、するとそこで発見があって、曲中の「コイ」は「恋」ではなく「故意」だし、「アイ」は「愛」ではなく「I」なんですよね。歌詞の内容からして実はどちらの方でも意味は通じるんだけど(多分作詞された方は狙ってる)、こうして重要な部分にどうとでも取れる言葉を入れてくる辺りが凛ちゃんたる所以だし、そこが悪戯めいた二面性なんだとも思います。
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音楽と歌を作るとき、もちろん文章を書くということもそうなんだけど、それが自分の内面から出てくる以上、ある意味では自分を突き詰める行為であり、それは例えば鏡をのぞき込む仕草に似ています。究極の独りよがりと言ってもいいし、後にどれだけ他人の手で校正が入ったとしても、本来的には自己中心主義的なものだと思います。
じゃあそれなら、と言って自分を突き詰めて考えていく姿はまるで探偵作業で。
でもだからといって自分の正体はこれです、と暴けるかと言えば違うんですよね。
例えば癖。癖って、どう考えてもその人を象徴する大きな要素の一つなんですが、不思議と自分では気づかない。つまり、自分では気づかない自分=他の人の目を通してでないと分からない自分、というのもあったりして。自分って絶対こういうやつ!とああだこうだと言葉を散らかすほど、逆にイメージする自分に故意の補正がかかっちゃって、乖離した本体とのミスリードになっちゃったり。
だから、自分という一人の人間を見極めようとする時には、絶対的に他人の視点という一種のパラダイムが必要なんです。つまりそれは、他者とのふれあい、ということ。
ひとり自分で自分について考えていても、それは足から伸びる影を追うようなもの。その正体なんて暴けっこなくって、魂も眠るような時間まで考えて考えて考え尽くした時に、ふと自分に対する余分な修辞や先行するイメージが消えた時に気がつく、のかもしれない。
探偵は正体を暴く事なんて出来なくって、だからそれは、所詮ゲームでしかない、探偵ごっこ。そんなのつまんないって、自分なんて結局知らないわからない興味無い!なんて言ったところで、自分の言葉を通してでないと、結局歌は作れなかったりするんですよね。
でも、自分で考えた自分は「自分が考えた自分」以上のものにならないって気づけるのは、探偵として正体を暴けなくても真実に気がつけるのは、「自分の知らない自分」を誰かがそっと教えてくれた、自分以外の多くの人とふれあった人だからこそ、だとも思うのです。
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本当は午前三時にこっそり聴きたい一曲なんですが、どうも起きてられる自信がないんだよなあ……。
そう言えば、恋って他人に対する興味の究極なわけで、だから恋の反対は無関心なんですってね。恋と聞こえてその実故意と語る歌を歌う凛ちゃんは、きっといろんな人に、色んなことに、とってもとっても興味が出てきたんだろうなあ。あ、にこきゅっぴんも二面s((ry
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