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ハザール事典 [男性版]-夢の狩人たちの物語 ミロラド・パヴィチ、工藤幸雄・訳 東京創元社 造本+装幀=戸田ツトム+岡孝治
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『十六の夢の物語』ミロラド・パヴィッチ 三谷恵子訳
『十六の夢の物語』とあるとおり、夢や、予兆、記憶、相似といった互いに異な��時代や場所で起きた複数の事象の間にある奇縁を主題にした作品が選ばれている。パヴィチは文学史家でもあり、セルビア文学史の大冊も刊行している。その該博な知識を駆使して、欧州の火薬庫とも呼ばれるバルカン半島はセルビアで起きた有名無名の歴史的事象を換骨奪胎、自在に使い回しては独特の奇譚を創り上げている。
その特徴は、リニアな読みを回避するところにある。長篇で用いた占いや事典形式の採用がその一つ。読みようによっていくらでも異なる世界が立ち現れる玄妙な小説作法だ。短編でそれを味わうのは難しいが「裏返した手袋」一篇は、題名同様、まるで手袋を裏返すようにほぼ同じことを書いたパラグラフを、折り返し地点で逆向きに書き連ねることで、読み始めと読み終わりで、逆の意味を持つ話にしてしまうという、離れ業をやってのけている。
「ヒョウとバッコス」は、締め殺される夢を見て、相手の指を噛みきる寸前のところで目を覚ました男の話。自分の部屋にかかっている古い絵の中の男と旅先で見たモザイク画のバッコス、レストランで出会った外科医、時代も場所も異なる、三人の顔が自分そっくりだったことで、あらためて、自分の指を見ると傷痕が残っており、自分を殺そうとしたのが自分だったことに気づくという、自己同一性を主題にした一篇。「先祖伝来の追放の宿命」という言葉から、自分は何者かという問いに民族の歴史が影を落としていることが分かる。
「いつの日か、禁制にもかかわらず、紙に書いてはいけない名前を書いてしまう者がこの世に生まれてくること、また、読んではならない決まりがあるにもかかわらずそれを読んでしまう者が現れることは間違いない」という罪により、処刑された修道士スパンの書いたイコン画を見つけた「私」は「アクセアノシラス」という表題を持つ文章を書いている。「私」は自分が犯した罪に気づく。スパンが死なねばならなかったのは、私がこれを書いたからだということに。同時にその名前を読んだ「あなた」つまり読者も共犯だということに。
一三一四年、フランスの王女アンジュ―家のヘレナはイバル川のほとりにあるグラダツ修道院で天に召される。生前、王女は修道院の壁のどこかに持参金や宝石その他の財宝を埋め込んだが、その場所は誰にも秘密にされていた。「風の番人」は、その宝物の帰趨をめぐる顛末を描いた物語。
ヘレナの次男ミルティン王の死後、ビザンツ帝国に貸し出されていた兵士たちが帰国し、権力の空白をいいことに国中を荒らしまわり、グラダツ修道院の略奪を狙う。ところが火が回ったことで宝物の略奪を案じた教会長の口から出まかせの「異教徒がいるぞ!」の一声に驚いた巡礼者たちが壁に押し寄せ、兵士たちと鉢合わせになった。兵士たちは巡礼者の存在に驚き、這う這うの体で逃げ出し、その隙に火は消し止められた。その晩教会長が読んでいた本の余白には、次のような懺悔話が書きつけられていた。
驚異的な聴力を持つプリバッツは、グラダツ周辺の住民たちに迫りくる危険について知らせる「風の番人」だった。彼は鳥たちがある場所にいるとき、まったく異なる鳴き方をすることに気づいた。決まった種類の木が群生してるところでは、決まった種類の鳥が集まるからだ。そこは古のビザンチン様式の庭園跡だった。それが宝の隠し場所を示す手がかりだったが、王妃の秘密を暴いたことを恐れたプリバッツは懺悔して死に、聴聞僧のイザイヤがそれを書きつけに記した。
一九六八年古教会スラヴ語―フランス語辞書を手にした二人のフランス人がグラダツを訪れ、ベオグラードの日刊紙のひと包みを修道院に集まる人々に売り捌いた。記事には「ロシアの戦車、プラハに侵攻」の文字が躍っていた。会衆が教会を飛び出した隙に、二人はまんまと宝物を掘り出しフランスに持ち帰る。「まったく同じやり方で、同じものを守ることも失うこともあるのです」というヘレナの言葉通りになったというわけだ。
