#夢の中でも通話してたんだけど 俺が車でどこか���してて(運転してる時点で現実味���ない)
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ハッ すみちゃんにおはよう+よしよししてもらったと思ったらめっちゃ夢だった
#㊗‼️夢に見ました……☺️#夢の中でも通話してたんだけど 俺が車でどこか旅してて(運転してる時点で現実味がない)#知らない所で泊まって起きたら「れいくんおはよう、8時だよ〜 まだおねむだね〜よしよし」って……言われてました……#何か言おうとしてもウトウトしてて言えなくて、また寝落ちそう……って感じで起きた#昼寝中の夢の中でも寝る男#♡
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お葬式
祖父が全うした。91歳だった。5/27の6:27に息を引き取った。自分の誕生日は10/27で、紫の手帳を受け取ったのが12/27。おいおい、おじいちゃん。あなたの才能は十分に承知していた。けど、そこまでされると怖いぜ。
ここから長すぎる。一時間足らずで狂い書きな感じ。読みたきゃありがとうございますね。
黙して語らず、ニコニコ優しく、しかし熟慮している人だった。従兄弟曰く、「大学に行くときに、ニーチェの詩?に注釈つけて渡された。おじいちゃん心配してたんだなあ」おそらくそれはツァラトゥストラだ。おじいちゃん、同じ道を辿ってるね。「毎年おじいちゃんは宝くじ買ってたやろ?あれをどう使うか聞いてみたら、『あの道を直して、ここの堤防を強くして』って言ってて、本当にすごかった」そう、だからあの葬儀の当日、近隣は大雨で避難警報が出されたんだが、不思議とおじいちゃんが道を作り治水した地域にはほとんど被害がなかった。すげえぜ。かっこいい。
自宅から出棺。近所の人たちがお見送りに来てくれた。しかしまあ、その出棺作業は自らと親戚で急ピッチで段取りしました。すごくね?あなたは本当に、素晴らしい人だったのだ。みんなが知っていた。それだけは確かだ。私もその一人だ、と述べてもいいですか?おじいちゃん。あなたと将棋をしても、絶対に勝てなかった。正月に家の玄関の上がりで、自らのプライドである刀を手入れしていた姿を、鮮明に覚えています。祈るように、あなたは梵天に手入れの粉をつけていた。
通夜から葬儀まではパニック。全ての段取りを把握している父が、その段取りを内々の親族に明かさない。いや、普通さ、もういくばくもない命を目前にすれば、あらゆる段取りを把握して、誰がどこにどう動けばいいのかを伝える。あなたの生業はそういうものでしょう?『随時更新の身内スケジュール』が必要でしょう?そうやって自分が全部しなきゃ、という使命感の反対には、人に任せられないという不信感があるのでしょう?だから仕事以外に友人がいないんです。普通に休日に飲みに行くこともないと。「お前が友達と馬鹿話するような友達はいない」と断言しましたね。違うんです。馬鹿話じゃないんです。お茶会や飲み会は、深刻で暗い話を笑い飛ばす場所なんです。
なんでわかんねぇかな。わかんねえからあなたと飲んでも面白くない。というか、「こういう馬鹿がいた」みたいな仕事上の話を家に帰って母に申しつける時点で、非常に卑怯な落語なんですが、おめえさんよ、案外馬鹿を馬鹿にしちゃいけねえよ、馬鹿も馬鹿なりに考えてる。その考えてることを否定しては悦に入る。『酢豆腐』の旦那じゃねえか。大いなる阿呆。ダサ坊。シャばい。自分専用のポルノを自分で拵える野郎。水商売を貶しながら、お姉ちゃん遊びには大いなる興味があるどすけべ。小学生女児がなんぞの事件にあった、と聞けば、「この子はなんかとっぽいからそうなるよね」口が裂けても言うなよ。ジャニーズの会見、「この男は、男なのに化粧なんかして目も落ち窪んで、気色悪い」何様だよ。てめえが利用するだけ利用したゾーンに対してそういう言葉を吐くんだ、へえ〜。高校ぐらいまで父と祖母の着せ替え人形として彼らの与えられる服を着た。気色悪いんだよ、友達の言うには、その服装は、「なんか、おじいちゃんみたい」だとよ。っざけてんじゃねえよ!お人形遊びは楽しいか?てめえら俺が幼い頃に女装させたりとかしたよな。こちらはグチャグチャです。「お前が寝てても呼びかけたら応えてくれるから、つい」とか抜かしてるけどさあ、起きてるよ。その気色悪いボディタッチも。でも寝てて可愛いふりしてた方があなた気持ちがいいでしょう?てめえが俺を撫でるたびに、吐きそうになって仕方がないんだ。You Know? Yeah, you Just say "I Don't Know". ****
最後の念仏が唱えられる。輪廻転生は仏教で三回とされる。誰も見たことのない祈り方。三回同じ言葉を唱えた後に、なんとなく解脱のような文言があった。「見たことがない葬儀だった」と口を揃えて申し述べる親族。火葬場へ。これが悪夢のようだった。
とても現代的でシステマチックな火葬場。荼毘に伏すとして、その間はみんなでなんとなく空を見たり、煙突からの煙を見たり、そんな時間だと記憶していた。しかし実際は、棺を運ぶのは手動で操作できるフォークリフト。最後に顔を見て、そこからは全員が揃って荼毘の場所へ。もうその時点で、呼吸が苦しい。自分が過呼吸になっているのではなく、そこに漂う人間のタンパク質を燃やした独特の空気が、襲いかかってくる。少しは泣いたけれど、本気では泣かなかった。
喫茶室があります。親族の待機室はここです。全員が喫茶に向かう。一悶着あったらしいが、それは全てを握っているはずの父が何も手立てを打っていなかったことによるらしい。つまり、「あの家に帰る手立てがない」とのこと。大揉め。しれっと、親戚のおっちゃんが「また始まった」と呆れたように言うので、彼について行って喫煙所へ。「おじいちゃんの棺に、ショートホープ入れてあげたらよかったなあ、と今更後悔してるんですよ。植木職人の人曰く、『耳から煙出るぐらい吸う』ぐらいの人だったんで。まあなんかあるときに胸ポケットに入れたままやめたらしいですけど」「俺もおっちゃんのイメージそれよ。でもそんなんクラクラするやろうな。でもやっぱり、紙巻きじゃないと俺は満足できん。何回か試すけど、口の中がなんか変になる」「あれって、水蒸気にニコチン入って香料入って、ってことなので、口の中に残るの当たり前です���。で、定期的に掃除しなきゃなんですけど、してないように思います」「なるほどなあ」「紙巻きは手の中に隠せないじゃないですか、でもよく見ますけど、子供の散歩に付き合いながら、あのデバイスは手の中に収まるので、隠れて吸ってる人とか、あと軽自動車の中とかでずっと吸ってる若い女性」「あ〜!よく見るわ!」「なんか卑怯ですよね」「堂々と吸えばいいのに」
骨上げ。向こうから機会が運ぶ音がする。耐えられない。目を背けて壁に引き下がった。説明がある。その人の話を聞こうと思って顔を見ると、祖父のお骨が目に入った。無理。逃げ出して外で存分泣いたが、これはやらねばならん。おじいちゃんも本望ではないだろう。ある程度落ち着いた。元に戻った。骨箱を抱えたさっきのおじちゃん、「ほれ」完全に試されている。立ち向かおうと思った。おじいちゃんの顎の骨の右側をなんとか取り、入れた。壁に向かって泣いていると、おっちゃんが背中を叩いてくれた。優しいボディコンタクト。あれがなかったら、自分はもう立ち直れなかっただろう。
親族の直来。席順がアウトだった。向かいに祖母。斜め向かいに弟、隣に叔母の配偶者。彼や弟と話しているときは、苦しくなかった。弟は後ろから声が聞こえたらしく、ギャルソンとして働き出したので、真似てとりあえず。未来に向ける光を見たように思う。挟まれる祖母の無駄口、思い出話、さっきも言うたやん、で最終的に、「あんた食べんのな?あんた食べんのな?」この役割は弟が担ってくれた。途中で異常を察した母が「持って帰るので」と包んでくれた。そこで祖母が、「物足りんな!うどんでも食べたくなるわ!」糸が切れる。立ち上がって親族の控室に足取りもおぼつかず帰り、水を飲んで倒れそうなところを背中で柱に寄りかかったのは記憶している。そのあとは完全にギャルソンに徹した。席に戻れば……と感じた。
見送り、なぜか親族はパニック。というか、祖母の血をダイレクトに引いている人たちが大揉め。関わったら壊れる。だから、早く帰りたいだろう人たちのドアマン、ポーターとして立ち働いた。その場所が貸し出す傘の場所を把握しているのは俺だけで、木偶の坊なので雨風を防ぐにはもってこいだ。帰るまでが遠足。帰るまでが葬儀。見送ったあと、祖母に話をされた時点で、おそらく人生で一番危険な焦点発作があった。見える聞こえる把握はできるが、動かない。少しだけプルプルしている。話の隙間で深呼吸して、離脱。その後、なぜか父が、「この鍵が潜戸の鍵。行けるか?」と。拒否したところでまたパニックだろう。叔母方の年嵩とおばあちゃんが同情する車で帰ることになった。話の流れで、「えっ、だって私ら帰っても鍵はにいちゃんしか持ってないやろ?潜だって鍵かかっとるし」「これ受け取ってまーす」と鍵束を見せる。永遠のような10秒間の沈黙が、どうしても笑ってしまいそうになって良くなかった。
で、まあ帰宅したものの、真っ暗で鍵の種類がわかるのは父のみ。明かりをつけても何が何やら。普通に礼服で鍵を探しながら試して回る、という、夜盗みたいな働きをして、必要な鍵は開けた。自分は���もかく着替えと服薬をしなければ無理。処方薬を飲んでいるところを見られようものなら、またおばあちゃんの詰問に合う。口に含んだまま、水道水の出る蛇口に向かう。「あんたな。夜に明かりつけて網戸にしたらいかんのよ」知るか!緊急事態だ!黙ったまま食器棚からコップを出して水で飲み下す。危なかった。あの場で自分が倒れたらマジでやばかった。ちょっと効いてきたのでせにゃいかんことをしようとしたんだが、お呼び出ないらしい。仏間のパニックを感じながら、叔母方のおっちゃんが絶対にまだ上がらない、との意思表示をしたので、ここは、と思い、靴を脱いで上がる。「これはここ!これはこれでいい!これは日にちが明けてから!とりあえず帰らせ!」と仕切って、「仏間できました。どうぞ」でおっちゃんおばちゃんもう帰らなやってられん状態。見送ろうと玄関について行った。母の「あれはどこ?」攻撃。「ありました!ご安心しておかえりください!」見送りで礼をしたが、90度だった。無意識なのにね。気持ちが出るね。
そこから自分たちのサルベージ。呑気に「あんたら泊まっていかんのな?」「ばあちゃんな、うちはうちでやることがあるんや」と挨拶もせずに帰る。あとから聞けば、母に「大丈夫な?」と聞いてたらしい。大丈夫なわけあるか!お前の不可知領域かつ被差別領域に踏み込んでるんだからほんとのことなんて言えるか!ババアに申し伝えたら、きっと座敷牢の世界なので、両親のそこの理性には感謝したい。
帰りながらうだうだ。珍しく母が飲まないとやってらんないね、状態だったので、缶ビールを美味しく注ぐ方法を実践して、本当の直来。
ここからは結構スピリチュアルなのに事実として観測されている事象を改めて結び直した話になるので、またの機会に。
Adeu!
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240615 土 | 格好悪い日本人代表目指すな
元気を出す
元気を出せと言われたから出すんじゃあない
元気を出すことを「システム化」して出してゆく
これを言葉にして残すことで「ああ、こいついつもそういう意識でやってんだ」って思われていく
ああ「思われてゆく」って点が超大事
だってそういう事言ってるやつが外側に居たら「おー頑張れよ」ってふつう思うじゃん
なんか心が腐ってて超意地悪で卑屈なクソガキメンタル発動してなきゃさ、まあ内心お前にゃ無理だろ思っても脳の表層の社会性エミュレーター内では「いいね!」しとくじゃん
そうなる風に自分と自分の周りを仕向けていくんだよ
いじけた事言ってると「隙」が生まれる
その隙に漬け込んでくるのは敗者と搾取者しかいねーよマジに
助け舟なんか出ません
いや、ウソ。助けてくれたよな、ここの読者は...
だから凄いんだよ。ここ読んでるあなた達こそが奇跡なんだよ
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僕はファンの人々の応援によって今の地平に立っている
誰なんだい? あの時WEB拍手で僕にいづなさんのハヤテとアラシをリクエストしたのは
あそこから全てが変わったんだ
今出せる実力を全部見せ、その上で「こんだけ応援してください」「これをやるので見守ってください」と宣言する
宣言と約束
これも大事。失敗したってきっと許してもらえるさ。でも、失敗した自分を許せるほどの「強さ」を我々は備えちゃいない
自分に備わる運(ラック)や社会の善性を信じられない
いじわるな「よそ者自己」が語るマキャベリズムと諦観ばかりをぐぬぬと思いつつも受け入れてる
強くなりたくば弱い人の事は一旦捨て置いていい
つまり弱い自分の本心置き去りにして成功者が語る理屈と鉄板攻略メソッドに則り「自己実現トレーニング」始めちゃっていい
絵描きならまずは実技磨きを毎日楽しむ。切磋琢磨できる仲間見つける
やっぱ30~40過ぎて独り壁打ちは虚しすぎる
周りが自分のこと差別してると感じてしまう?
バーカ。今やそんな低レベルな差別に負い目やヘイト感じてる場合じゃねーから
感じるべき差別は「東アジア人全体に対する世界からのヘイト」だよ
このモードにシフトすれば日本人なんて全員身内も身内、ほぼ家族同然だよ
日本人はもっと、もっともっと東アジア人が世界から超バカにされてナメ散らかされてる事実知った方がいい
中国、韓国の人間は普通にそれ(世界が自分達に向けるヘイト感情)と戦い渡り合ってるよ。BTSとかすげーしっかりしてたじゃん
アンド、中・韓は日本をフツーに仮想×国に設定してる。ほんとだよ
かつ、日本はもう他の東アジア国には勝てない。決して
だけど最期になんか花火打ち上げて散りたいじゃん?
ガ●●ムだって他の東アジア国が作るリミックス系パチモンの方がシズル感あるし初見ならば購買欲湧く
知識があると元ソースに対するあまりの侮辱っぷりに嫌気が指すけど造形とパーツ選びに関しちゃ日本人より圧倒的にセンス良い
俺はこの現状、クッソ悔しいよ。自分が悔しさ感じる時って大体その怒り抱えるに相応しくないヒョロガリフィジカル&浅学理論武装状態なんだけどさ
だから少なくとも、僕はがんばる実力派日本人をバカになんてしない
する必要がねーんだ。内ゲバなんてやってる猶予、我々には一分たりとも残ってないから
いや、まあそれ言ったら他の東アジア国を敵視したり、アメリカのパターナリズムに憤ってる場合ですらなく ちゃっちゃと宇宙進出(地球外の植民地開拓)に向けて人類全体で動いた方がいいんだけどさ
あーあ。人類大好きな優しい宇宙人が「人類が目を覚ますための試練としての戦争」仕掛けてきてくれねーかなー!
八紘一宇はとっととやってくれ。俺っていう多様性は消えても構わんから人類全体の幸せの総量増えてくれ
それ以外に願うことなんてない。それくらい自分は満たされているし、逆説的に空っぽだ
自転車漕ぐくらいの難易度で駄文をサクサク書いている
呼吸するように日本人を憂いている
ふつーに頑張ってよ
小難しい屁理屈はいいからさ
ああ、これも「やれた側」の意見すぎるよな...
いや、言わせてもらうが「やれた」んじゃない、ここの読者が「やらせた」の
僕は自分の意思ではなんも選んでません
ただ、結果的にポジティブなゴールにたどり着かざるを得ない「おもしろ迷路」をネット上に組んでいるだけ
それこそが「メタ道徳」だし正しい社会の縮図ってもんでしょ?
ネットをヘイト感情にブーストかけるエコーチャンバーとしてしか使えない人間はアタマが悪すぎるし悪趣味すぎるし、なんならマジメすぎる
人を殺せる力を平和利用しようって思想の方がよほど狂ってるしパンクだしオモシロ格好いいじゃん
これこそが昔僕がここで書いていた(取り戻す事を���れていた)真の意味で「元気で残酷な僕」ですよ
僕は同類(日本人)を貶める気は1ミリもない。誓ってもよい
だけど弱い同類貶めて内ゲバや内紛起こそうって考えの「実力派日本人」に対しちゃ容赦しない。「敵」だしなそいつ
もしそういう枠(人種)とか関係ねーって言うんならまず世界に対しもっと目を向けろよ。ぶっ潰すべきバカや対話不能な敵がうじゃうじゃいるんだよ
そして、我々は本質的にそいつらにはどうやっても勝てない
これは絶望の話でもあるが希望の話でもある
少なくとも我々日本人にとって互いが争う理由など何ひとつないんだから
僕の思想はただひとつ「目の前の作業に対する集中力(没頭力)を」高め合うってこと
なぜ気が散る? なぜ萎える? なぜ軸を見失う? なぜ画欲が1ミリも湧かない?
え、お前のようなやつがいるからだ?
ごもっとも。じゃあ殺す構えで描きなよ
どんな裏技、武器を使ってもいい。僕なんかとっとと潰して中国・韓国のバケモノ絵描き達と戦って、あわよくば共闘して世界と渡り合える東アジア絵描き / クリエイターになってくれ
それだけが僕の願い、それだけが僕の希望、それだけが夢
格好悪い日本人代表目指すな
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『クラユカバ』『クラメルカガリ』
『クラメルカガリ』『クラユカバ』を公開初日に続けて観てきた。面白かった。以下ネタバレがある。上の写真は3月末に閉館してしまった地元の映画館で撮った。二度と足を運ぶことのできないクラガリになってしまったが、たくさんの名画に出逢わせてもらった。
まずクラガリが「亜炭堀りの坑道」を広げる途上で発見された正体不明の地下世界である、という設定がめちゃめちゃ良い。亜炭は我々の世界でさかんに用いられていたのは昭和40年代ごろまでだったそうだが、『クラユカバ』『クラメルカガリ』の人々にとっては過去の話ではない。地下世界発見の経緯や箱庭の成り立ち、懐かしいようで見覚えのない奇妙な街並みを舞台に生き生きと描かれる人々の暮らしぶりを観て我々が抱くのは、亜炭が「現在」の彼らの生活を支える身近な資源であるという実感だ。しかしそもそも亜炭とは、かつて地上に生息していた木々や植物が腐敗する前に土の下に埋もれ、そのまま地中で何十何百何千万年という永い時間をかけて変質していった結果できあがる代物だ。あの人々の生活から匂い立つ(亜炭は燃焼すると甘酸っぱいような独特の匂いを発したらしい)亜炭の存在感は身近かもしれないが、亜炭のもとになった木々は人類がまだ生まれてもいない数千万年前から地上にいた、と考えると途端に途方もなさが際立つ。 亜炭とは人間の文明以前からそこに在り、亜炭が埋もれている深部の地層もまたそれだけ古い時代からそこに存在し続けてきた。つまり亜炭が眠り続けていた深さの地下世界とは、人知も神秘も及ばぬ遙か遠くの「過去」の世界、ということだ。 木々のように腐敗もせず水のように流転もせずただた��地中に横たわり続けた「過去」が、永い時のなかで亜炭のごとき変容を果たし「過去」ではない何か、暗がりではではない何かに変容してしまったのだとしたら。それが亜炭堀りたちの見つけてしまった世界のきざはし、見世物一座が「くらゆかば」と消え去った暗渠の向こう、あるいは虫喰いを辿った先にある未踏の暗がり────「クラガリ」の始まりとするならば。タンネやトメオミの装束が博物館を司る機関の制服に似ていること、クラガリに「曳かれた」人間が過去にまつわる譫言を吐くばかりになっていたこと、「クラガリの端にしてほとりのクラブチ」で荘太郎が過去の幻影に囚われかけたこと。これらの理由を想像するのが個人的に楽しくなってくる。
クラガリに「惹かれるな」ではなく「曳かれるな」、なのはクラガリがすすんで誰かを呼んでいるわけではないという意味かもと思う。過去を求めた人間が地下へ、あるいは自分の内側へ深く深く潜っていった結果クラガリに接触してしまう。クラガリが「せり上がってきている」時ですらクラガリに何かを惹きつける意志はなく、何かを曳いたところでクラガリが変わることはない。暗がりで道を選ばされるのはつねに曳かれたほうだ。 加えて暗がりで人が観るものといえば夢、映画、幻灯の類いだろう。荘太郎も大幻灯を浴びて人形劇や紙芝居やメリエスの無声映画のごとき幻影を彷徨ううち、父と母と平穏に暮らしていた幼い頃の「過去」へと歩き去ってしまいそうになる。父の帰りを待ちながら老いて亡くなった荘太郎の母は人形劇の世界で身体の色が金から白に変わっていったし、過去の幼い姿でどこかへ歩いていこうとする荘太郎の世界は色がなく、その背後に並びはためく幟も白い。金とか灯りは生きてる人間の色、白はクラガリに行ってしまったひとの色なのかもな、と思う。そこに見世物一座の「千里眼」の少女によく似た、白い髪の幼いタンネがやってきて、「これ、忘れ物」と掌を差し出す。 色々あってサキを福面党から取り戻すことはできたものの、見世物一座は「くらゆかば」と去り、父は帰らないままだ。それでも荘太郎が思い出したように探偵事務所の引き出しを開けると、そこには幼いタンネが届けてくれたあの金色の巻き鍵がある。それは事務所の壁にかけられた時計の巻き鍵だ。荘太郎が子どもの頃クラガリに行ったことがある記憶をちょっとしゃべる冒頭のシーンで、荘太郎の後ろの暗がりが映り込む演出があったけど、あの事務所は荘太郎の過去が留まり続けたクラガリでもあったと思う。だから巻き鍵によって再び動き始めた時計が時を刻む音の響くラストは、過去は取り戻せないままなれど、止まっていた時間をようやく進めることのできた荘太郎にとって明るいものだった気がするのだ。
クラガリに曳かれながらもクラガリから抜け出でて自分の道を進む人間たちの話が『クラユカバ』であるならば、クラガリの真上で変わり続ける��とともに変わりながら生きる人間たちの話が『クラメルカガリ』なのだろう。物語の序盤で「箱庭紡ぎ」は街の「点と点を繋いで紡いでいく」仕事だと飴屋が言うが、それは『クラメルカガリ』という物語の構造そのものでもある。クラガリに曳かれる人間、曳かれた人間、街の変化を愛する人間、街を日々変えていく人間、変わっていく人間。それらひとりひとりの足取りが繋がり合いクラガリの上にひとつの物語が編まれていく。その変容を地図に、あるいは自分の内側に留めていく少女カガリの足取りは日々に翻弄されながらもまっすぐで迷いがない。作中でははっきりと描かれないが、虫食いの話になるたびカガリの顔が曇ったりなにか言いたげな顔をするのは彼女の両親の死んだ理由が虫食いに関係あるからではと思うのだが、それでも紡ぎの仕事は「嫌いではない」と彼女は言う。ユウヤの地図をすごいと評したカガリの、虫食いのことは書いてあったけど鉱泉の川に通じてるあの道のことは書いてなかった、との指摘も彼女なら至りうる。 というか『クラユカバ』でクラガリの端にふれると『クラメルカガリ』で地下の「虫食い」に潜ってまで地図を作りしかもその生き方を楽しんでいるカガリの生き様がちょっと異様であることが分かる。亜炭の鉱脈の上に成り立つ「泰平さん」と「箱庭」、そのさらに地中深くから時折湧いて出る虫食いを辿ればおそらくクラガリに行き着くのだし、特に映画の時系列は伊勢屋曰く「今は時期が悪すぎる クラガリがせりあがってきている」のだ。「箱庭」は日々様相が変わる街だから地図が必要なのだと飴屋は語るが、街がどれだけ変わろうとクラガリは変わらないのだろう。変わっていくのは地上にせり上がるクラガリに「曳かれ」る街のほうでしかない。 そういう街で箱庭紡ぎの仕事を担うふたりの街に対する思いが対比になっているのが面白い。ユウヤが日の当たる場所に行くまでの繋ぎに過ぎないと思っていた「紡」の仕事がカガリにとっては人生の楽しみであるというすれ違いは、カガリが記憶していた地下の脇道を「こんな細い道 俺だったらいちど地図にしたら忘れてる」と呟くユウヤの台詞にも表れている。ただしカガリがその道を覚えていたのは紡の仕事を気に入っているからだけではない。「もったいない、一緒に歩いたの大事な思い出だよ」と笑ったカガリにとって、ユウヤはこの街の記憶ごと大事にしたい存在なのだろう。この台詞にはカガリの街への思い入れと日々紡いでいるものへの意味が宿る。日の当たる場所に行きたかったユウヤが街を一時去るとき、「わたしユウヤくんの地図、好きだから!」と橋の上から笑顔で手を振るカガリには昇り始めた陽の光が当たっている。カガリとは地中のクラガリを行くための篝火であり、ユウヤにとっても日の当たらない場所=箱庭=クラガリを照らす篝火だったのではなかろうか。
