#110年目のお笑い前編
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#SWITCH #明石家さんま #110年目のお笑い前編 . #BRUTUS特別編集 #SundaySongbook30thAnniversary #山下達郎 . #BRUTUS #それでも本を読む理由。 #池松壮亮 . #ダ・ヴィンチ #BOOKOFTHEYEAR2022 #大泉洋 https://www.instagram.com/p/CmiXvkQvRoH/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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カオスシードQ&A おしえて柏木さん
出典: 『カオスシード設定資料集 点心爛漫』p.110 1999年12月27日初版発行
このコーナーは週刊セガサターンマガジン(ソフトバンクパブリッシング刊)読者から送られてきたハガキの中で多かった質問をまとめ、『カオスシード』のチーフプロデューサー柏木さんに答えていただきました。
Q 主人公の本当の名前等、出生を詳しく知りたいんです。それと主人公の額の文字は何の意味があるのですか?
柏木 ホントの話、主人公の名前は設定してません。開発中でも洞仙とか主人公と呼ばれていました。で、主人公の出生は不明です。物心つく前に戦乱に巻き込まれ、両親とはぐれて孤児になってしまいます。ひとりぼっちで放浪しているところを三界老師に拾われた、というわけです。もちろん仙人になる素質をみそめられて、拾われたということなんです。拾われた後は、老師の元で仙人になるための修行を行います。老師とはずっといっしょだった為に両親がいなくてさびしい・・・・とかいう思いはあんまり感じなかったらしいです。老師以外は妖怪の類しかいないような環境で少年時代をすごしていたために、あのような何事にも動じない人間になってしまったのでしょう。ちなみに額の文字は魔除けです。
Q 神代とはどんな時代のことですか?
柏木 神代とはカオスシードの世界に在った先史文明時代の事です。この文明はとても発展していましたが、戦争により滅びました。
Q 洞仙と人間はどこが違うのでしょう?
柏木 洞仙は修行をして特殊な仙術を使えるようになった人の事です。洞仙の仙術はとても特殊な為、普通の仙人や道士では使えません。この世界では攻撃的な仙術は素質がある人間なら使えるが、仙窟を作ったり大地を復活させたりといった術は洞仙しか使えないということです。
Q ヒロインの弟の行方は?
柏木 元気にやってます。時間がゆるせば『最後の仙窟』のバトルシナリオで天転の助っ人あたりとして登場予定だったんですが、時間が無くてバトルシナリオごと無くなりました・・・残念。
Q 三界老師は若い頃どんな人でしたか?
柏木 昔はきりりとした若者でした。何だか想像できませんけど。神代の戦争が終わり、滅びた大地を甦らせる方法をずっと研究してついに元祖洞仙になったということです。あまりに長い間生きすぎて、記憶の整理がつかないらしいので神代の事はほとんど思い出せないようです。
Q 王蒼幻の前世の姿は? それと何回転生しているのか教えて下さい。また前世の記憶はあるのでしょうか。老師、時の管理者との関係も気になります。
柏木 何回転生しているのか、前世の記憶、老師と時の管理者との関係はまったくの不明です。蒼幻の転生は一般的(転生という概念が一般的ならばですが)な転生とはちょっと違います。まず蒼幻になるべくして生まれた体があり、一定年齢に成長すると過去の蒼幻の記憶がどこからともなく蒼幻の頭の中に流れ込んで来るという事になっています。容姿も記憶もほとんど受け継がれる特種な転生というわけです。この世のどこかに蒼幻メモリーでもあるんでしょう。蒼幻の器となるべき体は土属性の神を元にして作られたという設定でした。老師との関係は同じ神代の生まれということです。二人は見知っていますがお互い干渉を好まないようです。時の管理者も大聖樹も神代の遺物です。本編には登場しないエピソードでしたが、蒼幻とアレックスは神代からの敵対関係でした。
Q アレックスの奥さん、シャスタのお母さんはどんな人?! また、アレックスはどうやって人造人間になったのですか?
柏木 これってゲーム中に出てこなかったアレックスに関する設定の話ですよね。一部攻略本やおまけCDの中に出てきますけど。アレックスは神代に最強の不死兵として生を受けます。長い戦いの末、神代の時代にあった国々はすべて滅び、そして生き残った不死兵たちは役目を終え眠りにつきました。それから数千年の後、一人の不死兵が目覚めてその力をふるい、戦乱を起こし始めました。この目覚めた不死兵ってのがケブレスたちと戦った魔王って奴です。アレックスは魔王の力に反応して目覚めますが、目覚めてもすぐには戦うことはなく、新しい世界を旅してまわります。だいたいこれがカオスシード本編の数十年前の話です。十数年放浪した後にシャスタのお母さん『マーガレット』と出会い結婚し、シャスタが誕生します。シャスタの容姿はマーガレット似です。性格は一途な苦労人タイプだったらしいです。それから数年間は平和に暮らしましたが魔王が起こした戦争にまきこまれマーガレットが死んでしまいます。それからまたいろいろあって、ケブレスを助け魔王を倒しシャスタとともに放浪の旅にってのがだいたいの設定ですが、ゲーム中のアレックスとシャスタを見てるとそんな過去があるように思えないです。
Q 永遠洞で戦ったヒロインの色違い『ルララ』とは何者ですか?
柏木 まず無色界は心の世界でゲーム中の現実世界とは異なります。ゲーム中最後の無色界である永遠洞では、今まで出会ったキャラクター達のイメージと戦う事になります。そして最後の最後で自分の愛する者の幻影を自らの手で打ち砕かなければならないという試練に遭遇するわけです。それがルララの登場する理由です。つまりルララとはヒロインの幻影なんです。そして最後の宝箱から出てくるのも主人公が見た乗り越えなければならない幻影です。たぶん・・・。
Q カオスシードっておいしいの?
柏木 天界の桃なんでとってもおいしいです。あ、で��種だけなんですよね。商業的にはおいしくなかったらしいですが(泣)。
Q 仙窟活龍大戦とかダンジョン育成とかのネーミングは誰がつけたのか教えて下さい?
柏木 SS版になってサブタイトルが変更され、仙窟活龍大戦になりましたがネーミングはESPの宮路さんです。やっぱ○○○大戦の後だったんで(笑)。ちなみに画数占いで最強だったんで気に入ってますけど。ダンジョン育成はネバー側で決めたと思います。スーファミの時にもうちょっとでアクションシミュレーションRPGとかになりそうでしたが・・・。ゲーム内容を考えるとそっちのほうがインパクトがあって良かったかも。
Q ズバリ続編の予定は!
柏木 ぜひ作りたいです。
お忙しい中、ご回答ありがとうございました。次回作に期待しつつ、今回はこのへんにて。再見!
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2023年3月5日
Vif編集部さん「【News】DEZERT、6月より全国ツアー開催決定&新アー写公開!#Vif #DEZERT」 https://twitter.com/Vif_music/status/1631264901808410625
Rolling Stone Japanさん「THE LAST ROCKSTARSとBABYMETALのW表紙、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」大特集も Rolling Stone Japan最新号 #THELASTROCKSTARS #YOSHIKI #HYDE #SUGIZO #MIYAVI #BABYMETAL #ぼっち・ざ・ろっく」 https://twitter.com/rollingstonejp/status/1631626230310006787
福島県双葉町、旧庁舎に依然3000箱の文書 貴重な記録、活用模索も進まず―東日本大震災12年:時事ドットコム https://www.jiji.com/jc/article?k=2023030400121&g=soc
鳴門海峡で3年ぶり「渦開き」 春の観光シーズン開幕:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASR347DL9R34PTLC00L.html
増える外国語の110番 支える指定通訳官、同時通訳対応は14言語:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASR346SHWR2XUOHB00D.html
シンガー・ソングライター有賀啓雄さん死去、58歳 前立腺がんで闘病 藤井フミヤらに楽曲提供 | ORICON NEWS https://www.oricon.co.jp/news/2270367/full/ ご冥福をお祈りします。
近藤真彦が次期取締役会長に就任へ。日本レースプロモーションが新役員人事を発表 | スーパーフォーミュラ | autosport web https://www.as-web.jp/super-formula/913363?all
Vaundy、5日ライブ予定通り実施 前日は開���直前に中止発表 | ORICON NEWS https://www.oricon.co.jp/news/2270371/full/
【フィギュア】三浦佳生「僕はジュニアの方が嫌いです」の理由は? 4大陸&世界ジュニア制覇 - フィギュア : 日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/sports/news/202303050000549.html
“日本一のミスキャンパス”が決定 タレント志望の龍谷大生、芸能界入りに意欲「挑戦したい!」 | ORICON NEWS https://www.oricon.co.jp/news/2270143/full/ “日本一のミスターキャンパス”が決定 アナ志望の青学生、就職希望のテレビ局は「秘密です」 | ORICON NEWS https://www.oricon.co.jp/news/2270368/full/
衣装コストは現在の20倍… コスプレイヤー歴35年のみちるが明かす「コスプレ黎明期」とは – Sirabee https://sirabee.com/2023/03/05/20163034057/
佐川急便から渡された荷物、何かがおかしい ドライバーが「真っ青」になったワケは… – Sirabee https://sirabee.com/2023/03/01/20163033117/
44MAGNUM OFFICIALさん「44MAGNUM 2023.04.04新宿BLAZE公演 一般シートチケット申込受付は 2/26迄となります。 一緒に40thを盛り上げましょう! 44MAGNUM LIVE PROJECT #44MAGNUM #新宿BLAZE #40th #thanks https://t.co/jgpAV17NFb」https://twitter.com/44MAGNUM_INFO/status/1629282622886256640
D'ERLANGER_OFFICIALさん「【WEB STORE】過去GOODSの販売終了のお知らせ いつもご利用有難うございます。 ・AGITO2020 ・AGITO2021 ・AGITO2021 2nd ・KBSS 2020 の商品(一部商品を除く)はまもなく販売終了致します。 【販売期間】 ~2/28(火)23:59 是非期間内にご確認くださいませ。 https://t.co/kmgemc9Lry」https://twitter.com/KainAbelinc/status/1627527800642232322
池田(びわ)さん「改めまして、音楽ミニコミ誌“boi”創刊しました! boiは、音楽に関わる人々、そして「ライブハウスでしか会わない人達」のセカンドスペースを作ること、また現在大手音楽雑誌には掲載されないインディーズのライブアクトや音源の批評の場を作るために発足しました。 以下、頒布先ライブハウスです。 https://t.co/8RTDBSosxt」https://twitter.com/mocaikeda/status/1631652932834959360
Masaki Satoさん「plant cellというバンドをやっています。 https://t.co/Ro7zD6L9XY https://t.co/YOaB5cDHOG https://t.co/CpeKTopQKo」https://twitter.com/MasakiSato12/status/1631453139554664449
eclipse.✩⃝ STRAY INDIVIDUALITY GROUPさん「eclipse.代表 悠太朗 3月誕生日企画 -突発的に「3月26日誕生日だから何かしようか」の流れで10本動画投稿するって言ってしまって自分の首を絞めにかかる祭- 壱 ガリロン / baroque ▶https://t.co/joF4dvMPXq #いいねかRTで気になった人お迎え #拡散RTお願いします #ELs https://t.co/eo0rLCppzf」https://twitter.com/eclipse01429/status/1631598721300324356
ドよっプさん「動画作りました よかったら見てね^^ 早いもので動画を作りをはじめて 10週が経ちました エレキギターへの挑戦 10週目 guitar challenge 10week https://t.co/Qt0JOYHmJS @YouTubeより https://t.co/C205hk8N4c」https://twitter.com/doyoppunpun/status/1629786991809396743
ゆっきー(山口雪乃☆゚+.゚さん「・.+☆ 自動販売機 ☆゚+. 新曲のお知らせです(n*´ω`*n)✨✨ 今回はストップモーション的なヤツをやってみました☆゚+.゚ 是非ぜひフルバージョンをリンク先から御覧下さいな。°(°´ᯅ`°)°。 https://t.co/DTx65m0eCB https://t.co/DNRdb1q3yu」https://twitter.com/yukky_514/status/1600070886396432384
タダシ PAIL OUTさん「拡散して欲しいです。 3/2 大阪市浪速区で 朝 5:15分頃にベースとエフェクターボード2つが盗難にあいました。 ベースの詳細が画像にあります。 楽器屋、リサイクルショップ等で見かけたら連絡頂きたいです。 自分の管理不足でご迷惑おかけして申し訳ありません。何卒宜しくお願い致します。 https://t.co/KWZkz2gTcW」https://twitter.com/tadashi_out/status/1631575608487714817
ザ・マグネッツさん「情報解禁。拡散よろしく。 チケット先行予約 3/1(水) 18:00 ~ 3/19(日) 23:59 https:// https://t.co/V9dmaaa8kI イベント特設ページ https:// https://t.co/Ta8D9gnqI6 https://t.co/lHBNHENeLE」https://twitter.com/r7LhM7ZH20CEBKX/status/1631129041729380353
Suay@2/25(Sat)月の花/YouTube動画投稿しましたさん「Im looking forward to seeing the new visuals.」https://twitter.com/Suay_official/status/1631646246887882755
山内秀一さん「interfm「#V系って知ってる?」第6回放送ありがとうございました! GuestのDEZERT千秋さんの選曲は… GRUDGE OF SORROW/サディ キスミイスノウ/彩冷える お腹が痛くなる爆笑トークもあり、Visual Rockへの視点も鋭く目が覚めるような60分でした。 そして、千秋くんお誕生日おめでとう〜🎉🎂 #DEZERT https://t.co/qG26683Pl7」https://twitter.com/s_yammauchi/status/1630976564644175872
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「さて、、、 やるか❗️ アルバム全体を考えて、 課題はアンクロらしい明るい曲。 … 明るめの曲にしようw たぶん俺明るい曲書けない。 というかたぶんあんまり陽気なの好きじゃない。笑 だから明るめにしとく。笑 帰り際良き空が撮れたので載せておく✨ 皆さま今宵も良き夢を😊 https://t.co/YgMQBrXcum」https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1631681419868258304
中里 正幸さん「名前もしっかり入れてくださって...うれしい https://t.co/dO03ZuheiN」https://twitter.com/nakazato_latf/status/1631198361926922240
映画「消せない記憶」さん「3/31(金)の公開まで約1ヶ月と迫ってまいりました。 FilmarksでのClip!もよろしくお願いいたします!! https://t.co/A6DiKf0CPn #消せない記憶」https://twitter.com/kesenaikioku23/status/1630149853044154369
BOYS ROOM🚹🚺さん「【回顧 追記】 昔のドラマーはフルセットを 持っている人がほとんどの時代 当時ラックシステムのセットを持っている人が余りいなかったので、ジャングルジム見たいだから?! TAMAのフルセットを購入🥁 どこのライブにも持ち込んだ けどラックの組み立ては毎回大変だったな🙃 懐かしき現存の2枚 https://t.co/JmRbdzPPOy」https://twitter.com/BOYSROOM_info/status/1631304101337378816
BOYS ROOM🚹🚺さん「【更に補足】 買ったばかりで真っ白なドラムセット🥁でしたが某LRの某Georgeさんに「真っ白なんて格好悪い」っていわれペイントされました。 最初は「は?」って思い こんな顔🙁でしたが、仕上がって見たら大満足☺️ ベードラの表面も描いてくれて、ほんとこういうところメチャ器用なんですわ🖌」https://twitter.com/BOYSROOM_info/status/1631305146348216322
SEXX GEORGEさん「おはよう! 今日はいよいよ本気の LADIESROOM 思い残す事なく、大暴れするぞ🔥 かかって来やがれ🔥🔥 夜露詩紅ψ(`∇´)ψ ちなみに吹雪になるらしい 暖かくして来いよ〜」https://twitter.com/abikoshinonkai/status/1629645130339864577
川岸水ハさん「お疲れさまです。川岸水ハです。 普段はプログラマーで業後に歌ってみたの実施を行っております。 歌ってみたは10代の頃から夢で��っと今になって活動開始出来ました。 私の声を聞いて何か響けば幸いです。 https://t.co/hjaDjModgZ #自己紹介 #歌ってみた 以上、よろしくお願いいたします。」https://twitter.com/KawagisiMizuha/status/1625106610308915200
Tom.chopさん「こんにちは 空が明るくて気持ちも明るくなるかな 仕事だったり憂鬱な事があったら少し空眺めて日向ぼっこして気を楽にしてくれたら 知人とお茶して音楽流しながら洗濯と荷物の処分 空が綺麗で折角だし外出でも 穏やかな時間を Long shot party - あの日タイムマシーン https://t.co/9SmVhh1hnO」https://twitter.com/Tomchop4/status/1631902379993071617
杉本善徳さん「「はじめまして」な方の、パワフルなお歌をディレクションする仕事を終え、帰路へ。。」https://twitter.com/ys1126/status/1631619346161344512
杉本善徳さん「キミ、カッコいいね https://t.co/L97XA3txAo」https://twitter.com/ys1126/status/1631874104965103616
LIVE HOUSE CRESCENDOさん「今日は弦楽器3人で打ち合わせ!しっかりフレーズの確認をしてきました! YOUTHQUAKEは個々のスキルが高いだけじゃ弾けなくて、あの当時の様々な苦い経験wとかバックグラウンドが無いと難しい 本人に弾くコツを聞いても「息を止める」とか「気合い」とかしか返ってこないしw 度肝を抜くライブやるよ! https://t.co/7XLcs3v0gS」https://twitter.com/crescendo_jp/status/1631284276799873025
LIVE HOUSE CRESCENDOさん「という事で4/23(日)お楽しみに! 16:30-①QUAKEDOPE 17:30-②NEiN 18:30-③PROJECT BBA (HISAYOSHI / HADES / Kaz) 19:30-④ARESZ 20:30-⑤PROJECT GGE (HISAYOSHI / AKIRA / VEN / Sally / ユキ) ◆来場チケ https://t.co/6b09bForUi ◆配信 https://t.co/6x6suv2Xkt https://t.co/Lgq7evF3JZ」https://twitter.com/crescendo_jp/status/1631598649557024770
中島卓偉さん「是非読んでやってください!ツアーでお待ちしてます! #中島卓偉」https://twitter.com/takuinakajima/status/1631606512857776128
中島卓偉さん「タワレコ渋谷店様!そんなあやかり方で本当に恐縮です!今後とも宜しくお願い致します!つばきも卓偉も! #タワレコ渋谷 #つばきファクトリー #中島卓偉」https://twitter.com/takuinakajima/status/1631607030753693703
koumei_Lucifer's undergroundさん「4/13追加になりました! 皆んなと会えるの楽しみにしてます!!」https://twitter.com/KoumeiLucifer/status/1631610654166761473
takasiさん「3/12(日) at 池袋手刀 gravel’s end TAKASI birthday party 出演: gravel's end gharr THE TELEPASHITS and more... open 17:00 / start 17:30 adv. 2,500 / door ¥3,000(+1d) TIGET前売券予約は以下になります。 https://t.co/jrBdvSHdNK」https://twitter.com/takasi_gravel/status/1631244467129958403
絶望リフレインさん「next sunday coming soon... https://t.co/cPv5ffgLD8」https://twitter.com/zetsubou_ref/status/1631611506453516289
seekさん「いよいよ明日👨🔬💀🐟🪣 「博士は死人を飼育する」旅の終着駅、渋谷LOFT HEAVEN。 トートは青さんイメージのブルー 三者三様の弾き語りと僕が気絶する失神トークを是非ご堪能ください。 会場 https://t.co/q8dsmjmrx2 配信 https://t.co/d4KNuxh73H https://t.co/1ug1MqdKEz」https://twitter.com/seek_bonshisya/status/1631621276707201025
LUNA SEAさん「【SLAVE先行予約受付中!】 2023. 5/27(土), 28(日)開催 「THE BEST OF LUNA SEA 2023」 ■指定席/ファミリーシート 受付期間: 3/8(水)18:00まで これからご入会される方もお申込み可能です。この機会をぜひお見逃しなく!! ▼お申込み方法・公演詳細はこちらから https://t.co/Va4MVCGWp6 https://t.co/lCpGVChhVQ」https://twitter.com/LUNASEAOFFICIAL/status/1631625565496279040
SUGIZOさん「[MEDIA] 3月25日発売の「Rolling Stone Japan vol.22」にTHE LAST ROCKSTARSが表紙で登場! 全国の書店、ネット書店、CDショップなどで予約受付中です! ▼詳細はコチラ https://t.co/VUsiGvCKpc #YOSHIKI #HYDE #SUGIZO #MIYAVI #TheLastRockstars #TLRS @LAST_ROCKSTARS https://t.co/jAIbfGKGDX」https://twitter.com/SUGIZOofficial/status/1631627378769428482
Yoshikiさん「みてね。Check it out! #YOSHIKI #TheLastRockstars 表紙で登場! @rollingstonejp 5月号(3/25発売) We'll be on the cover of @RollingStone Japan! Out on March 25 @LAST_ROCKSTARS @HydeOfficial_ @SUGIZOofficial @MIYAVI_OFFICIAL #YOSHIKI #HYDE #SUGIZO #MIYAVI https://t.co/38OrIhZUx0 https://t.co/yMzhjevt6z」https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1631631085691113472
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【出演情報】
空想嬉劇団イナヅマコネコ
作品No.05
『宿命のブラッドバーン〜Deadly fate "Bloodburn"〜』
ストーリー
「呪われた島」と呼ばれる島があった。
いつからそう呼ばれているのかわからない。
誰が名付けたかも分からない。
ただ大陸の人間はそう呼んでいた。
その島には2つの領地があった。
ロチェスターとフィルモア。
どちらに住む人々も「呪われた島」と言う呼称を、外敵から自らを守る盾として甘んじて受け入れ、とても平和に暮らしていた。
ロチェスター領の男爵、アルクアード=ブラッドバーン。
彼はヴァンパイアと呼ばれる種族であった。
傷つくこともない。
寿命もない。
永遠に生きる。
隠れて生きてきた彼を男爵に取り立てたのは、初代ロチェスター伯爵となった、アーサー=ロチェスター。
それ以来、アルクアードはロチェスター家と代々、若き時は兄として、年を取れば友として、刎頸の友の契を結んで来た。
ーー
「初めまして、アルクアード男爵。この度、父より伯爵位を授かりました、8代目ロチェスター伯爵、ファリス=ロチェスターと申します。」
そう挨拶をした若者に、アルクアードは、代々の伯爵との約束を旨に、ヴァンパイアの秘密を少しずつ明かしていくのであった。
『傷つくこともない
寿命もない
永遠の命を持つ存在
『ヴァンパイア』
彼らが滅ぶ方法は たった一つ
それこそが 彼らの
悲しき 唯一の存在意義』
----------------------
日程
2021年4月9日(金)〜18日(日)
🔴……team Island
🔵……team Ocean (※春野遼子はこちらに出演します)
Time------14:00/19:00
9日(金)-----------/🔴
10日(土)----------/🔵
11日(日)-------🔵/🔴
12日(月)-------🔴/🔵
13日(火)-------🔴/🔴
14日(水)-------🔵/🔵
15日(木)-------🔴/🔵
16日(金)-------🔵/🔴
17日(土)-------🔵/🔴
千秋楽-----12:00/16:00 (千秋楽のみこの時間です)
18日(日) ------🔴/🔵
劇場
上野ストアハウス
〒110-0014
東京都台東区北上野1-6-11 NORDビルB1
TEL:03-5830-3944
チケット
全席指定
前売・当日 4900円
予約受付中!!
こりっち(当日精算)…座席指定は不可
春野遼子扱い専用URL
カンフェティ(振込精算)…座席指定が可能
※要会員登録
※役者扱いで「春野遼子扱い」を選択
[映像配信用]
confetti-web.com/CST-Bloodburn
キャスト
🔴Island/ 🔵Ocean
学習院ひろせ / 青山雅士
島田あゆみ / 七海佑衣
小林都 / 迫田萌美
浦上力士 / 香取直登
相澤香純 / 須藤さえ
田村公典 / 花咲まこと
唐仁原漣 / 飯田雪之介
���井渓友 / 小栗銀太郎
福岡みなみ / 杉乃前ネイティ
周大樹 / 喜多村次郎
金子和稔 / 釣舟大夢
まついゆか / 春野遼子
阿部純也 / 佐藤圭右
西岡聖弘 / 堀雄介
阿部雪音 / 吹狛笑梨
ご注意・お願い
・開演は開場の30分前、受付開始は60分前となります。
・入場の前に検温、アルコール消毒にご協力いただきますようお願い致します。尚、37.5℃以上のお客様はお入りいただけません。ご了承ください。
・体調不良の方はご無理なさらず、ご来場をお控えいただきますようよろしくお願い致します。
・入場の際は必ずマスクをご用意いただき、劇場内では外されませんようよろしくお願い致します。尚、同中の破損紛失等でご用意できない場合は受付にお申し付けくださいませ。
・劇場内では大声での会話、飲食はお控えくださいますようよろしくお願い致します。
スタッフ
作・演出 CR岡本物語
舞台監督・舞台美術 吉田慎一(Y's Factory)
音響 香田泉(零's Record)
照明 堀井香里(アルティプラノ)
映像 青山雅士(INNERSPACE)
作曲 縣 政愛
収録・DVD編集 木部公亮
衣装 七海佑衣
小道具 学習院ひろせ 飯田雪之介 堀雄介
スチール 松宮一真
フライヤー・パンフレットデザイン CR岡本物語
制作・プロデュース 堀雄介
制作協力 潮田塁
制作補佐 岩楯亮太 坪井直樹 藍沢優月
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『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』予告篇解禁リリース!
今年で生誕110年を迎え空前の盛り上がりを見せる昭和の文豪・太宰治。彼の未完の遺作「グッド・バイ」が、喜劇として生まれ変わり、『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』のタイトルで2020年2月14日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開されます。原作は、昭和の文豪・太宰治の未完の遺作を、鬼才・ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させた戯曲「グッドバイ」。観客を笑いと多幸感で包み込み、第23回読売演劇大賞最優秀作品賞に輝いた。 なぜか周囲の女たちが好きになってしまう<ダメ男・田島周二>を大泉洋、ガサツで小汚いけれど実は美人な<パワフル女・永井キヌ子>を小池栄子が演じ、劇中では嘘(にせ)夫婦に。そんな嘘夫婦が��れを告げに行く愛人役は、クールな女医・大櫛加代を水川あさみ、挿絵画家の水原ケイ子を橋本愛、儚げなに花せ屋の青木保子を緒川たまきが、それぞれ生き生きと演じる。更に、離れて暮らす妻・田島静江を木村多江、田島を尊敬する編集部員・清川伸彦を濱田岳が演じ、“嘘夫婦”の計画を提案する作家・漆山連行役として松重豊が出演する。監督は、『八日目の蟬』で日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた成島出。 その他、皆川猿時、田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子が顔を並べ、日本映画界・演劇界を担う実力派俳優・監督が、昭和の文豪の未完の遺作を70年以上の時を経て新たな魅力に満ちた人生喜劇映画として昇華させた。
このたび、本作の予告篇が解禁。解禁となる予告篇には、田島<大泉洋>は愛人たちと別れるために、キヌ子<小池栄子>は金のために嘘(にせ)夫婦を演じる計画を企み、数多の愛人とグッドバイ(お別れ)していく様子が映し出されている。想いを花言葉にのせて語る儚げな花屋<緒川たまき>、奥様に会えて嬉しいと言ってのける挿絵画家<橋本愛>、優しい口調できつめの診察をするクールな女医<水川あさみ>と、一癖も二癖もありそうな愛人たちとのやり取りも垣間見える。順調に思えた計画は疎開中の正妻<木村多江>が現れたことで一変!嘘夫婦を演じていた二人の関係にも変化が生じ、田島が「好きだー!」とキヌ子を押し倒すも、��にキヌコの怪力によって二階から突き落とされてしまう場面も!さらに、総金歯で絵に描いたような成金になった清川<濱田岳>、なぜか喪服を着て楽しげに舞い踊る愛人たち、豪快に笑う連行<松重豊>、そして窓越しでキヌ子に「グッドバイ」とささやく田島・・・。うまくいくと思っていた計画に田島もキヌ子も振り回され、しまいにはやらなきゃよかったと後悔!?個性爆発のキャラクターたちが織り成す、ドタバタ人生喜劇に期待が高まる映像となっている。
<予告編はこちら>
あわせて、第二弾ポスタービジュアルも解禁。「別れの言葉が教えてくれる、ホントの気持ち」というコピーに、太宰を彷彿とさせるポーズをとった困り顔の田島、そんな田島を笑みの溢れる柔らかい眼差しで見つめるキヌ子、引き止めるように手を差し出す愛人たちに加えて、オールバックに全身白スーツの清川、企み顔の連行、怒りに満ちあふれた水原<皆川猿時>と個性豊かなキャラクターたちが切り取られている。
【あらすじ】 戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。文芸雑誌の編集長の田島周二は、気がつけば何人もの愛人を抱える始末。このままではいけないと愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断な田島は、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に、女房を演じてくれと頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗うと誰もが振り返る女だったのだ。男は、女と別れるため、女は、金のためー。こうして、二人の“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。
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【作品情報】 『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』
■監督:成島出 ■出演:大泉洋 小池栄子/水川あさみ 橋本愛 緒川たまき夫 木村多江/皆川猿時 田中要次 池谷のぶえ 犬山イヌコ 水澤紳吾/戸田恵子・濱田岳/松重豊 ■原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治「グッド・バイ」より) ■脚本:奥寺佐渡子 ■音楽:安川午朗 ■配給:キノフィルムズ
©2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ
情報提供:キノフィルムズ
2020年2月14日(金)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
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長身女性 : 短編集
本当はもっと長々とした小説の一部だったけど、それはやめにしてこうして短編として残しておきます。
基本的にM な方向けですが、長身女性が好きでなくっても、頭の良い女の子に興奮するタイプの人は笑顔になれます
ジーンズ
幼馴染宅。夕食後。あいつの部屋。あいつの匂い。あいつのジーンズ。あいつのジーパン。
俺は今、そのジーンズの前で佇んでいる。遠目から見る限り何の変哲もないそれは、ベッドの上に乱雑に脱ぎ捨てられており、実際にさきほど、
「お風呂行ってくるねー」
と、俺の目の前で脱ぎ捨てられたものである。
――だが、一体なんなんだ、これは。
冗談のようにしか思えなかった。きれいに伸ばして形を整えてみると、その異様さが分かる。
――でかすぎる。……
もう訳が分からなかった。そのくらい、ベッドの上のジーンズは大きかった。
どのくらい、……と問われて長さをそのまま云っても良くわからないかもしれないが、センチにして約130センチ程度。手を軽く広げてようやく、裾からウエスト周りまでをカバーできる、俺の腕とジーンズのヒザ下がだいたい同じ、あいつのベッドは特注品だから今はパッと分からないが、俺のベッドではたぶんいっぱいっぱいになるだろう。とにかく、信じられないくらい長い。
「いったい、股下何センチあるんだよ。……」
正直に云って、わからない。ただ、100センチを超えているのは確か。もしかしたら110センチにも達しているのかもしれない。身長はいくつだったか、ちょっと前に2メートルまでもう5センチも無いと云っていたから、たぶん196とか、197センチくらい。だとすると、……
「いやいや、それだと半分以上が足じゃないか」
しかし、ここ最近のあいつを見ていると、なんだかしっくりくる。さっき、一緒に部屋に居た時には、お互い裸足だったのに、もうこちらの胸のあたりにあいつの腰が来ていたし、俺の頭と云えば、あいつのでっかいおっぱいにすっぽりと収まっていた。それに、今日も一日中連れ回されたけれども、「普通に」歩いては俺を置き去りにし、手を引いて歩いては、ひぃひぃ云いながら走る俺を、
「あははっ、おんぶしてあげようか? ぼく?」
と無邪気に笑う。
冗談ではない。同い年なのにそんな子供扱いなんて、況してやこちらのことを、まるで小学校低学年の男子児童のように「ぼく」と呼んでくるなんて、屈辱的である。しかも赤の他人の目の前で、親の眼の前で、友達の目の前で!