「沼地」は、食べ物にしか興味のない絶世の美女が、世界中を食べ歩くうちに一人の男に出会って結婚し、子どもが生まれるが、その子はもの凄い速さで成長し、七歳の時には白髪頭になって死んでしまう。その悲しみから逃れる術を知らないアマリア・リズニッチは夫と離婚し一人になると、死んだ子そっくりの男を捜して養子にすることを思いつく。ようやく見つけたのは死んだ年の息子そっくりの白髪頭になった元夫だった。
彼女はその事実に気づかぬまま、息子に嫁を取らせ跡継ぎを作ることに夢中になる。元夫は自分が愛しているのは君だけだと言い残し、別れを告げる。彼女は「もの思いに一番似ているのは、痛みだわ」と言いながら、病気を抱え、また各地���旅してまわった。あるとき沼地がその病を癒すと聞いて、その場所「猫の沼地」を探すのだった。もう、お分かりだろう。それこそ、旅暮らしで顧みることのなかった自分の領地だったのだ。
男性版と女性版ではその内容に僅かな違いがある、事典形式で書かれた『ハザール事典』で知られるセルビアの作家、ミロラド・パヴィチ。他に、表と裏の両側から読み進める『風の裏側』、付録のタロット・カードを使って占い形式で読むことのできる『帝都最後の恋』と、これまでに三冊の長篇が邦訳されているが、短篇については今まで邦訳がなかった。これは七つの短篇集から訳者選りすぐりの十六の短篇を収めたアンソロジーである。短いだけに濃縮されたような味わいを詰め込んだ絶品の一品料理の品々。どこから手をつけようがお好み次第。セルビア由来の珍味佳肴をご賞味あれ。
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『風の裏側』
ミロラド・パヴィチの小説の題名を基にした180°回転対称アンビグラム。 この本にはオモテとウラが無く、ひっくり返せばどっちからでも 読めるようになっている、とまあそういう仕掛けの本。 仮にこの小説が映画化なんぞされたりして、制作側がこのアンビグラムを見かけて 気に入って百億万円で買い取ってくれぬものかなー、などと妄想したりもするが、 よく考えてみると「前後どちらからでも楽しめる映画」ってのを どう具現化したらいいかちっとも判らないので諦めている。 :oyadge01
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目次 第1章 実験小説とは 第2章 現代文学の起点 第3章 詩+註釈=小説:ナボコフ『青白い炎』 第4章 どの順番に読むか?:コルタサル『石蹴り遊び』 第5章 文字の迷宮: アビッシュ『アルファベット式のアフリカ』 第6章 ト書きのない戯曲:ギャディス『JR』 第7章 2人称の小説:カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』 第8章 事典からあふれる幻想:パヴィチ『ハザール事典』 第9章 実験小説に見えない実験小説:マシューズ『シガレット』 第10章 脚注の付いた超スローモーション小説:ベイカー『中二階』 第11章 逆語り小説:エイミス『時の矢』 第12章 独り言の群れ:ダーラ『失われたスクラップブック』 第13章 幽霊屋敷の探検記?:ダニエレブスキー『紙葉の家』 第14章 これは小説か?:マークソン『これは小説ではない』 第15章 サンドイッチ構造:ミッチェル『クラウド・アトラス』 第16章 ビジュアル・ライティング:フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 第17章 疑似小説執筆プログラム:円城塔『これはペンです』 第18章 どちらから読むか?:スミス『両方になる』 【各章ごとのタイプ別おすすめ作品リスト付!】
実験する小説たち | 彩流社
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『方形の円』ギョルゲ・ササルマン
古い地球儀の極の方に「テラ・インコグニタ」と記された土地がある。誰も足を踏み入れた者がいないため、地名は勿論、地勢も植生も何が棲んでいるのかも分からない、未知なる領域のことである。誰も知らない土地、世に忘れられた世界のことを書いたものには前々から惹かれるものを感じていた。稲垣足穂の『黄漠奇聞』、小栗虫太郎の『人外魔境』といった小説の影響が強いのかもしれない。