ところで『クラユカバ』で荘太郎を福面党の一員と勘違いしてしょっぴこうとしたおっさんと『クラメルカガリ』でシィナ総長に声をかけていたおっさんが同一人物なのでこの二作はそんなに時間が離れてないんだろうな。『クラユカバ』で福面党にまぎ���ていたムジナの男が『クラメルカガリ』では髪が伸びた風体で石猿一家をけしかけていたあたりほぼ同時期というわけではなさそう。にしても福面党のボスが「御多福」なのは洒落がきいてる。ムジナと福面党の関係も気になるところだ。 演出面では、『クラユカバ』で車両から逃げる荘太郎が「じょうぶ~!!」て叫んでたシーンを『クラメルカガリ』のカガリがアブラムシから逃亡するときセルフオマージュしてたのが楽しかった。それと『クラユカバ』では荘太郎のお父さんが荘太郎になぜ探偵をやっているのか聞かれて「ここがむかし川だったことは知っているか?」、そんなふうに世の中に隠れている謎が好きで父さんは探偵をしているんだと答えたり、クラガリの入口を探していた荘太郎が街のじいさんに「トンネルを掘るときは一旦土地を開けてから埋める だから地図を見ればトンネルがどこを通ってるか分かる」と教えてもらったりと、『クラメルカガリ』ほどではないけど地図や土の記憶が大事なモチーフとして取り上げられてたのが良かった。荘太郎の降り立った橋のあたりとカガリが坑道から抜け出て川に流れ出たあたりはぱっと見近いかなって思ったけど実際はまったく関係ない景色なのかな。観直したさがある。 にしても『クラユカバ』を観るとこの深い深い世界のどの要素から『クラメルカガリ』が構築されたのか分かって楽しいし、『クラメルカガリ』を観てこの世界をもっと深く知りたいとおもった人に『クラユカバ』は当然充分応えてくれる。『クラユカバ』の停留所には「成田亭良悟」の名前が書かれたポスターが貼られているのだけれど、栄和島と伊勢屋とおなじく「まったくの別人」ながらもこの世界に成田良悟先生の言葉もまた息づいているのだなと思えて嬉しかった。伊勢屋に自分の留守を任せていく栄和島と任された伊勢屋の反応、原作を知ってても知ってなくても激アツだったな…… そういえば自分が映画館でこれを観ていたとき、伊勢屋の店が画面に映った瞬間後方の席から「カストリ…!?笑」て困惑した男性のデカめの声が聞こえてきて面白かった。かくいう自分は自律機関が出てきた瞬間「蒸気王じゃん!?」て叫ぶところだった。閑話休題。
ムジナの男がタンネ達と出くわす前に「ナマズとご対面だ」て言ってたのが気になってる。ナマズ=鬼(鬼灯色の瞳のタンネ)の由来がちょっと思いつかないし、地下を這う車両をシンプルに喩えた可能性はあるけれど、ナマズは地震を起こすと信じられてきた生き物だからムジナにとっては地下をわずらわすめんどくさい勢力としてナマズと呼んだのかな。だとしたらムジナたちって亜炭堀りに発見されるよりずっと昔からクラガリに潜んでる勢力なのかも。石猿一家が失敗したときも地下に帰る的なこと言ってとんずらこいてたし、新聞には浮世絵じみた絵で紹介されてるし。今後続編が制作されてムジナの行動理念が明らかになったら楽しそうだ。 ちなみに『クラメルカガリ』��は蛙を鳥と云って出す屋台について「あれむしろナマズっぽいよね」とコメントしてた。箱庭はナマズ食が珍しくない文化なのか…?あとカガリとユウヤがごはん食べてた屋台の壁のお品書きに「目玉の甘」てあったけどあれなに?目玉の甘煮? 『クラユカバ』で荘太郎と稲荷坂が呑んでたお店もちょっと不思議で、荘太郎が生の中を追加したら新しいジョッキが来るんじゃなくて瓶から次いでくれるんだよね。「お兄さん!」て呼ばれた荘太郎が「ああもうそんくらいで」って止めたあと何かを継ぎ足して飲んでるあたり量でお代が決まるのか?と知りたくなった。というかあれ多分ビールじゃないよな(泡の載った金色だった覚えがない。自分が覚えてないだけかも)。テーブルにあった瓶のラベルにはホッペルと書かれてた。 『クラメルカガリ』のシィナが通信傍受機と同じ鞄に箱キャラメル入れてるのもめちゃいいし、シィナと飴屋の射的のシーンもなんてことないのに良さしかなかったな。ところでシィナさんと情報屋の伊勢屋はなんで知り合いなの?気になりすぎる。
管使いのタンネが管(たぶん管狐)のことを今いる地下より「ちょっと深いところ」の生き物だって言ってたけど、カガリも「ちょっと深いところ」の話してたんだよね~どこだったかな。管の色が金色なのも荘太郎が陥りかけたクラガリの過去の幻影に関係ありそう。そもそも見世物一座の人間たちがみんな白狐の面を被ってたからな……探訪記者の名前は稲荷坂でクラガリに近い人間の名前ぽさがある。 どちらの作品もいろんな生き物の名前や意匠が取り入れられてるの面白いよね。荘太郎に情報提供した男は兎の面つけてたし、朽縄博士(くちなわは蛇と書いてもくちなわと読む)の子どもたちは牛蛙だったり虫の姿だったり公園にはザリガニがいたり。ササラちゃんはササラ電車からの命名だったりするんかな。あとアブラムシよける機械のデザインが電動の蚊遣りぽかったなと思ってそこだけパンフ見たら名前が「ムシヨケ」だったしよく見たらデザインも蚊遣り豚だったので笑った。朽縄おじいちゃんが朽縄博士だと明らかになるシーンの真打登場感も良い。 真打といえば荘太郎を演じた六代目 神田伯山さんは講談師の方なんだよね。『クラユカバ』『クラメルカガリ』はどちらも台詞回しがきもちよいけど荘太郎の語り口は抑揚の良さも相まってなおさら好きだった。あと活弁士と稲荷坂と石猿親分を演じてる坂本頼光さんは本職の活弁士の方だし、女性声優さんたちが演じるタンネやトメオミやカガリといったクラガリを探る少女たちのまっすぐに発せられる声と、クラガリとともに生きてきた男性キャラクターたちの物語ること���宿命付けられたような声が双璧を成す、両作品のキャスティングも外せない良さだと思う。寺田農さん演じる朽縄が、老兵は去らず此処にある的な台詞を最後にクラガリじみた研究所へ帰っていくのも印象的だった。 もし今後続編が制作されるのなら「僕にもわからないんだ 自分が何者でどこへ行くのか」と語っていたタンネの来た道や行く道のこと、トメオミが珍妙な慣用句を引用するたび添えていた「その道に曰く」の「その道」の意味(クラガリに繋がってる余所の道だと思う)、「轍」や見世物一座の正体が語られたらいいなと思うし、「泰平さん」の「テリヤス工業」時代の話やこのあとの箱庭の姿もまだまだ観たい。パンフに載っていたインタビューでは、監督は『クラユカバ』『クラメルカガリ』の両作品で「まだ語られていないこと、解かれていない謎」について「世界を閉じたくない」「モヤっとしたものを残すことで観た方の記憶に残したい」から謎を残していると述べているし、成田良悟先生との対談では「ちゃんと考えてはいるんですけど」「もっと面白い設定を思いつくかもしれない」から「前もってテキストに書き起こさない」とも話している。だからここまで自分が書いた感想はあくまでも現時点で得られる情報からの推察に過ぎないし、正解は監督の頭の中にしかない。いつか続編で明かされるクラガリとその周辺の世界の正体が、今回の自分の想像よりも遙かに深く面白く最高であることを楽しみにしている。『クラユカバ』『クラメルカガリ』を観たあの日の映画館の暗がりは、それでようやく自分にとっての美しき「クラガリ」になるのだから。
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黒い森を抜けたあと
Schwarzwaldの続きの話。 綾子主+叔父さん出会い編。
あの子と初めて会ったのは、それほど昔でもないような気がする。 10歳余りも歳の離れた姉が遠くに嫁いで行ってからはあまり帰省する機会もなく、その子供である彼と会ったこともない。生まれたばかりの時送られてきたメールの画像と、親から伝え聞くことぐらいで。 なので自分自身もまだ中学生の子供だった俺と、その小さな甥っ子との関係はまるで遠い親戚のようにしか感じられず、冷たいのかもしれないが愛着もなくさほど可愛いとも思えなかった。 けれど写真を見れば顔立ちは整っている。濃い藍色掛かった黒髪に、大きな瞳。無邪気に笑う様は確かに愛らしいと言えるだろう。母親が俺の小さい頃にそっくりだとしきりに話すので、少々聞き飽きた。 それから数年して、多忙らしい姉夫婦の都合がつき泊まりがけで実家に来ることになった。もちろん甥っ子も一緒に。うちの両親はそれは大喜びだった。 初めて見るその子が玄関で俺を見上げると、隣にいた姉のスカートをぎゅっと握り、隠れるような仕種をした。けれど小さな声で「こんにちわ」と挨拶をする。視線はずっと俺に向けられたままなので、自分も「いらっしゃい」と返事をした。 皆で飯を食いながら雑談してる間、甥っ子は落ち着きなく歩きまわるかと思えば大人しいもので、やや内気ではあるが賢そうに見える。 早生まれで春には3歳だというその子が、俺のことを少し遠くからずっと興味ありげに見ているので、手招きをすると近寄ってきて横にぺたりと座った。 「…おじさん?」 「そうだ��ど…叔父さんっていう歳じゃない」 「いくつ?」 「17歳」 お互いぽつりぽつり、と呟くような会話を続けて、その子は「ふうん…」と納得したのかどうか分からない相槌を打った。 「…言ったら、おこる?」 「別に怒らないけど…名前で呼んでくれた方がいいかな」 藤堂樹、と名前を告げたその時に「たつ、きー」と復唱した笑顔が、なんとも可愛く見えた。 それから暫くして俺は例の事件に見舞われるんだけど、それはまた別の話。
甥っ子とそんな会話をしてからまた4、5年経った頃。 姉夫婦がムーンライトブリッジで大きな事故に巻き込まれて亡くなった、と知らせが来た。 家族一緒に乗車していた甥っ子は運良く生き残り、それでもまだ意識が戻らないらしい。 遠方に住む両親からも頼まれて、実家を出て独り暮らしの俺がその子の入院している病院へと赴いた。 小さい体には大きすぎる白いベッド。細い腕に繋がれた点滴のチューブが痛々しい。擦り傷程度で大きな怪我はしていないようだが、脳傷害などなければいいと様子を見ながら近くの椅子に座る。 姉夫婦の葬儀は何やら父方の家と勤め先が旧家だか大企業らしく、全て任せてくれと言われた。 少々強引なやり方で準備が進められ、一方的な言い草にこちらの両親も俺も唖然としたものだ。 いきなり家族が亡くなって気持ちも何も全く整理できていないが、ポツンと取り残されたような甥っ子の傍に居てやりたかった。 数日眠ったままでやっと目覚めた甥っ子に現実を伝えるのは憚られたが、聡明なこの子に大人の都合で黙っている方が可哀想だ。親はもういないんだと、独りになってしまったんだと告げた。 流石にすぐに理解できないらしく、惚けたように俺を見返したけれど。 「…だいじょうぶ、ひとりじゃない。おぼえてればデスが…来てくれる」 まだ夢の中にいるような顔で呟いた。
慌ただしく葬儀や事後処理が終わって、甥っ子��ことも父方の家が面倒見ると頑なに言うので1年程会う事はなかった。 連絡先は伝えておいたので、たまに近況を聞くようにはしていたのだが、どうも違和感を感じて詳しく聞き出すと親戚中をたらい回しのような扱いを受けているらしい。 義兄はまともな人だったが、その親族は世間体ばかり気にして金は持っているくせに子供の面倒は見たくないというクズどもだな、と冷静にキレた俺はすぐさま甥っ子を引き取ることにする。 元々愛想がないだの馴れないだの文句ばかりで手に余る状態だった親戚連中は、猫の子を譲るよりも呆気なく、二つ返事で甥っ子を手放した。 ちゃんとした手続きを踏めば俺にだって血の繋がった甥っ子を養育する権利くらいある。問題なのは俺が南条系列の外資系商社に入ったばかりで、これから出張も転勤も増えて海外にも行くかもしれないということだ。 その時はこっちに連れてくればいいよと両親は言うが、毎回それでは結局たらい回しの環境と変わらないんじゃないか…今までが劣悪な環境だったので住む所くらいは落ち着けてやりたい。 信頼のおける人を雇って見てもらうしかないか、とそんなことを考えていた時。 おとなしく公園の砂場で遊ぶ多紀を見守りながら少し離れたベンチに座っていた俺に、いきなり声が掛けられた。 「茅野多紀くんの保護者の方ですか?」 その青年…まだ少年の名残が見られるかもしれない。けれど整った容貌と額を出した黒い髪と、不気味とも言える輝きをした青い眼を持つ独特の雰囲気の人物が俺に近づいてきた。 そして到底信じられないようなことを言う。俺は高校時代の経験から奇想天外なことにも多少慣れている気でいたが、それ以上に規格外のことに巻き込まれたのだと悟った。 「多紀を僕に育てさせてください。彼の傍にいたいんです」 未来から来た、甥っ子の縁者だと言うその人物は礼儀正しく頭を下げた。 望月綾時と名乗るその未来人、と呼ぶのが適切なのかまだよく分からないが、今現在の時間軸とは別のところからやってきたのだという。 多紀に会うためだけに。多紀の子供時代を救うために。 普通だったらこんな胡散臭いことを言う輩には警察に叩き出す一択だろう。 だが砂場から戻ってきた多紀が、彼を見つけた途端走り出してその長い脚に飛びついたのだ。 「……デス!デスだよね、ぼく覚えてるよ、思い出した。ちゃんと思い出したよ」 「…ふふ。覚えていてくれたの?ありがとう。でも今はデスじゃなくて綾時だよ」 「りょじ?」 「綾時」 「りょーじ」 「そうそう。やっと会えた。もっと早く会いたかったんだけど、思ったより手間取っちゃって。ごめんね。もう独りにしないからね」 「うん」 話しながらしゃがんで目線を合わせたその様子を見て、俺は細かいことは理解出来ないが分かってしまった。 甥っ子を見る望月の蕩けるような顔。慈しみを込めた視線と、大事そうに頭を撫でる手。 そして多紀の、初対面どころか全幅の信頼を勝ち取っている様子は叔父の俺以上なのではないか。 「…まだ胡散臭いのは抜けないが、多紀を一緒に育ててくれるなら有り難い。こいつも懐いているようだし」 「りょじとたつきといっしょに住めるの?みんなで?ほんと?」 多紀が興奮したように頬を上気させて喜んだ。甥っ子のこんな顔を見たのはいつぐらいぶりだろう。 「ああ。…でも不審な真似したらどうなるか覚えとけよ」 「…あ、誓って裏切ったりしないけどペルソナは出さないで。お手柔らかにお願いします」 立ち上がった望月は、にこやかに笑いながら顔の近くまで挙げた両手のひらを向けて見せた。ペルソナ能力のことまで分かっているようだ。やっぱり胡散臭い。 こうして俺と甥っ子と、保育士兼ハウスキーパー望月の共同生活が始まった。
俺と望月の手を左右で繋ぎながら、真ん中に挟まれた多紀が楽しげに歩く。公園から自宅まではそれほど離れていない。 「デスの時となんか違うね、りょーじ」 「うん?まあね、日常的にはこうだよ」 「またまほう使ったりするの?」 「使えるけど…叔父さん以外には内緒ね、じゃないと一緒にいられなくなっちゃう」 「えっそれはやだ!」 帰る道すがら内緒話のように仲良く話す2人を見て思い出した。 病院で目が覚めた甥っ子が言っていた言葉。覚えていればデスが来てくれる。 この子はそれをよすがに、これまで耐えてきたのだろう。 家に着いて2杯分のコーヒーを淹れ、多紀にはリンゴジュースを出してソファに座るとようやく落ち着いて話ができる。 自己紹介と連絡先を兼ねて名刺を渡すと、望月は両手で受け取ってまじまじと眺めた。 「藤堂…たつきさん、って読むんだ。多紀と似てるね?」 「うん。まぎ、らわしい?からたまにジュジュって呼んでる」 「こら。それはやめろって」 嗜めると多紀はきゃはは、と小さく笑った。 「じゅじゅ?」 「樹ってじゅ、って読むんでしょ?だからジュジュ」 「はは、それは良いね」 今まで必要以上に大人しく表情もあまり変わらないでいた甥っ子が、本来の明るさを覗かせてよく喋る。正直カウンセリングにも通わないといけないのではと思っていた俺はそっと胸を撫で下ろした。 「一度実家にも顔見せに行かないとなあ」 「じいじとばあばのとこ?行きたい!」 多紀を引き取るまでの経緯は電話で話してあったが、やはり孫の顔が見たいだろうし。 「多紀の御祖父母と…うわー緊張するなあ。手土産どうしよう」 「そんな身構えることないだろ。でも親に育児同居するって言うからには、お前の能力は説明しておかないとな」 能力、と呟いて瞬きをした望月は、考え込むように泣き���子の近くを指でなぞる。 「特に資格は持ってないけど一通り学んできたよ。多紀を育てるために必要なこと。家事育児、運転免許…はまたこっちでも取るとして、家庭教師も経験済み」 「ぼくもね、目玉やきできるよ。おせんたくものもたためるし、1人でお風呂にも入れる!」 甥っ子も張り合うように手を挙げた。実際この子は自分のことは出来てしまうので手が掛からない。 「おっ、すごいな〜。でもこれからお風呂は僕と入ろうね。洗ってあげる」 「ぼくもりょうじ洗ってあげる」 「ありがとう。お休みの日はどこか遊びに行こうね。楽しみだなあ」 夕飯時も入浴もそんな調子で終始はしゃぎっぱなしだった多紀は、流石に疲れて歯を磨く頃には半分夢の中だ。 「もう寝ちゃったね。ベッド連れて行くよ」 慣れた手つきで望月が力の抜けた幼子を腕に抱き抱え、子供部屋に向かう。 「ああ。それが済んだらお前の素性を詳しく聞かせてもらおうか」 「…あー、やっぱりそうだよね…」 彼は観念したように苦笑すると、ちょっと待ってて、と言い置いて廊下へ消えた。
明日の天気予報を見ながら茶を啜っていると望月が戻ってくる。 ソファではなく床に正座すると真顔で見上げてくるので、俺も居住いを正した。 「…薄々勘づいているかもしれないけど、僕は人間じゃない」 「……まあ、最初に話しかけられた時にそうだろうとは思ったよ」 「どこまで話せば良いのか、話して良いのかも不確かだけど…貴方は多紀の保護者でペルソナ使いだ。尤もそのペルソナも、僕たちの定義とは少し違う」 碧眼を伏せて僅かに躊躇したような彼は、眉を顰めて語り出す。 「僕は多紀の…今もあの子の中に封印されているものが育って人間の性質を得た、その成れの果てだ」 「…封印?」 「そう。あのムーンライトブリッジで」 望月は自分のことをシャドウというものが凝縮し、ある目的のために作られた死神だと言った。 それはやや自虐的で、生まれた経緯や誰が封印したのかなど詳しいことは語られなかったが、甥っ子に対して強い負い目が滲み出ている。 「…大体は分かったが、今ここにお前が居るということはデスが2体いることになるんじゃないか?」 「…まだこちらの僕は完全体ではないけどね…いずれそうなる。事象に歪みが出るのは避けられないから、僕はその前に多紀の記憶を少々弄ってから元の世界に戻るよ。育った彼があの地へ帰るまでに」 「帰る?って巌戸台にか。それは確定してるのか?」 「そうだね。2009年の春、何度繰り返しても同じだ。違うのは彼の…選び取った結末だけ」 まるでループする世界を幾度も見てきたような言い草だった。 「でも、僕がここで干渉する意味が少しでもあれば良い。宿主である彼の心身に与える悪影響を最小限に出来るかもしれないし、���ルソナは心の力だ。僕らが確かに愛情を持って育てることで、彼の選択や能力…この世界での未来まで変えられるかも」 「…多紀もペルソナを使うようになるってことか」 「ああ。それも稀有なワイルドの力だ。君たちは相性の良いペルソナを付け替えたり出来るけど、僕たちの理では基本1人に一体のペルソナしか扱えない。数百の仮面を使い分ける彼は…特別なんだよ」 特別、と口にする望月は痛みを感じたかのように顔を歪めた。誇らしげでもなんでもない、多紀が選ばれてしまったのは自分のせいだとでも言うように。 「…訊いてもいいか?お前はどうしてそこまで必死になって多紀を救おうとする?そもそも何でこっちの世界に来たり戻ったりできるんだ」 「えっ、ええと…それは大切な人だし迷惑も掛けたし。あっシャドウはね、時間を操れるからだよ」 それまでと打って変わって、しどろもどろに答えた望月はまだ何か隠しているらしい。まあ言いたくないなら構わないが。 選び取った結末とやらの果てに、甥っ子は一体どうなるのだろう。 その運命をどうにかして変えたくて、望月は此処にやってきた。それは間違いなさそうだ。 「2009年か…その頃にはあのチビもでかくなってるんだろうな」 「ふふ。もっと身長は欲しかったみたいだけど、すごく綺麗で格好いいよ。やっぱり血が繋がってるからかな、貴方に雰囲気が似てる」 「…俺?まあ小さい頃にもそっくりだとか母親に言われてたけどな」 「飄々としてるところとか話し方とか、リーダーらしく落ち着いた思慮深さも似てるよ」 他にも優しかったり土壇場の度胸があったり美味しそうにご飯を食べるところなど、枚挙に遑が無い。放っておくと朝になってしまう。 「…お前さあ、多紀に惚れてるだろ」 「っえ!?いや、惚れ…あの、もちろん好きだけどその、僕は小さい多紀にはただ可愛いなーってだけだよ」 「当たり前だろ。こっちの甥っ子に手出したら切り刻んでやるからな」 「何もしません!っていうかだからそんな趣味も性癖もないから!!」 「どうだかな。中学ぐらいになったら色気付いてくるだろうし誘惑がないとは言えないだろ」 気分は箱入り娘の父親のつもりで半眼になり睥睨すると、望月は面白いぐらいに狼狽えた。 「なっ…なんでそんな意地悪…!怖いこと言わないでよ僕は!育児に来たの!」 「ははっ、お前もそうやってると人間みたいだな。まあいい、お前はそっちの世界の多紀に惚れてるんだろ」 「…うん。僕がこうして存在するのは全て多紀のおかげだ。その彼に報いたい」 真面目な顔に戻って、望月が正座した膝の上で拳を握った。 「了解した。多紀のために協力してやる。お前も全力で守れよ…と言いたいが、これから何年もあるのに張り詰めてたら誰も楽しくないだろ。取り敢えず甥っ子の日常を幸せで満たしてやってくれ」 「��れはもちろん。僕も家族ってものに憧れてたんだ、だから仲間���入れてもらえて嬉し��よ」 よろしくお願いします、と笑って差し出された手に笑い返し、握手をした。 こうして男ばかりの甥っ子家族計画が始動したわけだが、望月が人心掌握術かの如く同級生の父兄に評判が良いのも、キャラ弁まで作れる家事スキルが完璧なのも、人外が垣間見え薄らとした畏れを感じることも、俺が知るのはまだ先の話。
今まで萌えのままに綾子主を描いたり書いたりしてきたんですが どうして2人が一緒に生活しているのかをよく考えてみると中々にヘビーな理由と細かい設定がいるな…とは昔から思ってました。 うちは異聞録主が叔父さん設定なので今になってそこを深掘りしてみた感じです 異聞録主は藤堂姓にしたいお年頃。南条と桐条の関係もちょっと匂わせられるよねっていう魂胆ですが当時から異聞録であんまり創作したこともないので手探りです。 自力でタイムトラベル出来ちゃうチート綾時は便利だな(笑) これからは本当にほのぼの日常パートが書けそうなので、張り切ってそのうち。
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Good by 2022
長かったような、あっという間のような…今年ももう終わり。まあ時間の感覚なんてあって無いようなモンですよね、と思う。相対的な感覚であり結果論と言うか。
今年は世の中の歪さが加速度的に進んだ(いや、気づいた?)と言うか、そんな一年だなと感じました。特定の政治思想、支持政党とか全くないですが、平和な生活を、楽しい事を続けて行く為にも為政者達には厳しい目を向けていかないといけないなと思います。俺は俺の人生を生きたいし、邪魔はさせねえって感じです。陰でコソコソやりたい放題やっている連中にも関わらず、多少の誹りを受けている程度で済んでいるのが��思議でならない。まともな国家なんてこの世に存在するのか?
