#名古屋市芸術創造センサー
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お里 礒谷菜々
お柳(典侍の局) 大嶋みなみ
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第38回JSSA先端芸術音楽創作学会|38th Regular Meeting
日時 2019年3月9日(土)10:00 - 12:30 2019年3月10日(日)10:00 - 12:30 (インターカレッジ���ソニックアーツ・フェスティバル2018と同時開催)
場所 情報科学芸術大学院大学 IAMAS 岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7(ソフトピアジャパン内) センタービル4F ホールA
参加料 学生無料
プログラム
全プログラムのダウンロード (zip, 43MB)
2019年3月9日(土)10:00 - 12:30
横川 十帆 / 九州大学 芸術工学府 芸術工学専攻コンテンツ・クリエーティブデザインコース イカの色素胞を用いた新たな視覚表現の提案
創作ノート
本発表ではイカの色素胞を用いたピクセルフリーなディスプレイを提案する。イカの体表面には色素胞と呼ばれる、色素を含む細胞が無数に存在しており、イカは色素胞を収縮、膨張させることで自らの体色を自由に変化させ、威嚇やコミュニケーションに用いているとされている。本研究では色素胞の周波数特性にあわせて制作した音楽を用いてイカの色素胞を電気的に刺激することで、一般的なディスプレイとは異なる有機的な視覚表現を可能とするディスプレイを実現した。本発表では、音の視覚化に関わる先行事例を参照し、本ディスプレイの歴史的な位置づけを図る。
吉村 帆生 / 九州大学 芸術工学府 芸術工学専攻コンテンツ・クリエーティブデザインコース 「声」の楽器による楽曲制作を通じた、声の違和感に関する研究
創作ノート
本発表では、年齢や性別を知覚させないニュートラルな音声とイントネーションを持つ「声」の楽器と、それを用いた楽曲の制作およびライブパフォーマンスについてその詳細を述べる。人工的な声の生成における先行事例として、ケンペレンの音声合成装置や明和電機のオタマトーン等を参考に、人工的な構築物である機械が発する声の人間に与える違和感の究明を試みる。
高野 衛,安藤 大地,串山 久美子 / 首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 インダストリアルアート学域 動作情報を用いたインタラクティブな定位情報の制御による空間音響作品
研究報告
空間音響作品における定位情報の操作は、ミキサーによるリアルタイムでのフェーダー操作やオートメーション機能によるパンニングの設定によるものが主流である。近年では、センシング・デバイスの発展に伴い、動作情報を用いた音響パラメータの操作によるパフォーマンス作品が制作されている。本研究では動作情報を用いた空間音響の操作を主題として、リアルタイムでのジェスチャラブルな空間音響操作手法についての提案を行う。本稿ではタッチパネルやセンサーなどを用いた場合の音響パラメータへのマッピングや定位情報の操作性について検討を行う。
坂田 晶 / 昭和音楽大学大学院 音楽研究科 アルゴリズムを用いた、グレート・ハイランド・バッグパイプのための自動作曲の研究
創作ノート
《478》はMax/Mspを用いたライヴ・エレクトロニクス、アルゴリズム・コンポジション作品である。スコットランドの代表的な伝統楽器グレート・ハイランド・バッグパイプを題材にしており、この楽器の調律の選択肢の一つであるA=478Hzの「478」という3つの数字をアルゴリズムの基盤として演算が行われ、旋律の音価、音高、音響効果の各数値に干渉して変容し、楽曲が進行する。 また、音楽形式は装飾音でもって主題を変奏してゆくハイランド・バッグパイプの伝統的な音楽ジャンル、ピーブロッホにヒントを得ている。そのため、繰り返される主題の旋 律は、発展する装飾音によって姿を変えてゆく。 本稿では、この楽曲におけるプログラムの機構について、グレート・ハイランド・バッグパイプの楽器特性と伝統的なスコティッシュ・パイプ・ミュージックの形態を踏まえて解説する。
伊藤 也太, 寺崎 凌也 / 尚美学園大学 芸術情報学部 音楽応用学科 『心のしき』−空間的な音響と没入型映像によるインスタレーションの表現について−
創作ノート
本稿では、作品『心のしき』の制作動機とシステムの解説、及び、それらが作品の中でどのような表現を担っているのかを考察する。 『心のしき』は無形・不可視のものとされる“心”を可視化することを目的としたプロジェクトである。心の世界を空間に提示し、その中で心に内包される意識・無意識など普段表出されない概念を顕にする。また、我々の心がどのように形成され変容していくのか、自己と他者の相互作用という観点から、実際の脳波のデータを抽出し、音と映像に変換する。さらにその状況に対してLeap Motionによって干渉し、その行為によって空間的な音響と没入型映像が変容する。 感情表現や情景描写のツー��としてしばしば音や映像は用いられるが、それらを複合・相互的に演出するインスタレーションアートは如何程に複雑な心の世界を顕すことができる表現手段であるのか、その可能性を探る。