「くそ、……でも、どうして、……」
どうしてこんなに興奮してるのだろう。くそぉ、……。ベッドの上に横たわるあいつのジーンズを見て、さっきから股間が痛くてたまらない。
「ちくしょう。……昔は小さかったのに。昔はお兄ちゃんって呼んできたのに、……」
今では「ぼく」呼ばわりである。子供扱いである。
いや、あいつが小さかったのは本当である。��まごとをやる時はいつでもこちらが年上の役をやっていた。外に出れば可愛い兄妹のように見え、二つの家の者が会せば、
「お兄ちゃん」
とこちらのことを呼んでくるあいつと、その頭を撫でてやるこちらを、可愛い可愛いと云って持て囃す。
それが変わったのは、いつ頃のことだっただろう、確か小学校に上がってからだ。小学校に上がってからあいつの身長はグングンと大きくなって行ったんだ。
今思えば、本当にあっという間のことである。入学時には首元にあったあいつの頭が、一年経つと俺の口元に、一年経つと俺の目元に、一年経つと俺の額に、そして、もう一年経つと俺の頭の天辺、…………よりも高くなっていた。
「あれ? こんなに小さかった?」
と云いながら自身の頭に乗せた手を、こちらにスライドしてくる。
俺はとっさに背伸びをした。たぶん3センチほど背伸びをしたと思う。
――けれども、あいつの手は俺の頭上を掠めていった。――いや、掠めてもなかった。
「やったっ、私の勝ちだ! やーい、お兄ちゃんのチビ~」
背伸びをしても勝てなかった。それも女の子に、それも昔から知っている女の子に、それも今まで妹のように可愛がってきた女の子に。
この時の悔しさは今でも思い出す。俺はその後、何度も何度も手をスライドさせてくるあいつを突き飛ばして、自分の部屋で泣いた。あいつに身長を追い抜かれた。あいつにチビと云われた。あいつに、あいつに、……
それからもこの屈辱は変わることはなかった。俺は4ヶ月に一回、親に身長を測ってもらって柱にその記録をつけてもらっていたのだが、そういう時に限ってあいつは俺の家を訪れるのである。
「あ、身長測ってるの? わたしもわたしも!」
「いいわよ。ほら○○ちゃんも、そこに立って立って」
「はーい!」
と、一度こちらに顔を向けてから、柱に背中をぴったりつけて立つ。もう、この時点で、ついさっきつけた俺の跡は体に隠れて、……
嫌だったけれども、見るしか無い。心なしか俺の青ざめた表情を見て、あいつは勝ち誇った目を向けてきているけれども、そっぽを向いて興味が無い風を装う。
「ずいぶん高いわね~。168センチ、……と。うちのと比べると31センチ差! お父さんよりも高いじゃない! すごいわ!!」
これはお互い小学校を卒業する前のことである。あいつは小学生にしてすでに、160センチも残すところ2センチという長身。……
俺はまた泣きそうになった。けれども、この時はまだ、希望があったから泣くことはなかった。まだ自分の身長は伸びていない。伸びていないだけ。聞けば男性の平均身長は171センチ、……このまま俺も人並みに成長すれば、168センチなんて結局は超えられる。もう一回、あいつを見下ろす時が必ず来る。あいつをチビと罵る日が、……
――だが、儚い夢でしかなかった。
今では俺の身長は158センチ、あいつの身長はあれからも伸び続け、少なく見積もっても195センチ、……もはや比べるまでもない。しかも、もうお互い高校三年生である。あいつはとも��くとして、俺の身長はもう伸びないだろう。伸びたところで160センチを少し超える程度にしかならないだろうから、この先ずっと、俺は小学生時代のあいつにさえ勝つことができない。もし、タイムマシンがあって、今の俺が過去に旅立っても、向こうのあいつは、
「チビ~~」
と罵しってくるに違いない。
「細いな。……」
ジーンズを手にとった時、俺はそう呟いた。昔は可愛かったあいつ、「お兄ちゃん」と可愛らしく呼んできたあいつ、今でもその可愛らしさは変わらず、体つきもほっそりしなやかで、たぶんモデルになれば途端に頂点へと上り詰めるだろう。
「で、でか、……」
立った状態で、あいつのジーンズを体に合わせてみる。足ではなく、「体」である。
「う、うわ、……すげ、……」
何せ、股下が俺のよりも2倍近くあるのである。その股の部分がヘソよりも上に位置しているのである。そして、ウエスト周りはちょうど胸に位置しているのである。
全くもって、同い年の女子高生が身につけていたとは思えない。
「すげ、……すげ、……」
と、その時、
――クスクス、………
あっ、と思った時には遅かった。俺の後ろ、……それもずいぶん高いところから、そんな声が聞こえて来た。
「お、お姉ちゃん、……」
恐る恐る振り返ってみると、そこには口元に手を当てて、笑いをこらえる一人の大きな大きな少女が、……
「クスクス、……おチビくん? 何してるの?」
「い、いや、……これは、それは、……」
「何がそんなにすごいの?」
「え、えと、……」
「ん?」
「これが、その、……大きくて、……」
「あははははっ、この変態っ。背比べする時は、あんなに嫌な顔するのに、かわいいやつめ!」
とガバっと抱きしめてくる。お風呂上がりのしっとりとしたあいつに、俺の体が包まれる。柔らかくて気持ちいい。……特に、頭を丸ごと包んでくるおっぱいの感触は、もうどうにかなってしまいそうなほどに気持ちいい。……
「お、おねえ、……」
「んふふふ、お風呂入ってきなさい。続き、……したいでしょ? 」
「ふ、ふぇ、……」
「あっ、背中流してあげよっか? ほら、おいで、おいで」
と、手を取って来たあいつの顔は、本当に同い年とは思えないほど綺麗で、優しくて、天井を見上げるほど高い位置にあって、俺は、
「おねえちゃん。……」
とつい本心から、彼女をそう呼んでしまった。
高校二年生の妹
ドアをバタン! と勢いよく開けられたのは、宵闇もそろそろ暗くなろうかという頃合いであった。
勉強をしている時は極力邪魔をするなと云っていたはずである。数年前から何度も何度も云っているのに、絶対に守らないのは、もはや力関係が変わってしまったからであろうか。けたたましい音を立てて扉を開けたその者は、今度はズカズカと部屋に上がりこんで来て、ぴらりと一枚の書類を見せて来て、
「お兄ちゃん! 見てみて、A 判定だったよ! しかも今回は上位100人のランキングに載ってた!!」
と嬉しそうに云った。見ると一枚の紙は、何ヶ月か前にあった模試の結果であり、俺の手元にも同じような紙がある。
――が、そこに記されている結果はまさに雲泥の差。雲は妹の方であり、泥は俺の方である。
「そろそろお兄ちゃんの結果も見てみたいな~~~」
と、彼女の結果を見て唖然とする俺を尻目に、机を椅子代わりにして「座ってくる」。
「あ、これ?」
「――おい! やめろ!!」
と、彼女の手につままれて、ひらひらとはためく一枚の「紙」に手を伸ばす。が、しかし、
「ふふん、――」
と、立ち上がられてしまった。
「ほーら、ここまでおいで~?」
と、手を天井へピトッとつける。「紙」を抑えるのはたった一本の人差し指、それも軽く抑えているだけ、……けれども、俺は必死である。こうなってはもう諦めるしか無いが、精一杯背伸びをして、時にはジャンプもして、「紙」を取り戻すべく手を伸ばす。
――それほどまでに、妹には「結果」を見られたくなかった。
「んふっ、んふふふ。……あわれだね~、お兄ちゃん。そんなに見られたくない?」
「か、返せ!!」
「ならここまでおいでよ。チビなお兄ちゃんにはできない?」
「お前がでかいだけだ!! くそ!! 返せって!!!」
ぴょんぴょんぴょん、……それはまるでおもちゃを取られた子供のよう。
「あははははっ! ほら、そーれっ、そーれっ、――」
と、今度は「紙」を人差し指と中指でつまんで、軽く上下させる。――が、俺にはとてもではないが、届かない。
それほどまでに、俺と妹とでは、身長に差があった。
――その差、実に47センチ。
もうこの時点で、手を真上に伸ばしても、妹の頭の天辺には届かない。況してやその上にある「紙」など、届くわけがない。俺からすれば、突然ダンクシュートを決めろと云われているようなものである。
「も、もう頼む! たのむからやめてくれ!!」
と涙声で懇願する。だが悲しいかな、俺をいじめるのが何よりの楽しみである妹は、今度は俺の手がちょうど届かない位置で、「紙」をゆらゆら、ゆらゆらと泳がせ始める。
「ちくしょう! ちくしょう! ちくしょう!」
ぴょんぴょんぴょん、……
「ふんふ~ん、ふふーん」
俺の懸命な叫びなど、妹にとってはなんともない。鼻歌を歌いながら、次は、手の届くところで待機させておいてから、俺が手が当たる直前に、ひゅっと引き上げる。余裕の表情で笑いながら、もはや慈しみさえ含んだ表情で笑いながら、……
いったいいつからこうなったのか。いや、もはや物心ついたときから何をしてもこの妹には勝てなかったから、俺の中では最初からである。特に学力は顕著で、3歳違いだと云うのに、昔から同じテキストで勉強をし、与えられた課題は妹の方が点数がよく、本を読めばあっという間に知識を吸収するものだから、俺の方が後追いで余分に勉強しなければいけない始末。
それに加えてこの身長である。小学生にして、もはや学力では妹に勝てないと悟った俺は、身長だけはと思って、背を伸ばす数々の方法を試してきた。が、結果は非情なものである、20歳も目前にしてたった156センチまで���か伸びなかった。
対して妹の身長��と云うと、156センチの俺と47センチ差、……つまり203センチ。……嘘だと思われるだろうが、本当である。つい数ヶ月前の身体測定の結果を嬉しそうに見せてくれた時、そこには確かに203.6と云う数字が並んでいた。
いったいこの妹をして、どうしてこの兄なのか。また、いったいこの兄をして、どうしてこの妹なのか。身長156センチの馬鹿で、物覚えも要領も悪い兄に対して、身長203センチの頭脳明晰、運動神経抜群、何をしても初めから人並み以上に出来る妹、……力関係が変わるのも当然であろう。俺が今こうして、ぴょんぴょんと飛び跳ねられているのも、妹が好きで遊んでくれているからである。
「そろそろ諦めない? ちょっと見てて痛々しくなっちゃった」
「やめるか!!」
と、哀れな目線に耐えきれなくて掴みかかる。だが、しかし、
「ぐえっ!!」
「ふーん、そういうことするんだ」
「あが、……や、やめ、……はなせ。……」
何をしているか。それは妹が俺の首を手で掴んで来ているのである。そして、俺は手足をばたつかせているのである。――体を空に浮かせながら。
「お兄ちゃん、ちゃんと食べるもの食べなよ~。軽すぎて準備体操にもならないよ~」
ほいっ、と云って、俺の体をぽいっとベッドの上に投げ捨てると、妹は再び、
「ふんふんふんふふーん、……」
と鼻歌を歌いながら、さきほどまで俺が腰掛けていた椅子に座った。
「うわっ、低っ」
それはもはや「椅子に座る」というのでは無かった。俺のよりも二倍以上長い妹の足は、床からほぼ直角に腰から伸び、それでいて足元を見ると、ぺたんと大きな大きな足が床についている。例えるなら、体育座りしているような、そんな感じである。
先程、机を椅子代わりにして「座ってくる」と云ったのは、誇張でも何でも無い。妹にとっては普通の椅子とはミニチュアの椅子でしかないのである。実際、彼女の部屋に行けばそのことがよく分かるであろう。まるで自分が小人になったかのような大きさの椅子と机が、これまた冗談のような大きさのベッドと共にお出迎えしてくれる。
「お前がでかすぎるだけだろ、……」
と、まだ痛む喉をさすりながら云った。
「ちょっと、その云い方やめてくれない? 不愉快」
「ごめん、……」
「ま、いいや。見るからね。どれどれ、……」
と俺の模試の結果が載っている「紙」を広げる。
「や、やめ、……」
「えっ、……なにこれ」
信じられないものでも見たかのような顔をする。
「D 判定って、お兄ちゃん、……真面目にやった?」
「……やった」
「えっと、同じ、……模試だったよね?」
「……うん」
「うっわ、なにこの数学の点数、今回簡単だったじゃん。一問も完答出来てないって、……えっ、ちょっとお兄ちゃん、真面目に聞くけど、今まで何をしてきたの?」
「うぅ、……」
「何をしてたの? 高校三年間と予備校の半年間、いったいなにをしてたの? 遊んでたの?」
「………」
「だってさ、まだ二年生の私ですら上位100人に入ったんだよ? しかもただの力試しで。お兄ちゃん、これだと本当に今年もダメになっちゃうけど、これでいいの?」
「………」
「はあ、……黙っててもわからないってば。いいの? 私の方が先に大学生になっちゃっても」
「………」
「もう、こ��ち来て。――」
と、ぬるりと手が伸びてきたかと思いきや、俺は妹の方へ引き込まれてしまった。そして、何が何だかわからないうちに、脇の下に手を突っ込まれると、ストンと妹の膝の上に乗せられ、耳元にしごくこそばゆい息を感じながら、
「えっち。何見てるの?」
とささやかれる。実のことを云うとさっきから、スカートから覗く妹の玉のような肌の太ももをじっと見つめてしまっていた。筋肉質ではあるけれども、それでいて女性らしいしなやかさを保っており、見るだけでも変な気分になってくる。あとついでに云うと、背中に感じる二つの柔らかい、――しかも結構な大きさの膨らみも気になってしょうがない。
「ごめ、――」
「ねっ、お兄ちゃん。勉強、教えてあげよっか」
と妹が云う方が早かった。
「えっ?」
「だってさ、一年かけてもぜーんぜん成績上がってないしさ、もうお兄ちゃんでは無理だったんだって、早く悟りなよ。――お兄ちゃんにはこの大学は無理」
「そ、そんなに云う、――」
「でも、そんなお兄ちゃんでも一人心強すぎる味方がいます。さて、誰でしょう?」
「は?」
「……私だって、もうお兄ちゃんのあんな顔は見たくないんだよ。……って、これ以上云わすなっ。いいからペンを持って、早く体を起こしておっぱいから離れなさい」
「はっ? えっ?」
とうろたえているうちに始まった妹の家庭教師は、誰の説明よりも簡潔明瞭で分かりやすく、たった一時間程度で、俺はこの数年間続けてきた努力以上の実りを手にすることが出来たのである。
夏祭り
「あのー、……久しぶりに夏祭りに行きませんか?」
急に浴衣が欲しいと云ったかと思えば、妻がそんなことを云ってきた。いや、実は、毎日食卓に一緒に並べられる夏祭りの広告だったり、話せば必ず夏祭りの話題に行き着くことから、察しはついていたけれども、浴衣まで用意するとは思わなんだ。
「どうしたんです、急にそんなこと云って」
「うーん、……何故でしょう、……?」
と首を傾げて微笑まれる。私に問われても困るが、しかし何歳になっても可愛いなこの仕草。
「いいですけど、せっかくなんで私も浴衣が欲しいですね。何と云っても、私たちの出会いはそこでしたからねぇ、――」
「それ!」
と、手をポン! と叩いて立ち上がる。危うく天井に吊ってある電燈に頭が当たりそうだったけれども、上手く避けたようである。
「びっくりした。――」
「ごめんなさい。でも、それです、それ」
と云いつつ椅子に腰掛ける。
「久しぶりにあの頃に戻りませんか? しょうくん」
「ちょ、ちょっと待ってください。あの頃って、僕が恥ずかしいだけじゃないですか!」
「ふふ、もう自分のこと『僕』って呼んでますよ? ほら、行きましょ? きっと楽しいでしょうから、ね? しょうくん?」
「その呼び方をしないで、――うわ、うわうわうわ、……もう穴があったら入りたくなってきまし、……ああ! そんな顔で見ないでください!」
慈しみに溢れたその顔には、昔私に見せてきたうっとりとした微笑みが顕れてい��。
普通ならば、男など一瞬で虜になってしまうであろうこの笑みが、私にとってはどうしてこんなに恥ずかしいのか、大したことないのでここで語ろうと思う。
私たちの出会いは、上の会話から分かる通り夏祭り。当時、私は高校1年生だっただろうか、何せ入学してすぐに夏祭りに行った覚えがあるので、たぶん16歳の夏のこと。妻の年齢は、……今は控えておくことにする、それも良いスパイスでであるから。
さて、夏祭りは街一つをそのまま会場にしてしまうほど、結構な規模で行われており、路端には途切れること無くで店が立ち並んでいたり、どこもかしこも人で溢れかえって歩くのもままならなかったり、とにかくひどい賑わいであった。と、すると一緒に来た者と逸れるのは当たり前のことであろう、30分もしないうちに、私は一緒に来ていた友達がどこへ行ったのか、すっかり分からなくなってしまった。
だが、このくらいのこと、大した事ではない。はぐれて寂しい感じはするけれども、周りが賑やかすぎて寂しさなどすぐにかき消されてしまったし、その友人と云うのも、
「今日はお前そっちのけで他校の子と仲良くしてるかもな」
と云っていたから、最初から当てになどしていない。
そこで、私は一息つくためにも、椅子を求めて公園に向かった。
――妻と出会ったのは、その公園である。
「ふう、……」
と息をつきながら提灯の赤々とした明かりを眺めていると、ギシッ、……という音と共に、青い浴衣姿の妻が隣の椅子に腰掛けてくる。
「こんばんは」
「こ、こんばんは」
私がちょっと言葉に詰まったのは、妻が何とも大人びて綺麗に見えたからである。
「ふふ、迷子?」
「い、いえ、そういうわけでは、……」
「うそ。迷子じゃなかったら、一人でこんなところに座ってないし、それに迷子の子はすぐそう云う。ほら、お姉さんと一緒に、お母さんを探しましょう?」
どうやら、妻には私のことが迷子になった子供に見えていたようであった。だが、何故か云い出せなかった。私は妻の差し出した手をそのまま握って、彼女に引かれるがままに立ち上がった。
――妻の背の高さに気がついたのは、その時だった。
今でもこの時の衝撃は忘れられない。同時に立ち上がったのに、私が足を伸ばしきっても、彼女の膝はまだ「く」の字に折れていた。上がり続ける彼女の顔はどこまでも登っていくようであった。そして、すっとお互いの背筋が伸び切った時、私の頭は彼女の首元にしか届いていなかった。二倍にも、三倍にも、妻の体は私の体より大きく見えた。
「で、でか。……」
「ふふ、当然ですよ。お姉さんなんですから、ね? ぼくもいつかは伸びるから心配しないで」
と私の頭を撫でながらうっとりと微笑む。
云っておくが、私はそんなに背が低かったわけではない。妻の身長が高すぎるだけである。当時の私の身長がたしか170センチ弱であったから、おそらく彼女はその時すでに、185から190センチの間であっただろう。確かに子供に見えなくともない身長差だが、なぜ妻が私のことを迷子だと思ったのかは、今でも謎である。
「そうだ、お名前はなんて云いま��か?」
「しょ、昭一です。……」
「しょういち、しょういち、……うーん、しょうくん、って呼んでもいいですか?」
「ぼ、僕はお姉さんのことをなんて呼べば、……」
「お姉ちゃんでいいですよ。――ふふ、さ、行きましょう」
私たちはそうして歩き始めた。が、妻は迷子の子を母親の元へ連れて行くと云うよりは、私のような子を引き連れて歩くのが何よりも楽しいと云った風で、で店を覗いたり、神社に行っては参拝したり、
「お姉さん、射的がすごく上手だから見ててくださいな」
と云いつつも、何発も外したり、それでふてくされたかと思いきや、私の歩幅に合うよう歩みを緩めて人混みの中をただ練り歩いたり、――とにかく私にとっては夢のような時間であった。
しかし、周りの人の視線はかなり痛いものがあった。奇しくも高校一年生の男と、年齢不明の麗しい長身女性である。男が
「お姉ちゃん」
と舌っ足らずに呼び、女性が、
「しょうくん」
と子供をあやすように云う様は、それだけで見ものであろう。何よりも妻は繋いだ手を離そうとしてくれないのである。もう熱くて仕方が無いのに、時には手を振って歌ったり、時には立ち止まって私の両手をあの大きな手のひらで優しく包んでくれたり、その度に私は恥ずかしさで死にそうになった。
そんな視線の中で1番痛かったのは、彼女の友人たちと遭遇した時のことである。
「○○ちゃん!」
と呼び止める声がするので、私も妻も振り返って見てみると、そこには彼女と同じように浴衣を着た女性が何人か。だがしかし、その顔からはまだあどけなさが抜けきっていない。呼び止めた声もまた、どこか幼い気がする。
「もう、探したんだからね! 何してるの?」
「ごめんごめん。この子のお母さんを探してて、――」
「この、……子?」
と、近寄ってこちらの目をまじまじと見てくる。その気まずさったら無い。
が、私は別なことに気を取られてそれどころではなかった。彼女たちが近くに来て、またもやびっくりしてしまったのである。なんでこんなにでかいんだ、と。――
みんな長身ぞろいであった。それもただの長身ではない。私の頭は彼女たちの顎の下にあり、こちらを覗いてくる女性は腰を曲げて、膝に手を当て、その上で首を曲げていた。誰もが私のことを見下ろし、誰もが通り過ぎる人よりも頭一つ分突き抜けている。……
私は彼女たちの顔を見ようと顔を上げた。まさに天を見上げるような心地であった。星の煌めく夜空を背景に、彼女たちのあどけない顔が見える。下駄を履いているとは云え、誰もが身長180センチ代後半はあるように思えた。中には妻よりももっと大きな女性も居たから、190センチを余裕で超える者も居たと思う。
あれよあれよと云う間に私はそんな長身女性たちにすっかり囲まれてしまった。この時、どんなに可愛らしい女性と云えども、囲まれて見下されれば怖いと感ずるのだと知った。
「へーえ? かわいいじゃん?」
と後ろから私の肩に手を下ろしている女性が云った。ちなみにこの女性はこれを云う直前に、私の脇の下に手を入れて、俗に��う「たかいたかい」をしてきたのである。
「でしょう」
と得意げに妻が���
「うーん、まあ、確かにかわいい、けど、……」
と私を覗き込んでいた女性が云った。
「私たちは、このへんでうろうろしてるから、終わったら来てよね。花火は一緒に見よっ」
「うん。ちょっと連れて行ってくるね。――さ、しょうくん、行きましょうか」
と開放された私たちは再び歩き出した。
「ごめんなさい」
しばらく歩いた後に、妻がこう云ってきた。
「な、何がですか?」
「今日はバレー部の子たちと来てたの。だから、みんな体が大きくて怖かったでしょう?」
「いえ、みんな可愛らしくてそんなことは、……」
「ふふ、ありがとう。しょうくんは優しいです。謙遜でも、そう云ってくれると、みんな喜ぶと思います。――」
「あの、お姉ちゃん」
「ん? 何ですか?」
「バレー部って、ことはお姉ちゃんってまだ高校生なんですか?」
と云った時、妻の動きがふと止まった。と、思いきや、
「――あははははっ、違う違う、あははっ、……」
妻はしばらく笑った。腹を抱えるほどではないけれども、口に手を当てて、体を屈めて、笑いが漏れるのが抑えきれないと云った風であった。
「……ごめんなさい。えとね、私はまだ中学生なんですよ」
「ええっ?!」
「ちゃんと云うと、中学二年生。あの子たちも今中二で、一緒にバレーをしてます。改めてよろしくね」
「えっ、ちゅ、中学生?!」
信じられなかった。妻がこの時まだ中学生であることにも信じられなかったが、それよりもあんな背の高い、――身長185センチ以上、190センチを超えている者も居る女性たちが、まだ中学生だなんて、いったい誰が信じられようか。
――でも、信じるしか無い。あのあどけない顔立ちと、あのちょっと甲高い声は明らかに中学生のそれであった。
「そんなに驚くことないですよ。バレーをしてる人って、みんなああいう感じですし、……まあ、確かに私たちの中学校は少し背が高いような気がしますけど、……」
少しだろうか。身長185センチ以上の女子中学生なんて、学校に一人居ればいいくらいである。それがあんなに、しかも妻の口ぶりではまだまだ居ようかと云う気配。……後でアルバムの写真を見せてもらったら、確かに恐ろしいまでの長身ぞろいの中学生たちであった。あの身長を持つ妻が「紛れて」しまっていたのである。それどころか、監督をしていた男の教師が一番小さかったのである。――もちろん、入学したばかりの一年生も含めて、である。
「す、すごい。……」
「ふふ、……さ、私たちのことはこれくらいにして、早く行きましょ。そろそろ花火が始まっちゃう」
それから私たちは歩きに歩き回って、二人して疲れと云って、再び出会った公園に戻ってきた。ちょっとした奇跡だと思ったのは、花火が一番見える場所と云うのが、その公園だったのである。私たちは二人きりで花火を眺めた。もっとも、私は花火がボン! という音を立てて弾ける度に、妻の顔が鮮やかに照らされるのだと気づいて以来、彼女の方を向きっぱなしであったが。
「おーい、昭一!」
「はーい!」
友人の大きな声が聞こえたので、私も大きな声で返事をした。
「お友達も帰って来たことだし、お姉ちゃんはここでお暇することにしましょうか」
と、妻はゆっくりと席を立った。
「僕のお母さんを探すんじゃ、……?」
「あれ? そうだったっけ?」
と首を傾げて微笑まれる。私はこれまでの人生で妻のこの表情以上に可愛い女性の仕草と云うものを知らない。
「ぼ、ぼく? お母さん? お姉ちゃん? は? お前に姉が居るなんて、……」
「ふふ、お元気でね。また、会いましょう?」
としゃがんで私の頬へキスをしてから、妻は颯爽と公園から去って行った。
その後の友人の詮索については思い出したくもないので、ここには書かない。とにかく、他の学校の子と仲良くする、という友人の目的は私が代わりに達成してやったのである。――全校生徒中の笑い者にされるという代償を払って。
「しょうくん、あの時は私の顔見すぎでしたよ?」
「えっ、バレてました?」
「バレバレですよ。顔が火照るのを我慢するのにどれだけ苦労したか、分かってます?!」
と口を尖らせて怒る。その様子が何だかおかしくって笑うと、ますます怒ったような口ぶりで、こちらに文句を云ってくる。――ああ、可愛いなぁ。なら、もっと可愛い仕草をさせてやろう。……
「――ところで、なんで僕の事を迷子だと思ったんです? そんなに子供っぽく見えましたっけ?」
「さあ、どうでしょう、――」
と、妻は首を傾げて、顔を赤らめて、微笑みながら云った。―――
後輩
今俺が対峙しているのは、一人の女子高校生、なんだかぼんやりとしているのは気のせいではあるまい、お腹が空くと同時に力が出ないと云って、毎日昼前の授業は寝て過ごすのである、今日はその昼前の授業というのが体育だったから、寝ることが出来ず、体操服を着たまま、こうして眠そうな目をこちらに向けて突っ立っているのである。
「勝負ですかぁ? いいですよぉ?」
と先ほど彼女は云った。その間延びした声に俺は勝ちを確信し、彼女の前に立った。
賭けるものは昼食の弁当、――この学校では昼時になると業者が弁当を売りに来て、それが中々安いのに結構なボリュームで、しかも美味しい、……絶好のbet 案件である。
「で、何で勝負するんです、かぁ、……?」
もうフラフラである。こうなれば何であっても俺の勝ちは揺るぎないだろう。
「腕相撲とかする?」
「うで、ずもうですかぁ?……それはダメです先輩、……ダメです、……」
「なんで?」
「だってぇ、そんな勝ち負けが決まっている、……ようなもので勝負したらぁ、……勝負に、あれ? ……とにかく、勝負にならないじゃないです、かぁ。……」
「ああ、俺の勝ちってこと?」
「いいえぇ、違います。……私のです、……私の。……試しにやってみます?」
場所は体育館であるが、試合結果やら何やらを書くための机が常に配置されているから、俺たちはその一つへ移動した。途中、フラフラと足取りがおぼつかない彼女の背を押してやらなければならなかったが、とにかく、机を挟んで向かい合う形になった。
「俺は全く負ける気はしないんだがな」
「それは私も同じですよぉ。……」
と、右へふらり、左へふらり。もう立っているのもやっとのことであるようである。……
――しかし、こうして目の前に立ってみると、めちゃくちゃでかいな、こいつ。