そして先月はGAUZEが解散、今月はヴィヴィアンウエストウッド氏死去と、どちらもパンク/ハードコアに於いてのオリジネイター且つひとつの頂点という共通項を持つ、非常に重要な存在の歴史に幕が下り、何と言っていいのか分かりませんが今年はひとつの節目になったなと思いました。何にでも終わりは来るとは思いますが、これは何とも言い表せられない。。。
とりあえず暗い話はここまで。
本題に入りますが今年は9回ライブさせていただきました。
今年は昨年末リリースした、MASSPRESSと俺(NxNx)のSplit音源、Die Varianteのレコ発ショートツアーに始まり、泣く子も黙る南大阪のPunishing Power Violence、Moribund PunishmentとMASSPRESSのplit LPのレコ初ツアーに謎にお呼びいただくという、遠征が多い年でした。Die Varianteレコ発ではleechの皆様に東京編のオーガナイズ&フライヤー3件作製という手厚いサポートをいただきました。(フライヤー作製はleechのBa.鎌田さん、VxNxとのNice対決も東京編でようやく実現しました)
余談ですが、SAIGAN TERRORのメンバーの方にはお伝えしたのですが昔やってたバンドでSAIGANのカバーやらせていただいてまして、まさか対バンの機会が来るとは思いもよりませんでした。。。当時の自分に教えてやりたいですね 笑
そして東京編翌日に船橋でアフターパーティーがあったのですが、我々の見送りの為だけに西東京から東船橋まで来てしまう太田さんのフッ軽具合にビビりました…お手数お掛けしました 苦笑
自分の出番直前でBushbashの楽屋に地元仙台の重鎮&大大大先輩、Make Mention Of Sightのポスターが貼ってある事に気づき、めちゃくちゃ勇気付けられたのはここだけの話。
仙台編は生憎の雨。。。
自分が観たいバンドばかりを呼んだ自己満企画でしたが、予想を超える集客でありがたい限りでした。Deformed Existenceをやっと観れて良かった。あれは反則すぎるカッコ良さ。林くんヴォーカルのGAKもカッコ良かったし大先輩BRUETHERS、マイメンdreamin drippers Ⅱにもご出演していただけて、もうこの上ない一日…と言いたいところですが唯一惜しむべきはleechが都合が合わず出演出来なかった事 。そこさえ叶えばもう言う事なしでしたが…仕方なし。。。
会津編ではライブ前にご当地グルメ&鶴ヶ城見学など、めちゃくちゃ観光してからのライブ、その後の打ち上げや翌日のお土産ディグも最高でした。MASSPRESS &あっちゃんのアテンドの完璧さたるや…会津の方々は本当に気配りが凄い。。。
打ち合わせの連絡とかも段取りとかしっかり考えてるし、見習うところばかりです。カラン堂もあの雰囲気の中でフロアライブだったので、日本のライブハウスらしからぬ様相を呈していました。この日は仙台PUNK MASTER紺野さん(Desperdicio / Vo.)が来場されてましたが、翌日は新潟にNegiccoを見に行くとの事でした。アイドル好きな方のバイタリティ&身の軽さはホント凄まじいですね…
そして念願の聖地横浜EL PUENTEでのライブでしたが、なんとその日ライブで対バンさせていただいた、誰もが知るTokyo Power Violence筆頭格の某バンドの久保田さんに大絶賛していただけるという、本当に夢でも見てるのかと思うような嬉しい事がありました。
ライブ終わるなりすぐさま肩叩かれて絶賛していただけて…感無量でした。本当にビビった…。続けてりゃ良い事あるモンですね。本当にありがとうございました。
(宮城さん&CRUNKの松井さんにも色々とお世話になりました。ありがとうございました…!ライブ後の宮田さん&宮内さんの邂逅は何ともドラマティックでした)
続いてNxNx初となる西日本ライブは大阪のenvironment 0gが会場でした。とんでもない企画に呼んで下さったMoribund Punishmentのお二人に感謝です。最高に良い雰囲気のハコでした。スタッフの平野さんはとても優しい方で、めちゃくちゃ前乗りしたのにも関わらず機材搬入を快諾してくれた上に一緒に運んで下さると言う…ホント助かりました。またお会いしに&遊びに行きたいですね。流石に仙台から車で会津経由の大阪は遠かったけど楽しかった。車で寝れない俺には、少しハードだったかも。。。
東日本のPVの聖地は横浜EL PUENTEですが、西日本のPVの聖地がenvironment 0gになる事を願います。超個人的な想いですが。
ライブ前、西山さんのお店にアポ無し来店というドッキリを仕掛けましたが大成功でした 笑 西山さんの作るカレー、本当美味しかったです。
Moribund Punishmentの新マーチ & この日出店していたGRIND HARVESTの商品も無事購入出来て、大阪遠征も大充実でした。
地元仙台では、MASSPRESSとのレコ発以外では須貝さん(kokyu,Waikiki champions) & GAKにお呼びいただきました。須貝さんの企画ではいつもとは違う感じでプレイ出来たり、セッションをしたりとやりたい放題やらせていただけてありがたい限りです。来年も面白い事をやっていけたらなと思います。
そしてよく企画誘っていただけるし、NxNxロンTを兄弟でペアルックしてくれるし、GAKチームにもホント感謝ばかりです。来年の彼らの活動にも期待です。
いつもの事ながら、共演の皆様、会場スタッフの皆様、観に来て下さった皆様、本当にありがとうございました。
そして仙台バードランドも移転先が決まったので、来年からは仙台のハードコアシーンもまた活気付いて行くと思います。
…しかしもう遠征続きで書き切れない程色々楽しかったです。MASSPRESS(&あっちゃん)とleechの皆とは本当に仲が深まった。「ありふれた毎日じゃ起き得ない事柄」とは正にこの事。
華々しいバンド経歴も無いまま「やりたいからやる」っつってひとりで始めていつの間にか繋がってめちゃくちゃ仲良くなってお互いリスペクト&サポートして…マジ最高過ぎでしょう。
18〜19歳くらいの時に誰も知り合いとか居ないままバードランド通い出した時となんか似てるトコあるかもな、なんて思った。
そん時もいつの間にか話すようになって知り合いも増えてめちゃくちゃ仲良くなって…ある意味、また同じ事が起きているだけなのかも。俺の趣味は音楽くらいしかないけど、もう趣味どころではなくなってるように錯覚してしまう。でも、それでメシ食ってる訳でも無いけど本気で取り組んでる。特殊な趣味(遊び?)だよな、バンド(音楽活動)って。
私事(NxNx)としては、「ライブの際、生ドラムにどうやって渡り合うか」と「ハードコアパートとノイズパートの垣根を無くす」と言うのを目標にやってましたが、何となく答えが見えて来た感じはあります。そこを突き詰めながら来年も活動して行く予定です。SP-404mk Ⅱをゲットした事もあり、また表現の幅が広がりました。最近のライブを見てくださった方は分かると思いますが、あんな雰囲気の世界観を推し進めて行こうかと思います。ソングライティングについても何となくこうして行こうってのが見えて来たと思うので、少しずつ形にして行きます。
リアルな話、悲しき小遣い制の身分&ソロ活動なので、経済的にそこまで派手に遠征しまくるとかは難しいので来年はじっくり腰を据えて音源作りに勤しもうかと思っております。(今回は遠征にMASSPRESSが同行してくれたので経済的にも体力的にも何とかなりましたが 苦笑)
誤解を招きかねないですが、ライブをそこまで重視してる訳ではないと言うのもありますしね。否定的な意味ではなく。
毎回同じじゃつまらないし、なるべく違う構成でやりたいんですがその労力がなかなか半端ないんですよね。特殊な形態が故にとでも言いますか、構成決めるのとか機材の組み直しとかの仕込みが中々大変過ぎまして…。
とはいえ、呼んでいただけたら全力でやりますし、もちろんライブの良さ、楽しさと言うのも理解してるつもりです。まあ人前で演ってナンボでしょうしね。
あとは曲、音源を増やさないとなとは重々感じてます。まずはそこですね…。本当、曲がなかなか出来ない。。。
色々書きましたが、来年も相変わらずマイペースに楽しく本気でやっていく所存です。
(余談ですが、ある方からのお誘いでDJ Sore Throatとしての音源作製もやる予定です。SP-404はその事もあり購入に踏み切りました)
思いっきり纏めたつもりなのにかなり長文になってしまいましたが、それ程の濃密さだったのかなと改めて感じます。
ここまでちゃんと読んで下さった方がいましたら、本当にお付き合いいただきありがとうございました。
MASSPRESS &あっちゃん、leech & DISHxRAG、Moribund Punishment、ウッチーくん、西之カオティック、宮内さん、そしてdreamin drippers Ⅱ、Desperdicio、須貝さん、GAK、純矢(EYESCREAM)、よろずくん、ノリスさん、宮田さん、サテンドール&岡崎さん、お会いした事ないけど音源やマーチ通販して下さった方々、自分に関わって下さっている皆様…そしてもちろん家族と嫁さん、本当に今年もありがとうございましたみんな大好き過ぎるぜ。
そして何と言っても会津の遠征に自分のPAの為にわざわざ同行して下さったバードランドスタッフのミツシロさん、大阪の遠征にドライバーで来てくれたタカロン(dreamin drippers Ⅱ)、本当にありがとうございました。お陰様で過去最高レベルにバチっと演奏キメられました。音楽の道の大先輩 & 20年以上連んでるマイメンのバックアップ、最高に心強かったです。
本当に長くなりましたが、皆様も良いお年をお迎えください。
やっぱり何処に行ったってドープなヤツはみんな結局同じ法則。
20221231 N.O.R.I.
- 2022 NxNx Works -
・Wearable Noise Violence #2 - "D.W.S.S."
・"After The Fear" L/S Shirts
・V.A. Fast//Violence Part 4
(cassette tape)
・Web Shop “MAVERICK NOISE VIOLENCE” OPEN
https://nxnx1983.stores.jp
P.S.
7月、浦安でのDxIxE企画に遊びに行きましたが、イベント終了後にleech中村さんのアテンドで行ったハンバーガー屋さん、料理の美味しさや店内の雰囲気はもちろん、BGMが90’s J-POPばかりでグッと来ました。とても良かったです。
L→R
ZIPANG (MASSPRESS)
N.O.R.I. (Not Nice)
TANIMA (VxNx,ENEMA)
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Quote
ダ-ティ・松本 不健全マンガ家歴30年[-α]史 ●はじめに この文章は同人誌「FUCK OFF!7」において書かれたものをベースにして逐次増補改定を加えていき、いずれ歴史の証言として、[というほど大袈裟なものでは無いが…]一冊の本にまとめたいという意図のもと、近年どんどん脳が劣化していくダ-松の覚え書きとしても使用の予定。事実関係は間違いに気付き次第 訂正。同人誌発表時のものも今回自粛配慮して、実名、エピソード等を削除した箇所有り。有り難い事に某出版社よりすでに出版打診があったがまだまだその時期ではない、マンガを描く事が苦痛になったら活字の方も気分転換にいいかも…。 /*マークは今後書き加える予定のメモと心得たし。 ●前史/修行時代・1970 さいとうプロの短くて濃い日々…… 1968年に上京。数カ月後東京は戦場に。熱い季節の始まりだった。 2年後親元を飛び出し友人のアパートに転がり込む。場所は渋谷から井の頭線で駒場東大駅下車、徒歩5分。地図で見ると現在の駒場公園あたり。昼間でも裸電球を付けなければ真っ暗という馬小屋のような部屋。数メートル先には当時の建設大臣の豪邸が…。前を通りかかるだびに警備のおまわりがじろり。 いつまでも友人に迷惑もかけられないのでとりあえずアシスタントでも…と手元にあったマンガ誌をひっくり返し募集を探す。幸いさいとうプロと横山まさみち氏のところでアシ募集があり両方応募。どっちか一つ通れば…と思っていたら何と両方受かってしまい、双方に条件を聞く。当時高円寺 のアパート、風呂無し4畳半の部屋で相場12000円の時代。前者一ケ月の給料10000円、後者20000円との事。給料の方がボロアパートの家賃より安いとは…!どう考えても前者は食う方法がないと判断し、後者さいとうプロへ入社。 ここに居たのはたったの半年に過ぎないけれど今思えばこれだけで本が一冊描ける位の濃い半年だった。しかしこのあと2X年分も書かねばならないことを思えば今回はいくつかのエピソードを書くだけに留めよう。 ダー松が入った時は小池一夫氏[クビ?]、神田���け志氏や神江里見氏、きしもとのり氏[現・松文館社長]等と入れ替わりの時で、きし氏の女遊びの凄さと神江氏の絵のうまさは伝説になっていた。現在「亀有」「ゴルゴ」が歴代単行本の巻数の多いベスト1、2位だが[ともに100巻を越えた]、3位は神江氏の「弐十手物語」[70巻以上]だという事は知ってる人は少ないだろう。 当時の制作部は、さいとうたかを[以下ゴリ]をトップに石川班[ゴルゴ13、影狩り]、甲良班[バロム1]、竹本班[シュガー、どぶ等]の3つに分かれ、それぞれのキャップにサブ・チーフが一人づついて、ヒラが2~6人いるというシステムで総16名。独立し現在も活躍中の叶精作、小山ゆう、やまさき拓味の3名がそれぞれの班のサブ・チーフ。ダー松は石川班で左右1メートル以内に叶氏とゴリにはさまれ、のんびり出来ない状態で、はなはだ窮屈。叶氏はほとんどマンガ家になりたいとも思った事のなかった人で、設計事務所みたいなところで図面を引いていた人がなぜマンガプロダクションに来たのか不思議だった。格別マンガ好きというわけでもなかったせいか現在まで全ての作品が原作もので、オリジナルは一本もないのはそのせい?祭りなどの人がうじゃうじゃ出てくる群集場面が得意。 やまさき氏は大の競馬好き、現在競馬マンガを多く描くのは当時からの趣味が生きたというべきか。もう一つの趣味である風俗についてはここでは書くのは差し控えよう。小山氏は後日ここの事務の女性と結婚するが、当時はつき合っているとは誰も知らず、スタッフの一人がやめる時その女性に交際を申し込んだら、茶店に呼び出されて小山氏からと凄まれたと聞いたが嘘か本当かは不明。 ここでの生活は新入り[ダー松を含めて3名]は朝の9時前に会社に行き、タイムカードを押し、前日のごみをひとまとめして外に出し、トイレ掃除をして、16人分のお茶を2Fで入れて制作部のある3Fへの狭い階段をふらふら昇り、机ごとに置いて歩き、終れば、一息ついて買っておいたパンと牛乳を3分で食べて、やっとそれから仕事。しかし新入りの3名の内1人折茂は常に遅刻なのでいつも佐藤と2人でやっていた。佐藤も遅れる時はダー松1人で。辞めてから10年位、16人分のお茶を持って階段をふらふら歩きお盆をひっくり返す夢をよく見たものだが、実際ひっくり返したのは折茂と佐藤の2人で、よく茶碗を割っていた。 たまには夕方6時には帰れるが、普通は夜10時までで、アパートに帰って銭湯に行けばもう明日にそなえて寝る時刻、このくり返しの日々。週1日は徹夜で明け方に帰り、その時は当日の昼12時出勤。休日は日曜日のみで忙しい時はそれも取り消し。つまり休みは月3日。[これで給料2万円!]そんな日々の繰り返し。 夕方までは皆和気あいあいと仕事していたが、ゴリが夕方6時頃に「おはようさん」と現れると、全員無駄口がたたけなくなり、仕事場はシーンと静まり返り、以下その日が終わるまでは疲れる時間がただひたすら流れるのみ。 当時石川班は「ゴルゴ13」と「影狩り」を描いていたがゴリは主人公の顔と擬音のみ。マジックで最後に入れる擬音はさすがに入れる位置がうまいと感心。ゴルゴの顔はアルバムに大小取り混ぜてコピーがとってあり、忙しい時は叶氏がピンセットで身体に合わせて「これが合うかな~」といった感じで貼り付けていた。 その頃すでに「ゴルゴ」は近々終わると噂されていたが、現在もまだ続いているとは感嘆ものだ。 ゴリと石川氏が「ゴルゴ」の最終回の終わり方を話しているのを聞いたら、何ともつまらない終わり方。しかしあれから20年以上も経つ事だし、きっともっといい終わり方を考えてあるだろうなと思っていたら、先日TVで本人が最初から考えてある終わり方だと言うのを聞き、がっくり。企業秘密だろうから書かないが、作品の最初の方に伏線が数度出ているのでわかる人にはすぐわかる筈。 辞めた小池一夫氏とさいとうプロに何があったかは知らないが、漏れ聞く話では結構もめ事があったみたいだ。 「子連れ狼」で「ゴルゴ13」と同じ設定の回があった時、「小池のガキャー訴えたるー!」とゴリが吠えていたものだが、結局たち消え。さいとうプロ作品で脚本を書いた本人が辞めた後、他の作品で同趣向の作品を書いても著作権は脚本を書いた原作者のものだと思うがどんなものだろう。その回のタイトルは忘れたが、ある場所に居合わせた人々が武器を持った集団の人質となり、その中に素人だと思われていた主人公、実は殺しのプロフェッショナルがいて、次々とその集団を殺していく、といったプロットで、ミッキー・スピレーンの短編に同じような作品があり、本当に訴えていたら恥をかいたと思うが・・・。 そういえば事務の方には山本又一郎という男がいたが、後年映画プロデューサーとして 「ベル薔薇」や「太陽を盗んだ男」等を創る事になるが、この野郎が生意気な男で当時皆に対して10歳は年上、といった感じの振る舞いだったが後日俺と一つしか年が離れてなかった事を知り、そんな若造だったとは、と皆怒ったものだ。以来奴の事を「マタさん」から「クソマタ」と呼ぶようになる。 さて半年後に先輩たちが積もり積もった不満を爆発させる反乱事件が勃発し、2年は居るつもりでいたここでの生活も、辞めるか残るかの選択を迫られる。残ればさいとうプロの現体制を認める事となるので、ダー松も退社。 しかし反乱グループとは別行動をとって一人だけの肉体労働のアルバイター生活へ突入。超ヘビーな労働の製氷工場、人使いの荒い印刷所、命綱もない高所の足場で働く建設現場等々。トラックの助手をしていた時は運ちゃんが「本宮ひろしって知ってるか?うちの息子の友達でさぁ、昔、おっちゃんメシ食わしてくれーなんて言ってきたもんだが、今は偉くなっちゃってさー、自分のビル建てたらしいよ。赤木圭一郎みたいにいい男なんだ。」とうれしそうに話してくれたが、運ちゃんには悪いがそいつは今も昔も一番嫌いなマンガ家なんだ。あの権力志向はどうにかならんか。天下を取る話ばかりだもんなぁ。 ところで後日、単行本の解説で高取英が「さいとうたかをのヤローぶっ殺してやる!」とダー松が言ったなどと書いているが、小生はそんな危ない事言った覚えはないのでここできっちり訂正しておきます。 「会社に火ィつけてやる!」位は言ったかも・・・[嘘] 。 悪口は言っても別に怨みなど無い。ところでアシスタントとしてのダー松は無遅刻、無欠勤以外は無能なアシだったと反省しきり。理想的なアシスタントとはどんなものか、それはまた別の機会に。 *入社試験はどんな事を? *さいとうプロには当時ほとんどろくな資料は無かった? *ハイジャックの回の飛行機内部の絵は、映画「大空港」を社内カメラマンが映画館で写してきたものをもとに描く。 *当時のトーンは印刷が裏面にしてあり上からカッターでけずったり出来ない。 *トーンの種類は網トーンが数種、それ以外はほんの3、4種類位しかなかった。 *仕事中のB.G.M.はアシの一人が加山雄三ばかりかけるので大ひんしゅく。好評だったのは広沢虎造の浪曲「次郎長三国志」、初代桂春団次の落語。眠気もふっとぶ位笑えた。 ダ-松が岡林信康の「見る前に跳べ」をかけてるとゴリは「何じゃー!この歌は!」と怒る。名曲「私たちの望むものは」はこの男には理解不能。 ●1 9 7 1 ~ 1 9 7 4 持 ち 込 み & 実 話 雑 誌 時 代 当時は青年劇画誌全盛時代で、もともと望月三起也氏や園田光慶氏のファンで活劇志向が強く、 主にアクションもののマンガを描いて持ち込みに行っていた。今のようにマンガ雑誌が溢れかえって、山のようにマンガ出版社がある時代ではなく、数社廻るともう行くところがない、という状態で大手では「ビッグコミック」があっただけで 「モーニング」も「スピリッツ」も「ヤン・ジャン」も当然まだない。テーマを盛り込んだ作品を持って行くと編集から「君ィ、うちは商売でやっているんだからねぇ」と言われ、アクションに徹した作品を持って行くと「君ぃ、ただおもしろいだけじゃあねぇ」と言われ 「おい、おっさん!どっちなんだ?」とむかつく事多し。この辺の事は山のように書く事があるが、有りすぎるのでパス。 *そのうち書く事にする。 ただ金属バットで頭をカチ割って脳みそをぶちまけてやりたいような奴が何人もいたのは事実。今年[’97]「モーニング」に持ち込みに行って、断られた奴が何万回もいやがらせの電話をかけて逮捕された事件があったが、そのうちトカレフを持って殴り込みに行く奴が出てくるとおもしろい。出版社も武装して大銃撃戦だぁ!などと馬鹿な事書いてどうする!とにかく持ち込みにはいい思い出が何もない。そんな中、数本だけ載っ��作品は渡哲也の映画「無頼」シリーズの人斬り五郎みたいな主人公がドスで斬り合う現代やくざもの[この頃の渡哲也は最高!]、ドン・シーゲルの「殺人者たち」みたいな二人組の殺し屋を主人公にした『汚れたジャングル』、陽水の「傘がない」が好きだという編集さんの出したテーマで車泥棒とブラックパンサーの闘士とのロード・ムービー風『グッバイ・ブラザー』、拳銃セールスマンを主人公にした『ザ・セールスマン』、等々10本ちょい位。 さてその頃並行してまだエロマンガ専門誌といえるようなものがなかったような時代で、実話雑誌という写真と記事ページからなる雑誌に4~10ページ位を雑誌の味付けとして描かせてもらう。当時、お手本になるようなエロマンガなど皆無で、エロ写真雑誌を古本屋で買ってきてからみのポーズを模写。マンガで裸を描く事はほとんど初めてで、これがなかなか難しいのだがエロシーンを描くのは結構楽しい。当時出版社に原稿持って行き帰りにグラフ誌をどっともらって帰るのが楽しみだった。SM雑誌の写真ページも参考になる。なお当時のペンネームは編集部が適当につけた池田達彦、上高地源太[この名前はいけてます。また使いたい]等。その数年後、逆にマンガが主で記事が味付けというエロマンガ誌が続々と創刊される。 *さいとうプロをやめたあと編集や知人に頼まれて数人のマンガ家の所へ手伝いに行く。秋田書店「漫画ホット」で『ジェノサイド』を連載中の峰岸とおる氏の所へ行き、仕事が終わったあとまだ売れてない頃の榊まさる氏も交え酒を飲む/川崎のぼる大先生のところへ数日だけ/3000円たこ部屋/小山ゆうオリオンププロ *当時のアルバイトは記憶によると時給150~200円位/大日本印刷市ヶ谷駐屯地/坂/ *一食100円/どんなに貧しい漫画家もみかん箱の上で書くやつはいない/TV萩原サムデイ *ろくでなし編集者 ●1 9 7 5 ~ エ ロ マ ン ガ 誌 時 代 に 突 入 実話誌は意外とエロは抑え目で描くように口すっぱく言われていたのだが、以前活劇っぽい作品を描かせてもらってたが潰れてしまった出版社にいた児島さんが編集する「漫画ダイナマイト」で打合せも何にもなしに好きに描かせてもらい、ここでエロマンガ家としての才能[?]が開花する。描いてて実に楽しく眠る時間がもったいない位で、人に睡眠時間が必要な事を恨んだ程。出来る事なら一日中休まず描いていたい気分で完全にはまってしまう。 初の連載作品「屠殺人シリーズ」はこの頃から/『漫画ポポ』。中島史雄氏は大学時代にこの作品を見ていたとの事で、トレンチコートにドクター・ペッパー模様のサイレンサーつきマグナム銃で遊戯人・竜崎一也が犯しまくり殺しまくり、サディスト、マゾヒスト、殺人狂、まともな奴が一人も出てこない性と暴力の祭典。ちなみにタイトルページは描かないでいい、との事でどうするのかと思っていたら編集部が中のワンカットを拡大してタイトルページを創り、1ページぶんの原稿料をけちるというせこいやり方だった。けちるといえば、原稿の1/3にCMを入れる際、原稿料を1/3削った会社もあり。 ●1 9 7 6 ~ 後に発禁仲間となる高取英と出逢い、『長編コミック劇場』で「ウルフガイ」みたいのをやろうと、怒りに震えると黒豹に変身してしまう異常体質の主人公を設定し、獣姦のイメージで「性猟鬼」なるエロマンガをスタート!しかしその号で雑誌が潰れる。この路線は今でもいけそうな気がするがどんなものだろう。 この頃の珍品に「快楽痴態公園」がある。タイガースに11-0とワンサイドで打ちまくられ、怒ったジャイアンツファンのおっさんが公園でデート中の女をずこずこに犯りまくり、その間にジャイアンツは9回裏に12-11とゲームをひっくり返してしまうのである!その時のジャイアンツの監督はもちろんミスター長嶋、先発堀内、打者は柴田、土井、高田、王、張本等々がいる。タイガース監督は吉田、ピッチャー江本、キャッチャーフライを落球する田淵、そしてあの川藤もいる。解説は牧野…… ●1 9 7 7 ~ 上記2作品を含む初の単行本「肉の奴隷人形」が久保書店より発行。後にリングスの会場で逢った佐竹雅昭氏はこの本が一番好きとの事だった。 「闇の淫虐師」もこの年スタート。一話完結でバレリーナ、バトンガール等々、毎回いろんな女たちをダッチワイフのごとくいたぶりまくるフェチマンガとして1979年まで続け、単行本は「堕天使女王」「裂かれた花嫁」「エロスの狂宴」「陶酔への誘い」「終りなき闇の宴」の全5巻。ちなみに今年「闇の淫虐師’97」を『コミック・ピクシィ』にて発表。いつか『闇の淫虐師・ベスト選集』でも出したいところ。 [’98に実現、’99には続刊が出る] ●1 9 7 8 ~ 久保書店より第2弾の単行本「狂った微惑人形」。収録作品の「犯された白鳥」は持ち込み時代に描いた初のバレリーナもの。結構気に入っていた作品なのに、後年再録の際、印刷所の掃除のおばさんが捨ててしまい、この世にもはや存在しない不幸な子となる。[’99に宝島スピード・ブックに本より直接スキャンして収録] エロ、グロ、ナンセンスの会心作「恍惚下着専科」を発表。サン出版より同名の単行本発行。また同出版より「コミック・ペット/堕天使画集」として今までの作品を続々単行本化。全10巻位。これは今でも古本屋で流通しているとの事で、まだまだ世間様のお役にたっているらしい。 この年、「堕天使たちの狂宴」を描いていた『漫画エロジェニカ』が発禁処分、来年でもう20年目となる事だし、当時の人たちと集まってその大放談を収録し「発禁20周年特集号」でも創ってみようかと計画中。さて当時の秘話としてもう時効だろうから書いてみるけど、前述の『堕天使画集』に「堕天使たちの狂宴」は収録される事となり、当然修正をガンガン入れて出版されるものと覚悟していたら、米国から帰国後出来上がった本を見ると発禁になった状態のまま再録されている!以下桜木編集長との会話 ダ/いや~、いい度胸してますね。 編/だって修正してあるじゃない。 ダ/その修正状態で発禁になったんですよ 編/・・・・・ ダ/・・・・ 以下どんな会話が続いたのか失念…… それにしてもサドの「悪徳の栄え」の翻訳本は発禁後20年以上して復刻されたけれど、「堕天使たちの狂宴」は半年もしない内に単行本になっていたとはエロ本業界とは何といいかげんな世界!しかし作品そのものは、今見るとリメイクする気にもならないどうという事もない可愛い作品で、結局あれもあの時代の姑息な政治のひとかけらに過ぎなかったのだろう。いい点があるとしたら一つだけ、それまでのエロマンガになかった瞳パッチリの少女マンガ的ヒロインを登場させた事位か。今の美少女エロマンガは本家の少女マンガもかくや!という位眼が大きいが当時としては画期的だったかも。 ●1 9 7 9 ~ この年の「淫花蝶の舞踏」は「堕天使たちの狂宴」よりずっといい/『漫画ソフト』。今年出た「別冊宝島/日本一のマンガを探せ!」でベスト2000のマンガがセレクトされているが、ダー松の作品の中ではこの作品が選ばれている。教師と生徒、二人の女たちが様々な男たちの手によってに次々ともてあそばれ、闇の世界を転々として再び巡り会う時、女たちは蝶と化し水平線の彼方に飛び去り、男たちは殺し合い血の海の中で屍と化す。