#男の料理���リーズ
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今年も沢山の美しいものに出会いたいと思う。
別に遠くまで出掛けなくてもいい。
我々は日常の中にも、少なくとも二つの美しいものに出会える。
それは朝陽と夕陽だ。
朝陽は我々に希望を与え、夕陽は感謝の気持ち与えてくれる。
朝陽の登る時間には、確実に起きて走っているライフスタイルを大切にしようと思うし、夕暮れにはどんなに忙しくしていても、しばし手を休め、今日という日に感謝できる気持ちの余裕を持ちたいと思う。
「希望と感謝」この二つの美しさの蓄積が、人生を豊かにしてくれると信じている
2014もよろしくお願いします。
これは2014年の年頭にあたり記した、以前のブログでの挨拶である。
その翌年の2015年にリーズ・ウィザースプーン主演の「私に会うまでの1600キロ」という映画を観た。大好きだった母が亡くなり、自暴自棄になっていた主人公が、自分の生活を見直す為に、アメリカ西海岸のロングトレイル「パシフィック・コースト・トレイル」を歩くという物語である。
この映画の中で、主人公が亡き母親を回想するシーンがあり、そこで母親が、冒頭で紹介した、ボクの年頭の挨拶とまったく同じことを言う。
「美しいモノの傍にいなさい。人は誰でも1日に2回は美しいモノに出会える」
映画の中のセリフはそういう内容だった。
古今東西、太陽の恵みや美しさに感動と感謝を覚えることは共通のようで、それぞれの気持ちを以って、それを伝えようとする。
ボクはこの映画をロードショーで観たが、2度めの鑑賞はレンタルしたDVDで、
昨夏、我が家に一時期、居候していたイギリス人の二十歳の少女と鑑賞をした。
何故、イギリス人の若い女性が我が家に居候していたかと言うと、次のような理由だ。彼女は我々がプロデュースしている西湖のキャンプ場「ノーム」を訪れ、そこで我々は知り合った。
「どれくらい日本に滞在するんだ?」とボク。
「3ヶ月」と彼女。
「これまでどこに行ったんだ?」
「東京、京都、大阪・・・すでに一ヶ月半くらい経つかな・・・」
「これからどこに行くんだ?」
「別に・・・とくに決めていない」
「今はとても忙しい時期でね・・・少し仕事を手伝ってくれないか?」
彼女はいきなりのオファーに少し驚いているようだったが、無料でキャンプできること、食事もタダでありつけることを条件に同意した。
で、最初はキャンプ場に寝泊まりしていたのだが、そのうち、我が家の空いている子供部屋で寝泊まりするようになった・・・という訳だ。
実はこれまでいろいろと複雑なことがあったようで、ある意味「自分探し」の為の日本訪問だったのかもしれない。
彼女もボクが勧めた「私に会うまでの1600キロ」が気に入ったみたいで、見終わった後、Skypeで本国に居る母親に電話して、興奮した様子で現況を伝えていた。
しばらく我が家に滞在した後、北海道や九州を旅して、再び我が家に戻って来て少し滞在した後、彼女はイギリスに帰って行った。
それから時々便りが届く。
昨年末の便りでは、髪を紅く染めたこと(出会った時は、なんと緑に染めていた)、事務職の仕事を得たことが綴ってあった。
「給料はクソみたいに安いし、すごく退屈な仕事だけど、これまでのアルバイトとはまったく違って興味深い」
彼女はこれまでウエイトレスとか、彼女自身に言わせると「些かいかがわしい仕事」しかしたことがなかったので、真っ当な仕事に就いたことを喜んでいる様子だった。そう言えば、我々の仕事を手伝った後、「私も将来、アウトドア関係の仕事がしたいな!」と無邪気な笑顔で言っていた。
別れ際に、一緒に観た映画のセリフを告げたが、少しはその意味を理解してくれたのだろうか。
もちろん長い人生を通じて、太陽の輝きに祝福されるばかりの人生なんてあり得ない。��くて暗い谷を歩く時だってあるし、何日も冷たい雨の日が続くこともあるだろう。だが世界の果にある島国で、偶然出会った年老いた男と、一緒に映画を観て感動を覚えた瞬間をいつまでも忘れないで欲しい。そしてそのセリフの通り、「絶えず美しいモノの傍に身を置いて」欲しいと強く願っている。
そして別れ際に約束したとおり、いつかどこかの国を一緒に旅したいと願っているのである。
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