#僕以���の男を知らない彼女が他の男に抱かれていた -教育実習先で寝取られる彼女
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🎧⋆ ˚ 。*心ゆらゆらゆら揺れながら゚⋆ ˚ 。*🎧
#🌈🧇🎀 ⊹︵︵︵ ⊹ ୨୧ ⊹ ︵︵︵ ⊹ 🌈🧇🎀#🎀⭐🌈 ‧₊˚ ⋅⋅˚ ๑‧˚₊˚ ๑‧˚₊꒷︶🎀🍮︶꒷꒦⊹๑‧˚₊🎀⭐🌈.・✫・#かわいい#アニメ#animecore#anime#otakucore#webcore#kawaiicore#kawaii#weebcore#visual novel#vn#game cg#00s#2000s nostalgia#nostaligiacore#y2k core#2000s#2000s core#jojifuku#僕以外の男を知らない彼女が他の男に抱かれていた -教育実習先で寝取られる彼女#泣くことだって必要さ#破れてもいい#まっさらな気持ちで!
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スーパーダンガンロンパ2 感想
それはネタバレと言います
先日クリアしました。おまけモード等は未プレイ 本編のみの感想と考察
難易度はいつも通りイジワルでプレイ タイトル画面からキャラクターのみならずUIデザインもドット絵でなんだかゲーム調でとても良い
横スクロール日向クン関節キモくてわろた
通信簿イベントは基本気になったキャラのみでやり直し等は無しだが、狛枝だけは2章以降どうしても気になりすぎて一度だけ時を戻して1章で1つ回収した(2章以降は日向から見た狛枝の人格が変わるため、システムの都合上イベント1は1章で見ないとテキストに矛盾が生じる…)
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最終的に通信簿の進捗はこんな感じ
先ず一つ言えることがあるとすれば、俺は澪田が好きだった
CHAPTER1 絶望トロピカル
十神白夜は十神白夜だと思っていたためプレイ前は生き残るだろうと予想してたが、話しかける暇もないまま死亡 かなりショックだった
しかしそれ以上に衝撃だったのはこの殺人を扇動したのが狛枝凪斗だったことだろう 狛枝の考えは序盤では到底理解に及ばんが、最後までやるとある程度は理解できるし納得もできる 己の価値観で物事を考えるのは危険だと十神(本物)も言っていた
‣殺人の計画
超高校級のみんなのために奮闘していた十神が、家族のために外へ出ようとした花村に殺されたというのは皮肉なものだ
しかし花村は十神を狙ったわけではなく、よからぬことを企んでいた狛枝を止めよう(殺そう)として、それを防ぐために十神が身を挺した結果、今回の事件の犠牲者となった
これは狛枝の”幸運”の才能が働いたのだ 前段階として狛枝の殺人の計画が十神によって妨害され”失敗”に終わるという不運がある その後、花村がその計画を利用して殺人を起こすことで狛枝の望み通り”コロシアイが始まる”のである
‣花村と狛枝の会話
狛枝の殺人計画に気づいた際の花村との会話では、狛枝の”希望”に対する絶対的な信頼と、”絶対的な希望”を証明するためならコロシアイでもなんでも出来る、という常軌を逸した考えが語られる それに対し花村は「訳が分からない、どうかしてる」と言い、狛枝の価値観を否定する
‣十神のリーダーシップ
コロシアイ修学旅行において危険視すべきなのは「疑いあうこと」だ それを防ぐためには皆で協力し���う事が大切だが、その解決策として十神は”秩序を持った統率”を取るため自らリーダーを名乗り出た
モノクマの狙いが疑心暗鬼を引き起こすことであれば、そうさせないことは正しく生き残るための道である 十神には人の上に立つ素質もあったし、実際に反発した人間は九頭竜くらいだったので、もし殺人が起きなければ皆をまとめることも可能だったろう
また、十神は仲間を妄信するのではなくむしろ疑ってかかっている 同じく上に立つ立場の人間としてソニアが居るが、ソニアは皆をひたすらに信じるスタンスだ この場合リーダーに最も相応しいのは十神ということになる(「疑いもするけど、それでも信じたいという気持ちが本当に信じるという事」という七海のスタンスとも一致している)
CHAPTER2 海と罰。罪とココナッツ
ヒヨコと小泉の風呂イベントがあったり、水着CGがあったりと、裏で狛枝が拘束されていることなど忘れるくらい和気藹々としててよかった 七海、どうしてそんなところにほくろがあるんだ?
2章は狛枝の語りから入る ここの笑顔で口めっちゃパクパクするの面白い
「価値ある人間とそうでない人間って、生まれた瞬間から明確にわかれているんだ。」
「才能ある人間は“なる”もんじゃない…最初からそれだけの器を持って生まれてくるものなんだ。」
ここでは狛枝が生きてきた中で構築されてきた、”絶対的な希望”の価値と己の無価値さを説いている
「これは憧れなんかとは違うからね。憧れって…自分がそうなりたいと願い気持ちでしょ?ボクのはそんな図々しい気持ちとは違うんだ。ボクのはなんて言うか…もっと純粋で、無償の愛みたいなものなんだよ…」
「ボクは…どちらにも頑張って欲しいだけなんだ。ボクは…その先にある“絶対的な希望”をこの目で見たいだけなんだ。」
狛枝は『才能を持って生まれた人間』に憧れているのではない 希望同士がぶつかり合って残ったより強い希望、すなわち”絶対的な希望”に究極の価値を見出している(=無償の愛)
‣狛枝の監禁
旧館で拘束されて行動制限を設けられていたが、これが逆に小泉を”動機”に向かわせる原因になる 狛枝の様子を見に行った小泉は、そこで『トワイライトシンドローム殺人事件』についての話をし、ゲームをプレイしに行ってしまう
このころから七海は「コロシアイなんて絶対にさせない」という強い意志表明をしはじめる そして日向に『トワイライトシンドローム殺人事件』をクリアするように誘い、学級裁判でも���棒として積極的に手伝ってくれるようになる
1章序盤で相棒役となってくれていた狛枝が拘束されたところで、新たに日向の支えになってくれた 可愛い
‣事件について
九頭竜とペコ山の通信簿イベ等はノータッチだったので犯人までは分かっても動機は推測できなかったが、記憶が消された期間より前から関係があったことは盲点だった これに関しては本編中、ダイナーに居る九頭竜に話しかけると「新しい島について教えてきたヤツがいた」との話を聞くことができる これがペコ山である
ペコ山は自分を”道具”だと言い張っていたが、九頭竜はそうは思っていなかったし、周りも認めなかったため自分に投票させたペコ山の思惑は失敗に終わる ペコ山と九頭竜は互いを想いあってはいたが、互いの価値観を共有することが出来ていなかったのだ
九頭竜はトワイライトシンドローム殺人事件の真相を探るため話を持ち掛けただけだったが、小泉の反論を受けて衝動的に手にかけようとしてしまった ペコ山の動機は九頭竜を守るため(生かすため)
「他人の罪を裁くなんて…そんな権利なんて誰にもないんだよ!復讐なんて…間違ってるよ!!」
小泉の「他人を裁く権利などない」という考えは正論かもしれないが、しかし極道の世界で生きてきた九頭竜にはオトシマエをつけさせなければならないという使命感があった これは単なる復讐ではなく、九頭竜にしか分からない仁義である 二人の価値観が決定的に違っており、それを受け入れられるだけの器がまだ育っていなかったために起きた事件だった
‣ソニアに関して
海水浴を企画しみんなを集めたことで”小泉が自分の罪について相談する機会”を失くしてしまったことは、事件の引き金になっている
また、図書館で『キラキラちゃん』について話したりシリアルキラーに関心を持っている事がわかるが、これは今回の裁判において重要なヒントであり、ミスリードでもある
しかしここで注目したいのはソニアがシリアルキラーなどの異文化に関心を持つ理由だ
「自分と違う価値観と触れ合うのは、とても大切な事なのですよ。」
‣この世界の謎について
ジャバウォック島が人工島である事を匂わせる描写があったり、無数の監視カメラなどであたかも前作のダンガンロンパ同様、「世界に放映されている」と思わせるミスリードがある
実際は1章冒頭の扉の場面やチャプター演出等でこの世界が現実ではなく、前作同様に閉鎖空間であることを予想できる
未来機関については、モノクマの言う事を信じる気はなかったので完全に敵だとは思っていなかったし、この時点で”裏切り者”とモノミへのヘイトが尋常じゃなかったのでおそらく未来機関は味方で、あってモノクマ・未来機関・日向たちの3すくみだろうと考えていた
モノミについても敵ではないが権限持ち��意味するステッキを盗られている以上役に立たない置物程度に思っておいた(ちゃんとモノケモノを倒してくれていました)
CHAPTER3 磯の香りのデッドエンド
追悼ライブや花火の打ち上げなどこれまで以上に澪田が積極的に行動を起こしてきたため、このあたりで退場かと怯えながらも覚悟を決めてプレイしていた
九頭竜とヒヨコはどちらも大切な仲間を失っているが、九頭竜はこの章で自分なりの”ケジメ”をつけ、回復後は協力的になり、日向たちと行動を共にすることを拒まない
一方で、ヒヨコはまだ九頭竜の罪を許せておらず、前へ進もうとしている途中の段階だった そして絶望病の発覚後はモーテルの自室に閉じこもり、モノクマの罠である絶望病に怯えてしまう おそらくこの差が生存できるか否かの分かれ目だろう
‣左右田の才能発揮
病院とモーテル間の連絡を取り合うため通信機を発明しているが、ここでの発明は「みんなのため・コロシアイを防ぐため」のものであり、左右田の才能がコロシアイの道具ではなく「皆と生きるため」に使われている(罪木の見立て殺人の道具としても使われたが、これを日向が観測していたことにより結果的に日向にしか辿り着けない”真実”に繋がっている)
‣絶望病について
モノクマが自由に罹患・治療することができる謎の病気 この非現実的な病気はこの世界が現実ではないことを分かりやすく示唆している
‣狛枝のウソつき病に関して
病名の通り狛枝は嘘をついている 狛枝の様態が悪化した翌日、起き上がれるようになった狛枝の病室を訪ねると
「日向クンと一緒なんてボクには耐えられないよ。」 「さっさと行っちゃって、もう顔も見たくないからさ。」
というような台詞を言う
これは嘘であるから、本音としては「一緒にいたい」ということになる
しかし普段の狛枝は「自分なんかが超高校級の皆と並び立つなんておこがましい」と自分を卑下するような発言が目立つ 更に己の才能が分からないにも関わらずみんなと仲良くする日向に対して”羨ましい”と言っている これらもすべて本当であり、「一緒に居たい」と言う本心を隠しつつ「自分なんかが一緒に居ていい訳ない」という本音を喋っているのである
狛枝は皆を”希望の象徴”とする一方で自分は”希望の踏み台”としてしか見ておらず、それらはすべて自信の無さから出る発言であり、彼の”希望の象徴”としての基準を己は満たしていない(生まれ持ったものなのだから、努力したって価値のある人間にはなれない)という考えのもとで構成された自己肯定感の低さの表れである
‣事件について
犯人の決定的な証拠は無かったが、現場の状況からして罪木以外はあり得ないという状況 しかし動機も分からない以上罪木にボロを出して貰���しかない… 七海の協力もあり罪木から論破できる言葉を引き出すことに成功
狛枝が捜査段階から罪木に疑いの目を向けていたのは、看病された際に絶望病に罹っている事に気づいたからだろう 事実、狛枝の様態が回復する頃にちょうど罪木は高熱を出していた(抱き着かれながら目覚めた日向はそれに気が付いた)
そして”あいするひと”のために殺人を計画したという罪木の告白
「あなたに会えるという希望を持って死ぬ私を、どうか許してください。」
ここで言う”あいするひと”とは江ノ島盾子であり、彼女は皆の記憶が消された期間より以前に既に死んでいるという事実が証明される
狛枝に指摘された通り、現在の罪木は過去を思い出したことによって”絶望”に堕ちており、「あなたに会える希望を持って死ぬ事を許してほしい」という台詞は”絶望”に相応しくない”希望”を抱くことに対する懺悔である
更に罪木の病気は”思い出す病気”であること、「私がこんな人間になったのはみんなのせい」であることから、罪木は誰かの影響を受けて”こんな人間(絶望側の人間)”になったことがわかる
裁判後、罪木は”島で過ごした仲間たち”とのことを「ただの過去」と言い切る これは島に来てからの罪木は”学園生活の記憶”を失った過去の罪木、つまり”絶望に堕ちる前の罪木”であり、絶望に染まってしまった現在の罪木にとっては価値のない過去でしかない
豹変した罪木は正直好き
‣ソニア
ちなみに今回もソニアの言動が事件の引き金になっている(帯が結べないヒヨコに対して「ライブハウスの鏡を使ったらどうか」という助言をしている) これは善意からのミスリードである
猫丸が再登場するときロボ化フラグか?とか思ったらガチロボットでまじでわらった
CHAPTER4 超高校級のロボは時計仕掛けの夢を見るか?
ロボットに命があるのならAIにも命はあるのだろうか
猫丸がロボ化して復活した後のこのタイトル、早くも死亡フラグか…と思いつつ 冒頭から思ってたけど1やV3と違って開けた場所で色彩も鮮やかで全体的に明るい雰囲気だ 南国だの遊園地だの
ジェットコースターでなんやかんやした後ドッキリハウスとかいう完全な閉鎖空間に誘拐される この章をプレイした時二徹明けの夜とかだったから思考も推理もグシャグシャで正直あんまり覚えてないが結構難易度の高いトリックだった気がする
タワーを通じて繋がる二つの空間が単純に横並びでないことはすぐにわかったが、振動のないエレベーターがあくまでその挙動を隠すためのものであることに気づかず実際動いてないんじゃないか?みたいなことを考えて 動いてるのは建物の方(非現実的だがこの世界なら起こるだろ)、のような推理をしてた気がする
どうしてそこに八角形があるの��な?
この章でソニアと田中が何やら仲良くなる ここについては詳細を知らないが、二人は互いに励ましあい協力しようとしていたらしい
‣ファイナルデッドルーム
狛枝操作 急に脱出ゲームが始まって動いてない脳みそが更に固まるが、優しい狛枝とウサミのヒント(答え)でなんとかクリア ちゃんと起きた状態でやりたかった
狛枝は”6発中5発が弾丸入りのロシアンルーレット”をするが、見事に成功させてクリア特典を受けとる ここでの狛枝は意識的に”超高校級の幸運”の才能を利用しており、自分の才能に絶対的な信頼を置いていることがわかる
‣クリア特典
未来機関のファイルと希望ヶ峰学園のプロフィール
狛枝は自分たちの過去と日向の才能について知ることになる 予備学科差別には大変笑ったが日向からしたら途方もない絶望だろう 読む前は「才能が分かれば日向クンも喜ぶだろうな」ってウキウキだったのが面白い
日向が何の才能も持たないただの”予備学科”であることを知った狛枝は、日向に対し「キミもボクもただの”踏み台”でしかないんだ」と、それまで以上に日向のことを同類視している
元々”希望ヶ峰学園に憧れる存在”として意識していたようだが、才能が無いことを知った彼の中では完全に自分と同じ価値の無い人間に成り下がってしまったのだ
‣事件の真相
田中は閉鎖空間にいる間も生きることを諦めず、生きるために戦う事を選んだ それは猫丸も同様で、彼は田中の殺気を感じ取った瞬間に自分も戦う事を決意していた
ソニアや終里は田中たちの考えに納得できないと言うが、その信念は決して間違っておらず、自己の正当化でもない 自分の価値観を押し付ける気は毛頭ないし理解されようとも思わず、ただ己の信念を貫いたことで世界を変えた彼の功績は大きい
「俺様の価値観を押し付けるつもりなど毛頭ないからな…だが、あえて言わせて貰うとすればッ!ただ死ぬのを待つだけの生など…そこに一体どんな意味がある?」 「生を諦めるなど…そんなものは“生に対する侮辱”でしかない!」
生を諦めることを生への冒涜、生物としての歪みだという彼の信念が今回の事件の”動機”になり、それによって日向たちの「仲間同士で殺しあうくらいなら死んだ方がマシ」という諦観の価値観を変えた
田中がファイナルデッドルームに行くに至った動機は、”停滞”した現状を打破するため つまりは全員で緩やかに死んでいくことを防ぐためであり、みんなを前に進ませることが目的である そのために「弐大との戦いに比べれば児戯に等しい」ロシアンルーレットも越えてみせたのだ(自分一人の生死よりもみんなを含めた生死の方が重要ということ)
彼の命に対する価値観が”超高校級の飼育委員”によって培われたものだとすると、彼もコロシアイにおいて己の才能を発揮してい���と言える
狛枝にはこれを”希望のための殺人”と思えなかったが、実際にはみんなに希望を与える結果となっている
‣ソニア
4章では男女で別れてそれぞれの階の客室を使うことになるが、ストロベリーハウスの部屋数に対してあぶれてしまいラウンジで寝泊まりするはずだった日向を、女子が使うマスカットハウスの余った部屋に泊まるよう誘導する
ここでもし日向がラウンジで寝泊まりしていたら、その後起きる事件は実行不可能だったのである(犯人は気づかれずラウンジを通る必要があるため)
今回もソニアは事件が起こる一端ともいえる、善意からのミスリードをしている
また、この章の最後で狛枝がモノクマを呼び出すシーンがある
そこで「この島の絶望を排除することが出来れば、ボクは本物の希望になれるはずだ」と、自分の持つ”超高校級の希望”になりたいという欲望を吐露している
CHAPTER5 君は絶望という名の希望に微笑む
この時点で七海と狛枝の通信簿は回収済み
‣詐欺師
捜査パートで十神が偽物だったことが判明する 意味が分からなかったが、意味などないらしい 十神の正体を引っ張ったのは『コロシアイ学園生活の生き残り』や『裏切り者』のミスリードでしかなかったのだ
七海は自分たちを騙していた十神に対し仕方ないと言う
「才能を持つっていう事は、その才能に縛られるって事でもあるんだよ。」
本人の望む望まないは別として、才能に頼らざるを得なくなる状況もある 狛枝はその生き様からして上記の事を体現しているだろう
そしてこれは才能を持たない人の方が良いのかもしれないという考えであり、狛枝とは真逆の価値観である
‣自殺に見せかけたトリック
自分の命を懸けて”絶対的な希望は絶望に打ち勝つ”ことを証明したかった狛枝は、今回の”犯人不明のトリック”に及んだ
自殺(狛枝が仕組んだ殺人)であることは裁判中早い段階で判明したが、その動機について「狛枝は俺達を皆殺しにする為に自殺したのか?」と日向が疑問を抱く
そして消化弾の細工に気づき、この事件の犯人が”特定不可能”であることに辿りつくが、ここで重要なのがモノクマには犯人が分かっている点である(プログラム世界である以上、監視カメラなどの小細工を必要とせず、監視者として全てを把握できる)
‣ソニア
倉庫で火災が発生した時、ソニアが「消化弾を使いましょう」と言わなければ狛枝の罠に嵌ることは無かった 善意からのミスリード
また、軍事施設で怪しい動きをしていたり、狛枝が用意した大量の爆薬がただの花火であることを教えにギリギリになって倉庫へやってくる等”裏切り者”のミスリード
”絶望を排除しようとする”狛枝と、”希望を守ろうとする”七海
‣七海千秋
七海の推理の根幹は「信じる」ことだ
「疑いもするけど…それでも信じたい。その先にあるのが『信じる』って気持ちなんだよ。」
狛枝は自分の幸運を信じて「裏切り者に自分を殺させる」計画を決行した その幸運を信じるのであればこの事件の犯人は”裏切り者”である七海だ そう推理した七海は、日向なら真実に辿りついてくれると信じて”裏切り者”の推理を託したのだ
日向が七海を”裏切り者”として指摘することは狛枝の運を信じることではなく、七海を疑うことでもなく、七海を信じることである この選択は非常に心苦しいが、七海の選択を裏切らないためでもある
未来機関を裏切れないからと、これまで直接的な干渉は控えていた七海だが、この章をもってそれを卒業することになる
七海はひな祭りも乳絞りも知らない 生まれたばかりで色々なことを学習している途中だ
「人の感情とかを推測して考慮して、選択しなきゃいけないようなのはちょっと難しい。」 「できるだけ、傍観者でいた方がいいって。」
そう言っていた七海が狛枝の”希望”に対する感情を推測して考慮した推理を披露し、自分の意思で”本来の役割”を降り、未来のために日向たちの背中を押したことは彼女が正しく成長していることの証明だろう
‣超高校級の幸運
狛枝の目的は「裏切り者以外の全滅」、さらに言えば「希望が絶望に打ち勝つ事」である 前者が今回の計画の主目的であり、これは日向たちの推理によって”失敗”に終わった しかしこの失敗という不運は6章で覆ることになる
‣七海とウサミのおしおき
ウサミはおしおきの直前こんな話をする
「英雄になる必要なんてないんでちゅよ。無理に誰かに認められなくてもいいんだからね。」 「他人に認められなくても、自分に胸を張れる自分になればいいんでちゅ。」
これは権限をモノクマに奪われたウサミ本人にも、才能を持たずそれに強い憧れを抱く日向にも向けられた言葉であり、同時に 確かな才能を持つ者に憧れ、自分を卑下していた狛枝にも刺さる言葉だ
‣バグり始めた世界
画面にノイズが走りテキストが文字化けすることでこの世界がプログラムであることが表面化してきた それだけでなく、死んだはずの仲間が出てきたりと心臓への負担が大きい演出となっている
その後レストランで狛枝の最期のメッセージを聞くこと���
バグりながらも話を紡ぐ狛枝が残したものは『11037』のパスワードと、彼の願望をあらわにした言葉だった
「ボクの行動が世界の希望の礎になると信じている」 もし本当にそうなったら「ボクを…超高校級の希望と呼んでくれ。」と、今まで隠していた「”超高校級の希望”になりたい」という願望を明確に口にする
CHAPTER0 修学旅行へと向かう乗り物の中のような
船の中でカムクラと話している狛枝
カムクラの視点で語られるが、両者の語り口からは”あいつ”(江ノ島)に対する殺意や憎しみが垣間見える (狛枝の「大嫌いなあいつを殺せるのかな?」 等)
”絶望”になった生徒たちは皆が皆罪木のように江ノ島のことを純粋に敬愛してるわけではなく、彼らの様に否定的な感情を抱く者もいるのだろうか
‣カムクラの目的
「僕は持っています。あいつが遺したモノを…」
江ノ島が遺した江ノ島アルターエゴのことだが、それを持ち込んだ理由は単に江ノ島を復活させるためではなく、江ノ島を利用してツマラナイ世界に何かを残そうとしている
『予想がつかない』出来事を期待している
‣狛枝が腕を移植した理由
「最大の敵である”超高校級の絶望”を取り込むことに成功した」 「大嫌いだからこそあいつの力を取り込む」
と言っているが、直後に「大嫌い…なのかな?なんだろ…おかしいな…」などと錯乱する様子も見られる
6章裁判での苗木(偽物)の「江ノ島と一体化する事で、自分の中で彼女を生かそうと考えたんだろうね。」と言う発言は江ノ島アルターエゴの推理であるから狛枝の真意は分からない
CHAPTER6 This is the end 〜さよなら絶望学園〜
序盤は希望ヶ峰学園の探索 愛着のある景色が壊れていく様は面白かった 前作をアニメで済ませずちゃんとゲームプレイしててよかった
未来機関のメールの痕跡などから苗木たちが”超高校級の絶望”を匿っていること、それが未来機関の意思と反することなどが伺える
‣ちーたんアルターエゴ
監視者の二人についてや、監視者の権限を乗っ取ったウイルスも”ルール”に縛られていることを教えてくれた ここで何者かがこの世界にウイルスを持ち込んだことがわかる
‣苗木誠
苗木クン生きてるしめっちゃ喋るしなんなら普通に登場してわろた
『11037』のパスワードを「ある人が窮地に陥った自分を救うために残してくれた数字」と言っていて、なんだかすごく嬉しくなった 舞園さんが好きなので 苗木にとって舞園さんは今でも恩人であり忘れられない思い出なんだ
以下裁判パート
‣苗木?登場
めちゃくちゃ格好良い登場の仕方だったけど偽物だった
ここで狛枝が先に辿りついた真実の一つ、自分たちが”超高校級の絶望”であることを突き付けられる
モノクマから卒業プログラムで卒業を選ぶことで”超高校級の絶望”の記憶はなくなり、現在の日向たちのまま卒業できるという説明を受ける
死んだみんなは生き返らないが、ここで外に出ない意味はないので当然卒業の流れに 七海が残してくれた未来ならそんなの選ばざるをえない…
しかし、日向たちが卒業する方へ誘導しているモノクマに違和感を抱き、この苗木を信用して良いのか?と言う流れに 結果、この苗木はモノクマの自作自演だということがバレる ここで苗木である証明のために『11037』の意味を問うところがまた良い
‣江ノ島アルターエゴ
死ぬ前に江ノ島本人がちーたんの技術を盗んで作った…らしい カムクラが持ち込んだウイルス
江ノ島は卒業プログラムについて「死んだみんなは生き返る」と条件変更 あからさまに都合が良すぎるが
ジャバウォック公園にあったカウントダウンは「コロシアイ修学旅行のタイムリミット?」→「モノクマの言う”あいつ”が来るまでの時間?」→「江ノ島がプログラムを改ざんするまでにかかる時間?」のように次々とミスリードされていったが、結局意味など無いらしい
ここにきて卒業を押すのか…?と思ったら
‣苗木(本物)登場
主人公か?
苗木は新しい方法として”強制シャットダウン”を提示する しかし現状では人数が足りない…まさかとは思ったが、そのまさかだった
‣霧切・十神登場
激アツカットインからのクールな二人 苗木含めたこの三人好き
十神が「いいから強制シャットダウンだ」しか言わない こいつ前は自分の価値観で物事を考えるのは危険とか言ってなかったか?
苗木とその希望を信じてプログラム世界に身を投じた二人だったが、彼らの説得も虚しく江ノ島が突きつける残酷な真実に日向たちは絶望してしまう
苗木たちがこの世界に来るタイミングは、江ノ島に操作されたものである
‣希望更生プログラムから絶望復元プログラムへ
”強制シャットダウン”を選ぶと「この島での記憶が消える」 それはつまり七海の記憶も消えるという事だ それはみんなが絶望に戻ってしまうことや死んだみんなが生き返らない事よりも重大に思えてしまった
しかし”卒業”という選択肢は世界に”絶望”を放つことである それは江ノ島の”絶望”が勝つことを意味するため選ぶことは絶対にできない
(”留年”はどう考えてもメリットが無いため考慮しない)
江ノ島は日向たちに卒業を選ばせたがる(=苗木たち三人を永遠に留年させ、生き返ったみんなを江ノ島アルターエゴで上書きする(のちの人類総江ノ島化計画)ことを目論んでいる) ここで重要視すべきなのは人類総江ノ島化計画ではなく、苗木たちを永遠にこの世界に留まらせる事である
そして強制シャットダウンをさせないために江ノ島はさらなる残酷な真実を突き付けてくる
‣カムクライズル
日向創が希望ヶ峰に憧れるあまり付け込まれロボトミー手術を施されて生まれた”超高校級の希望”と呼ばれる天才 あらゆる才能を人工的に植え付けられた結果、人生を「ツマラナイ」ものだと思っている模様 カムクラの存在は5章のウサミの台詞と真逆であり、狛枝の「才能は生まれ持ったもの」という理念に反するもの
強制シャットダウンすれば日向は”絶望”状態のカムクライズルになり、日向創という存在は消えるのだと言う こんなにも残酷な真実があっていいのだろうか、まさに絶対的な絶望だ
そしてどちらも選べず立ちすくむ日向たちに対し、江ノ島は「予想通り」だと言う すべてが予定調和で、すべてをコントロールできるゲームの世界だから こうして事態は膠着したまま苗木たちもなすすべなく日向は絶望に堕ちてしまう…
江ノ島アルターエゴの真の狙いは”停滞”であり、南国の島でずっとずっとずっと…みんなを未来に進ませない事にある そこに動機は存在せず、ただ純粋に絶望を追い求めているだけ
‣七海千秋
救いの手を差し伸べてくれるのはやはり七海だった
「キミ達はゲームなんかじゃないんだよ?”選ぶ”だけじゃなくって…”創る”事だってできるはずだよ。」 「たとえ”存在”がなくなったとしても、私と��んなで作った未来をみんなが進み続ける限りは…私は消えてなくなったりしない。」
と意識の底から日向の背中を押して励ましてくれる そうして才能を持つ事がゴールじゃない、自分を信じてあげる事が大切だと言うのだ
これは七海がコロシアイ修学旅行を経て学習したことであり、日向が欲していた”希望”の言葉だろう
「キミなら”未来だって創れる”はずだよ。」
七海の言葉を借りて絶望に染まったカムクラを論破していく 日向創、いい名前だ
‣スーパーサイヤ日向
江ノ島は七海の後押しにより覚醒した日向を見て完全に予想外だという反応を見せる 「ま、まさか・・・カムクラ?ちょっとどうなってんの!?こ、これって・・・マジもんのバグとか!?」という台詞から推察すると、現在の日向はカムクラと同等の力を持っており、”超高校級の絶望”に対抗できるものだとしたら、日向は”超高校級の希望”として目覚めたのである
そうして日向は自分たちで”未来を創る”ために強制シャットダウンをする決意をみんなに示した
‣江ノ島の敗北
江ノ島アルターエゴはウサミにおしおきされ、今度こそ影響力を失う
”超高校級の希望”が”超高校級の絶望”に打ち勝ったという事は、狛枝の望みが成就したという事でもある 5章での狛枝の計画が”失敗”して七海が未来機関としての役割を放棄し処刑されるという”不運”を覆すのが、6章での七海が日向の”意識の中”で彼を励ますという役割を担う”幸運”に繋がる
つまり狛枝の行動が起因となってどんな絶望にも打ち勝つ絶対的な希望を日向に与えている
これは狛枝が意図していたことではなく、本人が望んだ結果とは別の形での幸運の成就という、これまで発揮されてきた才能の法則性と違わぬものになっている
また、”幸運”という才能が単なる偶然の産物ではないことはカムクラがその才能を持っている(=移植できるレベルで定義が存在する)ことが証明となっている
EPILOGUE 未来の前の日
スーツ着た霧切さんがとても可愛かった 腐川が十神の帰りを待っている事を思わせる台詞もあったし前作の生き残り組はこの世界でちゃんと生きてるんだなと思うと感慨深かった
苗木たちの創った未来も存在している事実が嬉しい
同時に日向たちが創った都合の良い未来も存在していることを願う
今作が一貫して言っていたことは、「多様な価値観があること」
己の価値観のみで形成された世界では起こりえない予測不可能なことでも、行動を起こせば”奇跡”は起きる
他に考えたい点
・日向(カムクラ)達はなぜ超高校級の絶望になったのか
・希望ヶ峰学園のした事
・カムクラの目的 等
キャラ評などは通信簿埋めてから改めて書くと思う
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これは一番好きな日向創の表情
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NFY
推しと担当をかけあわせたクロスオーバーみたいなP晴。自分の好みを詰め込んだだけなので人に見せるようなものじゃないけど、せっかく書いたし……的な。Pは男性だけど特にそういう描写があるわけじゃないです。
アイドルになったとはいえ、オレにとっては同年代の遊び相手が増えただけの話だった。最初にオーディションの面接でオレを合格にしたプロデューサーは有能だったらしく、別の有望なアイドル候補生数人をデビューまで引っ張っているそうで忙しいらしい。そんなオレの担当をわざわざやりたい相手がいるはずもなく、今日もまた他のアイドルと遊んでは一人でサッカーの練習をしている。しかし事務所に来ているとはいえ、レッスンなんてしててもサッカー選手としての能力がつくとは思えないし、アイドルの皆とサッカー練習するよりクラブの皆とやる方が練習にはなるし人数も集まる。オヤジはオレに女の子らしくなってほしいみたいだが、このままだと特に得るものもなく月謝だけ払うハメになる。 そろそろ辞め時なんじゃないだろうか。そんなオレの心理を読みすましたかのように、第三芸能課のドアが開かれる。 「すまない!結城晴くんはいるかね!?」 「オレですけど……どうかしたんですか?」 慌てて入ってきたのは事務所の社長だ。わざわざこんなところに来るのは珍しい。 「キミの担当が決定したんだよ!ささ、入って入って!」 社長がそう言って入ってきたのは大学生くらいの若い男だった。茶髪に灰色の大きな瞳。優しくて大人しそうな整った顔。薄灰色のニットベストに黒いカーディガン。銀色の弾丸のようなものが付いたネックレス。胸元に銀と赤のヘアピンがついている。髪が長いのか後ろでひとまとめにしてある。ひざ下までの黒いカーゴパンツに黒いスニーカー。スーツでもないし、この事務所の社員というより本当にその辺りにいた大学生を連れてきたって感じだ。 「よろしく、僕が君の担当になった…………ええと……」 「どうしたんだ?」 「あー実はね……彼は記憶喪失みたいなんだよ」 「はぁ!?」 驚きのあまりに声が出る。記憶喪失なやつをこんなところに連れてきていいのか? 「気がついたらブランコに乗ってたんですけどよく覚えてないんですよね……そんな時にいきなりこちらの社長から『君!?ぜひうちの事務所に来てくれないか!!』って。話を聞いたらアイドル事務所だって話だったんですけど、ここにはメンズアイドルの枠はないから、とりあえずプロデューサーとして働いてくれないかって」 「大丈夫!彼は優秀だから!私の目に狂いはない!」 一体どういう理屈なのだろうか。というか、連れられてきたコイツは一体どのあたりが優秀そうに見えるのだろうか。採用っていうのは、もっと面接とかやってから決まるもんじゃないのか?。 「なんでコイツがオレの担当になるんだ?」 納得がいく理由が欲しくて問い��だしてみることにした。 「それはね……ええと……」 「結城さんは元々アイドルになる予定がなかったんでしょ?だったら、元々プロデューサーになることがなかった僕だったら、ある程度同じ気持ちでやれるんじゃないかなって思ってさ」 言ってることはなんとなくわからなくもないが、適当な人間をあてがわれたようにしか思えない。むしろアイドルをやめさせるためにわざとやってるんじゃないかと思うくらいだ。 「よろしくね、結城さん」 オレの前に手が差し出される。少しイラついて、とっさに手を払いのけてしまう。 「アイドルなんかやらねーからな!バーカ!」 オレのプロデューサーは困ったように笑った。これが最初の出会いだった。多分この事務所の中でも最悪なアイドルとプロデューサーの出会いだろう。
最初にオレ達がやったのはプロデューサーの名前を決めることだった。オレが仕事をするかどうかは置いておいて、さすがに名前がないままでは色々面倒だろう、とのことだった。 「なんか名前の手がかりとかねーのかよ?」 「うーん……なんとか『なえ』って名前を呼ばれていた気はするんだけど……」 なんとか『なえ』、で思いつく名前といったら…… 「早苗、とかか?」 「あ!そんな感じ!でも『さ』じゃなかったような……かな……香苗だ。うん、今度から香苗って呼んでいいよ♪」 「お、おう。じゃあ……香苗……」 「…………」 急に無言になった。というか無表情で俯いたまま何を考えてるかわからない。 「おい、どうしたんだよ」 「いや、ごめん。特別な誰かにそう呼ばれてた気がしてさ……でも結城さんもそうなるかもしれないから、香苗でいいよ」 「……そっか」 急に何を思い出したんだろうか。そもそもなんでこいつは記憶喪失になって、急にプロデューサーになるなんて話を断らなかったんだろうか。しかもわざわざ、事務所の中なら確実に問題児であろうオレなんかのだ。 「とりあえず、今仕事はないんだよね?」 「あるわけねーだろ、オレ一人でどうこうできるもんじゃねーし。フリフリの衣装着てライブなんてできねーって」 「それはよくないね。じゃあ僕は仕事探してくるから今日は終わりにしよっか。あとこれは僕の仕事用のアカウント。さっき作っておいたから、登録しといてねー♪」 「おう、じゃあな」 連絡用の社内ツールのアカウントを教えてもらって、香苗はとっとと出て行ってしまった。しかし、仕事なんてそう簡単に見つかるわけがない。自分にはアイドルとしての経験もなければ、他の会社とのコネもない。アイドルの激戦時代と言われる今、そんな簡単に仕事なんて見つかるものわけがない。どうせすぐに諦めるさ、そうしたらきっとこの場所ともオサラバだ。この時は確かにそう思っていたんだ。
『おはよう、結城さん。仕事の打ち合わせがしたいから学校が終わったら事務所に来てくれない?』 翌日にそのメッセージが飛んできたときには目を疑った。仕事?一日で?もしかしたらアイツ、とんでもないやつなのか?いやいや、まだどんな仕事かわかったもんじゃない。着ぐるみ着てプラカード持ったりとか、ライブ会場の入り口で衣装着て手伝いしたりとか、ジュニアアイドルにまわってくる仕事なんでそんなもんだ。……まぁ、そういう仕事が回ってくるだけでも充��マシな方らしいが。 気乗りはしないものの、事務所に所属している以上勝手にすっぽかすわけにはいかない。放課後に自宅の方向ではなく事務所の方向へと向かう。会社に入ると大人たちがまばらにいるが、第3芸能課の方向に近づくと人通りも少なくなっていく。待ち合わせていた会議室に直接行くと、広い部屋の角で一人机に向かってノートパソコンのキーボードを叩く香苗の姿があった。 「いらっしゃい、結城さん」 「仕事……本当に取ってきたのかよ?」 「もちろん♪しかもサッカーの仕事だよ?」 その言葉があまりにも唐突で、衝撃的で思わず聞き返してしまう。 「サッカーの仕事!?本当か!?」 「うん、でもサッカーの仕事というよりサッカーゲームの仕事だけど……いい?」 「いいに決まってんじゃん!オマエっていいやつだな!」 もちろんそんないい話があるわけがない。うまい話にはなにかしら不都合があるに決まってるということを、12歳のオレはまだわかってなかった。