ダー松作品にはこのように男根が女陰の海に飲み込まれてに負けるパターンが多い。[性狩人、遊戯の森の妖精、美少女たちの宴、人魚のたわむれ・・等々] この年からスタートの「性狩人たち」シリーズ[劇画悦楽号]はバレエ、バイオレンス、SEXの三要素がうまくからみあい、それぞれが頂点まで達する幸福な神話的作品だ。ここから派生した路線も多く、美少年路線は’83の「聖少女黙示録」へ。身体障害者路線は’80の「遊戯の森の妖精」、’84からの「美姉妹肉煉獄」へと繋がる。’81の最終話「ハルマゲドンの戦い」ではせりふなしで24ページ全てが大殺戮シーンという回もあり、中でも一度やりたかった見開きで銃撃戦の擬音のみという事も実現。こんな事がエロマンガ誌で許される時代だった。ちなみにこの回は[OKコラルの決闘・100周年記念]だが、何の意味もない。単行本は最初サン出版より、その後久保書店より「白鳥の飛翔」「少女飼育篇」「ヘラクレスを撃て!」「眼球愛」「海の女神」の全5刊。現在入手出来るのは後の3刊のみ。[「海の女神」も最近在庫切れ] この年出た「人魚のたわむれ」の表題作は性器に{たこ}を挿入するカットを見た編集長が「・・・[沈黙]・・・頭おかしいんじゃ・・ブツブツ・・気違い・・・ブツブツ・・・」と呆れてつぶやいていたのを記憶している。たこソーニューは今年出た「夜顔武闘伝」で久しぶりに再現。なおこの作品は’83にマンガと実写を噛み合せたビデオの珍品となる。水中スローモーションファックがなかなかよい。 ●1 9 8 0 ~ なぜか「JUNE」の増刊として作品集「美少女たちの宴」がサン出版より出版され、その短編集をもとに脚本化し日活で映画が創られる事となる。[「花の応援団」を当てたこの映画の企画者・成田氏は日活退社後「桜の園」等を創る。]その際、初めて映画撮影所を見学し、せこいセットがスクリーン上ではきちんとした絵になってるのを見て映画のマジックに感心。タイトルはなぜか「性狩人」で、’96にビデオ化された。監督・池田敏春のデビュー第2作となり現在までコンスタントに作品を発表しているが、出来のいい作品も多いのになぜか代表作がない。初期の「人魚伝説」が一番いいか。 この映画に合わせて「美少女たちの宴」を2~3回のつもりで「漫画ラブラブ」で描き出すがどんどん話がふくらみ、おまけに描いてる出版社が潰れたり、雑誌が潰れたりで雑誌を転々とし条例による警告の嵐がきた「漫画大飯店」を経て、「漫画ハンター」誌上で完結したのは’83になる。この作品でクリトリスを手術してペニスのように巨大化させるという人体改造ものを初めて描く。 この年の「遊戯の森の妖精」は身体障害者いじめ鬼畜路線の第2弾!森の中の別荘に乱入したろくでなしの二人組が精薄の少女の両親達を虐殺し、暴行の限りをつくすむちゃくちゃな作品で、雷鳴の中、少女の性器に男達のペニスが2本同時に挿入されるシーンは圧巻!しかしこのとんでもない男達も少女の性のエネルギーに飲み込まれ、朽ち果てていく・・・。 ●1 9 8 1 ~ 美少女マンガ誌のはしり「レモン・ピープル」誌創刊。そこで描いたのが「白鳥の湖」。虚構の世界のヒロインを犯すというコンセプトは、アニメやゲームのヒロインをずこずこにするという今の同人誌のコンセプトと同じかも。バレエ「白鳥の湖」において悪魔に捕われたオデット姫が白鳥の姿に変えられる前に何にもされてない筈がないというモチーフにより生まれたこの作品は、悪魔に男根を植えつけられたヒロインが命じられるままに次々と妖精を犯して歩き悪魔の娘となるまでを描くが、あまり成功したとは言えない。ただ人形サイズの妖精をしゃぶりまくり淫核で犯すアイデアは他に「少女破壊幻想」で一回やっただけなのでそろそろもう一度やってみたいところ。「ダーティ松本の白雪姫」はその逆をいき、犯す方を小さくした作品で7人の小人が白雪姫の性器の中にはいり、しゃぶったり、処女膜を食べたり、と乱暴狼藉![ちなみに両者をでかくしたのが同人誌「FUCK YOU!3」の「ゴジラVSジュピター」]この童話シリーズは意外と好評で続いて「ダーティ松本の赤い靴」を上記の単行本に描き下ろして収録。童話は結構残酷なものが多く、この作品も切られた足だけが荒野を踊りながら去って行くラストは原作通り。 *近年童話ブームだがこの頃もっと描いておけば「こんなに危ない童話」として刊行出来たのにとくやまれる。 「2001年快楽の旅」もこの本に収録。快楽マシーンを逆にレイプしてしまう、珍しく映画「2001年宇宙の旅」風のSF作品。 掲載誌を決めずに出来る限り多くのマンガ誌で描こうというコンセプトで始めたのがこの年スタートした「怪人サドラン博士」シリーズ。「不死蝶」シリーズや「美少女たちの宴」シリーズの中にも乱入し、「漫画ハンター」最終号では地球をぶっ壊して[その際地球は絶頂の喘ぎ声をあげ昇天する!]他の惑星へ行ってしまう。今のところ10誌位に登場。いつかこのサドラン・シリーズだけ集めて単行本化したいところ。ちなみに「サド」と「乱歩」を足して「サドラン博士」と命名。作者の分身と言っていい。 [後年、「魔界の怪人」として全作品を収録して刊行、04年現在品切れ中] この年描いて’82の単行本『妖精たちの宴』に収録の「とけていく・・」はレズの女たちが愛戯の果てに、肉体が溶けて一匹の軟体動物と化す、タイトルも内容も奇妙な作品。作者の頭もとけていた? ●1 9 8 2 ~ 1 9 8 3 ’83年に「美少女たちの宴」が完結。全てが無に帰すラストのページは真っ白のままで、このページの原稿料はいりません、と言ったにもかかわらず払ってくれた久保書店、偉い![明文社やCM頁の稿料を削った出版社=某少年画報社なら払わなかっただろうな……と思われる……]この作品以外は短編が多く、加速度をつけてのっていく描き方が得意のダー松としてはのりの悪い時期に突入。また10年近く走ってきてだれてきた頃でもあり第一次落ち込み期と言っていい。マンガがスタンプを押すように描けないものか、などとふとどきな考えまで湧いてくる。思えば一本の作品には、いったい何本の線を引いて出来上がっているものなのか。数えた馬鹿はいないだろうが数千本は引いている筈。一ヵ月に何万本とペンで線を引く日々・・うんざりする筈です。 この頃のめぼしい短編をいくつか書くと、少女マンガ家の家に税務調査にきた税務署員が過小申告をネタにねちねちいたぶるが、アシスタントに発見された署員は撲殺される。そして板橋税務署は焼き討ちにあう、といった作品「[タイトル失念]xx税務調査」。[後日読者よりこのタイトルを「色欲ダニ野郎」と教えていただく。ひどいタイトル *編集者のつけるタイトルはその人のセンスが実によくわかる。しかしサイテ-の題だなこりゃ…。 果てるまで「おまんこして!」と言わせながら処女をやりまくる「美処女/犯す!」はラスト、狂った少女が歩行者天国の通行人を撃ちまくり血の海にする。「嬲る!」はパンチドランカーとなった矢吹ジョーが白木葉子をサンドバッグに縛りつけ、殴って、殴って、殴りまくる。段平おっちゃんの最後のセリフ「・・ブスブスくすぶっちゃいるが・・・」「打てッ!打つんだ!ジョー!」「お前はまだ燃えつきちゃいねえ!」とはエロ・ドランカーの自分自身に向けて発した言葉だったのかも。トビー・フーパーばりの「淫魔のはらわた」は電気ドリルでアナルを広げてのファック!とどめにチェーンソーで尻を切断!いまだに単行本に収録出来ず。[’98の「絶頂伝説」にやっと収録]「からみあい」は夫の愛人の性器を噛みちぎる。「危険な関係」はアルコール浣腸をして火をつけ尻から火を吹かせる。この手は『FUCK YOU!2』の「セーラー・ハルマゲドン」で復元。そういえばこの作品の序章と終章だけ描いて、間の100章位をとばすやりかたはこの頃の「禁断の性獣」より。女性器にとりつき、男性器に変身するエイリアンの侵略により地球は女性器を失い滅亡する、といったストーリーで当時聞いた話では谷山浩子のD.J.でこの作品がリスナーの投書でとりあげられ、ダー松の名はダーティ・杉本と読まれたそうな。ヒロインの少女がひろ子という名前なのでこのハガキが選ばれたのかもしれないが、作者は薬師丸ひろ子からとったつもりだったのだが・・。[別にファンではない。] 「女教師狩り」は映画館で観客に犯される女教師とスクリーン上の同名のエロ映画の二本が同時進行し、一本で二本分楽しめるお得な作品。 ’83は’80に「漫画エロス」にて描いた「エロスの乱反射」の最終回の原稿が紛失したため単行本が出せないでいたのを、またまた「仏の久保さん」に頼んでラスト近くをふくらませて「漫画ハンター」に3回程描かせてもらい、やっと’85に出版。見られる事に快感を覚えるファッション・モデルが調教される内に、次第に露出狂となっていき、街中で突然裸になって交通事故を起こさせたり、最後はビルの屋上でストリップショー。そしてカメラのフラッシュの中に飛び降りていき、ラスト1ページはその性器のアップでエンド! 本格美少年・ゲイ・マンガ「聖少女黙示録」も’83。レズの姉たちの手によって女装に目覚めた少年がホモのダンサーたちに縛られなぶられ初のポコチンこすり合いの射精シーン。そして性転換して女となった主いるが、その中の’84の「白い肌の湖」はタイトルで解る通りのバレリーナものだがポコチンを焼かれた男が、一緒に暮ら人公が手術で男になった少女と暮らすハッピー���ンド。この作品は単行本「美少女ハンター」に収録されてす二人の女と一人の男に復讐するエンディングがすごい!まず男の性器を切り取り、片方の女の性器にねじ込んだあと、その女の性器ごとえぐり取る。そしてその二つの性器をつかんだまま、もう一人の女の性器にフィストファック!のあげく、その二つの性器を入れたままの女性器をナイフでまた切って、ほとんどビックマック状態でまだヒクヒクうごめく血まみれの三つの性器を握りしめるとんでもない終り方!全くダー松はこんな事ばかりやっていたのかとあきれかえる。もう鬼畜としか言い様がない!しかし「ウィンナー」を二枚の「ハム」で包むなんて・・GOODなアイデアだ、又やってみよう。 ●1 9 8 4 ~ 「漫画ハンター」で「闇の宴」前後篇を描き、後日これをビデオ化。雪に包まれた六本木のスタジオで痔に苦しみながらの撮影。特別出演として中島史雄氏が絶妙の指使い、東デの学生時代の萩原一至が二役、取材に来たJITAN氏もスタジオに入ってきた瞬間、即出演で生玉子1000個の海で大乱交。カメラマンが凝り性で照明が気に入るまでカメラを廻さず、たった二日の撮影はやりたい事の半分も出来ず。撮影が終ると痔はすぐに完治。どうもプレッシャーからくる神経性だったみたいでこれに懲りてビデオは一本のみ。 この年の「肉の漂流」は親子丼もので、近所の書店のオヤジからこの本はよく売れたと聞いたが、一時よく描いたこのパターンは最近では「FUCK YOU!3」の「母娘シャワー」のみ。熟女と少女の両方が描けるところが利点。「血の舞踏」は久しぶりの吸血鬼もの。股間を針で刺し、噛んで血を吸うシーン等々いい場面はあるが、うまくストーリーが転がらず3回で止める。短編「果てるまで・・」は核戦争後のシェルターの中で、父が娘とタイトル通り果てるまでやりまくる話。被爆していた父が死んだ後、娘はSEXの相手を捜して黒い雨の中をさまよう。 またリサ・ライオンの写真集を見て筋肉美に目覚め、マッチョ女ものをこの頃から描き出す。しかしなかなか筋肉をエロティックに描くのは難しい。 ●1 9 8 5 ~ くたびれ果ててすっかりダレてきたこの頃、8年間働いてくれたアシスタント女史に代わってパワーのかたまり萩原一至、鶴田洋久等が東京デザイナー学院卒業後加わってダーティ・マーケットも第2期に突入!新旧取り混ぜておもしろいマンガをいろいろ教えて貰って読みまくる。「バリバリ伝説」「ビーバップハイスクール」「ペリカンロード」「めぞん一刻」「わたしは真悟」「Be Free!」「緑山高校」「日出処の天子」「吉祥天女」「純情クレイジー・フルーツ」「アクター」「北斗の拳」「炎の転校生」「アイドルをさがせ」「綿の国星」「いつもポケットにショパン」「バツ&テリー」「六三四の剣」永井豪の絶頂期の作品「バイオレンス・ジャック」「凄之王」「デビルマン」等々100冊以上とても書ききれない位で、う~ん・・マンガってこんなにおもしろかったのか、と感動! そこで眠狂四郎を学園にほうり込んで、今まであまり描かなかった学園マンガをエロマンガに、というコンセプトで始めたのが「斬姦狂死郎」。「六三四の剣」ばりに単行本20巻を目指すものの、少年マンガのノリは今では当たり前だが、当時はまだエロマンガとして評価されず、ほんの少し時代が早すぎたかも。’86に中断、今年’97に「ホリディ・コミック」にて復活!果たしていつまで続けられるか? →後に「斬姦狂死郎・制服狩り」、「斬姦狂死郎・美教師狩り」として刊行完結 前年末から始めた「美姉妹肉煉獄」は身障者いじめの鬼畜路線。盲目の姉とその妹を調教して性風俗店等で働かせ、娼婦に堕していく不健全・不道徳な作品で、肉の快楽にひたっていく盲目の姉に対し妹も「春琴抄」の如く己の眼を突き、自らも暗黒の快楽の世界にはいり、快楽の光に目覚めるラスト。 また、これからは女王様物だ!となぜか突然ひらめき「筋肉女」シリーズの延長としてフィットネス・スタジオを舞台に「メタル・クイーン」シリーズも開始。これは単行本2冊分描いたが、連載途中でヒロインの髪型を歌手ステファニーのヘア・スタイルにチェンジしたり、レオタードもたっぷり描けてわりと気に入っている。 10年近く描いた「美蝶」先生シリーズもこの年スタート!こうしてみるとマンガを描く喜びに満ちた大充実の年だったかも。 ●1 9 8 6 ~ この年は前年からの連載ものがほとんどだが、「エレクト・ボーイ」は空中でファックするシーンが描いてみたくて始めた初の超能力エロマンガ。コメディ的要素がうまくいかず2回で止める。この路線は翌年の「堕天使輪舞」で開花。 「夜の彷徨人」は自分の育てた新体操選手が怪我で選手生命を失ったため、その女を馬肉のごとく娼婦として夜の世界に売り渡した主人公という設定。しかし腕を折られ、女にも逆に捨てられ、そして事故によってその女を失ったあげく不能となってしまう。失った快楽を取り戻すため無くした片腕にバイブレーターを取りつけ、夜の街をさすらい次々と女たちをレイプしていくというストーリー。がっちり設定したキャラだったのにまったく話がはずまず、男のポコチンは勃起しないままに作品も不発のまま終る。 「斬姦狂死郎」が不本意のまま終わったため学園エロス・シリーズは「放課後の媚娼女」へと引き継がれる。当時見ていた南野陽子のTV「スケバン刑事・」とS・レオーネの「ウエスタン」風に料理。ラストの「男といっしょじゃ歩けないんだ」のセリフは一番好きな映画、鈴木清順の「東京流れ者」からのもじり。単行本は最初司書房から出て、数年後ミリオン出版から再販、そして’97久保書店より再々販ながら結構売れて今年また再版。この作品は親を助けてくれる有難い孝行息子といったところ。 ●1 9 8 7 ~ さいとうプロOBで那珂川尚という名のマンガ家だった友人の津田が「漫画ダイナマイト」の編集者になっていて、実に久しぶりに同誌で「堕天使輪舞」を描く。超能力エロマンガの第2弾。今回はエロと超能力合戦とがうまくミックスされ一応成功といっていい。この路線は「エレクト・ボーイ」とこの作品、そして’96の「夜顔武闘伝」も含めてもいいかも。一時、この手の作品は数多くあったが最近はめったに見かけない。しかし、まだまだこの路線には鉱脈が眠っているとにらんでいるがどんなものだろう。 ●1 9 8 8 ~ 「放課後の媚娼女」に続いて抜かずの凶一無頼控え「放課後の熱い祭り」を2年がかりで描く。’89に完結し司書房より単行本化。そして今年’97に改定してめでたく完全版として復刊!この頃が一番劇画っぽい絵で、たった2~3人のスタッフでよくこれだけ描き込めたなと改めて感心!エロシーンがちょっと少なめながら中島史雄氏がダー松作品でこの作品が一番好き、とお褒めの言葉を頂戴する。 TVで三流アマゾネス映画を見ている内、むくむくとイメージがふくらみ、昔から描きたかった西部劇と時代劇がこれで描けると、この年スタートさせたのが「不死蝶伝説」なるアマゾネス路線。昔々青年誌の創世期にあのケン月影氏がマカロニ・ウエスタンを描いていたことを知る人は少ないだろう。俺もあの頃デビューしていたらウエスタンが描けたのに、と思う事もあったが、このシリーズでほんの少しだけその願望がかなう。 この頃、アシスタントやってくれてた格闘技マニアの鶴田洋久に誘われ、近所の空手道場通いの日々。若い頃修行のため新宿でやくざに喧嘩を売って歩いたという寺内師範は、もう鬼のような人で、行けば地獄が待っていると判っててなぜ行く?と不思議な位休まず通う。体育会系はマゾの世界と知る。組手は寸止めではなく顔面以外は当てて可だったので身体中打撲のあざだらけ、ビデオで研究したという鶴田の体重をかけたムエタイ式の蹴りをくらい、右手が饅頭のように腫れ上がる。先輩たちの組手の試合も蹴りがもろにはいってあばら骨が折れたりで、なぜこんなヘビーな事をする?と思うが、闘う事によって身体の奥から何か沸き上がってくるものがある。スリランカの元コマンドと組手をやった時、格闘家の気持ちが少しだけ判るようになった。 ●1 9 8 9 ~ ’94まで続く「美蝶」シリーズでこの年は『ノスフェラトウ篇』を描き、シリーズ中これが一番のお気に入り。同人誌の「王夢」はこれが原点。 短編では「悪夢の中へ」はスプラッタ・エロマンガで久しぶりにチェーンソゥでお尻のぶった切り!はらわた引きずり出し、人肉食いちぎり!顔面叩き割り等々でラストに「ホラービデオの規制をするバカは俺が許さん!」などと書いているので、この年が宮崎事件の年か?世間は彼が日野日出志・作のホラービデオ「ギニーピッグ」を見てあの犯罪をおかした、としてさんざんホラービデオの規制をやっといて、結局見てもいなかったとわかったあとは誰一人日野日出志氏にもホラービデオさんにも謝らす゛知らんぷり。残ったのは規制だけで、馬鹿のやる事には全く困ったもんである。先日の「酒鬼薔薇・14才」の時も犯罪おたくの心理学者が、「これはマンガやビデオの影響です。」などと相も変わらずたわけた寝言をぬかしていたが、馬鹿はいつまでたっても馬鹿のまま。少しは進歩しろよ!お前だよ、お前!短絡的で幼稚な坊や、小田晋!よぅく首を洗っとけ!コラ! 「獣人たちの儀式」は退学者や少年院送りになつた生徒、暴走族、ヤクザ達が集まって酒盛りしながら女教師たちをずこずこにしてOB会をひらく不健全作品。編集長が「また危ない作品を・・・」とこぼしたものだが、岡野さん、田舎で元気にお過しでしょうか。この頃の「漫画エロス」には「ケンペーくん」だとか「アリスのお茶会」だとかおもしろい作品が載っていたものです。「爆走遊戯」は伝説のストーカー・ろくでなしマンガ家の早見純が一番好きな作品と言ってくれたが、なぜだかわからない。人の好みはいろいろです。以上3本は単行本「熱き唇の女神」に収録。 「ふしだらな女獣たち」はフェミニストの女二人が美少年をいじめる話。これは「氷の部屋の女」に収録。 ●1 9 9 0 ~ この年の「美蝶」シリーズは『ダンシング・クイーン篇』。マネキン工場跡でJ・ブラウンの「セックス・マシーン」にのせて5人プレイをするシーンや文化祭でのダンスシーン等々結構好きな場面多し。暗くて硬い作品が多いので、この「美蝶」シリーズは肩肘張らずに、かなり軽いノリでキャラクターの動きに任せて、ストーリーも、そして次のコマさえも先の事は何にも考えず、ほとんどアドリブで描いた時もある。 「不死蝶伝説」に続いてシリーズ第2弾「不死蝶」は2誌にまたがって2年位続ける。これも結構お気に入りの一遍。 ●1 9 9 1 ~ 1 9 9 3 「性狩人たち」の近未来版、といった感じの「夜戦士」は学園物が多くなったので、マグナム銃で脳天をぶっとばすようなものが又描きたくなって始めたミニシリーズ。全5話位。松文館より単行本「黒い夜と夢魔の闇」に収録。 この年から知り合いの編集者がレディス・コミックを始める人が多く、依頼されてどうしたものかと思ったが、エロなら何でもやってみよう精神と何か新しい世界が開けるかも、という事から’94位までやってみたものの結果的に不毛の時代に終わる。与えられた素材が体験告白物という事で、非現実的なものは描けないという事は得意技を封印して戦うようなもので苦戦を強いられ、これって内山亜紀氏がやまさき十三原作の人情話を描いたようなミス・マッチングで不発だったかな。今後、もしやることがあれば美少年SMのレディス・コミックのみ。そんな雑誌が出来れば、の話だが。 いくつかやったレディコミの編集の一人「アイリス」の鈴木さんは同じさいとうプロOBで、マンガ・アシスタント、マンガ家、マンガ誌の編集、そして今はマンガ学校の講師、とこれだけ多くのマンガに関わる仕事をしてきた人はあまりいないだろう。これでマンガ評論でもやれば全て制覇だが・・・。 この頃はいつもと同じ位の30~40本の作品を毎年描いていたが、レディコミは一本30~40枚とページが多く結構身体にガタがきた頃で、右手のひじが腱傷炎になり1年以上苦痛が続く。医者通いではさっぱり痛みがひかず、電気針で針灸治療を半年位続けてやっと完治。その後、住んでいたマンションの理事長を押しつけられ、マンション戦争の渦中に巻き込まれひどい目にあう。攻撃するのは楽だが、話をまとめるなどというのは社会生活不適格のダー松には大の苦手で「お前等!わがままばかり言うのはいいかげんにしろー!」と頭をカチ割りたくなるような事ばかりで、ひたすら我慢の日々で血圧がガンガン上がり、病院通いの日々。確実に寿命が5年は縮まる。あの時はマジで人に殺意を抱いたものだが、今でも金属バット持って押しかけて奴等の脳みそをクラッシュしたい気分になる時もある。いつかこの時の事をマンガにしようと思っていて、まだ誰も描いてない「マンション・マンガ」というジャンル、タイトルは「我が闘争」。え?誰も読みたくない? この間に出た単行本は「血を吸う夜」、「赤い月の化身」「熱き唇の女神」[以上・久保書店] /「牝猫の花園」「真夜中の人魚たち」[以上久保書店]、「美蝶/放課後篇」「美蝶/ダンシング・クイーン篇」「不死蝶/鋼鉄の女王篇・上巻」[以上ミリオン出版]。 ●1 9 9 4 ~ 1 9 9 5 ろくでもない事が続くのは厄払いをしなかったせいか、このままここにいたら頭がおかしくなる、と15年以上いたマンションから引っ越し。板橋から巣鴨へ移動し気分一新!以前からうちもやりましょうよ、と言われていた同人誌創りをそのうち、そのうちと伸ばしてきたものの遂に申し込んでしまい、創らざるをえなく���る。しかもそれが引っ越しの時期と重なってしまい大いに後悔する。しかしいろんな人にお願いして何とか一冊でっちあげ、ムシ風呂のような夏コミに初参加。これが運命の分岐点。レディコミもこの年で切り上げ、以下同人街道をまっしぐら。現在まで「FUCK OFF!」が9まで、「FUCK YOU!」が4まで計10+&冊創る。 ’95からダーティ松本の名前にも飽きてきたしJr,Sam名でも描き始める。 レディコミ時代は松本美蝶。あと2つ位違うペンネームも考案中。 この間の単行本「氷の部屋の女」「双子座の戯れ」[久保書店]、「黒い夜と夢魔の闇」[松文館]、「危険な女教師/美蝶」[ミリオン] ●1 9 9 6 ~ 美少女路線の絵柄もこの年の「夜顔武闘伝」あたりでほぼ完成、今後また少し変化させる予定。しかしこの作品は超能力、アマゾネス、忍法エロマンガとでも呼ぶべきか。「グラップラー刃牙」みたいに闘技場での勝ち抜き性武道合戦までいきたかったけれど、残念ながらたどり着けず。 「冬の堕天使」は久しぶりの吸血鬼もの。都営住宅で生活保護をうけている吸血鬼母子のイメージが浮かび、そこから漫画家協会・加藤芳郎を撃つ有害図書騒動のマンガへ。吸血鬼少年が光の世界との戦いに旅立つまでを描き、「闇に潜みし者」は時空を越えて近未来での戦い。その間を描く作品を今後創らなければ。 「FUCK CITY 2006」はクソ溜めと化した近未来のTOKYOを舞台に久しぶりにダーティ・バイオレンスが炸裂!ハード・エロ劇画と同人誌風・美少女路線の合体は果たしてうまくいったかどうか?30ページほど描き足して、’97、9月にフランス書院のコミック文庫にて発売。[「少女水中花」] 「放課後の媚娼女」と「人形愛」刊行。[いずれも久保書店刊]前者は以前、上下巻だったのを一冊にまとめて。後者は近作を集めた同人時代を経ての初単行本で、同人誌を知らなかった読者はショックを受ける。メタルフアンから以下のようなお手紙を受け取る。「これはジューダス・プリーストの『ターボ』だ。ラストの『眠れる森の少女』は『レックレス』にあたる。しかしジューダスもその後『ラム・イット・ダウン』や『ペイン・キラー』という傑作を世に出した事だし、今後を期待したい」という意のダー松のようなメタルファン以外は意味不明の激励をうける。 ●1 9 9 7 同人誌「エロス大百科シリーズ」スタート!いろんな項目別に年2刊づつ計100ページ位を別刊シリーズとして出し続ければ10年で1000ページになり、以前「谷岡ヤスジ1000ページ」という枕に最適の本があったが、これも一冊にまとめて枕にして寝れば、目覚める頃は3回夢精しているなんて事に・・・などとまだたった40ページの段階で言っても何の説得力もないか。飽きたら2~3号でSTOPするだろうし・・。[推測通り「毛剃り」「美少年SM」「女装」3号でストップ中]冬にはやおい系にも進出の予定。 今年出した単行本は厚くて濃いエロマンガを集めた久保書店MAXシリーズ第2弾!「放課後の熱い祭り/完全版」と「夜顔武闘伝」オークラ出版。ともに大幅描き足して25周年記念出版として刊行。ティーツー出版よりJr,Sam名で「昼下がりの少女」、9月にはフランス書院より「少女水中花」の文庫本が出る予定で現在、この同人誌と並行して描き足し中。「斬姦狂死郎」第2部も「ホリディ・COMIC」誌にて6月よりスタート!年内創刊予定の『腐肉クラブ』なる死体姦専門のマンガ誌にも執筆予定。 さてさて25年間、旅行の時を除いて、現在まで2日続けてマンガを描かなかった事はほとんどない。これはその昔、伊東元気氏というマンガ家とお会いしたとき「今月何ページ描いた?」との問いに、「今月仕事ないんでぜんぜん描いてません」と答えたら、「そんな事じゃ駄目だ。仕事があろうがなかろうが、毎月100頁は描かなきゃ。」と言われ、以後その教えを守り[描けるページ数は減ったが]、マンガは仕事ではなくなり、朝起きたら顔を洗うのと同じで生活そのものとなり現在に至る。 今は何でも描けそうなハイな状態で、以前はたまには外出しないと煮詰まってしまうので週いち位ガス抜きをしていたものだが、最近はせいぜい月いち休めば十分の「純エロマンガ体」。[純粋にエロマンガを描くためだけの肉体、の意。ダー松の造語] こうしてふり返ると、この路線はまだえぐり足りない、これはあと数回描くべし、なぜこれを一度しか描かない!等々、残り時間にやるべき事、やりたい事の何と多い事! 爆裂昇天のその日まで・・・ 燃 え よ ペ ン ! なお続きは 1997年後期 1998年 INDEX
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08280005
.........だから、俺がもし大通りで通り魔殺人をするなら、きっと最初に狙うのは腹の大きな女だ。子供が狙い目だと思われがちだが、案外そうでもない。もう生まれてしまった子供は親が必死になって守るから、むしろ普通の人間よりも狙いにくい部類だろう。くだらないが、それを無理矢理狙って殺すのは至難の技だ。両親が揃っているなら尚更。
俺の目の前でベビーカーを押す女が楽しそうに旦那に話しかけて、旦那は嬉しそうに目を細め子供をあやしている。ああ、世界共通の幸せの絵だ。反吐が出る。
幸せ、ってなんだ?他人から見て、己が幸せな姿に映ることか?いや、違う。幸せは、自分の置かれている状況について何も不平不満を抱かず、我慢を強いられることなく、全て俺の意のままに遂行されることだ。そうに違いない。幸せ、幸せ。ああ、俺は幸せになりたい。ずっと子供の頃からの夢だった。幸せになることが。幸せになることこそが。
他人の幸せに対して恐ろしく心が狭くなったのは、きっと今俺の置かれている状況が著しく幸せから遠いから、だろう。社会の中での立ち位置も、持って生まれた時点で腐っていた神様からのギフトとやらも、白痴付近を反復横飛びする出来の悪い頭も、見てくれの悪さも、全てだ。
自ら遠ざかったつもりはない。人の幸せを妬んで、それで、手に入らないことには気付いていて、そして、そして、?