後輩の女子高生とは云っても、以前聞いた話によると、その身長は195センチあるらしい。嘘だと思いたいが、俺の背がすっぽりと彼女の胸元あたりに収ま���から、本当だろう。それで、ヒョロヒョロのモヤシ体型かと思ったら、どうもこうして対峙してみると違う感じがする。ムチムチとした腕に、ムチムチとした太ももに、服の上からでも分かるほど、引き締まった腰回りをしている。一見細そうな手足も、長いからそう見えるだけで、ほとんど俺の腕や足と、――いや、もしかしたら彼女の方があるかもしれない。……
負ける? いやいや、それでも普通の女の子である。腕相撲では絶対に負ける気がしない。俺は机に肘をついて、カクンとうなだれる彼女の手を取った。
「うわ、なんだこれ」
「んぅ? どうしたんです? もう初めてもいいですよぉ。……」
彼女の手は俺のよりも遥かに大きかった。そして、きめ細やかな肌が途方もなく気持ちがいい。……俺が声を出したのはそれが原因であった。しばらくはニギニギと握って、この心地よさを堪能することにしよう。
「せんぱぁい、……早く、……もう私お腹が空いて、……」
と、しばらくするとさすがに文句を云ってきた。
「あ、ああ、ごめん。俺は準備出来たが、お前は? 相変わらず力が入ってないようだけど」
「これでいいですよぉ、……勝手に始めちゃってください。これで負けたら私の負けでいいです。……」
――さすがにカチンとくる。なんでこんなに余裕なのか。勝負だから俺は本気でやりたい。女子高生相手に本気なんて大人気ないけど、やるからにはある程度は真剣にやりたい。
「いいのか? 始めるぞ?」
「どうぞどうぞぉ。……」
いいだろう、後悔させてやる。――
「………」
「………」
「んん……?」
「………」
「ク、……クソ、……なんで、……!!」
「んーん? せんぱぁい、もしかしてもう始まってますぅ? それで全力なんですかぁ?」
全力だった。上半身も全部使って、腕に力を込めている。
「ぬおおおおおお、……」
――なのに、彼女の腕は、嘘のように動かない。全く微動だにもしない。地面に突き刺さった鉄棒のように動かない。
「んふふ、せんぱぁい、私の云ってたこと、理解しました?」
いつの間にか彼女は眠そうな目を歪ませて、こちらを見つめてきていた。途方もない恐怖が俺を襲ってきて、この手の震えが過負荷からなのか、恐怖からなのかわからない。……
「じゃ、いきますよぉ? 勝負をしかけてきたのはせんぱいなんですからね? 折れても文句は云わないでくださいね?」
折れるってどういう、……
――突然、ガァン!! と、云う音がした。
「へっ?」
見ると、俺の腕は、彼女の手の下で、押し潰されていた。――
「があああああああ!! 痛い! 痛い! 痛い!」
甲が砕けたかのような激痛が腕に走り、床に倒れ込んで咽び泣く。何が起こったのかもわからない。痛みすら、一瞬遅く伝わってきた。訳が分からなかった。音からして机が割れたのかと思った。
「加減しましたから、大丈夫ですよぉ。そんなに痛がらなくても折れてませんから」
あんな冗談みたいな力を込めたのにも関わらず、彼女は呑気なものだった。
「ん~~~」
とゆっくり伸びをして、
「ふわあ、……目が���めてきちゃいました。先輩、次はドッジボールしましょう」
と近くにあったバスケットボールを取りながらのんびり云う。
「く、くぅ、……何だった���だ今の、……って、お、おい、まて、それはバスケットボ、――」
――ヒュッと、風切り音がした。
その直後、バァン!! と後ろから破裂音が耳をつんざいた。跳ね返ってきたボールは、それでも物凄い勢いで俺の横を掠めて、彼女の手元へ戻っていく。
「は?……」
全く見えなかった。こんなのは野球をしたときと同じである。バッティングセンターで調子に乗って最高速度を試した時の、あの感覚、……白い筋が見えたかと思いきや、次の瞬間には後ろのネットに叩きつけられたボールが、ぽてんぽてんと目の前に転がる、あの感覚、……
彼女の投げたバスケットボールはそれに近かった。いや、それ以上だった。軌跡すら目に映らなかった。あんなのが体に当たるなんて考えたくもなかった。ドンドンとボールを手元でバウンドさせる彼女は、すっかり目を覚ましたのか、はっきりとこちらを見据えていて、――めちゃくちゃ怖い。……
「せんぱい? 次は当てますからね? ちゃんと取ってくださいよ?」
「待って、待って!! 悪かった! 俺が悪かったから!!」
「えー、……」
「もう俺の負けでいいです、はい。くだらないことに突き合わせて、すみませんでした」
「えー、……もう負けを認めるんですかぁ? それでも男ですかぁ?」
と、云われても俺の腰はすっかり抜けてしまって、立つことすら出来ない。
「うん、もう負けです。お弁当は約束通り買ってあげます。一週間続けてもいいです」
「えー、……つまんなー、……」
と云って、彼女はつまらなさそうに背伸びをして、バスケットボールを軽くリングの中へ入れてから近寄ってきた。いつもはのんびりとした、しごく大人しそうな子なのだが、彼女の2メートル近い長身も相まって、今は鬼のように怖い。
しかも分かってやってるのか、一歩一歩確実に、ゆっくりと近づいてくる。……
と、俺の元にたどり着いた時、そんな恐ろしい彼女が脇下に手を入れてきた。そして抱きしめるようにして俺の体を抱えると、ひょいと、まるで猫でも抱きしめるかのような体勢で持ち上げてくる。俗にいうお姫様抱っこというやつか。傍から見れば軽々と抱えられているように見えるだろうが、俺はあまりの力強さに、喉からひゃっくりのような声を漏らしてしまった。
「んふふ~、せんぱぁい、わたし今、ちょっと機嫌が悪くてですね、普段出せない力を見せたくなってるんですよ~」
「ひっ、……」
「かと云って、せんぱいにこれ以上危害を加えると嫌われてしまいそうですし、どうしましょ」
「こ、このままお昼ご飯に行くというのは、……?」
「ダメです。最後に一回勝負をしないと、気が、――あ、思いつきました。せんぱい、手を出してください」
と、云われるがままに手を差し出すと、するりとあの気持ちのいい手で握られる。
「あ、……これって、もしかして、……」
「んふふ~~、そうですよ~? 指相撲です!」
これなら先輩にも勝てるかもしれません! と元気よく云うのだが、もはや勝敗は決していた。俺の小さな手は、彼女の大きな手に握り「込まれ」、人差し指から小指までは全く見えず、何よりも向かい合った親指が、……巨人に立ち向かう小人のような、そんな感じで、彼女の親指と面しているのである。たぶん長さにして二倍は違うだろう。指相撲は相手の親指を上から抑え込ま���ばならないが、俺の親指と云えば、彼女の親指の第一関節に触れられたら良いくらいで、勝負が始まった途端に押し込められることであろう。
案の定、指相撲は彼女の圧勝で終わった。初め! と云った瞬間に、あの長い親指で、しかも恐ろしい力で抑え込まれるのだから、勝ち負け云々を議論するほうがおかしい。
「ふぅ、いつかはせんぱいも強くなって、私の本気を受けてみてくださいね。――あ! あのバスケットボールを投げたのはまぁまぁ本気だったので、他言無用でお願いします。せんぱいだけにお見せしたので、……まぁ、うん、それだけはご考慮を、……」
と顔を赤くして云うのが不思議で、やっぱり女の子とはいつでもか弱いところを見せたいのかなと思った。
それから俺は彼女の着替えを待って、弁当売り場へと向かった。けれども、すでに弁当は売り切れ、業者は撤退した後であった。俺たちは仕方なしに購買へパンを買いに行って、仲良く空き教室で、むしゃむしゃと口を乾かせながらコッペパンやら何やらを食べたのである。
妹たちの背比べ w/ お兄ちゃん
「せーのっ」
「せーのっ」
「――184センチ!」
「――179センチ!」
「あー! またお姉ちゃんに負けた!!」
「でも6年生だった頃の私より高いじゃん」
「お姉ちゃんに勝ちたいの!!」
「もー、……」
……里乃と詩乃、二人の少女が何を比べているのかと云うと、それは互いの身長である。姉の里乃に負けて、妹の詩乃が悔しそうな顔をするのは、もはや毎年、身体測定の行われる季節の定番となっている。
「179.8センチって、もうちょっとで180じゃん!」
「だから悔しいんだってば」
女性で180センチ前後の身長を有する者は珍しいだろう。しかし、彼が驚いたのはそこだけではない。
「中学生になるまでに、お姉ちゃんを追い抜けるかな?」
「この調子だと、あと半年くらいじゃない?」
そう、妹の詩乃はまだ小学生なのである。6年生になったのは、つい半月前ほど。
そして、姉の里乃はまだ中学生なのである。1年生になったのは、つい半月前ほど。――
「んー、もう少しなんだけどなぁ。……」
と、詩乃が頭に手を当てて、里乃の額にコツンとぶつける。二人を見上げる彼からすれば、二人の身長差なんてあまり無いように感じたが、確かに数センチは差があるようである。
「もうこんだけじゃん」
「お姉ちゃん、いつもそう云ってる」
「そうだっけ?」
「あはははは、――」
「ふふ、ふふふ、――」
――と、そんな笑い声が二人の間で木霊する中、
「はあ、……」
と彼はため息をついていた。――なんで妹たちばかりこんなに大きくなっていくんだ、と。
小学6年生の詩乃ですらもう180センチ、……里乃が小学生にして150センチを超え、160センチを超え、170センチを超え、どんどん垢抜けていく一方で、まだ幼い詩乃に希望を抱いていたのだが、そんな詩乃ですら一昨年、――まだ彼女が小学4年生の時に自分をさらりと追い抜いて、今では姉の身長に追いつこうとしている。……
「はあ、……」
と彼は再びため息をついた。こんな信じられない妹たちを持っているものだから、ものすごく肩身が狭い。
出かければ子供扱いされるのは自分なのである。プールに行けば溺れるのを心配されるのは自分なのである。店に行けば「弟さん」と云われるのは自分なのである。���戚の家に行けば年下扱いされるのは自分なのである。食事をすれば「こぼさないように」と云われるのは自分なのである。……
もちろんそんなことを云ってくるのは何も赤の他人だけでも、親戚だけでも、親だけでもない。ため息をつくのを目ざとく見つけた二人の少女、――彼の妹たち、――中学生にして身長184センチの里乃と、小学生にして身長179センチの詩乃、――この二人にも数々の屈辱的な言葉を並べられるのである。――ほら、今も項垂れている彼を見て、クスクスと笑っている。……
「兄さん?」
と里乃が。
「お兄ちゃん? どうしたの、そんなにため息をついて。」
と詩乃が。
「あっ、分かった。混ざりたいんでしょ?」
「えー、お兄ちゃんはいいよぉ。だって、かわいそうだし!」
「もう、そんなこと云ったらダメだよ。兄さんだって、好きでこんな小さい訳じゃないんだから、……」
「なんでお兄ちゃんだけ、こんなに小さいのかなぁ。……」
そんな風に、無意識に彼を傷つける言葉を並べつつ近づいて行く。
一歩一歩、妹たちが近寄ってくる毎に、彼の首は上を向いていった。壁に引っ掛けてあるカレンダー、カーテンレール、エアコン、そして天井、……と云った風に、視界に入るものがどんどん移り変わっていく。
――妹を「見上げる」、なんて体験はそんなに出来る人は居ないだろう。どんな心地であったか。それはとんでもなく屈辱的で、そのあまりの悔しさから心臓は脈打ち、気をつけなければ自然に涙が出来るほどである。
二人の妹たちが目の前に来た時、彼は思わず一歩退いた。彼女らの顔はにこやかだったけれども、なぜか途方もない威圧感を感じた。それは本能が、この二人の妹たちを恐れたからだろうか。きっとそうである。感じる威圧感だけで彼は押しつぶされそうな心地を抱いていた。
しかし、二人ともまだ12歳と13歳だけあって、何とも可愛らしい。顔だけみれば、台にでも登っているような心地を抱いてしまう。とてもではないが、180センチもあるようには思えない。
が、現実は二人ともぺったりと、30センチを余裕で超える大きな素足を床につけているのである。彼は妹たちの笑顔を見るのに耐えられなくて下を向いたとき、そのことを実感した。彼女らの足に比べれば、自分の足は子供のそれである。以前、無理やり里乃の靴を履かされた時の、あの笑い声が聞こえてくるようだった。
「ごめん兄さん、変なこと試しちゃって」
と、里乃は笑いをこらえられたようだったが、詩乃の方はカポカポと音を立てて歩く自分を笑いに笑った。
そう云えば逆もあった。が、入るには入ったけれども、残り三分の一を残してつま先が先端に到達したらしく、
「きゃははっ、お兄ちゃん足もちっちゃ~い」
と何度も何度も詩乃が靴を踏んづけていたのは記憶に新しい。本当に自分の足は、彼女らに比べれば、子供のそれなのである。
それに、その足自体が、めちゃくちゃ長いのである。
――えっ、そんなところに腰があるのかと、もう毎日見ているのに思ってしまうのである。なんで自分はこんなに短足なのに、妹たちは身長の半分以上もある脚を持っているのか、彼には理解できていない。――もはや理解できないのである。それほどまでに、里乃と詩乃の脚は長いのである。
例えば昔、――と云ってもつい1ヶ月前に飛行機に乗った際、ゆとりのない席だったせいで、彼女らはこれほどないまでに��を折り曲げて座らねばならなかった時があった。
「あ~、これはちょっと、……」
「狭い!」
と何度も何度も文句を云った。
ただ、里乃はまだよかった。
「兄さんごめん。ほんとうにごめん」
と云いながら彼の座席の方へ足を伸ばせられたのだから。しかし、片側が見知らぬ夫人だった詩乃の方はそうもいかず、常時通路側へ飛び出してしまい、道行く人々のじゃまになっていたのであった。もう彼女らにとっては、この世界は小さいのである。
「兄さんどうしたの? そんな俯いて、……」
「ほらほら、怖くない怖くない、……」
と、彼を引き寄せた詩乃が頭を撫でてくる。――もはや子供扱いである。外では終始、彼の方が弟扱いされているものだから、次第に彼女自身もこういった行為が増え始めて、今では誰が見ていようが見ていまいが、頭をなでてきたり、膝の上に座らせたり、後ろから軽く抱きしめるように腕を回してきて、隣に居る里乃と談笑するのである。
「お兄ちゃん?」
と、顔を上げられる。詩乃の溌剌とした可愛い顔が見える。
「兄さん?」
と、クイッとそのまま横に向かされる。里乃のおしとやかな可愛い顔が見える。
��―もう、頭一つなんてレベルじゃないのか。……
と彼は思った。どう考えても、自分の頭は詩乃の首元にしかたどり着いて居なかった。里乃に至っては肩にも掠っていない。
「兄さんは何センチだったっけ?」
「もう、お姉ちゃん知ってるのに、……」
「詩乃、静かに」
「はーい」
「………」
彼は黙っていた。妹たちの身長を聞いた今では、自分の身長を思い出すことすら嫌だった。が、
「ん?」
と、里乃がお姉さんっぽく微笑む。――当然、彼女も彼のことを弟扱いしているのである。もうこうなってはお手上げである。口をパクパクと動かしてから、ようやく彼は喋り始めた。
「……ひゃ、ひゃく、ご、……」
「んーん?」
「ひゃくごじゅ、……」
すでに詩乃は笑いをこらえている。
「157センチ、……です。……」
「あははははっ、――」
と詩乃が吹き出す。
「はい、よく云えました。よしよし、――」
と里乃が頭を撫でてくる。――
彼の身長は157センチしかなかった。実は1センチくらいサバを読んでいるのだが、それは去年の里乃に、
「もう20センチも差がついちゃったね~」
と云われないためであった。が、今では、
「あははははっ、もうわたしと比べても、20センチ以上小さいじゃん! あはははははっ、――」
詩乃にすら実に23センチも差を付けられてしまった。
「こら詩乃、そんな笑わない。――兄さん、兄さんは小さくても可愛いから、そんな悩まなくても大丈夫だからね? もう、泣かないの」
目元を拭って、里乃が慰めてくる。……もうそれすらも、彼にはたまらなかった。拭われても拭われても、とりとめのない涙が目から溢れて仕方がなかった。
だが、彼の地獄はまだ終ってなど居なかった。里乃に涙を拭われ、詩乃に笑われ、それからちょっとして家の外に車の止まる音が聞こえた。
「あ、来たかなぁ」
「たぶんね」
ああ、そうだった。――と、彼は今この家に居ることを後悔した。今日はその日だった。逃げ出したかったけれども、詩乃の膝の上に座らされて、しかも抱きしめられているものだから、動こうという気すら起きなかった。
「一ヶ月ぶりくらい?」
「うん。楽しみだね~。ね、ね、お兄ちゃんもそうでしょ?」
と里乃が彼に問いかけたところで、コンコンとノックの音が聞こえてきた。と、間もなくして扉が開き、���しぶりの来訪者が「腰をかがめて」入ってくる。――
「里乃ちゃーん、詩乃ちゃーん、久しぶり~~~」
「久しぶり~~~」
「小さいお兄ちゃんも久しぶり~~~」
と、まずは部屋の中に居た三人の兄妹に挨拶をした。
顕れた人物は二人。名前は紗絢(さあや)と香音(かのん)と云う。両者とも可愛らしい顔つきをしており、さすが里乃と詩乃の従姉妹だけある。歳は紗絢が15歳、つまり中学3年生、そして香音が里乃と同じ13歳である。
そして、二人とも巨人である。いや、彼が勝手にそう思っているだけで、普通の可愛らしい女子中学生なのだが、紗絢も香音もとてつもなく背が高い。身長179センチの詩乃よりも高ければ、身長184センチの里乃よりもずっと高い。特に、姉の紗絢の背は2メートルにも達しているのかと思われるほどで、天井に頭をぶつけないよう腰を屈めて、三人の兄妹と対峙している。
「紗絢姉さんも、香音も久しぶりだねー」
と、まずは立ち上がった里乃が。
「うひゃー、……」
と、次に詩乃が感嘆の声を漏らす。
「ひ、久しぶり」
と、最後に彼が詩乃の膝の上で怯えながら云った。――と、途端に紗絢の目が変わる。
「もー、お兄さん! そんなところに居ると詩乃ちゃんが動けないでしょ、――」
「相変わらず甘えん坊さんですねぇ」
「いる?」
と詩乃が彼を抱きかかえて、二人の長身姉妹に差し出した。
「えっ、ちょ、ちょっと詩乃、――」
「私がもらいましょう」
香音はそのまま彼をお姫様抱っこすると、赤ちゃんでもあやすかのように、トントンと腕の力だけで揺さぶる。
「ふふふ、お兄さんかわいい。……」
「まって香音、おろ、……下ろして、――」
香音の身長は恐らく190センチを軽く超えているだろう、そんな彼女に抱きかかえられると、身長156センチの彼からしれみれば、いつもより高い位置から部屋を見渡しているようなものなのである。それに何より体勢が不安定なのである。中学1年生の女子とは、――いや、人間とは思えないような力で支えられているけれども、ものすごい恐怖を感じていることだろう。
「紗絢も見てないで助けて!」
「えー、嫌ですよ。この通り、香音のスイッチ入っちゃいましたし」
確かに香音はこの上ない優しい表情を浮かべて、彼をあやしている。たぶん、子供と遊ぶのがかなり好きなのだろう、やめる気配はどこにも無い。
「だから、しばらくはこのままで。――もう、大丈夫ですって、香音のことだから落ちることはありませんってば」
「そんな、……り、里乃!」
「なぁに、兄さん? 嫌だよ、だって香音の邪魔をするとすごく怒られるもん」
「ふふ、そうですよぉ、おにいさん。このままおにいさんは私の赤ちゃんになっちゃうんです。……ふふ、ふふふ、――」
それから紗絢と里乃と詩乃が喋っている間、香音は彼をあやし続けた。途中、
「そうだ、お腹空いてませんか? おっぱい飲みますか?」
と云って、本当に姉譲りの巨乳を曝け出そうとした時はさすがに紗絢に止められたけれども、実に30分間、彼を腕の中に抱きかかえたまま、とろけるような声をかけ続けた。それが終わったのは、「たかいたかい」をして天井に頭をぶつけてしまったたからで、恐らくその「たかいたかい」が無��れば、赤ちゃん扱いはずっと続いたことであろう。この部屋どころか、階下に降りて行って互いの両親に見せびらかしたことであろうし、夕食も一口ずつスプーンに乗せ���食べさせられたことであろうし、お風呂だって一緒に入ったかも知れない。もちろん寝る時は、湯たんぽ代わりに抱きかかえられるに違いない。
香音が彼を下ろしてから、残る三人も彼の元に集まって、彼は後ろに詩乃、右に里乃、左に香音、前に紗絢、――という風に、すっかり長身の少女たちに取り囲まれてしまった。もはや天井も見えないし、彼女らに光が遮られて昼過ぎなのに薄暗いし、でもなんだか良い匂いが立ち込めているし、それに前から突き出ている紗絢のおっぱいが顔に当たっているのである。
「ふぁ、……」
「ふふ、幸せそう」
と香音が云った。
「えー、そんなことないよー。だって私たちが近寄っただけで逃げるんだよ? お兄ちゃんは」
「でも幸せそうですよ? ね、お姉ちゃん?」
「うん。さっきから必死で私の谷間の匂いを嗅いでるからね。――」
「え、ほんまに?」
「ほんまに」
「ちょっとお兄ちゃん!」
と詩乃が思いっきり抱き寄せるので、彼の顔は紗絢のおっぱいから引き剥がされてしまった。だが、怒っているのは詩乃だけで、里乃も香音も、それに紗絢もしごく優しげな顔をしている。詩乃もまた、ひとしきり叱った後は、後ろから自分のおっぱいに彼の後頭部を押し付けつつ、頭を撫でる撫でる。……
彼は、一番の年長者が一番小さい上に、余裕もないと云う事実に震えた。妹たちも従妹たちも巨人だった。一番小さい詩乃でも179センチもあることが信じられなかった。二番目に小さい里乃でも184センチもあることは、もっと信じられなかった。ならその妹たちをを見下ろす香音は? そしてそんな香音を見下ろす紗絢は? いったい何センチあるのだろう。二人とも天井に顔がある。自分の頭は香音の胸にしか届いていない。脇の下にも届いていない。紗絢に至っては、下手するとおっぱいの下に顔が入るほどである。
――巨人だ。……
彼は二人の身長を知らない。昔から彼女らの方が大きくて、子供扱いされるのが嫌で、とうとう今の今まで聞かずじまいであった。
と、ふと、従妹たちの身長を知りたくなった。本当は知りたくなどないのだが、もう40センチも差を付けられてしまえば、一度すっきりしてしまうのも手であろう。
「あれ? メジャーが落ちてる。……」
と、ふいに後ろを向いた紗絢が、折良く先日に机を新調したいからと云って使っていたメジャーを見つけた。拾い上げてスルスルスル、……と引き伸ばしていく。
――途端、ピン! ……と、腕が伸び切っていないのにメジャーが張る。
「あー、……身体測定前に身長を測りたかったけど、2メートルしかないかぁ。……」
まだ伸び切っていない腕を見て、紗絢がつぶやいた。
「残念だったねぇ。うちの家はそれしかメジャーが無いから、紗絢姉さんには短すぎますねぇ」
「あちゃあ、……じゃあ、今はやめとこうか。でも、香音はギリギリ測れると思うから、一応測っときな」
「はい、姉さん」
と香音がメジャーを貰い受ける。
ところで彼は、
「へっ、……えっ、……?」
などと声にならざる声を上げて、目を見開いて妹たちの会話を聞いていた。
――2メートルしかないかぁ。……
――紗絢姉さんには短すぎますねぇ。
この言葉、そして伸び切っていなかった腕から察するに、紗絢の身長はとっくの昔に2メートルを超えているのだろう。
彼は思わず身震いした。妹たちも信じられないが、今までこんな日本中どこを探しても居ない中学生が身近に居たなんて、しかも従妹に。いったい何を食べればこんなに大きく、――それも女性らしい美しさを保ったまま背を伸ばすことができるのだろうか。自分��これまで身長を伸ばすために何でもやってきた。妹たちに笑われながらも、牛乳は沢山飲んだし、夜は遅くとも10時には寝ていたし、里乃に腕を持ってもらってぐいー、……と背筋を引き伸ばしてもらったこともあった。恥を忍んで紗絢に背の伸ばし方を聞いたことさえあった。だがそれで得たのは156センチという、大概の女性と同じか、低いくらいの身長のみ。……もうみんなに笑われる、みんなにからかわれる、みんなに子供扱いされる、妹たちに弟扱いされる、従妹たちに赤ちゃん扱いされる。
屈辱で心が折れそうだった。今すぐにでも駆け出したかった。
けれども、詩乃が後ろから抱きしめてきていて、全く動けそうにない。……香音の身体測定を見守るしか出来ない。……
「はい、背筋伸ばして―」
と上で待機している紗絢が云った。
「準備出来たよー。いつでもどうぞ」
と云う里乃は下でメジャーを抑えている。
いよいよである。紗絢の身長は結局分からずじまいで終わりそうだが、香音の身長はこれで分かる。分かってしまう。
「おー、結構伸びたねー、……おっ、おっ?」
「おっ?」
「香音すごい! ……うん! ぴったり2メートル!! おめでとう!!」
「えっ、うそ、ほんとうに?」
「ほんまにほんまに」
「――やった! お姉ちゃん、とうとうやったよ!」
と大人しそうな顔に、心底嬉しそうな表情を浮かべて、姉とハイタッチをする。ついでに里乃にも、ついでに詩乃にも、そして、ついでに彼にも。――
「香音おめでとう! さすが!」
「私もあと21センチ頑張らなくちゃ」
と、4人の妹と従妹たちはすっかりお祝いムードである。
ただ彼一人だけは、途方に暮れていた。
――2メートル、2メートル、女で2メートル、中学1年生で2メートル、……
そんな考えだけが頭の中をぐるぐると駆��巡っていた。胸はドキドキして止まらなかった。屈辱やら悔しさやらで息が上がって苦しかった。立っているのもやっとだった。
そのうち、4人の中の一人がメジャーを片手に近づいてきた。そして、こう云った。
「ほら、お兄さんも測りましょう。今日こそは教えてもらいますよ」
――ああ、そうだった。そういえば今までのらりくらりと躱し続けて続けてきたんだった。……
声の主は、先程2メートルぴったりだと判明した少女であった。見下ろしてくるその顔は確かに中学生の可愛らしさ、幼さがあった。
――だが、2メートル。
もうダメだった。彼はとうとう体中に力が入らなくなって、床に崩れ落ちた拍子に頭を打って気を失ってしまった。その直後の展開は、彼はよく知らない。が、目が覚めると、なんだか途方もなく柔らかくてあたたかいものに、体が丸ごと包まれているし、なんだか楽しげな話し声が聞こえてくるし、それになんだか良い匂いが漂ってくる。
辺りを見渡して、それが食事だとは彼にもなんとなく感づいたようであった。だが、
「あーん」
と、スプーンに乗って差し出された料理が離乳食だとは、全くもって気が付かなかったようであった。妹たちの笑い声は、しかし、再び紗絢の腕の中で眠った彼には聞こえてなどいなかった。
(おわり)
出来すぎた妹
これから話すことは惚気と受け取られてもしょうがない話であるが、生まれて5年後には生涯の伴侶が居たのだから、生い立ちを語れと云われて惚気話になるのは致し方あるまい。
さて、俺の生まれはとある地方の山の中で、周りに店の一つも無ければ家もなく、駅すらも歩いては行けない場所にある、今の華々しい生活からすればひどい環境としか云いようがない田舎だった。恵まれたものは何もなく、強いて云えば川が綺麗としかもう覚えていないのだが、特に恵まれてなかったのは金だった。彼女のことを知っていると云うなら、俺の家にどれほど金が無かったのかはご存知だろうと思う。あいつが生まれて間もなく父親が交通事故で亡くなり、母親一人で家計を支えるのは大変だったろうに思える。いや、思えるなんてものではない。毎晩毎晩、家に帰れば死んだように青ざめた顔で、海苔も巻いていない握り飯を一時間も書けて食う母親を見て、俺たちは二人して抱きしめ合ってシクシクと泣き、絶対にこの哀れな女性を楽にしてあげようと誓ったのである。
ところで生まれたばかりの彼女の姿をご存知だろうか? それはそれはものすごく可愛かった、目に入れても口に入れも耳に入れても痛くないほどに可愛かった、今では考えられないほど小さな手足を一生懸命に動かして、生きようとする健気な姿は何度も何度も俺の心を強く打ってきた。家計が家計であるから、父親が死んで数年もすれば、俺はこの子のために生きようと、この子のために何でもしてあげようと、この子のために我が身を捧げても良いようと思った。