「なぁ、これはなんなんだよ」 「なにって、サッカーのゲームでしょ?お互いにボールを取り合って、ゴールに入れるゲームだし」 「それだとバスケとかもサッカーになるんじゃねーのか?」 返事の代わりに沈黙が流れる。気まずい空気が立ち込めて、ゲーム音だけが部屋の中に流れる。 もってきたゲームの内容というのが、1~3人のチームでボールをお互いのゴールに入れるというシンプルなものだ。ただし、フィールドを走っているのは人じゃなくて車だし、相手の車とぶつかって破壊しようがおかまいなしのゲームだ。確かにサッカーと言えば近いかもしれないが、少なくとも自分が想像したようなものではなかった。仕事の前に少しでも慣れていた方がいいだろう、とプロデューサーがゲームを二人分買ってきてお互いに対戦して練習している。 「ごめんね、少しでも結城さんが楽しめるような仕事探したんだけど……」 申し訳なさそうな声で謝られる。サッカーのゲームと言ったことに悪気はなく、オレに仕事を合わせることでいっぱいいっぱいだったのかもしれない。 「いや、いいよ……仕事選べる立場じゃねーのに、頑張ってくれたんだからさ。……ありがとな、プロデューサー」 その言葉を聞いて香苗の顔がぱあっと明るくなる。最初の落ち着いた印象とは裏腹に感情が結構態度に乗るタイプなんだな。もちろんその方が楽でいいのだけれども。 「……油断してない?ブーーーン!」 気をとられた隙に加速したプロデューサーの車がオレの車を破壊して、選手不在のゴールにボールがねじ込まれる。 「きったねー!今のは反則だろ!」 「こういうのも大事だよ、アイドルやるなら覚えておいて損はないから」 大人っぽくこちらを気遣ったかと思うと、子供みたいにふざける。というかアイドルやるならって、どの立場から言ってるんだ。 掴みどころのない香苗とやるゲームは、多少の不満はありつつもそれ以上に自分に寄り添おうとしてくれてることが実感できて、初めてアイドルやってて面白いと感じられたことだった。
「お疲れ様、結城さん」 「ああ、お疲れ」 仕事であるゲーム紹介の日が来て、オレ達は練習の甲斐もあってかそつなくこなすことができた。とはいえ、何を喋ったかはあんまり覚えていない。というのも、当日になって実況の手配がつかなくなって番組がポシャりそうになったときに、なぜか香苗が急遽参加することになり、何を思ったか 「どうも、新人アイドルの香苗です」 なんて言ったのだ。明らかに雰囲気の違う��レ達でやったゲームの実況は、スタッフ間で概ね好評だったらしい。香苗は話題のフリや実況が素人とは思えないほど上手く、台本以上にオレがやりやすいように立ちまわってくれた。 「なあ、今日の番組っていつ流れるんだ?」 「うーん、いつかは忘れちゃったけど後日動画で投稿するみたい」 「そっか」 まぁ初めての仕事だし、そんなもんだろ。新人アイドルが初っ端から顔を出して仕事をするなんて時点で話ができすぎているのだから。 「じゃあ、僕は他の人たちに挨拶して回るから結城さんは先に帰ってていいよ」 「うーっす」 そういうのって本来アイドルがやるべき立ち回りじゃないのか?と疑問に思いつつも、門限が近くなりそうなのでそもそも帰らなければならない。次はどんな仕事をとってくるんだろうか、充足感と疲労感で満たされた体には確かな手ごたえを感じていた。
初仕事が終わってからというもの、仕事はちょくちょく回ってくるようになった。他のアイドルのライブの手伝いとか簡単な営業とか雑多なものから、簡単な企画のワンコーナーにも出させてもらったりした。なんだかんだ仕事がある日が多くなって、忙しくはあるもののなにもやることがない日々よりかは得られるものがあって不満ではない。それにしても、香苗はよくこんなに仕事を取ってこれるものだと感心する。なぜオレに仕事を取ってこれるのか聞いてみたところ、 「だって、結城さんは売り込むのにこっちが頑張らなくても大丈夫だから」 なんて恥ずかしい言葉を返されてしまった。なんとなく納得がいかなくて、他の人にも話を聞いたら香苗は仕事時間外にも界隈の人たちとの交流を欠かさないらしい。どんなスタッフやアイドルにも必ず一声かけるし、オレが事務所にやってきたら他のジュニアアイドルと一緒にだるまさんが転んだなんてやってるくらいだ。かと思えば、高校生くらいの女性アイドルと香水や服のブランドについて話していたりと、話題の幅が広すぎるのだ。広く浅くを信条に付き合っているせいか、名前がどんどん広まっていっていつの間にか仕事を依頼されて……という話だった。 自分のプロデューサーが人気を得ているのは喜ぶべきなのかもしれない。でも、オレはあまり嬉しくはなかった。アイドルとしての自分よりかプロデューサーが魅力的だからという理由で仕事を貰うのは、なんとなく自分が評価されてるわけじゃない、という気持ちにさせられる。一番最初の仕事があまりに自分にとって都合の良いものだったため、あとから聞いたところ元々香苗はあのゲームをやりこんでいて、案件としては香苗に対してきたものをオレに回したという形になっていた。文句の一つも言いたかったが、自分がそういう立場にないのもわかってる。でも、だからこそもどかしくて苦しくて���うしようもない気持ちが育っていった。
事務所でリフティングをしながらそんなことを考える。考え事をするのにも、気を逸らすにもボールに触れるのが一番効果的だと思っているからだ。そうやって時間を潰していると不意に第3芸能課の扉が開いた。 「おはよう、結城さん……ふわぁ」 香苗は眼をしばしばさせて欠伸をしながら入ってきた。相変わらず緊張感がないというか間の抜けた表情をしている。ただ、いつもと違うのは右腕に大きな……ネコ?のぬいぐるみを抱えている。ぴにゃこら太が胴長になって目を見開いて黒い毛並みになった、みたいなデザインだ。1m以上あるそれは、否応なしに目立つ。 「どうもっす、……そのでかいぬいぐるみはなんなんだよ」 「これ?ぬいぐるみじゃないよ、ロトって言うんだ。記憶喪失の時になぜか持ってて……これがないと落ち着かないんだよね」 「ふーん」 小さい子供が慣れ親しんだ毛布を手放したくなくなる、という話をなんかのテレビで見たことがある気がする。それに近いのだろうか。ぬいぐるみかクッションかわからないそれを、プロデューサーの専用の机の端に寝かせて、置いてあるパソコンの電源を入れてなにやら作業をし始めた。目を擦ったり欠伸をしたりして、どうにも眠そう……というか身に入ってなさそうだ。自分のポケットの中身を確かめて、香苗にそれを突き出す。 「んっ」 「……?」 「ほら、ガムやるよ。眠気覚ましにはちょうどいいだろ?」 「ありがと!結城さんから何か貰うのはこれが初めてだからびっくりしちゃった」 そういえば自分からプロデューサーに何かをする、というのはこれが初めてだった気がする。オレのために一生懸命にやってくれてるのに、余計なことを考えてしまってこういう感謝の気持ちを伝えることを忘れていたかもしれない。香苗はそんな様子のオレを気にしてないのか、静かに受け取ったガムを噛みながらメールを確認している。そして、ある一通のメールを見て目線と手が止まった。 「結城さん!とうとう来たよ!」 「何がだよ?」 「ライブの出演依頼!!そんなに大きなとこじゃないけど、出るアイドルは箔がつくって言われてるアイドルの登竜門みたいな場所だよ!やったね!」 「マジか……」 正直言って喜びよりも驚きの方が大きかった。プロデューサーが自分の事のように喜んでることもそうだが、いつの間に自分はこんな仕事が来るようになったんだ、という感覚の方が強かった。でも、逆に言えばこれは香苗に頼らず自分の力で自分を売り込む機会なのかもしれない。いくら香苗が優れたプロデューサーとはいえ、本番でオレのステージをどうにかできるのはオレしかいないのだから。フィールドの選手たちの争いに直接監督が混ざって競い合えないように。
それからはひたすらライブの為に調整をしながらレッスンをする日々だった。ダンスは元から体力があるおかげでなんとかなるのだが、歌いながらだと思っていた以上に気力の方が奪われる。気を抜いたら歌の方がおざなりになるし、音程を意識しすぎると体の伸びや溜めが遅れる。かと言って歌って踊ってができたらそれでいいか、とい��たらそうでもない。気合の入った表情ならまだしも、苦しそうな表情で歌われて気持ちのいいファンなんていないからだ。プロデューサーと一緒に色んなアイドルのライブを見て勉強してはいるが、まだとても追いつきそうにない。 「ここカメラで抜かれることを意識してワザと視線外してるね、腕を上げるタイミングが少し早めなのは上げた状態の自分が一番いいって思ってそう……ここステップわざわざ二回踏んでるのはなんでだろ、そっちの方がかっこいいからなのかな」 ビデオを見ながら香苗はぶつぶつと独り言を喋っている。その中から自分にも取り入れられそうな部分を頭において実践してみる、といったことを繰り返している。にしても、プロデューサーという立場でアイドルを観察しているとはいえ、香苗は細かいことにもよく気づく方だと思う。やれることが増える分だけありがたいのだが。 「もしかしたら、アイドルの方が向いてるんじゃねーか?」 「じゃあちょっと歌ってみようかな」 香苗がビデオで流れている曲をなぞるように歌い始めた。……音程がもうがっつり違う。曲がうろ覚えなせいもあるかもしれないが、へにゃへにゃした歌い方になってしまっている。 「わりぃ、前言撤回する」 「えー!?こうみえても前はボイトレとか通ってたんだよ」 「……オマエ、記憶喪失だったんじゃねーの?」 「んー、なんか思い出せたんだよね。結城さんとのアイドル活動の中で自分にもこういうことあったな、って。もしかしたら結城さんをトップアイドルにするために記憶喪失になったのかもね」 「……気がはええよ」 そう、トップアイドルなんてずっとずっと先のことだ。だからこそ、次のライブは成功させなくちゃいけない。いつの間にかやめたかったアイドルが自分の中で目標になってる。不思議なこともあるものだな、と充足感に包まれながらアイドルの動きを確認する。 「そういえば、衣装はどうなってるんだ?」 今は練習だからレッスン着で歌ったり踊ったりしているが、本番を想定するならステージと衣装を意識した上で練習したい。体操着よりもユニフォームの方が、サッカーやってるって実感が違うように。 「んっ」 香苗がテレビに映っているアイドルを指さす。短いスカートに袖の短い上着、臍が見えるようになってるインナー。露出が多くて可愛らしい、というように思う。 「まさか、これか?」 「うん、これ」 スカート……履くのか。新しい不安と困惑をよそに、香苗は満足そうに笑っていた。
衣装が届いたので、レッスン室でとりあえず着てみることにしたがやっぱり動きにくい。スカート特有のふとももに布が巻かれていない感触が、今までの感覚とは不慣れだし可愛い寄りの衣装というのがどうも自分には合わないような気がして気後れしてしまう。 「結城さんってスカートダメだったんだね」 「……滅多にはかねーからな、こんなの」 「うーん、下に短パンとか履くのはどうなのかな?ちょっと連絡してみるね」 香苗が一旦どこかに電話をかけて、肩を落とした様子で戻ってくる。 「ごめん、やっぱり衣装にアレンジを加えるのは評価に影響するからダメだって」 「そっか……」 香苗が少し考え込んで、なにかを思いついたように顔を上げた。 「結城さんがどうしてもって言うなら、僕がこの衣装着て出てもいいよ?」 「はぁっ!?」 あまりにも突拍子もない提案に、思わず変な声が出る。どうしてそんな発想になったのだろうか。 「結城さんは子供だし、気を遣わなくてもいいよ。僕は可愛いって言われるのもかっこいいって言われてるのも慣れてるし、せっかくもらった仕事だからね。誰が出てもいいってわけじゃないけど、なんとかなるでしょ」 「なんでそこまでするんだよ……可愛いとか言われても平気なんだよ……男なんだろ?」 女らしく、かわいくなるようにって言われてるオレにはなじみのない考え方だ。実際男とか女とかよくわかんねーけど、かわいいって男が言われても気にしないのは自分にはない感覚だ。 「だって、可愛いもかっこいいも僕の事好きだからこそ言えることじゃない?僕は僕の事を好きでいてくれる人のことが好きだから」 確かにそうかもしれない。オレのことをかわいい、って言ってくる人も悪気があるわけじゃないのもわかってる。それでもどこか恥ずかしいと思ってしまうのだ。 「でも、僕は可愛いって言われ始めてから可愛くなった気がする。結城さんは、まだかわいいって言われるのに慣れてないんだろうね」 「……香苗にも慣れてないときがあったのか?」 「うん、だから結城さんの気持ちはよくわかるんだよ」 「じゃあ、猶更これはオレが着なきゃいけないじゃねーか」 「?」 「プロデューサーがオレの気持ちも経験も知ってるのに、なんでオレはプロデューサーのことを知れないんだよ。やってやるよ!確かにこの衣装は恥ずかしいけど……アンタに甘えっぱなしの方がよっぽど恥ずかしいしな!」 決意の言葉を聞いて、香苗は嬉しそうに微笑んだ。自分の子供の成長を喜ぶ親みたいだ。 「ありがとう、結城さん。僕の気持ちを理解しようとしてくれて」 一瞬だけ、悲しいような物寂しいような、そんな表情になる。自分のことを忘れてしまった香苗は、誰かと理解しあえたような記憶も忘れてしまっているのだろうか。そしてそれを思い出せずに苦しんでいるような、そんな顔つきだった。 「でもこの衣装デザインいいよね、インナーとか着ていいなら僕も欲しいかも」 かと思ったら途端にふざけてるのか本気なのかわからないようなことを言う。振り回されているようで、世話になっているようなプロデューサーとの関係は今のオレにはなくてはならないものだと確かに感じている。 最悪な出会いは、最高の相棒として必要な過程なのかもしれない。
衣装を着てレッスンを重ねたおかげか、本番前の楽屋でも比較的落ち着けている。それでもやっぱり出番が近づくと不安が押し寄せてきて、すーはー、すーはー、と深呼吸をして高鳴る心臓を落ち着けようとする。香苗はこんな時でも他のアイドルやプロデューサー、スタッフと話をしながら念入りに最終調整をしている。 「結城さん、出番です」 スタッフに呼ばれて、ステージへと向かう。出番の終わったアイドルの反応は様々で、やり切ったと喜んでいる人もいれば、ふさぎ込んで泣いている人もいる。皆ここまで来るまでに色々な努力や経験をしてきて、必死の思いで来たんだろう。果たして自分は他のアイドルと同じように頑張ってきたんだろうか。結局プロデューサーの力で上手くいっただけじゃないのか。元々アイドルなんてなるつもりもなかった自分がこんなところに来ていいのだろうか。 やばい、場の雰囲気に当てられたのか不安と緊張がどんどん湧いてくる。今更考えても仕方ないのに、抑えきれない感情が確かに自分を縛ってきている。ふらついた足取りでステージ脇までやってくると、香苗が待っていてくれた。 「結城さん、調子はどう?」 「どうもなにも……不安でいっぱいだよ」 「そっか、あの廊下を通っちゃったんだね。アイドルの無念と後悔で作られた、別名『挫けの坂』を」 また適当なことを言い出した。廊下なんだから坂になるはずがないだろう。香苗がしゃがんで、オレの目線に合わせてくれる。今ま��あまり意識したことがなかったが、香苗の身長はアニキと同じくらいだ。 「でも大丈夫。不慣れなステージで不慣れな衣装、そんな中でも頑張る結城さんの姿はきっとかわいくて、かっこよくて、他のどんなアイドルにも負けないくらい輝けるから。僕が保証する」 オレの両手を取って、上から包むような姿勢で祈ってくれる。なんだかその姿があまりにも神秘的で美しくて、悩んでいたことが全部どうでも良くなった。 「しっかりね、結城さん」 「ああ!そっちこそオレのステージ、しっかり見届けろよ!」 前のアイドルの出番が終わり、スポットライトが一斉に当たる。観客のざわめきも、ヘッドセットのマイクも、少し広すぎるステージも、可愛すぎる衣装も、全部手に取るようにわかる。ああ、オレ今集中できてる。きっと、最高のステージになるって確信できる。 「初めましてー!!結城晴です!よろしくお願いします!!!」 右手を突き上げて、観客の歓声に身体が痺れる。これが本番ってやつで、アイドルってやつか!後は熱くたぎる思いをぶつけるだけだ!!そうだよな、プロデューサー!!声にしたい気持ちを押し殺して、流れてきた曲に身体と声が勝手に動く。まるで、どうしたいかをオレじゃなくて身体が勝手に決めてるみたいだ。でも、そういう時が一番いいプレイができるって信じてる。だからこそ、今を精いっぱい楽しむことにした。
「どうだ、プロデューサー!……って、なんだその恰好!」 出番を終えて戻ってくると、香苗はオレの来ていた衣装を着ていた。いや、正確には黒いインナーを着ているしスカートも長いし細かいところで露出が変わっていて男向けっぽくなっている。身長も全然違うため、サイズも調整されてはいるが、間違いなく自分が着ているものだ。 「実はアイドルの子が一人トラブっちゃって、このままだとトリのアイドルが来る前にステージが終わっちゃうんだよね。だから急遽僕が出ることにしたんだ」 「はぁ!?」 相変わらず突拍子もないことを平然とやるやつだ。 「さすがに無理だろ!?」 「それがねー、責任者の人にも聞いたんだけどいいよって。僕なら信用できるって言われちゃった」 どうなってるんだ。信用できるって、コイツの歌を聞いたことがあるのか?それなら猶更止めなきゃダメじゃないのか?いや、そもそもプロデューサーがアイドルのライブで出ていいのか?疑問と疑念が頭の中でぐるぐると回りだす。 「大丈夫、僕も経験ないわけじゃないから」 香苗はそう言って、ステージの方へと駆け出して行ってしまった。観客は明らかに動揺しているものの、一部からは悲鳴のような叫びのような黄色い声が上がる。こっからどうするつもりなんだ! 「メンズアイドル香苗です!今日は急遽ワガママを言って出させてもらいました!精いっぱい歌うので、楽しんでいってください!」 ���の言葉でバラバラな場所から歓声が上がる。困惑していた大部分の人たちも、その熱狂に押されて落ち着きを取り戻したようだ。 肝心のステージは、ダンスはオレより下手だし、歌も同じくらいのうまさだったと思う。でも、アイドルとしてはなぜかアイツの方が優れているような、そんな気にさえさせられるステージだった。音程が外れていても、ダンスをとちっても、それもライブ感があってむしろ味のあるものになっていた。完璧じゃなくてもいい、人間味を出して観客を沸かせることもアイドルらしさの一つだと教えられるようだった。
先に楽屋に戻っていると、着替えた香苗がロトを片手に抱えてやってきた。 「どうだった、僕のステージ?久しぶりだから緊張しちゃった」 「ああ、すごかったよ。それより、久しぶりってのは……」 「うん、僕はステージに立ってたんだ。結構色々思い出せたよ」 ステージをやって、記憶も思い出したというのに少し暗い様子だ。やりきって疲れているというより、後悔しているような懺悔しているような、そんな悲しみ方をしている。 「僕の名前は『香る苗』じゃなくて『叶わない』って書いて叶。ロトは多分そこから名前をとったんだと思う。記憶を失う前はメンズアイドルとして活動してた……んじゃないかな。他にも色々してたみたいだけど、そこまでは思い出せない。ただ、ユニットを組んでたんだ。相棒と一緒に。もしかしたら、こうやって活動してれば知り合えるかもしれない」 「なんか、話聞いてると良かったことのように感じるんだけど……」 声も調子もどんどん暗くなっていく。まるで記憶を取り戻したくないみたいだ。 「僕にとってはね。でも、さっき名前の由来を言ったでしょ?」 その言葉と同時にメールが来る。オヤジからだ。 『今日のライブをみたところ、良い感じになってたな!無理やりアイドルをさせてたけど、もういいだろ!事務所には契約しないように言っておくから安心しろ!』 「『夢が叶わない』から『叶』。こうやって人の夢が叶わなくなるから、僕は記憶を失ったんだ。夢を奪った人たちを思い出したくないから」
ライブが終わった後の家族会議は揉めに揉めた。オレはアイドル活動を続けたいと主張しても、オヤジはあまり乗り気ではないようだ。理由としてはこのままサッカー選手の夢もアイドルとしての夢も両方叶えるのは無理だし、それならどっちか諦めた方がいい、という主張だった。 「それでも、やってみなくちゃわかんねーじゃねーか!」 すると、オフクロもオヤジもバツの悪そうな顔をする。なんとなく、お前の言いたいこともわかるけど、と言いたそうな顔をしている。きっと、オレの夢を絞るべきって話は建前で、話したくない理由がなにかあるんだろう。子供のオレには察することはできないけど、それがある以上解決しないような気がした。 「もういいっ!」 家を飛び出して、向かいたい場所へと向かう。香苗……じゃなくて、叶のいる事務所に。仕事をいっつも夜遅くまでやっているから、まだ日が落ちで間もないこの時間ならいるはずだ。途中でタクシーを拾って、会社の前まで言ってみると大きな手提げカバンを叶が退社するところだった。 「……あれ、結城さん。帰ったんじゃなかったの」 「帰って色々相談したけど、ダメだった。オレ……アイドルまだやりたいよ、オマエと一緒に、夢……叶えたいよ……」 我慢していた感情が目から溢れてくる。掴みかけていた夢のかけらが頬を伝って流れ、冷たいアスファルトの上に落ちていく。 「どうして……夢がかなわないって決めつけるんだよ……あきらめるほうが、ずっとずっと……つらいじゃねえかよ……」 「結城さん」 静かで落ち着いたいつもの声だ。でも、自分のせぐりあげる声のせいで上手く聞こえない。 「一度だけ、叶えてあげる」 「へ……?」 思わず顔を上げる。きっと今のオレは酷い顔をしているだろう。何かを決心したかのように、叶はオレに近づいて優しく抱きしめてくれた。 「本当はメンズアイドルだからこういうのもスキャンダルになるんだけど……大丈夫かな」 「こんな時まで冗談言うなよ……」 「ごめんね、でもこれが最後だから」 「最後って……」 聞き返す前に、叶は何かを呟いた。その言葉を聞いた直後、一瞬だけ意識が飛んだかと思うと叶はいなくなっていた。辺りを見回してもどこにもいない。慌てているオレに、一通のメールが届いた。 『すまん、俺が悪かった。サッカー活動もアイドル活動も続けていいから帰って来てくれ』 問題は解決した。喜ぶべきなんだ。でも、一番一緒に喜んでほしい人が隣にいない。それだけで、胸に穴があいたように感情が流れて行ってしまって、困惑と恐怖と車が通りすぎる音がオレの周りを囲んでいた。
あのあと呆然としながらも、なんとか家に帰ってオヤジと話をした。どうやらアニキが私立に行くから金銭的に厳しくて悩んでいた、みたいな話をしていたが正直もう何を話されたか覚えていない。次の日に事務所に行ったら、机は綺麗に片づけられていて、プロデューサーは最初に面接でオレを採用してくれた人がなってくれた。前のプロデューサーである叶のことを問いただしても、誰も覚えていなかった。そんな人いたっけ?いたような気もするけど……、といった感じで曖昧に濁されてしまった。 とりあえず、オレはありとあらゆる場所を探して回った。一緒に行ったファミレスから、よく行くと話していた服屋、漫画喫茶、プリクラを取っていたから事務所の近くのゲーセン、アイドル事務所の資料もかたっぱしから読んだけど、叶の手掛かりは見つからなかった。さすがに所属してない、しかもメンズアイドルの情報は残っていなかった。 何の成果もなく帰ろうと駅前に向かうオレは、何の気なしにビルのディスプレイに目をやった。そこには『あの奇跡のアイドルユニットが復活!?』と書いてあった。ある種の核心に近いそれがあり、見つめていると叶と白髪赤目の二枚目が映った。 「今回はどうしてアイドルユニットを復活することにしたんですか?」 復活と共に、新しいCDを出した二人に対するインタビュー映像のようだ。 「あー、俺はどっちでもよかったんすけど、叶が復活させたいって言いだして」 「それはまたどうして?」 「僕の名前は『叶わない』ってことが由来だったんですけど、夢が叶う瞬間ってやっぱりいいものじゃないですか。だから、僕の夢は叶わなくても、誰かの夢に僕らがなれたらいいなって改めて思いました」 ああ、そうだ。アイドルは夢を与える仕事だって誰かが言ってたっけ。なら、今オレは確かにアンタから夢を貰ったことに��る。宣言するように、強く握った右手をモニターに突き出す。 いつか同じステージに立って、こう言ってやるんだ。アンタの夢を叶えにきたって。夢を与えて与えられて、それこそがアイドルとプロデューサーだろって。
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ひとみに映る影シーズン2 第二話「高身長でわんこ顔な方言男子」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
☆キャラソン企画第二弾 青木光「ザトウムシ」はこちら!☆
དང་པོ་
時刻は十四時三十分。MAL五八便が千里が島に到着してから既に五分以上経過した。しかし乗客はなかなか立ち上がれない。体調を崩して客室乗務員に介抱される人や、座席備え付けのエチケット袋に顔を突っ込んでいる人も見受けられる。機内に酸っぱい臭いが充満してきたあたりでようやく、私達したたびチームを含め数人がフラフラと出口に向かった。 機体と空港を繋ぐ仮設通路は『ボーディングブリッジ』というらしい、という雑学を思い出しながらボーディングブリッジを渡る。ある先輩俳優がクイズ番組でこれを『ふいごのトンネル』と��回答して笑いを取っていたけど、なるほど確かにこれはふいごのトンネルだ。実際に歩きながら、言い得て妙だと感じた。 空港に入って最初に目についたベンチに佳奈さんが横たわった。ドッキリ企画の時から着っぱなしだったゴシックタキシードのボタンを外し、首元のヒラヒラしたスカーフで青い顔を拭う。 「うぅ、吐きそう……もらいゲロかも……」 「おいおい、大丈夫ですかぁ? トイレまで歩けます?」 一方ケロッとしているタナカD。口先では心配しているような言い草だけど、ちゃっかりカメラを回し始めた。 「やめろー撮るなぁー! ここで吐くぞー……うぅるぇっ……」 「ちょっと、冗談じゃなく本当に吐きそうじゃないですか! 大惨事になる前にトイレ連れてってきます」 私は佳奈さんに肩を貸してトイレへ向かう。タナカDの下品な笑い声が遠のいていった。洋式の個室で彼女を降ろし、自分も二つ隣の空いている洋式個室に入る。チャンスだ。まず壁にかかったスイッチを押し、滝音と鳥のさえずりが合わさったエチケット音声を流す。次にトートバッグから小さなクナイ型の物を取り出す。これは『プルパ龍王剣(りゅうおうけん)』という密教宝具だ。私が過去に浄化した悪霊を封じこめてあり、そいつから何時でも力を吸い出す事ができる。 「オム・アムリトドバヴァ・フム・パット」 口を閉じたまま、他人に聞こえるか聞こえないかギリギリの声で真言を唱える。すると、ヴァンッ! プルパは私から黒々とした影を吸い上げ、龍を刺し貫いた刃渡り四十センチ程のグルカナイフ型に変形した。 「う……うぅ……」 プルパに封印された悪霊、金剛倶利伽羅龍王(こんごうくりからりゅうおう)が呻き声を漏らす。昔こいつは人を呪ったり、神様の振りをして神社を乗っ取ったり、死んだ人の魂を監禁して怨霊に育てたりと悪行の限りを尽くしていた。ご立派な名前に似合わず、とんでもない奴だ。 <機内での騒動を聞いていたな。あの毛虫みたいな化け物は何だ?> 影を介したテレパシーで、私は威圧的に倶利伽羅に囁く。ついでに壁のボタンを押し直し、エチケット音を延長。 「ア……? 俺様が知るわけがぼがぼぼごがぼごがガガガ!?」 しらばっくれようとした倶利伽羅の顔を便器に沈めて水を流した。 <どこからどう見てもお前と同類だったろうが! その縮れた灰毛、歯茎じみて汚い皮膚、潰れた目! もう一度問う。あれは何だ?> 「げ、っほ、うぉ゙ほッ……! あ、あれは散減(ちるべり)……『母乳を散り減らせし虫』……」 <母乳?> 「母乳���は……親から子へ引き継がれる、『血縁』のメタファーだ。母乳を奪えば子は親の因果を失い……他人の母乳を飲ませれば、子とその相手は縁で結ばれる」 縁。そういえば千里が島の旧地名は散減島で、縁切りパワースポットだったか。あの怪物、散減は、どうやらその伝承と関係があるようだ。それにしても、 <ならその散減とお前には如何なる縁がある? またお前を生み出した金剛有明団(こんごうありあけだん)とかいう邪教の仕業か> 「知らん! だいたい貴様、そうやって何でもかんでも金剛のせいにがぼろごぼげぼがぼげぼろこゴゴポ!!?」 流水。 <資源の無駄だ。節水に協力しろ> 「ゲッ、ゲエェーーッ! ゲホガホッ! 本当に知らな」 <それとも次は和式の水を飲みたいか> 「知らないっつってんだろぉ!! 確かに散減も母乳信仰も金剛の叡智だ。だがそれをこの田舎島に伝来したのは誰か知らん! 少なくとも俺様は無関係だ!!」 残念だけど、こいつから聞き出せる情報はこの程度のようだ。私は影の炎で倶利伽羅を熱消毒して、洗面台でプルパと自分の手を洗った。 「ぎゃああああ熱い熱い!! ぎゃああああああ石鹸が染みるウゥゥ!!」 霊的な炎にスプリンクラーが反応しなくて良かった。 ベンチに戻ると、佳奈さんは既に身軽なサマードレスに着替えていた。脱水防止に自販機でスポーツドリンクを買い、大荷物を待っていると、空港スタッフの方が私達のスーツケースを運んできてくれる。 「ようこそおいでなすって、したたびの皆さん。快適な空の旅を?」 「いやあ、それがとんでもない乱気流に入っちゃいましてね。だぶか墜落せずにここまで運んでくれた機長さんは凄いですなぁ」 「乱気流が! ははぁ、そいつぁコトだ。どうか島ではごゆっくり」 尻切れトンボな口調でスタッフの方がタナカDと会話する。これは『南地語(なんちご)』と呼ばれる、江戸の都から南方にあるこの島特有の方言だ。『~をしましたか?』が『~を?』、『~なのです』が『~ので』、といった調子で、千里が島の人は語尾を省略して喋るんだ。 「佳奈さん、私南地語を生で聞くの初めてです。なんだか新鮮ですね」 「千里が島スタイルでは南地語(なっちご)って読むんだよ」 「へえ、沖縄弁がうちなーぐちみたいな物なので?」 「そうなので!」 「「アハハハハ!」」 二人でそれらしく喋ってみたけど、なんかちょっと違う気がする。案外難しい。それより、佳奈さんがちょっと元気になったみたいで良かった。今日この後はホテルで企画説明や島の情報を聞くだけだから、今夜はゆっくり休んで、気持ちを切り替えていこう。
གཉིས་པ་
空港出入口の自動ドアを開いた途端、島のいやに生ぬるい潮風が私達を出迎えた。佳奈さんがまた気分を悪くしそうになり、深呼吸する。私も機内の騒動で平衡感覚がおかしくなっているからか、耳鳴りがする。 「ともかくお宿に行きたいな……」 そう独りごちた矢先、丁度数台の送迎車がバスターミナルに列をなして入ってきた。特に目立つのは、先頭を走るリムジンだ。白く輝く車体はまるでパノラマ写真のように長い。 「わぁすっごい! 東京からテレビが来たってだけあって、私達超VIP待遇されてる!」 「いえ、佳奈さん、あれは……」 ところがリムジンは大はしゃぎする佳奈さんを素通り。入口最奥で待機していた河童の家一団の前に停車する。すかさず助手席からスーツの男性がクネクネしながら現れ、乗降ドア前に赤いカーペットを敷き始めた。 「どうもどうもぉ、河童の家の皆様! 私めはアトムツアー営業部の五間擦(ごますり)と申します。さあさ、どうぞこちらへ……」 アトムツアー社員は乗車する河童信者達の列に跪いて靴を磨いていく。全員が乗りこむと、リムジンはあっという間に去っていった。 「……あーあ。やっぱ東京のキー局番組じゃないってバレてたかぁ~。リムジン乗りたかったなぁ」 「ただの神奈川ローカルですからね、私達」 「こう言っちゃなんですけど、さすがカルト宗教はお金持ってますなあ」 「タナカさん、今の台詞はカットしなきゃダメですよ」 「あっ一美ちゃん! 私達の、あっちじゃない?」 リムジン後方から車間距離を空け、一糸乱れぬ隊列を組んだバイク軍団が走ってくる。機体はどれも洗練されたフォルムの高級車で、それに乗るライダー達も全員眩しくなるほど美少年だ。 「「「千里が島へようこそ、お嬢様方! アトムツアー営業部ライダーズです!」」」 彼らは私達の目の前で停車すると、上品なダマスク柄の相乗り用ヘルメットを取り出し白い歯を見せて微笑んだ。 「えーっ、お兄さん達と二ケツして行くって事!? やーんどうしよ……」 佳奈さんがデレデレと伊達眼鏡を外した瞬間、 「きゃー!」「ライダー王子~!」「いつもありがとぉねぇー!」 加賀繍さんのおばさま軍団が黄色い悲鳴を轟かせ、佳奈さんを突き飛ばしてイケメンに突進! 一方イケメンライダーズは暴れ牛をいなす闘牛士の如く、キャーキャー飛び跳ねるおばさま達にテキパキとヘルメットを装着し、バイクに乗せていく。ところがおばさま軍団の殿を堂々たる態度で歩く加賀繍さんは、彼らを見るや一言。 「ヘン。どれもこれも、モヤシみたいのばかりじゃないか。コールもろくに出来なさそうだねぇ」 イケメンライダーズには目も合わそうとせず、一番大きなバイクにどかっと着席。バイク軍団は颯爽とリムジンを追いかけていくのだった。 「……あーあぁぁ。やっぱ小心者モデルじゃ���ケメンバイクはダメかぁ~」 「腹黒極悪ロリータアイドルじゃダメって事ですねぇ」 「加賀繍さんも稼いでるもんなあ。コールですって、きっとホスト狂いですよぉあの人」 「タナカD、その発言OA(オンエア)で流したら番組打ち切りになるよ」 三人で管巻いていると、少し間を置いて次の送迎車が現れた。トココココ……と安っぽいエンジン音をたてて走る小型シャトルバスだ。私としては別に河童の家や加賀繍さん方みたいな高級感はいいから、さっさとホテルで休ませて欲しい。ランウェイを歩いていた午前中から色んな事が起こりすぎて、もうヘトヘトなんだ。「あ、あの……」しかしバスは残酷にも、私達の待つ地点とは反対側のロータリーに停車。玲蘭ちゃんと後女津一家を乗せて去っていった。「あの、もし……」小さくなっていく『アトムツアー』のロゴに、佳奈さんが中指を立てた。私もそれに倣って、親指を 「あの! お声かけても!?」 「ふぇ!? あ、は、はい!」 声をかけられた事に気がつき振り返ると、背の高い男性……を通り越して、日本人離れした偉丈夫がいつの間にか私達の背後に立っていた。しかも恐縮そうに腰を屈めているから、まっすぐ立ったら少なくとも身長二メートル以上はありそうだ。 「遅くなっちまって失礼を。僕は千里が村役場観光事業部の、青木光(あおきひかる)です。ええと、したたびさんで?」 「ええ。しかし、君が青木君かい!? 大きいなあ、あっはっは!」 タナカDが青木さんの胸のあたりをバシバシと叩いた。青木さんはオドオドと会釈しながら後込む。身体が大きいから最初は気がつかなかったけど、声や仕草から、彼は私と同い年か少し年下のようだとわかる。 「あ、あのォこれ、紅さんがいつも髪にチョークされてるので、僕も髪色を。ど、どうです……派手すぎで?」 「あ、ヘアチョークご自分でされたんですか? すごくお似合いですよ!」 「い、いえ、床屋のおばちゃんが! でも……お気に召したなら、良かったかもだ」 青木さんは全体をホワイトブリーチした目隠れセミロングボブを、毛先だけブルーにしている。今日は私も下半分ブルーだからおそろいだ。ただ、このヘアメイクに対して彼の服装はイマイチ……素肌に白ニットセーター直着、丈が中途半端なベージュカーゴパンツ、ボロボロに履き古された中学生っぽいスニーカー。確かに、『都会からテレビが来るから村の床屋さんが髪だけ気合い入れすぎちゃった』みたいな情景がありありと目に浮かんでしまう。もうロケそっちのけで青木さんを全身コーデしたくなってきた。 「それより青木君、私達の車は?」 佳奈さんが荷物を持ち上げる。 「え。いえその、言いにくいんですけど……」 青木君は返答の代わりに、腕を左右にスイングしてみせた。まさか…… 「徒歩なんです��!?」 「すす、すみません、荷物は僕が! 役場もコンペに予算とか人員を削がれちまって、したたびさんのお世話は僕一人などと。けど僕、まだ仮免だから……」 「「コンペ?」」 首を傾げる佳奈さんとタナカD。私は飛行機内で聞いた除霊コンペティションの話をかいつまんで説明した。 「困るよぉそれ! 除霊されたらこっちの撮れ高がなくなるじゃんかよ!」 「ゲ、やっぱり! 聞いて下さい青木さん。この人達、宝探し企画とか言っておきながら、本当は私を心霊スポットに連れて行く気だったんですよ!?」 「ええっ肝試しを!? 島のお化けはおっとろしいんだから、それはちょっとまずいかもけど!」 目隠れ前髪越しでもわかるほど冷や汗を流しながら、青木君は赤べこみたいにお辞儀を繰り返す。 「そら見なさい、触らぬ神に祟りなしですよ。私達だけ徒歩になったのだって、きっと罰が当たったんだ」 「そーだそーだ! 青木君に謝れタナカD!」 「なんだと? あなただって紅さんを地上波で失禁させるって息巻いてたじゃないか!」 「佳奈さん!!」 「そこまでは言ってないし!」 「ややや、喧嘩は!」 「あ、気にしないで下さい。私達これで平常運転ですから」 この罵り合いはホテルに到着するまで続く。したたびロケではいつもの事だ。私達は良く言えば忌憚なく話し合える仲だし、悪��言えば顔を合わせる度に言葉の殴り合いをしている気がする。それでも総括的には……仲良しなのかな、どうなんだろう。 空港からホテルへは、石見サンセットロードという遊歩道を行く。海岸沿いの爽やかな道とはいえ、心霊スポットという前情報のせいか海が陰気に見える。船幽霊が見えるとかそういう事はないけど、島の人も霊も全く外を出歩いていなくてだぶか不気味だ。 到着した『ホテル千里アイランドリゾート』はそこそこ広くて立派な建物だった。それもそのはず。青木さんによると、ここは島で唯一の宿泊施設だという。但し数ヶ月後には、アトム社がもっと大規模なリゾートホテルを乱造するんだろう。玄関に到着すると、スタッフの方々が私達の荷物を運びに…… 「って、玲蘭ちゃんに斉一さん!?」 「あっ狸おじさんだ! ……と、誰?」 そうか、普段メディア露出をしない玲蘭ちゃんを佳奈さんは知らないんだった。 「この方は金城玲蘭さん、沖縄の祝女……シャーマンですね。私の幼馴染なんです」 「初めまして志多田さん、タナカさん。金城です。こちらの彼は……」 玲蘭ちゃんが話を振る直前、斉一さんの中にさりげなく、ドレッド狸の斉二さんが乗り移るのが見えた。代わりに斉一さんらしき化け狸が彼の体から飛び出し、 「どうも、ぽんぽこぽーん! 幸せを呼ぶ地相鑑定士、毎度おなじみ後女津斉一です!」 彼はすっかりテレビでお馴染みの風水タレントの顔になっていた。芸能界で活躍していたのは���はり斉二さんだったみたいだ。 「あの、どうしてお二人が?」 客室へ向かいながら私が問いかけると、二人共苦笑する。 「一美、実は……私達、相部屋だったんだ」 「え!?」 すごすごと玲蘭ちゃんが襖を開けると、そこはまさかの宴会場。河童の家や加賀繍さん達で客室が埋まったとかで、したたびチームと玲蘭ちゃん、後女津家が全員大部屋に押しやられてしまったのだという。 「はぁ!? じゃあ私達、川の字で雑魚寝しなきゃいけないワケ!? 男女分けは……まさか、えっこれだけ!?」 「すみません、すみません!!」 佳奈さんが宴会場中央の薄っぺらい仕切り襖を開閉するリズムに合わせ、青木さんはベコベコと頭を下げる。 「やめましょうよ佳奈さん、この島じゃ誰もアトムには逆らえないんですから」 「ぶっちゃけ俺や金城さんも、半ばアトムに脅迫される形でここに連れてこられたんだよねぇ……あ、これオフレコで」 「いやいや狸おじさん、もう全部ぶっちゃけたっていいんですよ。うちのタナカが全責任を負って放送しますから」 「勝手に約束するんじゃないよぉ! スーパー日本最大手の大企業に、テレ湘なんかが勝てるわけないんだから!」 「「「はあぁぁ……」」」 全員から重たい溜め息が漏れた。