?ん、あぁ、覚める、ダメなやつだ、これ、と、思考が曖昧になって、見えていたものも、匂いも、温度も、何もかもが遠ざかって、そして、何も見えなくなった。
極めて自然に、目蓋が開いた。手探りで掴んだスマホの画面を見れば、時刻は朝の5時を少し回ったところだった。曜日表示は土曜。どちらにせよ早すぎる。
"彼"の中途半端に病んだ思考が俺の頭と同期して、混ざろうとしているのが分かって吐き気を覚えた。やめろ。混ざるな。のそり、重たい身体をベッドから引きずり起こして、ふらふらと冷蔵庫に縋り付き、冷えたミネラルウォーターを喉へ流し込んだ。水の通り道が冷えていって、そして胃の辺りがじんわり冷たくなる。物理的にはあり得ないが、その温度は首の後ろを通って、脳へと伝わり、思考が少し、冷めていく。
何が通り魔だ。情けない。俺の夢を支配して、外に出たがったくせにやりたいことがそんなバカの憂さ晴らしだなんて興醒めもいいところだろう。しかも、やる前のウジウジした感情から見せるなんて。はっ。しょうもない。どうせなら血溜まりの中の回想にでもしてくれていれば、今頃、小話くらいには昇華出来たものを。
奴の目線から見えていた短い指と、くたびれ皺の寄ったスーツとボロボロの革靴、己を嘲笑っているように見える周りの視線と話し声、やけに煩いメトロの到着メロディ、喧騒、咽せるようなアスファルトの油の匂い、脳天に刺さる日差し、それら全てを戦後の教科書の如く黒塗りで潰して、そして、深呼吸ののち頭の中のゴミ箱へと入れた。これで、俺は、俺に戻れる。もう一眠りしよう、と、布団に潜り込み、俺は柔らかい綿人形を抱き締めて、眠るための定位置へと着き直した。
物書きで飯を食える、などという夢を抱く間もなく、敷かれたレールに乗って模範囚の如く社会の、それも下の方の小さな歯車の一つに成り果てた俺。チャップリンのように笑えたらいいんだろうが、生憎笑えない現状の片手間で書いている小説、そんな大層なものではないが、もう200を超えただろうか。詳しく数を数えてはいない。数字を重ねることに、大して意味はない。ただ増えていくソレを見るよりも、彼ら、彼女らの過去、未来に想いを馳せる方がよっぽど大事だ。俺は、彼らの人生を文字に変え、束の間の虚無を忘れている。
俺は、自分の力では、小説を書けない。
一昔前に流行ったゴーストライターではなく、どこかの小説の盗用でもない。人から詳細を聞かれたら、「主人公達が動くのを見て書いてる」と答えて誤魔化しているが、俺は、自分の夢を小説にしていた。いや、自分の夢でしか、小説を書けない。
夢の中で、俺は俺じゃない誰かとなって、違う人生の一部を経験する。なった誰かの感情と共に。そしてその夢は、嫌に鮮明に、必ず完結して終わる。
そのおかげで、俺はまるで自らが体験したように、綿密な話が書ける。不思議と夢を忘れることはなく、内容によっては自ら夢を捨て、今朝のように半ば不快感を持って目覚める。そして、その夢の記憶はじきに消える。
そうして俺は眠り、夢を見て、出てくる彼らの物語を文字に認めて、満たされず空虚な、平々凡々な自分の人生を今日も狂気で彩る。
ある日偶然君の皮膚片を食べた時、世界にはこんなにも美味しいものがあったのかと感嘆し、感動のあまり失禁したことを思い出した。
目が覚めた瞬間、これよりいい書き出しは無い、と思った。思考は溶けた飴のように彼のものと入り混じっていて、はっきりと覚醒はしない。恐らく、俺の思考は殆ど死んでいるんだろう。今こうして無心で手を動かしているの���、確かに生きていた彼だ。口内には口にしたこともない見知らぬ女の皮膚片の味がこびりついて、舌の上がまだぬるぬると滑る感覚、しょっぱい味が残っていた。食べたことのない味。ああ、書かないと、無心で筆を走らせる。書く瞬間、俺は俺でなくなり、彼が俺を使って脳を動かしているような感覚に陥る。戻ってこられなくてもいい、そのまま彼に身体を明け渡しても後悔なぞしない。と、俺は諦め身体の主導権を彼らに手渡している。
ふと気が付いたときには、もう小説は書き上がっていた。軽く誤字を確認して、小説掲載サイトにそれを載せる。人からの反応はない。別に必要はない。
サイトを閉じ、ツイッターを開く。現れたアカウントでただ一人フォローする彼女のアイコンを見て、そしてDMを開いて、青い吹き出しが羅列される様をざっと見て、心が幸せに満たされていくのを感じる。じわり、と湧き出たのは、愛情と、快楽と、寂しさと、色々が入り混じったビー玉みたいな感情だった。
彼女は、ネットの中に存在する、美しく気高く、皆から好かれている人気者。そんなのは
建前だ。彼女は、まさしく、
「おれの、かみさま。」
そう呟いて画面をなぞる。ホワンと輪郭がぼやけたケーキをアイコンにしているあたり、ここ最近どこかへケーキを食べに行ったのかもしれない。俺が彼女について知ってることは、声を聞く限り恐らく女性で、恐らく俺よりも歳が下で、俺のことなど認知すらしていない、ということだ。
別に悲しくなんてない。彼女はただここにいて、俺に愛されていてくれれば、それでいい。拒絶されない限り、俺の幸せは続く。好きだ、好きだ、今日も彼女が好きだ。
彼女のツイートは食べたスイーツのこと、日常のほんの些細ないいこと、天気のこと、そんなささやかな幸せに溢れた温かいものばかり。遡る度、何度見ても心が溶かされていく。
どこで何をしているのか、どんな服を着て誰と笑うのか、そんなのは知らない。どうでもいい。得られないものを欲しがるほど俺は子供じゃない。そばで幸せを共有したいなど、贅沢が過ぎて口にした日には舌でも焼かれそうだ。
『今日も、好きだよ。』
また一つ増えた青い吹き出しをなぞり、俺は不快感に包まれる頭を振り、進めかけていたゲームの電源を入れた。時刻は午後の2時。窓の外では蝉がけたゝましく鳴いており、心の底から交尾を渇望しているらしかった。
触れ合えないことを、惜しいと思わない日はない。彼女の柔肌に触れて、身体を揺さぶって一つになることが、もし出来るのなら、俺は迷わず彼女を抱くだろう。幾度となくそんな妄想で、彼女を汚してきた。俺の狭い部屋のベッドの上で、服を雑に脱ぎ散らかし、クーラーでは追い払い切れない夏の湿気と熱気を纏った彼女が、俺の上で淫らに踊る様を、何度想像したか分からない。その度に俺は右手を汚し、彼女への罪悪感で希死念慮が頭を擡げ、そしてそんな現実から逃げるように夢を伴う惰眠を貪る。
彼女を幸せにしたいのか、彼女と共に幸せになりたいのか、彼女で幸せになりたいのか、まるで分からない。分からない、と、考えることを放棄する俺の脳には、休まる時はない。
俺の中の彼女は最早、彼女本人からはかけ離れているのかもしれない。俺が見る夢の種類は大まかに分けて二つ、目を覆いたくなるような凄惨な感情の入り混じるものと、急に凪になった海をただ眺めているような穏やかなもの。後者に出会った時、俺は必ずと言っていいほど相手の人格を彼女に当てはめる。彼女は右利きで、俺の左に立つのが好きだ。彼女は甘党で、紅茶に詳しくダージリンが特に好み。彼女は子供が好きで、時折自身も無邪気に遊びまわる。彼女は、彼女は、彼女は。どれも、ツイートからじゃ何も読み取れない、俺が付与した彼女のあるべき姿だ。起きて、文章を仕上げて、そして心には虚しい以外の感情が浮かばない。
分かりやすく言うなら、花を育てる感覚に似ている。水を注ぎ、栄養をたっぷり与え、日の光と風を全身に浴びさせて、俺が花から得る物理的なものは何もない。花の子孫繁栄の手助けとしてコマとなり動いたに過ぎない。花側から見ても、ただ育った環境が良かったという認識にしかならないだろう。それでいい。俺はただ目の前で、花が咲くのを見られたらそれで良かった。植物と違って人間は枯れない。根腐れもしない。メリットがあれば、大切に大事に育てれば、半永久的に、花を咲かせ続けてくれる。これほど幸せなことはないだろう。自らの手で育つ様を、永遠に見られるなんて。
ああ、今日も彼女が好きだ。
恋は病気で愛は狂気。言い得て妙だ。病気、狂気、これはまさしく狂気だろう。まごうことなき、彼女への愛なのだから。世間で言う正しい愛じゃないことくらい、まだ正気を保ってる俺の脳は理解してる。が、正しさが必ずしも人を幸せにするわけではない。しかし、正しくない、道が外れている、本当の愛ではない、そう声高に叫ぶ内なる自分がいるのも確かで、結局俺は世間よりも何よりも、俺に足を引っ張られて前に進めないまま、深く深く沈んでいく。ただ一つ言えるのは、どんな形であれ、俺が彼女に向ける愛は狂気であり、すなわちそれが愛ということだ。
純粋な愛からなる狂気ならどれほど良かっただろう、と、目覚めた瞬間トイレに駆け込み僅かばかりの胃液を吐き出しながら考えていた。つい先日の思考を巻き戻して、何処かに齟齬があったかと必死に辿るが吐き気に消されて頭の中が黒に塗り潰される。
違和感を感じたのは夢が始まってすぐのことだった。視界が、進み方が、現実と大差ない。変だ。いつもなら若干の浮遊感から始まる夢が、地に足ついた感覚で、見える手や腕も自身のもので恐らく間違いない。なぜだ。初めてのパターンに内心は動揺しているが、夢の中の俺は平然としている。俺は黙々と愛車を運転し、車は山道を奥へ奥へと進んでいく。ガタゴトと揺れる車に酔いそうになりながらも、ナビを切りただ道なりに進んで、そして暫くしてから、脇道へと入った。脇道といっても草は生え放題、道未満のその木のないエリアを少し走ってから車を止めた俺は、車内のライトをつけ、行儀悪く身を乗り出して後方座席へ移動し、転がっていた黒い巨大なビ��ール袋を破いた。
キツく縛られまるで芋虫のような姿で袋から出てきたのは、紛れもない、何度夢想したかわからない、愛おしい彼女だった。俺は、彼女の着ている薄いワンピースの感触を楽しむように掌で撫で、身体のラインを触れて覚えていく。凹凸、滑らかな生肌を想像しながら身体を撫で回し、スカートの裾を少しずつたくし上げていく。彼女が噛んでいる猿轡には血が滲んでおり、嫌々、と首を振っては綺麗な涙をぱたぱた散らす。そのリスのような丸い目に映る俺はきっと、この世の誰よりも恐ろしい化け物に見えているだろう。身体を暴く手は止まらない。胸を、局部を、全てあらわにし、下着を一度抱きしめてから破り捨てる。そして、現れた汚れなき場所へ、手を、口を寄せ、そして、俺は、彼女と、一つになった。頭の中が気持ちいい、暖かい、柔らかい、という白痴のような感想で埋め尽くされる。彼女に埋まった俺の身体の一部が溶けてしまう、気持ち良さで脳が溶けてしまう、身体の境界も全て失ってただ善がる概念になってしまう。ああ、ああ、と、感嘆する声が漏れて、俺は目の前の柔い身体を撫で回し、噛み、舐めしゃぶり、全身で味わった。涎が溢れて止まらない。彼女の柔らかい腹にぼたぼたと泡混じりで落ち溜まっていく。鼓膜に己の荒い呼吸音だけが響いて、車外の虫の声も彼女の呻き声も、何も聞こえない。ただただ車はギシギシと揺れ、彼女の目尻から絶えることなく涙が溢れて、俺の心から絶えることなく多幸感が溢れて、彼女の中に彼女と俺が混ざり合った生き物の種が植え付けられた。
死んだと見間違う目をした彼女へ、俺は口を寄せて一言、囁く。
『今日も、好きだよ。』
そこで目が覚めた。
吐くものが無くなってもまだ喉がひくりひくりと痙攣していた。苦しい。買い溜めしておいた水の段ボールを引き寄せて、無造作に掴んだ一本を雑に開け胃へと流し込む。零れた水が首を伝ってTシャツを濡らした。ぜえぜえと喉が鳴る。頭を振り払って、絞り出した声は驚くほど情けないものだった。
「そんな、はずはない、あんなの、俺じゃ、俺じゃない、っ、��...」
逆流する胃液に応戦するように水を飲む。喋ると逆効果なのは分かっているのに、誰に主張したいのか、言葉は止まらない。今話しているのは俺か、誰か、分からない。
「俺はそんなこと望んでない!!!!っ、くそ、ふざけんな...っ、クソ...」
込み上げた涙は悔しさ故。浅ましい己の脳がどうにも恥ずかしく、憎らしく、それに縋って自尊心を保っていた己が卑しく、そして何よりも己の夢の特性に殺意が湧いた。
一度、目を覆っても嫌になるような凄惨な夢を見た。それは、簡単に言えば理不尽な男がバールで一家をぐちゃぐちゃに叩き潰す話だった。書くべきなのか、と筆が止まり、彼の人格を放置したまま俺は1日過ごして眠り、そして、同じ夢を見た。次の日も、次の日も、むせ返るような血の匂いと足を動かすたびにびちゃりと鳴る足音と、頭部を殴った拍子に転がり落ちた眼球を踏んだ足裏の感触と、その後彼の同居人が作ったハンバーグの味が消えないまま1週間が経ち、俺は書かなければ夢に殺されると自覚して、筆を取った。
夢を使って自分を満たす以上、逃げることは許されない、ということか。忌々しい。まだ治らない吐き気に口元を押さえ、放り投げていたスマートフォンを手に取った。仕事を休んでも夢に囚われ続ける。ならば、書くしかない。時刻は朝の4時半過ぎを指し示していた。
そして、彼女を好き放題貪った話がスマートフォンの中に出来上がった。満員電車で誤字チェックをすると、周りの乗客の視線がこちらに向いている気がした。フラフラするが、仕事からは逃げられない。あの夢も、俺の偽物もこれで消えた。今日は眠れる。
楽観視、だったんだろう。巣食う闇の深さは思った以上だった。俺は翌日も吐き気で目覚めトイレに駆け込み、脳内をぐるぐると駆け回る、四肢に残る彼女の感触と、膣内の締め付けと湿り気、背中に走る絶頂感と共に噛みちぎった喉笛のコリコリとした食感、口に溢れる鉄臭い鮮血の味、そして、恍惚とした表情で俺に抱かれたまま絶命した彼女の顔を、振り解いて捨てようとしては目眩に襲われた。
「分かった、書くから、分かったから...俺じゃない、あれは俺じゃない、俺の皮を被った偽物だ、」
彼女の夢を見始めてから、ツイッターを覗かなくなった。
彼女は、毎日俺の夢に出てくるようになった。最悪の気分で夢に無理矢理起こされ、時折吐いて、震える手でなんとか夢を文字で起こして、溜まっていくそれらはメモを圧迫していく。救えない。先が見えない。
そして夢で彼女を殺し始めてから、今日で3日が経った。もう、うなされることも跳ね起きることもない。静かに目を開けて、見慣れた天井を認識して、重い胃を抑えて起きるだけだ。よくもまああんなに楽しんで殺せるもんだ。と、夢の内容を反芻する。
彼女の膨らんでいた乳房も腹も尻も太ももも、鋭利なサバイバルナイフでさっくりと切り取られていた。カケラはそこかしこに散らばって、手の中には乳房があっ��。俺は生暖かい開かれた彼女の腹に手を探り入れて、挿入していた愚息を膣と、そしてその先に付いた子宮の上から握りしめた。ないはずの脈動を掌で感じるのは、そこが、命を育む大切な部屋だから、だろうか。暖かい、俺の作られた場所。彼女の作られた場所。人間が、人間になる場所。ああ、気持ちいい。無心で腰を動かせばがくがく揺れる彼女の少ない肉が、小さく蠢いているように見えた。動きがてら肋骨あたりを弄れば、つまみ上げた指の間で蛆虫がのたうち回っている。気味が悪い、と挟み殺して、彼女の内臓に蛆虫の体液をなすりつけた。目線を彼女の顔までやって、いや、そういえば頭は初日に落としたんだった、と、ベッド脇の机に鎮座した彼女を見遣る。目線を腹に戻す。食いちぎったであろう子宮の傷口からは血と、白濁の体液が流れ出て腹膜を彩っていた。芸術には疎いが、美しいと感じる色彩。背筋に快楽が走る。何時間でもこうしていられる。ああ、ああ、嗚呼......