だから働いたのである。小学生の頃から何でも出来ることはした。中学校を卒業した折にはすぐに地元の建設業で働き始めた。全ては妹のためだと思えば、先輩からのパワハラなど気にもならず、無茶苦茶な仕事内容を与えられるのも気にもならなかった。もうその時には彼女は小学5年生か6年生になっていただろうか、スラリと伸びた手足に、まっすぐに伸びた美しい黒髪に、ぷっくりと膨らみ始めた蕾のような胸には、十二分に将来の可能性が顕れていた。それに何より、その頃から急激にあいつの背が伸び始めたのである。俺だって背が低かったわけではない、今立ち上がって見ても分かる通り、男性の平均身長はある。けれども、あんなに可愛かった妹はたった一年や二年で俺の背丈を追い越すと、そのままグングンと背を伸ばして行ったのである。悔しいと云えば悔しいと云えるが、それよりもどんどん大人びて行く妹が綺麗で、美しくて、それでいて可愛くて、兄思いで、母親思いで、あろうことか俺は、次第に実の妹に心を寄せていってしまっていた。――いや、当然と云えば当然だろう。何と云ってもあの誰もが認める美貌である。もう中学二年生の時には、明らかに他の女の子とは一線を画していた。それに度々仕事場に訪れては、汗まみれの俺を気遣い、最後にはちょっとした差し入れと、「頑張ってね」の一言を添えてサラサラと長い髪の毛を、あぜ道の緑と晴れ渡った空の中に揺らめかせながら、地平線へと消えていく。それを見届けつつ、手渡された包を開けるのが俺の楽しみであった。差し入れられたお茶とおにぎりの味は、今食べるどんなご馳走よりも美味しい。今でも時たま具の入っていないおにぎりを所望して��い出したくなるほどに、美味しい。……まあ、そんなこんなで俺は実の妹に恋心を抱いていたのである。
時は妹が中学3年生のときである。この時期ほとんどの中学生は受験のことで頭を悩ませると思う。それは妹も同じではあったが、少し違うのはやはり家を顧みてのことだった。彼女は時おり俺と母親を招いては、
「私も、お兄ちゃんのように、……」
と泣きそうになりながら云うのである。俺にはそんな考えなど無かった。俺はこのまま頑張り続けて、妹を高校へと行かし、大学へと行かし、豊かな生活を歩んで欲しかった。だから母親と一緒に彼女を説得して、進学へと道を決めさせたのである。そもそも思うに、妹ほどの才女が高校へも大学へも行かないというのは、ものすごくもったいないことであろう。それというのも、成績通知表を見る度に、俺は目を瞬いて「本当に同じ腹から生まれた子なんだろうか」と思ったほど、妹は頭が良かったのである。運動はあまり得意では無かったようだけれども、国語数学理科社会音楽、……と云った座学の方は全て、――それも全学年に渡って、最高ランクの「5」がついていた。毎日疲れて帰ってくる俺を、明日が試験日だろうが何だろうが寝るまで労るので、
「俺のことはいいから勉強しなさい」
と云っても、
「いいよ、お勉強は授業聞いてたらだいたい頭に入るし、今はお兄ちゃんが最優先。ほら、マッサージするから寝て」
と優しい手付きで足やら腕やらを揉んでくる。それでも次の日のテストでは、本当にほとんどの科目で満点を取るのである。
話が逸れてしまったが、とにかくあの天才は受験勉強などほとんどせずに、県内で一番の進学校へ歩みを進めた。袖の短くなった制服から、あの長身に合った制服を身に着けた瞬間、俺と母親はついうっかり涙を流した。もう妹はすでに立派な女性だった。180センチを大いに越した身長も、H カップにまで育った豊かな胸も、全てが美しかった。妹は美そのものだった。俺は妹に見下ろされながら、神と対峙した時のような畏れを抱いた。ぷっくりと膨らんだ唇が、ものすごく魅惑的に見えた。シミひとつ無い白い肌は、触るのも恐れ多かった。長いまつげの下にある慈しみの籠もった目には、何もかもを見通されているような心地がした。俺は彼女には勝てないと悟った。
だから、つい唇を奪われるのを許してしまったのである。風呂から上がって自室へ行く途中の出来事だった。彼女が待ち構えているというのにも気が付かずにのこのこと階段を上った俺を、あいつはまず肩を掴んで拘束し、じっと見つめて来た。
「ど、どうした?」
俺が放った言葉はそれだけだった。いや、真剣な眼差しで見つめてくる彼女に威圧されてそれだけしか云えなかった。高校生になってもまだ伸び続けている彼女の身長は、この時188センチもあり、ちょうど首元に目が来る俺からすれば、蛇に睨まれた蛙のような心地がする。
「お兄ちゃん」
「おう」
「お兄ちゃん?」
「だ、だからどうした」
「お兄ちゃんっ」
としばらく妹は俺を呼び続けた。それも一言一言、こちらの反応を楽しむかのようにして、調子を色っぽくしたり、子供っぽくしたりしてくるのである。今、小悪魔的と呼ばれるのは恐らく俺のせいであろう。
「ふふ、……ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「愛してる。ずーと、ずーと昔から、愛してる」
と最後に云うと、あいつはなんと、目を閉じて唇を近づけてくるのである。もちろん、俺も目を閉じた。そして、顔を近づけた。悲しいことに精一杯背伸びをしなくてはならなかったが、こうして、俺は妹と唇を重ねたのである。初めてのキスの味は如何ほどであったか、それを語るには紙面が足りないから省略するにしても、唇を離した時のあいつのうっとりとした顔は、生きとし生ける物全てが思い浮かべる必要がある。ペロリと口の端に垂れた、どちらのものか分からない涎を舐めて、ふわりとこちらの体を包み込むようなハグをして、ポンポンと頭を叩いてから、意外にもあっさりと、彼女は自室へと戻って行った。今思えば、それもまた、俺を焦らそうという気持ちからやったのであろう。
彼女が高校生の時の思い出はそんなものであろうか。繰り返しになるが、やはりあいつはとんでもなく頭が良く、勉強をしているのかどうか分からないにも関わらず、定期試験だろうが、模試だろうがなんだろうが、ほとんど満点を取ってきていた。だからなのか、高校3年生のときの面談で進められたのは国の最高学府であった。いったい、天は俺の妹に何でもかんでも与え過ぎである。誰もが振り向く美貌に、誰もが驚く長身に、誰もが惑わされる大きな胸元に、誰もがひれ伏したくなる長い脚に、誰もが惚れざるを得ない優しい性格に、誰もが天才だと認めざるを得ない知能。一つだけ、まだ金だけは与えてくれていなかったが、それももう時間の問題である。まず最初の出来事に、彼女は驚くことに特待生であの大学へ入学し、入学金も授業料も免除されたことがある。これで浮いた金のほとんどを俺は仕送りとして送ろうかと思っていたのであったが、妹に強く、
「それはお兄ちゃんのために、そしてお母さんのために使ってください。特待生に選ばれたのはただのまぐれですから、お気遣いなく」
と云われては引っ込めるしか無い。だからその頃にはすっかり母親も持ち前の朗らかさを取り戻したような気がするのだが、やはり遠くで頑張る娘が気になっていたようだった。
そんなこんなで始まった妹の大学生活であったが、やはり語らねばならないのは、ミスコンのことであろう。そう、彼女の転換期である。ずっと昔から、俺はさんざん妹に面と向かって「可愛い」だの「綺麗」だのを云い続けてきたけれども、本人は本当に自身の容姿に自身が無かったらしく、
「いえ、そんな」
「私なんて」
などと云っていたから、そんなものには出ないと俺は思っていた。が、誰かにそそのかされたのか、彼女の友人の勧めで客席に座っていた俺の前に顕れたのは、確かに妹だった。いつもと変わらないナチュラルメイクに、いつもと変わらない長い黒髪を後ろで束ねて、いつもと変わらないぷるんとした唇を赤くした彼女は、信じられないほど美しかった。一人だけ後光が差しているような気がするほどに、美しかった。結果が発表される前から、もはや決着はついていた。予想通り彼女は1位を獲得し、恥ずかしいような、もどかしいような笑みを浮かべて、周りの者どもそっちのけで俺の元へとやってくる。
「お兄ちゃんごめんなさい」
と彼女は何故か謝った。
「私、お兄ちゃんがあれだけ容姿を褒めてくれたのに、全然信じられずに適当に返事をしてました。ごめんなさい」
理由を聞くと泣きながらそう云った。俺は、
「自信はついたか?」
と聞いた。すると、とびっきりの笑顔を見せて、
「うん! なんだか生まれ変わったような心地がする!」
と云う。全く、今から見ても、あれで容姿に自身が無いなど、他の女性から刺されてもおかしくは無いだろう。
その夜、俺は妹の下宿先へ初めて二人きりで夜を明かした。酒に酔った彼女を見たのも初めてだった。顔を赤くして、
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、おにいちゃぁん」
と猫のようにじゃれてくる妹は、もう見ることの無いと思っていた、かつて甘えん坊だった時の彼女そのものだった。実はその時に、彼女の初めてを頂いてしまったのだが、これは語ると俺が刺殺されかねないのでここには書かない。タオルケットにくるまって、自身の大きくて蠱惑的な体を隠そうとする彼女は、女神と云うよりはいじらしい生娘のようで、どれだけ体が大きくなろうとも妹は妹であった。つまりは可愛か��たのである。
さて、転換期を迎えた妹の躍進は、ものすごいものがあった。急に、
「私、モデルになっちゃうかも」
と云ったかと思いきや、次の瞬間には海外に飛んでいるのだから、俺たち家族ですらあの頃の彼女にはついていけてなかった。ただ、これはみなさんご存知であろうから、ここでは多くを語るには及びまい。重要なのは、大学在籍中に本格的にモデルやら女優やらの仕事に打ち込み初めて、溺れるほどに金が入ってきたことであるから、それだけは云っておくことにする。
それで、パッと大学を卒業した彼女は、しばらく各地を点々と放浪していたらしいのだが、ある日突然、思ったよりも大人しめな衣装で実家に帰ってくるや、触れるが恐ろしいまでの金を家に振り込んできた。おおよそ一生を遊んで暮らせるほどの額である。そして、こう云った。
「これでお兄ちゃんの人生を買ってもいいですか?」
と。思い出せば物騒な物言いだが、実際には彼女の優しさが詰まった言葉であった。この金を使って私のために人生を捧げてくれたお兄ちゃんに恩返しがしたい。私はお兄ちゃんが高校に行けなくてどんなに惨めな思いをしたのかちゃんと分かっていないかもしれないけれども、でも少なくとも高校入試の時に同じ気持ちを抱いたことはある。だからまずはこれで高校へ行き、青春というものをもう一度味わいませんか? そして、行く行くは大学へと進学し、そして、 ――と、そこで顔を赤らめて云った言葉だけが頭に残って、はっきりとは思い出せないが、そんなことを彼女は云った。――俺はその言葉に乗るしか無かった。何故かと云って、どういう訳かその日づけで職場から俺の名前がなくなっていたのだから、彼女の提案に乗るしかあるまい。
それから、俺は初めて訪れた受験を乗り切るべく、勉強漬けの日々が始まった。朝から晩まで、妹の作ってくれたテキストで妹の授業を受け、妹の作ってくれた問題を解き、妹の回答解説を聞く。分かりやすくはあったけれども、俺と妹とではあまりにも能力に差があって、しばしば歩みを緩めなければとてもではないがついていけなかった。
「えぇ、……お兄ちゃんまだ覚えられてないの。……」
と、暗記物では云われた。いや、これは妹がおかしいのである。英単語を500個、一晩で全部の読み方綴例文まで覚えろと云うのだから、所謂天才で���ければ無理であろう。あの妹の吸収力は心底羨ましい。
そんなスパルタな教え方もあって、俺は妹と同じ高校へ進学した。10年と云う歳月を経て、妹の後を追って同じ高校へ進学するというのは、中々屈辱感があったが、意外にもすぐに私はクラスに受け入れられ、楽しい学校生活を送った。ただ次に始まったのは、妹の大学受験対策で、一ヶ月くらい部屋に引きこもる日が多くなったかと思えば、とんでもない量のテキストを俺に差し出して、
「はい、お兄ちゃんは今日から大学受験までにこれを全部問いて、覚えて、覚えて、覚えて、私の解説を聞いてもらいます。まあ、簡単だし、あんまり量も無いから大丈夫大丈夫」
と明るい口調で云うのであるが、机の上に50センチくらい積まれたテキストの山はどう考えても「量がない」とは云えないし、それに妹の「簡単」は全くもってあてに出来ない。実際、問題を問いていると、10年に一度クラスの難問がどんどん出てくるのである。しかもどうやら妹は過去の問題から引っ張ってくるようなことはせずに、自分で作った問題をテキストに載せているらしく、ズルすることもできない。結局俺は毎日、
「ちょっと、ちょっと、これくらい解けなくてどうするの。これはもっと単純にこうすればいいんだよ。お兄ちゃんって意外と頭が堅いタイプの人?」
と妹の目がさめるような解法を聞いて、驚くばかりであった。だが毎日やっているうちに彼女の考えに染まって来て、次第に正解する問題も出てきた。そういう時は二人で抱きしめ合って喜んだ。模試もまた、妹のテキストに慣れているせいか、どれも簡単に思えて実際に中々良い点数を取ることが出来た。擬似的に体験しただけだけれども、天才の頭の中とはこういうものとは、たぶんああいうものなのだろう。眼の前の問題が、自分の頭の中に追いついていないような感覚である。
俺はその頃、逆に妹に感謝したくなっていた。大金を用意し、あんなハイレベルなテキストを作っただけではなく、毎日毎日、朝早くから俺のために朝食と弁当を用意し、学校帰った俺を迎えてくれ、それからずっと付きっきりで勉強を見てくれ、夕食を用意し、そして一日の締めくくりに体を重ねた後、俺が寝静まったのを確認してから採点をする。まったく、出来すぎた妹を持つのも大変である。俺はもうすでに妹の金で実質暮らしていたが、それまで稼いだ金にはあまり手を付けておらず、それなら、普段の豪遊っぷりからすればささやかなものではあるけれども、妹を食事にでも誘おうと思って、土曜の昼食時に提案してみた。
「んもう、お兄ちゃん。どこまで私を惚れさせれば気が済むんですか。ダメです。――ま、せめて大学に合格した日に誘って下さい。はい、勉強に戻りましょう」
と断られてしまったが、その嬉しさで溢れる顔から、合格発表時に誘えば必ず首を立てに振るであろう確信が取れたので、��の時はそれでよかった。
だから、頑張った。日々理不尽なレベルの妹の問題に文句を云いつつ、理不尽なレベルの妹の要求に悲鳴を上げつつも、俺は頑張りに頑張った。だからなのか、努力が実って、俺は妹がかつて通っていた大学に合格した。残念ながら特待生ではなく、平均的な点数でもなく、ドベから数えて5番目くらいではあったけれども、とにかく妹と同じ大学へ通うことになったのである。そして、合格発表の時、俺以上に涙を流している妹と抱き合いながら、再び彼女を食事に誘った。彼女は快く頷いてくれた。ワイングラスを傾けた時、彼女は云った。
「今日は、さ、お互いを名前でみ、みませんか?」
と、たいそう恥ずかしがりながら。
「そうだなぁ。じゃ、まずは俺から。――美希、今日の今日までありがとうな。これからは妻として、――」
「うっ、……」
「美希?」
「――ダメ! ダメ!……やっぱやめ! 無理! 恥ずかしすぎる! やっぱり今まで通りで!」
「えー、美希の提案だったじゃん」
「お兄ちゃん!!」
その時のあたふたとする妹の姿は、恐らく歴史に名を残すであろうモデルとは思えないほど、子供らしく、いじらしく、それでいて艶かしく、――まあ、一言で云えば、めちゃくちゃ可愛かったのである。
それで今、俺は妹と暮らしながら優雅な大学生をやっている訳だが、年々彼女が可愛く見えてくること意外には特に特筆すべきことがない。結局俺の生い立ちを語るようでいて、彼女の人生を語ったようなものであるが、いかがだっただろうか。たぶん誰も俺の人生には興味が無いだろうから、これはこれで良いのではないかと思う。後は彼女の出したエッセイやら何やらを参考にすれば、大方俺たちの、謂わばちょっとおかしな家族関係というのが明瞭に見えてくるはずであろうから、今はここで筆を休めることにしよう。
人魚
人魚は外の世界に憧れを抱くなんてよく云うが、ここに佇んでいる彼女もまた、その一人である。日々海の中に沈んでいる外の世界のガラクタを拾ってきては、格好の隠れ家へしまい込み、それを眺めてはため息をつく。ああ、外に出てみたい。出来れば素敵な恋を、素敵な王子様としてみたい。が、そう思えば思うほど、この自慢の尾びれが自分を縛る足かせのような気がしてならない。
「はあ、……」
とまたため息をついてしまった。もう何度目だろうか。一日に20回や30回はしているはずだから、一年365日で、物覚えついたのが5歳ごろだから、……と、虚しいことを考えているうちに、何者かが近づいてくる物音が聞こえてきた。実際には水流の音なのだが、彼女らにとっては物音である。
「誰、――?」
「おやおや、こんなにたくさんゴミを溜め込んで、……」
と、入ってきた人、……嫌に黒い尾びれをした、老齢の人魚が云う。
「ゴミだなんて! 私には宝物です!」
「ゴミはゴミだね。あいつらは要らなくなったものを海に投げ捨てるのさ。私は地上に降りた時にこの目で何度も何度も見たわよ」
「えっ、――」
今、「地上に降りた」と云わなかったかしら? ――と、彼女は思って目を見開いた。黒い人魚の嫌な笑みなど、その目には入っていなかった。
「地上に降りたいかい?」
「……」
「降りたいならそう云いな。条件は付けるがね」
ヒッヒッ、……と、黒い人魚は悪い魔女のように、眼の前の無垢な人魚に見えるようわざと白い歯をむき出しにして笑った。――
「わあ、素敵!」
人魚は空を仰いでそう云った。初めて感じる足の感覚、初めて感じる土を踏みしめる感覚、初めて感じる地上の空気、――そのどれもが新鮮で、気持ちよくて、今までの人生が灰色のように見えてくる。
「これが地上、……これが空気、……」
あの人魚は怪しかったけれども、こうして服までちゃんと用意してくれたし、実は良い人魚だったのだろう。
「いいかい? 時間はきっかり12時間。それを超えて地上に居ると死ぬからね。覚えときな」
と、ぶっきらぼうに云った割には時計までよこしてくれた。さすがにここまでされては、あの人を悪者をには出来ない。……
「うふふ、たのしい!」
しばらくは野原を駆け回った。本でしか見たことのない、兎や、鳥や、花や、草花たちがお出迎えしてくるような気がして、いつまでもどこまでも走り回れるような気がする。
「あっ、そうだ、――」
と、云ったのは唐突に人と喋りたくなったからである。――海は広い。広すぎて普段は同じTribe の者としか会うことが出来ない。数年に一度程度の割合で、餌を求めて海流に乗って回遊していると、志を同じくする者と出会うことはあるが、だいたいすぐにはぐれてしまう。
なれば早速行動である。12時間のうち、もう2時間も使っている。急がなくちゃ、恋どころか友達すら出来ない。
「でも、どこに行けばいいんだろう?」
ま、初めての地上である。こういうのは多めに見てもらいたい。
「ああ、やっと見えてきた」
それから数時間後、迷いに迷って人魚はとある王宮のある街へとやってきた。
「ああ、ああ、――」
と感嘆の声を漏らす。門の中では目まぐるしく人が行き交い、賑やかな声がこちらにまで聞こえてくる。
人魚は思わず走った。もう少し、もう少しで憧れの人々と言葉をかわすことが出来る。――
「やっとだ、やっとだ、……」
ふう、……と息をついて顔を上げた、だがその時、
「えっ?」
と思わず彼女は驚いて、ぽかんと口を開けて固まってしまった。
「――ち、ちっさ、……」
憧れの人々、先程まで目まぐるしく行き交って居た人々、――その誰もが人魚の腰にしか頭が届いて居なかった。
「うおおっ、――」
「な、なんだ、……?」
「でけぇ、――」
彼女の姿を見た者がそんなことを云いながら、わらわらと集まってくる。が、誰一人として、彼女の首元にも、肩にも、脇にも、胸にも辿り着けていない。
「う、嘘でしょ?……えっ? 人間もこんなにちっちゃいの、……?」
間違って小人族の街に入っちゃったかしら? と思ったけれども、先程見かけた看板には、列記とした人間の街の名前が刻まれていた。
――なら、本当に人間って本当にこんなに小さいんだ。
「うふ、なんだか可愛いく見えてみちゃった、……」
半分くらい本心からそう思った。ぴょんぴょんと飛び跳ねる者などは、物語などに居る、高いところについた木の実を取ろうとする子供のよう。いや、遊び場にお姫様が迷い込んできた子どもたちと云った方がいいか。こういう時は、その小さな体でお城まで連れて行ってくれるのが常である。
「こんにちは、小さな人間のみなさま」
と、人魚は���カートの裾を持ち上げながら、少し足を屈めて、本を読んで学んだ通りの挨拶をした。失礼なことに、動いた拍子に悲鳴を上げて逃げた者が居たが、まあいいだろう。後で覚えていらっしゃい。
「――私、ここの国の王子様に用があるのですけど、どなかた案内してくれませんか?」
「で、では私が案内いたしましょう」
と、名乗り出たのは、これ��た小さな男、……正直、彼女には子供にしか見えなかったが、顔立ちからして20代そこそこの青年だろう。こちらの手を取ってきて、案内してくれるようである。
が、その手もまた、めちゃくちゃ小さい。きゅっと握り込んでしまえば、潰れてしまいそうである。
「す、すみません。もう少し力を緩めてくださると、嬉しいのですが」
体が小さいせいで、彼らは力も無いようである。こちらとしては、これほどにないまで軽く握っているつもりなのに、さらに力を緩めろと云うのは如何なものか。逆にもう少し力を入れてやろうではないか。
「うっ、……」
と顔を歪ませたが、何も云わないので、まあ、大丈夫だろう。
それにしても、本当にみんな小さい。露店も小さければ、人も小さく、家も小さい。あんなドアでは上半身がつっかえてしまうだろうに。それに、あれは二階というやつかしらん? 私の頭と同じ高さにあるのに、……ああ、そうか、こんなに小さい人たちならぴったりな大きさね。まさか憧れていた地上の人がこんなに小さかったなんて、なんだか幻滅だわ。……王子様はせめて私の胸のあたりに顔があればいいのだけど、……
人魚はそんなことを思いつつ歩いていたのだが、道行く人々の反応は相変わらずであった。
「で、でっかー!」
と叫んだ者すら居る。
と、そのうちに王宮の中に入っていたのか、門番の兵士に(――この人もめちゃくちゃ小さい!)、待つように云われて、案内されるがまま、応接間で王子様を待つことになった。すんなり通してくれたのは、どうもすでに人魚の噂がここにまで届いていたらしく、物珍しいものが好きな王子様が、むしろ自分から会いたいと仰っていたからだと云う。――物珍しいなんて失礼な。これでも私はまだ生まれてから18年しか経っていない、若き人魚だぞ。人間になってもまだ大きいからってそんな風に云うな、……と、文句の一つも云いたかったが、静かに待った。椅子が小さくて座れなかったが、せっかくの憧れの世界である。それも我慢することにしよう。いや、ちょっと我慢ならないかな。扉は腰を曲げないと通れないし、天井に頭はつっかえそうだし、ろうそくのついたシャンデリアには実際につっかえたし、もう少しまともな部屋はないのか。
「おまたせしました」
と、しばらくして声がしたので、ふっと顔を上げた。
「王子様、……?」
「ええ、そうです。お会いできて光栄です。長々とした名はついておりますが、ぜひエドと呼んでください」
深々とお辞儀をする王子様であったが、その姿を見た途端彼女は、
「――嫌です」
と、ついうっかり口にしてしまった。
「えっ? 今、なんと?」
「嫌です。――小さい人は嫌です。さようなら」
人魚は鍵が壊れるほどの力でドアをこじ開けると、呼び止める王子様とさきほどの青年の声を無視して、行き交う人々を蹴り飛ばしながら、ずんずんと街を歩いていった。――ふん、人間を蹴るのは気持ちがいいわ。蹴りやすいところに体があるのがいけないのよ。
街を後にしたとき、数人の兵士が追いかけてきていたような気がするのだが、歩幅が違いすぎて、彼女が走れば誰も追いつけないのは明白であろう。あっという間に海にまで戻ってきてしまった。
「――まさか王子様が一番小さかっただんて、……」
と、灯台の横で夕日を眺めながら人魚はつぶやいた。実際、王子の顔は、彼女の腰どころか、股の下あたりにあった。あれではお互い立った状態でも、跨げるのではないだろうか。人の脚の長さがそっくりそのまま身長だなんて、いくらなんでも小さすぎる。
「あーあ、なんだか幻滅しちゃった」
初めての地上はあまりにも小さかった。まるで怪物のように見られたし、思い出してみればすごく恥ずかしいので、今後来ることはないだろう。
「おっと、いけないいけない。あと5分か。……」
辺りはすっかり暗くなっていた。幻滅したけれども、空に浮かぶ星々はどれもはっきりと輝いていて、まことに美しい。ザバン! と、海に入った彼女は体を表にしてプカプカと浮きつつ、ぼんやりと空を眺めていた。もう人はいいけれど、この星や、兎や、鳥たちを愛でるためにもう一度来よう。そうしよう。――
「時計を返せ」
と、隠れ家に戻った時、例の人魚に突然そう云われたので、素直に返す。
「どうだったかい? 初めての地上は」
「なんだかもういいやっ、て感じだわ。でもありがとう、貴重な体験だったわ」
ヒッヒッ、……と黒い人魚は笑って、
「これに懲りたら、こんなゴミ捨ててしまうことだね。――ヒヒッ、ではまた会おう」
と穴から去っていった。
残された人魚はしばらくこのガラクタたちの未来を考えていた。そして、再び地上の思い出を振り返るや、こう呟いた。
「はあ、……まさか人間も小さかったなんて、私に合う殿方はもうこの世にはいらっしゃらないのかしら、……」
と。―――
女尊化社会
最近、小学生中学生の男子生徒が、あらゆる面で同学年の女子生徒に劣り始めているのだそうだ。勉強をしては順位表をつけられないほどに差をつけられ、運動をしてはかわいそうになるくらいにボコボコにされ、教室では大人と子供が一緒に授業を受けているような印象を受けると云う。これを受けて政府は女子生徒だけ学年を一年か二年繰り上げる、……なんてことも検討しているらしく、つい先日に始まった選挙では、それをマニフェストとして掲げることが当たり前となっている。
普段、そんなに女子小学生や中学生に触れることのない私は、にわかにはそんな現状を信じることが出来なかった。ここ1年で始まった女尊化現象、……その大部分を担う少女たちを一目見たく、私はとある中学校へ取材に申し込み、次の週に実際に訪れることを許可された。これはその時の手記を元に書いた、いわゆる一つの随筆文である。――
私が訪れたのは都内某所にある名門私立校で、全校生徒は500人ほどのそれなりに大きな中学校ではあったが、とにかく男子女子の比率が一対一、かつ、勉強だけではなくスポーツにも力を入れていることから、様々なことを比較するには打って付けだろうと思い、そこを選んだ。
「それなら、登校も見ものですよ」
と応対してくれた先生の一人に云われていたので、私はちょうど授業の始まる20分前頃に校門をくぐったのであるが、まず驚いたのは少女たちの背の高さであった。
前方にとびっきり大きな制服姿の女の子が居るかと思えば、次の瞬間には楽しげな声で会話する、これまたとんでもなく大きな少女に追い抜かれるのである。私は一瞬動きを止めてさえして、彼女らが校舎に消えていく様子を眺めた。別に、今どきの子供に身長を越されることなど、まだランドセルを背負ったあどけない女の子ですら、身長175センチの私より高いのがざらに居るのだから、全く驚くことではない。だが、身長190センチとも、200センチとも取れる女子中学生が、こうもたくさん登校して行く風景は、私の目を瞬かせるに足ったのである。