གསུམ་པ་
簡単な荷物整理を終え、したたびチームはロビーに移動。改めて番組の企画説明が始まった。タナカDが三脚でカメラを固定し、語りだす。 「今回は『千里が島宝探し編』。狙うはもちろん、徳川埋蔵金ですからね。お二人には明後日の朝までに、埋蔵金を探し出して頂きます」 「見つからなかったらどうなるんですか?」 「いつも通り、キツい罰ゲームが待っていますよぉ」 「でしょうねぇ」 埋蔵金なんか見つかりっこないのは分かりきっている癖に。完全に出来レースじゃないか。 「もちろん手掛かりはあるよ」 佳奈さんが机に情報フリップを立てかけた。書かれているのは簡略化された千里が島地図だ。 「山の上にあるのが噂の縁切り神社、『御戌神社(おいぬじんじゃ)』。そこから真下に降りたところ、千里が島国立公園のところに書いてあるこのマークが『ザトウムシ記念碑』。一美ちゃんは、民謡の『ザトウムシ』は知ってるよね?」 「もちろん知ってますよ。お店で閉店前によく流れる曲ですよね? あれって千里が島の民謡なんですか」 「そうなの。そしてザトウムシの歌詞は、一説によると徳川埋蔵金のありかを示す暗号だと言われてるんだ!」 「へえ、そうなんですね。じゃあ暗号は解けてるんですか?」 「それはこれから考えるんだよ」 「はぁ……」 なんだか胡散臭い手掛かりだ。 「だいたい、埋蔵金なんて本当にあるんですか? そもそも、千里が島と徳川幕府に関係性が見えないんですが」 「じゃあまずは千里が島の歴史を知るところからだね。青木君ー!」 「はい、ただいまー」 佳奈さんが呼びかけると、大きなホワイトボードを引きずりながら青木さんが画角内に入る。実はさっきから、彼は私達の真横でずっとスタンバイしてくれていたんだ。青木さんはホワイトボードにゴシック体みたいな整った字で『千里が島と徳川家の歴史』と書き、解説を始めた。 千里が島、旧地名散減島。ここは元々江戸時代に都を脅かした怨霊を鎮めるためだけに開拓された地で、その伝説が縁切りや埋蔵金の噂に繋がる起源なのだそうだ。 事の発端は一六七九年。徳川幕府五代将軍、徳川綱吉が男の子を授かった。名を徳松という。しかし徳松は一歳を過ぎても母乳以外なにも飲み食いできず、見るからに虚弱だった。これを訝しんだ綱吉が時の神職者に相談してみると、徳松は江戸幕府征服を目論む物の怪によって、呪われた悪霊の魂を植え付けられていたと判明する。 「物の怪は徳松の体のミルクから、縁を奪ってたんですだ」 「ミルクから……縁?」 既に倶利伽羅から軽く説明を受けていたけど、番組撮影のためにも改めて青木さんから話を聞く。 「昔の伝承じゃ、おっかさんのミルクにゃ親子の縁が宿るなど。ミルクをとられた子は親と縁が切れて、バケモノになっちまうとか。だから徳松は、本能的にいつまでもミルクを」 「へえ、そういう信仰があったんですね」 神職者が提示した儀式は、三歳、五歳、七歳……と二年毎に分けて行われる。魂が完全形成される前の三歳の時に悪霊を摘出し、代わりに神社の聖なる狛犬の魂を素材として魂を作り直す。五歳になったら身を守るための霊能力を与えて修行を積ませ、七歳で悪霊退散の旅に向かわせる。それが幕府と神職者が本来描いていた運びだった。 「ちなみにこれが七五三参りの起源なんだよ……だがしかしィーっ!」 佳奈さんがフリップに貼ってある付箋を勢いよく剥がす! 「デデン! なんと徳松は五歳で死んでしまうのです!」 「えぇ? 七五三参りの起源になった子なのに、七歳まで生きられなかったんですか!?」 「まあ現在の七五三参りは、男の子は五歳しかお参りしませんけどね」 タナカDが画面外から補足した。徳松は修行の途中物の怪に襲われ、命を落としてしまったんだ。それでも彼は物の怪を体内に封印し、二年間耐え抜いた。しかし物の怪は激しく縁に飢え、徳松の精神をじわじわと狂わせる。そして一六八五年、人の縁を完全に失った徳松の魂は大きな狛犬のような怨霊となって江戸中の縁を貪った。徳松に縁を食われた人々は不幸にみまわれ、家族や仕事を失ったり、人間性を欠きケダモノめいて発狂したりと大パニックだ! ついに諦めた幕府と神職者は、徳松を江戸から追い出してしまう。彼らは江戸中の女性から母乳を酒樽一斗分集め、それを船に乗せて江戸から遥か南の無人島に運んだ。徳松も船を追って海を渡ると、そのまま神職者は島に神社を建て、徳松の魂を神として奉った。以降徳松は悪縁を食べてくれる縁切り神として有名になり、千里が島は今日も縁切りパワースポットとして名を馳せているんだそうだ。 「では一美ちゃん、ここでクイズです! 怨霊事件から更に二年後、一六八七年。怨霊がいなくなった後も徳松の祟りを思い出してノイローゼになっていた綱吉は、ある法律を制定しました。それはなーんだ?」 「え、法律!?」 急に佳奈さんがクイズを振ってきた。歴史は得意でも苦手でもない方だけど…… 「ええぇ、徳川綱吉で法律といえば、生類憐れみの令ぐらいしか……」 「ぴんぽんぴんぽんぴんぽーん!!」 「え、生類憐れみの令でいいんですか!?」 「その通り! 綱吉は犬畜生を見る度に徳松を思い出してしまう! そして祟りを恐れて動物を殺さないように法律を作った。それが生類憐れみの令の真実なのだあ!!」 ババババーン! と、オンエアではここで安っぽい効果音が入るのが想像に難くない。しかし七五三参りだけでなく、あまつさえ生類憐みの令まで徳川徳松が由来だったなんてさすがに眉唾な気がする。 「徳松さんってそんなに歴史的に重要な人だった割には、あまり学校じゃ習わないですね」 「今青木君と佳奈さんが説明した伝承は、あくまで千里が島に伝わる話ですからな。七五三も生類憐れみの令も、由来は諸説あるみたいですよ」 タナカDが蚊に食われた腕を掻きながら再び補足した。すると佳奈さんが反論する。 「でもだよ! もし千里が島の伝説が本当なら、法律にしちゃうほど当時の江戸の人達が徳松を恐れてたって事だよね! だったら幕府は、だぶか大事な物は千里が島に隠すと思うんだ。まさに埋蔵金とか!」 「うーん、百歩譲ってそうだったとしても、それで私達が埋蔵金を見つけて持って行っちゃったら、徳松さんに祟られませんか?」 「もー、一美ちゃんは相変わらずビビりだなあ。お化けが怖くて埋蔵金がゲット出来るかっ!」 「佳奈さん。そんな事言ってると、いつか本当にとんでもない呪いを背負わされますよ」 「その子の言う通りさね」 「え?」 突然、誰かがトークに割り入ってきた。私達が顔を上げると、そこにいたのは加賀繍さんと取り巻きのおばさま軍団。なんてことだ。恐れていた展開、ついにアサッテの霊能者に絡まれてしまった。
བཞི་པ་
ホテルロビーの椅子と机はフロントより一段低い窓際に位置する。フロント側に立つ加賀繍さんとおばさま方に見下ろされる私達は、さながら熊の群れに追い詰められた小動物のようだ。 「あんた、志多田佳奈だっけか? いい歳して幼稚園児みたいな格好して、みっとみないね。ご先祖様が泣いてるよ」 「ですよねぇ先生、大人なのに二っつ結びで」「嫌ーねー」 初対面で早々佳奈さんを罵る加賀繍さんと、それに同調するおばさま軍団。 「これはゴスロリっていうんですーっ」 佳奈さんがわざとらしく頬を膨らませた。こんな時でもアイドルは愛想を振りまくものだ。 「ゴスロリだかネンネンコロリだか知らないけどね。あんた、ちゃんとご先祖様の墓参りしているのかい? この島は特別な場所なんだから、守護霊に守って貰わなきゃあんた死ぬよ。それこそネンネンコロリだ」 出た、守護霊。日頃お墓参りを怠っていると、ご先祖様が守護霊として仕事をしなくなり不幸になる。正月の占い番組でよく聞く加賀繍さんの常套句だ。更に加賀繍さん直営の占い館では、忙しくてお墓参りに行けない人に高価なスピリチュアルグッズを売りつけているという噂だ。現に今も、おばさま方が怪しい壺やペットボトルを持って、私達をじっとりと見つめている��� 「それから、そっちの黄色いの。あんたはちゃんとしてるのかい?」 黄色いの? ……ああ、アイラブ会津パーカーが黄色だから私の事か。佳奈さんは芸名で呼ばれたのに、ちょっと悔しい。 「定期的に帰ってますよ。家のお仏壇にも毎日お線香をあげてますし」 実家では、だけど。ここは彼女を刺激しないようにしたい。 「ふぅんそう。けどそれだけじゃあ、この島じゃ生きて帰れないだろうさ。仕方ないね、今回はあたしが特別にエネルギーを分けてやるよ」 そう言い加賀繍さんは指を鳴らす。するとおばさま方が私達のテーブルからフリップや資料を勝手にどかし、怪しい壺とペットボトル、銀のボウルをどかどかと並べ始めた! 慌ててタナカDが止めにかかる。 「ちょっと、加賀繍さん! 困りますよぉ、撮影中です!」 「はあ? 困るですって!?」 「あなた! 加賀繍先生が直々に御力添えして下さるのを、まさか断るってんじゃないでしょうね?」 「あ、いえ、とんでもございません」 「もー、タナカD~っ!」 しかしおばさま方に気圧されてあっさりと机を譲ってしまった。佳奈さんがタナカDの頭をペチッとはたいた。おばさまの一人がペットボトルを開け、ボウルに中身を注ぎ始める。ボトルには『悪鬼除滅水』という何やら物騒な文字が書かれている。横で加賀繍さんも壺の蓋を開ける。何か酸っぱいにおいが立ちのぼり、佳奈さんが私にしがみついた。 「エッヤダ怖い。あの壺、何が入ってるの!?」 小声で佳奈さんが囁く。加賀繍さんはその壺に……手を突っ込んでかき混ぜ始めた! グシュ、ピチャ、ヌチチチチ。まるで生肉か何かを攪拌しているような不気味な音がロビーに響く。 「やだやだやだ! 絶対生モノ入ってる! まさか、ご、ご、ご先祖様の……ご、ご、」 「ご遺体を!? タナカさん、カメラ止めにゃ!」 気がつくと青木さんまで私にしがみついて震えていた。かく言う私はというと、意外と冷静だ。あの壺や水からは、なんら霊的なものは感じない。強いて言うなら加賀繍さんご本人の中に誰かが宿っている気がするけど、眠っているのか気配は薄い。それより気になるのは、ひょっとしてこの酸っぱいにおいの正体は…… 「ぬか漬け、ですか?」 「そうさ」 やっぱり! 加賀繍さんは壺から人参のぬか漬けを取り出し、ボウルの悪鬼除滅水でぬかを洗い落とし��。 「あたしん家でご先祖様から代々受け継がれてきたぬか床さ。これを食えばあんたらも家族と見なされて、いざという時あたしの強力なご先祖様方に守って貰える。ほら、食え」 加賀繍さんが人参を佳奈さんに向ける。でも佳奈さんは受け取るのを躊躇った。 「うわぁ、せ、先祖代々って……なんか、それ大丈夫なんですか?」 「なんだって!?」 「ひい!」 「し、しかしですねぇ加賀繍さん、お気持ちは有難いんで大変申し訳ないんですが、演者に生ものはちょっと……」 「カメラマン、あんたも食うんだよ」 「僕もですか!? いえ、僕はこないだ親戚の十三回忌行ったばっかだから……」 「美味しい!」 「一美ちゃん!?」「紅さん!?」 誰も手をつけないから私が頂いてしまった。これは普通に良い漬物だ。塩気や浸かり具合が丁度よくて、野菜がビチャッとしていない。ぬか床が大切に育てられている事がよくわかる。 「美味しいです加賀繍さん! 福島のおばあちゃんの漬物を思い出しました。佳奈さんも食べてみればいいじゃないですか」 「一美ちゃん案外勇気あるなあ……。じゃ、じゃあ、いただきます……エッ美味しい!」 「でしょ?」 「はははははっ!」 私は初めて、ずっと仏頂面だった加賀繍さんがちゃんと笑う所を見た。 「あんたは本当にちゃんとしているんだね、黄色いの。よく墓参りをする人は、親や祖父母の実家によく帰るだろ。だから家庭の味ってやつをちゃんと知っている。人にはそれぞれ家族やご先祖様がいて、それが良縁であれ悪縁であれ、その人の人生を作るのさ。だから墓参りはしなくちゃいけないんだよ。この島の神様は縁を切るのが仕事のようだけど、あたしゃ自分に都合の悪い縁を切るなんて愚かだと思っているのさ」 「そうなんですね。ちなみに私、紅一美です。覚えて下さい」 「あ? 紅? じゃあ何でそんなに黄色いんだい。今日から黄色ちゃんに改名しな! ハハハハ!」 どうやら私は加賀繍さんに気に入られたようだ。地元を引き合いに出したのが良かったみたいだ。それにしても、彼女の話はなかなか説得力がある。どうする事もできない悪縁を切るために神様を頼るのが間違っているとまでは思わないけど、そうする前に自分のご先祖様や恩人との縁を大切にする方が大事なのは明白だ。彼女がアサッテだからって偏見の目で見ていた、さっきまでの自分が恥ずかしくなった。ところが…… 「じゃあ、これ御力添え代ですわ。ほい」 おばさま方の一人がタナカDに請求書を渡す。するうちタナカDは「フォッ」と声にならない音を発し、冷や汗を流し始めた。あの五百ミリリットルサイズの悪鬼除滅水ボトルに『¥三,〇〇〇』と書かれたシールが貼ってあった気がするけど、人参のぬか漬け一本は果たしていくらなんだろう。それ以外にも色々な手数料が加算されているんだろうな……。 「加賀繍さんにパワーを貰えてラッキー! 果たして埋蔵金は見つかるのか!? CMの後、急展開でーす! はいオッケーだね、じゃ私トイレ!」 佳奈さんは息継ぎもせず早口でまくし立て、脱兎のごとくホテル内へ去っていった。 「あっコラ極悪ロリータ! 勝手に締めて逃げるなぁ!!」 「青木さん、私ぬか漬け食べたらお茶が飲みたくなっちゃったなー!」 「でしたらコンビニなど! ちぃと遠いかもけど、ご案内を!」 「おい青木と黄色! この裏切り者ーーーっ!!」 私と青木さんもさっさと退散する。まあタナカさんには、演者への保険料だと思って何とかして欲しいものだ。でも私は内心、これで番組の予算が減れば今後大掛かりなドッキリ演出が控えられるだろうと少しほくそ笑んでいた。
ལྔ་པ་
新千里が島トンネルという薄暗いトンネルを抜けた所に、島唯一のコンビニ『クランマート』があった。アトム系列の『プチアトム』ではなくて良かった。私はカフェインが苦手だから紙パックのそば茶を選び、ついでに佳奈さんへペットボトルのピーチサイダーを、タナカDへは『コーヒーゼリー味』と書かれた甘そうな缶コーヒーを購入した。青木さんも私と同じそば茶、『おおきなおおきなエビカツパン』、梅おにぎりを買ったようだ。青木さんが持つエビカツパンは、なんだかすごく小さく見えた。 外は既に夕日も沈みかけて、夕焼け空が夜に切り替わる直前になっていた。黄昏時……そういえば、童謡『ザトウムシ』の歌い出しも『たそがれの空を』だったな。私はコンビニ入口の鉄手すりに腰掛け、先程タナカDから渡されたペラペラのロケ台本をめくる。巻末の方に歌詞が書いてあったはずだ。するとタイミング良く、クランマートからも閉店ミュージックとしてザトウムシが流れ始めた……。
【童謡 ザトウムシ】 たそがれの空を ザトウムシ ザトウムシ歩いてく ふらついた足取りで ザトウムシ歩いてく
水墨画の世界の中で 一本絵筆を手繰りつつ 生ぬるい風に急かされて お前は歩いてゆくんだね
あの月と太陽が同時に出ている今この時 ザトウムシ歩いてく ザトウムシ ザトウムシ歩いてく
おうまが時の門を ザトウムシ ザトウムシ歩いてく 長い杖をたよって ザトウムシ歩いてく
何でもある世界の中へ 誰かが絵筆を落としたら 何もない灰色を裂いて お空で見下ろす二つの目
ああ月と太陽はこんなに出しゃばりだったのか ザトウムシ歩いてく ザトウムシ ザトウムシ歩いてく
「改めて読むと、確かに意味深な歌詞だな……」 私が独りごつと、隣の鉄手すりに座ってエビカツパンを咀嚼していた青木さんが口を拭った。 「埋蔵金探しは、したたびさんより前にも何度か。大体皆さんザトウムシ記念碑からスタートされて、『ザトウムシ』という歌詞の数だけ歩くとか、夕焼けの時間にどっちの方角を向くなどと……。けど、それらしい物が見つかったのは一度もだ」 「そうなんですね」 「そもそもどうしてザトウムシを……徳松さんに縁があるのって、どちらかと言えば犬では? けど何故か、島ではザトウムシを特別な虫だなどと」 「言われてみれば、生類憐みの令といえばお犬様! ってイメージがありますね。……ていうか、なんか、すいません。余所者のテレビ局が島のお宝を荒らすような真似して、島民の青木さんはいい気持ちしないですよね」 「そ、そ、そんな事! だぶか!」 青木さんは慌てた様子で私の方を向き座り直した。 「僕は嬉しいんだから! だって今まで、おっとさんらは島のこと僕に何も教えてくれないし、何もさせてくれなくて。けど今回は、社会人として初めて仕事を任されたので……ので……」 緊張したような様子で青木さんの姿勢が丸まる。コンビニから流れるザトウムシのメロディに一瞬振り返った後、彼はパンの袋を両手で抱えて更に縮こまった。 「……僕だって縁切りやお化けなんか、ただの迷信と。だけどこの島の人は実際、内地に比べてよそよそしいかもだ。何も言わず友達が引っ越してたり、親戚がいつの間にかおっ死んじまってたりなど……。それで内地の人と関われる役場の観光課に入ったのに、アトムさんがリゾート開発おっ始めて公務員は御役御免。僕は島に縁を切られたので?」 「青木さん……」 私も会津の田舎町で育ったから、彼の気持ちはわかる。狭いコミュニティに住む人々は、距離が近いようで時にとても排他的になるものだ。それは多かれ少なかれ互いを監視し、情報共有し合っているから当たり前の事だけど、縁切りで有名なこの島は特にそういう土地柄なのかもしれない。 「したたびさんのおかげで、やっと僕にバトンが回ってきたんだから。僕達で絶対埋蔵金を見つけにゃ。それで島のおっとさん方もアトムも、お化けも霊能者の先生方も……」 青木さんは腰を上げ、猫背をやめて私の前にまっすぐに立った。 「僕達の縁で、みんなを見返してやるんですだ!」 その瞬間、風が彼の重たい前髪をたくし上げた。彼の子犬みたいな笑顔を見た私は初めて、以前雑誌のインタビューで適当に答えた『好きな男性のタイプ』と青木さんが完全に一致している事に気がついたのだった。
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NOxAyumu
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堀田歩
その日は、起きるのに少し苦労した。一度スマートフォンのアラームで起きて、エアコンを除湿でつけてぼんやりしていたらまた寝てしまった。前夜に寝付くまでラジオを聴こうと耳にしたイヤホンの紐が首にかかったまま意識が浮上してきて、寝ぼけながら一生懸命それを解こうとした。自分のんー、んーと唸る声で目が覚めてきた。古いアパートだから、上の階の忙しない足音が聞こえる。しばらく天井を見つめ耳を澄ましていると、豪快な施錠の音。
バタン、ガチャ。
もうそんな時間か。
エアコンですっかり冷えた腕をさすりながらベッドを出た。テレビを点けるとニュースが流れ、アナウンサーの真剣な顔を横目に耳だけそちらに向ける。
「えー、引き続き、昨日午後五時頃、○○県立第一高等学校で起きました、無差別殺傷事件の速報をお伝えしております」
ご飯はいいや、いや、食べられるかな。カップラーメンを食べよう。線まで水を入れて、電子レンジに入れて三分チンする。本当は、火花が散るため強く禁止されている横着だ。かつて友人に火事になるぞと言われて一時期やめたけれど、ついやってしまう。普通にお湯を沸かして三分待つことができなくなってしまった。
タバコも吸わない、彼女もいない、麻雀もやめたし、なるべく歩くし、お年寄りには席を譲り、未来ある青少年教育を担う。カップラーメンで電子レンジに火花を散らしたくらいじゃ、誰も怒らないでしょう。
芯の残った麺は、割り箸には重たい。啜りながらノートパソコンを開くと、喚くようなファンの音が耳に付く。夜中電源を切らなかったから、熱がこもってしまったんだ。ああ、また熱がこもる季節になってきたんだな。それとも、パソコンの寿命かな。メールをチェックしようとすると、机の上のスマホが震えた。
「はい、堀田です」
「あ、堀田先生おはよー」
「おはよう、さやか。どうしたの」
「あのさあ、体育館開いてないんだけどさあ、今日男バスの顧問が当番でしょ」
「え、職員室行った?前田先生居ないの」
「居ねー」
「居ねー、じゃねえだろ。じゃあ前田先生に連絡して、今から行くから。女子バスケ部の皆さんもういるの?外練できる?」
「うん。私らはいいけどさ、なんか男バスの一年の子居るよ」
「二年来たら外周しといてって伝えて」
「了解。じゃーね、早く来てね、ほったちゃん!」
「こら」
通話を切って、前田先生に連絡を入れた。自分も行かなくては。一歩踏み出すと、胃の中でラーメンがゆらりと揺れた。いつもなら軽くかき込んで出ていけるところが、なんとなく立ちすくんだ。いやだな、変なことしなきゃよかったな。内臓冷えてるところに追い打ちを掛けてしまった。後悔しながら、手にした残りのラーメンを、全て流しの三角コーナーに捨てた。ヒゲ剃って歯磨きもして、夏は上着が無くてシャツのシワが目立つから、一番綺麗に見えるシャツを羽織る。パソコンに刺さっていたUSBを勢いよく抜いて、部屋を飛び出した。
なんだか嫌な天気だ。もうじんわりと汗ばむのに、思ったよりも、全然夏じゃない。途方も無く白い薄暗ささえある。SF映画に出てくる恐怖の惑星のセットみたいだな、と目を細めて見ていた。さあ、行かなくちゃ。頼りないエンジン音を聞きながら、サイドブレーキを降ろす。
学校に近づくと、ちらほら我が校の制服を見かけるようになる。顔を伏せ気味に車を運転し、中庭に停め運転席を降りると、体育館前であぐらをかいている山賊のような生徒たちが何人か見えた。先ほど電話をかけてきた、女子バスケ部員たちだ。俺が男子高校生ならば、その迫力に大いにおののいた事だろう。
「ちょっと、あんたたち女子高生でしょ」
「ほった、おはよー!」
「堀田先生」
「ほった、早く鍵開けてよ」
「お前らあんまそういうこと言ってると前田先生にご報告ですからね」
「え、やめてやめてやめて、ほんっとうにやめて」
「授業も同じだからな、今日は小テスト落ちないでよ。さ、じゃ、職員室に鍵取りに行くから、ちょっと待っててね」
「もうあと一時間しか練習できないんですけど!」
「ごめんって」
職員室は静かだった。普段あまり会話を交わさない年上の教諭や、コピーをせっせと取る非常勤職員がちらほら居るだけで、あとは二台の空調が部屋を冷やさんとごうごう音を立てていた。
今年の春に赴任してきて、三ヶ月。生徒の前では、当然他人行儀とか見知りとかなんて言っていられないし、慣れてなくても、教え子は愛情を持って下の名前で呼べば「そう言う感じ」の先生でスタートできるし、そうすれば先生の間でもあんまり目立たないし。上手にやれていた。無理はしてないし、仕方も知らない。抱えてきた荷物を自分の机に降ろせば、手の甲にひんやりと冷たい天板が触れた。
「おはようございます、あの、前田先生まだいらっしゃってないですかね」
校内の鍵は全て教頭先生の机の背面に管理されている。教頭先生に声を掛けると、眼鏡をずらしてこちらを見た。
「来てると思うよ。スクールカウンセラーのことで保健室の方に行かれてるんじゃないですかね」
「あ、なるほど。ありがとうございます」
「なにか御用でした?」
「あ、ちょっとご相談があって」
そう言いながら体育館の鍵に手を伸ばした。
体育館への昇降口は、塗り立てのペンキの匂いがした。太陽は雲の向こうにさんさんと照っているのに、そこには最悪な企みがあるような。ドアスコープの向こうから、笑みを浮かべてこっちを覗き込む影の不気味さに似た、信じきれない温もりに、ワイシャツがじっとり肌に吸い付く。
体育館の鍵を開けに行くと、女子バスケ部員の生徒たちが、手を叩いて笑っていた。
「先生」「ほったちゃんに聞いてみようよ」「ねえ先生」
「おまたせ」
体育館を解錠していると、背中から代わる代わる問いかけられる。
「先生さ、犯人とか捕まえられる?」
「は?」
「昨日一高で殺人事件あったじゃん」
「殺人っていうかね、あれはね」
無差別殺傷事件って言うんだよ。いや、殺人事件でもまあ間違えてはないけど。
「あれでさあ、なんか結局警察来るまで犯人の生徒そのままだったんでしょ?先生とかって生徒取り押さえられないの?」
「 さあ」
どうしてたんだろうね。
昨日、近隣の高校で、生徒による無差別殺傷事件が起きた。同校男子生徒が授業中に所持していた刃物を振り回し、今朝の時点で生徒四名、教師一名が搬送先の病院で息を引き取った。いや、「さあ」じゃなくて。
「君らさあ、簡単に言うけど先生も亡くなってるの知ってる?」
「あ、そうなの?」
「そういうのをね、自重というのだよ、君。モテたいなら化粧じゃなくて思慮深い発言するようにね」
「はあ?今日してねえし」
「ばか、毎日しねえんだよ。今日なな香部長は?」
体育館の重い扉を開け、「部長休み」と答えた生徒に体育倉庫の鍵を差し出す。
「え、今日顧問無し?」
「前田先生御用だから」
「いやほった副顧問でしょ、見てくれないの?」
「見てた方がいい?」
「いた方がいいよ」
からかうように笑いながら、体育館に駆け上がる子供たち。
かわいいな、と思う。
でも、命をかけられるかな。まだ出会って間もないこの子たちの無邪気な未来を守るために、この先の全てを投げ打てるかなあ。
立派だったと思う。亡くなった先生は。どう亡くなったのかはわからないけど、きっと勇敢だったに違いない。もしかしたら、一人目に刺されて、痛がる生徒の姿を見たら、お前!なんて、刃物の前に立ち塞がれるかも。書いて字のごとく、胸が痛い、想像すると、首元もぞくぞくと悪寒がする。お葬式、どうするんだろう。かわいい生徒たちが、みんな来て、泣いてくれるんだろうか。いや、こんなに一度に亡くなってしまったら。
深く刺さった、刃物を握る、他人の子供。進路相談も、模試も、朝礼もしたのに。たくさん単語が、構文が詰まった頭を抱えて、やっと振り絞った気持ちが、初めて、深々と刺さったんだろうな。いや、案外、スッと、頸動脈に刃物が当たっただけかも。あっけない、怖い。
体育館に響くドリブルの音は、カップラーメンすら受け付けなかったばかに繊細な胃の底を、力強く揺さぶった。
今日はいつもに増して欠席者が多い。午前中の授業を終え、職員室前の学級ごとの欠席者数報告に足を止めた。
うちの学校は、いわゆる田舎の進学校で、ゆとり教育の後に吹く強い風にちょうど晒される場所だ。大学入試の意義も体制も揺らぐ中、何だかよくわからないものを信じながら、生徒は生まれ育った家から何百キロとある遠い地の公立大学へ進学していく。不安を抱える生徒は少なくない。
自身のクラスの名簿を職員室で開く。
風呂蔵まりあ。久しぶりに出席に丸のついた名前にため息をついた。
「堀田先生」
「はい」
前田先生の声だ。立ち上がって振り返ると、おじさんが申し訳なさそうな顔をして立っていた。
「ちょっと」なんて、もの言いたそうに手招きするから、怖かった。
こう言う時のおじさんって怖いよな。俺はどう見られてるんだろう。促されるまま職員室のとなり、会議室の椅子へ腰を掛けた。昼休みに会議室を使う先生は結構多くて、別に聞かれても構わないけど「聞いて欲しくはない」ような背中をしている。生徒を叱っている先生もいるし、部費の計算をしている先生もいる。職員室でやればいいのに。
キョロキョロ癖、治らない。
視線を手元の長机に落とすと、前田先生は視界の隅へプリントを置いて俺の横に腰掛けた。
「今日ごめんね、朝練の面倒見てもらっちゃって」
「いえ、そんなそんな」
「あ、堀田先生お昼食べました?すみません、確認もせず。すぐ済むので」
「ああ、いえ、大丈夫です」
「これなんですけどね、言い訳がましくなっちゃうんですけど、市からスクールカウンセラーを増やすって連絡が来て。例の事件のことで、市の方でも対策を取ろうと言うところで」
「一高の、無差別殺傷事件ですか」
「そう。僕ね、ちょっとしばらくこっちの方担当しなくちゃならなくて、部活の方に行けなくなってしまうので、週末まで部活動を堀田先生にお願いしたくて」
「ああー!はい、是非是非。監督さんにも僕の方からお伝えしておきますね」
「いやあ、助かります。なんだかんだでここ最近女バスも男バスも僕の方で面倒見ちゃってたから」
「こちらこそ、むしろ前田先生お忙しいのに、ずっとお任せしっぱなしで」
「いやいや。それでね、これはまた別件なんだけど、堀田先生のクラスの…」
前田先生は、良くも悪くも癖の無い人だ。少し強面で、いつもジャージで、身体が大きくて、ちらほら白髪が混じっている。いわゆるよくいる体育の先生。同じ男子バスケ部の顧問として、それなりに活動を共にすることはあるけれど、特に大きな思い出はない。「はい」口半開きのまま、次の言葉を待つ。嫌な予感と言えば失礼だけれど、ちょっとどきどきした。
「あの、お話中すみません。堀田先生に保健室から内線入ってます」
背後から声をかけられて、振り返った。事務員の女性が腰を曲げて申し訳なさそうに職員室を指差していた。
前田先生の方をちらりと見ると、手でどうぞ、と促される。
「お待たせしました、堀田です」
「お忙しいところごめんなさい。保健室の仁科です。あの、風呂蔵さんがいらっしゃってます。午後は早退したいみたい」
「あー、だめそうですか」
額に手をやって、そのまま前髪を持ち上げた。クーラーの直風が生え際を撫でる。
「お昼休みに駆け込んで来た時はいつもと変わらない様子だったんだけど。逆にそれが気になったんですよ。昨日、結構ショッキングな事件があったでしょう」
「ああ、はい」
「私の方でちょっとお話を聞いてみてもいいんだけど、先生、午後どこかで保健室い��っしゃられますか」
「お昼休みの後になっちゃうんですが、五限にお伺いします」
「分かりました、あと、桝さんが風呂蔵さんとお昼一緒に食べようって来てくれてますよ」
「桝ですか、そっか。良かった。ありがたいです」
「はーい、じゃあ、失礼しますね。いらした時に私がいなくても、丸いテーブル使ってくださいね」
「はい。恐縮です」
受話器を戻し、自然と力のこもっていた首を左右に揺らした。
うちのクラスの風呂蔵まりあは、心が痛くなるほど普通の女子高生に見えた。
元々、学生時代の付き合いの中で、風呂蔵の姉と面識があった。確か名前は、風呂蔵いのりさん。姉の方は静かで人見知りのようだったから、この珍しい苗字でなければ気づかなかっただろう。風呂蔵まりあの担任になってすぐ、新年度のはじめは、クラスの中心になるグループの一員くらいに思っていた。昼休みはぎゃあぎゃあ騒いでる女子たちの一角に、お弁当を持ってそそくさと座り込んでいたし、教室を出る時も同じような女子たちと誘い合って出て行った。俺のことも、他と一緒になって「ほったちゃん」と茶化していた気がする。他人との境界をあまり感じない振る舞いもあり、そういう子、だと思ってた。
一方で、未提出の課題を催促したときや、遅刻を叱ったときは、心の底から後ろめたそうにして、ちょっと悲壮な表情にすら見えたのが強く印象に残った。この年頃の女子生徒が男の先生を茶化したりするのは、まあ仕方のないことだと思うし、高校まで来てそんなことを正そうとも思わない。ただ、自身が軽んじられやすいからか、風呂蔵の、普段の様子とは少し異質な「次は気をつけます」「明日出します」は、むしろこっち��たじろいだ。
根が真面目なんだな、と結論付けた。それでも、風呂蔵の未提出物や遅刻、居眠りは増えていって、クラスのグループ作りのざわつきは収まってきた時期、ちょっと心配になった。風呂蔵は昼ご飯を一人で食べるようになったから。
ぼんやりと立ち尽くしていると、前田先生が職員室へ入って来た。
「堀田先生、今の内線は風呂蔵さんのお話ですか?」
「あ、すみません、ぼんやりしてて。お話の途中だったのに」
「いや、仁科先生が朝、風呂蔵さんにカウンセリングを考えるよう堀田先生へ話してみて欲しいと言われて」
「はい」
「そんな感じなので、これ、カウンセラーの先生の出校表です。良い機会なのでと」
「ありがとうございます、助かります。すみません」
「こちらこそ、結局お呼び出しした意味がなくなっちゃって、すみませんね」
前田先生は、「風呂蔵さんは体育もあんまり出席が無くて」と切り出したが、会話を続けたいわけでは無さそうで、「ね」なんて言いながら自分の席へ戻って行った。
前田先生の後ろ姿は、やはりおじさんだった。昼休みが終わり、五限目の予鈴が鳴る。
授業は無いけど、片付けないとならない仕事が山ほどある。放課後がしばらく部活動にとられちゃうから、詰め詰めでやって行こう。でもその前に、風呂蔵…いや、六限に返す小テストの採点が先か。
俺も、学生時代は要領がいい方じゃなくて、特に優先順位を付けることが苦手だった。コンプレックスの変遷はいわゆる教科書通り、腰パン、チェーン、声変わり、ワックス、眉毛、女のこと。やりたいことと出来ないことの折り合いの中で、ふと気がつくと、周りの人には出来て当然のことが出来ない大人になっていた。時間ギリギリに来る、忘れ物をする、誤魔化し、嘘をつき、ほぞを噛み、夜更かしをした。
外に向けられていたコンプレックスが、内面に出現したことをくっきり感じ始めたのが教育学部に入りたての頃だったから、「みんなそんなもんだろ」では自分を誤魔化せなくなって、今度は自分こそ教育者になるべき人間だと、正当化した。弱者の気持ちが、分かるから。共感性を無くした閉塞的な学校王国の教師たちなんかより、出来ないことの辛さを知る俺は立派になれるはずだ。世の中に辟易してるのはみんな、俺みたいなやつで、自分が駄目であればあるほど、そういう子どもに救いの手を差し伸べることが出来るんじゃ無いかと、思った。
こうして根底に湧き出た自己肯定感は、めちゃくちゃな毒だったのだが、歳を取る以外にそれを知る術はない。恐らく。
採点が終わると、もう三十分も経っていた。一コマが五十五分だから、あと二十五分しかない。風呂蔵と十分くらいしか話せないかも知れないな。とりあえず、行ってみなきゃ。
職員室を出ると、外は蒸し暑かった。一階にある保健室へ階段を降りる足音も、どこかこもって響かない気がする。下駄箱を通り過ぎて、体育館へ向かう昇降口の手前に保健室がある。
「失礼します」
ドアを開けると仁科先生の姿は無く、窓から入る陽の光で白くぼんやりかすむ室内は、教会のようだった。クラスメイトたちが授業を受けているときにここで差し伸べられる救いの手、泣くほど嬉しいんじゃないか。でも、案外仁科先生怖いしな。
「まりあー?」
仁科先生が使っていいよと言ってくれた、パーテーションの中の丸テーブルに腰掛けながら、風呂蔵を呼んでみた。保健室という場所は、何故か妙に緊張するから、勝手に探し回るのもあれかな、なんて。しばらく耳を澄ましてみても、返事が無い。
「帰っちゃった?」
パーテーションから顔だけ出すと、準備室に続く扉から、「せんせー、カフェオレー」と、カップを片手にした風呂蔵が出てきた。黙って見ていると、顔を上げた風呂蔵と目があった。向こうは、誤魔化すような笑みを浮かべた。
「うわ」
「はい、まりあさん、こちらへどうぞ」
「えー!やです」
「やですじゃないです」
風呂蔵は渋々カップをすすぎ、流しに置いて、丸テーブルの向かい側へ腰掛けた。慣れたもんだな、おい。
「先生、暇そうだね」
茶化してくる。この、人とそつなくコミュニケーションを取ろうと言う切り出し方は、春の頃と変わらないのに。
「まりあこそ、暇そうじゃん。午後出ようよ」
「具合悪いの!」
「お前なあ」
「明日はちゃんと全部授業出る」
「勢いだけは良いんだよなあ。仮に家に帰るとして、親御さん居るの?」
「親は居ないけど、先生の初恋の人ならうちにいるから」
「あほ」
手にしていたファイルで頭を軽くはたく。痛いんですけど!と笑う。風呂蔵が「先生の初恋の人」と揶揄したのは、彼女自身の姉のこと。
「そういうの柏原くんから吹き込まれるわけ?」
柏原くんというのは、俺の大学時代の友人だ。俺が風呂蔵の姉と面識があったのも、その柏原が当時同じサークルの一つ後輩だった風呂蔵いのりさんと交際関係にあったからだ。面識があると言っても、柏原と遊ぶたびに惚気話ばかり聞かされていただけで、実際に会ったのは、大学祭の時の一度きりだ。
柏原とはいまもずっと連絡を取り合っているが、風呂蔵の姉とは今も続いているそうで、彼女の妹にあたるまりあに、俺の話をあることないこと吹き込んでいるらしい。
「でも柏原くん言ってたよ、堀田先生もうちのお姉ちゃんのこと好きだったって」
「あなたね、そう言うのを減らず口って言うんだよ。やっぱり元気じゃん。小テスト落ちてもいいから出なさいって」
言葉による返事はなかった。代わりに目は逸らされ、喉から絞り出すような笑い声が差し出された。
心が痛かった。大人と喋るのはちょっと怖いよね。でも、そんなに無理するもんじゃないよ。
仁科先生の声を頭に思い浮かべて、なるべく優しい声を出してみた。
「…まりあ」
自分の声が思いの外おじさんで、ちょっと気持ち悪かった。まりあの顔も心なしか引きつっているように見える。自分に違和感を感じながら続ける。いや、なんか気持ち悪い、本当にごめん。
「具合悪いのは、こう、学校に居ると心が辛い、みたいな感じかな。それとも、本当に体調悪い?」
「お腹痛い!私さ、生理痛重いんですよ」
間髪入れず返ってきた風呂蔵の言葉を、強がり、と言うのも憚られるほどに。
さあ、どうして、心が痛むんだろう。訳もなく晴れない、多感な時期の子どもの苦悩に直面しているから?
「最近の若い子って、そう言うのためらい無いわけ?」
違う。救いの手だと思って差し伸べているものが、見当違いかもしれないと言う不安。
自分は子供達にとって、救いの存在じゃ無いという確信。
先生なんて、生徒が一番、それなりにやり過ごす相手じゃないか。
前田先生の後ろ姿。あんな風に、俺も見られてるのかな。
慕われる先生って、こんな時どうするんだろう。
「てか、先生さ」
「はい」
「クラスの生徒のことって大事?」
「当然じゃん」
当然じゃん
「命かけて守ろうと思う?」
迷っているところとか、困っているところとか、あんまり教師が見せるもんじゃないだろうと、勝手に思っていた。少なくとも俺が生徒の立場だった記憶の中で、「先生」は毎度迷わず教科書通りでいてくれた。でも、それも、俺には出来ないことの一つだった。いつもいつも正しくはいられない。
「どうかなあ。学校って色んな人がいるから、命がけで守って欲しい人も、そんなことして欲しくない人もいるんじゃないかな」
「堀田先生っぽい」
「申し出に合わせると思う」
だってもう、本当に分かんねえもん。守って欲しいなら、差し伸べた手を掴んでよ。どうしたいの
「風呂蔵は」
「え」
風呂蔵が、まん丸の目をこっちに向ける。前髪で隠れたニキビ。乾いてささくれの一助となった色付きのリップ。十四時五分前、時計の真下。
何て言ったら正解なんだろう。何を言えば、風呂蔵は幸せになれるかな。
「命がけで守られたら、午後の授業出る?」
「今日は、本当に!」
両手の平を顔の前でピタリと併せて、そう言いながら立ち上がる。
「まだお話済んでませんよ」
「本当に!」
ごめんなさい、立ち上がりこうべを垂れる風呂蔵に、授業の終わりを告げるチャイムが降り注ぐ。
ガラス棚に光が射して、跳ね返った光線は、空中に舞う埃を縁取った。まりあって名前の由来、もしかしてマリアさま?