こんなはずじゃなかった。彼女と見る夢はもっと暖かくて、綺麗で、色とりどりで、こんな狭い部屋で血肉に塗れた夢じゃなかったはずだ。どこで何を、どう間違えたのか、もはや何も分からない。分からないまま、夢に囚われ、俺は今日も指を動かすんだろう。
スマートフォンを握った瞬間、部屋のチャイムが鳴った。なんだ、休日のこんな朝早くに。宅配か?時計を見て顔を顰め、無視の体勢に入ろうとした俺をチャイムの連打が邪魔してきて更に苛立ちが増す。仕方なく、身体を起こして彼女の眠るベッドから降りた。
床に降り立つ足裏に触れる無数の蠅の死骸の感触が気持ち悪い。窓は閉め切っているのに片付けても片付けても湧いてくるのはなぜなんだろう。追い討ちをかけるように電子音が鳴り響く。休日にも関わらずベッド脇の机に鎮座し勘違いでアラームを鳴らす電波時計にも腹が立つ。薙ぎ払えば一緒に首まで落ちて気分は最悪だ。クソ、クソクソクソ。ただでさえ変な夢を見て気分が悪いのに。鳴り止まないチャイム。煩いな、出るよ、出るっつってんだろ。俺は仕方なく、着の身着のままで玄関のドアを開けた。
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Good night my love
ヴィクトルはタクシーの窓敷居に肘を置き、流れてゆくいくつもの灯をぼんやりと眺めていた。窓から見えるほかの車の中は、楽しげな家族のだんらんだったり、恋人同士の甘い時間だったり、友人たちのふざけあいだったりした。通りを歩いている人たちも互いに手を取りあい、笑顔を向けあっていた。 「今季の曲はもうきまったのかい?」 運転席から声が聞こえた。ヴィクトルはゆったりと脚を組み、愛想よく答えた。 「いま、候補を絞っているところだよ」 「楽しみだね。またヴィクトルのひとり舞台が見られるわけだ」 「まだわからないよ。ライバルだってたくさんいるからね」 「そう言って、結局あんたは金メダルを毎回かっさらっていくじゃないか」 ��ヴィクトルはほほえんで窓の外に顔を向けた。今季の曲。ライバル。ひとり舞台。金メダル……。 「着いたよ」 「ああ、ありがとう」 ヴィクトルはタクシーから降り立ち、すこし歩いて、上品で華麗な建物の最上階を見上げた。そこはヴィクトルの自宅だった。最上階にはヴィクトルひとりしか住んでいない。だからどこの窓もひっそりと暗く沈んでいた。 「…………」 ヴィクトルは何の感情も浮かんでいない目でしばらく黒い窓を眺め、それから明るいロビーへ入った。警備員が「遅くまで大変だね」と挨拶した。ヴィクトルは微笑してちょっと手を上げた。エレベータに乗りこんで最上階のボタンを押し、壁にもたれる。ポケットに突っこんだ手で鍵をもてあそんだ。到着し、扉がひらくと、長い廊下をゆっくりと歩いて、しっかりした扉の二重鍵を外した。元気な吠え声が聞こえ、ヴィクトルは口元をほころばせた。 「マッカチン、遅くなってごめんね」 さっきまでとはちがう声、ちがう笑顔でヴィクトルは言った。マッカチンはうれしそうにヴィクトルの脚にじゃれついた。 「明日からはしばらくいられるよ。のんびりしようね。リンクへも一緒に行こう」 ヴィクトルは荷物をソファに置き、コートを脱いで無造作に掛けた。手を丁寧に洗ってから手早く着替えを済ませ、冷蔵庫を開ける。中はほとんどからっぽで、水の入った瓶だけがずらっと並んでいた。ソファに座ると、マッカチンが喜んでそばに寄り添った。 「さびしかったかい?」 ヴィクトルは利口そうなつむりを撫でてやり、それからもこもこした身体を抱きしめて頬ずりした。 「……疲れた……」 そっと目を閉じる。マッカチンはヴィクトルの頬をぺろぺろと舐めた。 「大丈夫だよ。問題ない。ちょっと寝てないだけさ。マッカチンといるとすぐ元気になる」 ヴィクトルは水を飲み、茶色い包みから容器をいくつか取り出した。それは彼の今夜の食事だった。どこかで済ませてこようかと思ったのだが、店に入れば誰かに声をかけられ、ほほえみかけられる。ファンのことはいつだって大切にしたいと思っているし、応援には応えたいが、幾日も仕事をして疲れているときは、いつものような気の利いたことが言えるかどうかわからなかった。 「ヤコフのところは楽しかった?」 ヴィクトルは容器を開けながら尋ねた。 「優しくしてもらったかい? ヤコフはああ見えてすぐ甘やかすからな……」 食欲などほとんどない。しかし食べなければ身体が衰弱する。スケートをするためには強い肉体が不可欠だ。ヴィクトルは機械的に食べた。美味いはずだが、美味いとか不味いとか、そんなことを判断する必要を感じなかった。 部屋はしんと静まり返っている。音楽でも流そうか、と考えたが、そのための行動さえ億劫だった。思った以上に疲れているのかもしれない。 このところ、スケートをしていない。それ以外の仕事ばかりだ。笑顔を振りまいて、写真を撮って、質問に答えて……。それを待っている人たちがいる。いやではない。しかしそれでも、ヴィクトルにはスケートしかなかった。身もこころも氷に捧げている。早くスケートがしたかった。金色のメダルを並べてゆく。メダルの数が増えれば増えるほど、その色は最初ほど輝いていないような気がしてきていたが、しかしやはり、ヴィクトルの頭にはスケートしかなかった。 「だめだよマッカチン。これはマッカチンの身体にはよくないんだ。ヤコフのところでもらっただろう?」 迫ってくるマッカチンをかわし、ヴィクトルは食事を続けた。マッカチンを見ているとほっとする。マッカチンだけがヴィクトルを癒してくれる。 「マッカチン……、いつも俺を待っててくれてありがとう……」 ヴィクトルはフォークを置くと、マッカチンの毛並みに顔を埋め、深く息をついた。マッカチンはおとなしくしており、ときおり鼻を鳴らしてヴィクトルを心配した。 「……ちょっと疲れただけなんだ。それだけなんだ……」 早くスケートがしたい。氷に立てば何もかも忘れられる。俺は氷の上でしか生きられない生きものだ。早く氷に戻らなければ……。 使った容器をまとめて片づけ、瓶の水を飲み干した。瓶を流しのすみに置くと、水道の蛇口から、水がぽたりと落ちた。ひろい台所を眺め、あかりを消す。 「マッカチン、お風呂に入ってくるよ。おまえもちょっと洗ってやらなきゃだめだねえ。いつにしようかな……。おまえを洗うのは大変だ」 マッカチンが不思議そうにヴィクトルを見上げた。ヴィクトルはちょっとだけ笑った。 短い時間で入浴を済ませ、身体をぬぐうと、何も身に着けないまま歩いて寝室へ入った。マッカチンがついてくる。 「さあ寝よう。おいで」 ヴィクトルはマッカチンと並んで横たわった。 「明日は一日じゅう一緒にいよう。俺がスケートしてるところ見ててくれる?」 マッカチンが元気に答えた。ヴィクトルは目を閉じた。疲れているはずなのに眠れない。マッカチンに抱きつき、頬をすり寄せた。 ──夢を見た。ヴィクトルは暗い中、リンクにいてひとりですべっている。自分の思うように演技をしている。長い髪がやわらかくなびき、四肢は伸びやかに踊り、ヴィクトルは笑顔だった。だが、だんだんと足が重く、スケートシューズが前へ進まなくなってきた。なんでこんなに重いんだ、と苦しかった。足が上がらない。ジャンプができない。どうして? スケートとはこれほど難しいものだっただろうか。いつの間にかヴィクトルは、大人の容貌になっていた。なぜ上手くすべれない。俺はあらゆるものをつかんだはずだ。自分の道を信じ、すべきことはすべてしてきた。どんなに苦しいことでも厭わなかった。氷のためならなんでもできた。何もかもを投げ出して、氷で生きることをきめたのだ。それなのにどうしていまになって、これほど重さを感じるのだ。俺は──俺は──。 ヴィクトルは足元を見た。何かがからみついている。眉根を寄せ、目をこらした。ヴィクトルは叫び声を上げそうになった。足にからみついているのは、大量の金メダルだった。 身体が激しくふるえ、ヴィクトルは息をのむようにして飛び起きた。一瞬、自分がどこにいるかわからなかった。だが、すぐに慣れた風景が目に入った。機内だ。あちこちからちいさな話し声が聞こえる。隣の席には誰もいなかった。どうやら、あとすこしでプルコヴォ国際空港に到着するようである。ヴィクトルはふうっと息をついた。疲れているのだ、と思った。いやな夢を見た。 空港からタクシーに乗った。運転手は「やあ、ヴィクトル」と陽気に話しかけてきた。ロシア国民なら、老若男女、誰でもヴィクトルの顔を知っている。 「やあ」 ヴィクトルは笑顔で答えた。 「今季の曲はもうきまったのかい?」 そう尋ねられ、ヴィクトルはどきっとした。 「……いま、候補を絞っているところだよ」 「楽しみだね」 運転手は言った。 「今季はあの子もいるんだろう? えっと、名前はなんていったっけ? ヴィクトルが日本からさらって来た……」 ヴィクトルは笑い出した。胸に安堵がひろがった。 「勇利だよ。ユウリ・カツキ。おぼえてくれ」 「そうそう、ユーリだ。ロシアにもある名前だなって思ったんだよ。かわいい子かい?」 「そりゃあもう」 ヴィクトルは大きくうなずいた。 「文句なしにかわいいよ。どうしようもなくかわいいよ。しかも、かわいいうえにうつくしいんだ。最高だよ」 「へえ、ヴィクトルがそんなに褒めるなんてね。欠点はないのかい?」 「欠点は……」 言うことを聞かないところ。勝手になんでもとりきめてしまうところ。そう思ってヴィクトルは笑った。 「ないよ! すべてが最高さ!」 「へえ。じゃあ楽しみだね」 「今季は彼にも注目して欲しいな。すばらしいものが見られると思うよ。期待しててくれ。勇利の試合、見てくれたかい? グランプリファイナル──ワールドでもいい。ショート、最高にセクシーだっただろう? 普段もあんな感じで俺を誘惑してくるんだよ。俺はもうすぐにまいっちゃうのさ。めろめろだよ。優しそうに見えるのに、ときどき、熱のこもった目つきでじっと俺を見るんだ。そのときのぞくぞくする感じときたらたまらないよ。勇利はどちらかというと無口でね。だから何かを話すとき、全力で耳を傾けたくなる。何も話さないときは──瞳が雄弁だ。俺は夢中でみつめてるんだよ。勇利の目はいつもうつくしく輝いていて──そう、フリーで示すうつくしささ。わかるだろう? あれほどおごそかで神聖な美はないね。静寂と清廉にみちた美だ。あの洗練されたみずみずしさが──」 ヴィクトルの舌がなめらかに動いているうちにタクシーは停まった。 「着いたよ」 「どうもありがとう! 一週間ぶりに勇利に会うんだ」 ヴィクトルははずむ声で言ってタクシーから降りた。すこし歩き、うきうきしながらアパートの窓を見上げる。そこには優しい、まばゆいひかりが輝いていて、ヴィクトルを「早く早く」と手招きしているようだった。ヴィクトルは意気揚々と扉を開け、ロビーに入った。 「やあ、ヴィクトル。お帰りかい?」 「まったくまいったよ! 勇利は元気かな」 「毎日楽しそうにリンクに通って、マッカチンの散歩をしてたよ」 「俺がいないのに楽しそうだなんてどういう了見だ?」 ヴィクトルのおどけた嘆きを警備員はおもしろがり、愉快げに笑い声を上げた。ヴィクトルは踊るようにエレベータに乗りこんで、指揮棒でもふっているかのようなしぐさでボタンを押した。最上階に着くのが待ち遠しかった。 扉の前に立ち、咳払いをして、呼び鈴を鳴らした。すぐにぱたぱたと足音が近づいてきて、勢いよく戸が開いた。 「おかえり、ヴィクトル!」 「わうわう!」 黒いかたまりと茶色のかたまりがそれぞれ飛びついてき、ヴィクトルは両手で抱き止めた。 「ただいま!」 ヴィクトルは笑顔で挨拶すると、マッカチンのつむりを撫で、それから勇利を抱きしめて頬にキスした。勇利が「くすぐったい」と顔を上げる。それでヴィクトルはくちびるにも接吻した。 「んー」 「…………」 「んー」 「…………」 「んー」 「……ちょっとヴィクトル!」 勇利がヴィクトルの胸を押しやり、抗議した。 「長いよ!」 「なんで? 足りないくらいだ」 「まったくもう……」 勇利がヴィクトルのコートを脱がせた。ヴィクトルが勇利をじっとみつめると、それに気がついた勇利が困ったように笑い、ヴィクトルに両腕を投げかけた。 「おかえり……会いたかったよ」 ふたりのくちびるがふれあった。勇利はヴィクトルのおとがいにもキスをしてささやいた。 「手を洗って着替えてきて。ごはんの用意をするよ」 「��りがとう」 ヴィクトルが部屋で着替えていると、台所のほうから声が聞こえた。 「マッカチン、これはあげないよ! そんな目をしてもだめ! なんでそう食いしん坊なんだろう。飼い主に似たんじゃないの。……言っとくけどぼくのことじゃないからね。ヴィクトルだよ。ヴィクトルのこと! ぼくに似てたら、食いしん坊どころか、マッカチンはいまごろこぶただよ。……自分で言ってて傷ついた」 ヴィクトルは笑いをかみ殺した。 食堂へ行くと、夕食の支度がととのっており、美味しそうな匂いと湯気とでみちみちていた。 「ワーオ……いいね」 「何が?」 「いただきます!」 ヴィクトルは元気に言って食べ始めた。しかし、ひとくち食べた瞬間、きょとんとした。 「…………」 「どうしたの?」 「……勇利」 「…………」 勇利はしばらく黙ってサラダを食べていたが、そのうち噴き出し、両手を打ち合わせて「ごめん!」と謝った。 「砂糖を入れすぎました!」 「…………」 「あの……手がすべって……」 「…………」 「でも食べられなくはないでしょ? ぎりぎりいけると思うんだ。ちょっと甘めだけどね……」 「…………」 「次からは……気をつけるよ……」 勇利は上目遣いでヴィクトルをうかがった。ヴィクトルはしばらく神妙な顔で食べていたが、そのうち笑いをこらえきれなくなり、身体をちいさく揺らしながらうなずいた。 「いいよ……フクースナだよ」 「無理に言わなくていいから」 「いや、美味しい」 ヴィクトルは熱心に言った。 「美味しいよ……勇利が失敗しながらつくった料理」 「ばかにしてるだろ」 「本気だ」 ふたりはにらむように顔を見合わせ、それからくすくす笑った。 「途中でケーキを買ってきた。あとで食べよう」 「ぼくにこぶたの魔法をかける気だね」 「オフシーズンだからいいさ。ぷにぷにの勇利を見せて」 「オフシーズンっていうけど、毎日リンク行ってるからね。絶対太らないでいてやる……」 「勇利はこれ、食べないの?」 「砂糖が多いから」 「不味いからだろ」 「ああ! 不味いって言った!」 「おっと……」 ヴィクトルは澄まして「こっちはどうかな」と別の料理にとりかかった。ごく平凡な、誰でもつくれそうな料理だが、これはヴィクトルしか食べられない、ヴィクトルが世界一美味いと思う食べ物だった。 「フクースナだよ……勇利」 食事を終え、勇利が食器を洗うのを手伝った。 「ヴィクトルはやすんでていいよ」 「いや、やりたい」 「変な趣味だね。昔から家事好きなんだ?」 「どうだったかな」 一生懸命食器を洗っている勇利がかわいくて、ヴィクトルは彼の頬にキスした。 「いきなりなんだもんなあ……」 「予告したら照れるだろ。ああ、でも、それならかえって予告したほうがいいのか」 「いきなりでいいです」 「ケーキはお風呂の前? あと?」 「あと。ヴィクトルの淹れる紅茶が飲みたいな」 「オーケィ。お風呂は一緒だからね」 「髪洗ってあげる」 「じゃあ身体洗ってあげる」 「ヴィクトルは身体洗ってくれるとき変なところさわるからな」 「変なとこってどこ?」 「まあいいや」 「変なとこってどこ?」 ヴィクトルは湯につかり、湯船のふちに首をのせた。勇利は椅子に腰掛け、鼻歌を歌いながらヴィクトルの髪を洗った。歌をよく聞いてみると、ヴィクトルがすべったアリアだった。ヴィクトルはくすっと笑った。 「ヴィクトルにシャンプーハットつけさせたいな」 「なにそれ?」 「流しまーす」 「ねえ、なにそれ?」 「目をつぶらないと」 ヴィクトルは目を閉じた。勇利は綺麗に洗い流したあと、「はい、終わり」とてきぱき言った。ヴィクトルはぱっとまぶたをひらいた。 「勇利!」 「わっ、なに?」 「目をつぶらせたらキスするものだろう!?」 「それヴィクトルじゃない。いつもいつもさ……」 「勇利はわかってない」 「ほら、交代交代」 ヴィクトルは湯から上がると、勇利に後ろを向かせ、丁寧に身体を洗ってやった。そうしながら点検してみたが、「こぶたちゃん」になる気配はまるでない。感心である。すこしくらいならいいけどな……。 「ねえ、ヴィクトル」 「なんだい?」 「次のやすみさあ、マッカチン洗おうよ。洗って欲しいって訴えてくるんだよ」 「マッカチンは水が好きだからねえ」 「ぼくがお風呂入ってると、外から毎日催促してくるんだよ。でもヴィクトルがいないと洗えないし」 「オーケィオーケィ。ひと仕事だよね。よし、次のやすみにね」 風呂上がりには、ヴィクトルが紅茶を用意し、勇利はケーキを皿に出した。 「ヴィクトル、どっち?」 「勇利の好きなほうでいいよ」 「じゃあ両方はんぶんこ」 「言うと思った」 ふたりはソファで寄り添い、それぞれひとつのケーキを担当した。片方だけを食べるのではなく、自分が食べ、相手も食べたがったら取り分けて口に入れてやる、ということをするのである。 「マッカチン、次のやすみ、洗ってあげるからね。明日じゃなくて、その次ね。ヴィクトルがいいよって」 勇利は足元に寝そべっているマッカチンに笑いかけた。マッカチンがしっぽでうれしそうに答えた。 テレビに映し出されているのは、ヴィクトルのプログラムだった。勇利の秘蔵DVDである。勇利はよくこれをヴィクトルに見せ、「見て、いまの!」「かっこいい!」「ねえこれぼくもできるかな?」「今度やって!」とひとしきり騒ぐのだ。 「ヴィクトル、なつかしい?」 「俺はあまり演技を見ていない」 「見てよ」 「勇利を見てるほうがおもしろい」 「もー」 勇利はこういうとき、ヴィクトルの手を握りしめ、きらきらした子どもみたいな目でじっと見入っている。しかし時間が経つにつれ、その輝きはなりをひそめ、真剣なまなざしに変化し、最後にはぞくぞくするほど鋭い目つきなる。甘美に誘惑している気配はまるでないのに、ヴィクトルにはそれがこのうえなく魅力的に見える。こころにきめた男を見るときの目だ。こうなると、勇利はひとこともしゃべらない。ヴィクトルは自分の姿にはいっさい注意を払わず、ただ勇利に見蕩れていた。 プログラムが終わると、勇利はふっと息をつき、力を失ったようにぐったりとなった。最後には、ヴィクトルの手は痛いくらいに握りしめられていたのだが、このときようやくそれがほどけた。 「すばらしかったね……」 勇利の視線はうっとりと宙をさまよい、瞳はしとやかに濡れ、頬はひどく上気していた。勇利はヴィクトルのほうを向いて、両手でヴィクトルの頬を包みこんだ。 「ああ……、かっこいい……」 ケーキはもうなくなっていた。ヴィクトルは勇利に真剣なキスをした。 「おいで」 「うん……」 ヴィクトルは勇利を連れて寝室にこもり、二時間ばかり、「おまえがこころにきめた男はどういう男か」ということを教えた。勇利にだけ向ける笑みとまなざしで愛し、勇利にだけ聞かせる声であまくささやいた。 「勇利、もっと俺の愛を知ってくれ。まだあるよ。まだまだあるよ」 「うん、ぼくも……」 勇利もまた、目つきやつぶやき、涙や吐息など、さまざまなものでヴィクトルへの愛情を示し、ヴィクトルのことを喜ばせた。 「はあ、暑い……」 「よかった?」 「うん……ヴィクトルは……?」 「いますぐ『離れずにそばにいて』をおまえのためにすべりたいくらいよかった」 「あはは……」 勇利はヴィクトルの胸につむりをのせ、うっとりと目を閉じた。ヴィクトルは彼の身体をかるく抱いていた。 「汗、すごいね……」 「一緒にシャワーを浴びて歯みがきをしよう」 「うん……寝ちゃいそう……早く行かないと……」 「もうすこしいいだろう?」 ヴィクトルは勇利を引き寄せて接吻した。勇利はくすくす笑っている。ふたりのあいだを、汗が流れ落ちていった。 「……夢を見た」 ヴィクトルはつぶやいた。 「飛行機の中で……」 「どんな夢?」 勇利が目を上げてヴィクトルを見た。 「昔の夢さ」 「昔の、どんな夢?」 「……忘れた」 勇利はくすくす笑った。 「忘れたのに、おぼえてるの?」 「夢を見たことだけね」 勇利がゆっくりと手を上げ、ヴィクトルの頬を撫でた。それからくちびるにふれ、その指でみずからのくちびるをさわった。 「いやな夢だったんだね……」 「…………」 勇利が伸び上がり、目を閉じて優しくくちづけした。いつくしみにみちた、いちずな、愛いっぱいの接吻だった。ヴィクトルは息をつき、きつく勇利を抱きしめた。 「勇利……、もうおまえがいないとだめなんだ……」 「…………」 「どこにも行かないでくれ」 「……うん」 勇利は目を上げ、みずみずしく笑ってうなずいた。 「行かないよ」 「…………」 ヴィクトルは勇利に頬をすり寄せた。勇利の手がヴィクトルの背中にまわる。 「ぼくのいとしいヴィクトル……」 勇利が歌うようにささやいた。 「ぼくはこれまで貴方を想って生きてきたし、これからもずっとそうだし、ぼくはぜんぶ貴方のものだよ……」 彼は額をこつんとくっつけ、ヴィクトルの青い目をのぞきこんだ。 「そして貴方もぼくのもの」 ヴィクトルは夢中で勇利にキスをした。首にくちびるをすべらせると、勇利があえぐような笑い声を上げた。 「ヴィクトル、シャワー浴びて、歯みがきしないと……」 「その前にすることがある」 「もうしたでしょ……」 「まだ……だ」 「足りてない?」 「足りてない……」 「……そう?」 勇利は髪をかき上げてほほえんだ。 「おまえが欲しい」 「貴方のものだって……」 「まだあるだろう……」 ヴィクトルはささやいた。 「もっとよこせ」 翌朝、遅めの朝食をしたためているときに、勇利が元気に言った。 「ヴィクトル、今日買い物行こ!」 「いいとも! なんでも買ってあげるよ。何が欲しい?」 「あの、期待してるとこ悪いけど、個人的なものではありませんので」 「なに?」 「洗剤とかそんなの」 「ああ……」 ヴィクトルはくすっと笑った。それもいいだろう。配達などしてもらうより、よほど楽しい。 「欲しいけど買うには重いものがいっぱいあって……。絶対ひとりじゃ持ちきれないんだよね。ヴィクトルが帰ってくるの待ち構えてたんだ」 「働くよ」 ヴィクトルは神妙な顔をしてうなずいた。 「勇利とマッカチンのために」 勇利が可笑しそうに笑っている。 「お昼は外で食べようか。なに食べたいか考えておいて」 「晩ごはんの材料も買わなくちゃ。夜はなに食べたいか考えといて」 「カツ丼」 「カツ丼かあ……。それだけでいいの?」 「いや、そっちの意味じゃなかったんだが」 「え?」 「えっち��ほう」 「あのさ……いまそういう感じだった……?」 「いいだろう、べつに」 「恥ずかしいひとだねえ、マッカチン」 勇利はかたわらにいるマッカチンに話しかけた。それっきりそれで話は終わりかと思っていたら、洗い物のとき、唐突に彼が「いいよ」と言い出した。 「何が?」 「今夜食べたいもの……」 「…………」 ヴィクトルの瞳が輝いた。勇利は頬をうす赤くして言った。 「でもちゃんと、ほんとに夜、食事で食べたいものも考えといて」 ヴィクトルはマッカチンに話しかけた。 「かわいい子だねえ、マッカチン」 その日は一日デートをして、夜にはヴィクトルの希望した肉じゃがを食べて���そのあとはやはりヴィクトルが希望したカツ丼を食べた。充実した時を過ごし、マッカチンと勇利に寄り添われてうとうとしているヴィクトルに、勇利が一生懸命に話しかける。 「ヴィクトル、明日、リンク来るよね?」 「うん……? うん……」 「よかった」 勇利が子どものように笑った。さっきまでの表情とはまるでちがう。 「なんで……?」 ヴィクトルは勇利を抱き寄せながらほほえんだ。 「ヴィクトルがいないあいだに、ぼく、びっくりするようなことになってるから」 「へえ……」 「まじめに練習したんだよ」 「そうか……」 「明日見せてあげるね」 「ああ……」 「ほんとだよ」 勇利が念を押した。 「本当にヴィクトル、めちゃくちゃびっくりするから」 「うん……」 「覚悟してて」 「うんうん……」 「聞いてる?」 「ああ……」 「絶対おぼえてないよこれ」 勇利がこぼした。そんなことはない、とヴィクトルは思った。勇利、おぼえているよ。おまえのことならなんでも……。 「勇利……」 「ん?」 「俺ね……、家へ帰ってくるの、楽しみなんだよ……」 勇利がぱちりと瞬いた。ヴィクトルは勇利にキスし、「おやすみ……」とささやいた。勇利が微笑した。 「おやすみ、ヴィクトル……」 勇利のくちびるが頬にふれた。 「See you in your dreams……」 ヴィクトルはしばしいとしい現実を離れ、現実と変わらずしあわせな夢へと入っていった。
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Batman: The Killing Joke
I’ve been thinking lately. About you and me. About what’s going to happen to us, in the end. We’re going to kill each other, aren’t we? (Batman)
「この頃考えているんだ。お前と俺のことを。最終的にどうなるのか、ということを。やっぱり俺たちはお互いに殺しあうんだろう?」
Batman: The Killing Joke(オリジナルは1988年3月)。Alan Moore, Brian Bollandによるたぶんバットマンコミックの中でも最高傑作。
当初買ったとき、カバーをはずさず読んでて、あるときにカバーをはずして本当にびっくり。Killing Jokeの最後の方の一コマ。この最後のコマはまだ多くの人を悩ませてますね・・・この後、二人はどうなったのか?のちにまた触れようと思います。
構成は2部構成。現在のタイムラインで、バーバラを襲撃し、ゴードンを誘拐したジョーカーを追うバットマン、そしてそれにかぶさるように、ジョーカーになる前の話がジョーカー視点で描かれてます。過去の話はモノクロで、他の唯一の色は赤。その対象が悲劇を連想させる。
一番最初にバットマンがジョーカー(偽物)に会っているとき、ジョーカーはトランプをやっているが、バットマンがジョーカーに話し、最終的にはバットマンとジョーカーはお互いに相手が死ぬまで戦い続けなければならないという。ただ、バットマンはその結果をどうしても避けなければならない。自分は「殺してはいけない」から。
ちなみにこれってR.I.P.の最初でも同じシーンがありますね・・・R.I.P.では、ジョーカーにバットマンがブラックグローブについて聞き出そうとする。R.I.P.ではジョーカーではなくバットマンの命が危ないわけで、あの時点で均衡が崩れかけていることを示している。
Killing JokeではR.I.P.とは違い、まだあくまでも対等である。ジョーカーはバットマンを殺せない(殺したいんだろうけど、殺すと存在意義がなくなる)、バットマンはジョーカーを殺したくない(自分のモラル)。この対照さがバットマンとジョーカーというバランスを生み出している。
しかしこの二人の関係でもっと面白いのは、「お互いを全くといっていいほど知らない」ということ。今のいままで、あの「世界一の名探偵」が解けない謎は、ジョーカーの正体である。映画ダークナイトでも、コミック通り、DNAの照合もできず、歯科治療歴も誰ともマッチしない、と言われている。バットマンはなぜジョーカーは自分を追うのか理解できないし、ジョーカーが次々とおこす事件もつじつまが合わないため、理解の範疇を超える。バットマンは理性の人間だ。証拠、動機・・・理性的に追うバットマンにはジョーカーは最低最悪の敵であり、まさしく自分の正反対である。
ジョーカーもバットマンがだれか知らない。ゲームArkham City、コミックArkham Asylum、どこでも共通なのは、ジョーカーは知りたくないのだ。でもただ一つ、彼が知っているのはバットマンのせいで、ジョーカーにならざるを得なくなった。しかしそれをバットマンは知らない!
バットマンが知らずに作り出してしまった最悪の敵ジョーカー。それはもしかしたらバットマンの内なる悪魔であるのかもしれない。ジョーカーがいなくなったら、バットマンは解き放たれるのか・・・いや、先ほども言った通り、均衡が崩れ、バットマンの存在意義もなくなると思うのだが。
ちょっとコミック自体に戻ると、ジョーカーの前のジャックの話も明かされていく。初めて読んだとき、ダークナイトの印象が強かったため、もともとから犯罪者だろうと実は思ってましたね・・・しかしジャックはどこでもいる、貧乏で妊娠中の妻を抱え、コメディアンになることが夢のふつうの男だった。人々を笑わせること、それだけが彼のしたいこと。しかし、金もない。ひどいアパートにしか住めない。そして彼が思いついたことは、一回だけ強盗をして、金を稼ぎ、あとは普通に暮らす。でも彼は運がなかった。強盗の仕事を持ちかけた男たちに騙される。奥さんは100万分の一の確率の事故で亡くなる。強盗にいくと、いないと信じ���いたガードマンがいた。そしてバットマン。あの事故で薬品タンクに落ちたせいで、正気を失うのだ。
そう、コミックのテーマは、One Bad Day。ちょっとつきがなかった、その「ちょっと」が人生を変えてしまうのだ。(いい方向にも悪い方向にも)それがなければジョーカーはジョーカーにならなかったのだろうか?もし貧乏じゃなかったら、強盗もしなかった、バットマンにも会わなかった?