「ふわあ、……」
と手を伸ばしながらあくびをする子ですら、私より頭一つ分以上は大きい。と、云うよりは、私より頭一つ分大きくない少女は居なかった。みんながみんな、190センチ以上の長身を持て扱いながら登校していた。
「おはようございます。今日の案内を担当する○○と申します」
「よろしくおねがいします」
親切なことに、学校側は人を一人割り当てまでして、私の取材の手助けをしてくれるようであった。案内をしてくれたのは、まだ教師になりたての若い男性で、ついでに学校の宣伝にもなりますからと、身も蓋もないことを云っていたのは、まだ覚えている。
「さて、女生徒学年繰り上げ問題についての取材だと伺っていましたが、どうしましょう? 延々と書類を見ながら説明するのも、飽きてきますでしょうから、彼女たちの授業風景を見ながら、私が口を挟む、……と云う形でよろしいですか?」
「ええ、構いません。むしろそうしてくれるよう、こちらから頼もうかと思っていた所でした」
こうして私たちはまず、教室で英語の授業を受けている彼女たちを見に行った。
ガラッ、……と扉の開く音に反応した生徒たちに、まじまじと見られたのはそれなりに気まずかったけれども、確かに大人と子供が同じ教室で同じ授業を受けているかのようだった。すらりと伸びた足を艶かしく組んで、つまらなさそうに頬杖を付きながらため息をつく様は、中学生のそれとは到底思えなかった。それに対して男子は、袖の余った制服に身を包み、どこか落ち着き無く授業を聞いている。
だが、やはり気になるのは、男子と女子で机の高さも大きさも全然違うことである。一回りどころか、二回りも三回りも大きいような気がした。
「すごいな。……」
と私は自然に声を出していた。後で教えてもらったのだが、中学一年生の女子の平均身長が191.6センチ、中学二年生で199.7センチ、中学三年生で206.2センチもあるらしく、私たちが見たのは中学一年生の教室であったから、まだマシと云ったところで、これが中学三年生の教室に行くと、もっと机の高さに差があるらしい。実際に見ることは叶わなかったけれども、空き教室にある女子用の机に座らせてもらったところ、20センチも30センチも足が浮いてしまい、もはや巨人の学校に訪れたような心地がした。
私はこの時、実は女性が巨大化すると同時に、男性の方はどんどん小さくなっているのだ、と思っていた。たぶん女子の体が大きすぎて、相対的に男子の体が小さく見えただけだろうが、同じ学年だと云うのに、ここまでの差を見せつけられては、そう思わざるを得なかった。それを確かめるには、後10年弱時が経たねばならないが、それがもし違っていたとしても、結局女の子の方が圧倒的に体が大きい事実は変わりあるまい。私たち男は、一生を首を上げて過ごさなければいけないのである。
しばらく私は、髪の毛をくるくると弄って暇をつぶしている女の子を眺めつつ、一緒になって授業を聞いていたのだが、
「女の子の方は、みんなすごくつまらなさそうにしてるでしょう。――」
と突然喋りかけられた。
「ええ、やっぱりそうなんですか?」
「ええ、そうなんですよ。ちょっと出ましょうか、――」
私たちはそこで一旦教室の外に出て、廊下で話の続きをし始めた。
「こちらがつい先日に行われたばかりの、このクラスのテストの結果です。すごいと思いませんか? 上位は皆、女の子たちです、それもほとんど者が満点で、一位の次が15位なんてことに。……」
「うわ、……ほんとだ。……」
「他のクラスでもだいたい同じ結果で、――あ、こちら学年の全クラスを通してのランキングですが、見て下さい。――」
と云われたので、差し出された書類の一部に目を通したのだが、最初の7ページ目まで順位が全部一位であったし、その後も次々と女性の名前が連ねられ、最終的に男子の名前を見たのは後半になってからであった。
「男子女子の名簿みたいですね。……」
「そうでしょう。男女混合にしてしまうと、もはやランキングの意味がないので、最近では男子なら男子、女子なら女子、と云うように作ってます」
「でも女子の方はそれでも機能してなさそうですね」
「おっしゃる通りです。女子の最低点が、男子の最高点よりも高いですからね、彼女たちはもう満点かそうでないかで、互いを競っているそうです」
「確かに授業をつまらなさそうに聞くわけですね。それに政府が女子の学年を繰り上げるのも頷けます」
「ですが、一年や二年程度では話が収まらないかも知れません。何せ、彼女たちは高校の内容まで熟知していますから。いっその事男子女子で、学校まではっきりと分ける必要があると思います」
「なるほど確かに。それで小学校の次が大学、――と云うのが彼女たちの能力に一番合っているのかもしれませんね。――」
この会話が契機となって、私たちは窓の中でこれほどになくつまらなさそうに授業を聞く少女たちを眺めながら、彼女たち、――ひいては日本の、――特に私たち男の行末を話し合った。
私の取材は中々円滑に進んだと思う。途中、一人の男子生徒を捕まえて、
「テストの結果どうだった?」
と聞いて顔を青ざめさせてしまったのは反省点だが、案内役の先生の話は大変実りのある話題ばかりであった。
「もうあと数年もすると、ここに居る女の子たちが世界を席巻するでしょうね。いえ、冗談ではなくて、事実���確実にそうなります。学問も、政治も、経済も、スポーツも、……全てあのテストの結果のようになるでしょう」
と、お昼を一緒に食べている時に、彼は寂しそうに語った。それは毎日、あの中学生と触れ合っているからこそ出来る顔だったように思える。
「ところで、午後は体育館の方へ行きませんか? あなたもご存知の通り、私共の学校では特にスポーツに力を入れておりまして、……」
そこで学校の自慢になったので、ここで多くは書き記す必要はあるまい。だが、一つ興味深い事を云った。
「――しかし、私は一つ楽しみにしていることがあるんです」
「と云いますと?」
「男が打ち立てた世界記録が次々破られる瞬間が、――なんだか変なことを云っているように自分でも思いますが、楽しみなんです。それで、ついでなのでぶっちゃけてしまいますが、ちょっとこれは、――」
アフレコでお願いしますと云って、彼は話を続ける。
「実は、もうすでにいくつか破っているのもあるんです。――」
「なんと」
「例えば、トレーニングルームにあるベンチプレス。彼女たちは涼しい顔で持っていますが、その重量は世界記録を大幅に超える800キロとか、900キロなんです」
「ええっ!」
「それともう一つ例を取ると100メートル走。彼女たちは早かった遅かったで、喜んだり悔しんだりしていますが、その記録はだいたい8秒から10秒なんです。11秒台の子は滅多に居ません。確か一番遅かった2組の子で11.1秒とか、そんなだったと記憶してます」
「そ、そんなに?」
9秒台に乗ったとか、乗らなかったとか、もはや馬鹿らしくも感じる。相手にもならない。しかもまだ中学生で、恐らく体育の授業で遊びで測ったのだろう。本気で練習に励んだらもしかすると7秒台も夢ではないかも知れない。
そうやって、私が驚いているうちに体育館へついたようである。中ではバレーの試合をしているらしく、元気な声とボールを打つ音が響いているのだが、
「あれ? もしかして、相手は男性の方ですか?」
と私は思わず聞いた。白い体操服に赤いゼッケンを着けた少女たちの向かいのコートには、ちゃんとしたユニフォームを来た男性が居たのである。
「ええ、話せば長くなりますが、端折って云うと、今はとある男性プロチームと試合をしています。あ、そうそう、授業なので体操服を着ていますが、部活では私たちもちゃんとユニフォームを着ますよ」
と、云うことは彼女たちは全くの素人がほとんどなのであろう。だが、その体つきはプロチームよりも遥かに大柄であるし、その動きはプロチームよりも遥かに機敏であるし、それに表示されている点数を見て、私は目を見開いて固まってしまった。
「20 - 0、……」
さっきから中学生チームばかりがサーブを打っているから、きっと負けているのはプロの方なのであろう。見ると、ゲームはだいたいサーブで決まっているらしく、男性プロの方は飛んできたボールを唖然として見るだけである。反応したかと思えば、あらぬ方向へ飛ばしてしまい、またサーブが飛んでくる。上手く取れても、うっかり彼女らのコートへ飛ばしてしまって、次の瞬間には耳をつんざかんばかりの音を立てて、ボールは空高く跳ね上がる。
確かにかわいそうに思えてくるような試合運びであった。
「でも大体の競技はこんなものですよ。以前、野球の試合をした時には、男子高校生のチームに初回だけで17点も入れてましたからね。それに、つい先月に、こっそりとプロ野球のチームとも試合したのですが、結果は15対1、……もちろん彼女らの勝ちですよ。あまりにも一方的な試合だったので、3回途中で切り上げられてしまいましたが、あのまま続行しておくと、少なくとも50点は入ったのでは無いのでしょうか。まったく恐ろしいものです」
その後、バスケもテニスも卓球も、何もかも一方的な試合をやりすぎて、もう外からは練習試合を組んでくれないことを彼は語った。
電光掲示板に25 - 0が刻まれ、焦燥しきった様子の男性プロチームの面々がベンチに戻る中、私はそのベンチに座る一人の男に話しかけた。彼は試合中もベンチに座っていたのだが、怪我をしているのか腕に包帯を巻いて、頭を抱えて自分のチームが素人の女子中学生に、ボコボコにされている様子を見守っていたのであった。誰に話しかけてもよかったのだが、悲壮感の漂う監督に話しかけるのも気が引けるし、まだ息の整っていない選手たちに話しかけるのも気が引けるので、しごく真面目な顔で、ちょっとお話をお伺いしたく、……と声をかけると、意外にも朗らかに彼は応対してくれた。
「こんな試合は初めてですよ。3セットやって、一点も取れないなんて」
「い、1点も、……ですか?」
「そう、1点も。と、云うより昨日から初めて、うちが取った点数はたったの3点ですよ、3点。しかもそのうち2点はあの子らのミスで取れたようなものです」
聞けば、練習試合はこの前の日から行われていたらしく、彼らは毎時間、体育の授業として訪れる女子中学生相手にボコボコにされ続けたと云う。最終的に取った点数は合計で10点だったらしいが、その時のことはもうどんなに聞いても教えてくれない。
「それで、その腕はどうしたんですか?」
と、真新しい包帯に包まれた、真新しいギブスに嵌められた腕が気になって仕方が無かったので、私は問うた。
「あ、それ聞いちゃう?」
「ダメでした?」
「まあ、ここまで恥ずかしいところを見られてたら、同じか、……」
彼はギブスの巻かれた腕を上げながらそう呟いて、
「あの子たちにやられたんですよ」
「喧嘩でもしたんですよか?」
「喧嘩なんて、……そんな恐ろしいことする訳ないじゃないですか。折れたんですよ、彼女らのスパイクで、バッキリと真っ二つに」
「お、折れたんですか、……?」
「俺たちがあの子らのスパイクを取らないのは、体がついてこないんじゃありません。折れるんですよ、あんな強烈なスパイクで骨が。だから、絶対に当たらないよう、逃げるんです。悔しいけど、そうしないと体がもたない」
と、歯ぎしりをしながら彼は云った。それはプロの意地というものであろうか、負けると分かっていて、なお体を動かせないもどかしさが存分に顕れていた。――
私は次いで、コートを横断して賑やかな声を出す少女たちの元へ向かった。
「あ、はーい?」
と声をかけると可愛らしい声で反応してくれたが、あまりの身長差から、私には壁に立ちはだかったかのような心地がした。
「何でしょう?」
驚くことに、男性のプロチームをボッコボコにするほどの試合をしたというにも関わらず、彼女らの息はもう整っていた。
「どうでしたか、さきほどの試合は?」
「あ、……えーと、……まあ、いい相手だったです」
と、彼女はかなり言葉を選びながら云うので、
「正直に云っても構いませんよ」
「いいんですか?」
「ええ、何とも思わないので大丈夫です」
「えーと、それじゃあ、……正直に云って弱すぎでした。じゃれ合っているみたいで、途中から私たちも手を抜いたんですが、それでも弱くって、……」
こんな正直すぎるほどの回答が得られたのだが、彼女が話しているうちに周りに居た子らも、わらわらと集まってきて、気がついた時には私は2メートル前後の長身女子中学生に囲まれてしまっていた。
「弱かったねー。プロだって云うからもっと強いのかと思ったのに」
「うんうん、あんなのでプロになれるなら、誰だって出来ちゃうよ」
「体も小さいしね」
「何回パーフェクトゲームした?」
「もう5回? 6回くらい?」
「もっと多いよ―」
「っていうか何回ボールがこっちに入ってきたっけ?」
「私サーブを打つしかしてない!」
……はるか頭上で繰り広げられる会話に入り込む隙なんてなく、私は黙って聞いているしか出来なかった。聞きたかったことは山積みだったけれども、その後も結局、彼女らの圧倒的な体格に、文字通り圧倒されてしまい、少女特有の甘酸っぱい匂いと立ち込める「熱」にやられたこともあって、今の今まで聞けずじまいである。
「どうでしたか、我が校の生徒たちは?」
と、帰り際に案内役の先生に問われた。
「素晴らしかったです、色々な意味で」
「そう思ってもらえたのなら、嬉しい限りです。それで、取材はこれだけでも十分ですか?」
「ええ、ええ、もう十分すぎるほどです」
「それは良かった。ぜひ、またいらしてください。今度は今回見せられなかったトレーニングルームも案内しますよ」
「ありがとうございます。――」
さて、その後の展開であるが、私の取材した内容は、次の日のどこそこの雑誌に先手を取られたために、結局公表できずじまいでそのままになってしまった。だが、あの学校を訪れた時の衝撃には、未だに忘れられないものがあるので、この日記にしたためて、時おり見返したいと思う。
(おわり)
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ざこば・鶴瓶らくごのご お題一覧 1992年 1 過労死・つくし・小錦の脂肪 2 一年生・時短・ニューハーフ 3 レントゲン・混浴・アニマル 4 ゴールデンウイーク・JFK・セクハラ 5 暴走族・かさぶた・バーコード 6 タイガース・母の日・入れ墨 7 目借り時・風呂桶・よだれ 8 しびれ・歯抜け・未婚の娘 9 ヘルニア・目ばちこ・フォークボール 10 造幣局・社員割引・オリンピック 11 父の日・猥褻・丁髷 12 ピエロ・ナメクジ・深爪 13 ミスユニバース・特許・虫さされ 14 魔法使いサリー・祇園祭・円形脱毛症 15 サザエさん・ジャンケン・バーゲンセール 16 ト音記号・北方領土・干瓢 17 妊婦体操・蚊帳・ビヤガーデン 18 身代わり・車だん吉・プラネタリウム 19 床づれ・追っかけ・男の涙 20 海月・肩パット・鶏冠 21 放送禁止用語・お年寄り・ピンポンパン 22 おかま・芋掘り・大人げない 23 復活・憧れ・食い逃げ 24 蒲鉾・風は旅人・半尻 25 泉ピン子・ヘルメット・クリーニング 26 美人姉妹・河童・合格 27 スカート捲り・ケツカッチン・秋の虫 28 チンパンジー・フォークダンス・いなりずし 29 稲刈り・小麦粉・フランス人 30 日本シリーズ・鶴瓶・落葉 31 クロスカウンター・学園祭・タクシー 32 付け睫毛・褌ペアー誕生・ツアーコンダクター 33 泣きみそ・ボーナス一括払い・ぎゅうぎゅう詰め 34 静電気・孝行娘・ホノルルマラソン 35 暴れん坊��軍・モスラ・久留米餅 1993年 36 栗きんとん・鶴・朝丸 37 成人式・ヤクルトミルミル・まんまんちゃんあん 38 夫婦善哉・歯磨き粉・夜更かし 39 金の鯱・オーディション・チャリティーオークション 40 ひ孫・いかりや長介・掃除機 41 北京原人・お味噌汁・雪祭り 42 視力検査・フレアースカート・美術館めぐり 43 矢鴨・植毛・うまいもんはうまい 44 卒業式・美人・転た寝 45 らくごのご・浅蜊の酒蒸し・ハットリ君 46 コレラ・さぶいぼ・お花見 47 パンツ泥棒・オキシドール・上岡龍太郎 48 番台・ボランティア・健忘症 49 長嶋監督・割引債・厄年 50 指パッチン・葉桜・ポールマッカートニー 51 同級生・竹輪・ホモ 52 破れた靴下・海上コンテナ・日本庭園 53 シルバーシート・十二単衣・筍 54 ぶんぷく茶釜・結納・横山ノック 55 睡眠不足・紫陽花・厄介者 56 平成教育委員会・有給休暇・馬耳東風 57 生欠伸・枕・短気は損気 58 雨蛙・脱税・右肩脱臼 59 鮪・教育実習・嘘つき 60 天の川・女子短期大学・冷やし中華 61 東京特許許可局・落雷・蚊とり線香 62 真夜中の屁・プロポーズ・水戸黄門諸国漫遊 63 五条坂陶器祭・空中庭園・雷 64 目玉親父・恐竜・熱帯夜 65 深夜徘徊・パンツ・宮参り 66 美少女戦士セーラームーン・盆踊り・素麺つゆ 67 水浴び・丸坊主・早口言葉 68 桃栗三年柿八年・中耳炎・網タイツ 69 釣瓶落とし・サゲ・一卵性双生児 70 台風の目・幸・ラグビー 71 年下の男の子・宝くじ・松茸狩り 72 関西弁・肉まんあんまん・盗塁王 73 新婚初夜・サボテン・高みの見物 74 パナコランで肩こらん・秋鯖・知恵 75 禁煙・お茶どすがな・銀幕 76 ラクロス・姥捨山・就職浪人 77 掛軸・瀬戸大橋・二回目 78 海外留学・逆児・マスターズトーナメント 79 バットマン・戴帽式・フライングスポーツシューター 80 法螺貝・コロッケ・ウルグアイラウンド 81 明治大正昭和平成・武士道・チゲ鍋 1994年 82 アイルトンセナ・正月特番・蟹鋤 83 豚キムチ・過疎対策・安物買いの銭失い 84 合格祈願・パーソナルコンピューター・年女 85 一途・血便・太鼓橋 86 告白・ラーメン定食・鬼は外、福は内 87 カラー軍手・放火・卸売市場 88 パピヨン・所得税減税・幕間 89 二十四・Jリーグ・大雪 90 動物苛め・下市温泉秋津荘・ボンタンアメ 91 雪見酒・アメダス・六十歳 92 座蒲団・蛸焼・引越し 93 米寿の祝・外人さん・コチョコチョ 94 談合・太極拳・花便り 95 猫の盛り・二日酔・タイ米 96 赤切符・キューピー・入社式 97 リストラ・龍神伝説・空巣 98 人間喞筒・版画・単身赴任 99 コッペン・定年退職・ハンドボール 100 百回記念・扇子・唐辛子 101 ビクターの手拭い・カーネーション・鉄腕アトム 102 自転車泥棒・見猿言わ猿聞か猿・トマト 103 紫陽花寺・豚骨スープ・阪神優勝 104 三角定規・黒帯・泥棒根性 105 横浜銀蝿・他人のふり・安産祈願 106 月下美人・フィラデルフィア・大山椒魚 107 鯨・親知らず・ピンクの蝿叩き 108 蛍狩・玉子丼・ウィンブルドン 109 西部劇・トップレス・レバー 110 流し素麺・目高の交尾・向日葵 111 河童の皿・コロンビア・内定通知 112 防災頭巾・電気按摩・双子 113 河内音頭・跡取り息子・蛸焼パーティ 114 骨髄バンク・銀杏並木・芋名月 115 秋桜・ぁ結婚式・電動の車椅子 116 運動会・松茸御飯・石焼芋 117 サンデーズサンのカキフライ・休日出勤・ウーパールーパー 118 浮石・カクテル・彼氏募集中 119 涙の解剖実習・就職難・釣瓶落し 120 ノーベル賞・めちゃ旨・台風1号 121 大草原・食い込みパンツ・歯科技工士 122 助けてドラえもん・米沢牛・寿貧乏 123 祭・借金・パンチ佐藤引退 124 山乃芋・泥鰌掬い・吊し柿 125 不合格通知・九州場所・ピラミッドパワー 126 紅葉渋滞・再チャレンジ・日本の伝統 127 臨時収入・邪魔者・大掃除 128 アラファト議長・正月映画封切り・ピンクのモーツァルト 1995年 129 御節・達磨ストーブ・再就職 130 晴着・新春シャンソンショー・瞼の母 131 家政婦・卒業論文・酔っ払い 132 姦し娘・如月・使い捨て懐炉 133 立春・インドネシア・大正琴全国大会 134 卒業旅行・招待状・引っ手繰り 135 モンブラン・和製英語・和風吸血鬼 136 確定申告・侘助・青春時代 137 点字ブロック・新入社員・玉筋魚の新子 138 祭と女で三十年・櫻咲く・御神酒徳利 139 茶髪・緊張と緩和・来なかったお父さん 140 痔・恋女房・月の法善寺横丁 141 ひばり館・阿亀鸚哥・染み 142 初めてのチュー・豆御飯・鶴瓶の女たらし 143 アデランス・いてまえだへん(いてまえ打線)・クラス替え 144 長男の嫁・足痺れ・銅鑼焼 145 新知事・つるや食堂・南無阿弥陀仏 146 もぐりん・五月病・石楠花の花 147 音痴・赤いちゃんちゃんこ・野崎詣り 148 酒は百薬の長・お地蔵さん・可愛いベイビー 149 山菜取り・絶好調・ポラロイドカメラ 150 お父さんありがとう・舟歌・一日一善 151 出発進行・夢をかたちに・ピンセット 152 ホタテマン・深夜放送・FMラジオ 153 アトピッ子・結婚披露宴の二次会・おさげ 154 初産・紫陽花の花・川藤出さんかい 155 ビーチバレー・轆轤首・上方芸能 156 ワイキキデート・鹿煎餅・一家団欒 157 但空・高所恐怖症・合唱コンクール 158 中村監督・水着の跡・進め落語少年 159 通信教育・遠距離恋愛・ダイエット 160 華麗なる変身・遠赤ブレスレット・夏の火遊び 161 親子二代・垢擦り・筏下り 162 鮪漁船・新築祝・入れ歯 163 泣き虫、笑い虫・甚兵衛鮫・新妻参上 164 オペラ座の怪人・トルネード・ハイオクガソリン 165 小手面胴・裏のお婆ちゃん・ガングリオン 166 栗拾い・天国と地獄・芋雑炊 167 夜汽車・鳩饅頭・スシ食いねぇ! 168 長便所・大ファン・腓返り 169 美人勢揃い・雨戸・大江健三郎 170 親守・巻き舌・結婚おめでとう 171 乳首・ポン酢・ファッションショー 172 仮装パーティー・ぎっくり腰・夜更し 173 ギブス・当選発表・ちゃった祭 174 超氷河期・平等院・猪鹿蝶 175 コーラス・靴泥棒・胃拡張 176 誕生日・闘病生活・心機一転 177 毒蜘蛛・国際結婚・世間体 1996年 178 シナ婆ちゃん・有給休暇・免停 179 三姉妹・バリ・総辞職 180 家庭菜園・ピンクレディーメドレー・国家試験 181 ほっけ・欠陥商品・黒タイツ 182 内股・シャッターチャンス・金剛登山 183 嘘つき娘・再出発・神学部 184 金柑・恋の奴��・ミッキーマウス 185 露天風呂・部員募集・ぞろ目 186 でんでん太鼓・ちゃんこ鍋・脳腫瘍 187 夢心地・旅の母・ペアウオッチ 188 (不明につき空欄) 189 福寿草・和気藹々・社交ダンス 190 奢り・貧乏・男便所 191 八十四歳・奥さんパワー・初心忘るべからず 192 お花見・無駄毛・プラチナ 193 粒揃い・高野山・十分の一 194 おぃ鬼太郎・シュークリーム・小室哲哉 195 くさい足・オリーブ・いやいや 196 ダイエットテープ・北京故宮展・細雪 197 若い季節・自動両替機・糞ころがし 198 おやじのパソコン・なみはや国体・紙婚式 199 降灰袋・ハンブルグ・乳首マッサージ 200 雪見酒・臭い足・貧乏・タイ米・コチョコチョ・雷・明治大正昭和平成・上岡龍太郎・お茶どすがな・トップレス(総集編、10題リレー落語) 201 夫婦喧嘩・川下り・取越し苦労 202 横綱・占い研究部・日本のへそ 203 マオカラー・海の日・息継ぎ 204 カモメール・モアイ・子供の事情 205 ありがとさん・文武両道・梅雨明け 206 団扇・ボーナス定期・芸の道 207 宅配・入道雲・草叢 208 回転木馬・大文字・献血 209 寝茣蓙・メロンパン・初孫 210 方向音痴・家鴨・非売品 211 年金生活・女子高生・ロングブーツ 212 エキストラ・デカンショ祭・トイレトレーニング 213 行けず後家・オーロラ・瓜二つ 214 金婚式・月光仮面・ロックンローラー 215 孫・有頂天・狸 216 雪女・携帯電話・交代制勤務 217 赤いバスローブ・スイミング・おでこ 218 参勤交代・ケーブルカー・七人兄弟 219 秋雨前線・腹八分・シルバーシート 220 関東煮・年賀葉書・学童保育 221 バンコク・七五三・鼻血 222 ホルモン焼き・男襦袢・学園祭
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%96%E3%81%93%E3%81%B0%E3%83%BB%E9%B6%B4%E7%93%B6%E3%82%89%E3%81%8F%E3%81%94%E3%81%AE%E3%81%94
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闇の淵からヘイタナカが走ってくる。
暗くてよく見えないが、嬉しいような苦しいような、とにかく変な顔して走ってくる。 届け物の中身は何だろう?仕事の依頼だろうか?それとも家族からの手紙?支払いの催促か何かだったら嫌だな。 汗びっしょりのヘイタナカが目の前の私に向かってこう言った。 「僕たちの走り方、どう思った?」 そうか。そうだったのか。目的なんていうくだらない固定観念に私は縛られていたのだね。 私は夢から醒めるように救われた。 福音を届けてくれたヘイタナカ。ありがとうヘイタナカ……目を開けると、眩しかった。そこはコタツの中だった。今度は本当に夢から醒めたみたいだ。 「僕たちの走り方、どう思った?」 言葉の中に6人の命があった。命はステージを照らす光であった。 今度は私が照らされている。 眩しいし、汗びっしょりだし、喉はカラカラだ。 こんなことなら支払いの催促の方がまだましだ! 闇と光の狭間から湧き上がる衝動。すごい覚悟でコタツから抜け出そう! 妄想も憧れも曝け出して、暗室に光を集めに行こう! 写真展へようこそ。 「私の走り方、どう思いますか?」
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相澤心也 x Hei Tanaka 写真展「gyakkou」
谷中 巛の森 -センノモリ- 〒110-0001 東京都台東区谷中6−1−27→map
2019.4.12 FRI - 21 SUN
11:00 ~ 18:00
※12 FRI ~ 14 SUN 3日間 opening EVENT 開催!
※12 FRI opening partyのため 16:00 close
//// opening EVENT ////
場所 haco / sow ( 巛の森 となり)
12 FRI opening party
18:00 open 21:00 close
トークショー 相澤心也 x 田中馨 x 松永良平 19:00 ~
黒須遊の"BAR CROSS ROAD" 19:00~close
あだち麗三郎の"運気が上がる描きホクロ" 19:00~close
...............................
13 SAT
11:00~18:00
Hei Tanakaのフリーマーケットと飲み物屋さん(店主 田中馨)
牧野容也の"プラパン先生” 14:00 - 18:00
池田俊彦の"にがおぼ〜ん" 14:00 - 18:00
...............................
14 SUN
11:00~18:00 Hei Tanakaのフリーマーケットと飲み物屋さん(店主 田中馨)
サトゥーの"肩たたきインドカレー" 12:00 - 14:00 (カレーはなくなり次第終了とさせて頂きます)
池田俊彦の"にがおぼ〜ん" 14:00 - 18:00
.................................