成長って言うのは、ままならないね。そんな泣きそうな顔しないでよ、こっちだって簡単に命なんて張らないからさ、なんとか今は耐えて、自分のなりたいように大人になってごらん。それを邪魔する奴からなら、喜んで守ってあげるよ。
なんて言ったら、キモい!とか言うんだろうなお前ら。
すり足でパーテーションの外側へ出て行こうとする風呂蔵を見て、思わず笑ってしまった。風呂蔵の表情が安堵に満ちたのが分かった。
「気をつけて帰れよ。ちゃんと仁科先生にご報告して、早退届には明日まとめてサインするから」
「ありがとうございまーす」
俺をやり過ごすことが、そんなに嬉しい?学生時代の俺がまさしく見たかった生徒の笑顔だけど、それ。
そのまま風呂蔵は準備室へと戻って行った。静かになった教室に背を向けて、自身も保健室を後にすべく、引き戸に手をかけた。ただ気まぐれで、風呂蔵が消えていった準備室へと続く扉に向かって大きな声を出した。
「また明日!」
神様の声は、もう聞こえなかった。
六限まで終わると、生徒たちは掃除と軽いホームルームをして、各々放課後の活動へと散っていく。
教室にポツポツと散る空席に、今日配布になった学園祭のお知らせを配って回る。風呂蔵の机にも同じようにお知らせを入れようとすると、「あの」と呼び止められる。
風呂蔵と親しい、桝莉花だ。
「あ、莉花、今日はありがとうね 」
「え?」
「お昼まりあの���ころへ行ってくれたでしょ」
「はい」
「まりあ、元気そうだった?」
「普通でした、割と」
でも、と髪の毛をいじる。上から見下げるのが申し訳なくなって、手近なまりあの椅子を引っ張って腰掛けた。
「お昼ご飯、買ってきてたのに、私が行ったら隠しちゃって」
「どういうこと?」
「ご飯食べてないのにご飯食べたって言ってました。あんまりそういうことないかも」
「あ、ほんと」
桝莉花は風呂蔵と仲が良くて、何かというとよく二人の世界に浸っているように見える。それは俺と柏原の仲の良さとは確実に違う、いわゆる女同士っぽい付き合い方だなと思っていた。教師になってから、クラスの関係性を様々見てきたけれど、まあ珍しくはないだろうと思った。ただ、やはり風呂蔵の方が学校を休みがちということもあり、桝が進んで面倒を見ている、という印象は少なからずあった。状況だけで判断しているつもりは無く、日頃、桝の振る舞いが、少なからずそう言った雰囲気を漂わせていた。
それは全然悪いことじゃない。桝は独特だけど、優しい子なんだ。
「先生、私、まりあにプリント届けに行きます」
「ほんと?じゃあお願いしようかな、莉花今日は部活は?」
「行きます、帰りに寄るので」
桝にお知らせを手渡すと、それをリュックの中に押し込んだ。
「ねえ、莉花さんさ、まりあといつから仲良しなの」
「このクラスになってからですよ」
「そうなんだ、でも二人家近いよね」
「まりあは幼稚園から中学まで大学附属に行ってたと思います。エスカレーターだけど高校までは行かなかったっぽい。私はずっと公立」
「あ、そうかそうか」
割と最近なんだ、それにしてはと思ったけど、人間の数だけ価値観や感性があることを念頭に置かなきゃだめだ。
桝は頭を下げて教室を出て行った。
風呂蔵の机は綺麗だった。お知らせが溜まっているわけでも無く、置き勉がしてあるわけでもない。
うちの生徒は、教科書、ノート、資料集、問題集、解答集、模試ノートなど、一つの教科でいくつもの教材を持ち歩く。そこに部活の道具、塾の教材、その他諸々…土曜の補講も含め毎日学校へ来ることを考えれば、自分の席やロッカーは私物化せざるを得ない。教師に注意されても、それなりに上手くやりながら、かいくぐることをお勧めしたいね。
今日休んだ他の生徒の席も、そうは言っても、それなりに生活感というか、あああいつの席だな、とわかるくらいの面影がある。それが風呂蔵の席にはない。いつ居なくなっても、何も困らないくらいに。
桝が一生懸命、お知らせや返却物を溜まらないようにしているからだろう。しかしその行為は、いつ来ても自分の居なかったラグを実感することはなく、変わらず目の前には空っぽの席があるだけということなんじゃないか。
そう思うと、少しゾッとした。
俺なら、プリントそのままにしておいて、って言うかもしれないな。
遠くから何かの楽器の高らかな音が飛んでくる。空っぽの教室の輪郭を滑り落ちていく。そろそろ部活に行かなきゃ。立ち上がって振り返ると、出て行ったはずの桝と目が合った。
「うわびっくりした。どうしたの」
「あ、忘れ物…」
桝は自分の席に小走りで近寄って、ペンケースを持って逃げるように出て行った。
桝の目は時々すごく鋭い。二者面談をするときや、個人的に話すとき、彼女の人当たりとは裏腹な眼光の鋭さがある。もともとの顔立ちのせいなのかもしれないが、言いたいことをぐっと堪えたりしてるようにも見える。振り返った時にぶつかった視線もまた、言葉にならない訴えで射抜くような強さがあった。
十九時前、部活動を終え、職員室へ戻った。
朝とはまた少し違った終業の慌ただしさや、疲れ切った空気感は嫌いじゃない。蛍光灯のショボさはノスタルジーを誘い、高校時代に夜遅くまで校舎に残っているような、無限の王国、夏休みの直前、地球最後の日、そんな気持ちになる。無論、真面目だった俺はそんな経験はないけれど、学校の特定の場所、特定の時間帯に訪れるセンチメンタルは、それらをとても優しく捏造してくれる。
「堀田先生、お疲れ様です」
隣の席の細倉先生がマスクをずらして会釈する。
「お疲れ様です」
「先生、どうすか。今日ご飯」
「あー…」
細倉先生は同い年で、気持ちのいい男の先生だ。俺もそれなりに、そこらの高校生には負けない背丈があるぞ、というのがなけなしの自慢だったけれど、細倉先生にはしっかり負ける。高校時代は剣道でインターハイまで行ったとか。さぞかしモテたことだろう。その勢いは衰えを知らず、今年度から細倉先生がこの学年の世界史を担当するようになってから、日本史を選択履修した女子が軒並み己を呪ったらしい。
「行きますかね…」
細倉先生は、よくご飯に誘ってくれる。ほとんど断ることはないのだが、快諾するたびに人懐っこそうな顔をするため、いつもお約束で迷うふりをする。こういうところが、やっぱり女性にもモテるし、俺も嬉しくなっちゃうんだよな。
「あ、でも細倉先生、何時に上がりますか?ちょっと今日遅くなっちゃうかもしれなくて」
「僕もう帰ろうかと思ってました」
「そっか。どうしようかな。というか、奥さん大丈夫なんですか」
「最近、ヨガのレッスンが入ってるとかで、あんまり夜家に居なくて」
「毎日ヨガ?」
「教えてる方ですよ、インストラクターなんで」
「へー」
「堀田先生は何時までお仕事なさるんですか」
「いや、やっぱり今日は帰ります、行きましょう」
「え、大丈夫ですか」
「はい。校務自体は終わっているんで」
「よっしゃ、じゃあ行きましょうか!で、あの、僕今日、自転車なんですけど」
「あ、載せて行きますか」
「えー!悪いなあ、でもありがとうございます!お言葉に甘えて!」
「初めからそのつもりだったくせに」
「あはは、じゃあ、すみません!お先に失礼します!」
「僕も失礼します」
細倉先生がまだちらほら残る上司たちに元気よく挨拶すると、遠くで難しい顔をした学年主任が片手をひらひらと振った。後に続くように自分も荷物を抱えて職員室を出る。
細倉先生はずるいね。すごくやりやすそう、色々と。
昼間、自分にこびりついたおじさんの残像にがっくりと肩を落とす。かといって、細倉先生のような先生が理想かというと少し違う。ドラマや漫画や実体験が就職のきっかけになっていない自分には、端から明確な理想像なんてなかったのかもしれない。でも、高校時代の、大学時代の、比較的鬱屈とした自分に問えば、めちゃくちゃ生意気な顔をしてこう言うだろう。
「ちょっと違うんだよな」
「え?」
「あ、いや」
俺の車の後部座席を倒して自身のロードバイクを一生懸命押し込む細倉先生は、バックミラー越しにこっちを見た。
「飯、どこ行きます?」
「駅前になんか有名なつけ麺のお店が出来たらしくて、そこ行きましょうよ!」
「駅前」
「駐車場無いんで、駅ビルの立体駐車場に止めましょ」
「はーい」
助手席に乗り込んで来る細倉先生に、「じゃあ出しますよ」とサイドブレーキを下ろす。スマートフォンの通知音が響いた。
ブルーライトに照らされた隣の細倉先生の横顔は、鳴ったのが自分のスマホの通知ではないと確認すると、わずかに左右に振れた。
「俺か」
サイドブレーキをもう一度引き、スマホの画面を確認すると、差出人が「柏原」のメッセージが数件来ていた。柏原か、まあ、後でいいかな。画面を暗くすると、今度こそ学校を出た。
「堀田、もう授業終わり?」
「今日まりあちゃんに会ったよ」
「飯行こうよ」
車で二十分くらいかかり、ようやく駅の駐車場で確認した柏原のメッセージはその三件だった。柏原は風呂蔵の姉に会いに行ったのか。そこで早退したまりあに会ったらしい。また風呂蔵と二人で俺の悪口でも言っていたのだろうか。飯に行こうというのも、その延長で俺に話したいことでもできたに違いない。
「ごめん、飯は同僚と食べるから」
そう送った俺の返事にすぐ繋げられた返信は、誤字だらけだった
「今ら?あ、終わってらの?大丈夫かなる」
酔ってるのか?そう打ちかけた時、送信されたメッセージは取り消され、画面上から消えた。代わりにまた違う文面が送られてきた。
「分かった、また連絡するよ」
嘘だろ。どう考えてもおかしいだろ。細倉先生がしおらしく、「大丈夫すか?」と覗き込んできた。メッセージ画面を見ると、すぐ首を引っ込めた。
「彼女さん?」
「残念ながら」
とりあえず、「またね」とだけ返して、駐車場の外階段へ繋がる出口を目指した。帰る時に迷わないよう、頭上に掲げられた三階B区画の表示を確認する。
コンクリートに閉じ込められた埃っぽい熱気の中に、誘導灯の緑がぼやける。階段の錆びたドアを開け、細倉先生を先に通すと、会釈と溢れた「うわ、全然涼しくねえな」もまた、内側に逆流して誘導灯と輪郭を曖昧にした。振り返ると緑色がべったりと反射した愛車が、不安げに佇む。夏の夜に、人工の緑は良くないな。全然心穏やかじゃない。
「堀田さん?」
一歩が跨げずにいると、細倉先生がカンカンと音を立てて階段を上り直してきた。
「あ、行きまーす」
外に出ると、動かない外気と夜景が広がる。それらもまた、どこまで行っても息苦しく滲んでいるように見えた。
「そういえば俺、朝も麺だったな」
「朝から麺?堀田さん料理なんてするんですか」
「そう、高級なアルデンテなんですけど」
「絶対に嘘だ」
「でも食べきれなくて流しに捨てちゃった」
「流しに…?あっ、わかった。カップ麺でしょ。僕も最近食が細くてエネルギー足りないし、���り自転車に乗る気力も湧かない。堀田さんも結構少食ですよね」
「まあ、何だかんだ暑いですものね。でも今日のつけ麺は美味しかったです、毎日食べれそう」
「ね!うまかったですよね」
つけ麺屋はそれなりに混んでいたが、待つこともなくスムーズに食事をして出て来られた。スマートフォンを確認すると、時刻は二十時半前。立体駐車場の外階段を上りながら、前を行く細倉先生の背中から声が降ってくる。
「どうすか、クラス」
「どうって」
「僕のクラス、今日すごい休み多かったんですよ。朝、出欠確認した時、びっくりしちゃって。十人くらい居なかった」
「そりゃ、結構居ないですね」
「でしょ。そこからまた一人頭痛で早退しちゃって、寂しかったですよ」
細倉先生は先に三階まで辿り着き、踊り場で夜景を一生懸命見ている。錆びた手すりの向こうは確実に夜を迎え、黒く低い空と、無数の騒がしい光が向かい合わせに続いている。
風呂蔵も、数多いる遅刻、欠席、早退のうちの一人だった。きっとどうしても学校には居られなくて、申し訳ないと心を痛めながらも、家に帰るんだろうな。みんな自分が一番情けない、恥ずかしいって思うのかな。それとも、ラッキー、くらいなのかな。ここから見れば、別に大きな差はないのに。
三階にたどり着き、今度は細倉先生が駐車場へのドアを開けてくれた。
「お嫁さん、もう帰ってきてます?」
「まだだと思う。遅いんですよ」
車の鍵を開けると、そそくさと運転席側に回って今度は車のドアまで丁寧に開けてくれる。
「ご自宅まででよろしいですか」
「よろしくお願いします!」
俺が乗り込むと、静かにドアを閉め、自分のシートベルトを締めながら、愛想のいい笑顔が助手席に収まる。本当に同い年かと、しげしげと顔を眺めながらエンジンをかける。この人の、クラスでの様子がいまいち想像つかない。
駐車場を出て駅前のごたついた道を抜けると、細倉先生がぽつりと話し始めた。
「昨日、一高で事件があったでしょ」
「はい」
「あれで亡くなった先生ね、僕知り合いだったんですよ」
「あっ」
赤信号で思わず強めにブレーキを踏んでしまった。そうだ、そういえば、細倉先生って。
「僕、一個前の赴任先が一高で、そこで、クラスを二年持ち上げした時に、新任で入ってきたのがその先生。優しい先生でしたよ。すごくいい人。でもちょっとおっちょこちょいで、間違いとか誤魔化そうとするし、僕はあんまり反りが合わないなって思ってたんですけど」
赤信号に照らされる細倉先生の横顔を、横目で見ていた。その鼻筋がパッと緑に縁取られて、慌ててアクセルを踏んだ。
「僕がこっちの学校に転任してしばらく経って、メールが来たんですよ。生徒と上手く行かなくて困ってるって。僕、言ったんです、他に相談できる先生を学年で作れよって、あんまり一人で抱え込むんじゃないよって」
細倉先生の声は落ち着いていた。俺が黙っていると、「こんな話あります?」とちょっと笑った。
「その、上手くいっていなかった生徒っていうのが、例の?」
励ますとか、諭すとか、さまざまな選択肢が脳裏に浮かんだけれど、もう胸が痛み正解を選び出すような力はなく、純粋な疑問が隙間を埋めるように口から溢れた。
「そうみたいです。学校に来れてなかった子だったらしいんですけど、説得して少しづつ来れるようになったら今度は、その先生と衝突しちゃうことがすごく増えたみたいで。なんだったんでしょうね、いじめられてたのかなあ、僕にも想像がつかない。でも、本当に彼、しつこくしちゃったのかも。最後にやりとりした時は、その生徒とはもう言葉が通じないって言ってて」
細倉先生の家が近い。俺は道沿いのコンビニに車を停めた。わずかに震えるような、大きいため息に押し出されるようにして続きが語られる。
「でも僕、その子も、一生懸命助けを求めてたんじゃないかって、思って。先生も救ってあげようとして、学校へ連れてきて、それなのに、言葉が通じなくて、お互いに、苦しかっただろうなって。それでも、あいつがしたこと、間違ってなかったって、だれか言ってあげて欲しい。事件で亡くなった生徒さんも居るから、お葬式では言えないし、今となっては、もう、遅いんですけど」
きっと、隣で感情を押し殺しながら、いつも通りの毅然とした顔でいるんだろう。それでも、細倉先生の顔は見れず俯いていた。
「ちょっと、堀田さん!」
細倉先生に肩を叩かれた。
「堀田さんが泣いてるじゃないですか!」
ちょっと涙目、くらいだと思う。鼻の奥がツンと痛かったから、それを噛んで堪えていた。涙もろいタイプですか、と散々茶化してから、細倉先生も少し鼻をすすった気がした。
「だから、僕、今日、あまりにもクラスに子供が居なくて、本当にビビっちゃって」
次の言葉を待っていると、ちょっと考えてから、
「ビビっちゃった、と言うことでした。僕が学校休みたいくらいだよって、ねえ」
強引に話を終わらせ、笑った。
生徒のことも、先生のことも、何もかもが、かき混ぜた水槽の様に、順序なく頭の中を漂っていた。
その中で、最後のメールに、細倉先生はなんて返したんだろう、という疑問というか、きっと、本当は聞かなくても分かるんだけど、後悔の本当の理由みたいなものに触れていいのかどうかだけが、深く静かに沈んでいくのが分かった。
「細倉先生、大丈夫ですか」
「いやいや、ははは!まさかそんなにダメージ食らう人でした?逆に大丈夫ですか」
「俺が泣いちゃったから泣けなかったですか」
「え、なんじゃそりゃ!すみません本当、全然そんなことじゃなくて」
細倉先生は顎に手を当ててしばらく唸った。
「いや、自分でもよくわからねえな。でも本当に、言いたかったんだと思う、誰かに。嫁にはこんな話できないですよ」
本当のところがどうかは分からないけれど、疑うなといわんばかりの強い語気を取り戻していた。俺も居直って、今度はきちんと細倉先生の顔を見た。
「話してくれて、ありがとうございます。俺なんかで良かったんですかね、少しは役に立てたらいいけど」
「あはは、なんかあれっすね。堀田さんって、卑屈というか、真面目というか…。なんて言うんだろう、ギブアンドテイクの精神がすごい人ですね」
いつもと違う会話の切り口で、少しどぎまぎする。何を言っても、話が空振りする。三振でも取らんとするその小刻みな頷きはやめてくれ。いつもなら爽やかだな、くらいにしか思わない細倉先生の笑顔が、コンビニのサインのくっきりとした光で陰影が与えられ、ちょっとだけ違って見えた。
「別に、堀田先生になんか役に立って欲しくて話したわけじゃないというか。俺も泣きたいとか、励まされたいとか、そんな感じの性格じゃないし。でも堀田先生は自然と話しやすいんですよ、教師向きで羨ましい」
真っ直ぐになだめられ、絶句してしまった。
訝しんだ手前、いつのまにか自分の方が励まされている情けなさが、反論や肯定や、細倉先生こそ教師向いてますよ、みたいな言葉も全部霞ませた。でも、細倉先生のは、ちょっと嘘っぽい言葉だな。本当に、ずっと調子のいい奴だ。隠した心はボロボロかもしれないけど、まんまとこのペースに乗せてくる。というか、お嫁さんは、よくこんな食えない男を捕まえたよな。
自分がどんな顔をしていたかは分からない。でも、細倉先生は多分、俺の顔で笑っていた。
細倉先生の胸ポケットのスマートフォンに明かりが灯り、画面を確認すると、そのまま呟いた。
「あ、嫁帰ってきた」
「車出します」
「大丈夫ですか?運転代わりましょうか」
そんなに情けない顔をしていたのか。
「大丈夫です!」
すぐそこが細倉先生の住むマンションだ。駐車場に入れるのが面倒で、いつもエントランスの向かいの道路に停める。
「じゃ、ありがとうございます」
助手席を降りて、後ろに積んでいた自身のロードバイクの固定を解きながら、細倉先生が語りだす。それをバックミラーで見ていた。
「僕、堀田先生が話しやすいのって、同い年ってこともあるけど、他人に興味がなさそうだからだって思ってたんですよ。割り切ってるっていうか。そういうところは僕とちょっと似てるなあって思ってたんです。僕もあいつからメールもらって、ああ、オレみたいな適当に流せるやつって話しやすいよねー、って。でも、ちょっと違ったみたいですね。全然物事深く考えられない僕の分まで、すごく色々考えてくれそう。あんまり抱え込んじゃだめですよ」
人懐っこそうに笑いながら、じゃあまた明日、なんていつまでも手を振っているから、そそくさと車を出した。
俺がもし、どうしようも無くなったら、この人を頼るだろうか。俺みたいに、変にダメージ受けるような奴より、普通はこういう強い人を選ぶだろうな。でも。ここでふと自分の嫌なところが顔を出す。でも俺だったら、もっと的確なアドバイスが出来たかもしれない。細倉先生の持つ強さって、深入りしないところなんじゃないのか。色んな人の心地よいところで踏みとどまれるというか。いい意味で浅い。だからこそ、亡くなった例の先生ごと見知らぬ生徒まで救うような導きの一撃ができなかったんだろうな。
もしも、俺だったら。
というか、いい距離感でいたからこそ俺は細倉先生に気に入られてたのかな、似てるって言ってたしな。でも、俺の反応は予想外だっただろうから、引かれたかもかな。最悪だな。最後の捨て台詞が、急に三行半のように思えてきて、チクチクと胸を刺す。いや、でもあれは感情が揺さぶられない方がどうかしてるだろ。そもそも、突然決めつけで打ち明けてきたのはあっちだし。
禁煙してなかったら、今絶対に吸ってた。どいつもこいつも、子どものためになら考え続けろよ。逃げるんじゃない。
感情の名前はいくつか知っているけれど、そのどれでもない。苛立ちなら六秒でピークは過ぎ去っていくらしいけど、この感情は一生このままのような気さえする。細倉先生のマンションから俺の家までは三十分かからないくらいの距離だが、それでもさらに遠回りを目指し左折した。
思いのほかずっと、「もはやこれまで」のまま長生きしている。生きていることに対しての恥ずかしさはもうない。夜眠れなくても、息を吸っても、吐いても、あの頃の不安はもう分からない。暗号の、解き方だ��を忘れたような。周波数の違う電波は全部ノイズになってしまうような。
環状線へ乗ると、急に独りぼっちが寂しくなった。空になった助手席には、沿道の光が色とりどりに反射して、誰も居ないシートを浮き彫りにする。案外、もう、どうしようもないのかもしれないな。誰に助けを求めようか。
家に着いたのは、二十二時前だった。車を駐車場に停め、不快な湿気と温度の中、しばらく放心した。身体がだるい。夏バテにしては早すぎる。重力に逆らえず、運転席に沈んだ。
スマートフォンの画面が光って、穏やかな着信音と共に学年主任の名前が表示される。
何かあったのだろうか。細倉先生とへらへら職員室を出た自分が思い出され、決まりが悪い。怒られたくないんだよ、今日はもう。なんなんだ、一体。ほうっておいてくれ。祈りを込めた一撃で、受話器のボタンをとんと叩く。
「はい、堀田です」
「もしもし、堀田先生、夜分遅くに失礼します。主任の篠原です」
ニュースキャスターのように優しい、穏やかな声だった。
「今、ご家族の方からご連絡がありまして、先生のクラスの風呂蔵まりあさんが、駅のホームから転落して病院に搬送され、先ほど、病院で息を引き取られたと」
あ、俺、風呂蔵にカウンセラーの出校表渡すの、忘れてた。
「ご家族に僕の方からご連絡入れるべきでしょうか」
「大丈夫ですよ。明日以降改めてご家族へのご挨拶と、クラスの生徒への対応を検討しましょう」
「はい」
「明日は早めに出勤できますか?」
「はい…あ」
「何かありますか?出来ればこちらを優先していただきたいのですが」
「いえ、あの、部活の朝練の監督を、前田先生がお忙しいので僕が代わるとお約束していて」
「ああ。でもそれは前田先生にお願いしましょう。堀田先生、七時に会議室にいらしてくださいね」
「は、はい」
駅のホームに流れる業務連絡のように、自分ではない誰かに向け左から右の遠い方へ、主任の声は逃げていく。
「眠れないかもしれませんが、しっかりと体を休めるようにしてください」
「はい」
「失礼します」
言葉にならない最後の返事を口の端からこぼして、通話を終える。焦点の定らないまま、車を降りて、駐車場を後にした。
部屋は温度が逃げ出したような奇妙な空気が静かに支配し、今朝捨てたカップラーメンの塩分の匂いだけが残っている。電気がまた、安っぽく部屋を照らす。俺の部屋はこんなにわざとらしい部屋だったか。B級映画のセットみたいだ。俺は、死ぬならここがいい。
ベッドに横になると、息を止めて、少しずつぼやける天井を眺めた。まぶたを閉じれば暗転する画面にかかる「カット」の声。息を吹き返して、笑って起き上がる。なんていうのは冗談で、閉じたままのまぶたに、まだまだ続く明日のことを思い浮かべた。
「あーあ」
どのタイミ���グで誰に何を言えばいいんだ。いつどんな仕事をすればいいんだ。持ち合わせない誠意を求められたら、どう示そう。個人的な後悔に襲われるのはいつだろう。報告書みたいなのがあるのか。警察へ行くこともあるだろう。クラスの子どもたちは、友達を一人失ってしまったことになる。学園祭、どうするんだ。クラス旗には風呂蔵の名前も入れてやろう。クラスTシャツは、風呂蔵の分も人数に入れて発注しよう。嫌がる子がいるかな。そうだ、風呂蔵と仲の良かった、桝。あいつには個人的に話した方がいいのか。大丈夫か。もう二度と友達に会えないことを、どう告げればいい。
次々と内に溢れる不安に身を任せて、朝まで漂うしかない。
投げやりに寝返りを打つと、指の先でスマートフォンの通知音が響いた。
「堀田、まりあちゃんの話聞いた?」
「今病院の駐車場にいる」
「落ち込んでる?」
柏原からのメッセージだった。こいつ、いつも三言打つ。
メッセージ画面を開くと、そのまますぐに通話ボタンを押した。呼び出し音の中で、深く胸が痛む。
桝は、もう風呂蔵と電話もできない、声を聞くことも、学校でいくら姿を探せど会うことも出来ない。風呂蔵へと繋がるはずの呼び出し音は永遠に止まない、これから彼女に訪れるのはそんな体験ばかりだろう。かわいそうでならない。
「あ、堀田?」
柏原の声は小声で、いつもの浮ついた口調とは違っていた。
「柏原」
「堀田ぁ、大変なことになったな」
「そうだね」
柏原の疲れたようなため息が遠くに聞こえた。タバコでも吸っているんだろう。
「疲れてるだろ、電話はいいからゆっくり休めよ。今日は自宅に帰れるの?」
「さあ、わからない。今は警察の人が来てる。というか、いやいや。疲れた声してんのはどっちよ、堀田。大丈夫?なんかさあ、こんな話したくないかもしれねえけど」
「いいよ」
「記者会見みたいなのするの?謝罪会見っていうのか、あれ」
「え?」
「テレビでよくやってるじゃん。自殺した子どもがいじめられてなかったか、キョーイクイインカイってのが調査するんだろ」
「あ、ああ…」
柏原はやや頭が悪い。大学の頃からずっとそういう振る舞いで、話が噛み合わないこともしばしばあるが、一生懸命会話をしようとするし、優しくて明るい、だらしなくてちょっと悪ガキ。友達が多くて、不思議と安心感がある。教壇に立ってしばらくしてから、柏原みたいなタイプを教員が妙に可愛がる気持ちをなんとなく理解した。その頃からずっと変わってない。
「やるのかなあ、わからないや。いじめは無かったと思うんだけど…、遺書とかが出てきて、内容にそういう旨が書かれていたら別だろうな。なあ、柏原。もしクラスでいじめがあって、気づいてないバカ教師だったら、俺は懲戒処分になると思う?」
「は、え?俺に聞くなよそんなこと。そういう法律とかがあるのか」
「知らない」
「うーん、でも、俺も、まりあちゃんがいじめられてるとは思わなかった。あの子、普通に明るい子だったじゃん」
「はは、そうだね」
「普通、分からねえよ。だって他人のことなんていちいち理解出来ねえし、なあ?」
柏原の言葉尻が少し荒い。もちろん、状況が状況であるから、全てが普段通りではないだろうが、こういう時に真っ先にしょぼくれるタイプの柏原に怒りがにじむのは、少し違和感がある。
「お前は悪くねえし、第一、なんでもかんでも先生が責任とるのはおかしいだろ」
柏原の声がもごもごした。タバコを咥えたのだろう。それでも、電話越しの声がだんだんと怒っていくのがわかった。
「柏原、怒ってる?」
「は?怒ってねえよ、別に」
怒っている。柏原は軽薄そうな見た目に似合わず声が低いため、ドスが効いてちょっと怖いなと思った。初めてだ、こんなこと。夕飯の前に送られてきた、変な誤変換だらけのメッセージのことを聞こうかと思っていたのも、触れないでおくことにした。
「風呂蔵はさ、その…遺書とか遺してたのか?」
「…さあ。俺は知らねえよ」
「じゃあ他殺の可能性もあるってこと?」
「いや、駅のホームの防犯カメラの映像で、まりあちゃん自分で飛び込んでるって、警察が。また明日警察行ってその映像を確認すんのよ、ひでえよな。いのりが無理そうなら俺が付き添いで行って、俺の確認で大丈夫だって言われたら俺が見る」
「ふーん…。いのりさんは、大丈夫?」
柏原は黙った。ひやひやしながら返事を待つ。
「だめだよ。もうずーっと泣きっぱなし。気の強いやつだけど、まあ、妹の面倒一生懸命見てきて最期は自殺って、そりゃ泣いても泣いても足りねえよ、無理もないんじゃねえの」
「あー」
胸が痛かった。形容し難いものが瞬く間に胸をいっぱいになって、今度は俺が黙った。
これからは、こういう気持ちを正面から受け止めることが仕事なのか。生徒の分、保護者の分、いのりさんの分、あと俺の分。俺の分?
ことと場合によっては世間の分。何なんだ一体。何の責任を果たせばいいんだ、何の秤にかけられてるんだ、何の受け皿になったんだ、俺は。どうして死んだんだ、風呂蔵。
素晴らしい明日はしばらく来ない、過去も変えられない、出席表の丸は二度とつかない。
「なあ、堀田」
「なに」
「元気出せよ。無職になったら、仕事紹介してやるから」
「はは…縁起でもないな」
縁起でもないってなんだ、大切な教え子が死んだのに。言葉はいつも使ってるものが出てくるもんだな。何十年もかけて馬鹿みたいに毎日使えば、そりゃそうか。
「とりあえず、また連絡するわ」
「うん、じゃあまた」
「またな」
「はい、またね。切っていいよ」
耳からスマートフォンを離し手元で画面を見ると、十分六秒、七秒、八秒…。通話時間は刻々と続いて行く。
「切れよ」
集音部分に口を近づけ、笑いながらそういうと、向こう側からも笑い声が漏れ聞こえ、プツリと切れた。
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プロパガンダ映画『主戦場』の偽善 山岡鉄秀
2019.07.08
月刊『Hanada』2019年7月号に掲載され大反響!
山岡鉄秀「プロパガンダ映画『主戦場』の偽善」を特別公開!
※今月号(2019年8月号)に掲載されている藤岡信勝「慰安婦ドキュメント『主戦場』デザキ監督の詐欺的手口」と併せてお読みください。
■上智大学の思想環境
私の元に興味深い報告が届いた。4月上旬、北海道のある小さな映画館に、ひとりの女性が映画の宣伝に訪れた。
「東京でたいへん話題になっていて人気だから、こちらの映画館でも上映していただけませんか?」 と言いながら示した映画が、『主戦場』だった。
その女性の名は石純姫(ソク・スニ)。苫小牧駒澤大学助教授だった。石氏は、2017年に『朝鮮人とアイヌ民族の歴史的つながり』という著書を出版している。「強制連行されて日本国籍を持たない在日朝鮮人には平等な機会、権利は保障されておらず、生存が脅かされている」と主張する方だ。
4月13日には映画『主戦場』のデザキ監督のロングインタビューが、朝日ファミリーデジタル��掲載された。
「僕はもともとユーチューバーで『日本における人種差別』という動画を自分のチャンネルにアップしたところ、日本の“ネトウヨ”と呼ばれる人たち(ネット上で活動する右翼)に見つかり、オンラインでものすごく叩かれた。 その後、元朝日新聞記者の植村隆さんが慰安婦について書いた記事で同じように叩かれているのを知り、慰安婦問題に興味を持った」
「植村さんと僕のケースは『ある人が語ろうとしている問題を語らせまいとしている』という点で共通していると感じた。 アメリカ人としての自分は、誰かが語ろうとする言葉が遮られようとしたら『それはいけない!』と反応する。なぜなら告発や発言の背景には、苦しんでいるマイノリティー当事者が必ずいるからだ。彼らはただでさえ差別を受けているのに、告発の声を遮られることで二重に苦しむことになる」
インタビュー映像が撮影された上智大学には『主戦場』のポスターが誇らしげに貼ってある場所があった。「上智大学グローバル・コンサーン研究所」だ。映画に登場する中野晃一氏がかつて所長を務め、現在も所属している。
当該研究所のホームページに行けば、思想的傾向が明確にわかる。たとえば、雑誌、新聞、メディア関係のリンクをクリックすると、各種刊行物のリンクがリストされている。岩波書店『世界』、『週刊金曜日』、人民新聞(天皇制廃止を主張)等々である。
デザキ氏がどのような思想環境に身を置いてきたか、どのような人々と繋がっているかを見れば、『主戦場』があのように偏向した映画になることもうなずける。最初からそういうスタンスだったのだ。 映画のナレーションで、デザキ氏は言う。
「驚いたことに、私に付けられた反日的なイメージにもかかわらず、多くの保守系論者が取材要求を受け入れてくれた」
朝日ファミリーニュースのインタビュー記事のなかでデザキ氏は、「自分が日系アメリカ人であることがポジティブに影響した」と考える旨の発言をしている。
またもや完全な勘違いである。彼が日系アメリカ人であることは100%無関係だ。インタビューに応じた保守系論客たちは全員、「慰安婦の証言も矛盾しているんですよねえ」などと言うデザキ氏が「慰安婦性奴隷説に疑問を抱き、公正中立なドキュメンタリーを作ろうとしているまじめな大学院生」だ、と単純に信じ込んでいたのである。
ケント・ギルバート氏は、試写会に行って驚愕したとい��。それほどまでに皆、人が良いのだ。
彼らがなぜデザキ氏を信用したのか? それは彼の国籍などではなく、彼が上智大学の大学院生だったからだ。「学生なら協力してあげなくてはいけない」という道徳観に従って動いたのだ。それにまんまと付け込まれてしまった。
■取材せずに虚偽を流布
それにしても、特に災難だったのは櫻井よしこ氏だろう。ギルバート氏の紹介だったので、うっかり取材依頼を受けてしまったが、ひどい扱いを受けた。
突如、映画に登場し、慰安婦性奴隷否定派から肯定派に転向したと紹介されるケネディ日砂恵(ひさえ)氏は「深く考えずに米国人ジャーナリストに6万ドル支払ったことを後悔している」と語るが、この部分で登場回数が少ない櫻井よしこ氏にインタビューが飛ぶ。
「あなたもそのジャーナリストと関係があったと聞いたのですが?」と訊かれ、櫻井氏は表情を曇らせて「その件には触れたくありません。複雑なので」と短く答える。
デザキ氏は、この櫻井氏の反応を、いかにも都合が悪くて言葉を詰まらせているかのように映画の宣伝バージョンに使用している。
しかし櫻井氏が言葉を濁したのは、自身に後ろめたいことがあるからではなく、ケネディ氏のプライベートな問題(人間関係・金銭関係など)に触れたくなかったからである。ケネディ氏が様々なトラブルの果てに姿を消したのは、彼女を支援した人々にとっては苦い思い出だ。
そして櫻井氏こそ、ケネディ氏に相談を受けてサポートしようとした人だ。コメントを避けるのは当たり前なのである。 櫻井氏の発言は少ないのだが、映画の後半ではさらに「明治憲法復活を目指す日本会議という恐ろしい軍国主義集団」の宣伝塔だとしてレッテルを貼られてしまう。
日本会議はすでに「映画は事実無根の妄想だ」という抗議の声明を発表している。取材もせずにこのような虚偽を流布するに至って、『主戦場』はもはやドキュメンタリーではなく、プロパガンダ映画の正体を晒す。
それにしても奇妙なのは、ケネディ日砂恵氏の名前が映画のパンフレットのどこにも書かれていないことだ。出演者一覧のなかにも含まれていない。左派に転向したケネディ氏こそ、デザキ氏の最終兵器だったのだろうか? ちなみに、彼女が接触し、現金を渡したとする米国人ジャーナリストは「彼女に騙された」と激怒している。
オウム真理教ウォッチャーで有名なジャーナリストの江川紹子さんが、『主戦場』を見て次のようにツイートしている。
〈《主戦場》見てきた。最初は面白いなと思ったし、よくまあこれだけの否定論者を引っ張り出したなあと感心しながら見ていたが、作りのあまりのアンフェアさにうんざり。一人一人が考える機会をくれる作品かと期待していたけど、むしろ分断と対立を煽る作りに、かなり落胆した〉(6:20 - 2019年5月7日)
慰安婦問題に関する知識の多寡や立場に関係なく、冷静な人が客観的に見れば、極めてアンフェアなプロパガンダ映画なのが明白なのである。
■慰安婦の涙を政治利用
後半、荒唐無稽になってしまう『主戦場』だが、最後の最後にデザキ氏が登場させるのが、生前の金学順さんだ。幼い頃、初めて客を取らされた時の驚きと恐怖と苦痛を思い出して涙する金さんの姿を見て、「日本人は反省しろ」というわけだ。
私は、このような手法は苦難の人生を生きた女性への冒瀆であり、偽善の極みだと思っている。
金学順さんは基本的に正直な方だと思う。だから、これまでにも最初から包み隠さず、自分が幼くして親にキーセンに売られたことも、キーセンのオーナーに中国へ連れて行かれたことも率直に話している。長いこと日本でも、貧困から娘を遊郭に売る悲劇があったし、さらに貧しかった朝鮮半島ではなおさらだった。
幼くして親から離された少女たちはどんなに不安だっただろうか。また、芸人として生きていくと思って修行していたら売春をさせられてしまった彼女たちは、どれほど傷ついただろうか。金学順さんの悲しみを他人が推し量ることは難しい。しかし、彼女の涙は本当の心の叫びだと思う。
だからこそ許せないのが、金さんのような人を利用しようとする人々だ。朝日新聞の植村隆記者は金学順さんについて初めて報道したが、彼女がキーセンに売られた事実を書かなかった。植村氏の韓国人義母が会長だった太平洋戦争犠牲者遺族会は「日本政府を訴えれば賠償金を取れますよ!」と嘯いてお金を集め、本人を含めて詐欺罪で逮捕者を出し、有罪判決を受けた者もいる。
当時、慰安婦問題が国際問題にまで発展したのは、単純に慰安婦が存在したからではなく、日本軍が組織的に人間狩りのように女性を駆り集めて慰安婦にしたとか、勤労奉仕の女子挺身隊として集められたのに慰安婦にされたとか、朝日新聞が流布した虚報を日韓の国民が信じて衝撃を受けたからだ。
西岡力氏は、金学順さんがキーセンに売られた女性で、軍隊に拉致されたわけではないことを『文藝春秋』誌上で指摘した。 これを受けて、吉田清治の慰安婦奴隷狩り証言の検証をすべく済州島に向かう準備をしていた秦郁彦氏が、金学順さんの弁護士である高木健一氏に電話をして「金さんは親にキーセンとして売られた人ではないのか?」と訊いた。
高木弁護士は「あれは玉が悪かった」と言い、「いま、次のいいのを準備している」と答えたという。彼らにとって元慰安婦は、反日活動と金もうけのツールでしかないのだ。
西岡氏はソウルで金学順さんに会おうとするが果たせず、代わりに日本語通訳を務めていた韓国人女性に会って話を聞く。 彼女によれば、彼女が「おばあちゃん、なんで出てきたの?」と訊いたら、金学順さんはこう言ったという。
「寂しかったんや。親戚も誰も訪ねてこない。食堂でテレビを見ていたら、徴用された人が裁判を起こしたと報じられていたから、私も入るのかなと思った」
■壮絶な人生を歩んだ女性
日本人として初の従軍慰安婦被害者として祭り上げられたのが、城田すず子さん(仮名)だ。城田さんは下町でパン屋を営む裕福な家庭で育つが、切り盛りしていた母親が急死すると家は急速に困窮化し、神楽坂の芸者置屋に奉公に出される。最初は雑用をしていたが、やがて座敷に上げられるようになる。
彼女はあとで、父親が置屋から多額の借金をしていたことを知る。近所の学生との初恋もつかの間、遊び人の男に水揚げされて、いきなり淋病をうつされる。その後は台湾、サイパン、トラック島、パラオと転々とするが、南洋諸島には自分の意思で行き、内地とはうって変わった伸び伸びとした生活を送る。
米軍の攻撃が迫ると内地に返されるが、恋人に会いたくて無理やり舞い戻り、激しい空襲を体験する。 日本軍人との恋、米軍兵士との恋と彼の帰任に伴う自殺未遂、学徒動員から帰国した男性との駆け落ちと流浪の果ての心中。自分だけ蘇生して知る恋人の死。
途中、何度も彼女を救い出そうとする人も現れるが、恋は成就せず、覚醒剤、賭博、たばこ、飲酒に溺れて立ち直ることができない。最後の最後に、奇跡的に知り合った赤の他人に助けられてキリスト教団体が運営する支援施設に転がり込み、やっと更生するが、作業中に腰骨を折って寝たきりとなった末に他界する。
私は、彼女の自伝である『マリヤの讃歌』(日本基督教団出版局、1971年初版)を読んで何度も目頭が熱くなった。裕福な家庭に育ったおきゃんな少女が、母親の死を境になんと壮絶な人生を生きなくてはならなかったことか。彼女は自分の境遇を嘆きながらも、「貧乏が悪い」と人を責めず、苦労する兄妹のために借金を繰り返す。
しかしひとこと、「父親はなんと無慈悲な人だろう」と本音を漏らすシーンが胸を打つ。もし、彼女の父親に命がけで娘を守る気概があったら、きっと彼女はここまで悲惨な人生を生きなくても済んだだろうに、と思わずにはいられない。
■碑文にある虚偽の一文
だが、自伝を読んではっきり言えることは、彼女は人生のかなりの部分を売春婦として生きたとはいえ、従軍慰安婦ではなかったということだ。軍隊によって強制連行されたわけでもない。日本軍人も米軍兵士も相手にしたし、恋愛関係に陥ったりもした。
せっかく借金を返してまとまったお金を得ても、贅沢三昧で散財したりもした。親切にしてくれる人もいたが、守ってくれる親や親戚がいなかったばかりに、社会の底辺をひとりで彷徨わなければならなかったのだ。
まだ貧しかった日本が大戦争を経て焼け野原に帰した時代、彼女のような人生を歩まざるをえなかった人も少なくなかった。心から哀悼の意を捧げたい。
彼女の写真が、北米で初めて慰安婦像が建てられたカリフォルニア州グレンデール市の図書館に掲げられた。2013年、韓国人反日活動家たちが開催した慰安婦関連パネル展に、唯一の日本人女性として登場したのが城田さんだったのだ。
彼女の写真の下には「I was their slave. 私は彼らの奴隷だった」と書かれ、英文の説明が続く。
〈1938年、城田すず子さんは17歳の時、父親の借金返済のため日本軍に身売りされた。戦争が終わるまで城田さんは台湾やサイパンの慰安所で働き、日本軍の性奴隷となった〉
完全な虚偽である。 そして、慰安婦像の脇にはめ込まれている碑文には次のように書いてある。
〈1932年から1945年まで、日本帝国軍によって、朝鮮、中国、台湾、日本、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシア、東ティモール、インドネシアで家から連れ出され、性奴隷にされた20万人以上のアジア人とオランダ人女性に捧げる〉
これもまた虚偽である。前述の弁護士といい、韓国人活動家といい、女性の人権を云々しながら、女性たちを政治的ツールに利用しようとする人々を私は心から軽蔑する。
このような碑文とともに像が建ち、故人を虚偽の経歴で利用されたら、当然コミュニティに悪影響を及ぼし、侮辱されたり嫌がらせをされる日系人も出てくる。日本のブランド力低下にもがる。
韓国人の反日メンタリティは中国共産党の「超限戦」にとことん利用される。豪州ストラスフィールド市のケースでも、突然、中華系の「日本の戦争犯罪を糾弾する会」が結成されて、韓国人会に慰安婦像設置をけしかけたのだ。日本政府が謝罪したり補償したりすればするほど、「弱さ」と捉えられて激しく攻撃される。
■問題が解決されない構図
そのような事態になってしまったから、学者ではない者まで反論せざるを得ない状況に追い込まれてしまったのが現状なのだ。だから、『主戦場』に登場した保守派の人々は総じて、前述した反日団体のプロパガンダに反対意見を述べているのだ。
たとえ左派でもまともな学者なら、反日団体の主張は学術的にも虚偽が多いことはわかるはずだ。デザキ氏でもある程度は気付くだろう。しかし、「反日団体の主張は学術的に正しくないし、強引に無関係な土地に慰安婦像を建てる行為は非生産的だからやめるべきだ。慰安婦をめぐる議論は自分たち学者に任せるべきだ」と主張する左派の学者を私は見たことがない。
それどころか、「性奴隷」や「強制連行」の定義を拡大して、反日団体や活動家を後押ししているようにさえ見える。それは偽善的で、問題の解決を遠ざけるだけの行為だ。だから、いつまでたっても議論がみ合わないのだ。
ちなみに、『主戦場』の慰安婦性奴隷派のメイン話者の吉見義明氏は著書にこう書いている。
〈「官憲による奴隷狩りのような連行」が朝鮮・台湾であったことは、確認されていない。また、女子挺身勤労令による慰安婦の動員はなかったと思われる。(中略)しかし、「官憲による奴隷狩りのような連行」が占領地である中国や東南アジア・太平洋地域の占領地であったことは、はっきりしている〉(『「従軍慰安婦」をめぐる30のウソと真実』��月書店)
つまり、法律が存在し、統制が取れていた朝鮮半島や台湾では権力による強制連行は行われなかったが、それ以外の前線では統制が崩れて犯罪行為も散見され、記録にも残っている、というわけだ。
しかし、前述の碑文を予備知識のない人が読めば、当然、「武装した日本軍が組織的に民家に押し入って、一般女性を拉致して性的目的で奴隷のように酷使した」と理解するだろう。これは吉見氏らの学説とも明らかに異なる。明らかな虚偽なのだから、反論せざるを得ない。
すると、デザキ氏のような活���家が現れて「歴史修正主義者」 「否定論者」と侮蔑的な表現でレッテル貼りを行う。それを吉見氏や林博史氏らが後押しするという構図になっている。
吉見氏も林氏も、慰安婦制度とは日本軍が単独で創り上げていたわけではなく、女性の人権を完全に無視する朝鮮半島の儒教的な封建制と徹底的な男尊女卑文化が背景にあったことを指摘している。
今日的価値観からすれば、日本軍や日本政府にも道義的責任があると主張するのは自由だが、現実には娘を売る朝鮮人の親がいて、女衒がいて、客としての朝鮮人もいたわけで、それが当時の朝鮮社会における現実の一部(fact of life)だったから、ただの一件も暴動が起きなかったし、日本軍に所属していた朝鮮人兵士も反乱を起こさなかった。
また、反日の李承晩政権でさえ、日本の責任を追及して賠償を求められるものとは考えなかったのである。それもまた現実なのだ。
にもかかわらず、ことさらに慰安婦制度は「日本軍性奴隷制度だった」と強調し、政治的目的を持って明らかに事実に反するプロパガンダを展開する反日団体を容認する姿勢は独善的で、学者としての誠意(integrity)を疑わざるを得ない。
吉見氏や林氏がその時代に生まれ、目の前に金さんや城田さんのような女性がいたとしたら救うことができたとでも言うのだろうか? 金さんや城田さんの境遇に胸を痛めるのであれば、困窮した元慰安婦がいたら労り、政治活動に巻き込むようなことをしてはいけない。
それどころか、現在も存在している女性の人権侵害問題に取り組むべきである。韓国で売春が違法とされたあと、大勢の韓国人女性が世界中に進出して売春をしている。悪質な業者に拘束されている女性も多い。
シドニー空港の税関で止められた若い韓国人女性はテレビカメラの前で、「私は韓国にいたら気が狂う」(Korea drives me crazy)と泣きながら訴えた。北朝鮮から命からがら中国へ脱出した朝鮮人女性は、文字どおりの性奴隷にされていると報告されている。
それらの、いまそこにある問題に取り組むこともせず、慰安婦像を建てたり、偏向した映画を作ってあたかも女性の人権を擁護する善人のように振る舞う人々とそれを応援する人々は、極めて独善的で偽善的だと言わざるを得ない。
■今度は植村隆記者の映画
驚くべき情報が飛び込んできたので、最後に報告しておく。なんと、元RKB毎日放送社員で映画監督の西嶋真司氏が起案者となって、植村隆元朝日新聞記者を支援する映画の製作が企画されているというのだ。タイトルは『標的』。植村氏が不当な言論弾圧の標的にされているという主張を展開する映画だそうだ。
チェックしてみると、A-Port という朝日新聞社のクラウドファンディングサイトで資金集めをしていることが確認できた。反日急先鋒のテッサ・モーリス=スズキ(オーストラリア国立大学教授)も絡んでいることがわかる。
資金調達達成率は、残り約100日を残して56%とのことだが、すでに完成している部分があり、プロモーション動画の冒頭には「日本の正義が問われている」と書かれている。うんざりだが、裁判では飽き足らず、情報戦まで仕掛けてくる執念は見習うべきか。
貧しい時代の不条理を生き抜いた、同情すべき女性たちを政治ツールに利用する反日勢力からの攻撃は止むことがない。彼らは慰安婦問題を円満に解決したいとは考えていない。どんな手口を使ってでも日本を世界史上に例を見ない犯罪国に貶め、永遠に日本人と日本政府を糾弾し続けたいのだと見做されても仕方がない。デザキ氏と『主戦場』が、そのことを改めて教えてくれた。
彼らが「標的」にしているのは日本の名誉だ。
(初出・月刊『Hanada』2019年7月号)
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Home,sweet home.