マルコ・ポーロの『東方見聞録』のパロディという形式を纏い、五十五の架空の都市を物語るのが、イタロ・カルヴィーノの『見えない都市』。青年マルコが憂い顔の皇帝フビライ・汗に招かれ、旅先で目にした数多の都市の有様を物語る形で書かれている。およそありそうもない都市や、未来都市、全くの寓意としか考えられない都市が登場する点で、本書によく似ている。ほぼ同時期に全く離れた地で、兄弟のように相似た本が構想されたことが不思議でならない。
ギョルゲ・ササルマンは建築士でもあるようで、同じように到底存在不可能な都市について書き連ねた書物という点は似ているものの、その形態が異なる。誰かがミロラド・パヴィチの『ハザール事典』を例に挙げていたが、カルヴィーノの『見えない都市』が、どちらかといえば巻物風に次々と広げていくようであるのに比べ、『方形の円』は、短い断章を項目別に編配置した建築や都市に関する事典のようだ。
文体も、『見えない都市』はいかにも物珍し気に驚異に満ちた世界を描き出そうとするマルコの口吻が伝わってくるようであるのに対し、『方形の円』は、一部を除いて、ソリッドでフラットに書かれている。まず、都市の形態が俯瞰的な二次元平面で説明され、やがて、時間の経過に連れ、都市が生成変化してゆく過程が綴られる。多くの都市は、初期の目標が達成された後、そこに暮らす人々の意識の変化や天災、戦争による被害といった影響を受け、まったく姿を変えてしまうことになる。しかし、叙述は寧ろ冷淡すぎると思えるくらい温度に変化がない。
ぽつぽつと書きためられていったのであろう制作過程を物語るように、一つ一つの章は断章と言っていいほど短い。しかるに、その短さの中に、すべてが詰まっているという感が強い。事典風だというのは、そういうスタイルから感じられる特徴である。普通の作家なら、ここにある一つの章から短篇は勿論、長篇小説が書けるだけの素材とアイデアが惜しげもなく詰め込まれている。知的過ぎる作家に共通するのかもしれない、ボルヘスを彷彿させる簡素さだ。
削ぎ落したような文体は嫌いではないが、内容は変化するものの、淡々とした記述が続くと、さすがに変化が欲しくなる。名前を持った人物が登場すると、俄然面白くなる。「一部を除いて」と先に述べたが、その一部がこれらの物語群だ。イカロスやアンティオペーといった神話上の人物、イギリス貴族の探検家、あるいは山岳登山者等々。都市の運命を中心にした章に比べ、これらの章は人間が主人公。都市や建築論も興味深いが、悲劇に見舞われる人間の姿の方に惹かれるのは仕方がない。
「サフ・ハラフ(貨幣石市)」は、直径二マイルの円環状の都市。外観は完璧に組み合わされた石のブロックでできた高さ六〇~七〇フィートの壁。まさに「方形の円」そのもの。イギリス貴族の探検家、ロード・ノウシャーは、仲間を失い、案内人に逃げられた挙句、わずかな水と食糧の入ったリュック一つを手に、やっとのことで目的地たどり着く。体を横にしなければならないほど狭い入口から内部に入ったものの、行けども行けども螺旋状の廊下は出口に行き着かない。一夜が去り、次の晩も暗黒の回廊を進む。やっと辿り着いたロードがそこに目にしたものは何だったか。
「ダヴァ(山塞市)」では、未踏峰の初登頂を目指した三人の登山者が頂上で先着者の遺物を発見する。一瞬の幻滅の後、三人は第二峰の登頂を目指す。不思議なことに、人跡未踏であるはずの第二峰の上半部は巨大な堡塁の形をしており、城壁、塔、銃眼を備えているではないか。この謎を解明しようと、登山者は峻険なナイフリッジを傷だらけになって踏破し、岩を彫って作り上げた城内に足を踏み入れる。��思議なことに内部から何かの音が聞こえてくる。果たして、それは…。
チャウシェスク政権下のルーマニアで発表された時、検閲にひっかかり、十篇が削除されるという憂き目を見たという。荒唐無稽とも思われる作品の寓意的な部分が、現政権を風刺したものと受け止められたようだ。たしかに、独裁国家における政府の姿は荒唐無稽極まりない。その後、スペイン語訳が出版され、それを目にしたル=グウィンが手許に置くうちに愛着を覚え、ついに英訳を試みるという運に恵まれる。ル=グウィンが書いた英語版の序文が付されている。翻訳への愛が溢れた、この序文が実に素晴らしい。
カバー装画にも触れておきたい。スターリン・クラシック様式で建築途上にある、バベルの塔のような高層建築が背後に迫りくる暗雲の遥か上方に聳えている。SF的でもあり、神話的でもある絵が、内容を暗示してくれている。ジャケ買いしたくなること請け合い。各書店に置かれては、是非、面陳で並べることをお勧めする。
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