//// 特別展示 //// ※一部16日まで
アルバム「ぼ〜ん」原画展示 シャンソンシゲル
HeiTanaka STORE ________________
相澤心也 宮城県仙台市出身。 サンフランシスコで写真を学んだ後、新聞社でフォトエディターとして勤務。 相澤心也写真事務所として東京に拠点を移し、CDジャケットや広告、雑誌の仕事を中心に活動している。 また、CM、PVなどの映像制作や自身の作品制作にも力を入れるため、岡山県瀬戸内市牛窓にスタジオを準備しながら現在2拠点生活中。 Hei Tanaka 元SAKEROCKの田中馨がリーダーの唯一無二のオルタナティ��・アバンギャルド・パンクロックバンド。 2012年 2ドラム、1ベースの編成で初ライブ。2014年1月のライブ後、一時活動を休止。 2016年に、ベース、ドラム、ギターにサックス3 人という現在の編成で再始動。渋谷WWWの自主企画をまさかのSOLDOUTで大盛況のうちに終わらせ、何かがまた始まったのだ。 2018年にカクバリズムから7インチシングル『やみよのさくせい』をリリース。 2019年4月、遂にリリースされる 1stアルバム『ぼ~ん』は、歌ものあり、インストありの、エネルギーの塊のような楽曲をそのままパッケー ジした、大傑作です。 田中を筆頭に個性的なメンバー各人が、それぞれの態度で音楽に振り回され続けた先にある 泣けて笑える、最後は大きなクエスチョンのお土産付き こんなにお得なライブはHei Tanakaだけ Hei Tanaka 田中 馨 ベース 池田 俊彦 ドラム(T.V.not january) 牧野 容也 ギター(小鳥美術館) サトゥーくん サックス(SATETO) 黒須 遊 サックス(RIDDIMATES) あだち 麗三郎 サックス 2018年カクバリズムから7インチシングル『やみよのさくせい』をリリース 2019年4月 1stアルバム『ぼ~ん』をリリース
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私がお嫁さんとしていつまでも紳士的に大切にできると思える方は、おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんです。今週の就労は本日で終わりです。体調も良好でございました。
ブログをご覧の皆さん 堀本健嗣です。
おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさん 本日はクリスマスイブで明日はクリスマスですね。私は明日の今年最後の全体出勤日は有休でお休みが取れております。来年からは有休を月に2回まででブレーキをかけるように対応すれば、10か月間は有休でお休みすることが可能になります。現在の体調はどうでしょうか?
本日は特別編といった形でギャラリーカフェの担当マネージャーさんの話題をお聞きいただきたいと思います。
1人目はこの8月までプラバンチームの担当マネージャーさんでございまして、この8月でA型事業所をご卒業されたメンバーさんであり、私と全く同じ入社日に入社されたメンバーさんを担当マネージャーさんとして「○○さん 有休の使い方を月に2回まででブレーキをかけるようにしてください。」や夏の季節では「○○さん 水分補給をしてください」や「○○さん 有給取得月には有休をゼロにしておかないといけません。」とそのメンバーさんができるようになるまで担当マネージャーさんとしてお勤めを頑張れましたので、私はそのマネージャーさんの頑張りに二重丸で評価をさせていただきます。そのマネージャーさんはピシッと姿勢を正してマネージャーさんとしてお勤めをされることができておりますので、今月のクリスマスプレゼントとしてお好きなものを毎月のお小遣いでお買い求めになられてもいいように思えます。
2人目はもう一人のギャラリーカフェの担当マネージャーさんです。そのマネージャーさんは最近ではほぼ毎日スーツ姿でございまして、そのマネージャーさんもピシッと姿勢を正してマネージャーさんとしてお勤めをお上手に頑張れておりますので、そのマネージャーさんの頑張りにも二重丸で評価をさせていただきます。
もしも、ありがとうファームに「堀本くん こんにちは。遊びに来させていただきました。」とおかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんがお見えになられた時に「堀本くん あたしで良ければ、お仕事が終わった後に堀本くんのお家に行かせていただくことはできますか?」と熱心に問いかけてくださったら、私であれば「国産果実グミとギャラリーカフェ前の自動販売機のお飲み物をごちそういたします。お越しください。ありがとうファームでの就労についての話題をいたします。お待ちしておりますね。」と受けごたえをいたします。
おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんが「ねぇ、堀本くん アニメグッズがいっぱい買えるお店にあたしを連れてって」と熱心にお願いをしてくださいましたら、私であれば「今度の土曜日の全体出勤日は有休でお休みでございます。その日でよろしければ、午前中からホビーオフ岡山モール店様にお連れいたします。途中に何件かコンビニもございますので、休憩も取り入れながら現地へ行きましょう。 気になるお品物がございましたら、お会計前にお声掛けになってください。購入しても大丈夫であるご内容であるかをご提案いたします。 」と受けごたえをいたします。
おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんがお品物をお手にとってご覧になられている時に「堀本くん このような内容である時は堀本くんだったら買うことがいいと思う?」と問いかけてくださったら、私は下記のように受けごたえをいたします。
新品未開封の場合
「これは未開封品で箱の状態なども全面的に確認していただいて、それでも欲しいと思えましたら、買うこともございます。」
内袋未開封の場合
「これは内袋未開封品でこのようなお品物は全種類揃えることは難しいことが考えられます。コレクター商品でも話題です。ご自身がいいと思えましたら、それが間違いであることはございません。」
現状販売の場合
「これは現状品と言いまして箱や説明書などがないものでもございます。現状品を集めているコレクターさんはお買い上げ前に本体を全面的に確認してキズがないかを確認するようにして頂いて、中古品で見なくなったものである場合でもお買い上げになられることについても何も問題であるとも限りません。ご自身が現状品でもいいと思えましたら、それが間違いであることはございません。」
他にも、おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんが「堀本くん これ1500円なんだけど、あたし、買っても大丈夫か分からないので買っても大丈夫か教えてくれるかな?」と問いかけてくださったら、私は下記のように受けごたえをいたします。
新品未開封の場合
「こちらは最初から未開封品ですので欠品はございませんので、ご安心ください。私も中古屋さんで新品未開封を購入させていただいた経験がございますのでご参考になってみてくださいね。」
内袋未開封の場合
「これは内袋未開封ではございますが、入手困難である場合もございますが、それでもいいのでございましたら、お買い求めいただけれますので、ご参考になってみてくださいね。」
現状品の場合
「これは現状品と言いまして、お買い上げ後に返品交換ができない場合が考えられます。それでもお買い求めになられる場合はキズなどがないかを全面的に確認していただいて、お買い求めになられることもできますので、ご参考になってみてくださいね。」
お買い物から帰宅後におかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんが「堀本くん 今日はあたしをホビーオフ岡山モール店様に連れていってくれてありがとう。お会計前に買っても大丈夫である内容かを教えてくれたり、お財布に優しいお買い物ができました。ありがとう 堀本くん こんなあたしだけど、またあたしをホビーオフ岡山モール店様に連れてってね。あー今日は本当に楽しかった。」と嬉しそうに喜んでくださったら、私であれば、「欲しいものをお買い求めになられたことやホビーオフ岡山モール店様が楽しい気分に感じるご店舗であるとご理解してくださって、お連れして良かったと実感できました。またお店に行きたくなりましたら、土曜日の全体出勤日を有休でお休みするようにいたしますので、その間にお小遣いのご準備をされることもできますので、ご遠慮なくお申し出てくださいね。」と受けごたえをいたします。
来年は、おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさん パント!のおねえさんへ就任から丸10年。2003年に私と握手をしてくださった8代目歌のお兄さんと下記の皆さんと8代目歌のお兄さんが作曲された「あおうよ!」8代目歌のお兄さんが作詞作曲されたことで話題の「あつまれ!笑顔」をありがとうファーム特設ステージで披露します。
おかあさんといっしょ
・8代目歌のお兄さん
・17代目歌のお姉さん
・11代目歌のお兄さん
・20代目歌のお姉さん
・11代目体操のお兄さん
・5代目身体表現のお姉さん
Dream5の5人の皆さん
ももいろクローバーZの5人の皆さん
おかあさんといっしょの下記の出演者のワンパコ初登場回はパッコロリンコーナーも含めてほぼ全て揃っております。
初代身体表現のおねえさん (全部揃っております)
6代目歌のお兄さん (全部揃っております)
14代目歌のお姉さん(全部揃っております)
15代目歌のお姉さん(全部揃っております)
16代目歌のお姉さん(全部揃っております)
9代目体操のお兄さん(全部揃っております)
8代目歌のお兄さん(全部揃っております)
17代目歌のお姉さん(全部揃っております)
9代目歌のお兄さん(初登場のみ)
18代目歌のお姉さん(全部揃っております)
10代目歌のお兄さん(パッコロリンコーナーのみ)
19代目歌のお姉さん(全部揃っております)
11代目体操のお兄さん(全部揃っております)
11代目歌のお兄さん(全部揃っております)
5代目身体表現のお姉さん(全部揃っております。)
BS歌のお兄さん(ほぼ全部揃っています。レア映像も含む)
そして、ぶたくん、へびくんと揃ってご出演になられたあの男性の出演者のワンパコ初登場回もございます。
ここ数年で少しずつ集めているうちに、ほぼ全てのおかあさんといっしょの歴代の出演者のワンパコの初登場回が揃いました。大切にプロテクトして、おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんと堀本家でご一緒にご鑑賞します。
他所の自動販売機では全く同じお値段でお買い求めいただけれるとは限らないので、120円~160円で売られております自動販売機でのお飲み物をお買い求めになられることはご卒業になられることがいいよ���に思えます。
他所の自動販売機では100円や110円ではお買い求めになられることができないことがほとんどでございます。ブログをご覧の皆さん ご職場様のご経費でお買い求めになられることができますので、わたくし堀本健嗣のイラストが題材になりました自動販売機をご活用になられてくださいますよう、お願いを申し上げます。
それでは本日も国産果実グミのご案内を申し上げます。
それでは、こちらをご覧ください。
お知らせ 3月3日(水)に待望のハートフォーアート新商品が発売されました!
「国産果実のグミ」
ありがとうファーム(岡山)所属の堀本健嗣さんのイラストがパッケージになりました。
フレーバーは岡山白桃・マスカット・ぶどう・瀬戸内レモンの4種類! 全て国産果汁にこだわりました。果汁のおいしさを楽しめます。嬉しいコラーゲン入り!
全国のダイソーさんで販売されます!
岡山県内の金光薬局さんでもお取り扱いがございます。 ぜひ、お試しください!
国産果実グミはどのお味も1日1つを食べきっても食べすぎにならないことを想定して内容量を計算しております。体調に合わせてご参考になってみてください。
おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさん 知人様やご友人様などにおすそ分けをされる時にどんな物をお渡しすればいいのかご不明な場合はダイソー様で売られております国産果実グミをご活用ください。数千円がお財布にございましたら、ダイソー様でまとめ買いも可能でございます。合わせてご参考になってみてくださいね。
ブログをご覧の皆さんもこれから先は国産果実グミを食後のお時間にお食べになるようにすることの方がこの次も食べたい気分になれます。
オハヨッシャ!をキレよく踊って曲の最後の決めポーズの時に足を高く上げることのできるほど体を鍛えておられるおかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんをお嫁さんにしたいと考えております。
芸能活動を頑張られて生計を立てることのお上手なご性格のおかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんは体を鍛えることもお上手でございますので、今後もパントマイムを継続的に頑張りましょうね。
YouTubeチャンネルでお歌をきれいな歌声でお上手に歌えるおかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんは私の気分を落ち着かせてくださるので、理想的なお嫁さんの立場に向いているように思えます。
おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさん ありがとうファームは一般企業様からもとても身近に感じていただけております。ありがとうファームは知名度向上の一環としても今後も努めてまいります。 またご都合がよろしければ、岡山市の表町商店街のありがとうファームに遊びにいらしてくださいね。
その時はお互いに元気よく「こんにちは」でお会いしましょうね。
おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんとありがとうファームでお目にかかれる日を心よりお待ちしております。
ありがとうファーム一同、おかあさんといっしょをご卒業された5代目身体表現のおねえさんのお越しを心よりお待ちしております。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、この週末も楽しい気分でお過ごしくださいね。
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Les Japonaises privees de #MeToo
#MeToo を奪われた日本の女性たち
Japanese women deprived of #MeToo
著:Sophia Marchesin
訳:"B"-san / @tkatsumi06j
登場人物(登場順)
Featured Individuals
石川優実|グラビア女優 - Yumi Ishikawa, Actress
伊藤詩織|ジャーナリスト - Shiori Ito, Journalist
勝見貴弘|飜訳者・活動家 - Takahiro Katsumi, Translator/Activist
匿名女性|NHK記者 - Anonymous woman, NHK reporter
小川たまか|ライター - Tamaka Ogawa, Writer on sexual violence matters
清水めいり|舞台女優 - Meili Shimizu, Stage Actress
望月晶子さん|弁護士・TSUBOMI代表 - Akiko Mochizuki, Lawyer/Director TSUBOMI
牟田和恵 |大阪大学教授・ジェンダー学 - Dr. Kazue Muta, Prof., Osaka University, Gender Studies
谷口真由美|大阪国際大学准教授・国際公共政策 - Dr. Mayumi Taniguchi, Assistant Prof. Osaka Univ., Global Public Policy
岡野八代 |同志社大学教授・政治学 - Dr. Yayo Okano, Professor, Doshisha Univ., Political Science
斉藤章佳|精神保健福祉士・社会福祉士 - Dr. Akiyoshi Saito, Psychiatric Social Worker
イヴ・ボゴン |『エルジャポン』ディレクター - Yves Bougon, Director, Elle Japon
ミエ・コヒヤマ |AFP通信記者・アクティビスト - Mie Kohiyama, journalist, AFP/Activist
ミュリエル・サルモナ |精神科医・研究者(解離性健忘) - Dr. Muriel Salmona, Psychiatrist specializing n post-traumatic amnesia
性暴力の被害者たちを表すハッシュタグが、世界中の至るところに拡散している。ただし、日本を除いて。
日本で沈黙のルールを破った被害者たちは、脅迫や社会排除のリスクを負う。
名前を変えることも、顔を隠すこともしない。
She would not use different name nor will she hide here face.
「ええ、怖いですよ。でも現実を見つめなければ。去年の12月に #Metoo を表明してから、私の俳優���してのキャリアは台無しになりましたから」
石川優実さん(31)は、敢えてこのハッシュタグを使う日本の数少ない女性の一人だ。しかし、これは彼女一人だけの話ではない。何百人もの女優たちにかかわる話なのだと、優実さんは言う。
「私のマネージャーは2人の監督と1人のプロデューサーに、およそ十数回、私をあてがいました。役を得るために男と寝る。映画業界の暗黙の了解だと。とくにデビューしたての女優たちは。女性としてみな通る当然の道だと思っていました。#MeToo を通じて初めて、問題だと認識したのです」
優実さんは [ #MeToo により] まず解放感を感じたが、それも束の間のことだった。「みっともない女」「尻軽」「日本女性として恥に思え」などの批判や侮辱によって、それはすぐに辱めに変わった。
女優の石川優実さんは『#Metoo 』と投稿することを躊躇わなかった。以来、「私のキャリアは終った」と、彼女は言う。(撮影:Xavier Tera)
日本では、レイプはスティグマ化する。とりわけ、レイプの被害を受けたことを語る女性たちは激しく非難される。優実さんは、この破らざるタブーを破った。
「私たちの文化は、私たちの苦痛や、疑問、否定的な感情を内在化することを人びとに求めます」
大阪国際大学法学部准教授でフェミニストでもある谷口真由美さんはこう説明する。
日本では、路上や地下鉄、隣人同士の間で、性差別的な言動や侮辱的な表現が飛び交うことはない。人びとの交流は礼節を持って行われ、日常生活は快適そのものだ。
「公共の場では人々は”空気”を読み、軋轢を避けることを求められます。人びとは子どもの頃から、大声でものを言わないこと、”私は”と自己を主張して自身を尊大に見せないようにすることを学びます」
社会の調和を守り、自身が排除されないよう、無秩序を生み出す要因となるような主張をしない。そいう人を支持しないことが求められる。女子は共感的な姿勢を持つこと(同調)を期待され、若い女の子は「可愛いらしく」、ほほ笑みを絶やさず、男を裏切らない存在でであるべきとされる。
『 #MeToo 』は、その急進性により、この同調を求める家父長制のドクサ(臆見)を脅かすのだという。
折り込み広告やテレビのに映る舞台の上でも、こうしたステレオタイプが次々形となって表れる。完璧な母親や、超セクシーな肉体を持った若い女と言う風に。
「私たちは未だに、男性に支配された、男性のためのみに作られた社会に暮らしているのです」
谷口准教授はこうまとめる。
この世界第三位の経済大国は、世界で最も保守的で差別的な国に位置付けられる。女性議員と女性管理職の割合は一割に満たず、第一子を出産した後、母親たちの大部分は家庭に留まるために仕事を辞める。
『世界経済フォーラム』が昨年11月に発表したジェンダー平等性に関する最新の報告によると、日本の「ジェンダー・ギャップ指数」は144か国中114位だった。
「自分の国で身の危険を感じてしまう」
"I FEEL AT RISK IN MY OWN COUNTRY."
伊藤詩織さんは、日本の #MeToo ムーヴメントの火付け役となったとみられる人物だ。昨年出版された自著『 #BlackBox 』の中で、安倍晋三首相に近い人物から自身が受けたレイプ被害を告発した。
3年前、つまりこの事件の起こった時、警察は彼女に告発することを思いとどまらせようとした。加害者とされる男性は法廷で追及されることもなく、詩織さんは国外に住むことを余儀なくされた。
「自分の国なのに、身の危険を感じました。本を出版した後、昼夜問わず、悪意に満ちたメールが沢山送られて来ました、男性だけでなく、女性からもです。脅迫電話も沢山かかってきました。私に『死ね』と言う内容のものでした。とりあえず2か月半の間、友人の家に身を潜めました。そして女性の人権のために闘うNGO団体の代表の女性の方からロンドンに行くように勧められました。最悪なのは、私の妹が私のせいで未だ仕事が見つからないことです。家族との関わりは絶つしかありませんでした」
ジャーナリストの伊藤詩織さんは、自身が被害者となったレイプについて証言した自著を出版したのち、日本を離れることを余儀なくされた。(撮影:Xavier Tera)
ツイッターで16,000人がフォローするベテラン飜訳者の勝見貴弘さん(45)は、幾世代にも渡る被害者たちの心の解放を目指し、彼女たちのメッセージを発信し続けている。
「詩織さんは、このミソジニスト社会が嫌悪するあらゆる要素を兼ね備えている人です。美しく聡明で、権力に近い者を批判することを厭わない勇敢さを持っている。彼女が受ける激しいバッシングは、日本の女性に声を上げることを躊躇させる効果を持ちます。日本のメディアでいうと、被害者に『声』を与えた雑誌など、『エルジャポン』くらいのものです(下記参照)」
「取り上げるテーマがセンシティブな内容を含むものであれば、メディアは自己規制をかけます」
巨大公共放送『NHK』の女性記者は匿名を条件にこう断言した。
「私は毎日、私の小さい胸のことをからかう上司のセクシストな冗談に笑って応えさせられています。こんな状態で、セクハラ(性的加害)について、真面目な問いかけが行われることがあると思いますか?まるで日本は例外かのように扱われているんですよ」
「自身の苦悩を表明することは利己的といわれるかもしれない。でも、私にとっては #MeToo が最後の砦だったんです」
"IT MAY BE SELFISH TO EXPRESS ONE'S SUFFERING, BUT #METOO WAS MY LAST RECOURSE "
フリーランスのジャーナリストである小川たまかさんは、あるインターネット・サイトの仕事で壁にぶつかった。サイト名は彼女の希望で伏せる。
「女性編集長たちでさえ問題を過小評価しています。否定的であるか、無関心であるかのどちらかです。他者の悪いところを直視したくないからと、黙って苦しむことを選ぶことがあまりにも多いのです」
この37歳の活動家はそれでも諦めない。 学生の頃に性暴力の被害に遭った彼女は3年前、ブログで自身の体験をシェアすることで、勇敢にもタブーを打ち破った。
「電車に乗る思春期の人たちの大部分が性的虐待の被害(痴漢)に遭っていると思います(下記を参照)。それが私たちの日常です。私が初めて痴漢に遭ったのは10歳の時でした。高校生の時には少なくとも週に一度は痴漢に遭いました。なかには、私の性器に指を突っ込んだ男もいました」
たまかさんに「フランスの法律ではそれはレイプに該当する」と説明すると、彼女は大きく目を見開いた。
「本当に?」
彼女は話を続けた。
「痴漢については友だち同士では話をしましたが、大人たちを信用してよいのかわかりませんでした。私たちの母親は「気をつけなければダメよ!」と言うだけでしたから。私の両親は私の受けた被害を知りません。それは今でも見えない傷として残っています」
メディアにおいても、学校でも、家庭でも、性的虐待の被害者たちは沈黙を強いられる。
In the media, at school, at home, the victims of sexual abuse often remain silent.
当局を信用する女性は稀である。日本は、盗難、レイプといった犯罪の割合の少なさから、世界で最も安全な国の一つとして紹介されるが、性暴力の被害者を通報する割合は4%以下である(フランスでは11%)。彼女たちの七割以上が親しい人にさえ何も話さない。
[参考] 2015年度内閣府調査
「自身の苦悩を表明することは利己的といわれるかもしれない。でも、私にとっては #MeToo が最後の砦だったんです」と話すのは、舞台女優の清水めいりさん。
「半年前、酔い潰れさせられた後、私はある舞台プロデューサーに2度に渡りレイプされました。警察はホテルの防犯カメラを確認しました。そこには私がプロデューサーと肩を組んで、よろめいて歩く姿が映っていました。警察は私が同意の上であったと結論づけ、被害届は受理されませんでした」
俳優の清水めいりさんは当局に同意の上であったと見做され、被害を受理されなかった。(撮影:Xavier Tera) [詳細追記]
「レイプを犯罪として証明するために、被害者は物理的外傷を証明しなければならないんです!」"FOR A RAPE TO BE A CRIME, THE VICTIM MUST PROVE PHYSICAL INJURY! "
女性が男性と酒を飲みに行くことに同意したら、その女性が性的被害を受けたとしても責任は彼女にあり、彼女は自分の身を守る術を知らなければならない――日本には、こんな考えが根強く残っている。
[参考:NHKネットワークが実際に行ったアンケート]
110年前に作られた性暴力に関する法律もこれと同じ考えに依拠している。
「レイプを犯罪として証明するために、被害者は物理的外傷を証明しなければならないんですよ?」
弁護士の望月晶子さんはこう強調する。
「世間一般はいまだに、当然のように、被害者は夜どこからともなく現れた全く知らない人から襲われるものだと想像しているのです!」
晶子さんは東京に、レイプ被害者を全国規模で支援するNPO法人「レイプクライシスセンターTSUBOMI」を設立し、これまで1,500人ほどの被害者を支援してきた。
伊藤詩織さんの闘いにも敬意を表する。詩織さんのおかげもあって、昨年の7月に法律が改正されたからだ。改正された刑法では、レイプ [強制性交等罪] は懲役3年から5年に変更され、男性も性暴力の被害者として見做されるようになった。
だが彼女にとって、この闘いは初めから勝つ見込みのないものだ。レイプ犯の99%が不起訴となるからだ。
「私自身、依頼人たちには告訴することを勧めません。それ以上被害者たちにトラウマを与えたくないと思うからです。そう、加害者たちはお金で被害者たちの沈黙を買うのです。支払う能力のある加害者たちに対しては、平均で4万ユーロ(約500万円)の高額で示談を交渉します。このような状況では #MeToo が日本で理解されないのも無理もないのかもしれません」
より深刻なのは、性的同意の問題が法律でも学校でも言及されないことだという。
「社会はこの問題について議論の場をもったことがありませんし、高校で���教育を実施することも拒んでいます。それは一般に、『非行の扇動』とみなされるからかもしれません」
社会学者でジェンダー論の専門家である大阪大学教授の牟田和恵さんはこう嘆く。
結果、ポルノが性的な物事への入り口となっている。
「ワンクリックで視聴が可能なビデオの多くにおいて、地下鉄の中で少女たちが『いや!いや!』と叫びながら(それでも「イエス」と受け止める人もいるのでしょうけども)レイプされるストーリーが描かれています。アダルトビデオの中のレイプはまるでゲームのように描かれています。日本人が『同意』の意味するところを知らないのも無理はないと思いませんか?」
ひと握りのフェミニストたちが、牟田教授のように、シンポジウム等を通して #MeToo に関する議論を活発化させようとしている。
前出の大阪大准教授の谷口真由美さんは、課題の大きさをこう言い表す。
「これは構造的な問題です。どこから手を付ければいいのか。教育?政治?経済?メディア?司法?それとも家庭?」
同志社大学教授の岡野八代さんにとってさらに気がかりなのは、政治的な状況が沈黙と、他人を中傷する言説の正当化をさらに強めていることである。 フェミニスト活動家の彼女はこう憤る。
「ソーシャルメディアを使って、匿名の人たちや、極端な保守派議員たちが私たちの活動の信用を失わせようとしています。バッシングは10年前と比べると、よりあからさまで、当たり前のものになっています。私たちはきっと、日本の社会と日本の全男性を敵に回しているのでしょうね!」
だが、伊藤詩織さんは希望を失わない。彼女はひそかに、根強い支持を受けている。
「多くの男性や女性が私的に感謝の意を表してくれました。彼らはそれを公に行うことを恐れていますが、確実に連帯してくれています。ただし、ひそかに。だから、続けなくてはならないのです!」
蔓延する痴漢
THE PLAGUE OF GROPERS
GROPERS(痴漢)または "TCHIKAN" の問題は1990年代になって公共機関でも配慮されるようになった。女性のために、鉄道各線にピンク色の車輌が用意されている。 しかし、「所詮、男が潜在的な脅威であることに変わりはない」という考えが根強く残っている。
東京のクリニックで働く [臨床医で精神保健福祉士の] 斉藤章佳さんは、弁護士や家族の依頼で2年間に1,200人もの"TCHIKAN" を治療した経験を持つ。
「男性を敬い、女性を蔑視する男尊女卑の風潮は、いまも根強く残っています。痴漢は被害者たちをモノのように見ます。しかし、彼らは捕食者ではありません!これは、私が患者さんたちに一番初めに伝えることです。痴漢は根治することも、リハビリを通して更生させることもできます。しかし残念ながら、われわれは『助平な変質者から身を守る術を知らない被害者』というステレオタイプに逃げ込みがちです」
この臨床医によれば、典型的な患者像は、「サラリーマンで、既婚で、会社の上司たちに苛められている人」であるという。
「地下鉄の中は、彼らにとって家庭と職場の間で唯一、彼らの激しい支配欲を満たすことのできる空間なのです」
章佳さんによると、毎年10万人の日本人女性が痴漢の被害に遭っている。
奮起する彼女(ELLE)たち
ELLES (THEY) ARE MOBILIZING
『エルジャポン』は3月、安倍晋三首相に近い者にレイプされたと告発したジャーナリスト・伊藤詩織さんの肖像を描く記事を掲載した。彼女の戦いは多くの海外メディアで報道されたが、日本ではほとんど報じられなかった。
「私たちはリスクをとらなけばなりません。レイプや政治について話すことは大きなタブーです。読者の大部分はショックを受けた、それは確かです。しかし私たちは、この話に世界的な広がりを与えなければならないと思いました」
『エルジャポン』のディレクター、イヴ・ブゴン(Yves Bougon)は語る。
記事を書いた ミエ・コヒヤマ(Mie Kohiyama)さんには、多くの賛同の声が寄せられた。
「記事はひじょうに沢山シェアされました。とくに女優のアーシア・アルジェント(Asia Argento)によって。多くの日本人が私にコンタクトをとって来きました。#MeToo ムーブメントは日本でもひそかに進行しているのです」
未成年者に対する性犯罪の公訴時効 の廃止と心的外傷による記憶喪失 [解離性健忘=PTA] の問題について活動するミエさんは、性暴力について活動する国際団体の支援を受け、シンポジウムの企画を進めている。
フランスで「心的外傷性の記憶及び被害者学に関する協会」の会長を務めるミュリエル・サルモナ博士(Dr. Muriel Salmona)は今月初め、女性の弁護士や医師で構成された日本の代表団をパリで迎えた。
「積極的なやりとりや意見交換がなされました」
フランセーズのサルモナ博士は興奮気味に語る。
「彼女らは北海道にレイプ被害者を受け入れる先進的なセンターを開設した人たちで、情報と支援を求めていました。私たち日仏の両団体は、団体間で、あるコラボレーションを行おうと考えています」
この記事は『ELLE』マガジン2018年4月28日号に掲載されました。
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フェンダー編第百二十五回:「”Winter 2021 Custom Shop Event”ってこんなこと」
2020年秋に続き、フェンダー・カスタムショップの第二回オンライン選��会が開催されました。
本来であれば2021 Winter NAMM Showに出展する手筈だったスペック・ピースが各国毎に振り分けられ、アジア地区へは合計110本のカスタムショップ製品がエントリー。 前回から引き続き、もちろん当店もがっつり参加&入札して参りました!
全数ではありませんが2021年の新作モデルについても一部出展があり、全体的にバランスの良い出展内容であったように感じます。 アジア地区(APEC)の他ディーラー様の動向からしても、フェンダー・カスタムショップ製品は世界的に注目されているのだなと感じました。 (全出展アイテムが参加ディーラー向けに即日完売していました!)
さて、毎度のことながら、 『さすがギタプラさんですね。。』と同業の方からも称賛(呆れ?笑)される当店バイイング・アイテムの一部をスニークピーク的にご紹介致します!