電車のなかで、俺はいつも音楽を聴く。ドアのわきに立って、デイパックを足元に置いて。iPodはジャケットのポケットに入れている。ネックウォーマーをずり上げて、鼻も口もうまるようにうつむいている。
ネックウォーマーは何本も持っているのでしょっちゅう洗う。顔を埋めた時に柔軟剤のにおいがするように。
こうしているととても安心した。まわりにどれだけ人がいても、こうしていれば誰も俺を見ないし話しかけない。イヤフォンからはBUMP OF CHICKEN。俺は全然聴かないアーティストだったけど、ユウくんが好きだというので最近聴くようになった。気に入った曲がいくつかあったのでよくプレイリストに入れている。弱音という名の地雷原を最短距離で走ってこい、藤原基央が俺の耳だけに歌いかけている。
ふだんの下校と違うのは俺が特急に乗っていることだった。桑川を過ぎたあたりで隣のボックス席が空いたので座ることにした。羽越本線の景色はひたすらに鉛色だ。水平線に行くほどに薄いグレーになっていく海に、それに少し暗さを足した雲が垂れ込めている。それでも今日は雲が薄い方で、その隙間からいくつか光の筋が伸びて海を貫いていた。
インスタをスクロールすると兄��雪山でトリックを決めている動画をアップしていた。
今年、兄が高校を卒業すると同時に俺は高校生になった。俺は相変わらず一年の3分の2は海外で過ごしていて、それはほとんどにおいて兄と一緒だった。物心ついてからの記憶にはずっと兄がいてそれは今も何も変わらない。合宿もふだんの練習もメシも寝るときも。俺がメディアに取り上げられることが増えたとかそういうことはライダーとしての俺たちにはそんなに重要なことではなかったけれど、俺だけが招待される大会が増えたことだけは岩みたいにゴツゴツした現実だった。
プレイリストが切り替わってヒップホップが流れ出す。デイパックのポケットから水筒を取り出し口に含んだ。サラサラと薄い音がする。澄んだ水の冷たさ。
兄のできることや得意なことが、俺のできることや得意なこと、好きなことに自然となった。俺たちはそういう兄弟だった。今も次の遠征に兄に一緒に行ってほしいし一昨日までの遠征だって一緒に行きたかった。そんなことが続くたび、チューニングがずれるみたいに言葉が通じなくなってゆく。それは兄と俺だけの言語で、今までの俺たちは「あつい」のひと言でそれが25度なのか30度なのかまでぴったりとわかりあえた。曇りくらいで気が塞ぐのはそのせいかも知れない。あるいはユウくんの誘いにのったのだって。
画面が更新されシュウイチくんがバックカントリーの下見をしている写真が流れてきた。滑らかに雪上を駆ける感覚が足に蘇り、一昨日の雪上練習でできたこめかみの擦り傷がじん、と震えた。
T市の駅で降りて西口にまわる。S市行きのバスに乗る頃には光はすっかり黄色く、その後バスで寝たまま到着したS市は光の粒が舞っていた。当たり前だけど俺の地元であるM市よりずっと都会で、M市にはない広告看板やネオンが瞬いている。街だけど風に冷たいかおりがするのが心地よかった。「着いたよ」とメッセージを送ると「予定通りにC駅に迎えに行くね。S駅まで迎えに行けなくてごめん」と返ってきた。仕方ないユウくんがターミナル駅にいたら目立つし。ましてここは彼の地元にほど近いし。昨日LINEで送られてきた通りに鈍行に乗り換えて、指定された駅で降りる。階段を登ると、自動改札の前にキャップとメガネのユウくんがいた。アンダーアーマーのスリムなダウンジャケットを着ている。
「おつかれ」
「おつかれ」
最初の言葉はどうしてもぎくしゃくして居心地が悪い。
「来てくれてありがとう。疲れたでしょ。とりあえず出よ。荷物持つよ」
ユウくんちの最寄駅前は小ぢんまりと栄えていた。ここでユウくんが育ったなんて嘘みたいな好ましい控えめさ。大晦日の夕方だからか、知らない街だからか、すれ違う人はみんな家路を急いでいるように見える。もう少しで街から誰もいなくなってしまいそうだ。半歩先を行くユウくんの背中を早足で追いかけた。
「これもしかしてお土産?」ユウくんがさっき俺から受け取った紙袋を少し上げる。「母さんが持ってけって」「いいのに。大晦日に大事なアヅを預かるんだから、お釣りがくるよ。アヅと年越しできるなんて嬉しい。来てくれてありがとう」ユウくんは嬉しい、とかありがとう、とかそういう言葉をよく口にする。まだそれに慣れなくて俺はすぐに言葉を返せない。道路の向かい側の道を歩くカップルの、馴染んだ後ろ姿を羨ましく眺めた。同じように半歩ずれて歩いていても、楽しそうに話しながら歩く後ろ姿。俺はピアスを外してポーチにしまった。ひとつ無防備になった気がして心細くなった。
ユウくんの家の玄関を開けると、湿度の高い空気に包まれた。リビングではお父さんがテレビを見ていてお母さんがオープンキッチンに立っていた。「遠くから来てくれてありがとう。ゆ��くりしていってね。困ったことがあったら何でも言って」お父さんはわざわざ立ち上がって俺に握手を求めながらそう言った。大きくてかさついた手は全然ユウくんに似ていない。古い木の幹みたいに頑丈そうな男の人だ。校長先生って聞いていたけど本当にそんな感じ。にこやかで、俺の茶髪もオーバーサイズのファッションも気に咎めるふしがないのがかえって居心地が悪かった。うちみたいに部屋の隅に雑誌や脱ぎ捨てた上着や書類が溜まったりしていなくて、代わりに背の低い観葉植物が葉っぱを広げている。兄弟喧嘩で空いた壁の穴だとか落書きの後なんかもない。清潔で整った住まいを見ていると、ユウくんがどうしてあんなに物怖じせず人に好意を示せるのか少しわかった気がした。
ユウくんの家族と鍋と寿司を食べて、紅白を見た。俺の家ではいつもガキ使だったのでちょっと新鮮だった。一年のほとんどは海外にいるのでたまに帰国して音楽番組を見ると歌手も歌もほとんどわからなくて、弟が解説を加えてくれる。そんな話をしたらユウくんが「わかる! 俺も姉ちゃんに教えてもらう」と機嫌よく笑ってくれた。寿司はお店からとったものだった。きちんと握られた寿司はめちゃめちゃ美味くて、それなのに俺は母の手巻き寿司が恋しくなった。母のつくる手巻き寿司は兄と俺の好物だ。ぬるい酢飯と、母が産直で買ってくる刺身が唇に触れる最初の一瞬が好きだ。あのつるつるとした滑らかさが。
ユウくんのお姉さんは友達と旅行に行っているそうで会うことはなかった。紅白が終わる前に布団に入った。午前5時に出る、という約束はそのときにした。元日の朝一番に、誰と何をするより先に、出かけようという約束。
「大丈夫?」
すっかり全部話がまとまった後になってユウくんは聞く。
「アヅ、移動で疲れてるでしょ。もっと遅くていいんだよ」
「いい、5時」
「まだ暗いよ?」
ユウくんは時々、変なところで煮え切らない。
「知ってる」
視線だけを向けて言うとユウくんは観念したらしく、じゃあアラームセットするね。とスマホを手に取った。
ユウくんの部屋は家具としては勉強机と、窓の脇にぴったり寄せたベッドと本棚がふたつしかない居心地の良さそうな部屋だった。けれどその本棚が俺の身長ほどあり、本はそれぞれ2段ずつしか収められておらずほかの段にはさまざまなものが置かれている。トロフィーや賞状なんかは別の部屋に置いてあるのか姿はなく、大部分は何の役に立つとも知れないがらくた同然の品々だった。なぜか古びた羅針盤、アンモナイトや三葉虫の化石(フェイクかもしれない)、RPGに出てきそうな剣に龍が巻きついているキーホルダー、象牙や石英やサンゴを加工したアクセサリー、ガラスの香水瓶、三角プリズム、チェスの盤と駒、そしてスワロフスキーなどの凝った装飾を施されたヘッドフォンとイヤフォン。まだまだあったが、どれもユウくんらしい趣味のもので俺の部屋にはないものばかりだった。俺がクリスマスに贈ったTiffanyのブレスレットは箱と一緒に一番上の段へ置かれていた。
海外遠征に出るたびに集めるのだろうか。これらとりとめのない収集品のひとつひとつに、ユウくんの嗜好だとか経てきた時間にまつわる何らかの記憶のかけらが閉じ込められているのか、と俺はため息をつくような気持ちで考えた。この部屋をなんとなく居心地よく感じるのは、ユウくんが短いけれど分厚い時間を一緒に過ごしてきたこれらのものが含む記憶のふくらみのせいなのかも知れなかった。
灯りを落とした部屋で、気がつくとユウくん目を開けて俺をじっと見下ろしていた。すこし面白がっているような顔つきになっているのはユウくんの目に、布団の上でまんじりともせずいる俺もまた収集品のひとつのように映っているからだろうか。やがてその表情も失われ、ユウくんはゆっくり目を閉じた。彼の瞳にいたずらっ子のような表情が一瞬ちらりとまたたいたのが俺は気に入って、もう一度それを見たいと待ち続けたけれど、それきりユウくんは目を開かない。呼吸のリズムがいつのまにか寝息のそれに変わっていた。
4時すぎに目が覚めた。アラームが鳴るまでうとうとして、ユウくんと一緒に着替えて顔を洗った。真っ暗だ。
何も咎められることをしているわけじゃないのに、なぜかどきどきした。
玄関へ向かうとき、ユウくんの両親の寝室のまえを通る。俺は息をひそめ、床がきしまないようにゆっくりと、最大限の注意を払って一歩ずつ歩いた。
玄関には、活けたばかりの水仙の香りが漂っていた。消臭剤じゃなくて生花ってあたりに俺の家との違いを感じる。お正月の冷たいかおり。
なるべく音をたてないようにドアをしめた瞬間、何か取り返しのつかない悪いことをしてしまったような気持ちになった。眠っているユウくんの父さんと母さんのもとからユウくんを連れ去って、悪いことをさせるような気持ち。
おもては寒く、まだ月も星も見えた。ユウくんはエレベーターの中で俺の手を握り、そのまま自分のダウンジャケットのポケットに入れた。
俺は空いている方の手でニットビーニーを少し下げた。今までで一番ユウくんを親しい人として感じた。
道は海の底みたいにしんとしている。玄関灯に照らされて、どの
家にもしめ飾りが飾られていた。
「しずかだね」
ユウくんが言うので俺は頷いて「さむいね」と空を見上げる。���っと手を繋いでいた。
3時だとまだ、カウントダウンを終えて帰ってくる人がいる。6時だと早起きの老人が元朝参りへ繰り出し始める。5時の住宅街はまだ眠っていて、息を吸うと鼻と口の周りに冷たい空気が集中した。まだ誰も吸っていない新しい冷気だ。
車のいない道路をいくつか渡って、古めかしいというか単に古い岩造りの鳥居の下にたどり着いた。鳥居の右も左も民家。道路を挟んで向かい側にはシャッターを下ろした商店。有名でも何でもない、ユウくんが子どもの頃に友達と初詣に行った神社を希望したのは俺だった。
それでも神社だけあって、てっぺんの見えない石段を登る。石段の両側には赤松や杉が生い茂って石段をトンネルのように覆っていた。
「S市は初売りが有名なんだよ。他の地域に比べて福袋の中身が超豪華なんだって。2日の朝からだけど、みんな今日の夜とかから並び始める」
「行ったことあるの?」
ヤッケを着て長靴を履いたじいさんが階段を降りてくる。うちの地元で見るようなスタイルに少し心が和む。繋いだ手を離した。
「ない」「ないのかよ」
石段を登り終えると社の前は小さな広場になっていて、神社の人とおぼしきばあさんが火を焚いていた。
「アヅ知ってる? 正しいお参りの作法ってさ」
「うん」
「鳥居をくぐったらしゃべっちゃいけないんだって」
「何でそれ今言うの」
「だよねえ。今思い出したよ。水で口を洗うやり方とかも見てきたんだけどさ、そもそもここ水場ないしね。昔はあったような気がしたんだけどな」
お賽銭を入れて手をふたつ叩いて目をつぶった。閉じたまぶたが冷たい。炎の中でバチっと木がはぜる大きな音が耳の奥へ残響を残した。
息を吸いながら目を開けると、ユウくんはまだ目を閉じて手を合わせていた。邪魔をしてはいけない気がして体がこわばる。やがてユウくんは目を開けて、うっとりと御神体に目を向けたまま少し微笑んだ。
おみくじを引いた。特に飾りやお守りの入っていない100円のシンプルなやつ。俺は末吉、ユウくんは小吉。庭火にあたりながら神さまの言葉を読み上げていく。
「なんかふたりともショボい」
「持ってる男ふたりなのにね。ねえ末吉と小吉ってどっちがいいんだろうね?」
「末っていうくらいだから俺のがやばくね」
スマホを取り出して検索窓に「末吉 小吉」と打ち込む。ユウくんは覗き込むように俺にもたれ、スマホと俺のおみくじを見比べていた。
「あらそいごと、あぶないです、全力を尽くしましょう。転居。取り返しのつかないことになります。注意しましょう。お産。安産です。アヅもう出産するしかないんじゃない、これ」
「はー? あ、やっぱ末吉のがヤバイって。その下、すぐ凶じゃん。凶なんてそうそう入ってないだろうからどっちみち俺らヤバいね。つか俺‘学問 茨の道である’とか知ってるっつーの。ユウくんの…しせもの」「うせもの」「うせもの。‘でない’とか見も蓋もなくね」
「失くさなきゃいいってことでしょ。それより恋愛、俺‘一途な思いが愛を深める 行動で示せ’…行動かあー。行動って難しいよね。俺ジュニアの頃から結構気合い入ったストーカーの人いるんだけどさ、あの人だってあれで俺への何かを示してるつもりなんでしょ」
「何それめっちゃヘビーな話」
「話さなかったっけ」
「ストーカーいるのは知ってたけどそんな前からだとは思わんかった。ていうかいいの、タクシーとかで来た方がよかったんじゃねえの」
「ううん、さすがに正月はあっちも休みたいのか、海外に行ったままだと思ってるのか来ないんだよね」
木を燃やしているとき独特の煙のかおり。ユウくんがぐいぐいと俺にもたれてくるので、お互いのダウンジャケットがこすれあって軽薄な音をたてる。「なんかされない?」「へーき。さすがにカナダに住むわけにいかないのかあっちにいる時も四六時中張ってるわけじゃないし、大会とかのときはSPつけるし。アヅも気をつけなよ、これからどんどん人気出てくるんだから。ていうか何の話だよ。行動で示せってって話だよね。今年俺めっちゃ示すために行動するわ。何してほしい?」「肩が重いから自力で立ってほしい」「うわ塩っ。でもほんと、基本は自分で考えて行動するけど、してほしいことあったらいつでも言ってよ」
ユウくんが俺の顔を覗き込むので、そのつるりとした頰が間近にやってきた。骨の上に薄い皮膚が張っていて女の子みたいに白い。
俺のおみくじ。‘恋愛 心落ち着ければ吉’。神さまは簡単に言ってくれる。落ち着いてできる恋愛なんてそもそもしない方がいい。
行動ねー、とユウくんは繰り返した。白い息が泡みたいに消えていく。俺は丁寧におみくじを畳んで財布に入れた。
帰り道、国道から一本入ったコンビニで温かい烏龍茶を買った。お正月の早朝のセブンイレブンはそこそこ静かだ。客は眠そうな顔をした若い男女の集団と、親密そうな若い女の子ふたり、そして俺たちだった。
「初めてだね」
外のベンチに座るとユウくんが言った。
「え?」
ユウくんは深く腰掛けて背筋を伸ばしている。俺は浅く腰掛けるのが癖だ。膝が前に出て、ちょっとだらしない具合になる。
「会うの、今年はじめて」
ホットレモンに口をつけて言う。小さな飲み口から湯気が立ち上って消えていく。
「……そだね」
俺は息をついてもうひとつ脱力した。コンビニ前の適当な空気が落ち着く。空にはまだ暗さが満ちていた。真夜中の高速を走っている時の抵抗感のあるぬるぬるした闇じゃなくて、頰をさらさらと撫でる細かな粒子の闇だ。
「おめでと」
俺が言い、
「今年もよろしく」
と、ユウくんが言った。
ユウくんがトイレ、というのでもう一度コンビニに入った。ユウくん
が思い出して年賀状を会計している間、俺はユウくんの横に立ってガムとか小さなぬいぐるみとか、食玩とかミニカーなんかが並んでいる即席の棚を眺める。
「あ、プー」
それは柔らかいプラスチックでできたくまのプーのコインケースだった。顔の裏側に垂直な切れ込みが入っている。俺の手のひらの半分くらいの大きさ。手にとった顔だけのくまのプーは首からかけられるようにひもが付いている。
「買ってあげようか」
ユウくんが言った。
「え、いいよ」
俺が言うより早く、ユウくんはそれを掴んでレジに出していた。
帰り道、俺はそれを首にかけて小銭を入れてみた。歩くたびに小銭がかすかに音をたてる。俺の姿を見てユウくんが少し驚いていた。
「無理やり買っといてなん���けど、意外。アヅが身につけてくれると思わなかった」
俺も同感だった。ここまでファンシーでなくても、キャラものをあえて身につけてファッションをハズす奴はいる。けど俺はそういうのはあまり好きじゃなかった。人のリアクション待ちのようにも感じるしそんなもので目をひくのはすごくダサい気がするから。
自分でも驚いたのだけれど、俺はこのプレゼントがすごく嬉しかった。すごくすごく嬉しくて、ばかばかしいくらい胸にしみて、俺はこんなにひとりぼっちだったのかって思った。
そっとドアを開けると、家はまだ眠りの中だった。俺たちは部屋に戻り、部屋着に着替えてもう一度ベッドにもぐる。正確にはユウくんはベッドに、俺は床にしいた布団に。
「母さんも父さんもココの出身なんだけどさ、なんでかお雑煮は関西風なんだよね。元日はいつもそれ」
「関西風ってどんなの」
「餅が丸くて汁が白い。ばあちゃんちで食べるのは普通のさ、いや普通って言ったら変だけど、いわゆる関東風のすまし汁みたいなやつで。俺、言われるまでふたつが同じ‘お雑煮’だって知らなかったよ。うちが関西風なのはただの母さんの好みらしいけど。アヅんちは?」
「たぶんユウくんのばあちゃんちのパターン」
「だよねえ。まあ、とりあえず食べてみてよ」
眠る前にキスがしたいなと思っていると「やっぱり一緒に寝る」とユウくんはベッドからずるりと体を落として俺の隣に潜り込んだ。そしてむく犬みたいに俺の腹に額を押し付けた態勢に落ち着く。俺の頰を撫でていったユウくんの柔らかい髪は外のかおりを残していた。俺は自分が懸命に無表情を取り繕いながら、実はややもすると埒をこえてごぼりと外へ溢れ出してしまいそうになる気持ちを押し殺そうと必死になっていることに気づいた。それが寂しさであることをユウくんは知らない。俺以外に誰も知らない。
ユウくんは俺よりずっと大きいけれど小さいペットみたいな振る舞いをする。身のうちに飼っているうちにどんどん情がうつるような。餌をやり忘れてるんじゃないか、ときどき不安になる。餌をやり水をやり、ユウくんが満足そうにごろごろ喉を鳴らし始めると、俺は彼の柔らかな髪だとか張り詰めた背なんかを撫でてやる。ユウくんが安心してゆく一方で俺はどんどん不安になって、寂しさがぱりぱりと耳の奥でひび割れていく。
「ねえアヅ」
ユウくんが俺の腹に頭をぐりぐりと押し付けてくる。
「神社で何お願いしたの」
「…俺もユウくんもケガしませんように」
「うわめっちゃ現実的。夢がない」
「いやすごく大事でしょ。全然、一番大事」
「そりゃそうだけど。俺はアヅが俺のことめちゃめちゃ好きになってくれますようにってずっとお願いしてたよ」
ユウくんはペットみたいに振る舞うし時々年齢より幼く見えるけど、一方で期待というものを何ひとつ持っていないように見える。最初からきれいさっぱり。
普段は可愛く見られるような仕草を意識してやっているくせにそんなところは全然可愛くなくて、そういうところを見ると不安になるばかりの俺の心は少し凪ぐ。
それから、俺が何も言わなくても言葉を催促しないところも。
「俺を幸せにできたのはスケートとアヅだけ。俺を悲しくできるのもスケートとアヅだけだよ、」ユウくんは言葉を探すように少し黙る。「そりゃ、スケートはひとりでできるものじゃないから家族とかコーチとかサポートしてくれる人含めてのスケート、だけど」
ユウくんはもぞもぞと上体を起こして俺を見下ろす。こめかみのかさぶたに指がそっと触れた。
「アヅ疲れたでしょ。人見知りなのにうちの親とたくさん喋ってくれてありがと。親に俺のカッコいいアヅを紹介できてよかった。改札で見たときすごく心細そうで、悪いことしたなって思ったんだ。年越ししようって無理やり誘ったし。でも俺アヅのこと大好きだからさ、連れてきたかったし、これからもそうするよ。ねえ。だから約束しよ」
何に、という言葉すらなかった。ユウくんが俺の瞳の中を覗き込んでいる。その目はピカピカと光っていて、本物のけもののようだった。何月何日に、とか、何時にどこで、とか決めなくても、約束はできるのだ。ユウくんに会って俺はそんなことを初めて知った。
ユウくんの母さんが作ってくれたお雑煮を食べてテレビを見た。ユウくんの箸づかいはとてもキレイだ。それを見ながら慣れない中指を使って箸を駆使し餅を拾ってみる。ユウくんの父さんがお年玉を渡してきてすごく困った。どう言ったら気を悪くさせないで断れるかを考えていると「君がプロのスノーボーダーなのは知っているけれど、私にとって君はユウの友達の高校生だから」と言ってユウくんの父さんは俺の手をとってポチ袋を握らせた。お礼を言うとユウくんが嬉しそうに俺の肩を抱いた。穏やかで暖かいこの家の空気が少し体に馴染んだ気がする。
「アヅはスケボーも上手いんだよ。小4からスポンサーついてるから、メディアにも全然物怖じしないしすごいかっこいいんだ」「いや前の大会のとき全然喋れてなかったじゃん」「えっ喋ってたよ。すごく落ち着いてた」「帰国後の会見で、報奨金どうしますかーって聞かれたとき俺とスバルくんが貯金っすねーへへっとかまだ決めてないっすとか言った後に超ハッキリ‘僕は全額寄付します’ってユウくんが言って、あとで仲間に俺すんごいいじられたし。俺ら超馬鹿っぽいって」「いやあれはほら、まあ、アヅは疲れてたし仕方ないよ」「何そのフォローになってないフォロー」「エックスゲームスの賞金のほうが高いんでしょ? 俺あれ聞いて、ああ俺の世界大会の重さとこの人たちのは違うんだなって思ったもん。何か、色んな世界とか考え方があるんだなって思った」
ユウくんはにっこり笑った。薄い唇の間に少しだけ歯がのぞき、それは結構キュートな笑顔だった。ユウくんの父さんも同じ笑い方をしていて、それはとても似ていた。
そういえば昔の写真を見ると俺と兄は同じ顔をしていたけど、去年くらいからはっきりと違う顔になってきた。あるものを選ぶ、あるいは選ばされるというのは別のものを選ばないということで、俺たちはそうした大小無数のむごく切ない分岐点の連なりから成り立っている。そのうちのひとつが痛切な悔恨だとかそういったものとともに想起されて、その分岐から以後の‘全てのちがい’が生じたのだとあるとき突然思い込む。でもきっと、それは生まれた時から決まっている。
ぎゅうと締め付けられる胸を抑えると、なぜだか笑みがこぼれた。決まっているから、だからそんなことは悲しんだって詮無いことだ。その代わりに俺はおみくじだとかプーの財布だとか、そんな小さなものを積み重ねる。
甘やかな餅が咀嚼され喉奥に追いやられていく。ユウくんが優雅な仕草で黒豆を取り分けてくれるのを見て、いつか兄に会わせたいな、と思った。
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偽善者の涙[七]
[七]
「ぢやあ沙霧、元気でな。近々佳奈枝と一緒に来るかも知れへんけど、そのときは必ず伝へてから来るから、会ひたくなければ云うんやで。大丈夫、そのくらゐであいつはお前のことを嫌つたりせえへんから、今日は気分ぢやないとか適当云へば、あらさうなの、ならいゝわ、くらゐで済むから、な。あゝ、さう〳〵、さう云へばまたこのあひだ中古のCD ショップを漁つてたら、――」
「あ、あの、兄さん」
と沙霧は珍しく里也の話を遮つた。
「どうした?」
「えと、……今日のお話したことについてなんですけど、……えつと、あの、……口に出したら急に楽になつたので、あまり真剣にお考えになさらないでくださると有り難く、あ、とにかくそんな昔のことですし、そ、それに、大したことないです、……」
「落ち着け〳〵、何が云ひたいんかはだいたい分かつてるから。んで、沙霧はどつちだ? 佳奈枝に伝へてもいゝと思つてるんか、思つてへんか。それだけははつきりと教へてくれ」
「えと、お姉さんには出来るだけ伝へずに、……でも無理ですよね。……一応その覚悟は、出来てるつもりです。……」
「分かつた。俺が真剣に考へるか云うんは、全然はつきりと約束できへんのやけど、佳奈枝に伝へるかどうかつて云うんは、云つてもぼんやりとしか伝へないと約束しようぢやないか。事を荒げたくないんは一緒やらうし、なんかゝう上手いこと行くやうな方法を考へてから、事を運ぶことにしよか。そのあひだ不安かもしれんけど、とにかく気楽にな」
「ありがたうございます、兄さん、ほんたうにありがたうございます。……」
「いや、ほんまによく勇気を出して云つてくれたもんやで。あゝ、それでな、さうやつて勇気を出してくれた沙霧にご褒美としてな、���
と里也は一つのCD を取り出して、
「これを差し上げよう。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第二番なんて、なか〳〵見んからつい〳〵買つてしもて、俺はもう自分のパソコンに取り込んだから、後は沙霧の自由にしてやつてくれ」
「ふゝ、……」
と沙霧は可笑しさうに笑つた。
「あん?」
「兄さん、これ二枚目ですよ」
「あれま、……」
「でも、ありがたうございます。大切にします。またこの目の覚める素晴らしい作品を聞く機会が出来たゞけでも、私にとつては宝物のやうなものです」
中古の掠れのあるCD ではあつたが、沙霧はそれを大事さうに胸にしまひ込んでから、丁寧な手付きで本棚に収めた。
「��ろ〳〵新しい本棚を買つてあげんとな」
と里也はどの段も端から端まで隙間の無くなつてしまつた本棚を見ながら云つた。
沙霧とはコンサートが終わつてから真つ直ぐ家に帰つたので、妻の待つマンションの一室へ戻るのには申し分のない時刻ではあつたが、里也は今すぐ佳奈枝の顔を見てはきつと沙霧との約束を破つてしまふから、一旦喫茶店に立ち寄つて、一杯のコーヒーを三十分もかけて味はつた。外に出た頃には日も暮れかゝつて、影といふ影を長く寂しく作つてはゐるけれども、今年は特に雨も風もなかつたおかげで桜の木は未(いま)だ白い小さな花びらをひら〳〵と揺らめかせてゐる。その散らうにも散れないゝぢらしい有様を見ながら、里也は電車に乗り込んで、ぼんやりと今日のコンサートで受け取つたチラシを眺めた。さう云へば沙霧と行くと毎回、私がお持ちしますよと云はれて結局取られつぱなしになるのだけど、今日は例の話の前に返してもらつたので、かうして持つて帰る羽目になつてしまつた。中はだいたい似たやうなものばかり、――千住真理子のヴァイオリンリサイタルには惹かれるものがあるが、おゝよそ誰でも知つてゐさうな曲だつたり、去年も一昨年も一昨々年も演奏されたものばかりである。里也はたうとう佳奈枝と行くことになつてしまつた六月のコンサートのチラシを見つけると、それ以外は袋の中へしまひ込み、後はうと〳〵と変はり映えのしない窓の景色を見ながら、十三で乗り過ごさないよう意識だけははつきりとさせつゝ電車に揺さぶられてゐた。
日はずいぶん長くなつたとは云へ、半日ぶりにマンションへ戻つて来たときには外はだいぶ暗くなつてをり、ぼつ〳〵と明かりが灯つて行く中、玄関を開けてみると、耳慣れた声と耳慣れぬ声がリビングの方から両方聞こえて来た。
「多佳子姉さんぢやないですか。何しに来たん」
「かはいゝ〳〵妹と弟の顔を見に来たのよ。さつきまで弟の方は居なかつたけど」
「里也さん、おかへりなさい。どうだつた、コンサートの方は?」
一瞬、沙霧の話が思ひ浮かんだが、
「思つたよりも良かつた。日本のオケもやつぱりやるもんやな。たゞ、死の島はちやつと急ぎ足なところがあつて、響かし切れてないところがあつたから、そこだけは減点かな。でも全体的にはすごく良かつた」
と何気ない体で云つた。
「うわあ、……また音楽の話してる」
と多佳子が云ふ。
「大の音楽狂が何云つてるんです。多佳子姉さんも久しぶりに行つてみたらどうです? ほら、今日はチラシを持つて帰れたんで、よければ差し上げませうか?」
「それ佳奈枝ちやんにも似たやうなことを云はれましたー」
「似たやうなことを云つちやいましたー」
と佳奈枝はひどく楽しげである。
「それで、沙霧ちやんはあの後どうだつた? 一応綺麗にしてあげたけど、どこか変だつた? やたら静かだつたからお姉さん心配で〳〵」
「緊張してたみたいだな。ホールに入ると結構喋りだしたよ」
「なんであんな綺麗な子が自信無いのかなあ、……」
「さうだ、沙霧ちやんと云へば里也くん、写真見せて」
「えゝよ。ほら、――」
里也が写真を見せると多佳子は確かに綺麗な子だねと云つて、里也と似てゐるところを挙げて行くので収拾がつかなくなりさうであつたが、その後すぐにクッキーの残骸を目ざとく見つけた里也が俺も食べたかつたのにと云ひ出すと、話題はなぜか遠く離れた伯父伯母の話となり、多佳子の友達の友達の話となり、今度は自分の家で飼つてゐる犬の自慢になつてゐた。里也は嵐のやうな二人の姉妹を前にしてすつかりへと〳〵になつてしまつて、けれども沙霧の話題がこれ以上出てこないところを見ると、ほつと息をついて話の止まらない二人を眺めるだけになつてしまつた。結局多佳子が帰つたのは、里也がこのマンションの一室に戻つてきてから三十分が過ぎた頃合ひではあつたが、あまりにも目まぐるしく話題が変はるので面白くなつて数えてみると、合計で十個もある。なるほどこれでは疲れるのも無理は無い、よくもまあこれだけ話題を切り替へて話を続けられるものだ、いや、そも〳〵よくそんなに話の種がポンポンと思ひ浮かぶものだ、聞けば多佳子はちやうどコンサートが始まつた頃に家にやつて来たと云ふ、それでこんなに話せると云ふのは一つの才能なのかしらん、それとも女性とは皆さう云ふものなのかしらん。佳奈枝が夕食を準備してゐる最中に、彼はそんな適当なことを思つてゐたのであるが、やはりそこで浮かんで来たのは沙霧の顔であつた。いつも彼女と話すのはたつた一つの話題、――基本的には音楽と、たまにそこから作曲家への思ひを馳せるためにその生まれ育つた国について、ほんたうに他の話題に飛んだりせず、じつくりと静かに話し合ふのである。尤も彼と沙霧とでは以心伝心のやうなところがあつて、何も云はなくてもお互ひのこと、したいことなぞ分かつてゐるやうなものであるのだが、同じ血を分けた者同士で、あそこまで云ひたい放題云つてゐる様を見て羨ましい気持ちが沸かなかったと云へば嘘になる。自分は兎も角として、沙霧は未だにどこか腰の引けた話し方をする。今日のラフマニノフ談義だつて、話の初めに云つた、実は最近ではさうでもないみたいです。の一言を云ふのにどれだけの勇気が必要だつたのであらう。それによく考へれば自分だつて、彼女の意見を尊重しすぎて、つい云ひたいことを押し殺してしまふ時があるのである。たゞ彼は、この日一番疲れたのが佳奈枝姉妹の相手をしてゐる時であつたことを思ふや、隣の芝生は青く見えるだけだと納得すると、今日は面倒くさいと云ふ割にはかなり手の混んだ佳奈枝の料理に素直に舌鼓を打つた。
さうかうしてゐるうちにすつかり夜も更けて来たので、夫婦は同じ寝床に入つて一言二言話した後ぼんやりしてゐたのであるが、里也が再び沙霧の話を真剣に考へ出したのはこの時が初めてゞあつた。実のことを云ふと、彼は喫茶店でコーヒーを飲んでゐるうちにすつかり落ち着いてしまつたので、以降は例の恨めしい感情と折り合ひをつけながらそれつきりになつてゐたのである。さらに実のことを云ふと、里也には未だ信じ切れないところがあるのであつた。決して沙霧を疑つてゐる訳ではないのであるが、佳奈枝が彼女をいぢめてゐたと云ふ事実を受け入れるのは、例へそれが嘘であつたとしても、今の彼には到底できさうも無かつた。それと云ふのが、彼は今の今までいぢめ加害者を許してゐないのである。ほんたうならば今直ぐにでも加害者の元へ行き、一人〳〵に証拠を突きつけた上で謝罪の言葉を沙霧に云つて聞かせたいのである。が、そんなことをして一体何になる。それはまるで、かつて学校へ殴り込みに行つた両親のやうではないか。そんなことをして誰が幸せになれると云ふのか。自分が出ていつたところで被害者の沙霧も、加害者の名も知らぬ者たちも不幸になるだけではないか。昔さうやつて両親が学校へ行つた結果、いぢめは収まらず、事を大きくしたゞけで、たゞ沙霧だけが精神的な苦痛を味はつたではないか。そんなことを思ひながらも里也は、一人でもいゝから謝罪の言葉を聞かせれば、彼女もいくらか楽になれるのではないかと云ふ気持ちがあるのであつた。佳奈枝からいぢめは小規模だと聞いてゐるから、どうせいぢめを行つた者など見つかる訳がない。どうせ可能性が無いのなら、もし運良くその一人を捕まえられゝば必ずやかつての行いを懺悔させる、さう思つて何が悪い(で、夫婦の話し合いで謝ってよとやんわり云う)。己はまだ彼女の腕に残つてゐる数々の傷跡を忘れた訳ではないだらう。――里也はそれが自分のエゴだと知りながら、決意だけはもう何年も前から持つてゐたのである。が、なぜよりによってその一人が自分の妻なのか、………
考へが堂々巡りしてゐるあひだに寝てしまつてゐたらしく、いつも通り佳奈枝に叩き起こされた里也は、いつも通り会社へと赴いて、何時も通りの日々を過ごさうとしてゐたのであるが、やはり先日の沙霧の話が時間を追ふ事に気になり初めてしまふと、いよ〳〵仕事も身を入れて取り組めなくなつてしまつた。だが仕事をするときは我を忘れられるからいゝにしても、何にも増して困つたのは家に帰つた時で、笑顔で自分を迎え入れてくれる佳奈枝を見てゐると、怒りと云つていゝのか、憤りと云つてゝのか、それとも憎しみと云つていゝのか、良くわからない気持ち悪い感情が自信の胸の内に芽生えて来るのである。いつものどかな風景を見て感じる恨みに似てゐると云へば似てはゐる。彼はまだ佳奈枝には沙霧の話を伝へる気は無かつた。彼女らが京都へ行くのに一ヶ月しかないが、しかし一ヶ月もあるのだからゆつくりと自分の気持ちを整理して、佳奈枝が沙霧をいぢめてゐたことを受け入れて、今後どうするか佳奈枝とじつくりと話し合つて、京都に向けて出来る限り波の立つてゐない航路を進みたい。恐らく結果としては沙霧との約束、――佳奈枝には極力彼女の話を伝へない、伝へたとしてもぼやかして伝へる。を破つてしまふことになるだらうけれども、それは事を大きくしないためであつて、決して彼女のことを裏切つた訳ではない。理由を話すときつと彼女は了承してくれるはずである。今は兎に角、佳奈枝に向かつてあらぬことを云はないよう時間をかけて、沙霧の言葉を噛みしめるのみであらう。
それにしてもなぜ沙霧は今になつて急にそんなことを云ひだしたのか、かつて佳奈枝と初めて顔を合はせた時にはそんな雰囲気すらおくびにも出さなかつたのに、いや、そも〳〵佳奈枝の名前を出した時にさへ、何も云はなかつたのである。いぢめられた日付まで正確に憶えてゐる彼女が、佳奈枝と云ふ名前に心当たりがなかつたとは云ひ難く、これまで黙つてきたのは単に勇気が無いから��と解してゐたが、かなり不自然に思へる。なぜかと云つて彼女はあの時、かなり砕けた調子で佳奈枝との交際そのものに恨みを募らせたのである。あれほどまでに恐怖を感じたと云ふのならば、いつもの沙霧を思ふと名前を出すだけでも怯えて話にならないはずで、況してやそんな冗談めかしく佳奈枝との交際について突つ込めはしないであらう。しかし彼女の話が嘘であるならば、あんなに情のこもつた話し方をするなぞ、それこそいつもの沙霧を見てゐる自分からすれば考へられない。結局また考へが堂々巡りして何も分からなかつたので、里也はその日は、もう難しいことは無しにして沙霧の話を受け入れるだけにしよう、と思ふだけに留めて寝てしまつた。
翌日も、翌々日も、彼は何時も通りの日々を過ごした。なんだかそは〳〵してゐる様子が佳奈枝には分かるのか、しば〳〵病気を疑はれたり、また人間関係がこじれたのではないのかと思はたりして心配されたが、努めて明るく接することにしてゐると、次第に妻からの突つ込みは無くなつて行つた。そして一週間もすれば、沙霧の話は一時の衝撃であつたのか、ずいぶん彼も落ち着いてきて、やうやく事を前進させようと云ふ気になつてきた。で、週末にいよ〳〵佳奈枝に打ち明けようとして準備ゐたのであるが、ちやうど折悪しく妻が雑貨を見に行きたい〳〵と云ひだしたので、面倒くさいことは極力先延ばしにしたい彼は、ゴールデンウィークまでにはまだ二週間ほどあることを思ふと、なんだかほつとしたやうな心地で佳奈枝について行つてしまつた。
「や、実は雑貨ぢやなくて、こゝのホットヾッグが食べたかつたゞけなんだけどね」
とマスタードをふんだんにかけたホットヾッグを頬張つて、しきりに頷いてをられる。
「それ気持ち悪くならへんの?」
「や、実はこんなにかけるつもりぢやなくて、間違うてしまうて、めつちや辛(から)くて辛(つら)くて、……でも里也さんもそれケチャップかけすぎでしょ、また血圧高すぎつて怒られるわよ」
「このくらゐのケチャップがえゝねん」
彼らの側にはこの日買つた余計な小物たちが���の中でガチャ〳〵と音を立てゝゐた。里也はその日、実は帰つてから話し合はうかと云ふ気が無いでもなかつたが、久しぶりに外食もしたいと云ふ妻の機嫌を損ねるのも後々面倒だと思つて先延ばしにし、次の日は次の日で、昨日買つた物たちを飾るついでに部屋の模様替えもしたいと意気込む妻の勢ひに一日中飲み込まれてしまつた。
「このぬいぐるみはどうするの」
「それは沙霧にあげようと思つて」
「メルヘン度がさらに増すわね。……」
でも可愛いから沙霧ちやんに持つて行くまで飾つておきましよ、と佳奈枝がクマのぬいぐるみを寝室の片隅に飾つて、その日は終はつた。
明くる日、少々帰りが遅くなつた里也は駅で意外な人物に呼びかけられて、その場ですつかり話し込んでゐた。その人物とは多佳子であつたけれども、今日は何とか云ふ派手な集まりの帰りであるらしく、四つも五つも若く見える装ひをしてゐるものだから、里也は最初、佳奈枝が前から歩いて来てゐるやうな面持ちを抱いて(japanese? )妙にあたふたしてしまつた。
「お子さんは変はりなく元気ですか」
「もう元気すぎて大変なくらゐね。あ、でも今日は塾の日だから、たぶん嫌な顔してる」
「はゝゝゝ、子供つてさう云ふところありますよね」
「まつたく、いつたいどうやつたら佳奈枝ちやんとか里也くんみたいに頭良くなれるのやら」
「云うて僕そんなに頭良くありませんよ」
「たぶんさう云ふところね。もう少し謙虚と云ふものを知つて欲しいわ(最後、子供を登場させた時に忘れない)。――さうだ、」
と多佳子は一転嬉しさうな声で、
「謙虚と云へば、今度佳奈枝と沙霧ちやんが京都に行くんですつて?」
「えゝ、さうなんですよ。佳奈枝が云ふ事を聞かなくて、……」
「あの子も相変はらずね。それにしても私も楽しみで仕方ないわ、何だつてあの沙霧ちやんを見られるんだもの」
「え? どういふことです?」
と里也はついひようきんな声を出してしまつた。
「あれ? 聞いてないの? 私、佳奈枝ちやんから京都に行くのに誘われたんだけど、やつぱダメだつた?」
「あ、いや、姉さんが来たいと云ふなら、ぜひさうして欲しいんですが、……」
「なんか歯切れ悪いわね。どこか引つかゝるところがあつたりする?」
「大丈夫です、大丈夫です。本人も昔多佳子姉さんに会つてみたいつて云つてましたから、たぶん大丈夫です」
「それ絶対大丈夫ぢやないでせう。佳奈枝にも云つたけど、私は別にどつちでもいゝからね? 本人が無理つて云うんだつたら、会へなくてもいゝからね?」