林 毅 / 情報科学芸術大学院大学 メディア表現研究科 FFTフィルターとn次元音響管による音響再構成
創作ノート
現実音の倍音構造から離散スペクトルをFFTを介して抽出、擬似線スペクトル構造を持つ時間波形を再生成する。 抽出周波数範囲の時間制御により、複数の音響列を生成する。 音響の物理的根拠と音像のためn次元音響管を考案した。 サウンドデザインへの応用・展開技術として研究を実施。
2019年3月10日(日)10:00 - 12:30
津曲 洸太 / 情報科学芸術大学院大学 メディア表現研究科 ライブパフォーマンスにおけるニューラルネットワーク可視化システムの提案
創作ノート
筆者は人間とAIのインタラクションによるアンサンブル演奏を目指して、『LSTMを用いたライブパフォーマンスのためのセッションシステム』を制作した。本システムでは、与えられた人間の演奏データ(MIDI)に対して、それに呼応した自動演奏(MIDI)をリアルタイムに生成する。また、本システムを用いたライブパフォーマンスにおいては、演奏の発音の要因を映像として提示する必要があると筆者は考える。本稿では、このシステムの概要の概説と、演奏とともに提示する映像について提案する。
帯屋 健之 / 九州大学 芸術工学府 芸術工学専攻 コンテンツクリエーティブデザインコース 音刺激を用いた海釣り用誘引デバイスの開発
研究報告
本発表では「音響漁法」に基づく音デバイスについて述べる。音刺激を用いて漁業を行う場合、それを音響漁法と呼ぶ。音響漁法は、魚群探知、威嚇、麻痺、誘引に分けられ、音刺激を誘引に用いる場合、その音が魚にとって興味を惹く者であるか、また適切な音圧で提示されているかが重要になる。しかしながら、現在の釣り具で用いられているのは金属球などの衝突音であり、自由な音選択は不可能である。これまでに、音をデジタル的に制御することで、音源および音圧の選択を可能にし、小型化、軽量化を試みることで、釣りの仕掛けに組み込める音デバイスを開発した。本発表では、この自作のデバイスおよび関連の展示の概説を通じ、釣りという文化に対し、音の選択という新たな要素を提案する。
松浦 知也 / 九州大学 芸術工学府 芸術工学専攻 コンテンツクリエーティブデザインコース 計算機による音生成の異なるあり方を探る「Electronic Delay Time Automatic Calculator」の制作
創作ノート
本発表では、時間を分割する機能のみを持ったコンピューターとしての回路彫刻作品「Electronic Delay Time Automatic Calculator」について、その詳細を述べる。本作品は電気パルスの遅延フィードバックという、マスタークロックを持たない異なる時間構造の表現を、メディア考古学的視点より考察するもの��ある。コンピューターを用いた音生成の黎明期に存在した、CSIRACやFerranti Mark Ⅰという、PCM形式によらずに音をデジタル的に直接生成する先例を足がかりに、ソフトウェアとハードウェアの不可分性および、時間の定量的な記述に着目し、今日計算機を用いて音を生成することの意味を再考する。
松原 千紘 / 名古屋市立大学芸術工学部 情報環境デザイン学科 70年代から現在に至るまでの女性アイドル像の研究
研究報告
アイドルという言葉が生まれた70年代から、現在に至るまでの女性アイドル像の変化について考察する。POPカルチャーの浸透はもちろんのことだが、音楽シーンにおいてアイドルというジャンルは重要な地位をしめており、近年では秋葉原のアニメ文化の発展と共に日本のアイドル文化も世界から注目されるべく存在となっている。それぞれの時代を作り上げたトップアイドルの活動を取り上げ、共通する本当の「アイドルの定義」の考察を試みる。
佐藤 亜矢子 / 東京藝術大学大学院 音楽研究科 リュック・フェラーリ作曲《少女たちとほとんど何もない》研究
研究報告
リュック・フェラーリ《ほとんど何もない》8作のうち、1989年作曲《少女たちとほとんど何もない》を取り上げる。過去作《ほとんど何もない第一番》、《第二番》同様に、フェラーリが滞在先で録音した現実音を主たる材料として作曲されたフィックスト・メディア作品である。《第二番》に引き続き、環境音に加えて人の話し声が音響素材として取り入れられているが、3つの言語で話す女性たちの声はスタジオで録音され、森の環境音とは切り離されたものである。また、フェラーリが用意したスケッチを確認すると、彼自身の作業のためのメモ以外に、ダンスとスライドと照明を伴う上演のための指示書が含まれていた。本来は音楽単体として作曲された作品であり、この上演形態はこれまでに2度しか実践されていない。音楽のみで解釈を試みた実践と比較すると、様々なズレ、亀裂、矛盾が浮かび上がってくる。このような点からも《少女たちとほとんど何もない》は《第一番》、《第二番》と異なる性質を帯びているように思われるが、《ほとんど何もない》として共有するアイデンティティを明確に備えた逸話的音楽作品である。
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