マスタービルダー「デニス・ガルスカ」製作のカスタム・ジャズマスター。なんと、マホガニー・ボディです! カラー名称は「TVイエロー」、もうそのまんまやないかいという感じですが、一目見た時から『入札したら当たるな〜』と思ってました!
こちらも一目見た時から運命を感じてました! マスタービルダー「デイル・ウィルソン」のアシスタントを務めるマスタービルダー・アプレンティス「トニー・コロナ」製作の50sストラトキャスター!
アッシュ・ボディの50年代スタイリングながら、敢えてスリムなCシェイプ・ネック・グリップを採用している点がオリジナリティを感じさせる一本です。
トニーがアプレンティス作品を出展するのは今回が初めてである為、彼自身にとっても大変特別な品に仕上がっているのではと思います!
今回のスペックピースは3月下旬頃から順次入荷予定です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
GUITAR PLANET 2021
吉岡 哲志
https://www.guitarplanet.co.jp/
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本物も偽物もない
♥信じればそれが真実
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お仕事の都合上、昨日が映画をゆっくり見れる2020年最後の日でした。午前中、センチュリーシネマまでタイの映画「ハッピーオールドイヤー」を見に行き、昨晩最後に見たのは「コンフィデンスマンJPプリンセス編」 泣き笑いしながら元気になっちゃう、もう大好きな演出、ストーリー。もちろん竹内結子さん、三浦春馬さんも出演しています。映画館では見れなかったけど、今年最後、家のスクリーンで見ることができて本当によかったです。
2020年110作品を見ました。本当に映画でいろんなところに旅し、いろんな人の気持ちにふれることで、自分の中に新しい視点が増えていきました。ひとつ前の置き手紙でなおちゃんが書いているように、1本の映画を見終わるたびに心が強くやさしくなっていく、そんな感じです。来年もいっぱい見たいです!おすすめの映画、是非教えて下さい!!!そして、2021年は映画から受け取ったものを心に、自分なりにそれをまわりに派生させていきたいと思っています。世界はかわるよ!
下の写真は年内最後のウーバーイーツ!
千種の目利きの銀次の海鮮丼!お魚肉厚、トロトロでめちゃうまだったよー🥰今は外食を控えているので、ウーバーの配達員さんに感謝感激です。
さぁ、今日から元旦まで駆け抜けます!お仕事行ってきまーす👋
2020.12.29 am10:15 ♡
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岡田将生&木村文乃が 1月10日(いとう)=“伊藤くんの日”にちなんで110番広報大使に任命!
映画公開を記念して、1月10日(水)=「伊藤(110)くんの日」であると同時に、「110番の日」でもあるとして、このたび岡田将生と木村文乃が赤坂警察署から“赤坂警察署110番の日広報宣伝大使に任命され、そのお披露目イベントが開催されました。
1月10日(水)が“伊藤(110)くんの日”であると同時に、警察庁により昭和60年に「110番の日」としても制定されている本日、本作の主演である岡田将生と木村文乃が、会場に詰めかけた110人を越える観客の前に拍手に包まれながら登場。 観客から大きな歓声を受けた二人は、なかなかない機会に、岡田は「光栄です」と照れ笑い。
早速、署長から「赤坂警察署110番の日広報大使」の任命証を手渡された二人は、警視庁のマスコットキャラクターであるピーポ君と仲良く笑顔で記念撮影。110番の日について説明を受け、「東京都内に1日に寄せられる通報件数」の予想を聞かれた岡田は「あてずっぽうですが、1000件くらい?」と自信なさげに回答。MCから少ないんですよ!というツッコミを受けると、2000件と細かく増やしたことで会場の笑いを誘い、思い切って「じゃあ5000件!」と回答。実際の件数が、回答に近い約4800件ということを聞くと、その件数の多さに驚いていた。さらに、木村には、その中でも緊急性のない通報件数の割合を聞かれ、「1割くらい?」と様子見な回答。岡田の回答と同じように、そんなに少なくないとMCに言われた木村は「じゃあ2割」と岡田同様の対応で受け答え会場の笑いを誘ったところで、実は正解も2割超程度とほぼ正解だったことが明かされ、木村は満足げな反応だった。
そして、今回は詰めかけた観客へ、広報大使の活動として岡田・木村の二人から配布するということで、リーフレットと交通事故防止のキーホルダーが二人の手によって手渡された。観客には二人の熱狂的なファンも多く、ふたりからリーフレットを渡されて感激した様子で二人と会話を交わすシーンもあった。会場には二人の任命を聞きつけて多くの観客が殺到し、熱気に包まれた。無事にプレゼントを渡し終えると、二人には署長から大使としての活動に対して感謝状が渡された。観客からの声援ににこやかに手を振る木村。岡田は撮影の際に敬���ポーズも披露していた。
最後に、感謝状を渡された岡田は「110番と#9110を正しく使い分けてほしい」と110番に対する理解を求め、木村も「はやる気持ちは抑えられないので、自分のことより他の人が緊急かもしれないと考える余地がある方は110番と#9110のどちらが正しいかを選んで通報してほしい」と呼び掛け。今回大使に任命されることが初めてという二人は大変光栄と笑顔を見せ、木村は「木村大使、と呼ばれて、ちょっと男性になった気分だった」と笑いを誘った。今日が110番の日だったことを実は「知らなかった」という岡田。「先に映画『伊藤くん A to E』で“伊藤くんの日”という認識だった」と木村が言うと、二人は「“伊藤くんの日”と“110番の日”の両方の記念日にしたいですね」と提案。
「助けが欲しい時はありますか?」という問いに対し、「あまりないですね。あったかもしれないけど、気づいてないだけかも」と回答。危機を感じたこともなかったのかと聞かれると、「正月はずっと家にいたので感じなかった…」と年越しの様子を明かした。一方で木村はすぐに本編最後のクライマックスシーンについて「あのシーンは一発勝負なうえに長いセリフを切ることなく長回しで撮影したので、撮影の前日は誰か代わってくれないかと思ってた」と明かした。実は台本10ページを10分かけて長回しをしているシーンがあり、「このシーンがどうなっているのか気になった方は、劇場に行ってください」とすかさず映画をアピール。同じシーンについて岡田は「緊張してたけど、楽しんでた部分があったかな。一発勝負だったので、やってやるぞ!という気持ちでやらせていただいた」と撮影に挑んだことも明かしてくれた。
最後に、映画の見どころを聞かれた二人は「この伊藤くんという史上最低な痛い男が5人の女性を振り回す恋愛ミステリー。伊藤くんの真実がわかるシーンが見どころですね。女性も男性も楽しめる作品なので劇場で見てほしい」(岡田)、「ドロドロした恋愛の話かなと思われそうだけど、同性から見てもつらいところや、こういう男性が嫌われるんだなと思うけど、それだけで終わらない作品です。見ていただくと、いつも通る道が違うように見えるような、希望のある作品。見てもらえると気持ちが変わるのでぜひ劇場で見てほしい」(木村)と映画の見どころを語り、イベントは和やかに終了した。
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“「食べログの研究―レビューサイトがもたらした食文化と都市の風景」を読んでいたときに、はっとしたことが一つありました。それは「(食べログでは)コストパフォーマンスが高いレストランがランキングの上位を占める傾向がある」という指摘です。 (『PLANETS vol.8』より) この記事は「dancyu」や「Hanako」といった雑誌文化が築き上げてきた食文化を、クチコミサイトである「食べログ」がどのように塗り替えてしまったかを解説する内容で、正面から分析されることの少ない「食べログ」を深く知れる、とても面白いものでした。 カカクコムの発表によれば、2012年12月末現在、「食べログ」の総ページビューは約8億7,750万PV/月、月間利用者数が約4,095万人/月(内訳=PC:2,285万人、スマートフォン:1,518万人、フィーチャーフォン:292万人)というメガサイトです。使ったことがないという人の方が珍しくなるほどの利用者数ですね。 ■クラウドソーシング的に5段階の星の数で評価する “コストパフォーマンスが高いレストランの評価が高い”ということに、なぜはっとしたかといえば、それがユーザーでもある自分自身の実感に近いものだったからです。たしかに、食べログで3.5〜4.0ぐらいの高評価の店はコストパフォーマンスも良いことが多いと思います(4.0以上は高級店が多いです)。 「なんでだろう」とあまり深く考えたことがなかったのですが、よく見れば食べログの評価は「料理・味」「サービス」「雰囲気」「コストパフォーマンス(CP)」「酒・ドリンク」の5項目で評価されています。 コスパが明確に食べログでの評価項目となっているからこそ、レビュアーもコスパをきちんと評価しようという文化が育ったともいえますよね。ただし、「★」は不特定多数のレビュアーの単純平均ではなく、ヘビーユーザー(食通度合いの高い)の採点が大きく影響する独自のアルゴリズムがあるようです。 一方で、レストランを星で格付けする元祖といえば「ミシュランガイド」です。調査員がまわって「1つ星=その分野で特に美味しい料理」「2つ星=極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理」「3つ星=それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理」ということで、ウェブにおけるレビューの概念とは歴史も思想も文化も違う感じです。「ミシュランの星付きレストランで食べる」というのは特別感が漂いますね。一応、コストパフォーマンスが高い店に付く「ビブグルマン」という���ャラクターのマークはあるらしいのですが、やっぱり普段使いじゃない感じです。っていうかビブグルマンって何だ。 で、日本には雑誌文化があったわけですが、評価基準は「dancyu」「Hanako」など雑誌に載った(or 載らない)しかなく、その基準も編集者が決めるので曖昧なことが多いです。(「おとなの週末」は覆面調査で結構詳細にランク付けしていた気もしますが、これも編集者が決めているのでしょうか……) 大仰に言えば不特定多数で「料理・味」「サービス」「雰囲気」「コストパフォーマンス(CP)」「酒・ドリンク」をクラウドソーシング的に5段階の星の数で評価する=数値化するという試みは、かつて食文化が体験したことがない現象です。いまさらながら、このことが面白いなと思った理由は“人間の主観的な認知を星の数に置き換えて記述する”という試みに思えたからです。言い換えれば“直感を可視化する”ということです。 ■そもそも“直感”とは何でしょうか? 「直感」については、2012年11月刊行の、心理学者でありながら2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』がわかりやすい説明をしてくれていますので、参照したいと思います。 カーネマンは同書のなかで、直感的で感情的な「速い(ファストな)思考=システム1」と、意識的で論理的な「遅い(スローな)思考=システム2」の比喩をたくみに使いながら、人間の直感(=システム1)がいかに優れていながら間違うかについて詳細に書いています。たとえば下記の簡単な問題に答えてみてください。 バットとボールは合わせて1ドル10セントです。 バットはボールより1ドル高いです。 では、ボールはいくらでしょう? (上巻p.66より) 直感にしたがえば答えは「10セント」です。「システム1」は記憶に蓄積されていた情報をもとに瞬時に答えを導き��すところに特徴があります。でも検算してみれば、ボールの値段をXセントとすると「X+(X+100)=110」なので「X=5」となります。5セントが正解です。「システム2」は「システム1」が提案した考えや行動を監視し制御することが主な機能の一つです。「バットとボール問題に答えた大学生の数は数千人に上るが、結果は衝撃的だった。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、プリンストン大学の学生のなんと50%以上が、直感的な、つまりまちがった答を出したのである」と報告されています。 (他にも盛りだくさんの事例がありますので本をご参照ください、っていうかkindle版出たんですね……本が分厚すぎて2冊もあるので電子書籍で買えばよかったです『ファスト&スロー(上)あなたの意思はどのように決まるか? 』『ファスト&スロー (下)』) 話を戻せば、食べログで5段階の星でレビューするとき「うーん、サービスは星4つぐらいか」と深く考えず直感的で感情的に(システム1で)評価することが多いと思います。一方、それを意識的で論理的に(システム2で)言葉にすることでクチコミになるのだと思います。星を付けた後に文章を書くという順番がポイントです。ちなみに食べログではクチコミ投稿は200文字以上です。 5段階の星の数で人間の持つ“直感を可視化”できるネットって、実はすごいんじゃないのって思いました。クチコミを読むだけじゃコスパが高いか低いかは直感的にわからないし、クチコミを読み込むのが面倒ですよね。(※ちょうど一年前ぐらいにあった食べログのステマ問題は携帯電話番号認証ができたし、アルゴリズムが解決するだろうと勝手に思っているのでこのNOTEでは触れません!) ■他のレビューサイトはどうなっている? ここでレビューサイトがどのように“直感を可視化”しているかを見てみましょう。 Amazonは基本的に「5段階の星の数」と「クチコミ投稿(文章)」ですね。 英語圏の食べログともいえるYelpもAmazonとほぼ同じ。同じく英語圏での展開がメインのトリップアドバイザーも同じですね。入力する評価項目が少ないとレビューが増えると予想できるので、レビューは質より量ということでしょうか。それとも英語圏が大雑把なのか、日本人が細かすぎるのでしょうか。 トリップアドバイザーと同ジャンルの楽天トラベルやフォートラベルは評価項目が6つに分かれています。楽天トラベルが「サービス」「立地」「部屋」「設備・アメニティ」「風呂」「食事」となっているのに対して、フォートラベルは「アクセス」「コストパフォーマンス」「接客対応」「客室」「風呂」「食事」「バリアフリー」と微妙に評価軸が違いますね。 食べログといいフォートラベルといい、カカクコムグループは評価項目がしっかりしてますね。価格.comは製品の種類ごとに評価軸が異なります。Goo-netを見ると車の評価項目って面白いなーと思います。「外観のデザイン・ボディカラー」「内装・インテリアデザイン・質感」「走行性能」「燃費・経済性」「乗り心地」「装備」「価格」「満足度」の8項目でした。 そういう意味で興味深かったのが同じカカクコムグループの映画.com。5段階の星に加えて「泣ける」「笑える」など12個の「印象」タグがあります。映画など映像は評価項目が多くすべて5段階にしてしまうときっと複雑過ぎるのですね。そういえばYouTubeやニコニコ動画などの動画サイトもタグが一つの評価になっていました。 @cosmeも同じく、「うるおい」「ニキビ」「美白」など効果・機能のタグがありました。化粧品で大事なのは効果や機能だということでしょうか。自由に付けられるタグもあります。 結婚式場は飲食店のように評価軸が明確ですね。「みんなのウェディング」と「Wedding Park」ともに詳細な評価項目を持っています。「料理」「スタッフ」「進行演出」「式場設備」「場所」「費用」など。成長が止まりつつあるホットペッパー・ぐるなび vs 成長が著しい食べログのように、一強ともいえるリクルートのゼクシィが今後どうなるか注目です。 株式上場をするリクルートの行く末を考えると、最年少上場企業社長の村上太一さん率いるリブセンスが最近はじめた「転職会議」というサイトは興味深いです。最大2万円のアルバイト採用祝い金+成果報酬で躍進した「ジョブセンス」も大成功でしたが、「転職会議」で行われつつあることはどうみても会社の食べログ化です。主な評価項目は「給与水準」「企業の安定性」「企業の成長性」「将来性」「仕事のやりがい」「企業の理念と浸透性」「ブランドイメージ」「社員の雰囲気」「入社難易度」「福利厚生」「教育、研修制度」など。サブで社風に関する項目があるのもすごいですね。入力が複数項目5段階評価の直感的な選択だけで出来る点も目を見張ります。ノイズとなる評価情報がきちんと淘汰されて機能するのかに要注目です。食べログを見れば一目瞭然ですが、情報が集まるところに人は集まるものなので、やり方によっては人材ビジネスが激変するかもしれませんね。 ■食べログ化する日本 そう考えていくとCGM(Consumer Generated Media)が「クチコミサイト」と呼ばれる時点でミスリードな気がしてきます。たしかにクチコミによる言語化で検索エンジンには引っ掛かりやすくなるので必要な要素ですが、これからの時代“人間の主観的な認知の可視化”はもっと需要の増える要素ではないでしょうか。“直感の可視化”の方がひと目でわかりやすく情報の価値が高くて重要な気がします。(言い過ぎでしょうか?) スマートフォンが普及しつつある今、人間はもっと“直感を可視化”してもいいと思います。言い換えれば、アトム(形あるモノ)がビット化(情報化)する余地はまだまだあるのではないでしょうか。先述の例では、特に会社をビット化しようとしている「転職会議」に期待してます。みん就(みんなの就職活動日記)のクチコミは就活情報としては役立ちましたが、そもそもの会社選びにはほとんど役に立たなかった記憶があるので。「若者はなぜ3年で辞めるのか」じゃないですが、会社情報の食べログ化は学生と会社のミスマッチの確率を下げる一つの方法になるのではないかと感じました。「文化となるWebサービスを、つくる」という会社のスローガンに偽りない感じですね。全力で日本の就活文化をぶっ壊してくれ。すごいぞリブセンス。 これからも日本の食べログ化、世界の食べログ化は進むのだろうなーと思います。いや、個人的に思い込んでいるだけかもしれません。もっと人間の“直感を可視化”できれば社会や文化が変わるかもしれない。そんな予感だけで久しぶりにNOTEを書いてみました。ITやネットが本当の意味で革命を起こすのはこれからが本番でしょう。 よたばなしかもしれませんが、人間を食べログ化できないだろうかと妄想することがあります。Twitterのフォロワー数でその人への興味を可視化するだけだと世の中がつまらなくなるんじゃないかと思うのです。ネットワーク効果により古参のTwitterユーザーほど有利なのは目に見えているし、古参ユーザーが偉そうにするだけだし(超偏見)。Amazonの5段階評価と原理的には似てますよね。0か1かの2段階評価というべきか。その意味では影響力を可視化するKloutも原理は同じです。マーケティング的にはいいのでしょうが、なんだかなー。つまらないです。(ツイートは面白くないけど)すばらしい人はたくさんいますよね。さらにいえば、人間は成長し続けるので「最近の評価(Recency)」に重みをつけるとか何らかのアルゴリズムがあった方がいいと思います。まあ、評価項目が何百本何千本もあると思うので不可能に近い話ですけど。SF小説のネタにどうぞ。 ■告知と雑談など ちょうどいいタイミングなので告知に協力したいと思うのですが、冒頭の記事「食べログの研究―レビューサイトがもたらした食文化と都市の風景」を書いた川口いしやさんが出演するニコニコ生放送が本日1月29日(火)このあと21時からあるみたいです。PLANETS編集長の宇野常寛さんに加えて、けんすうさん(!)が出るとか。内容は「LINE論」や「食べログ論」とのこと。2月9日(土)夜には宇野常寛さんのトークイベントもあるそうです。 思い出したように書くのですが、以前LINEについてNOTEに書いたように(未来としてのLINE)、LINEのスタンプこそ「システム1」の直感的で感情的な思いを言語化せずに伝える方法だったりしますよね。NOTEに「メールの文字を打つよりも先に、今の感情に近いスタンプを探す自分がいる」と書いたことは、今回の話にもつながっていたりします。その意味でLINEのスタンプが可視化しているものは人と人との非言語の絵文字によるコミュニケーションですが、人は好きな絵文字のキャラクターを選ぶので人のキャラクターの“好み(preference)”という直感も記述が可能かもしれません。��ャラクターの好みをビット化できるとかちょー面白い予感がします。キャラクター市場は世界的にも有望な市場ですし「このキャラクターが好きな人はこのキャラクターも好き」とわかるとマーケティングもしやすいですよね。近い未来に日本人のキャラクターの好みと欧米のキャラクターの好みの差を記述できる状況とか、ソーシャルゲームにとってはキラーファクターになる予感がしますが、みなさまの意見はいかがでしょうか? このNOTEは『PLANETS vol.8』や「Chaotic Pod 2013 Tokyo」での議論から刺激を受けて書きました。いろいろな刺激をいただいたみなさまに感謝を申し上げます。ありがとうございました。そしてそろそろ本業の本をつくらないとって思います。本も動画と同じように評価項目が多すぎて5段階評価しかされてない典型ですね。ブクログが何とかしてくれないかなと期待。クラウドソーシングが流行っているので、クラウドパブリッシングな感じで電子書籍をつくってみたいのですが、このNOTEを興味を持って読んでいただけるような同じ方向性を持たれる著者の方、よろしければご連絡くださいw。あとクラウドパブリッシングのWebサイトをいっしょにつくってくれるプログラマーや編集者もw。そんなマッチングサイトあったら便利なのになー。 ご連絡や感想などははいつもどおりTwitter(http://twitter.com/ro_mi)やFacebook(http://www.facebook.com/hiromi.kubota)などを通じてお知らせください。事実誤認などあれば指摘していただけるとたいへんに助かります(ときどき本当にあります!)。 ではまた。” - NOTE by Hiromi Kubota: 食べログ化する日本 (via i11matic)
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25、26日と福島市で合同練習!
来月の東京、郡山での公演までちょうど1ヶ月となりました。 今月の練習会場は東北ユースオーケストラ(TYO)はじめての福島市公会堂です。こちら、1200名以上を収容する歴史ある福島市のホールに続々と団員が集まってきます。
あとは本番前の直前合宿での練習を残すのみとなりました。気合が入ってきた指揮の栁澤敏男さんには後光が刺しているようです。
とりわけ「ふつうジュニアオケ、ユースオケではまず演奏しない(演奏できない)」と言われるグスタフ・マーラーの交響曲第1番については、楽譜のポストイットも毎回増えていっているように感じます。
果たして立派に演奏できるのかなという現況を応援するかのように今日はたくさんの差し入れをいただきました。まずはパーカッション塘英純くん、ヴァイオリン三浦千奈さんのお母さまからバラエティに富んだお菓子の数々と、そして福島事務局の大塚真里さんからお薦めの地元福島市の「ゆずみそ焼おにぎり」(と書くだけでも、さらにどんぶり飯を食べれそう)。
そして、この二日間の合同練習会ではJA共済、JA共済連福島から多大なるご支援をいただきました。今回のレポートでは結果的にこれから何度も「JA共済」という言葉が踊り、画面に写り込むことになり、「この引率の先生は個人的に何か貰っているのでなかろうか」と訝しがられること間違い無いと思うのですが、確かにたくさんの恩恵をいただいているのですよ、東北ユースオーケストラ一同が!