あの偶然の不幸でただのふつうの人間からサイコパスに転落できるのであれば、だれでもなりうる。それがジョーカーの論理。(これ、ダークナイトでもa little pushと言ってましたね)これを他の人に試してみようということで、標的が不運にもバーバラとゴードンに向けられた。
ちょっと話がそれるが、ジョーカーがバーバラを襲ったときに、バーバラの状態を本に例えていて、自分でもぞっとするが、ジョーカーの話のもって行き方にすごいと思ってしまう。(あんなときによく出てくるなあとか)
ちなみにジョーカーがなぜバーバラとゴードンの服を脱がしたのか?(もちろんそういう趣味ではなく)私は衣服が理性の表れだからだと思います。(聖書の創世記でアダムとイブが知識の果実のリンゴを食べたとき、最初にしたことは葉で体を覆うこと)理性をとり、人間の本性をむきだしにするわけです。
私が一番印象に残っているセリフの一つとして、やはりジョーカーの記憶の定義の一説。(Arkham Originsのジョーカー役のベイカー氏がオーディションで読んだらしい)理性のベースが記憶で、それなしには生きてはいけない。記憶に耐えられないときは、狂気が非常口なのだと・・・では、記憶に耐えられずに狂気に走るんだったら、バットマンは?ということになる。実際Batman: The Cultというコミックで、彼は言う。私がバットマンになったのは、あの事件の恐怖を乗り越えるためだと。バットマンにとってあの事件の記憶は忌まわしいものである。その記憶から逃げようとして、マントとマスクをまとったとしたら?(Arkham CityのDr.ストレンジの声が聞こえてくる・・・)しかし、バットマンって結局は思考回路は超理性的。蝙蝠という狂気と、理性が重なったと考えてみれば不思議な人物であることに気付く。狂気さがありながら、現実はすべてつじつまが合うはずだと考えている。一方ジョーカーは社会がもともと狂ってるから、自分もそうでなければならないという・・・で、最初の話に戻るわけ。バットマンはどこかでジョーカーを信じ、そしてジョーカーを殺せば、ジョーカーが勝つと思っている(あのバットマンでさえ狂うとなるわけだから)。だからジョーカーを本当は救いたい、再生したいと思うのだ。
では最後のジョーカーによるジョークに触れておきます。精神病院を脱走した二人。一人は屋根を軽々乗り越え、もう一人はできない。最初の男は照らしてやるから懐中電灯の光をたどれというが、もう一人はわたる途中で消すつもりだろう!と返事をする・・・さあ、ここで二人は笑うのだが、一番最後3コマ。実は警察の車のライトなんだが、それが、最初はあったのだが、最後には消えている。
この光をジョークとバットマンとジョーカーの関係にあてはめると、第一の男はバットマン、ジョーカーを助けようとするが、光が消えたということは、結局ジョーカーを殺したのでは・・・(だからKilling Joke?!死ぬほど笑えるということとジョークで殺すってこと?)
のちに作者がそのことを認めてしまったのもありますが、いろいろな解釈が可能なKilling Joke。いつでも手にとってみたい作品ですね。
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妹のために、妹のために、妹のために。(推敲中)
ふたなり怪力娘もの。血なまぐさいので注意。
扠、ここはある民家の一室、凡そ八畳程の広さの中に机が二つ、二段ベッドが一つ、その他本棚や観葉植物などが置いてある、言つてしまえば普通の部屋に男が二人顔を突き合はせ何やらヒソヒソと、いや、別に小声で話してゐるわけではないのであるが何者かに気づかれないよう静かに話し合つてゐる。一人は少し痩せ型の、黒い髪の毛に黒い縁のメガネが聡明な印象を与へる、如何にも生真面目さうな好青年で、もう一人は少し恰幅の良い、短く切られた髪の毛に色の濃い肌が健康な印象を与へる、如何にも運動が得意さうな好青年である。前者の名は那央と言ひ、後者の名は詩乃と言ふ、見た目も性格の型も違えど同じ高校に通つてゐる仲の良い兄弟である。二人の間にはノートの切れ端と思しきメモと、丁度半月ほど前に買つた十キロのダンベルが、そのシャフトを「く」の字に曲げ事切れたやうにして床に寝そべつてゐた。
何故メモがあるのか、何故ダンベルのシャフトが「く」の字に曲がつてゐるのか、何故二人の兄弟がそれらを囲んで真剣な話し合ひをしてゐるのか、その説明をするにはもう一つ紹介しておかねばならぬ事があるのであるが、恐らく大層な話を聞かずとも直ぐに状況を何となく分かつて頂けるであらう。其れと云ふのも二人にはもう一人血を同じくする、一五〇センチに満たぬ身の丈に、ぷにぷにとした餅のやうな頬、風でさらさらと棚引き陽の光をあちこちに返す黒い髪、触つた此方が溶け落ちるほど柔らかな肌、此れからの成長を予感させる胸の膨らみ、長いまつ毛に真珠を嵌めたやうな黒目を持った、--------少々変はつてゐる所と言へば女性なのに男性器が付いてゐるくらゐの、非常に可愛らしい中学一年生の妹が居るのである。名前は心百合と言ふ。成る程、ふたなりの妹が居るなら話は早い、メモもダンベルも話し合ひも、全てこの妹が原因であらう。実際、メモにはやたら達筆な字でかうあつた。-----------
前々から言ってきたけど、こんな軽いウェイトでやっても意味が無いと思うから、使わないように。次はちゃんと、最低でも一〇〇キロはあるダンベルを買ってください。私も力加減の練習がしたいのでお願いします。曲げたのは直すので、これを読んだら持ってきてください。
あと全部解き終わったので、先週から借りてた那央にぃの数学の問題集を返しました。机の上に置いてあ��ます。全然手応えが無かったから、ちょっと優しすぎると思います。新しく買ったらまた言ってください。
心百合より
このメモは「く」の字に曲がつたシャフトの丁度折り目に置かれてあつて、凡そ午前九時に起床した詩乃がまず最初に見つけ、其の時は寝ぼけてゐたせいもありダンベルの惨状に気を取られメモを読まないまま、折角値の張る買ひ物をしたのにどうして、一体何が起きてこんなことに、…………と悲嘆に暮れてゐたのであるが、そんな簡単に風で飛ぶような物でも無いし、それに落ちたとしても直径二センチ以上ある金属がさう易易と曲がるわけでも無いから何者かが手を加えたに違ひ無く、自然と犯人の顔が思ひ浮かんでくるのであつた。わざわざ此れを言ひたいがためにダンベルを使ひ物にならなくしたのか。俺たちにとつては一〇キロでもそこそこ重さを感じると云ふのに、一〇〇キロなんて持ち上げられるわけが無い、しかもその一〇〇キロも、"最低でも"だとか、"力加減"だとか書かれてゐるので妹はもつと重いダンベルを御所望であるのか。確かにふたなりからすると、一〇〇キロも二〇〇キロも軽いと感じるだらうが、此れは俺たちが自分の体を鍛えるための道具であるからそつとしておいて欲しい。さう彼は文句を言ひたくなるものの、未だ中学一年生とは言へ、本来車でも打つから無ければ曲がるはずも無いシャフトを綺麗に曲げてしまつたと云ふ事実に、ただひたすら恐怖を感じ震える手でこめかみあたりに垂れてきた冷ややかな汗を拭ふのであつた。
一体全体、ふたなりの女の子は力が強いのである。そして其れは心百合も例外では無く、生まれて間もない時から異常な怪力ぶりを発揮してきた。例へば此れはある日の朝のことであつたか、彼ら彼女の父親が出勤しようとしてガレージのシャッターを開けると、何の恥ずかしげもなく無断駐車してゐる車の、後ろ数十センチが見えてゐたことがあつた。幸ひにも丁度車一台分通れるくらゐの隙間はあるし、其れに父親の向かふ方向とは逆の位置にあつたので、何とか避けて車を出せさうではあつたのであるが、如何せん狭いガレージと、狭い通りと、幅のある車であるから、ふとした拍子で擦つてしまふかもしれない。かと言つて警察やらレッカーやらを呼ぶ時間も手間も勿体無い。仕方が無いので父親は、当時十四歳であつた那央と、当時十二歳であつた詩乃を呼び出して、ほんの数センチでも良いからこの車を向かふ側へ押せないかと、提案して自身も全身を奮ひ立たせたのであるが当然の如く動く気配は無かつた。ならばせめて角度だけでもつけようと思ひ、三人で掛け声をかけ少しでも摩擦を減らさうと車の後ろ半分を浮かせようと頑張つたものの、此れまた持ち上がる気配も無くたつた数秒程度で皆バテてしまつた。さうして諦めた父親は携帯を取り出し、諦めた二人の兄弟は数歩離れたところにある壁に凭れ、こんなん無理やろ、何が入つてんねん、と那央が言つたのをきつかけに談笑し始めた丁度其の時、登校しようと玄関から出てきた心百合が近寄つてきて、どうしたの? さつきから何やつてたの? と声をかけてきた。そこで詩乃が其の頭を撫でながら事情を説明して、ま、無理なものは無理だし、今日こそ親父は遅刻するかもな、と笑ひながら言ふと心百合は、
「んー、………じゃあ私がやってみてもいい?」
と言ひながらランドセルを那央に押し付け、唖然とする兄たちを余所に例の車へ向かつて行く。そしてトランクにまでたどり着くと、屈んで持ち易く力の入れ易い箇所を探しだす。----------当時彼女は小学三年生、僅か九歳である。自分の背丈と同じくらゐの高さの車を持ち上げようと、九歳の女の子がトランクの下を漁つてゐるのである。流石に兄たちも其の様子を黙つて見てゐられなくなり駆け寄つて、ついでに電話を掛けてゐる最中の父親も駆け付けて来て、結局左から順に父親、心百合、詩乃、那央の並びでもう一度車と相対することになつたのであるが、那央が、せえの! と声を掛け皆で一斉に力を入れる前に、よつと、と云ふ可愛らしい声が車の周りに小さく響いた。かと思ひきや次の瞬間には、グググ、と車体が浮き上がりたうたう後輪が地面から離れ初め、男たちが顔を見合はせ何が起きてゐるのか理解するうちに、一〇センチ、一五センチは持ち上がつてしまつた。男たちのどよめきを聞きながら、心百合は未だ六割程度しか力を入れてゐないことに少しばかり拍子抜けして、これならと思ひ、
「お父さんも、お兄ちゃんたちも、もう大丈夫だから手を離していいよ」
と言ふと、片手を離しひらひらと振り、余裕である旨を大して役に立つてゐない他の皆に伝え背筋を伸ばした。
「それで、これどうしたらいいの?」
男たちが恐る恐る手を離し、すつかり一人で車の後部を持ち上げてゐる状態になつた頃、娘が其のやうに聞いて来たので一寸だけ前に寄せてくれたら良いと、父親が答えると心百合は、分かつた、とだけ言つてから、そのまま足を踏み出して前へ進もうとした。すると、初めの方こそ靴が滑つて上手く進めなかつたのであるが、心百合も勝手が分かつて来たのか、しつかりと足に全体重と車の重量を掛け思ひ切り踏ん張つてゐると遂には、タイヤと地面の擦れる非常に耳障りな音を立てて車が前へと動き出したのである。そして、家の前だと邪魔になるだらうから、このまま公園の方まで持つて行くねと言つて、公園の側にある少し道が広がつてゐる所、家から凡そ三〇メートル程離れてゐる所まで、車を持ち上げたままゆつくりと押して行つてしまつた。
あれから四年、恐らく妹の力はさらに強くなつてゐるであらう。日常では兎に角優しく、優しく触る事を心がけてゐるらしいから俺たちは怪我をしないで済んでゐる、いやもつと云ふと、五体満足で、しかも生きてゐる。だが今まで何度も危ない時はあつた。喧嘩は全然しない、と云ふより一度も歪みあつたことは無いけれども、昼寝をしてゐる妹の邪魔をしたりだとか、凡ミスのせいでテストで満点を逃し機嫌が悪い時に何時もの調子で話しかけたりだとか、手を繋いでゐる最中に妹が何か、------例へば彼女の趣味である古典文学の展示に夢中になつたりだとか、さういう時は腕の一本や二本覚悟しなければならず打ち震えてゐたのであるが、なんと情けない話であらう。俺たちは妹の機嫌一つ、力加減一つで恐怖を覚えてしまふ。俺たちにはあの未発達で肉付きの良い手が人の命を刈り取る鎌に見える。俺たちにはあの産毛すら見えず芸術品かと思はれる程美しい太腿も、人の肉を潰したがつてゐる万力のやうに見える。……………本来さう云つた恐怖に少しでも対抗しようとダンベルを買つたのであるが、丸切り無駄であつた、矢張り妹には勝てぬのか。直接手を下されたわけでも無いのに、またしても負けてしまふのか。もう身体能力だけでなく、学力も大きな差をつけられたと云ふのに。---------------心百合は元々、小学校のテストでは常に満点を、…………少しドジなところがあるからたまにせうもない間違ひを犯すことがあるが、其れは仕方ないとして試験は常に満点を取り続けてをり、ある日学校から帰つて来るや、授業が暇で暇で、暇で仕方がないからお兄ちゃん何とかしてと言ふので、有らう事か俺たちは、其れならどんどん先の内容をこつそりと予習すると良い、と教えてしまつた。其れから心百合は教室だけでなく家でも勉強を進め、タガが外れたやうにもう恐ろしい早さで知識を吸収したつた一週間か二週間かで其の学年、-----確か小学四年生の教科書を読み終えると、兄から譲り受けた教科書を使って次の学年、次の次の学年、次の次の次の学年、…………といつたやうに、兄たちの言ふ通りどんどん先の内容を理解していき、一年も経たぬ間に高校入試の問題が全て解けるようになつてゐた。かと思えば、那央の持つてゐる高校の教科書やら問題集やら参考書やらを、兄の迷惑にならぬよう借りて勉強を推し進め、今度は半年程度で大学入試の問題をネットから引つ張り、遊び半分で解いてゐたのである。そして此方が分からないと言つてゐるのに答え合はせをして欲しいと頼んで来たり、又ある時は那央が置きつぱなしにしてゐた模試を勝手に解いては、簡単な問題ばかりで詰まんなかつた、お兄ちゃんでも全部解けたでせう? この程度の問題は、と云ふ。そんなだから中学一年生の今ではもはや、勉強をしてゐるうちに好きになつた古典文学を読み漁りながら、受験を控えた那央の勉強を教えるためにも、彼が過去問題集に取り組む前にはまず、心百合が一度目を通し、一度問題を全て解き感想を言つて、時間をかけるべきか、さうでないかの判断の手助けをしてゐるのである。先のメモにあつた後半の内容はまさに此の事で、どんなに難しさうな問題集を持つて行つても簡単だから考へ直すべしと言はれ凹む那央を見てゐると、詩乃は二年後の自分が果たしてまともな精神で居られるのかどうか、不安になつて来るのであつた。
さうすると此の兄弟が妹に勝つている点は何であらうか、多分身長以外には無い気がするが、もう後数年もすると頭一つ分超えられてしまふだらう。聞くところに寄ると、ふたなりは第二次成長期が落ち着き始める一四、五歳頃から突然第三次成長期を迎え、一八歳になる頃には平均して身長一八七センチに達すると云ふのである。実際、那央のクラスにも一人ふたなりの子が居るのであるが、一年生の初め頃にはまだ辛うじて見下ろせた其の顔も今では、首を天井に向けるが如く顔を上げないと目が合はないのである。だが彼らは未だに、こんな胸元にすつぽりと収まる可愛い可愛い妹が、まさか見上げるほど背を高くしないであらうと、愚かにも思つてゐるのであるがしかし、さうでも思はないとふたなりの妹が近くに居ること自体怖くて怖くて仕方なく、心百合を家に残しどこか遠い場所で生活をしたい衝動に駆られるのであつた。
扠、読者の中には恐らくふたなりをよくご存知でない方が何名かいらつしやるであらうから、どうして此の兄弟が、可愛い、たつた一人だけの、愛しい、よく出来た妹にここまで恐怖を感じるのか説明しておかねばならぬのであるが、恐らく其れには引き続き三人の兄妹の話をするだけで事足りるであらう。何分其処に大体の理由は詰まつてゐる。-------------
ふたなりによる男性への強姦事件は度々ニュースになるし、其れに世の男達なら全員、中学校の保健体育で習つた記憶がどこかにあるから皆知つてゐるだらう。本日未明、〇〇県〇〇市在住の路上で男性が倒れてゐるのを誰々が発見し、現場に残された体液から警察は近くに住む何たら言ふ名前の女性を逮捕した。-----例へばさう云ふニュースの事である。凡そ犯人の側に「体液」と「女性」などと云つた語が出てきたら其れはふたなりによる強姦を意味するのであるが、世の中に伝えられる話は、実際に起きた出来事にオブラートにオブラートを重ね、さらに其の上からオブラートで包み込んだやうな話であつて、もはやお伽噺となつてゐる。考へてみると、大人になれば一九〇センチ近い身長に、ダンベルのシャフトのやうな金属すら曲げる怪力を持つ女性が今日の男性を暴行し無理やり犯せば、そもそも人の形が残るかどうかも怪しくなるのは容易に想像できる。実際、幾つか例を挙げてみると、ふたなりの"体液"を口から注ぎ込まれ腹が破裂し死亡した男や、行方不明になつてゐたかと思えば四肢が完全に握りつぶされ、そしてお尻の穴が完全に破壊された状態でゴミのやうに捨てられてゐた男や、ふたなりの"ソレ"に耐えきれず喉が裂け窒息死した男や、彼女たちの異常な性欲を解消するための道具と成り果て精液のみで生きる男、……………挙げだすとキリがない。二人の兄弟は、ふたなりの妹が居るからと言つて昔からさう云ふ話を両親から嫌と言ふほど聞いて来たのであるが、恐ろしいのはほとんどの被害者が家族、特に歳を近くする兄弟である事と、ふたなりが居る家庭は一つの例外なく崩壊してゐる事であつた。と云つても此の世の大多数の人間と同じやうに、彼らも話を言伝されるくらゐではふたなりの恐ろしさと云ふ物を、其れこそお伽噺程度にしか感じてゐなかつたのであるが、一年前、小学六年生の妹に、高校生二年と中学三年の兄二人が揃つて勉強を教えてもらつてゐたある夜、机の間を行つたり来たりするうちに何故かセーラー服のスカートを押し上げてしまつた心百合の、男の"モノ"を見た時、彼らの考へは変はり初めた。其の、スカートから覗く自分たちの二倍、三倍、いや、もう少しあらうか、兎に角妹の体格に全く不釣り合いな男性器に、兄たちが気を取られてゐると心百合は少し早口で、
「しばらくしたら収まると思うから見ないでよ。えっち。それよりこの文章、声に出して読んでみた? 文法間違いが多くて全然自然に読めないでしょ? 一度は自分で音読してみるべしだよ、えっちなお兄ちゃん。でも単語は覚えてないと仕方ないね。じゃあ、来週までに、この単語帳にある単語と、この文法書の内容を全部覚えて来ること。----------」
と顔を真赤にして云ふと、下の兄に高校入試を模して作つた問題を解かせつつ、上の兄が書いた英文の添削を再開してしまつた。が、ほんの数分もしないうちに息を荒げ出し、そして巨大な肉棒の先端から、とろとろと透明な液体を漏らし淫猥な香りを部屋中に漂はせ初めると、
「ど、どうしよう、…………いつもは勝手に収まるのに。………………」
と言つて兄たちに助けを求める。どうやら彼女は五〇センチ近い巨大な肉棒を持ちながら其の時未だ、射精を味はつた事が無かつたやうである。そこで、ふたなりの射精量は尋常ではないと聞いていた那央は、あれの仕方を教えてあげてと、詩乃に言ふと急いでバケツと、絶対に要らないだろうとは思ひつつもしかしたらと思つて、ゴミ袋を一つ手に取り部屋に戻つたところ、中はすでに妹が前かがみになりながら両手を使つて激しく自分のモノを扱き、其の様子を弟が恍惚とした表情で見守ると云ふ状況になつてゐる。----------何だ此れは、此れは俺の知る自慰では無い。此れがふたなりの自慰なのか。………………さうは思ひながら、ぼたぼたと垂れて床を濡らしてゐる液体を受け止めるよう、バケツを丁度肉棒の先の下に置くと、そのまま棒立ちで妹の自慰を見守つた。そしていよいよ、心百合が肉棒の先端をバケツに向け其の手の動きを激しくしだしたかと思えば、
「あっ、あっ、お兄ちゃん! 何これ! ああぁあんっ!!」
と云ふ、ひどくいやらしい声と共に、パツクリと開いた鈴口から消防車のやうに精液が吹き出初め、射精とは思へないほどおぞましい音が聞こえて来る。そしてあれよあれよと云ふ間にバケツは満杯になり、床に白くドロドロとした精液が広がり始めたので、那央は慌ててゴミ袋を妹のモノに宛てがつて、袋が射精の勢ひで吹き飛ばぬよう、又自分自身も射精の勢ひで弾き飛ばされぬよう肉棒にしがみついた。-------
結局心百合はバケツ一杯分と、二〇リットルのゴミ袋半分程の精液を出して射精を終え、ベタベタになつた手と肉棒をティッシュで拭いてから、呆然と立ちすくんでゐる兄たちに声をかけた。
「お兄ちゃん? おにいちゃーん? 大丈夫?」
「あ、あぁ。…………大丈夫。………………」
「しぃにぃは?」
彼女は詩乃の事をさう呼ぶ。幼い頃はきちんと「しのおにいちゃん」と読んでゐたのであるが、いつしか「しのにぃ」となつて、今では「の」が略されて「しぃにぃ」となつてゐる。舌足らずな彼女の声を考へると、「しーにー」と書いたほうが近いか。
「……………」
「おい、詩乃、大丈夫か?」
「お、………おう。大丈夫。ちょっとぼーっとしてただけ。………………」
「もう、お兄ちゃんたちしっかりしてよ。特にしぃにぃは最初以外何もしてなかったでしょ。……………て、いうか私が一番恥ずかしいはずなのに、何でお兄ちゃんたちがダメージ受けてるのん。………………」
心百合はさう言ふと、本当に恥ずかしくなつてきたのか、まだまだ大きいが萎えつつある肉棒をスカートの中に隠すと、さつとパンツの中にしまつてしまつた。
「とりあえず、片付けるか。…………」
「おう。……………」
「お兄ちゃんたち部屋汚しちゃってごめん。私も手伝わせて」
「いいよ、いいよ。俺たちがやっておくから、心百合はお風呂にでも入っておいで。------」
このやうにして性欲の解消を覚えた心百合は、毎日風呂に入る前に自慰をし最近ではバケツ数杯分の精液を出すのであつたが、そのまま流すとあつと言ふ間に配管が詰まるので、其の始末は那央と詩乃がやつてをり、彼女が湯に浸かつてゐるあひだ、夜の闇に紛れて家から徒歩数分の所にある川へ、音を立てぬよう、白い色が残らないよう、ゆつくりと妹の種を放つてゐるのであつた。空になつたバケツを見て二人の兄弟は思ふ。------------いつかここにあつた精液が、ふとしたきつかけで体に注がれたら俺たちの体はどうなる? そもそも其の前に、あの同じ男性器とは思へないほど巨大な肉棒が、口やお尻に突つ込まれでもしたらたら俺たちの体はどうなる? いや、其れ以前に、あの怪力が俺たちの身に降り掛かつたらどうなる? ふたなりによる強姦の被害者の話は嘘ではない。腹の中で射精されて体が爆発しただなんて、昔は笑いものにしてゐたけれども何一つ笑へる要素などありはしない、あの量を、あの勢いで注がれたら俺たち男の体なんて軽く吹き飛ぶ。其れにあんなのが口に、お尻に入り込まうとするなんて、想像するだけでも恐ろしくつて手が震えてくる。聞けば、顎の骨を砕かうが、骨盤を割らうが、其んな事お構ひなしにねじ込んで来ると云ふではないか。此れから先、何を犠牲にしてでも妹の機嫌を取らなくては、…………其れが駄目ならせめて手でやるくらゐで我慢してもらはねば。…………………
だが彼らは此れもまた、わざわざ時間を割いてまでして兄の勉強を見てくれるほど情に満ちた妹のことだから、まさかさう云ふ展開にはならないであらうと、間抜けにも程があると云ふのに思つてゐるのであるが、そろそろなのである。ふたなりの女の子が豹変するあの時期が、そろそろ彼らの妹にも来ようとしているのである。其れ以降は何を言つても無駄になるのである。だから今しかチャンスは無いのである。俺たちを犯さないでくださいと、お願ひするのは今しか無いのである。そして、其の願ひを叶えてくれる確率が零で無いのは今だけなのである。
「------もうこれ以上引き伸ばしても駄目だ。言いに行くぞ」
ダンベルとメモを持ち、勢ひよく立つた那央がさう云ふ。
「だけど、………それ言ったら言ったらで、ふたなりを刺激するんだろ?!」
「あぁ。…………でも、少しでも確率があるならやらないと。このままだと、遅かれ早かれ後数年もしないうちに死ぬぞ。俺ら。………………」
「くっ、…………クソッ。……………」
「大丈夫、もし妹がその気になっても、あっちは一人で、こっちは���人なんだから上手くやればなんとかなるさ、……………たぶん。………………」
「最後の「たぶん」は余計だわ。……………」
「あと心百合を信じよう。大丈夫だって、あんなに優しい妹じゃないか。きっと、真剣に頼めば聞いてくれるはず。……………」
「兄貴って、たまにそういう根拠のない自信を持つよな。………」
さう言ふと、詩乃も立ち上がり一つ深呼吸をすると、兄と共に部屋を後にするのであつた。