「いゝんです。ぜひ来てください」
その後も来ても良い、行かなくても良いの応酬が続いたが、むしろ佳奈枝の暴走を止める役になつてもらへると嬉しいと里也が云ふと、多佳子もそれに納得した形で袂を分かつことになつた。
その帰り、里也は少々急ぎ足で自宅なつてゐるマンションまでの道を歩きながら、多佳子が京都への旅に来てくれることに対して内心喜びを抱いてゐた。先程の、多佳子に佳奈枝の暴走を止める役になつてもらひたいと云ふのは、本心から出た言葉であつた。佳奈枝が沙霧を引きずり回してゐるあひだ、彼はどこかへ追ひやられてしまふ。彼がついて行けないと云ふのなら、クッションとして誰か妻が許可してくれさうな人、――それも沙霧と相性が良くて、佳奈枝に強いことを云へて、なほかつ後で様子を聞けるよう里也もよく知つてゐる、そんな人に代はりに行つてもらひたい。だが二人に接点のある人物と云へば、大学時代一緒だつたサークル仲間くらゐしかゐないし、彼らも就職だとか何だかで大阪から出て行つてしまつたから、わざ〳〵呼び寄せるのも悪いし、そも〳〵そんな微妙な距離感の連中と沙霧を引き合はせる訳にはいかない。誰か良さゝうな人は居ないかしらん。と、彼は今の今まで多佳子と云ふ上記の条件にぴつたり合ふ人物をうつかり忘れてゐたのであるが、よく考へれば自分と同じくらゐ多佳子は沙霧に良い影響を与へさうな気がするのである。同性だからと云ふ点もあり、なんだか長男長女同士で同じ匂ひがすることもあり、それに佳奈枝とは姿形こそ似てゐるものゝどこか自分たち兄妹が好きさうな雰囲気を身にまとつてもゐる(多佳子の性格を少しだけ沙霧寄りにする)。だから安心して沙霧を預けられる、とまでは行かないものゝ、沙霧の新たな刺激としてはまず〳〵と云つたところであらう。彼女なら上手くやつてくれると信じたい。
もちろん里也は、この時さう云ふ楽観的な考へのみを抱いてゐた訳ではなかつた。喜びは彼が感じた感情のうちの一欠片でしかなく、胸の内を埋めいたのは勝手なことをした佳奈枝に対する怒りと、沙霧に対しての申し訳無い気持ちであつた。特に後者の感情は強すぎるほどで、彼の頭の中には恰も映画に出てくる幽霊のやうな憎悪に満ちた沙霧の顔が浮かんでをり、ぬるい風がゆらりと通りすぎる度に彼は身を震わせてゐた。沙霧のことだからそんな顔は決して見せないとは思ふけれども、しかし、多佳子が京都に行く時について行くと伝へると、必ずや嫌な顔は見せてくるはずである。何せさつきの会話で多佳子の件についてお墨付きを与へてしまつたのだから、その感情は彼女の心の内側へは行かず、自分に向けてくるであらう。
里也は一刻も早く佳奈枝に件のいぢめの話を云つて、沙霧に件の京都の話を云はなければならない気持ちに駆られた。が、駆られたゞけでどう切り出さうかと思つてゐるうちに日が変はつてしまつてゐた。いつもぐだ〳〵と簡単なことを先延ばしにして、結果、ハードルを高くしてしまふのは彼自信もよく理解してゐることではあるが、思つたよりも沙霧を傷つけたといふ事実が彼を臆病にさせてゐるらしく、どうしても最初の一言が云へないのである。と云つてもまだ妻に確認を取つてゐないから、件の件が事実だと分かつてゐる訳ではない。もし事実であつたとしても、佳奈枝には大して感じるものがないとは分かつてゐる。が、それでも云ひ出せないのだ。結局里也はその週の平日を、丸ごと悶々としながら過ごすしかなかつた。
佳奈枝は夫の行動のおかしさにはとつくの昔に気がついてゐたが、以前、かう云ふ時は自分から云ひ出すまでそつとしておいてほしいと云はれてゐたので、ちよく〳〵心配した声はかけてゐたものゝ、夫が普段どおりの生活を送れるよう、何事も無いやうな態度を取つてゐた。たゞこの一週間くらゐはその落ち着きの無さに磨きがかゝつて、何を云つても上の空だし、滑稽なまでにこちらをチラ〳〵見てはさつと目を逸らされてしまふし、黙つて待つてゐるのもさすがに限界と云ふものがある。彼の様子が変はり初めたのは多佳子が来た時、つまり彼が沙霧とコンサートに行つた時だから、彼女絡みで何か悩んでゐるのであらう。あの男は自分の妹のことになると、異様に過保護になつて隠し事の「か」の字も無くなるほどに動揺してしまふのである。当然これまでにもかう云ふのは幾度となく起きてきたのだから、むしろ沙霧以外に何が原因となつてゐると云ふのか。明日は趣味で所属してゐるアマチュアオケの練習があるから今日はその練習をしておきたい佳奈枝は、さつきまで防音室で気持ちよくトランペットを吹き回してゐたのであるが、休憩ついでにソファに寝転がつてゐた夫に話しかけると、彼はのそりと起きて、差し出された緑茶を一口飲んで、それから何をするわけでもなくずり〳〵とソファからずり落ちて行つてしまつた。背中側でシャツが引つ張られて露わになつたお腹をポン! と叩くと、彼は何するねんと云つて、お返しにこちらのお腹を突いて来たのだが、それが妙な力加減で脇腹に触れてくるものだから、実にくすぐつたい。彼女はそのやらしい手を取つて、せつかく楽器も取り出してゐるとこだしたまには悪くないだらうと思つて、この暇さうに休日をを過ごしてゐる夫に、
「ねえ、久しぶりにトロンボーン吹いてみない?」
と声をかけてみた。
「はあ、……つまりは練習に付き合えと?」
と里也は言葉こそ冷たいが、ニヤリと笑つて云つた。
「うん。さすが里也さん、分かつてるぢやない。ニールセンのよく分かんない序曲にファーストヽロンボーンとユニゾンするところがあるのよ。ほら、昔を思ひ出して、あの湖岸で一緒に好き放題楽器を吹き鳴らした思ひ出に浸らうよ、ねえ、ほら、ほら」
「嫌や、あそこのことはもう思ひだしたくない」
とは云ひながら、佳奈枝の予想に反して里也は、仕方ない、たまには触つてあげないと楽器も痛むしな、と云つて立ち上がると、寝室でインテリアと化してゐたトロンボーンを持つて来て、丁寧にグリスを塗り直し初めた。彼の楽器の手入れは意外と細かく、ほんたうに薄く均一にグリスを塗つていくから、佳奈枝もたまに頼むことがあるのであるが、がさつな時はとことんがさつで、昔は半年に一回程度、突然マウスピースからペットボトル一本分の水を入れたと思つたら、今度は思ひつきり空気を吹き込むので、一体何をしてゐるのかと聞けば、楽器の手入れだよ、昔からやつてきたんだ、楽しいから佳奈枝さんもやつてみたらどう、と云ふのである。確かに金管楽器は水に強く、楽器をお湯につけて汚れを浮かしたりすることはあるけれども、さすがに中に入れた水を思ひつきり追ひ出すのは負担が大きすぎる。金管楽器と云へどもそれはさすがに痛むからやめなさいと、よく叱つたものであつたが、彼は、いや、クリスチャン・リンドベルイは楽器を海に沈めて泳いでゐたから、このくらゐでは壊れないと云つて聞かないのである。だが彼は同時に、楽器にとつて最高の楽器の手入れとは毎日使つてあげることだ、と云つて、ほんたうにどんなに忙しい日でも練習場へ赴いて音出しをしてゐたから、限度を超えて楽器を粗末に扱はないとは知つてゐる。今の彼はその最高の手入れとやらをやつてゐないけれども、かうしてそのぷに〳〵とした指の肉を使つて、馬鹿丁寧にグリスを塗る様子を見るに、彼の楽器を大切に思ふ気持ちは今でも変はつてゐないのであらう。
彼らの所属してゐたサークルでは、毎年春と秋の二回、琵琶湖の沿岸にある非常に安価な(点々)宿泊施設で合宿が行はれてをり、ゴキブリの這ふやうな嫌な思ひ出しか持ち合はせてゐない里也は、ゴールデンウィークとシルバーウィークが近づくに従つて、その思ひ出をこれ見よがしに語る佳奈枝に渋い顔を向けるのであつたが、かうして二人で楽器を持ちながら肩を寄せ合ふのはほとんどその時以来で、なんだか妙に懐かしい気味合ひである。里也はスライドの滑り具合を確かめながら、まだポジションの感覚が残つてゐることにほつとするや、すぐさま姿勢を正して、昔のやうにそつと息を吹き込む。この時だけは誰の邪魔も入れてはならない。ロングトーンだつて一つの曲なのだから出来るだけ伸びやかに、特にトロンボーンは神の楽器なのだから、自分は今プロテスタントのおごそかな教会に居て、賛美歌の伴奏をしてゐる心地でなくてはならない。――気持ちだけは当時と変はらなかつたが、出てくる音は及第点にも及ばない、汚く、芯の通つてゐない、薄つぺらで軽い音であつた。だが今はそれよりも、すぐ隣に居る佳奈枝の視線が気になつて仕方がなかつた。
「やつぱ二人だと狭いな。と、いふかトロンボーンがでかいだけだわ。俺もトランペット初めようかな、それともバストランペットとか、テナーチューバでも買はうかな」
「B 管のトランペットなら貸すよ?」
「あ、なんか今めつちゃバストランペットやりたくなつてきた。Schagerl のつて、いくらぐらゐなんだらうか。……」
「バストランペットは知らないなあ。百万くらゐ? か、もう少しするかも。……私のでそのくらゐしたから、たぶんもつとかゝると思ふ」
「なるほど〳〵、無理〳〵。諦めた。いや、いけなくはないとは思ふけど、そこまで金を出す情熱はもう無い。……で、楽譜ある? スコアでもいゝけど」
「さつき印刷してきた。譜面台、一つだけしか無いから、我慢してね」
音出しのあひだ、静かにその様子を眺めてゐた佳奈枝が足元に置いてゐた楽譜を譜面台にかけると、
「なんでこんなマニアックな曲を選んだんやねん」
と里也はこれから練習する曲の方に文句を云つた。
それから一時間程度、彼らはカール・ニールセンのフェロー諸島への幻想旅行と云ふ曲を、昔のやうにあゝだかうだ云ひながら練習した。この曲は題名とは裏腹に、幻想的な旅の様子と云ふよりも式典で演奏される様相を呈してゐるのであるが、それでもところ〴〵神秘的な響きが��つて、里也はかなり気に入つてよく聞いた。フェロー諸島と云ふのはアイスランドとノルウェーのあひだにあるまことに美しいデンマークの自治領で、とある雑誌では世界で一番訪れたい島に選ばれたと云ふ。同じく時の作曲家に音楽の題材にされたヘブリディーズ諸島は、写真を見る限りでは緑が少なく殺風景な印象を受けるのであるが、こちらはまさにお伽噺、それも指輪物語のやうな風景が広がつてをり、もしホビットがこの世に居るのならばかう云ふところに住むであらう。ニールセンの曲はさう云ふことを思ひ浮かべながら演奏するとたいへんに気持ちがいゝ。名曲とは云へないかもしれないけれども、演奏会の始まりを意図するのならこれほどまでにぴつたりな曲は無い。
「あゝ、やつぱりダメだなもう。全然上手く吹けないわ」
と、里也は楽器を地につけてすつかり項垂れてしまつた。それは久しぶりに楽器を持つたことによる疲労もあつたが、一番には自分の実力が不足してゐることに落胆したからであつた。
「そんなことないわよ。ちやんと音程も合つてたし、抑揚もついてたし、私は満足よ?」
「いやもう、佳奈枝さんの音についていけてない。と、云ふより圧倒されて、ホールでやつたら俺の音なんて聞こえてこないやろな。もうダメやわ。……」
「ちやつと、……そんなこと云はないでよ。数年間のブランクがあるにしては、かなり上手かつたから、ほら、今度のゴールデンウィークにもまたしましよ? ね?」
と優しく声をかけられて、里也はふと沙霧のことが思ひ浮かんだ。たぶん沙霧はいつもこんな気持なのだらう、そして、例の話を云ひ出す直前には、今の自分のやうに悶々と気持ちを燻らせてゐたのであらう。さう思ふと里也は、一体それで彼女の保護者が務まるのかと自分を激して、口を開いた。
「佳奈枝、一つ話があるんだが、今いゝか?」
「えゝ、いゝわよ。でもゝう少しだけ練習に付き合つてくださる? まだ吹き足りないのよ」
と、云ふ彼女の声を聞いてから、里也は少しだけだからなと云つて、楽器に再び息を吹き込み初めた。
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if軸捏造設定込みの9A(零式)
いつもの様に授業が終わるとリフレに行き、各々に好きなものを食べる。 ナイン、エースもそのうちの1人でお互いにカウンターに座って注文をすると、出来上がりまでの間を話しながら待っていた。 次の休みはどこに行くか、その前に試験だろう、と。 そんな折、ふとエースが料理人の動きをじっと見て一言「...マザーの料理、暫く食べていないな」と洩らした。 「そうだっけか?」 「ああ。最近は任務も多いからなかなかマザーの顔も見に行けないしな」 オリエンス4カ国はパクスコーデックスによる不可侵条約によって理由無き侵略行為を認めず、また、平和の為の協力関係にあった。 エース達が魔導院に入学する前までは互いに領土の取り合いで戦争をしていた事もあったようだが、ここ数年、異常なまでに増殖し続けるモンスターや、外敵からの侵略が増えた事にコンコルディア王国女王、アンドリアの一声によって協定が交わされ、今日に至る。 そうして協定後に魔導院ペリシティリウム朱雀に入学した者達は、合同演習や外敵による実戦演習、べスネル鍾乳洞等のダンジョン内部にて戦闘能力評価で単位を取っていた。 そうして成績が優秀な者から番号の若い順でクラスに振り分けられ、優秀な者からより過酷な任務を与えられる。 エース達、ドクター・アレシアに引き取られた孤児院の子供達は全員戦闘能力に特化しており、極めて優秀な0組に配属されていた。 前述、エースが言っていたように任務が多いと言うのはそれだけ彼らが信頼されている証であり、喜ばしい事なのだが任務完了をして戻ればまた次、という目まぐるしいまでの忙しさにエースは少々疲れ気味になっていた。 マザーの料理が食べたいだなんてよっぽど疲れているんだろう、ナインはフォークを口に加えながらぼんやりとエースの様子を眺める。 食べたいと言ってもマザーも多忙故に会いたいからと言って会える訳でもなし、会えても手料理なんて食べれるかが分からない。 あまりのハードルの高さにどうしたものかとガラにもなく考えていると、同じ様に任務から帰還したのかレムとマキナがリフレの転送魔法陣から出てくる。 「レム...もう少し任務の難易度下げないか?あちこち痛いんだ...」 「ちょっと筋トレ足らないんじゃないのかな?...あっ、エース!ナイン!戻ってたの?」 「お前らも戻ってたのか」 「おかえり、2人とも」 2人を見付けた幼馴染み組はエースの横にマキナ、ナインの横にレムが座って注文を始める。 仲悪いのかコイツら。 しかしさっきまでのぐったり顔は何処へやら。エースの横に座ったマキナはいつもの眩しいくらいの爽やか好青年の表情で任務はどこだったのかと話し掛けている。 「蒼龍ホシヒメと合同で北トゴレスの掃討作戦にあたってたんだ」 「へえ!蒼龍と合同だなんて凄いじゃないか!俺も一緒にやれる日が来るかな...」 「マキナなら平気じゃないか?今回のだって結構ハードだってキングから聞いた」 「あーあれさ、レムと2人で現地着いたらカトル准将とキングが顰めっ面で並んで腕組んで待ってるんだぜ。なんかもうおかしくて任務どころじゃなかった...」 光景を思い出したのか肩を震わせて笑い出すマキナにエースも釣られて控えめに笑う。 どう見ても成人してるとしか言えないキングがカトルと並んでいるだけでもインパクトが強いというのに、更にそこに来て眉間に皺を寄せているのだと言うのだ、これが笑わずにはいられない。 「あんまりに笑いすぎてマキナってば『任務に行く前に少し手合わせをするか』ってキングにボロボロにさせられてたんだよ」 「おっ、おいレム!それは言わない約束だって...!」 「そんな約束知りませーん」 エースとナインを挟んで約束を言った言わないの押し問答をしている2人を尻目に、出された食事を食べながらナインが「老け顔なの気にしてっからな」と言えば、エースは後で言いつけておこうと誓う。 出されたオムライスを一口食べればケチャップライスと柔らかいふわふわ卵にデミグラスソースが絡まって、コクのある優しい味わいが口いっぱいに広がる。 美味しい...んだけど、やっぱり マザーの料理が食べたい。 任務に疲れたのもあるのだろうが、あの懐かしい味が食べたかった。 もくもくと食事を続けるエースは傍目から見ればいつもと何も変わらないが、付き合いの長いナインには違いが分かる。 確実にホームシックのような状態になってるエースをそのままには出来ないナインは背中側で言い合いを続けてる2人に声をかけた。 「おい、痴話喧嘩してっとこわりいんだけどよ」 「誰と誰が痴話喧嘩なんだ?」 「お前とレム」 「待って、やめてナイン。マキナとそんな噂になったらもう私魔導院退学したくなる」 「そんな言い方ないだろ...」 「本当の事だよマキナ。いつまで経っても本命に告白しないヘタレ全開なのに、私に話す時だけはすっごいだらしない顔して可愛いだのなんだの喋ってるじゃない。あ、ごめんねナイン。話があるんだよね?」 今とんでもない事を聞いた気がするが、レムに用件を催促されればナインは頭を掻きながら「後ででもいいか?」と返す。 その様子にレムはエース絡みの話なんだろうと察して笑顔で頷く。 言っておくが、別にレムはマキナと恋人になりたいとは1ミリも思っていない。マキナが本命とやらに告白も何もしないのも楽しんでいるし、本人を目の前にするとやたらとカッコつけたがる癖に何も言えないそのヘタレな性格が弟のように可愛いのだ。 可愛いが故のいじめたくなる性分に我ながら意地悪だなと思うが、しょうがない。 運ばれたビーフシチューに舌鼓を打ちながらナインの話はなんだろうと考えていた。 「えっ料理?!」 「ばっ...声がデケぇっつーの!」 「ご、ごめん」 昼食の後、クリスタリウムに行くと言ったエースと別れたナインはレムの部屋にお邪魔をする形で相談をしていた。 昼食中、何とかしてエースを喜ばす方法がないかと考えたナインが、辿り着いた先の答えは自分が料理を作って食べさせる事。 流石行動する力を持つ男ナイン。 そうと決まれば善は急げと言わんばかりに作ろうと思ったが、何分ナインには料理の経験がない。 だからレムに相談を持ちかけ、話したのだ。 ポケットに両手を突っ込んで照れ臭そうに唇を尖らせてちょっと料理っつーの教えろよコラと話すナインの衝撃と言ったら、あまり動じないレムにショックを与えた。 最初は冗談でも言ってるのかと思ったレムだったが、エースの調子や、エースがホームシックになってる事、エースが元気がない事など、エースの話をこれでもかと聞かされたレムはナインの本気度を知る。 呆れつつもその真摯な様子に心打たれると、マキナごめんねと胸中で呟くと自身の胸をドン、と叩いてにこやかに微笑み私に任せて!と買って出た。 「所で何作るの?」 「...ニワトリ?」 「え?」 エプロンを付ける手が止まる。 冗談なのかと問いただそうとすると、ナインを見れば顎に手を当てて考えているようだ。 「卵焼きか?マザーのやつがちょー美味くてよ、エースも好きなんだよな」 「卵焼きかぁ、なるほど」 「ソイツを作るのにまずはニワトリから必要になんだろ?」 「あっ、うん。大丈夫、卵なら冷蔵庫入ってるから。ニワトリはいらないよ」 「マジかよすげえな」 感心するナ���ンを放っておいて卵を2個取り出すと、コンコン、と角で軽く叩いてヒビを入れ、ボウルの中に中身を落としていく。 殻を捨てたら泡立て器でシャカシャカと音を立てながらかき混ぜる。 ある程度混ぜたところで塩、瑚椒を散らし、フライパンを温める。 「味付けは好みになるから、塩の代わりに砂糖入れてもいいからね」 「砂糖ってなんだコラ」 「そこから?」 油を引いたフライパンに卵を流しながらレムは調味料の瓶を並べていき、順番に指差す。 「砂糖、塩、お酢、醤油、ソース。これが調味料のさしすせそね、ナイン持ってないと思うから暫く私のやつ使ってもいいよ。どっかにレシピの本あったから、最初はそれ見ながらやるといいかも!」 「へー、詳しいんだな」 至って当たり前の事で詳しいも何も無いのだが、考えてみれば0組にいる彼らは編入した自分達とは違って幼少期から戦闘訓練や戦いに関する勉強ばかりしていたと聞く。 おまけに全員孤児で同じ施設で育てられ、そこで親の愛を幼い頃から受けられなかった彼らへ悲しみが浮かぶ。 知らないのも無理ないよね...。 だが、彼らの絆は家族以上のものを持ち、何があっても結束力が高い。 だからこそ今回、ナインが何も知らなくてもエースの為に行動を起こそうとした意思は理解出来る。 レムはなるべく簡単で、美味しいと言ってもらえる料理を教えようと固く誓った。 「はい、こんな感じ!」 皿の上に出来上がった卵焼きを乗せると、包丁で一口大に切り分けていく。食べてみて、とフォークを渡すとナインはそれで刺して口の中に運ぶ。 出来立て特有のふわふわとした食感が広がり、卵の柔らかい味わい��感嘆の声があがる。 「うめえ!」 「ふふ、ほんと?味付けとか結構変えれるから卵焼きって言ってもバリエーションあるんだよね」 「すげえんだな…、てか俺に作れんのかコラ」 「大丈夫!それならこのレム先生に任せて!」 少しでも手伝えたら、そんな気持ちが伝わったのかナインも頼むなセンセー!と歯を見せて笑った。 卵の割り方から始まり、混ぜ方、味付け。どれをやっても大雑把で不器用代表のようなナインは苦労した。卵を割ろうとすれば強く叩きすぎて潰れ、ヒビが入って左右に開こうとすれば殻が混じり、上手く出来ない事に苛立たしげではあったが、それでもナインは文句や泣き言一つ言わずに何度も何度も練習をした。 試験もそれくらい真面目にやれ、とクラサメ隊長の声が聞こえてきそうな真剣な態度に、レムはエースの事が好きなの?と思わず呟いてしまう。 「...あん?」 「あ、えっとほら、エースの為にそんなに真剣にやるのって好きなのかなって」 「好きかって...、そりゃ家族だからな。アイツとはガキん時から一緒だから好きかって言われたら好きだぜ」 「家族だけ?」 「おう、...ってかそれ以外ねえだろ?」 レムとしてはそういう意味で聞いた訳ではなく、恋情として好きなのか聞いたのだが、食い違ってる様子のナインを否定する気はなかった。 「それに、アイツは俺が見てやんねーと我が儘も言わねえで無理すっからな」 愛おしそうにエースの事を話すナインの横顔が酷く穏やかで、自覚こそしてないものの直感で好意を抱いてるのは間違いないと確信する。 不器用で、それでいて真っ直ぐな感情にレムは小さく笑うとそうだね、と返した。 練習開始からはや1時間。 足りなくなった卵を買い出しに行ったり、エースはどこかと聞いて絡んでくるマキナに特に意味の無いビンタをしたり、様子を見ていたデュースやセブンにも手伝って貰ったりとしていると、コツを掴んだナインはメキメキと上達していった。 「...よっ、と」 フライパンを軽やかに振って卵焼きをひっくり返すナインは、1時間前の卵を握り潰していた人間と同一人物とは思えない。 「凄いな、今までで最高の出来じゃないか?」 「ナインさんはやれば出来る子なんです!」 「わーおめでとうナイン!ちゃんと作れてるよ!」 滑らせて皿に乗せるとフライパンをコンロに戻して手首を振る。 何せ1時間ずっと持っていたのだ、疲れるに決まっている。 テーブルにズラッと並ぶ作った卵焼きの数は凄まじく、最初の物であろう卵焼きは焦げていたり、形がぐちゃぐちゃだったりしていた。 それが練習を重ねていく内に焦げは無くなり良い色合いに、形はきちんと丸まっている物になっている。 「よーっし、こいつでいいんだなコラ!」 やりきった顔をして汗を拭うナインは忘れていた。 「ねえ、ナイン。...何か忘れてない?」 「ア?」 「お弁当作るのにおかず卵焼き1個で終わらせるつもりじゃないよね?」 「......」 「まさか忘れていたのか?」 「寝る前までには終わるといいですね」 笑顔のレム、デュース、セブンの3人に何か怖いものを感じる。 これ1個じゃまずいのかと聞こうとすると、ドン!とテーブルにボウルが置かれた。 「はい、ナイン!次はハンバーグだよ!これが終わったらアスパラのベーコン巻き!」 「肉ばかりになるからおひたしも覚えて貰わないとな」 「勿論エースさんにはデザートも食べて貰わないとですね」 有無を言わさない3人に圧倒されたナインは背を伸ばすと、ガラにもなく吃りながら宜しくお願いしますと敬語を使ったのは、魔導院ペリシティリウム入学以来の出来事だったのは言うまでもなかった。 翌日、朝のHRギリギリに教室に入ってきたナインは自分の席に座ると欠伸をして机に突っ伏した。 昨日料理の練習を消灯時間近くまでやっていて、時間が迫ってくる頃には3人も鬼気迫るものになっていた。特にハンバーグのくだりに関してはナインですら恐れ慄くくらいだ。バハムートですらも翼を畳んで逃げる程のスパルタは今後一生、2度と味わいたくないと思いつつも、教壇前の最前列に座る金色の頭を見つめる。 喜ぶかどうかだなんて保障はない。失敗しても笑ってくれればいい、そんな気持ちでクラサメの朝礼の言葉を聞き流す。 その後も身に入らない授業を受けたり、席を詰めてエースにくっつこうとするマキナの頭に返ってきたテストを丸めてをぶつけたりして迎えた昼。昼休みのチャイムが鳴ると同時に席を立つと、エースのいる席へと向かう。 「よお、飯食い行こうぜ」 「ん。リフレに行くのか?」 「いや、今日は持ってきてんだ」 「?」 「購買で飲みもんだけ買えばいいしよ。あ、本持ってくだろ」 「ああ、ありがとう」 エースの荷物も持つと、弁当が寄らないように慎重に気を払いながら歩いていく。視界の端でセブン、デュース、レムが親指を立ててグッジョブと言っていた気がしたがナインは見なかった事にする。 後ろを歩いていたエースが少し小走りで近付いて隣に並ぶのを感じたナインは速度を落とした。たった半日しか離れていない筈なのに、その半日ですら久々に感じる。 「エース、何か買ってやるよ」 「いいのか?」 「おう。背が伸びるし牛乳か?」 「...、今ここでブリザドBOMを至近距離で食らうのとカフェオレ買うのどっちがいいんだ?」 「カフェオレな、カフェオレ」 他愛の無い冗談の言い合いをしながら笑って歩く2人は誰が見ても仲睦まじく、パッと見の不良に拉致られてる大人しそうな少年というイメージを払拭する。 魔導院の中でもナインとエースの仲は折り紙付きでその信頼関係を知らない者はおらず、一見するとエースが守られているだけのようにも見えるのだが、実際はエースが戦いやすい環境をナインが作り、そこをエースが維持しながら戦うというお互いの能力を把握しているものならではだ。 「おし、裏庭誰もいねえな」 「今日は出席してる仲間も割と少なかったからな」 「あー、なんかジャックが言ってやがったな。...なんとかブリッジに竜だかが来たとかってやつ」 「ビッグブリッジな。白虎との共同作戦で魔導院からも結構な人数が出てるらしい」 「白虎はつえーヤツいんのにやっぱキッツいんだな」 「魔法が使えないからな。空を飛ばれると厄介なんじゃないか?」 エースお気に入りの陽の当たるベンチに座ると、ナインは弁当を包んでいる袋(レムから手渡された)を開けた。 見慣れぬ箱にエースはじっとその様子を見ていると、ほら、と渡される。 「これは何だ?」 「開けてみろよ」 言われるままに箱の蓋を開けたエースは中身に驚く。 詰められた白米に、仕切りで区切られた場所には卵焼きとハンバーグ、アスパラのベーコン巻きにほうれん草とコーンの炒め物がそれぞれ綺麗に詰め込まれている。 「えっ...と、これ...」 「あとこいつな。野菜も食わせろって言われたからよ」 話がよく分からないエースに構わず、ナインは小さなタッパーを取り出すとそれも手渡す。 威力を最小に抑えたブリザドMISを保冷剤代わりに使っていたのか、小さな氷塊がコロンと落ちてきた。 驚きを隠せないエースの表情に気付いたナインは、あー、と言いづらそうに後頭部を掻くと昨日のエースが話していた言葉を呟く。 「...卵焼き」 「え?」 「昨日、マザーの料理食いてえって言ってたろ」 「ああ...そうだな」 「マザーみたいにすげえのは作れねえから、卵焼き。...味とかマザーと同じかどうかは自信ねえけどよ」 ぶっきらぼうに話すナインの手は怪我だらけで、それだけでこの男なりに一生懸命やっていたのだろうとすぐに分かった。 ジワリ、と胸のあたりが温かくなる感じにエースは擽ったくなる。 照れ臭いような、恥ずかしいような。 食べるのを待ってるナインは、まるで主人を待つ飼い犬のようでなんだか微笑ましくなってくる。 「...いただきます」 卵焼きを半分にして口に運んだエースはその体勢のまま固まってしまう。 まさか失敗したのかとナインが声をかけようとすると、エースの口から美味しい、と小さな声だが聞こえた。 懐かしそうに瞼を閉じるエース。 幼い頃、近所に住む子達が誕生日などでケーキやチキンといったご馳走を食べているのが羨ましかった。 決して裕福ではない孤児院、我が儘を言ってはいけないと感じていたエースはマザーにケーキはいらないから代わりに甘めの卵焼きを作って欲しいと頼んだ事がある。 牛乳と軽く砂糖を混ぜた卵焼きはほんのり甘く、牛乳のお陰でふわふわとしていて、まるでパンケーキのようだった。 「懐かしいな…、あの時を思い出すよ」 幸せを噛み締めるようにゆっくりと味わう。 あれ程までに食べたかったマザーの手料理を、孤児院の中でも1、2位を争うくらいのガサツな男が自分の為に作った事実。激務で疲労困憊になっていた体に甘さと、ナインからの暖かさがじんわりと浸透していく。 「美味しい」 「ホントか?」 「僕は嘘は言わないさ。...ハンバーグ結構焦げてるな...」 「う、うっせえな!嫌なら食うんじゃねえ!」 真っ黒に焦がしたのは自分でも分かっているのだろう、エースの言葉に噛み付くナインだったが、ハンバーグも一口サイズに箸で切るとその小さな口に運んでいく。 「美味しい...美味しいよ、ナイン」 小さく、ふわりと嬉しそうに微笑むエースにナインはドキッとする。 そこまで喜んで貰えるとは正直想像していなかったが、突貫で練習したもので笑顔が見れるなら安いものだと思う。 ふとレムに言われた言葉を思い出す。家族にしては妙にむず痒く感じる感覚だが、ナインは確かにエースの事が好きだからやって���んだよな、と納得をした。 思わずまた作ってやっから、とポロッと呟けばエースも楽しみにしてると笑っていた。
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宝石のようにきらきらと。
森の國奥深くに存在するあちらとこちらの境に、彼女はいる。
曰く、彼女は人を食らう化物であると。
曰く、彼女は醜い顔をした婆であると。
曰く、彼女は狂人であると。
彼女の姿を見たものがひと握りしかいないせいか、噂ばかりが募って独り歩きする始末である――……。
かさり、かさりと落ち葉を踏む音。
黒い編み込みブーツ、真紅のワンピースに植物の絵柄が刺繍されている黒いマント。
胸元ではマントの留め具である金の飾りが揺れ、その上ではエメナルドのネックレスが光に反射してきらきらと輝いた。
薄いピンクの唇、高い鼻には瘢が散りばめられ、長い睫毛で伏せられた切れ長なタレ目の中心には、ペリドットを埋めたような柔らかな若葉色の瞳が揺れ、夕焼け色をした艶のある髪の毛は襟足辺りで切りそろえられている。
そしてもっている籠の中には沢山の薬草と、怪しげな何か。
かさり、かさり、と彼女は赤い化粧を施した木々の間を縫うように歩き、時折何かを見つけては籠の中に入れ、また足を進める。
随分と歩き、そして何かを見つけたのか彼女はピタリと足を止めた。
「あら、人の子」
彼女の視線の先には薄汚れた、今にも消えそうな白い白い幼子。着物はあちこちが擦り切れ、最早服の意味を成していない。
彼女は籠を地面に置くと、徐にその幼子を抱き上げた。
「しかもアルビノなんて……珍しい。小汚いし枯れ木みたいだけど十分使えるわ。今日はついてるわね、私」
そう言ってクスリと笑うと、彼女の声で目が覚めたのか、幼子の目がゆっくりと開かれた。
そして彼女が彼の瞳を見た瞬間、ほう、と感嘆の溜息が溢れ出た。
「綺麗な薄紅色……」
白い睫毛に飾られたその瞳は、まるでパパラチアのような優しげな桃色。
「これを研究材料として使うのは勿体ないわねぇ」
彼の瞳をうっとりと見つめながらそう呟いた彼女に抱かれている彼は、状況ができないのか、それとも言葉を理解できないのか、首を傾げ、ぼやっと彼女を見つめ返すことしか出来なかった。
アルビノの幼子は、やはり状況が理解できなかったのか、赤髪の女性の腕の中でぽけっと口を開けまま運ばれている。
そんな彼を家まで連れ帰った彼女は、最早ただの布キレと言ってもいい着物を脱がし、魔法で綺麗に洗い、自身のシャツを着せ――無論彼には大きかったのは言うまでもない――、ソファに座らせてひと仕事を終えたような顔をしていた。
綺麗に洗われ、ゆったりとした服に包まれている彼の姿はまるで神の使いの様に神秘的で、淡い雪のような体の中で唯一色を持っている薄紅の宝玉が、いい意味で目立っていた。そして元々可愛らしい顔立ちをしているのであろう、今は痩せこけてはいるが、食事を取ればいつしかその頬も子供特有のふっくらとしたものになる。
当の本人は、少し落ち着かないのか着せられた服を触ったり、匂いを嗅いでみたりと忙しい。
彼女は彼に視線を合わせるようにしゃがみ、サラリと絹のように流れる髪を撫で、額、瞼、頬へと指でなぞった。そして頬を包むかのように掌で覆うと、突然撫でられ驚き目をぱちくりとさせる幼子を覗き込み、にんまりと笑った。
「ふふ、やっぱり綺麗な瞳……アルビノは他のエルフに研究材料として持ってかれることが多いから本当に得したわ。それにしても貴方はどこから来たのかしら?番号が彫られてないのを見ると造られた訳ではなさそうだし、ならどこから逃げてきたとか?いやでもココから人の住まう國まで幼子が歩いてくるにはとてつもなく距離が空いてるしなぁ……」
ぽけっとした表情の彼の頬をやわやわと触りながらマシンガンのように言葉を零す彼女は、ふとなにかに気づいたのか口を閉じ、彼の目をのぞき込んだ。
「……焦点が、合わない……?」
彼の目は彼女を見ているようで見ていない。どこか遠くを見ているような、そんな感じがした。時折ぐっと目に力を入れ焦点を合わせようとする様子を見ると、彼は目が良くないのだろう。
「……ねぇ、貴方。私の顔、見れる?」
ぴくりと反応した彼は、ふるふると首を振った。
試しに、遠くにあるものを見えるかと、壁にかけてある時計を指さすが首を振られ、至近距離で自身が先程身につけていたサファイアのネックレスを見せるも首を振られ。
これは近視でも遠視でもない、彼は恐らく弱視。
しかも眼球振盪も起こしているのか、少し観察してみれば瞳が左右に細く揺れているのが見えた。
彼女は心配になったのか、続けて色覚異常があるかどうかの試験をしてみる――結果は色盲、しかも1色覚と来た。つまり、彼は白黒のぼんやりとした世界を生きている。
この結果に彼女は大きなため息をついた。
「(これはハズレね。いくら見目麗しい幼子だとしても、これじゃあコマ使いにもならないわ……)」
「拾うんじゃなかった……」
「!!」
彼女の言葉に反応した彼は、突然彼女にすがりつくように抱きついた。
「すてないで……! なんでも、するから、へんなものも、みないようにするからっ、だから、だからすてないで、おいていかないで、ころさないで、おねがい……!」
今度は彼女が驚く番だった。初めて聞いた彼の声は小鳥が鳴くような小さく可愛らしいものだが、その口から出てくる言葉は必死の命乞い。
その中で1つ引っかかった言葉があり、彼女は彼を落ち着かせるように背中を叩くと、そっと尋ねた。
「変なものが見えるって言ったわよね? どういうものが見えるのかしら」
幼子は少し喉の奥をひくつかせたが、覚悟を決めたかのように喉を鳴らすと、こう言った。
「ひかりのたまだったり、いぎょうのせいぶつだったり……ここはとくに、ぼくがいたところよりも、そういうのがいっぱいいる……あそこにも、ちいさいはねのはえた、にんげんみたいなのがいる」
それを聞くと、先ほどとは打って変わって彼女はにんまりと口元をあげた。
「ビンゴ」
「へ」
「パピヨン、いらっしゃいよ。この子人間にしては珍しくあなたが見えるらしいわ」
『さっきからその子の話は聞いてるからわかってるわぁ! それと、お生憎様、私達は小さな人間じゃあなくて、妖精よぉ!』
きらきらと鱗粉を散らしながら赤髪の女性の肩に乗り楽しそうに笑うお隣さん。まさか話しかけられるとは思わず���ぽかんと口を開ける彼を、彼女は楽しそうに見て笑った。
「あなたの目が見えないのはしょうがないわ。コマ使いとして使えないのは残念だけれど、もうひとつ、貴方だからこそ進める道がある」
「あなた、魔法使いに興味はあって?」
これが森の賢者と呼ばれる大魔女サージュと、彼女から1番寵愛を受けた、唯一の人間の弟子であるローゼとの出会いである。
ローゼ――薄紅色の君――という安直な名前をつけられた少年が来てから、研究尽くしだったサージュの生活は慌ただしく過ぎていった。
最近では存在すら珍しい、しかもローゼの口振りからすれば恐らく表の世界から迷い込んできた魔力持ちの少年。彼に教えることは彼女が想像してたよりも山ほどある。
最も苦労したのは生活の仕方を覚えさせることだろう。
恐らく彼は生まれ故郷でろくな待遇をされなかったのか、寝床は部屋の隅の隅、食事を出されれば手掴み、シャワーは浴びさせれば突然出てくる生温い水に驚いて逃げ出す始末。出会った頃やけに静かで大人しかったのは矢張り状況を理解できなかったからなのかもしれない。
それに魔法は何でもできるとは言っても、限度がある。彼は人間にしては珍しく魔法使いの素質を持っているが、魔力の保有量の上限はエルフのそれよりも一段と低いもの。彼女と同じように魔法を使用しては、魔力の枯渇により倒れたり、最悪の場合死に至ることだってある。故にこうして生活の基盤は知っておかねばならない重要な事柄の1つなのだ。
何ヶ月も経てば、それなりに慣れてきたのか自分で出来ることは自分でするようになった。言葉もたどたどしいそれからはっきりとした物言いになり始め、元来の明るい性格が垣間見得るようになった。
またそれから1年経てば、彼はすっかり怯えをなくし、異形のものも近付いて良いもの、悪いものを覚え、隣人とも良い関係を築き始めた。
この機会に元々計画していた魔法の基礎をと、サージュは意気揚々とローゼに教えようとしたのだが、彼の障害は様々なところで壁を作った。
まず本が読めない。目事態に問題がある為かメガネを使用しても視力は上がらず、隣人に本を読んでもらっている。幼いおかげで記憶力はいいのか、スポンジのように知識を吸い込んでいくのは良い点だ。
そして明るい場所に出れない。目が眩むのか、外に出るのを嫌がる節がある。そしてアルビノということもあり、肌にも気をつけなければすぐに火傷をしたかのように赤くなってしまうのも難点だ。故に外での材料収集は夜以外は危ない。
何より、色がわからないのは本当に困ったことだった。魔法薬を作るには過程における色の変化が非常に重要なのだが、その色を見れないとなると、魔法薬自体を作れない。嗅覚がいいおかげで、色と共に臭いが変化する魔法薬であればギリギリ作れるが、他はてんでダメ。
幸い勉学に対して非常に貪欲で、知りたいことやりたい事はしつくさないと気が済まない好奇心で研究体質な一面は、サージュにとって素晴らしい物であると感じさせたようだが、様々な問題も同時に彼女に叩きつけられ、中々前に進めない現状にため息が出るばかり。
「(本人は楽しんでやってるし、私も一緒にいて楽しいからいいものの、損したか得したかは非常に微妙な所だわ……)」