まずは小出しに。初日の昼と長い練習の間食用にと、地元でつくられたパンを各種とお茶を110名分いただきました。
���ール内では午前中からマーラー交響曲第1番を絶賛練習中のところ、
かたや降り番中学生、トロンボーン西野蒼さんとクラリネット小野葵さんの、ダブル・ノアオイズが何を嗅ぎつけたかロビーに登場。
中学生というのは、とにかくお腹が空く年頃だよなと受け止めておりましたら新たなJA共済さんからの差し入れが届きました。
「水虫パン」です。事前にいただいた贈答品リストに「お茶」「お弁当」「トースト」などに混じって「水虫パン」という物品を見つけた時のわたくしの衝撃をお察しください。何かの誤植であろうとたかをくくっていたら、本当に「水虫パン」が作り手の「オカザキドーナツ」店主岡崎隆一さん(75)によって、自転車にて納品されるという、想像を超える現実の恐ろしさを感じました。しかもJA共済さんは自社製品では無く、地域振興の観点から地元の商品をわざわざ買ってくださったのですね、この水虫パンを。まさに足型の水虫パンは、ピーナッツバター味、イチゴジャム味、チョコレート味とバラエティに富んでおり、水虫に見立てられたと思わしきカリカリ部分の食感が絶妙な、昭和生まれには懐かしい美味でありました。水虫パンについて��らなる見聞を広げたい向きには、一般社団法人東北ユースオーケストラの理事メンバーでもある仙台の河北新報の記事をお薦めします。 以上、福島市観光情報でした。
この日は実家で栽培、販売されている苺の差し入れとともに練習会場にお越しいただいた、今年70歳の男性がいらっしゃいました。
気仙沼から娘さんの車でお見えになった、古希の方の名刺には、 「NPO法人海べの森をつくろう会 副理事長 三浦秋男」と書かれています。 先月のレポートをお読みいただいていたらピンとおわかりかと。パーカッションの三浦瑞穂さん(中3)のお爺様でした。
まずは311に気仙沼で地区の自治会長をされていた、元高校教師の三浦秋男先生から昼休みの後半30分を使って団員全員に向かってお話をしていただきました。 これまでに体験したことの無い強い長い揺れで、障子が外れ、目の前で家の壁が割れ、町の信号機がすべて消えた驚き。ラジオから6mの津波との報せが入り(実際は気仙沼では20mを超えた)、海岸沿いから軽トラックに乗ったご夫婦が「津波が来る!」と逃げてきて、それが現実に起こることとわかり、日頃の防災訓練に則って行動されたこと。指定避難所の階上(はしかみ)中学校での避難生活がはじまり、地元の建設業者の大型発電機のおかげで直後から電気を得られたこと、意外とガス炊飯器が活躍したこと、地元農協が提供してくれたお米も2000人の避難民ではあっという間に無くなってしまったものの昔ながらの精米機のおかげで米が食べられたこと、地元の水産加工場の保冷庫のおかげでマグロ、ぶり、ほたてなど贅沢な食材も口にすることができたこと、10日後に自衛隊からの食事を支給されてほっとしたことなどなど。
強く強調されていたのは、日頃からの小中高校での避難訓練の重要性、防災教育の大切さでした。防災減災の3ステップとして、まずは自助、そして共助、公助と言われるが、地元コミュニティの共助の力を今回は強く感じられたそうです。震災後6年経っても仮設住宅は残っており、地区によっては自治会が解散したり統合を余儀なくされている場所もある。被害はまちまちで家族8人で高校生の娘さんだけが生き残った家もある。最後に三浦さんがおっしゃった言葉が響きました。「生かされたわたしの使命は地元のコミュニティを立て直し、守ることです」 こないだのお孫さん瑞穂さんの言葉「生かされたなりのことをしなくちゃいけない」とも共鳴する、限りある命を捧げたいという静かで強い意志。お二人の記念写真を撮りました。
今回三浦瑞穂さんのお爺様にお越しいただいたのは、311の貴重な体験談だけではありませんでした。実は三浦秋男さんは別の先生でもあったのです。
さて続きです。気仙沼のパーカッション三浦瑞穂さん(中3)のお爺様、元高校教員の三浦秋男さんは、なんと民謡の先生でもあったのです。前回の合同練習会で、今回の演奏会で披露する東北三県の民謡をアレンジした「ThreeTohokuSongs」練習中に、団員たちがあまりに地元の民謡を知らないので、掛け声をどうすればいいかわからない問題が発覚し、降り番の掛け声専門部隊「チーム・チョイサー」を組成したのではありますが、では指導者をどうしたものか、と。坂本監督からも「地元の年長者に教わるのがいい」とのアドバイスを受け、ふと思い出したのです。昨年7月に仙台で行った2016年度の入団説明会で、「今回は民謡にチャレンジしようと思うのですが、保護者のみなさんには馴染みあります?」とお尋ねしたんですね。その時、向かって右手の最前列に座っていた黄色い服着た女子の保護者の方から「この子のおじいちゃんが民謡の指導をしています」と伺ったのを思い出したのですね。そこで、誰だったかとその時の写真を見てみたのです。記録写真は撮っておくものですね。
なんと!あの三浦瑞穂さんではありませんか。ということで、今日の合同練習に合わせて、お母様の運転で片道3時間かけて福島市まで、311の体験談講話と民謡の掛け声指導に来ていただいたのです。それでは指導風景を動画でご紹介しましょう。まずは相馬盆唄から。
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三浦秋男先生の揉み手にご注目ください。あとでお孫さんの瑞穂さんは「テンポが早くならないように、この揉み手が大事!」と言っていたとのこと。当方、人生48年にして初めて「揉み手の意義」を知りました。秋男先生によると、伊達藩だった気仙沼では藩主により盆踊りが禁止されていたため地元の盆踊り歌が生まれず、この福島の「相馬盆唄」を歌っていたそうです。ということは、こっそり殿様に隠れてこっそり盆踊りをしていたのですね。盆踊りについては民俗学的視点からの面白い研究の本があります。あえてリンクは貼りませんが・・・。 そして、掛け声について。出だしのタメがポイントのようです。先生による指導シーン、その2でございます。
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そして、チーム・チョイサーの由来となった「南部よしゃれ」から。
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指導のあと三浦秋男先生にお話を伺いましたところ、「震災の後、音楽のチカラというのを強く感じます。音楽を聴いて元気になる人もいれば、歌を歌ってチカラをもらう人もいる。東北ユースオーケストラもみんなが元気になるいい演奏をして欲しい。応援しています」 団員のみなさん、励みになりますね。 遠方より苺を持参でご参加いただいた三浦さんファミリー、ありがとうございました。初めて食べる気仙沼の苺があんなに大きくて甘いとは。団員たちも大喜びで、1パート1パック以上の半ダーズケースもお持ちいただいたのにすぐに約100個の胃袋におさまってしまったのでした。
さて、本番まで1ヶ月となり、昨年は1週間前から進行台本を書きはじめた愚を修正しようと、オープニングのファンファーレの作曲を前回に引き続き塘英純くん(将来は作曲家志望)に依頼しました。
背が伸びたね。その分、内容も成長していこうと、トランペット二重奏から今年はトランペット三重奏で頼むと言ったところ、
さっそく休憩時間にMacBookAirで取り掛かってくれていました。やるな今どきの中学生。手にしているのはメインのマーラー交響曲第1番のポケット楽譜。たぶんマーラーへのオマージュを意識して作曲するのでしょう。できたら坂本監督に見てもらおうね。
3月に演奏するマーラーの「巨人」には「特殊楽器」を用います。と知ったかぶりしましたが、ど素人のわたくしは「特殊楽器」という用語すらこの仕事に関わるまで知りませんでした。標準的なオーケストラの編成では使わない楽器のこと��す。今月の合同練習では「エスクラリネット」をどう調達するかが事前の課題になっておりました。わたくしは、今回の一件で、「エス」が「S」で「Sサイズ」のことで、フランス語だと“petite clarinette”で、だったら「ピークラリネット」じゃなかろうかとも思い、それはともかく通常のクラリネットより小さくて変ホ調で、買うととっても高いということを知りました。
こちら特殊楽器関係者です。左からTYOのテクニカル・ディレクターの飯島則充さんは、トロンボーン奏者で音大卒でプロマックスの取締役で、団員の演奏に関わること全般から、プロを目指す子供たちの相談役を担当されています。中央の男性はTYO福島事務局のまとめ役の渡辺豊さん。子供の頃はFTVジュニアオーケストラに所属してやはりトロンボーンを吹き、現在は福島市の管楽器専門店ブリリアントの経営者、社長です。福島県内での練習場所の確保やレンタル楽器の交渉、練習当日の搬出入を仕切っていただきながら、団員の楽器のメンテナンスもお願いしています。そして、右が団員のクラリネット奏者、福島高校に通う菊地桃加さんです。 さてどうやって解決したかと言うと、実は飯島さんの奥様がプロのクラリネット奏者でシエナ・ウインド・オーケストラに所属されている飯島泉さんだったと、これも今回初めて知ったのですが、なんとご自身愛用の楽器を特別に貸し出していただけました。飯島さんが「妻から絶対に壊さないように言われました」と暗い顔でおっしゃるので、気軽に「いくらぐらいするんですか?」とも聞けません。「ビュッフェクランポン プレステージュ グリンライン」という楽器名も怖いです。「プレステージュ」は英語のPrestigeのフランス語読みだと思われます。わたくしは今回の練習で菊地桃加さんに会うたびに「楽器はだいじょうぶ?壊れてない?」とネタのように聞いていました。
お借りした高級特殊楽器をそっと握りしめる菊池さんの図です。ポキッと折れそうと心配になりますが、実際は温度差に弱いのだとこれも今回はじめて知りました。快くお貸し出しいただいた飯島泉様、どうもありがとうございました。
初日は20時まで実質半日みっちりと練習をしました。さすがに団員もお疲れのご様子です。今回、岩手県、宮城県、北海道や山形、関東から参加の30名以上の団員についての宿泊問題は、JA共済さんに解決していただけました。閑散期だから大丈夫ですよと、練習会場から車で20分のJA共済経営「摺上亭大鳥」旅館に泊めていただくことができたのです。
しかも、宿までのバスも手配していただき、着いた先は身に余る高級旅館でした・・・。日中、福島の団員数々から「いいなぁ」と言われていた訳がよーくわかりました。一昨年の宮古島合宿でエコノミーなユースホステルでヤモリ他小昆虫と寝食を共にした身としては、この振れ幅にめまいですよ。
21時過ぎというレイトチェックインにも関わらず、「東北ユースオーケストラ」の横長の紙まで貼り出す専用の部屋をご用意いただきお食事をいただくおもてなしまで受けてしまいました。宿泊のオリエンをする「TYOのお姉さん」岡田直美さんの声も上ずります。 今年度の活動のはじめに「われわれは弱小、貧乏楽団であって“いつまでもあると思うな、TYO”です」と標語までつくったわたくしとしては、「今回は特別です。JA共済さんに感謝しましょう」と壊れたロボットのように言いつづけました。
TYOの日曜の朝は早い。こちらメイクや髪の手入れはしないおっさんですから遅めの6時半に起きました。
JA共済さんのお宿で朝食をいただきました。この撮影のために仲良く食事中の小・中学生三人には大人の配慮で席を移動してもらいました。ふつうなら朝ごはんを食べて、もうひと風呂が正しい温泉の流儀でありますが、朝の散歩組の引率者としてはそんなことは許されません。その発端は福島市在住のホルンの赤間奏良(あかまそら)くんからの前週に届いたLINEのメッセージでした。
確かにせっかくの宿泊滞在なのだから、飯坂温泉の魅力を知り、世の中に発信するのが恩恵を受けたものの務めだと思い、前日の練習のあと、赤間くんに飯坂温泉について語ってもらいました。
で、この企画に賛同してくれたのは小中学生6人のチビッコチーム。約1時間ほどブラタモリ並みに飯坂温泉を練り歩いたものの、早朝過ぎて足湯にはつかれず、道中問いかけた松尾芭蕉クイズもいまいち反応が悪かったのですが、飯坂温泉の情緒ある街並みを楽しめましたよ。
震災後は県外からの宿泊客がまだまだ戻っていないと聞きました。芭蕉も奥の細道で立ち寄った古湯、フォトジェニックな場所も数々あって、円盤餃子も美味しい飯坂温泉を旅の候補地にご検討ください。飯坂温泉駅前には松尾芭蕉の立派な銅像があって、しかし、その向かいには「白ポスト」なる訝しいオブジェもあり、これは美観としてどうなんだろうかと引率の先生としては思った次第。
散歩を提案してくれた生意気小学生の赤間奏良くん、どうもありがとう。そう言えば、芭蕉の旅のお供の名前は曽良だったな。 以上、飯坂温泉観光情報でした。
さて、朝の散歩組の中の一人、中学一年生の藤田サーレムくんとは昨晩遅くに露天風呂につなりながら裸のトークをしたのでありました。
ここでミニ団員紹介コーナーを展開しますと、岩手県盛岡市から参加の藤田サーレムくん、トランペット奏者の中学一年生です。前夜に風呂に入りながらこんな会話をしたのでした。 「サーレムくんはお父さんが外国の人だっけ?」 「父がイラクの人です」 「あ、イラクなんだ!」 実は、ついさっき旅館での夕飯の席で「お米に合うものはだいたい日本酒に合いますよね」とお酒も飲まずに話をしたら、指揮者の栁澤さんから「コメはいくらに合うけども、米はイラクに合わないと言いますね」という渋いアメリカ風ジョークを聞いたばかりでだったので、あまりにタイムリーな「イラク」の発語に驚いたのでありました。それは、さておき、 「えっ、お父さんはひょっとしておれ(48)と同じくらいの年か年下だったりするのかな?」 「あ、結構年いっていて60くらいかな」 「何してはんの?」 「父は大学の教授で、AIの研究をしていて、ほとんど海外出張でいなんです」 「いま旬な研究者じゃない。ということは、来月の本番の公演には観に来られない?」 「そうですね、ドイツに滞在しているみたいです」 「それはさびしいね。ところで、サーレムくん、トランペットうまいね。何年やってるの?」 「もう4年ですかね」 「4年でそんなに上手に吹けるようになるものなの?」 「トランペットを吹くのが好きなんです。だからはじめた頃からついつい好きでずっと吹いていたらこうなりました。」 「先生について教えてもらったりしていないの?」 「いや、先生に教わる��、その人の幅に制限されてしまうから。でも、こないだ(トランペットのパートリーダーの中村)祐登さんに紹介されて、はじめてプロの先生にみてもらいました。吹く音が明るく響く。タンギング(舌を使って音を細かく切ることらしいです)が速いと言ってもらえました」 「好きで吹き続けてたら、いつの間にか上達していたなんて理想的じゃないか。それは極めたほうがいいね。」 「来月もコンクールで忙しくって、東北ユースオーケストラの演奏会の後、盛岡に戻ってまたすぐ東京に行きます」 「その全国大会ではいい線いくの?」 「たぶん入賞はできると思います」 「すごいな。将来は何になりたいの?」 「プロか、農業したいです」 「あはは、プロのトランペッターか、農家なんだ。どっちも楽しそうだなあ」 ぜひ藤田サーレムくんの今後にご注目ください。
さて、二日目の練習はマーラーの交響曲第1番からスタートです。
そして、今日も福島市公会堂のロビーには、朝から合流した大学生トランペットの中村くんの大阪土産も加わって、差し入れのお菓子が並びます。
このロビーに団員を激励にとJA共済連福島の地域活動支援室の八代孝明課長がお見えになりました。
昨日に続いてJA共済連福島からのお茶!
さらに間食用のパンを各種!!
そして、110名分のお弁当を運び入れていただきました。お一人で来られていた八代さんの助っ人で福島民報社の吉田高徳副部長も起こしになって、お昼休憩の前に二人でロビーに弁当を並べることまでしていただきました。
ふつう大企業ですと、こういう現場には若い者を連れて手伝わせるのが通常の光景です。しかし、この日は管理職お二人が二人だけで車に積み込んだダンボールを運び、丁寧に団員のためのお弁当を並べ、5つごとに包まれていた大きなレジ袋を一枚一枚(22枚です)きちんと畳んでまとめていらっしゃる姿に心打たれ、確信しました。 このお二人は「休日出勤をする企業に勤める会社員」という枠を超えて、「TYOを応援する熱いひとりの個人」として、この場に来られているのだな、と。 お二人とも固辞されたのですが、ここは団員に一言激励の言葉をいただいたほうがいいと思い、無理を言ってお引き止めし、午前中の練習終わりのタイミングでお話しをいただきました。
「ありがとうございます」とお礼を言う団員を前に八代さん。 「わたしは中学生の時にモノラルのラジオから流れるYMOの『テクノポリス』を聴いて育った世代です。小さい頃から憧れの坂本龍一さんと共演するみんながうらやましいくらいです。その坂本龍一さんが監督として東北ユースオーケストラを通じて復興支援していただけるのですから、しっかり応援します。演奏会に向けてがんばってください。」
続いて、昨日の練習が紹介された記事が掲載された朝刊を片手に吉田さん。 「今回、福島民報社の125周年事業として郡山公演を主催させていただくことになりました。本番までがんばって練習してください。応援しています。」 お言葉の通り、今回初めての郡山公演は興行リスクを取って主催者になっていただくことで地元公演そのものが実現しました。今日、現在でまだ売れ残っていると聞いています。坂本龍一監督以外にも吉永小百合さん、うないぐみさんにゲスト出演していただくコンサートが、S席3,000円、A席2,000円と東京大阪では考えられない価値の高さです。3月26日は日曜日ですから遠方からのご来場でも十二分に値打ちがあるはずと自信を持ってお知らせします。ぜひ満員の客席からご声援いただけたらと思います。
お昼休み、おかげさまで食事をいただくロビーは元気な笑顔でいっぱいでした。あらためてありがとうございました。 さっそく東北ユースオーケストラのInstagramに感謝のコメントともにアップする団員がいました。
ハッシュタグの使い方が慣れてますね。
二日目の午後の練習の休憩時間には、「みやぎ鎮魂の日」である3月11日の土曜日に石巻の復興住宅の集会場で行う有志メンバーでの演奏の練習も行いました。
当日は約20名の団員が自主参加して、地元の自治会が中心となって行われる追悼セレモニーでの防災訓練や炊き出しにも参加する予定と聞いています。気仙沼の三浦秋男さんのお話でも常日頃からの訓練が大切とおっしゃっていましたね。 また翌日の3月12日の日曜日には仙台三越で弦と金管のそれぞれアンサンブルでの演奏を行います。というのも、3月1日から三越伊勢丹グループではじまった「東日本復興支援どんぐりバッジチャリティ」に応援曲として昨年の演奏会で披露した坂本龍一作曲『ETUDE』をご提供したからです。現在全国の店舗で流れておりまして、仙台三越のチャリティイベントに出演することになりました。応援曲『ETUDE』はこちらの告知ページからお聞きいただけます。
これが団員に見せたどんぐりバッジのサンプルです。1個300円で各店舗1種類の28種類のバッジを販売中となっています。お近くの伊勢丹三越グループのお店で実物をご覧いただき、『ETUDE』の館内放送をお聞きいただければ!
二日間の充実した練習も終わりました。しかし演奏の練習は終わっても毎回マストな重要任務があります。お借りした大型楽器を運び出し、傷つけることなくトラックに積み込むという団員が声をかけあって協力し合う作業です。
トラックに乗り込んでいる恰幅のいい大学生は、いわき市出身の冨澤悠太くん。チューバをいつも持ち歩いているだけに、いつも力仕事のリーダーです。ティンパニなどの楽器は昨年度に引き続き、福島県立橘高校から無償貸与いただいております。いつもありがとうございます。
そして、福島駅から仙台駅に向かうバスをいつものようにみんなで見送りました。
このブルーの大型バスについても仙台の団員のお母様がお勤めのバス会社で毎度お世話になっております。繰り返しになりますが、いつもありがとうございます。
今回の二日間の合同練習であらためて実感したのは、さまざまな人や企業、団体に支えられ、この東北ユースオーケストラは成り立っているのだなあという事実です。個人の方からいただくご寄付、企業からいただく協賛金などの「お金」、そして団員が音楽活動を続けるための楽器や練習場所や飲食、宿泊、移動などの「モノ(物資)」を無償だったり、通常より安価にご提供いただいています。こういう現物支給によるご支援の受け方を英語だと”Value In Kind”、略してVIKと言ったりします。まさにお金も現物も、活動を支えるValue(価値)というモノ���シでは同じです。 ピーター・ドラッカーという近代経営学の父、「マネジメント」概念を発明した泰斗に『非���利組織の経営』という著作があります。
この冒頭の一文が飛び抜けています。「非営利組織とは一人ひとりの人と社会を変える存在である。」 東北ユースオーケストラは、そんな組織になっているだろうか? なっているようでもあり、まだまだのようでもあり。しかし、たくさんの方々から「お金」と「モノ(物資)」をご支援いただいてきています。そして、もう一つ、とても重要な支援のかたちに気づいたのです。よく経営資源の3つでヒト/モノ/カネと言いますが、「ヒト」という資源を分入って見えることがあると思ったのです。 それは、「(人の)時間」です。人の生は有限で、しょせん、どんな人も、遅かれ早かれ、いつか死ぬ。この圧倒的な事実の前に、何に限られた時間を使うのか。その大切な時間を東北ユースオーケストラのために使っていただいている人がたくさんいらっしゃる。「時間を提供する」という第三の支援です。 気仙沼の三浦さんご家族は、311の死に瀕した体験を通して、生かされた自分の残された人生の使命を強く意識されていました。このことは、3年前に中咽頭がんが見つかり、克服された坂本龍一代表・監督によって、団員のためにオーケストラアレンジの譜面を書き起こしていただいたり、その貴重な時間というギフトを受けていることにも通じます。関係者のみなさんの有限な時間の贈与によって東北ユースオーケストラは成り立っています。 折しも今回の練習では決められた休憩時間が終わったらすぐに練習できるようにしようと、タイムマネジメントリーダーを福島の大学生、服部未来子さんにお願いすることにしました。これで全員のチューニングが済んだ状態でオンタイムで栁澤寿男さんを待つことができるはずです(理想)。
ついつい日常の時間の中で忘れがちなのですね。 輪廻転生を信じようが信じまいが、 この人生は一回きりであることを。
今回のレポートは合間の時間に更新しているうちについつい長くなってしまいました。わたくしは「包容力のある実存主義者」になりたいものだと思います。
あらためて引き続き東北ユースオーケストラへのご支援をよろしくお願いいたします。
引率の先生役レポーター 田中宏和拝
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◆車上生活者と「糊口(ここう)を凌(しの)ぐ」
◆車上生活者 https://ja.wikipedia.org/wiki/車上生活者 車上生活者(しゃじょうせいかつしゃ)は、字義をそのままに捉えた場合、 自動車内を主要な住環境とする者全般を指すことになるが、少なくとも 日本語においては、とりわけ、ネガティブな事情を抱えて止むを得ず それを長期も亘って行う者を指すことがほとんどである。 さまざまな事情によって住宅で暮らすことができず (あるいは、できるのに選択せず)、自動車を住まいとしている者である。 多くは貧困が原因で車上生活を余儀なくされている。 駐停車する場所によっては道路交通法上の違反行為となる (現代日本の場合、自動車の保管場所の確保等に関する法律〈車庫法〉違反 などに問われる)。 なお、変事や楽しいイベントに際して“車上生活”を一時的に行うことは、 宿泊することに主眼が置かれ、「車中泊/車内泊」という別の概念に集約される。 ◆「車しか行き場がない」 道の駅の駐車場などで暮らす車上生活者たちの実態 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4355/ 出典:NHK2019/11/19(火) 3割超の道の駅で…なぜ?亡くなる人も 私たちが取材を始めたきっかけは、ことし8月に起きたある事件でした。 50代の女性が、母親の遺体を車の中に放置したとして、逮捕されたのです。母親と息子の家族3人で1年間、車で生活していたことが、警察への取材で分かりました。しかし、なぜ車上生活を続けていたのか、詳しいことは分かっていません。 ◆ 道の駅で夜を明かす――彼らはなぜ「車中生活者」になったのか https://news.yahoo.co.jp/feature/1567 2020/2/15(土) 8:28 配信 私たちの身近にある「道の駅」。日中は多くの人でにぎわう憩いの場だが、夜になると別の顔を見せる。駐車場の片隅で目立つのは、ガラスに目隠しをした車。その多くはレジャー目的だが、なかには長期にわたり、道の駅の駐車場を転々とする「車中生活者」がいる。それぞれに異なる深刻な事情を抱えた彼らは、今日も狭い車内で眠りにつく。社会から離れ、遠ざかるように暮らす車中生活者たち――。彼らの姿は、社会に何を問いかけるのか。半年にわたって取材した。(取材・文:NHKスペシャル“車中の人々 駐車場の片隅で”取材班/編集:Yahoo!ニュース 特集編集部) 取材のきっかけは、昨年夏。群馬県で暮らしていたある女性の死だった。 「3世代 1年車上生活か」 女性は娘と孫の3人で、1年にわたって軽乗用車の中で暮らしていた。軽乗用車をどこに止めていたのか。家族の足取りを追っていくうち、居場所の一つとして浮上したのが、埼玉県内の道の駅だった。取材を続けていくとあることに気づいた。 ◆増え続ける「車上生活者」 - J-CASTニュース https://www.j-cast.com/tv/2019/11/20373114.html?p=all 2019/11/20 増え続ける「車上生活者」道の駅で2年・・・仕事も家もなく雨風しのげるのはここだけ 道の駅などに車を駐車して暮らす、車上生活者が増えている。今年8月(2019年)、埼玉・熊谷市の道の駅「めぬま」で50代女性が母親の遺体を車の中に放置したとして逮捕された。警察によると、女性は母親と息子の家族3人で1年間車上生活をしていたという。 群馬・吉岡町の道の駅「よしおか温泉」では、夜になると暗闇の中に10台ほどの車が止まっていた。その中の1台は車上生活者で、トラック運転手をしていたという66歳の男性だ。この12月で1年になる。後部座席で眠り、カセットコンロで料理もする。金がない時は手作りのゼリーで凌いでいる。70キロあった体重は40キロ台まで落ちたという。 この男性が車上生活者になったのは、仕事を失い生活に行き詰まったためだ。アパートの家賃の支払いが滞り、退去して車中で暮らすようになった。「生活保護を受けたらどうかと言われたが、市役所に行ったら、車を持ってるならダメと却下された。次の仕事を見つけるためには車は手放せない」と話した。 ◆車上生活者なめとるやろ? こんな生活耐えられる? 車中泊 山 夜 警察 職務質問 https://ha-navi.com/car-02 2018/07/19 - 20.36分 俺が寝る場所は、その川をはさんだ向こう側にある林道の空き地でした!!! アリ、ハチ、ハエとかもう友だちって感じ? クモは益虫。この前パンツの中にアリ入っとったからな。さすがにびびったけどw. 面白いことにこんな所にも警察くるんやで。 「はいじんかいなんで...」 「いつもこんな林道を巡回してんの?ふーん。県道でもないじゃん。」 「巡回ルートです(真顔)」 こんなんばっかやで。警察はこんなゲーム好きのホームレスのおっさんいびるヒマが有るなら、もっと他に捕まえる人間がいるだろって感じ。 ◆車上生活を2カ月してみた!こんなんでも生きていける。内装も紹介 http://tomoyauchida.com/living-in-a-car/ 2019/01/08 とむ(テント生活7カ月目) @tomtombread
車上生活ももうすぐ2ヶ月終える。 寒くないの?とか会う人皆に聞かれるけど、寝袋2枚重ねてると、暖かくてむしろ快適!笑 今の時点で-7℃、明け方には-10℃とか楽勝でいくんだろうけど、今夜も「秘密基地」で温かいお茶飲んでます笑 23:19 - 2018年12月30日
車上生活を2カ月しています、とむです。 2018年の11月から車上生活を始めて現在(2019年1月)も継続中です。 今朝もフロントガラスはバリバリに凍っていました。 この2ヵ月を、一区切りとして なぜ車上生活を始めようと思ったのか 実際に車上生活ってどうなん? ってことをまとめていきます。 ◆私は“ホームレス”。「現住所=車」のバンライフが、夫婦関係をより良いものにしてくれた https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5dd20b42e4b0d2e79f8f44cf 2019/11/20 結婚して1年とちょっと、夫と車に住んで日本中を旅する毎日を送っています。 生活に必要なものを車に積み、好きな場所へと移動しながら車で生活を完結させる。 ... 夜眠る時は、日本全国の車中泊スポットを検索・予約できるCarstay(私は、この会社の仕事をリモートで請け負っているという縁もあります)というサービスを ... ◆日本で急増する「住所を喪失」した人たち~車上生活、漂流女子、8050問題が行き着く地獄=鈴木傾城 https://www.mag2.com/p/money/750924 2019/08/29 いま日本で住所を喪失する人が増えている。車上生活者・ネットカフェ難民が溢れている。いったん住所を失うと、不安定な生活から抜け出せない蟻地獄にハマる。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』) 決して他人事ではない住所喪失、社会的に「存在しないも同然」に 住所を失って途方に暮れる人たち 2019年8月20日。群馬県でひとつの事件が起きていた。 58歳の女性から「92歳の母親が車の中で死亡している」という110番通報があったのだが、警察が調べると確かに後部座席には座ったまま死んでいた92歳の母親の遺体があった。すでに死後4日が経っている状態だった。 実はこの58歳の女性は住む家がなく、92歳の母親と27歳の長男と3人で車上生活をしていたのだった。この三世代の一家は住むべき家を失っていた。その車上生活の最中で92歳の母親は寿命が尽きた。 事件が起きた時は、すでに1年近く車上生活をしていた。車上生活と言っても、キャンピングカーのようなものではなく、ごく普通の軽自動車である。 92歳の母親が死んでもすぐに届け出することも病院に駆け込むことがなかったことも衝撃だが、それよりも狭い軽自動車で三世代が1年近くも生活していたということに驚く。 住所を失っても行政の支援や救済を求めない。問題解決の方法が分からず、どうしていいのか分からないまま車で1年暮らす。今の日本で家を失って途方に暮れている人たちが確かに存在する。 ◆何千人もの人が車上生活を強いられどこにもいけないという現実がある https://gigazine.net/news/20190727-live-in-vehicles/ 2019/07/27 車暮らしの場合はホームレスとは違い住居があるために、生活が困窮しているのに社会サービスを受けられないという実態があるとのこと。車暮らしの人々 ... 6:車内あるいは車の横に大量のアイテムが入ったプラスチック容器が置かれている ◆無職で車上生活!一日一食でスーパーの駐車場で寝る日々の体験談 2016/01/03 https://mushoku-kane.net/shajouseikatu.html 当サイトに寄せられた、みんなの無職体験談をご紹介します。 今回は、住む場所もなくなり車上生活を余儀なくされた方の体験談です. ◆「車中泊難民」50代で家がない…年収100万円、介護離職の過酷 https://nikkan-spa.jp/1613588 2019年10月27日 週刊SPA!編集部 ―[年収100万円の絶望]― ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。 介護離職から家を失い、車上暮らしに 貧困問題について年間500件の相談を受ける社会福祉士の藤田孝典氏はこう語る。 「失業しても、家さえ失わなければ生活を立て直すことは可能です。しかし、一度ネットカフェ暮らしや車中泊を始めて住所不定となると新たに住宅を契約することは難しく、そこから這い上がるのは困難なんです」 日雇い仕事で糊口(ここう)をしのぐ埼玉県出身の篠原雄二さん(仮名・52歳)は、母親の介護のため正社員として勤めていた自動車工場を離職したが、母親の死後は25万円で購入した中古の軽バンで暮らしている。「車中泊は一時しのぎだ」と飄々と語るが、ストレスの多い車上暮らしも1年がたち、辛さが身にしみる。 ◆ 「糊口」「糊口を凌ぐ」の意味と読み方、使い方、類語、例文、英語表現 https://eigobu.jp/magazine/kokou 「糊口」という言葉をご存知でしょうか。「糊口を凌ぐ」「糊口の道を閉ざされる」などと使います。日常会話ではあまり使わない言葉のため、初めて聞いたという方も多いかもしれません。では、「糊口」とはどのような意味なのでしょうか。漢字からして難しいですが、一体どんな意味をイメージしますか。あまり使わない言葉であっても、いざという時に備えてしっかりと覚えておきたいですよね。そこで今回は「糊口」「糊口を凌ぐ」の意味や使い方、読み方、類語について解説していきます。「糊口」をしっかりと知って、上手く使えるようにしましょう! この記事の目次 1.「糊口」の読み方と漢字 2.「糊口」の意味と語源 3.「糊口」「糊口を凌ぐ」の使い方と例文 4.「糊口」の類語 5.「糊口」の英語 6.まとめ 7.こちらの記事もチェック ◆糊口をしのぐ 読み方:ここうをしのぐ 別表記:糊口を凌ぐ どうにかこうにか生計を立てて貧しいながらも暮らしていく、という意味合いで用いられる言い回し。「糊口」は「粥(のような粗末な食事)を食べる」という意味の語で、そまつな物ばかりだが何とか食べていく、といった含意がある。「口を糊する」とも表現され。 ◆ここう]【糊口・餬口】 〔口を糊(のり)する(=カユヲススル)意から〕 (ほそぼそと)暮らしを立てること。生計。よすぎ。 「 -の資を得る」 [句項目] 糊口を凌ぐ ◆糊口を凌ぐ - 日本語を味わう辞典 笑える超解釈で言葉の意味 https://00m.in/m5pRN ここうをしのぐ 糊口を凌ぐとは、やっと食べていけるような貧しい生活を送るという意味。「糊口(ここう)」は「口を糊(のり)する」と訓読するが、口を接着剤で張り付けて食欲を我慢するというような意味ではない(そんな意味でも通じるような気もするが)。「糊(のり)」とは「粥(かゆ)」のことで、「糊口」は「粥を口にする」という意味。粥は炊いた米や雑穀を水で煮た食べ物で、ご飯が水を含んで増量するので、「腹が減った」とぴいぴい騒ぐ子どもだまして穀類を節約するのに適しており、これを常食して日々を凌いで(苦境を切り抜けて)いるから「糊口を凌ぐ」というわけである。「糊」で「粥」を表すのは、飯粒を水で溶いて軟らかくした粥状のものを、以前は実際に紙などの接着剤として使っていたことからかと思われ(中国人の考えたことだからよくわからないが)、やはり「食べ物をせがんでうるさい口を糊でふさぐ」という意味でもよいのではないかと感じる。(CAS) ◆ここう【糊口・餬口】 〔口を糊のりする(=カユヲススル)意から〕 (ほそぼそと)暮らしを立てること。生計。よすぎ。 「 -の資を得る」 [句項目] 糊口を凌ぐ ◆顔文字でよく使われる記号まとめ。Д З ω ゞ∀ 等々。 クッション言葉 まとめ一覧 頭語(とうご)と結語(けつご) まとめ https://yaoyolog.com/「糊口」とはなんと読む?またその意味は?「の/ 「糊口」とはなんと読む?またその意味は?「のりくち���ではなくて「ここう」と読むのだそうです。 言葉文章文言関連 2014-02-10 管理人 Leave a comment 雑誌を読んでいると、なんて読むのか分からない文言に目が止まりました。 「家族の糊口を凌ぐ為・・・」 「糊口」?? 「のりくち」?? まったく意味が分かりません。 早速調べてみました。 「糊口」とは「ここう」と読んで、意味としては、細々と生計を立てる、生計、といった意味になるのだそうです。 そもそも前半の「米」「古」「月」と書いて「糊(こ)」とは、訓読みでは、のり、と読んで、お米を煮詰めて作ったのり、のり付けする、ねばる、おかゆ、などとの意味になるとの事。 今回の場合は、お粥(おかゆ)の意味になるとの事で、どうにかお粥を口にして生活する、といった風景描写になるようで、わずかな収入の中で細々と暮らしていく様を表現しているとの事。 また「糊口を凌ぐ」という、同様の意味のことわざがあるのだそうです。 現代の格差社会に関連したワーキングプアの話だったので、そういった表現をされた模様でした。 自分も過去を振り返ってみると、何度か糊口を凌ぐ生活をしていた事を思い出しました。 現在はどうにか落ち着いていますが、明日は我が身。 油断せず日々緊張感をもって過ごしていければと再確認しました。 日々精進します。
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