サージュは椅子に座り、腕を組んで幻獣や隣人たちと戯れるローゼを横目で見た。
彼は突然内緒話をするように、使い魔とこしょこしょと囁きあうと、こちらをパッと向いて手を振った。
「ししょう!!見ててくださいね!!」
彼はそう言うと、使い魔と躍るように跳ねながら呪文を唱え、持っていた杖で空中を描いた。
すると現れる無数の水の泡。
サージュは目を見開いた。彼には確かに魔法の基礎を教えているが、実践はまだだったはず。
無理な魔法使用は体に障る可能性がある。一言言いたげに口を開いたが、ローゼが満面の笑みで彼女に言った言葉に、より驚く事になる。
「ぼく、ししょうに見てもらいたくてがんばったんですよ!まだこれくらいしかできないけど、ぼく、いつかはししょうみたいなまほう使いになりたいんです!」
「天使か」
「ししょう?」
ハッとしてサージュは自身の口を手で塞いだ。頭の中で思ってただけな筈なのに口から漏れていたと気付いた時には既に遅し。傍で彼女の使い魔のパピヨンがぷくくっと吹き出し、彼女の肩に寝そべった。
『あの森の賢者と言われるサージュ様がぁ? たった一人の人間の小童に絆されるなんてぇ? めっずらしいじゃないのぉ?」
「お黙んなさいよパピヨン……私だってこんな拾い物が私を変えるだなんて思ってなかった」
彼女達がなんの話をしているのか気になったらしい幼子は、パタパタとかけてくると美しいパパラチアの瞳でサージュを見上げた。
彼女は少し慣れない手つきで頭を撫でると、もっと撫でて欲しいと言わんばかりに頭を押し付けてくるローゼ。その様子を見てだらし無く笑うサージュ。
「きっと愛おしいって、こういうことなのかしら」
���なにか言いましたか?」
「いいえ、何でもないわ」
そう言って彼女はローゼを抱き上げ、瞼に軽く口付けを落とし、膝の上に乗せた。
ぽんぽんと規則正しく幼子の背を優しく叩けば、安心したのか眠たそうにうとうとし始める彼。まだ体力が少ないからか、魔力の行使には酷い疲れが伴う。先程出した水の泡も、習いたてにしてはよくやった方だ。
「(もしローゼの目が良くなれば、もっと色々なことができるようになる。魔法も、きっと世界だって広がる)」
「(彼の目、どうにかしてあげたいわね)」
眠りについた、まだミルクの匂いが残る幼子をサージュはぎゅっと抱きしめた。ローゼを育てていく覚悟ができたらしい彼女の目は、爛々と輝いていた。
幾年、時が過ぎた。ある秋の夜、少年へと育った彼に、サージュは黒いマントを着せた。しっかりと手を繋ぎ移動魔法を唱え着いた先は大きな大木の前。
久しぶりの外出が楽しみなのか、少し落ち着きのないローゼとはぐれない様に繋いだ手を引っ張るサージュ。ローゼはハッとすると彼女の意図に気づいたのかピタリと横にくっつき歩いた。しかし目は正直なもので、きょろきょろと辺りを見回している。
妖精の通り道なのか、夜にもかかわらずきらきらと淡く輝く大きな大木の洞穴の先に、木製の小さな扉があった。サージュがコンコンとその戸を叩くと、中から嗄れた老人の声がした。
「こんな夜更けに、どなたかな」
「夜分遅くに失礼するわイレーナ。サージュなのだけれど、この扉を開けてはくれないかしら」
「さ、サージュ様?!」
酷く驚愕したのか、若干引き攣ったように声を上げた老人と、なにかか倒れガシャーンっと割れる音。たたたたっと足音が近づいてきて、バーンッと勢いよく開けられた扉の先には、
「サージュ様! いらっしゃる時は連絡をくださいとあれほど申し上げましたのに!」
ローゼ程の背丈の、重たげな三つ編みを右肩に垂らした少女がいた。
「ごめんなさいね、イレーナ。しかし貴方も大概ね、未だに玄関前での応答では老婆の声を使うだなんて」
「これとそれとは話が別ですよ! 全くもう!」
どうやら老婆の声の正体はイレーナと呼ばれた彼女だったらしい。フリルのついたブラウス、胸元には爽やかな青いサファイアの飾り留めがついた夜色のリボンタイ、深い海色のミニスカート、黒いブーツは作業用なのかちょっと汚い。そして彼女の全身を覆う小豆色をしたマントは、着ているよりかは着させられているようにも見える。藍色の大きくくりっとした目は愛らしく、頬を膨らませたり、ブンブンと腕を振るといった態度は、彼女をより子供っぽく見せていた。
ローゼもまさかあの声の正体が自分と同じくらいの少女だとは思わなかったのか、唖然としていたが、リスのようなつぶらな瞳を向けられ、驚きのあまりサージュの背に隠れた。
「その子は一体?」
「私の弟子。だから貴女の弟弟子ね」
「弟子?!」
「しかも人間でアルビノよ」
「嘘ォ?! レア物じゃないですか!!」
突然の報告に口をあんぐりと開けたイレーナは、ブンブンと頭を振って、半分顔を出しているローゼを穴が空くほど見つめた。居心地が悪いのか、ローゼはサージュのマントをぎゅっと握って再び背に隠れてしまう。
「こらローゼ、初対面の人に会ったらどうするんだったかしら」
「……挨拶と、自己紹介」
「そうね。大丈夫よ、イレーナは変人だけど貴方に危害を与えるような子ではないわ。ほら、出て来なさい」
そう言われ、おどおどと背から出てきたローゼ。そして前を向くと、パァっと目を輝かせたイレーナと目が合った。吃驚するも、一回深呼吸をし、口を開く。
「師匠の弟子の、ローゼです」
「! あっ、えっと私はイレーナ=ヴァン=レイって言うの! 森の國で唯一人間を研究している第1級魔法使いだよ! 宜しくね!」
パーッと顔を明るくすると、興奮しているのか早口気味に自己紹介をしたイレーナは、ローゼの手を取ってブンブンと振った。握手のつもりなのだろう、しかしその細腕は思ったよりも力強く、振られる度ローゼの体も揺れた。
自己紹介も程々に、研究所の中へ招き入れたイレーナ。綺麗好きなサージュは、実験後必ず後片付けをする為散らかってもないし、一見するとおばあちゃんの家のような雰囲気なのだが、それと比べるとイレーナの家は正反対とも言える。ローゼは長い廊下��途中で見えた実験室を見て唖然とした。蝋燭で照らされた部屋は、あちらこちらで書物山、実験して失敗したものもそのまま、材料やその残骸は机の上に散乱していた。魔女の家そのものである。
そんな実験室を抜け、客室に入った。こちらは比較的綺麗に整えてあるらしい。端で分厚い本が積みかさなっているのに目を瞑れば。
サージュとローゼは部屋の中心にあるソファに座った。続いてイレーナも手前にある一人用の小さなソファに座る。
「それで今回はどんなご用で? もしかしてその人間についてでしょうか?」
「流石ね、そうよ。是非あなたの力を借りたいの」
そう微笑みながらサージュがイレーナに告げると、嬉しそうに身をくねらせて「森の賢者とも言われるサージュ様に頼られるだなんて感激ですぅ」と言葉を零している。そしてローゼはまさか自分の為にここに来たとは露知らず、サージュを二度見した。
「し、師匠どういうことですか」
サージュはそう尋ねたローゼの肩を掴み、自分の元へと引き寄せ真剣な表情でイレーナを見つめた。彼女もこれは只事ではないと、だらしのない顔を引き締めて見つめ返す。
「ローゼの目を治したいの。この子は見ての通りアルビノ、目が弱いという事は書物からの情報で知っていたけれど……この子の場合は弱視と一色覚でね」
「弱視に一色覚ですか、これまた厄介な……」
「魔法に関しては本当に目がいいの。魔力の質も洗練されてて良質なものだわ。弱視は眼鏡をかけさせてあげればどうにかなる、でも一色覚、そしてそれによる弱視は……どうにもならない」
「だから私を訪ねたんですか? その子に鮮明な景色と色を見せるために」
「えぇ、そうよ」
イレーナは額に人差し指を添え、暫く何かを考えている様子。5分経ってもその状態は変わらず。静かな客間に、当人は罪悪感を感じ始めたのか、彼は悩み続ける彼女におずおずと口を開いた。
「あの、イレーナ様……そして師匠も。……僕は別に色なんて見えなくても大丈夫です。目が弱いのも、大丈夫です。今までも大変なことはあったけれど何とかなりましたし、これからも気をつけて行けば、きっと。こんな僕の目のせいで、貴女方を悩ませたくない」
俯いてそう呟くように告げたローゼを、サージュは容赦なく叩いた。「ぐぇっ」とカエルが潰れるような声がした。サージュは頭を抑えて悶えるローゼの頬を手で包み、無理やり顔を上げさせた。
「ローゼ、自分のことを『こんな』だとか言わないことよ。貴方はこの私が認める最高の弟子、最高の弟子に何かを与えたい、困っていたら助けてあげたいと思うのは師匠として当たり前のことだわ。もう一度『こんな僕』だなんて言って見なさい、実験の材料にしてやる」
ペリドットの瞳の奥に見え隠れした怒りの炎に体を強ばらせたローゼは、しゅんとして「申し訳ございません」と小さな声で謝ると、手前にいたイレーナが困ったように笑った。
「サージュ様は相変わらずですね」
「私の弟子なのだから、自信を持つべきよ」
「そうですね、何しろこの國で王の次に強いとされていますし、ローゼ君は素晴らしい師匠の元で魔法を学べることを、そして自分を誇るべきですよ。そしてローゼ君」
「はい」
「魔法使いの世界に限らず、この世界には色が溢れているの。例えば――春には色とりどりの花が咲き、夏には青々と茂る草木が風で揺れ、秋には黄色く赤く化粧をした葉が山を染め、冬は一面銀色の雪景色。空だってそう。朝は優しい薄紅から始まって、昼は爽やかな群青色で元気が溢れ、夕方になれば真っ赤な夕焼けと黄昏て、夜は深い深い紺色で包まれる。そんな素敵な世界を白と黒、しかもぼんやりとしか見えないだなんて、本当に損をしているよ。色は魔法薬を作るにあたってもとっても大事だけれど、私たちの人生にも彩りを与え、そして豊かにしてくれるもだもの。
私も、サージュも、貴方に是非この世界の美しさを見てもらいたいんだよ」
暫く話し合い、イレーナは本棚から何冊か分厚い本を取り出すとサージュに渡した。サージュは有り難そうにそれを受け取ると、ローゼも小さな声ではあるが感謝の念を伝え、移動魔法でその場を去った。
イレーナは誰もいなくなった客間のソファに横たわり、ふーっと溜息をつく。緊張の糸が切れたかのようにダラダラとしていると、奥の扉から背の高い青年が現れた。同じ髪色、同じ目の色、髪型も同じだが、彼女よりも少しツリ目気味な目は涼し気で、エルフにしては高すぎる身長に比べて細い体は少し頼りなさそうにも見える。防水加工がなされているのか、つるつるとした黒いツナギを纏った青年は、ブランケットをイレーナに掛けた。
「イレーナ、おつかれさん」
「ん、ありがとうナハティス」
にぃっと笑った彼女を指で弾くと、ナハティス――イレーナの双子の弟も悪戯っ子のように笑った。
「しっかしま、今回はよく我慢できたね。人間のアルビノは個体数が少ないが故に実験とか観察といった類の研究結果が少ないんだろう?買おうとは思わなかったのか?」
「私も最初はそうしようと思ったよ。でもサージュ様のあの溺愛っぷり見たでしょう?研究以外に殆ど何も関心を示さなかったあの方が、あんなに自分の弟子を愛して育ててるんだよ? あんなの引き離せるわけないじゃんか……」
「人間狂いとも呼ばれてんのに珍しいこって」
「私だって我慢くらいできるわ失礼な! 」
「ほーへーそー」
「あぁぁーーーーもうナハティスこの野郎からかいやがってーーーー!!」
ソファから起きあがって、涼しい顔で逃げるナハティスを鬼の形相で追いかけるイレーナ。時折水風船が割れたような音もする。彼らの夜はまだまだ始まったばかりだ。
サージュはイレーナから渡された書物を元に、研究漬けの毎日を送っていた。色覚異常の症状、メカニズムを調べ、足りない部分用に魔法を作り、弱視用の眼鏡にかける。
初めはそれで成功すると彼女は確信していたが、結果は否。そもそも一色覚による弱視は網膜に問題があるため、眼鏡をかけても視力は治らない。その上全色盲は全てを補わなければいけない。タダでさえ新しい魔法を作るだけでも月日がかかるというのに、ここまで手間のかかるものであると、その苦労は計り知れないモノだ。
徹夜で魔力を練る毎日。幾ら魔力量が他の人より多いからと言って、休み無しの実験は体力を奪う。
ギリギリまで実験を繰り返し、倒れる寸前で眠りにつく。ローゼはサージュの邪魔をしない程度に世話を焼き、家事全般を行った。
数年経てば、彼の魔法の腕はかなりのものとなった。元々限りなくこちら側であったローゼは、慣れさえすれば息をするように魔法を使いこなせるようになる天才型だ。
いつものように朝食を作り、サージュの元へ届けると、実験室も机でうつぶせになって眠る彼女を見つけた。
目の下にクマをつくった彼女は、いつもの様な飄々とした表情ではなく、小さな幼子のように口を開けてよだれを垂らして久しぶりの睡眠を取っているようだった。
「(今日でたしか徹夜7日目だったかな……)」
彼は、彼女の頬にかかった髪を指でそっと退けた。すると、擽ったそうに彼女は身を捩り、ふにゃりと赤ん坊のように笑った。
師匠の見たこともない表情に、頬に触れていた指先をピクリとさせると、徐々に顔を赤らめるローゼ。胸に手を当て、ドクドクと勢いよく流れる自身の心臓を感じると、彼は困ったように口元を��めた。
「(駄目だ、これは駄目なやつだ)」
それは開けてはならないパンドラの箱。そもそも人間とエルフである彼女の流れる時間は違いすぎる。ふーっと自身を落ち着かせるために深呼吸をし、朝食を空いてるスペースに置いて彼女を抱き上げた。よほど疲れているのか起きる気配はない。
実験室の奥の彼女の私室を開け、ベットに彼女を下ろすとそっと布団をかけた。
「おやすみなさい、師匠」
ローゼは額に軽く口付けを落とすと、静かにその部屋から立ち去った。
「……まったく、こまったこなんだから」
1人、ベッドの上でぽつりと呟いたサージュは、布団を頭の上まで被り、再び眠りに落ちた。
カーテン越しの朝日が、ほんのりと部屋を照らした。
「さぁローゼ、ここに座って頂戴な」
サージュはローゼの手を取って、木の椅子に座らせた。そして目を閉じるように言い、彼の目蓋が下りたのを確認すると、そっと顔の形を確かめるように皮膚を撫でた。
サージュよりも小さかった彼も、既に齢50。いつしかサージュの身長を優に超え、シワも増え、初老の男性へと変貌した。
だけど彼女の愛は依然として変わらない。白銀色のさらさらとした髪、伏せられた長い睫毛、その中で輝くパパラチアの瞳、少しカサつく白い肌、小心者な性格に似合わず大きな体――その全てが愛おしい。
そしてそっと目蓋に口付けを落とすと、手を離した。
「(貴方の愛に答えられなくてごめんなさいね)」
サージュはそう心の中で謝罪をすると、懐から銀色の縁をした丸い眼鏡を取り出すと、メガネチェーンを彼の首にかけ、今度はそっと眼鏡を耳にかけた。
「師匠」
「まだよ、焦らないでね」
そわそわとしだした彼を牽制すると、彼女は少し離れて眼鏡がズレてないかを確認し、うんうんと頷いた。
「よし、いいわ。ゆっくり目を開けて――……」
ふるふるっと彼の目蓋が震えると、ゆっくりとその目は開かれた。そして、かつて無いほどその目を大きく見開くと、ポタリと雫が目から零れた。
初めて目にするその景色を、彼は一生忘れないだろう。
暖かい木の色で作られた部屋、白いレースの��ーテンと、窓から入る緑色の木漏れ日、鉢に植え付けた植物には色とりどりの花が咲き、花の蜜を狙って、小鳥たちが遊びに来る。妖精の通り道はキラキラと虹色に光り、ローゼの様子を見に来た隣人たちは、ニコニコと笑って彼の周りを飛んでいる。
そして、彼の前で慈母のように笑うサージュ。
「(彼女が見える。優莉のように赤い髪も、森のように深い翠の瞳も、肌にちりばめられた小さな瘢や、薄く紅で色づいている唇も、全部、全部。ぼやけてなんかない、鮮明に、見える)」
彼は歓喜で震える両手でサージュを抱き締めた。
そんな彼を優しく抱き締め返し、泣き止まない幼子をあやすかのように背中を撫でる彼女。
世界は宝石のようにキラキラと輝き、彼を祝福した。
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上司が嫌いな部下を好きになることはあるのでしょうか?会社の既婚上司と変な雰囲気になってしまい元に戻ろうと必死です。元々この上司には嫌われていましたが、一度少人数の会社の飲み会に参加したときに目の前に上司がいてそこでかなり話が合ったのと、私が仕事中と違いかなりフランクだったようでそれを気に入って貰えたようでした。そこから私、上司、もう1人でとかの3人で飲みに行くようになりました。しばらくして上司が他部署に異動することになりました。そこから様子がおかしくなり、新しくくる上司と仲良くならないで欲しいなとか、仲良くなったら浮気ですよとか言い出すようになりました。どうしたんだろうと思っていましたが上司はそのまま異動しました。その間も仕事のラインはしょっちゅう来ていましたし私もしていました。それから1ヶ月後私もその上司がいる部署に異動することになりました。これは元々上司が異動する前から決まっていたようでした。異動してから2人で飲みに行くことが増え、次また同じ部署で働くことがあったらその時は抱かせてくださいねと言われたり、私が職場の人を異性として見れないと話すと僕は君を女性としてみてるよと言い出すようになりました。最終手を繋がれてこれはおかしい!と思い、上司に接触はやめましょう!と話し合いをしました。上司は確かにあれはダメだね…と言って苦笑いしていましたが、結局また後日飲みに他部署の新年会に参加したときに上司が頑張って盛り上げていて、その帰り僕頑張ったよね?ギュってしてと言ってきました。仕事中もかなり優しく甘い感じがするので周りからも付き合ってるのでは?と噂が立てられていてかなりやりにくくなってしまいました。なぜこんなことになってしまったのかわかりません。ただ上司ばかりが悪いわけではないんです。私も手を繋がれたとき振り解けませんでした。自業自得です。ですが上司と部下の関係でさらに最初かなり嫌われていたのに好意なんて芽生えるものなのでしょうか?これ以上関係を進めたくないので会社には報告済みです。
もう心がお腹いっぱいです… 自分をコントロール出来ずに出てくる何かで心がいっぱいです。自分を変えよう変えようでこうしようこうしようこうすればいいかなぁ。お正月中これからの事今の事考えて来ました。でもいざ学校が始まって部活が始まるとどんどん苦しくなってきてそれを誤魔化すようにそんなことばっか考えちゃうからいけないんだ。ほかのこと考えよってやって来ました。でもふとすると誤魔化してきたのが頭の中にドバドバ流れてきてそしてまた誤魔化して…の繰り返しです。保険室の先生、スクールカウンセラー、親。相談したことはあります。色々な悩みについて…だけど何となく相談した後少し引かれたり、余計に気を使われたり、こんな事もありそれ以来誰にも話せなければ会う度に何となく怖いという感情が浮かんで来てしまい緊張してしまいそれを隠すので精一杯になってしまいます。久しぶりの学校で体もすぐ疲れてしまって体調も良くない日が続いていて、そのせいで今のようになってるのかもしれないですが…苦しいです。母親と会話するのも何となく凄い気を使ってしまったり、怖くて声が出なかったり、でコミュニケーションは必要最低限です。しかも、話しかけても軽く返されるだけなので基本は部費や定期や演奏会の参加費などお金が必要な時だけです。お金お金言ってるせいかバイトもできないと知っていながらお小遣いもないし、言ってもくれないしで吹奏楽でお金がかかる時顧問が出してお金待ってくれたりしています。なんで私は生まれたのですか。幸せなんてどこにもない。毎日毎日思ってることを否定され、認めてもらおうと勉強を頑張ってもあっそ扱い…なにをかてに生きていけばいいんですか。なんで。毎日毎日お金が無いお金が無い…我慢もできない。親はそれをよそめに趣味者も健康食品を毎日のように買ったり、やりたい放題…なんでこんな親の子に生まれたんですか。なんで普通じゃないんですか。普通に愛されたかったです。かまってもかばってもほしかったです。なんで普通じゃないんですか。愛されたい。可愛いねって言われたい。褒められたい。ここでしか書けるところないので許してください。
貯金について質問します。 私は今中学3年です。高校に上がったら、バイトをするので今色々調べています。四月から、お小遣いや携帯代、文具、服、遊び代、塾等、 食費以外バイトをして、そのお金から出すことになっています。 私が月に貰っているお金は、5000円+塾の交通費(塾の時用の緊急用のお金)です。あと、夜ゴミ出しとか行くとたまに、30円とかもらえます。高校の学費は払って貰える事になっていて、大学は自分で払って行く事になっています。私は大学に行きたいので、大学費用をちょっとでも貯金しようと考えているのですが、携帯は高校生になったら持たないと思っていま��。(私はネットで買い物が好きなので辞めれるかなと)でも、バイトをするにあたっても携帯は持っていないと不便だし連絡用にも持っていたい気持ちもあります。料金の安いガラケーでも良いかなとも考えています。大学に向けて塾も行きたいし、たまには服も買いたいな、なんて思います。私には、姉がいるのですが食費以外、全て自分でまかなっています。でも、たまに服買ったり友達と出掛けたりもしています。携帯も持っています。来年は大学生なので、大学の体験の時も、新幹線に乗って行って、遠い時は泊まって行ったりしています。それもバイト代を切り崩して行ってるみたいです。聞けば、それなりに貯金もあるそうです。姉の生活は、かなり充実しているように私にはみえます。かなりやりくり上手だと思います。私も姉みたいに、やりくりを上手く出来るのか心配です。姉は大学に受かったら、一人暮らしするらしく、そうなると、食費や家賃も自分で出すようなって仕送りや援助もないです。(奨学金を少し借りるみたいです。)私はかなり心配です。本気で貯金しないとヤバイなと思っています。 でも、私は貯金がかなり苦手です。気づけばお金を使っています。何か貯金出来る方法はないですかね?私が今考えているのは、お金の記録(いくら使ったか何に使ったか等)をつけるぐらいしか思いつきません。貯金上手な方ややりくりがうまい方、コツを教えて下さい。宜しくお願いします。
自閉症?7ヶ月半の息子について。7ヶ月半の息子がいます。生後1ヶ月の頃から違和感がずっとあり心配しています。運動面の発達は早く、2ヶ月半で寝返り、4ヶ月半でズリバイ、6ヶ月半でタカバイ、一人座り、つかまり立ち、伝い歩きをしていますが精神面の発達が心配です。(不安な点)・目が合わない(〜5ヶ月頃まで)・お腹が空いた時、眠い時以外は私が居なくてもずっと一人遊びしている・人見知りしない・呼んでも10回に1回くらいしか振り返らない(変な声で呼ぶと1回で振り返る)・1時間以上、一人遊びしていて、転んで泣いた時に呼びかけたらこっちを見たのでくるかと思ったら素通りしてオモチャのところへ… ・意思の疎通が全く出来ない感じがする・手遊び嫌い、抱っこしてもすぐどこかにハイハイで行ってしまう・真似たり、人の動きをじっと見たりが無い。人に興味がなさそう・喃語はかなりあるが、物に向かって話していて、こっちが話かけても無視。(安心な点)・目が合い、私が笑うと笑う・お腹が空いた時、眠い時は私以外の抱っこだと大泣きし、後追いする・縦抱きすると、眠い時は必死にしがみついてくる・つかまり立ち、伝い歩きはつま先もかかともしっかりつけている・つかまり立ちやハイハイの途中、ほんのたまに振り返り目が合うと笑う・お座りを覚えてからは、落ち着きが出てきて座ってしばらく遊んでいる・水の流れや回る物に興味が無いみたい・たかいたかい、ハンカチでいないないばぁで笑う。育休中ですが、万一自閉症なら少しでも側に居てあげたいので、フルタイムの正社員をやめてパート等にしたいなぁと思っています。まだ7ヶ月半なので分からないと思いますが、息子のような子でその後は普通に育ったケース、やっぱりなんらかの障害だったケース、教えて頂きたいです。手遊び、絵本、語りかけ、抱っこ、全部逃げられてしまい淋しいです。妊娠中から、後追いは大変だなぁと思いつつ、ママ、ママと甘えてきてくれるのが楽しみだったので、凹み気味な毎日です。息子との関わり方が分からずに居ます。
質問ですが、児童相談所とはどういうところですか?長くなります。私は高1で、バイトを掛け持ちしていますが、5月からバイトを始めても現時点での貯金は15万程です。今までの給料を 計算すると、30万は超えます。貯金が少ないのは生活費に充てているからです。私は自身の進学、または就職した後の引っ越し代や生活が安定するまで使うであろうお金を貯めています。私は父と祖母との3人暮らしですが、彼女のいる父はその彼女の家へ行って、生活費も入れず彼女と、その子供と毎週遊びへ出掛けます。生活費も入れてくれません。祖母もバイトをしています。しかし祖母は食費に多くお金を使っています。私がバイトをし始めた事で確かに前より生活は豊かになりました。彼女が出来るまではパチンコばかりで私に手を上げていた父も優しくなり、生きていく為に必死で私の話を聞いてくれなかった祖母も、話を聞いてくれるようになりました。しかし、私は私の夢があり、その夢を諦める事になったとしても高校を卒業したら私はこの場所から出ていきたいのです。私は実は自傷行為をしています。縫うほどの傷もありましたし、薬の大量服用もしました。精神科にも行き、病名もあります。薬も処方されています。状態の酷かった私はカウンセラーを勧められ、そのカウンセラー代があまりにも高かった事から私はその病院に行くこともやめ、もう半年行っていません。しかし、冬になり気分が憂鬱になると、やはり私も反抗期なのか、父に対する嫌悪感や、祖母に対する怒り、そして自分と自分が今置かれている理不尽な境遇を嘆き自傷行為をするようになりました。私は明るい生活がしたいです。友達と遊びたいです。5日学校2日バイトの生活はとてもきつくてつらいです。仲のいい友達が遊んで、ゲームにお金を費やし自分の将来の心配をしなくてもいい程の家族に恵まれていて、その上で私に優しくしてくれるので、私はその友達への感謝の気持ちと憎しみの気持ちがあって、突然泣き出してしまったりもします。だから、国が運営している児童相談所なら、無料でカウンセラーをしてくれて、1日1食のゼリーと栄養剤しか飲み食い出来ない私の心身の健康を保障してくれるのではないかと考えました。先生にも児童相談所を勧められていて、1度親と離れて生活してみてはどうかと言われていますでも厳しい監視下の中自傷すら出来ないという事は私の精神が保つかも分からないです。だから不安に思いました。児童相談所に相談しようかどうか迷っています。どのような措置、対応をするのかも気になります。出来るだけ詳しく教えて下さったら嬉しいです。ここまで読んで下さりありがとうございます。解答、宜しくお願い致します。
贈与税等について質問させてください。私はゲイで、同性のパートナー(3月末で退職し来年度より収入0円)に専業主夫になってもらい同棲することにしました。 ちなみに、渋谷等で始まった「同性パートナー証明書」は取得してませんし、取得しない予定です。パートナーは私の扶養にできるわけもなく、食費・家賃等必要経費の他、国保・年金も全て私の収入より支出する予定です。関係は中途半端で不安定ということもあり、万が一のために私の収入の一部をパートナーに渡し貯金させることにしました。この際、貯金用資金の他、贈与税の課税対象になるのは、どの範囲までなのでしょうか?また、私達のような関係で税制上気をつけなければならないことはありますか?
今年二十歳になった男子です。私は今告白すべきかどうか迷っています。今から5年前、中学生の時、同級生に好きな女の子がいまして、その子に一度告白しました。 しかし、フラれてしまい自棄で「成人式であなたが認めてくれるような男になる、それからもう一度告白する!」と本人の前で言ってしまいました。今思い出せば恥ずかしい限りです。約束した手前、きちんと成人式で告白すべきでしょうが、友人などにこのことを相談すると「別に、もともと彼氏だったわけでもないのにもう一度告白するなんていかがなものか。それよりもこの5年でやっと治ってきた関係がもう一度壊れるかもしれないよ」と言われ、告白しませんでした。 ”このことについて皆様はどう思われるでしょうか。”あと、2月のはじめごろにその子ともう一人共通の友人を交えてご飯を食べに行くことになりました。こんなことは今回が初めてで、もし彼女が5年前のこの出来事を覚えていてこれを企画したのかと思うと、申し訳なさと「言わなければ」という使命感で苦しいです。”やはりフラれてもいいという覚悟でけじめをつけるべきなんでしょうか”皆様よろしくお願いいたします。ちなみに今も私は彼女のことが大好きです。補足:皆様の回答を読ませていただき、今回は「好きです」という告白はなしにしようと思います。5年前のことについて「もし覚えていてくれて、それが原因で新しい恋に進めなかったのだとしたら、ごめんなさい。」と謝るだけにしようと思っています。ただ、諦めた訳でもなく、今後はきちんと食事などにお誘いをしていい関係を築いていきたいとも思って居ます。これは女性の方から見るとどう思われるのでしょうか。ただ諦めの悪い人だと感じられるのであったら考え直すつもりです。
近所のママづきあい疎外感を持たれた方、どう乗り越えましたか? 未就学児を持つ同級生、同性の分譲地家のご近所のお付き合いの仕方に相談です。住宅街の7件位の真ん中に我が家があります。私も気軽に遊べるママ友は欲しいのですが(残念ですがまだ出来ていません)地元の先輩ママや母が近所で仲よくして妬まれた事や物を盗った、盗らない等で子供同士の関係が悪化したり悩んでたことを見ていたので、なるべくご近所とは親は挨拶程度が理想で子供が小学生になれば子供同士仲良く遊んでくれたら思っていました。我が家は幼稚園年中の息子が居るのですが少し前まで人見知りで下の子がまだ2歳で活発なので家の前ではなるべく遊ばせず公園などで遊ばせていました。ご近所さんは同じく小さい子もいるのですが保育園や小学生な��帰園時間が遅くなるので夕方6時ごろから外遊びをたまにされていました。我が家は寝る時間も早くご飯の時や家にいる時は無理せず、でくわした時に子供は遊んでいただいた事はあります。私は井戸端会議は苦手ですし、下の子もいるのでそちらについていることが多かったです。最近その親子たちも子供が成長するにつれ裏の家の人たちやどんどん仲良くなってきたようでバーベキューをされたり(うちは私が井戸端会議などあまりしないからか誘われていない)知らない間に同じ習い事に行かれたようで、決まった時間から子供たちの○○君バイバイ―言う声や遊び声が聞こえてきます。カートの音が聞こえたりします。住宅街なのでよく聞こえるので長男も気づきます。だれか遊んでいるねと、もう暗いのに。と言ったり、僕も外で遊びたいな。と言ったりします。ですがが冬なので暗くうちは出してあげることができません。その様子を見ているとうちは取り残されていて。右端の同い年の親子は少し遅れて引っ越してこられて同じ幼稚園に行くのですが、もう片方の人とすでに仲良しだからか挨拶しても会釈だけだったりです。声をかけられる事が有っても園の質問、頼み事をされるとささーと消える感じです。子どもの事を考えると不憫で申し訳なく思うのですが、かといって車でおでかけしたりする輪に入れて貰えるきもしないし、入れてもらえても仲が悪化した時の事を考えると私には出来そうにないです。春になると明るくなるし、もっと外の声も活発聞こえてきそうです。私は疎外感を感じるのは平気なのですが子供たちの今後を考えると不安です。特に下の子は同じ年の子に家が挟まれているので仲間はずれにされないかとか、今から心配で家事もろくに手もつかず夜も眠れません。暗い気持ちになってしまい、子育てにも余裕がなくなってくるので子供達のためにも明るく悩まないようにしたいです。よろしければ皆さんご意見やアドバイスいただけないでしょうか。
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貯金について質問します。 私は今中学3年です。高校に上がったら、バイトをするので今色々調べています。四月から、お小遣いや携帯代、文具、服、遊び代、塾等、 食費以外バイトをして、そのお金から出すことになっています。 私が月に貰っているお金は、5000円+塾の交通費(塾の時用の緊急用のお金)です。あと、夜ゴミ出しとか行くとたまに、30円とかもらえます。高校の学費は払って貰える事になっていて、大学は自分で払って行く事になっています。私は大学に行きたいので、大学費用をちょっとでも貯金しようと考えているのですが、携帯は高校生になったら持たないと思っています。(私はネットで買い物が好きなので辞めれるかなと)でも、バイトをするにあたっても携帯は持っていないと不便だし連絡用にも持っていたい気持ちもあります。料金の安いガラケーでも良いかなとも考えています。大学に向けて塾も行きたいし、たまには服も買いたいな、なんて思います。私には、姉がいるのですが食費以外、全て自分でまかなっています。でも、たまに服買ったり友達と出掛けたりもしています。携帯も持っています。来年は大学生なので、大学の体験の時も、新幹線に乗って行って、遠い時は泊まって行ったりしています。それもバイト代を切り崩して行ってるみたいです。聞けば、それなりに貯金もあるそうです。姉の生活は、かなり充実しているように私にはみえます。かなりやりくり上手だと思います。私も姉みたいに、やりくりを上手く出来るのか心配です。姉は大学に受かったら、一人暮らしするらしく、そうなると、食費や家賃も自分で出すようなって仕送りや援助もないです。(奨学金を少し借りるみたいです。)私はかなり心配です。本気で貯金しないとヤバイなと思っています。 でも、私は貯金がかなり苦手です。気づけばお金を使っています。何か貯金出来る方法はないですかね?私が今考えているのは、お金の記録(いくら使ったか何に使ったか等)をつけるぐらいしか思いつきません。貯金上手な方ややりくりがうまい方、コツを教えて下さい。宜しくお願いします。
自閉症?7ヶ月半の息子について。7ヶ月半の息子がいます。生後1ヶ月の頃から違和感がずっとあり心配しています。運動面の発達は早く、2ヶ月半で寝返り、4ヶ月半でズリバイ、6ヶ月半でタカバイ、一人座り、つかまり立ち、伝い歩きをしていますが精神面の発達が心配です。(不安な点)・目が合わない(〜5ヶ月頃まで)・お腹が空いた時、眠い時以外は私が居なくてもずっと一人遊びしている・人見知りしない・呼んでも10回に1回くらいしか振り返らない(変な声で呼ぶと1回で振り返る)・1時間以上、一人遊びしていて、転んで泣いた時に呼びかけたらこっちを見たのでくるかと思ったら素通りしてオモチャのところへ… ・意思の疎通が全く出来ない感じがする・手遊び嫌い、抱っこしてもすぐどこかにハイハイで行ってしまう・真似たり、人の動きをじっと見たりが無い。人に興味がなさそう・喃語はかなりあるが、物に向かって話していて、こっちが話かけても無視。(安心な点)・目が合い、私が笑うと笑う・お腹が空いた時、眠い時は私以外の抱っこだと大泣きし、後追いする・縦抱きすると、眠い時は必死にしがみついてくる・つかまり立ち、伝い歩きはつま先もかかともしっかりつけている・つかまり立ちやハイハイの途中、ほんのたまに振り返り目が合うと笑う・お座りを覚えてからは、落ち着きが出てきて座ってしばらく遊んでいる・水の流れや回る物に興味が無いみたい・たかいたかい、ハンカチでいないないばぁで笑う。育休中ですが、万一自閉症なら少しでも側に居てあげたいので、フルタイムの正社員をやめてパート等にしたいなぁと思っています。まだ7ヶ月半なので分からないと思いますが、息子のような子でその後は普通に育ったケース、やっぱりなんらかの障害だったケース、教えて頂きたいです。手遊び、絵本、語りかけ、抱っこ、全部逃げられてしまい淋しいです。妊娠中から、後追いは大変だなぁと思いつつ、ママ、ママと甘えてきてくれるのが楽しみだったので、凹み気味な毎日です。息子との関わり方が分からずに居ます。
質問ですが、児童相談所とはどういうところですか?長くなります。私は高1で、バイトを掛け持ちしていますが、5月からバイトを始めても現時点での貯金は15万程です。今までの給料を 計算すると、30万は超えます。貯金が少ないのは生活費に充てているからです。私は自身の進学、または就職した後の引っ越し代や生活が安定するまで使うであろうお金を貯めています。私は父と祖母との3人暮らしですが、彼女のいる父はその彼女の家へ行って、生活費も入れず彼女と、その子供と毎週遊びへ出掛けます。生活費も入れてくれません。祖母もバイトをしています。しかし祖母は食費に多くお金を使っています。私がバイトをし始めた事で確かに前より生活は豊かになりました。彼女が出来るまではパチンコばかりで私に手を上げていた父も優しくなり、生きていく為に必死で私の話を聞いてくれなかった祖母も、話を聞いてくれるようになりました。しかし、私は私の夢があり、その夢を諦める事になったとしても高校を卒業したら私はこの場所から出ていきたいのです。私は実は自傷行為をしています。縫うほどの傷もありましたし、薬の大量服用もしました。精神科にも行き、病名もあります。薬も処方されています。状態の酷かった私はカウンセラーを勧められ、そのカウンセラー代があまりにも高かった事から私はその病院に行くこともやめ、もう半年行っていません。しかし、冬になり気分が憂鬱になると、やはり私も反抗期なのか、父に対する嫌悪感や、祖母に対する怒り、そして自分と自分が今置かれている理不尽な境遇を嘆き自傷行為をするようになりました。私は明るい生活がしたいです。友達と遊びたいです。5日学校2日バイトの生活はとてもきつくてつらいです。仲のいい友達が遊んで、ゲームにお金を費やし自分の将来の心配をしなくてもいい程の家族に恵まれていて、その上で私に優しくしてくれるので、私はその友達への感謝の気持ちと憎しみの気持ちがあって、突然泣き出してしまったりもします。だから、国が運営している児童相談所なら、無料でカウンセラーをしてくれて、1日1食のゼリーと栄養剤しか飲み食い出来ない私の心身の健康を保障してくれるのではないかと考えました。先生にも児童相談所を勧められていて、1度親と離れて生活してみてはどうかと言われていますでも厳しい監視下の中自傷すら出来ないという事は私の精神が保つかも分からないです。だから不安に思いました。児童相談所に相談しようかどうか迷っています。どのような措置、対応をするのかも気になります。出来るだけ詳しく教えて下さったら嬉しいです。ここまで読んで下さりありがとうございます。解答、宜しくお願い致します。
贈与税等について質問させてください。私はゲイで、同性のパートナー(3月末で退職し来年度より収入0円)に専業主夫になってもらい同棲することにしました。 ちなみに、渋谷等で始まった「同性パートナー証明書」は取得してませんし、取得しない予定です。パートナーは私の扶養にできるわけもなく、食費・家賃等必要経費の他、国保・年金も全て私の収入より支出する予定です。関係は中途半端で不安定ということもあり、万が一のために私の収入の一部をパートナーに渡し貯金させることにしました。この際、貯金用資金の他、贈与税の課税対象になるのは、どの範囲までなのでしょうか?また、私達のような関係で税制上気をつけなければならないことはありますか?
今年二十歳になった男子です。私は今告白すべきかどうか迷っています。今から5年前、中学生の時、同級生に好きな女の子がいまして、その子に一度告白しました。 しかし、フラれてしまい自棄で「成人式であなたが認めてくれるような男になる、それからもう一度告白する!」と本人の前で言ってしまいました。今思い出せば恥ずかしい限りです。約束した手前、きちんと成人式で告白すべきでしょうが、友人などにこのことを相談すると「別に、もともと彼氏だったわけでもないのにもう一度告白するなんていかがなものか。それよりもこの5年でやっと治ってきた関係がもう一度壊れるかもしれないよ」と言われ、告白しませんでした。 ”このことについて皆様はどう思われるでしょうか。”あと、2月のはじめごろにその子ともう一人共通の友人を交えてご飯を食べに行くことになりました。こんなことは今回が初めてで、もし彼女が5年前のこの出来事を覚えていてこれを企画したのかと思うと、申し訳なさと「言わなければ」という使命感で苦しいです。”やはりフラれてもいいという覚悟でけじめをつけるべきなんでしょうか”皆様よろしくお願いいたします。ちなみに今も私は彼女のことが大好きです。補足:皆様の回答を読ませていただき、今回は「好きです」という告白はなしにしようと思います。5年前のことについて「もし覚えていてくれて、それが原因で新しい恋に進めなかったのだとしたら、ごめんなさい。」と謝るだけにしようと思っています。ただ、諦めた訳でもなく、今後はきちんと食事などにお誘いをしていい関係を築いていきたいとも思って居ます。これは女性の方から見るとどう思われるのでしょうか。ただ諦めの悪い人だと感じられるのであったら考え直すつもりです。
近所のママづきあい疎外感を持たれた方、どう乗り越えましたか? 未就学児を持つ同級生、同性の分譲地家のご近所のお付き合いの仕方に相談です。住宅街の7件位の真ん中に我が家があります。私も気軽に遊べるママ友は欲しいのですが(残念ですがまだ出来ていません)地元の先輩ママや母が近所で仲よくして妬まれた事や物を盗った、盗らない等で子供同士の関係が悪化したり悩んでたことを見ていたので、なるべくご近所とは親は挨拶程度が理想で子供が小学生になれば子供同士仲良く遊んでくれたら思っていました。我が家は幼稚園年中の息子が居るのですが少し前まで人見知りで下の子がまだ2歳で活発なので家の前ではなるべく遊ばせず公園などで遊ばせていました。ご近所さんは同じく小さい子もいるのですが保育園や小学生など帰園時間が遅くなるので夕方6時ごろから外遊びをたまにされていました。我が家は寝る時間も早くご飯の時や家にいる時は無理せず、でくわした時に子供は遊んでいただいた事はあります。私は井戸端会議は苦手ですし、下の子もいるのでそちらについていることが多かったです。最近その親子たちも子供が成長するにつれ裏の家の人たちやどんどん仲良くなってきたようでバーベキューをされたり(うちは私が井戸端会議などあまりしないからか誘われていない)知らない間に同じ習い事に行かれたようで、決まった時間から子供たちの○○君バイバイ―言う声や遊び声が聞こえてきます。カートの音が聞こえたりします。住宅街なのでよく聞こえるので長男も気づきます。だれか遊んでいるねと、もう暗いのに。と言ったり、僕も外で遊びたいな。と言ったりします。ですがが冬なので暗くうちは出してあげることができません。その様子を見ているとうちは取り残されていて。右端の同い年の親子は少し遅れて引っ越してこられて同じ幼稚園に行くのですが、もう片方の人とすでに仲良しだからか挨拶しても会釈だけだったりです。声をかけられる事が有っても園の質問、頼み事をされるとささーと消える感じです。子どもの事を考えると不憫で申し訳なく思うのですが、かといって車でおでかけしたりする輪に入れて貰えるきもしないし、入れてもらえても仲が悪化した時の事を考えると私には出来そうにないです。春になると明るくなるし、もっと外の声も活発聞こえてきそうです。私は疎外感を感じるのは平気なのですが子供たちの今後を考えると不安です。特に下の子は同じ年の子に家が挟まれているので仲間はずれにされないかとか、今から心配で家事もろくに手もつかず夜も眠れません。暗い気持ちになってしまい、子育てにも余裕がなくなってくるので子供達のためにも明るく悩まないようにしたいです。よろしければ皆さんご意見やアドバイスいただけないでしょうか。
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こんばんは。私は20代の女子ですが、コーデのことで質問させて頂きたいと思っています。買物デートのコーデを考えているのですが、新しい物は買えないので手持ちので考えています。★クリーム色っぽい膝丈のダッフルコート★膝丈のブラウンのチェックワンピ(袖なしで背中にファスナーがあるタイプです)★マスタードイエローより少し淡いタートルニット★黒のリュックサック★黒のタイツ今悩んでいるのは靴をどうしようか考えています。持っている物は…・コンバースのハイカットスニーカー(グレー)・ナイキのスニーカー(ベースは黒、サイドに赤っぽい蛍光色)・ブラウンのショート丈ブーツ(ヒール無し)また、タートルニットは白も持っているのですが白の方がいいのでしょうか?靴以外にも何かアドバイスなどあれば、宜しくお願いします。
長文&感情的 バレーは下手くそでも技能的に頑張らなければ味方から認められませんか?学校でバレーの授業をしていて、先生がチーム分けを行い、試合をしました。私は運動音痴なのですが、音痴なりに頑張ってボールを取りに行こうとすると味方がボールをとりに来ます。もう少し離れたボールはその味方はとりに来ません。「私が取る範囲だな」と思って取りに行くと間に合わなかったりボールが変��ところにとんでいってしまったりするのですが、数人の味方からは「ちゃんと取ってよ下手くそ」と言いたげな視線しかとんで来ません。以前、「打とうとしてるボールを奪いに来るのをやめて欲しい」と伝えてもやめてくれません。先生も似たようなことを何度か言っていますがやめてくれません。家や外で練習をしたくても練習できる場所もボールもないので練習が難しいです。さらに私は1つのことをするときに1つのことしか考えられません。声を出していれば味方がボールを奪いに来ないというのは予想できますが、ボールを打つのに集中しながら声を出すことができません。次にまたバレーをやるのなら、その授業の後で先生にチームを変えて貰えないか交渉するつもりですが、変えて貰えなかったらと思うと…「また陰で下手くそって言われるんだろうな…」と思うとしんどいです。考えたくなくてもふと思い出しては悲しくなります。休みたくても休む理由がなく、仮病を使う訳にもいかず、体育の成績をキープしなければいけないのです。今のメンバーで「下手くそなりに頑張った」と思われることはできますか?
学歴でしか男を評価できない彼女。僕の彼女は学歴でしか他人を評価できません。「私は○○大学以上の大学卒業の人じゃないと付き合わない」、「MARCHは男として失格レベル」という感じです。僕はずっと彼女のことが好きでした。だから慶応大学卒と偽りました。付き合えるようになったのはその結果です。でも、嘘つくのって辛いじゃないですか?だから僕は正直に「慶応大学卒は嘘、本当は専修」と話すことにしたんです。その瞬間彼女の僕を見る目が変わりました。まるでゴミを見るようでしたね。 「専修なんてありえない。男として恥ずかしくないの?」彼女の反応がこれですよ。僕も学歴詐称していたことに怒るならまだ納得できたんですよ。でも、彼女は僕が低学歴だから怒ったんです。もうどうしたらいいんでしょうか?こんな彼女とは別れてしまった方がいいんでしょうか?
私の父は浮気をしています。酒、煙草、ギャンブル全てする、親と認めたくないような父親です。これを読むことによって気持ちが重くなるかもしれません。そのことは母から直接聞きました。私が小さい頃に母は父から暴力を受けていて鬱病にもなり何度も死にたいと思ったそうですが私のために、私を残して死ぬことはできないと思い留まったそうです。今でも父を恨んでいるため、幼い頃からずっと父親への皮肉や悪口を聞き続けてきました。今も仮面夫婦で籍は入っているが家の中ではただの同居人と母は言っています。私が片親と言われないために一緒に暮らしてると。仕方ないことだと分かっていますが、「あの人に似ているところが一つでもあったら気が狂いそうになる」などの言葉を聞く度に複雑な気持ちになります。私は今高校一年生で、幼い時からずっと続けている習い事があり将来もその道で行きたいため両親から月に10~20万円お金をつぎ込んでもらっています。父は勿論そのことに対して大不満で辞めてしまえ、ともいいますが酒飲みの父もビールから発泡酒に変えたり色々努力(…?)して くれているような気もします。しかし、私が母と会話をしているときや、何か喋ったらそれを遮るように「お前には才能ないから」「頭悪いんやから黙っとけ」アホ、ボケ、カス私を侮辱することを言ってきます。私は誰の遺伝子を受け継いだのか塾を通わずに中学校の時から学年でトップの成績でいられたし、習い事の方も順調で、祖父母からは何をしてもソツなくこなすと褒められるので余計に悔しいです。(すみません。自慢とかではないので、すみません。)それに比べ父は高卒の低学歴。収入こそはほかの家よりも多いですが、父のDNAが入ってなかったらもっと何でもできたのにと恨んでいます。そこで我慢出来なくなった私は「うるさい」と言うと母が 「子供なんやから黙ってなさい。」と父の味方をしました。いつも母の味方をしているから裏切られたような気持ちでした。黙ってなさいって言っても父の悪行などはすべて母からですし、初めにも述べたとおり浮気のことも母から言われるまで知りませんでした。そのことを知らなかったら今のような腸が煮えくり返ると言うか、こんなにも憎しい感情は芽生えてなかったはずです。長々と申し訳ありません。つい感情的になり言いたいことをただ綴っただけの駄文になってしまいましたが、このままこの家で生きていくのが辛いです。私のためにお金を注ぎ込んでくれていることに対しては感謝していますが心から感謝できません。これから私はどういう対応をしたらいいか、同じ経験をした方、そういう方を知っている方、なにか対処法などアドバイスいただけると幸いです。ストレス発散法なども教えて頂きたいです。身体的虐待を受けている訳でないのでどこに相談をしても良いのか分からないためここに投稿させて頂きました。毎日泣きながら寝る夜を早く卒業したいです。
借金問題について教えてください。現在25歳。私は3年前に借金を作り現在返済中です。サラ金3者より150万程クレジット+オートローンで50万円程借りております。私事で勝手ではございますが数ヶ月前に退職をし新しい職場で働いております。以前の職場では社宅を利用しており、給料も現在の職場よりは良かったです。今現在はアパートを借り給料も前職より少ない状況です。家賃、借金返済で給料が無くなる状況により滞納や利息のみの支払いが頻繁に続いている状況です。そもそもの借金は買い物癖や旅行といった事に使用しておりましたが少なくともギャンブルも絡んでおります。借金をする時は安易な気持ちでしたが今では後の祭りで物凄く後悔しております。過去を振り返っても借金が減る訳では無いので地道に返済するしか無いとは思いますがこの生活が続く事への不安で日々悩んでおります。甘い考えかもしれませんが今の職場が大好きで働く事への充実感もあり、もっと給料の良い職場への転職等は考えておりません。当然ですが延滞、利息のみの支払いが続き催促の電話が頻繁です。何かを切り詰めて返済をする事が当然の事とは思いますが先の見えない不安な毎日を過ごしたくありません。本題ですが、借金の相談を考えております。色々調べてはおりますが弁護士?司法書士?どちらに相談すれば良いのか。どの様な手続きがあるのでしょうか?また3年にという期間の借り入れで相談する事によって変化はあるのでしょうか?ご回答頂ければ幸いです。過去の反省とこれからの為に取り組む所存です。宜しくお願い致します。知恵をお貸し下さい。
私は現役不登校児です。私は、今年、中学校に入り部活にも入りました。しかし、その部活での様々な人同士でのいじめ・先生などが不満?っぽくなってしまい夏休みには全然部活に行けなくなりました。 個人的には私は自分の意見をしっかりといえないタイプだと思います(親がその逆です)友達に優しく接していたら逆に悪口を言われました。しかし、それを止めてくれる子もいました。その子にはとても感謝しています。しかし、二学期が始まる最初の日に体調が悪くなったり、行くのが怖いどころじゃなくなって結局休んでしまい今日まで来ています。私は学校に行かなくなってはじめの方では不登校っちゃ不登校だけど怠けてるんじゃねと自分に言い聞かせていました。しかし、しばらくして自分も不登校だと受け止めました。私は、学校に行かなくなってから、相談室の先生とメールをやっていましたが、しばらくして消されました。正直よくわからないですがはじめのほうは辛くて悲しかったです。インターネットなどを見ていると不登校児に対する悪口などをよく見かけます。私も不登校になる前まではその人たちと似たような考えでした。今でもたまにそう思います。でも、辛いです。はじめのほうは親になんとなくは話せていましたが最近じゃ言う気にもなれません。学校では、サボりじゃんとみんな言っていると友達から言われました。私は学校に行きたい気持ちは少しですがあります。でも、やっぱり怖くて行けません。私は、学校に行けて、そしてちゃんと学校生活を送れるのでしょうか。きっと、人に相談することではないとは思います。でも、今では何も考えれないです。少しでも、アドバイスなどありましたらお願いします。長文失礼しました
高校卒業後の進路の事で悩みがあります。私は高校3年生です。JASSOの奨学金の第2種を一番高い金額で申し込んであります。将来アスレティックトレーナーになりたいので、その資格が取れる学校を受験する予定でした。なのに父が「俺は金は一切払わないから、学費は全額 奨学金とバイトでまかなえ」と言い出しました。私が住んでいる県には資格が取れる学校が無いので 他県の学校を受験するしかないのですが、その場合生活費も奨学金でなんとかしろと言われています。正直 絶対無理です。私の認識では、奨学金はあくまで一部援助してくれる借金であって、学費や生活費を全部払うためのものでは無いのですが、私が間違っているのでしょうか?また、父は受験料や移動費も払ってくれないそうです。そんな事を言われたら、どこも受験できません。受験生なのに勉強する気も失せてしまいそうです。愚痴なのですが、そんなにお金が無いと言われても納得がいきません。父は自衛官です。私の友達はご両親の収入は二人合わせても年収300万もないそうです。でもその友達は奨学金も借りていないし他県に何度も大学の見学に行っているし、東京の私立の学校を受験するそうです。私の父は国家公務員で 失礼ですが 友達のご両親よりも収入は遥かに高いです。なのに受験料すら払ってもらえないとは。こんな事を言っている私は 性格が悪いのはわかっているのですが、どうしても納得できません。担任の先生に相談しても、そういうのは家庭の事情だからと 話を聞いてくれません。父とはどれだけ話し合っても なかなかわかってもらえません。いや、わかってはいるのかも知れませんが、「おまえが何と言おうが金が無いから諦めろ。他の選択肢は無い」の一点張りです。このまま父の言う通りにするなら高校卒業後は何を目標にして何をして生きて行くのでしょう。お先真っ暗って感じです。私はもうどうすれば良いのかわかりません。本当に悩んでいます。ご回答よろしくお願いします。
40代、50代の男性に質問です。私は現在29歳独身です。今、好きな人がいて、相手の男性は49歳バツイチです。彼に子供はいません。向こうも好きだと言ってくれるのですが、20歳も歳の差があるのを気にしています。私の家庭は、私が幼い頃から両親は別居していて、家庭内不和の末、私は精神疾患を発症しました。私が成人してから両親は離婚し、同時期に兄弟は実家を離れ、母と二人暮らしです。私は結婚願望もあり、当初は、30近いから結婚を前提に付き合ってくれるなら付き合いたいと、彼に話していました。歳の差、離婚を経験している事や彼の両親が介護施設に入所しているのを踏まえると、今はよくても将来、必ず一方的に苦労をかけるから迷ってると言われてしまいました。彼の意見は現実的でごもっともです。また、私は自身の両親を見ていて、家庭内不和や一家離散を目の当たりにし、病気もしてるのに自活できている今の生活も十分だと思います。私は、結婚は考えなくていいから彼と交際したいです。病人だから、もう結婚は諦めてるとも伝えています。彼は、私と知り合うまでは、誰とも交際したり再婚しないと考えてたそうです。お互い好きなのに、結婚はもう考えなくていいと話しているのに、どうして付き合えないのでしょうか。
僕は四年間付き合った彼女とネットで知り合った女の子と会おうとしてたことで喧嘩をして別れました。別れてから僕はその子に会いに行ってその後やり取りして付き合うことになったのですが、1ヶ月もしないうちに僕の心の中には元カノの存在があることに気づき、その子と別れました。でも元カノのところには簡単には戻らなそうです。元カノは別れる時会いに行かないなら別れないから行かないでって泣いてました。でもそれをどーせ何しても別れないだろーと思って無視して会いに行きました。最低でした。元カノとは高校も大学も同じで今もたまに見かけます。別れて直後はご飯も食べれないし夜も眠れない、学校もサボりがちになっていたみたいでした。でも最近は毎日通ってるみたいだしなんか元気そうというか、付き合ってた時より交友関係も広くなってて、夜に友達と遊びに行くなどもしているようです。正直何度か今まで僕の女関係が原因(体の関係はない)で別れて付き合ってを繰り返してきたので今回もそんな感じで戻れると思って連絡したのですが、メアドも帰られていてLINEもブロックされており、電話も繋がりません。やばいです。元カノは唯一ネット以外で知り合い、一番長く付き合った彼女です。一番可愛くて優しかったです。会いたいといえば何時間もかけて会いに来てくれたり、お金なくても一緒にいれればいいみたいな感じで僕はそれに甘えてたのかも知れません。自分で言うのも何ですが元カノは僕に相当惚れてたと思います。今から土下座して謝りに行けば少しは可能性ありますか?友達にもお前に付き合えるのは彼女しかいないし、彼女を逃したのはデカすぎると言われました。後悔でいっぱいです。
嫁が2人目を妊娠した事を僕の実家には言いたくない。と言い出しました。元々嫁は僕の家族が嫌いで 親戚も嫌っています。嫁の実家には報告済み。子供も嫁の実家には行くのに僕の実家には連れて行こうとしません。誘われても断るように言われています。嫁抜きで子供と2人で実家に行こうとしましたが怒って実家に帰っちゃいました。しばらく両親は子供に会ってません。今後どうすればいいでしょうか?嫁はお祝いもいらないし祝福もしていらないし会わすつもりもない。親戚に公表するつもりもない。 と断固拒否です。理由は言ってくれませんが僕の兄弟の嫁といざこざがあったのかもしれません。今後どうすればいいのでしょうか?補足:回答頂きありがとうございます。嫁は子供が産まれても言うつもりはないし会わせないと言っています。後から知ったら両親はなんて思うか…遠くに引越したいのですが2人目も生まれますし今すぐには難しいです。
何かに一生懸命になれる人が羨ましいです。何が彼らを一生懸命にするのか?私は劣っている人間です、いわゆる不良品頑張ったところで所詮は中の下くらいです。上には上がいます、もちろん下には下があります。頂点に立つには日々苦労をして、血と汗を流しながら達成感を求めてひたすら頑張るのでしょう。たとえ頑張ったところで頂点に立つ事が出来るのは1%未満でしょうけど。漫画だと「努力すれば報われる」とか言いますがあれは嘘ですね。私が普通になる努力をしたところで所詮は普通、当たり前な事、むしろ普通の人が少し努力をすれば簡単に追い越す事が出来るのです。なぜ?皆は私に普通であるように言いました普通になったら更に上を求めるの?皆が普通である事を望み私も普通である事に何か利点があると思い普通になった。普通になったら何も無かった、もしかしたら利点はあるのかもしれないが普通では見つける事が出来ない?これなら普通で無かった方が良かったのではないか?普通でなくても自分で出来る何か特化した事を求めた方が良かったのではないか?これまでの10年間無駄だったのではないか?普通になった事で皆から期待を寄せられる事になった最初は全ての人が期待の目で見てくる、その後は必ず失望した目に変わる。言葉にされなくても分かる、今まで散々その目を見てきたから。今は他人が怖い、他人の目が私を傷つけてくる、他人が怖く人との接触が怖くなり今は家族も怖い沈黙した秒数、目の動き、発した言葉、顔の表情この4つで相手の私への本音が読み取れてしまう。仕事は半年続けましたが皆のイラつきがわかり怖くなり退社1年ほどバイトをしながら生活をしているがバイトも長続きしない、病院に行きたいがお金がない、友達には仕事しろと言われていますが仕事をしたとしてもバイトでさえ長続きしないのにと思います。病院に行っても甘えと判断される。他人と対した時、少しでも普通でなければならない普通を演じてしまうのでそう判断されるのかもしれない。もしかしたら医者が言っている甘えが正しく、単に普通でないのを言い訳にしているだけなのかもしれない。どちらにしてももう疲れた、考える事に疲れた。皆さんの知恵を貸して頂けませんか?私は今後何をすればいいんですか?完全な普通にもなれず、常人並の事でさえ出来ない私に何を求めているんですか?
私はお金がない、と言われる家庭に育ち、常にお金のことを考えてきました。お金のことで悩んだり考えたりする結婚だけはずっと避けたいと思っていました。今お付き合いしている彼はいわゆるケチで、常にお金のことを言ってきます。結婚に理想を抱きすぎかもしれませんが、お金持ちになりたいとかではなく、ケチケチした、貧乏生活は送りたくないというだけです。物欲はなく、買い物も全然しません。彼からは結婚を申しだされていますが悩んでいます。しかし親からも早く結婚して落ち着いてほしいと言われ揺らいでいます。
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こんばんは。私は20代の女子ですが、コーデのことで質問させて頂きたいと思っています。買物デートのコーデを考えているのですが、新しい物は買えないので手持ちので考えています。★クリーム色っぽい膝丈のダッフルコート★膝丈のブラウンのチェックワンピ(袖なしで背中にファスナーがあるタイプです)★マスタードイエローより少し淡いタートルニット★黒のリュックサック★黒のタイツ今悩んでいるのは靴をどうしようか考えています。持っている物は…・コンバースのハイカットスニーカー(グレー)・ナイキのスニーカー(ベースは黒、サイドに赤っぽい蛍光色)・ブラウンのショート丈ブーツ(ヒール無し)また、タートルニットは白も持っているのですが白の方がいいのでしょうか?靴以外にも何かアドバイスなどあれば、宜しくお願いします。
長文&感情的 バレーは下手くそでも技能的に頑張らなければ味方から認められませんか?学校でバレーの授業をしていて、先生がチーム分けを行い、試合をしました。私は運動音痴なのですが、音痴なりに頑張ってボールを取りに行こうとすると味方がボールをとりに来ます。もう少し離れたボールはその味方はとりに来ません。「私が取る範囲だな」と思って取りに行くと間に合わなかったりボールが変なところにとんでいってしまったりするのですが、数人の味方からは「ちゃんと取ってよ下手くそ」と言いたげな視線しかとんで来ません。以前、「打とうとしてるボールを奪いに来るのをやめて欲しい」と伝えてもやめてくれません。先生も似たようなことを何度か言っていますがやめてくれません。家や外で練習をしたくても練習できる場所もボールもないので練習が難しいです。さらに私は1つのことをするときに1つのことしか考えられません。声を出していれば味方がボールを奪いに来ないというのは予想できますが、ボールを打つのに集中しながら声を出すことができません。次にまたバレーをやるのなら、その授業の後で先生にチームを変えて貰えないか交渉するつもりですが、変えて貰えなかったらと思うと…「また陰で下手くそって言われるんだろうな…」と思うとしんどいです。考えたくなくてもふと思い出しては悲しくなります。休みたくても休む理由がなく、仮病を使う訳にもいかず、体育の成績をキープしなければいけないのです。今のメンバーで「下手くそなりに頑張った」と思われることはできますか?
学歴でしか男を評価できない彼女。僕の彼女は学歴でしか他人を評価できません。「私は○○大学以上の大学卒業の人じゃないと付き合わない」、「MARCHは男として失格レベル」という感じです。僕はずっと彼女のことが好きでした。だから慶応大学卒と偽りました。付き合えるようになったのはその結果です。でも、嘘つくのって辛いじゃないですか?だから僕は正直に「慶応大学卒は嘘、本当は専修」と話すことにしたんです。その瞬間彼女の僕を見る目が変わりました。まるでゴミを見るようでしたね。 「専修なんてありえない。男として恥ずかしくないの?」彼女の反応がこれですよ。僕も学歴詐称していたことに怒るならまだ納得できたんですよ。でも、彼女は僕が低学歴だから怒ったんです。もうどうしたらいいんでしょうか?こんな彼女とは別れてしまった方がいいんでしょうか?
私の父は浮気をしています。酒、煙草、ギャンブル全てする、親と認めたくないような父親です。これを読むことによって気持ちが重くなるかもしれません。そのことは母から直接聞きました。私が小さい頃に母は父から暴力を受けていて鬱病にもなり何度も死にたいと思ったそうですが私のために、私を残して死ぬことはできないと思い留まったそうです。今でも父を恨んでいるため、幼い頃からずっと父親への皮肉や悪口を聞き続けてきました。今も仮面夫婦で籍は入っているが家の中ではただの同居人と母は言っています。私が片親と言われないために一緒に暮らしてると。仕方ないことだと分かっていますが、「あの人に似ているところが一つでもあったら気が狂いそうになる」などの言葉を聞く度に複雑な気持ちになります。私は今高校一年生で、幼い時からずっと続けている習い事があり将来もその道で行きたいため両親から月に10~20万円お金をつぎ込んでもらっています。父は勿論そのことに対して大不満で辞めてしまえ、ともいいますが酒飲みの父もビールから発泡酒に変えたり色々努力(…?)して くれているような気もします。しかし、私が母と会話をしているときや、何か喋ったらそれを遮るように「お前には才能ないから」「頭悪いんやから黙っとけ」アホ、ボケ、カス私を侮辱することを言ってきます。私は誰の遺伝子を受け継いだのか塾を通わずに中学校の時から学年でトップの成績でいられたし、習い事の方も順調で、祖父母からは何をしてもソツなくこなすと褒められるので余計に悔しいです。(すみません。自慢とかではないので、すみません。)それに比べ父は高卒の低学歴。収入こそはほかの家よりも多いですが、父のDNAが入ってなかったらもっと何でもできたのにと恨んでいます。そこで我慢出来なくなった私は「うるさい」と言うと母が 「子供なんやから黙ってなさい。」と父の味方をしました。いつも母の味方をしているから裏切られたような気持ちでした。黙ってなさいって言っても父の悪行などはすべて母からですし、初めにも述べたとおり浮気のことも母から言われるまで知りませんでした。そのことを知らなかったら今のような腸が煮えくり返ると言うか、こんなにも憎しい感情は芽生えてなかったはずです。長々と申し訳ありません。つい感情的になり言いたいことをただ綴っただけの駄文になってしまいましたが、このままこの家で生きていくのが辛いです。私のためにお金を注ぎ込んでくれていることに対しては感謝していますが心から感謝できません。これから私はどういう対応をしたらいいか、同じ経験をした方、そういう方を知っている方、なにか対処法などアドバイスいただけると幸いです。ストレス発散法なども教えて頂きたいです。身体的虐待を受けている訳でないのでどこに相談をしても良いのか分からないためここに投稿させて頂きました。毎日泣きながら寝る夜を早く卒業したいです。
借金問題について教えてください。現在25歳。私は3年前に借金を作り現在返済中です。サラ金3者より150万程クレジット+オートローンで50万円程借りております。私事で勝手ではございますが数ヶ月前に退職をし新しい職場で働いております。以前の職場では社宅を利用しており、給料も現在の職場よりは良かったです。今現在はアパートを借り給料も前職より少ない状況です。家賃、借金返済で給料が無くなる状況により滞納や利息のみの支払いが頻繁に続いている状況です。そもそもの借金は買い物癖や旅行といった事に使用しておりましたが少なくともギャンブルも絡んでおります。借金をする時は安易な気持ちでしたが今では後の祭りで物凄く後悔しております。過去を振り返っても借金が減る訳では無いので地道に返済するしか無いとは思いますがこの生活が続く事への不安で日々悩んでおります。甘い考えかもしれませんが今の職場が大好きで働く事への充実感もあり、もっと給料の良い職場への転職等は考えておりません。当然ですが延滞、利息のみの支払いが続き催促の電話が頻繁です。何かを切り詰めて返済をする事が当然の事とは思いますが先の見えない不安な毎日を過ごしたくありません。本題ですが、借金の相談を考えております。色々調べてはおりますが弁護士?司法書士?どちらに相談すれば良いのか。どの様な手続きがあるのでしょうか?また3年にという期間の借り入れで相談する事によって変化はあるのでしょうか?ご回答頂ければ幸いです。過去の反省とこれからの為に取り組む所存です。宜しくお願い致します。知恵をお貸し下さい。
私は現役不登校児です。私は、今年、中学校に入り部活にも入りました。しかし、その部活での様々な人同士でのいじめ・先生などが不満?っぽくなってしまい夏休みには全然部活に行けなくなりました。 個人的には私は自分の意見をしっかりといえないタイプだと思います(親がその逆です)友達に優しく接していたら逆に悪口を言われました。しかし、それを止めてくれる子もいました。その子にはとても感謝しています。しかし、二学期が始まる最初の日に体調が悪くなったり、行くのが怖いどころじゃなくなって結局休んでしまい今日まで来ています。私は学校に行かなくなってはじめの方では不登校っちゃ不登校だけど怠けてるんじゃねと自分に言い聞かせていました。しかし、しばらくして自分も不登校だと受け止めました。私は、学校に行かなくなってから、相談室の先生とメールをやっていましたが、しばらくして消されました。正直よくわからないですがはじめのほうは辛くて悲しかったです。インターネットなどを見ていると不登校児に対する悪口などをよく見かけます。私も不登校になる前まではその人たちと似たような考えでした。今でもたまにそう思います。でも、辛いです。はじめのほうは親になんとなくは話せていましたが最近じゃ言う気にもなれません。学校では、サボりじゃんとみんな言っていると友達から言われました。私は学校に行きたい気持ちは少しですがあります。でも、やっぱり怖くて行けません。私は、学校に行けて、そしてちゃんと学校生活を送れるのでしょうか。きっと、人に相談することではないとは思います。でも、今では何も考えれないです。少しでも、アドバイスなどありましたらお願いします。長文失礼しました
高校卒業後の進路の事で悩みがあります。私は高校3年生です。JASSOの奨学金の第2種を一番高い金額で申し込んであります。将来アスレティックトレーナーになりたいので、その資格が取れる学校を受験する予定でした。なのに父が「俺は金は一切払わないから、学費は全額 奨学金とバイトでまかなえ」と言い出しました。私が住んでいる県には資格が取れる学校が無いので 他県の学校を受験するしかないのですが、その場合生活費も奨学金でなんとかしろと言われています。正直 絶対無理です。私の認識では、奨学金はあくまで一部援助してくれる借金であって、学費や生活費を全部払うためのものでは無いのですが、私が間違っているのでしょうか?また、父は受験料や移動費も払ってくれないそうです。そんな事を言われたら、どこも受験できません。受験生なのに勉強する気も失せてしまいそうです。愚痴なのですが、そんなにお金が無いと言われても納得がいきません。父は自衛官です。私の友達はご両親の収入は二人合わせても年収300万もないそうです。でもその友達は奨学金も借りていないし他県に何度も大学の見学に行っているし、東京の私立の学校を受験するそうです。私の父は国家公務員で 失礼ですが 友達のご両親よりも収入は遥かに高いです。なのに受験料すら払ってもらえないとは。こんな事を言っている私は 性格が悪いのはわかっているのですが、どうしても納得できません。担任の先生に相談しても、そういうのは家庭の事情だ���らと 話を聞いてくれません。父とはどれだけ話し合っても なかなかわかってもらえません。いや、わかってはいるのかも知れませんが、「おまえが何と言おうが金が無いから諦めろ。他の選択肢は無い」の一点張りです。このまま父の言う通りにするなら高校卒業後は何を目標にして何をして生きて行くのでしょう。お先真っ暗って感じです。私はもうどうすれば良いのかわかりません。本当に悩んでいます。ご回答よろしくお願いします。
40代、50代の男性に質問です。私は現在29歳独身です。今、好きな人がいて、相手の男性は49歳バツイチです。彼に子供はいません。向こうも好きだと言ってくれるのですが、20歳も歳の差があるのを気にしています。私の家庭は、私が幼い頃から両親は別居していて、家庭内不和の末、私は精神疾患を発症しました。私が成人してから両親は離婚し、同時期に兄弟は実家を離れ、母と二人暮らしです。私は結婚願望もあり、当初は、30近いから結婚を前提に付き合ってくれるなら付き合いたいと、彼に話していました。歳の差、離婚を経験している事や彼の両親が介護施設に入所しているのを踏まえると、今はよくても将来、必ず一方的に苦労をかけるから迷ってると言われてしまいました。彼の意見は現実的でごもっともです。また、私は自身の両親を見ていて、家庭内不和や一家離散を目の当たりにし、病気もしてるのに自活できている今の生活も十分だと思います。私は、結婚は考えなくていいから彼と交際したいです。病人だから、もう結婚は諦めてるとも伝えています。彼は、私と知り合うまでは、誰とも交際したり再婚しないと考えてたそうです。お互い好きなのに、結婚はもう考えなくていいと話しているのに、どうして付き合えないのでしょうか。
僕は四年間付き合った彼女とネットで知り合った女の子と会おうとしてたことで喧嘩をして別れました。別れてから僕はその子に会いに行ってその後やり取りして付き合うことになったのですが、1ヶ月もしないうちに僕の心の中には元カノの存在があることに気づき、その子と別れました。でも元カノのところには簡単には戻らなそうです。元カノは別れる時会いに行かないなら別れないから行かないでって泣いてました。でもそれをどーせ何しても別れないだろーと思って無視して会いに行きました。最低でした。元カノとは高校も大学も同じで今もたまに見かけます。別れて直後はご飯も食べれないし夜も眠れない、学校もサボりがちになっていたみたいでした。でも最近は毎日通ってるみたいだしなんか元気そうというか、付き合ってた時より交友関係も広くなってて、夜に友達と遊びに行くなどもしているようです。正直何度か今まで僕の女関係が原因(体の関係はない)で別れて付き合ってを繰り返してきたので今回もそんな感じで戻れると思って連絡したのですが、メアドも帰られていてLINEもブロックされており、電話も繋がりません。やばいです。元カノは唯一ネット以外で知り合い、一番長く付き合った彼女です。一番可愛くて優しかったです。会いたいといえば何時間もかけて会いに来てくれたり、お金なくても一緒にいれればいいみたいな感じで僕はそれに甘えてたのかも知れません。自分で言うのも何ですが元カノは僕に相当惚れてたと思います。今から土下座して謝りに行けば少しは可能性ありますか?友達にもお前に付き合えるのは彼女しかいないし、彼女を逃したのはデカすぎると言われました。後悔でいっぱいです。
嫁が2人目を妊娠した事を僕の実家には言いたくない。と言い出しました。元々嫁は僕の家族が嫌いで 親戚も嫌っています。嫁の実家には報告済み。子供も嫁の実家には行くのに僕の実家には連れて行こうとしません。誘われても断るように言われています。嫁抜きで子供と2人で実家に行こうとしましたが怒って実家に帰っちゃいました。しばらく両親は子供に会ってません。今後どうすればいいでしょうか?嫁はお祝いもいらないし祝福もしていらないし会わすつもりもない。親戚に公表するつもりもない。 と断固拒否です。理由は言ってくれませんが僕の兄弟の嫁といざこざがあったのかもしれません。今後どうすればいいのでしょうか?補足:回答頂きありがとうございます。嫁は子供が産まれても言うつもりはないし会わせないと言っています。後から知ったら両親はなんて思うか…遠くに引越したいのですが2人目も生まれますし今すぐには難しいです。
何かに一生懸命になれる人が羨ましいです。何が彼らを一生懸命にするのか?私は劣っている人間です、いわゆる不良品頑張ったところで所詮は中の下くらいです。上には上がいます、もちろん下には下があります。頂点に立つには日々苦労をして、血と汗を流しながら達成感を求めてひたすら頑張るのでしょう。たとえ頑張ったところで頂点に立つ事が出来るのは1%未満でしょうけど。漫画だと「努力すれば報われる」とか言いますがあれは嘘ですね。私が普通になる努力をしたところで所詮は普通、当たり前な事、むしろ普通の人が少し努力をすれば簡単に追い越す事が出来るのです。なぜ?皆は私に普通であるように言いました普通になったら更に上を求めるの?皆が普通である事を望み私も普通である事に何か利点があると思い普通になった。普通になったら何も無かった、もしかしたら利点はあるのかもしれないが普通では見つける事が出来ない?これなら普通で無かった方が良かったのではないか?普通でなくても自分で出来る何か特化した事を求めた方が良かったのではないか?これまでの10年間無駄だったのではないか?普通になった事で皆から期待を寄せられる事になった最初は全ての人が期待の目で見てくる、その後は必ず失望した目に変わる。言葉にされなくても分かる、今まで散々その目を見てきたから。今は他人が怖い、他人の目が私を傷つけてくる、他人が怖く人との接触が怖くなり今は家族も怖い沈黙した秒数、目の動き、発した言葉、顔の表情この4つで相手の私への本音が読み取れてしまう。仕事は半年続けましたが皆のイラつきがわかり怖くなり退社1年ほどバイトをしながら生活をしているがバイトも長続きしない、病院に行きたいがお金がない、友達には仕事しろと言われていますが仕事をしたとしてもバイトでさえ長続きしないのにと思います。病院に行っても甘えと判断される。他人と対した時、少しでも普通でなければならない普通を演じてしまうのでそう判断されるのかもしれない。もしかしたら医者が言っている甘えが正しく、単に普通でないのを言い訳にしているだけなのかもしれない。どちらにしてももう疲れた、考える事に疲れた。皆さんの知恵を貸して頂けませんか?私は今後何をすればいいんですか?完全な普通にもなれず、常人並の事でさえ出来ない私に何を求めているんですか?
私はお金がない、と言われる家庭に育ち、常にお金のことを考えてきました。お金のことで悩んだり考えたりする結婚だけはずっと避けたいと思っていました。今お付き合いしている彼はいわゆるケチで、常にお金のことを言ってきます。結婚に理想を抱きすぎかもしれませんが、お金持ちになりたいとかではなく、ケチケチした、貧乏生活は送りたくないというだけです。物欲はなく、買い物も全然しません。彼からは結婚を申しだされていますが悩んでいます。しかし親からも早く結婚して落ち着いてほしいと言われ揺らいでいます。
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