心百合の部屋は、兄たちの部屋に比べると少しばかり狭いが其れでも一人で過ごすには物寂しさを感じる程度には広い、よく風が通つて夏は涼しく、よく日が当たつて冬は暖かく、東側にある窓からは枯れ葉に花を添えるやうはらはらと山に降り積もる雪が、南側にある窓からはずつと遠くに活気ある大阪の街が見える、非常に快適で感性を刺激する角部屋であつた。そこに彼女は本棚を此れでもかと云ふほど敷き詰めて新たな壁とし、嘗ての文豪の全集を筆頭に、古い物は源氏物語から諸々の文芸作品を入れ、哲学書を入れ、社会思想本を入れ、経済学書を入れ、そして目を閉じて適当に選んだ評論などを入れてゐるのであるが、最近では文系の本だけでは釣り合ひが取れてない気がすると言ひ初め、つい一ヶ月か二ヶ月前に、家から三駅ほど離れた大学までふらりと遊びに行つて、お兄ちゃんのためと云ふ建前で、解析学やら電磁気学やら位相空間論やらと云つた、一年か二年の理系大学生が使ふであらう教科書と、あとさう云ふ系統の雑誌を、合わせて十冊買つて来たのであつた。そして、春までには読み終はらせておくから、お兄ちゃんが必要になつたらいつでも言つてねと、那央には伝えてゐたのであつたが、意外に面白くてもう大方読んでしまつたし、途中の計算はまだし終えてないけれども問題はほとんど解き終はつてしまつた。またもう一歩背伸びをして新しく本を買いに行きたいが、前回大量にレジへ持つて行き過ぎたせいで、大学生協の店員にえらく不思議さうな顔をされたのが何だか癪に障つて、自分ではもう行きたくない。早くなおにぃの受験が終はつてくれないかしらん。さうしたら彼処にある本を買つて来てもらへるのに。それか二年後と言はず今すぐにでも飛び級させてくれたらいいのに。…………と、まだ真新しい装丁をしてゐる本を眺めては思ふのであつた。
なので那央が大学生になるまで数学やら物理学は封印しようと、一回読んだきりでもはや文鎮と化してゐた本たちを本棚にしまひ、昨日電子書籍として買つてみた源氏物語の訳書を、暇つぶしとしてベッドの上に寝転びながら読んでゐると、コンコンコン、…………と、部屋の扉をノックする音が聞こえて来た。
「はーい、なにー?」
「心百合、入ってもいいか?」
少し澄んだ声をしてゐるから那央であらう。
「いいよー」
ガチャリと開いたドアから那央が、朝に軽いイタズラとして曲げたダンベルと、その時残しておいたメモを手に持つて入つて来たかと思えば、其の後ろから、何やら真剣な表情を浮かべて居る詩乃も部屋に入つて来る。
「あれ? しぃにぃも? どったの二人とも?」
タブレットを枕の横に投げ出すと心百合は体を起こし、お尻をずるりとベッドの縁まで滑らせ、もう目の前までやつて来てゐる兄二人と対峙するやうにして座つた。
「あぁ、…………えとな。…………」
「ん?」
「えっと、………お、おい、詩乃、……代わりに言ってくれ。…………」
「えっ、………ちょっと、兄貴。俺は嫌だよ。…………」
「俺だって嫌だよ。後で飯おごってやるから頼む。……………」
「………言い出しっぺは兄貴なんだから、兄貴がしてくれよ。…………」
あんなに真剣な表情をしてゐた兄たちが何故かしどろもどろ、………と、云ふよりグジグジと醜い言ひ争ひをし始めたので、心百合は居心地が悪くなり一つため息をつくと、
「もう、それ元通りにして欲しくて来たんじゃないの?」
と言つて、那央の持つてゐるダンベルに手を伸ばし、トントンと叩く。が、那央も詩乃も、キュッと体を縮こませ、
「えっと、…………それは、…………ち、ちが、ちがってて…………」
などと云ふ声にならぬ声を出すばかりで一向にダンベルを渡してくれない。一体何が違つてゐるのだらう、………ま、ダンベルを持つて来たのだから直して欲しいには違ひない、と、云ふより直すと書いたのだから直してあげないと、------などと思つて、重りの部分に手をかけると、半ば引つたくるやうにして無理やりダンベルを奪ひ去つた。
「いくらお兄ちゃんたちに力が無いって言っても、こんな指の体操にもならないウェイトだと意味無いでしょ。今度はちゃんとしたの買いなよ」
さう云ふと、心百合はまず手の平を上にして「く」の字に曲がつたシャフトを、一辺一辺順に掴んでから、ひ弱な兄たちに見せつけるよう軽く手を伸ばし、一言、よく見ててね、と言つた。そして彼女が目を瞑つて、グッ…と其の手と腕に力を込め始めると、二人の兄弟がいくら頑張つても、--------時には詩乃が勝手に父親の車に乗り込んで轢いてみても、其の素振りすら見せなかつたシャフトが植物の繊維が裂けるやうな音と共にゆつくりと反り返つていき、どんどん元の状態に戻つて行く。其の様子はまるで熱した飴の形を整えてゐるやうであつて、彼らには決して太い金属の棒を曲げてゐるやうには見えなかつた。しかもさつきまで目を閉じてゐた妹が、いつの間にか此方に向かつて笑みを浮かべてゐる。……………其のあまりの呆気なさに、そして其のあまりの可愛いさに、彼らは己の中にある恐怖心が、少しばかり薄らいだやうな気がするのであつたが、ミシリ、ミシリ、と嫌に耳につく金属の悲鳴を聞いてゐると矢張り、目の前に居る一人の可憐で繊細で、人々の理想とも形容すべき美しい少女が、何か恐ろしい怪物のやうに見えてくるのであつた。
「はい、直ったよ。曲がってた所は熱いから気をつけてね」
すつかり元通りになつたダンベルを、真ん中には触れないやう気をつけながら受け取ると、那央はすぐに違和感に気がついた。一体どう云ふ事だ、このシャフトはこんなにでこぼこしてゐただらうか。---------まさかと思つて、さつきの妹の持ち方を真似してダンベルを持つてみると、多少合はないとは言え、シャフトのへこんでゐる箇所が自分の手の平にもぴつたりと当てはまる。其れにギュッと握つてみると、指先にも若干の凹凸を感じる。もしかして、--------もしかして、この手の平に感じるへこみだとか、指先に感じるでこぼこは、もしかして、もしかして、妹の手の跡だと云ふのであらうか。まさか、あの小さく、柔らかく、暖かく、ずつと触れてゐたくなるやうなほど触り心地の良い、妹の手そのものに、この頑丈な金属の棒が負けてしまつたとでも云ふのであらうか。彼はさう思いつつ、もしかしたらと自分も出来るかもしれないと思つて力を入れてみたが、ダンベルは何の反応もせずただ自分の手が痛くなるばかりであつた。
「で、他に何か話があるんだよね。何なの?」
「あ、…………えっ、と。…………」
「もう、何なの。言いたいことはちゃんと言わないと分からないよ。特に、なおにぃはもう大学生なんだから、ちゃんとしなきゃ」
と五歳も年下の妹に諭されても、情けないことに兄がダンベルを見つめたまま固まつてゐるので、恐怖心を押さえつけ幾らか平静になつた詩乃が、意を決して口を開けた。
「それはだな。…………えっと、……心百合って、ふたなりだろ? だからさ、今後気が高ぶっても俺らでやらないで欲しい。……………」
ついに言つてしまつた、だけどこれで、…………と詩乃はどこか安堵した気がするのであつたが、
「えっ、…………いや、それはちょっと無理かも。………だって。…………………」
心百合がさう云ふと、少し足を開いた。すると那央と詩乃の鼻孔にまで、いやに生々しい匂ひが漂ふ。
「………だって、お兄ちゃんたちが可愛くって、最近この子勝手にこうなるんだもん」
心百合がスカートの上からもぞもぞと股の間をいじると、ぬらぬらと輝く巨大な"ソレ"が勢いよく姿を現し、そして自分自信の力で血をめぐらせるかのやうに、ビクン、ビクン、と跳ねつつ天井へ伸びて行く。
「ねっ、お兄ちゃん、私ちょっと"気が高ぶった"から、お尻貸してくれない?」
「い、いや、………それは。…………」
「心百合、……………落ちつい、--------」
「ねっ、ねっ、お願いっ! ちょっとだけでいいから! 先っぽしか挿れないからお尻貸して!!」
心百合は弾むやうにして立ち上がると、詩乃の手首を握つた。と、その時、ゴトリ、と云ふ重い物が落ちる音がしたかと思ひきや、那央が扉に向かつて駆けて行く様子が、詩乃の肩越しに見えた。
「あっ、なおにぃどこ行くの!」
心百合は詩乃をベッドの上に投げ捨て、今にもドアノブに手をかけようとしてゐた那央に、勢ひよく後ろから抱きつく。
「あああああああああああ!!!!!!」
「ふふん、なおにぃ捕まえた~」
ほんの少し強く抱きしめただけで心地よく絶叫してくれる那央に、彼女はますます"気を高ぶらせ"、
「しぃにぃを放って、どこに行こうとしていたのかなぁ? ねぇ、那央お兄ちゃん?」
と云ひ、彼が今まで味はつたことすら無い力ではあるが、出来るだけ怪我をさせないような軽い力で壁に向かつて投げつけると、たつたそれだけでぐつたりとし起き上がらなくなつてしまつた。
「もしかして気絶しちゃったのん? 情けないなぁ。………仕方ないから、しぃにぃから先にやっちゃお」
ベッドに染み付いてゐる妹の、甘く芳しい匂いで思考が止まりかけてゐた詩乃は、其の言葉を聞くや、何とかベッドから這い出て、四つん這ひの体勢のまま何とか逃げようとしたのであるが、ふと眼の前にひどく熱つぽい物を感じるたかと思えば、ぶじゅっ、と云ふ下品な音と共に、透明な液体が床にぼとりと落ちて行くのが見えた。--------あゝ、失敗した。もう逃げられぬ。もう文字通り、目と鼻の先に"アレ"がある。俺は今から僅か十三歳の幼い、其れも実の妹に何の抵抗も出来ぬまま犯されてしまふ。泣かうが喚かうが、体が破壊されようが関係なく犯されてしまふ。あゝ、でも良かつた。最後の最後に、こんな天上に御はします高潔な少女に使つて頂けるなんて、なんと光栄な死に方であらうか。-----------------
「しぃにぃ、よく見てよ、私のおちんちん。お兄ちゃんを見てるだけでもうこんなに大きくなつたんだよ?」
さう云ふと、心百合は詩乃の髪を雑に掴んで顔を上げさせ、自身の腕よりもずつとずつと太い肉棒を無理やり見せると、其の手が汚れるのも構はずに、まるで我が子の頭を撫でるかのやうな愛ほしい手付きで、ズルリと皮の剥けた雁首を撫でる。だが彼には其の様子は見えない。見えるのはドクドクと脈打つ指のやうな血管と、男性器に沿つて真つ直ぐ走るホースのやうな尿道と、たらりたらりと垂れて床を濡らすカウパー液のみである。其れと云ふのも当然であらう、亀頭の部分は持ち主の顔と同じ高さの場所にあるのである。------まだ大きくなつてゐたのか。…………彼にはもう、久しぶりに会ふことになつた妹の陰茎が、もはや自分の心臓を串刺しにする鉄の杭にしか見えなかつたのであるがしかし、其のあまりにも艶めかしい佇まひに、其のあまりにも圧倒的な存在感に、手が打ち震えるほど惹かれてしまつてもうどんなに嫌だと思つても目が離せなかつた。
「んふふ、……お兄ちゃんには、この子がそんなに美味しそうに見えるのん?」
「………そ、そんな、……そんなことは、ない。…………」
さうは云ふものの、詩乃は瞬きすらしない。
「でもさ、------」
心百合はさう云ふと、自身の肉棒を上から押さえつけて、亀頭を彼の口に触れるか触れないかの位置で止める。
「------お兄ちゃんのお口だと、先っぽも入らないかもねぇ」
と妹が云ふので、もしかしたらこの、俺の握りこぶしよりも大きい亀頭の餌食にならないで済むかもしれない、…………と詩乃は哀れにも少しだけ期待するのであつたが、ふいに、ぴゅるっと口の中に何やら熱い液体が入り込んで来る。あゝ、もしかしてこれは。………………
「………けど、そんなに美味しそうな顔されたら諦めるのも悪いよねっ。じゃあ、お兄ちゃん、お口開けて? ………ほら、もっと大きく開けないと大変なことになるよ? たぶん」
「あっ、………やっ、………やめ、やめやめ、いゃ、ややめ、あが、………………」
………まだ彼は、心百合が途中で行為を中断してくれると心のどこかで思つてゐたのであらう、カタカタと震える唇で一言、やめてくださいと、言ほうとしてゐるのであつた。だがさうやつてアワアワ云ふのも束の間、腰を引かせた妹に両肩を掴まれ、愉悦と期待に満ちた表情で微笑まれ、クスクスとこそばゆい声で笑はれ、そしてトドメと言はんばかりに首を可愛らしくかしげられると、もう諦めてしまつたのか静かになり、遂には顔が醜くなるほど口を大きく開けてしまつた。
「んふ、もっと力抜いて? …………そうそう、そういう感じ。じゃあ息を吸ってー。………止めてー。………はい、お兄ちゃんお待ちかね、心百合のおちんちんだよ。よく味わってねー」
其の声はいつもと変はらない、中学生にしては舌つ足らずな甚く可愛いらしい声であつたが、詩乃が其の余韻に浸る前に、彼の眼の前にあつた男性器はもう前歯に当たつてゐた。かと思えばソレはゆつくりと口の中へ侵入し、頬を裂し血を滴らせるほどに顎をこじ開け、瞬きをするあひだに喉まで辿り着くと、
「ゴリュゴリュゴリュ………! 」
と云ふ、凡そ人体から発生するべきでは無い肉の潰れる音を部屋中に響き渡らせ始める。そして、彼が必死の形相で肉棒を恵方巻きのやうに持つて細やかな抵抗してゐるうちに、妹のソレはどんどん口の中へ入つていき、ボコリ、ボコリとまず首を膨らませ、鎖骨を浮き上がらせ、肋骨を左右に開かせ、あつと云ふ間にみぞおちの辺りまで自身の存在を示し出してしまつた。もうこれ以上は死んでしまふ、死んでしまふから!止めてください!! ———と彼は、酸素の薄れ行く頭で思ふのであつたが恐ろしい事に、其れでも彼女のモノはまだ半分程度口の外に残り、ドクンドクンと血管を脈打たせてゐる。いや、詩乃にとつてもつと恐ろしいのは次の瞬間であつた。彼が其の鼓動を唇に数回感じた頃合ひ、もう兄を気遣うことも面倒くさくなつた心百合が、もともと肩に痛いほど食い込んでゐた手に骨を握りつぶさんとさらに力を入れ、此れからの行為で彼の体が動かないようにすると、
「ふぅ、………そろそろ動いても良い? まぁ、駄目って言ってもやるんだけどね。良いよね、お兄ちゃん?」
と云ひ、突き抜かれて動かない首を懸命に震はせる兄の返事など無視して、そのまま本能に身を任せ自分の思ふがまま腰を振り始めてしまつたのである。
「〜〜〜???!!!! 〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
「んー? なぁに、お兄ちゃん。しぃにぃも高校生なんだから、ちゃんと言わないと誰にも伝わらないよぉ? 」
「〜〜〜〜〜!!!!!!!」
「あはっ、お兄ちゃん死にかけのカエルみたい。惨めだねぇ、実の妹にお口を犯されるのはどんな気分? 悔しい? それとも嬉しい?」
心百合は残酷にも、気道など完全に潰しているのに���しく惚けた声でさう問ひかける。問ひかけつつ、
「ごぎゅ! ごぎゅ! ずちゅり! ……ぐぼぁ!…………」
などと、耳を覆いたくなるやうな、腹の中をカリでぐちゃぐちゃにかき乱し、喉を潰し、口の中をズタズタにする音を立てながら兄を犯してゐる。度々聞こえてくる下品な音は、彼女の陰茎に押されて肺の中の空気が出てくる音であらうか。詩乃は心百合の問ひかけに何も答えられず、ただ彼女の動きに合はせて首を長くしたり、短くしたりするばかりであつたが、そもそもそんな音が耳元で鳴り響いてゐては、妹の可愛らしい声も聞こえてゐなかつたのであらう。
もちろん、彼もまた男の端くれであるので、たつた十三歳の妹にやられつぱなしというわけではなく、なんとか対抗しようとしてはゐる。現に今も、肩やら胸やら腹のあたりに感じる激痛に耐へて、力の入らぬ手を、心百合の未だくびれの無い未成熟な脇腹に当て、渾身の力で其の体を押し返そうとしてゐるのである。………が、如何せん力の差がありすぎて、全くもつて妹には届いてゐない。其の上、触れた場所がかなり悪かつた。
「何その手は。私、腰触られるとムズムズするから嫌だって昔言ったよね? お兄ちゃん頭悪いからもう忘れちゃったの? -----------
……………あ、分かった。もしかしてもっと突っ込んでほしいんだ!」
心百合はさう云ふと、腰の動きを止め、一つ、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになり怯えきつてゐる兄の顔を至極愛ほしさうに撫でる。そして、
「もう、お兄ちゃん、そんなに心百合のおちんちんが好きだなんて早く言ってくれたらよかったのに。昔、精通した時に怯えてたから嫌いなんだと思ってた。…………
--------んふ、んふふ、…………じゃあ心置きなくやっちゃってもいいんだね?」
と変はらず詩乃の頭を撫でながら云つて、彼を四つん這いの状態から正座に近い体勢にし、自身は其の体に覆いかぶさるよう前かがみになると、必死で妹の男性器を引き抜こうと踏ん張る彼の頭を両手で掴み、鼠径部が彼の鼻に当たるまで一気に、自身のモノを押し込んだ。
「~~~~~~~??????!!!!!!!!!!」
「あんっ、……お兄ちゃんのお口の中気持ちいい。…………うん? お口? お腹? ………どっちでもいいや。---------」
心百合は恍惚(ルビは「うっとり」)とした表情で、陰茎に絡みつく絶妙な快感に酔ひしれた。どうしてもつと早く此の気持ちよさを味ははなかつたのだらう。なおにぃも、しぃにぃも、ただ年齢が上なだけで、もはや何をやつても私の後追ひになつてゐるのに、私がちょつと睨んだだけで土下座をして来る勢ひで謝つて来るくせに、私がどんなに仕様もないお願いをしても、まるでフリスビーを追ふ犬のやうにすぐに飛んでいくのに、-----------特に、二人共どうしてこんなに勉強が出来ないのだらうか。私が小学生の頃に楽々と解いてゐた問題が二人には解答を理解することすら難しいらしい、それに、そもそも理解力も無ければ記憶力も無いから、一週間、時には二週間も時間をあげてるのに本一つ覚えてこなければ、読んでくることすら出来ず、しかもこちらが言つてることもすぐには分かつてくれないから、毎回毎回、何度も何度も同じ説明をするハメになる。高校で習う内容の何がそんなに難しいのだらうか、私には分からぬ。そんなだから、あまりにも物分りの悪い兄たちに向かつて、手を上げる衝動に襲われたことも何度かあるのではあるけれども、別にやつてもよかつた。其れこそあの、精通をむかえたあの夜に、二人揃つて犯しておけばよかつた。あれから二人の顔を見る度にムクムクと大きくなつて来るので、軽く手を強く握ったり、わざと不機嫌な真似をして怯えさせたりした時の顔を思ひ出して自慰をし、自分の中にもくもくと膨らんでくる加虐心を発散させてゐるのであるが、最近では押さえが効かなくなつてもう何度、二人の部屋に押し入つてやらうかしらんと、思つたことか。さう云へば他のクラスに一人だけ居るふたなりの友達が数ヶ月前に、兄を嬲つて嬲つて嬲つて最後はお尻に突つ込んでるよ、と云つてゐるのを聞いて、本当にそんな事をして良いのかと戸惑つてゐたが、いざやつてみると自分の体が快楽を貪るために、自然と兄の頭を押さえつけてしまふももである。このなんと気持ちの良いことであらう、那央にぃもまずはお口から犯してあげよう、さうしよう。…………………
と、心百合は夢心地で思ふのであつたが、詩乃にとつて此の行為は地獄であらう。さつきまで彼女の腰を掴んでゐた手は、すでにだらんと床に力無く垂れてゐる。それに彼女の鼠径部がもろに当たる鼻は、-------恐らく彼女は手だけ力を加減してゐるのであらう、其の衝撃に耐えきれずに潰れてしまつてゐる。とてもで��ないが、彼に未だ意識があるとは思えないし、未だ生きてゐるかどうかも分からない。が、心百合の手の間からときたま見える目はまだ開いてをり、意外にもしつかりと彼女のお臍の辺りを眺めてゐるのであつた。しかも其の目には恐怖の他に、どこか心百合と同じやうな悦びを蓄えてゐるやうに見える。口を引き裂かれ、喉を拡げられ、内臓を痛めつけられ、息をすることすら奪われてゐるのに、彼は心の奥底では喜んでゐる。…………これがふたなりに屈した者の末路なのであらう、四歳離れた中学生の妹に気持ちよくなつて頂けてゐる、其れは彼にとつて、死を感じる苦痛以上に重要なことであり、別に自分の体がどうなろとも知つたことではない。実は、心百合が俺たちに対して呆れてゐるのは分かつてゐたけれども、一体彼女に何を差し上げると、それに何をしてあげると喜んでくれるのか分からなかつたし、それに間違つて逆鱗に触れてしまつたらどうしようかと悩んで、何も出来なかつた。だが、かうして彼女の役に立つてみるとなんと満たされることか。やはり俺たち兄弟はあの夜、自慰のやり方を教へるのではなく、口を差し出し尻を差し出し、犯されれば良かつたのだ。さうすればもつと早く妹に気持ちよくなつてもらえたのに、……………あゝ、だけどやつぱり命は惜しい、未だしたい事は山程ある、けど今はこの感覚を全身に染み込ませなければ、もうこんなことは二度と無いかもしれぬ。-------さう思ふと気を失ふわけにはいかず、幼い顔つきからは想像もできないほど卑猥な吐息を漏らす妹を彼は其の目に焼き付けるのであつた。
「お兄ちゃん、そろそろ出るよぉ? 準備はいーい? かるーく出すだけにしておいたげるから、耐えるんだよ?」
心百合はさう云ふと、腰を細かく震わせるやうに振つて、いよいよ絶頂への最後の一歩を踏み出そうとする。そして間もなくすると、目をギュッと閉じ、体をキュッと縮こませ、そして、
「んっ、………」
と短く声を漏らし快楽に身を震はせた。と、同時に、薄つすら筋肉の筋が見える、詩乃の見事なお腹が小さくぽつこりと膨らんだかと思ひきや、其れは風船のやうにどんどん広がつて行き、男なのに妊婦のやうな膨らみになつて遂には、ほんの少し針で突つつけば破裂してしまふのではないのかと疑はれるほど大きくなつてしまつた。軽く出すからね、と云ふ妹の言葉は嘘では無いのだが、其れでも腹部に感じる異常な腹のハリに詩乃はあの、腹が爆発して死んでしまつた強姦被害者の話を思ひ出して、もう限界だ、やめてくださいと、言葉に出す代はりに彼女の腕を数回弱々しく叩いた。
「えー、………もう終わり? お兄ちゃんいつもあんなにご飯食べてるのに、私の精液はこれだけしか入らないの?」
とは云ひつつ詩乃の肩に手をかけて、其の肉棒を引き抜き始める。
「ま、いいや、お尻もやらなきゃいけないし、その分、余裕を持たせておかなきゃね」
そしてそのままズルズルと、未だ跳ね上がる肉棒をゆつくり引き抜いていくのであるが、根本から先つぽまで様々な液体で濡れた彼女の男性器は、心なしか入れる前よりおぞましさを増してゐるやうに見える。さうして最後、心百合は喉に引つかかつた雁首を少々強引に引つこ抜くと、
「あっ、ごめ、もうちょっと出る。…………」
と云つて、"最後の一滴"を詩乃の顔にかけてから手を離した。
「ぐげぇぇぇぇぇぇぇ…………………!!!!お”、お”え”ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
一体どこからそんな音を発してゐるのか、詩乃が人間とは思へない声を出しながら体に入り切らぬ妹の精子たちを、己の血と共に吐き出して行く。が、心百合はそんな彼の事など気にも止めずもう一つの標的、つまり壁の側で倒れてゐる那央に向かつて歩みを進めてゐた。
「なおにぃ、いつまで寝たフリしてるの? もしかしてバレてないとでも思ってた?」
「あ、…………え、…………や、やめ。…………」
「えへへ、やめるとでも思ってるのん? しぃにぃはちゃんと私の愛を受け止めてくれたんだよ、………ちょっと死にかけてるけど。 なおにぃはどうなるかな?」
那央は体を起こし、そのまま尻もちをついた状態で後ずさろうとしたものの、哀れなことに後ろは壁であつた。
「お、お願いします、………やめ、やめてください。お願いします。………………」
「んー? お兄ちゃんは自分に拒否権があると思ってるのん? それに、私は今、"気持ちが高ぶってる"んだから、お兄ちゃんがするべきなのは、そんな逃げ回るゴキブリみたいに壁を這うことじゃなくて、首を立てに振ることだよ」
だが裂けた口から精子を吐き出し続けてゐる弟を見て、誰が首を縦に振れようか、ヒクヒクとうごめく鈴口からカウパー液を放出し続けてゐる肉棒を見て、誰がうんと頷けようか。彼に選択権は無いとは言つても、命乞ひくらゐはさせても良いであらう。
「お兄ちゃんさ、情けないと思わない? 妹にハグされただけで絶叫して、妹に軽く投げられただけで気絶して、妹に敬語を使いながら怯えてさ、……………そんなにこの子の餌食になりたいのん?」
「こ、心百合、……………頼む。…………頼むから落ち着いてくれ。……………」
「んふふ、お兄ちゃんって諦めが悪いよね。でも嫌いじゃないよ、そういうところ。------」
「あ、あ、…………や、やめて、…………ああぁ、や、やめてくださ…………………」
「もう、しぃにぃと同じ反応しないで! お兄ちゃんでしょ? 弟の方がまだ潔くて男の子らしかったよ? っていうかさっき私に、犯さないで、って言ったのもしぃにぃだったじゃん」
心百合は土下座のやうに下を向く那央の頭を上げさせ、肉棒の先つぽを軽く口の中へねじ込む。
「あ、あが、………。ひ、ひや。……………」
「だからぁ、………バツとしてなおにぃを犯す時は、遠慮しないことにしよっかな。-----えへへ、大丈夫だって、しぃにぃはまだ生きてるし、大丈夫大丈夫。----------」
さうして彼女は本当に容赦なく、那央の頭を手で掴み固定して、一気に自身のモノの半分ほどを突つ込んだ。そして、前のめりになつて暴れる兄の体に背中から覆いかぶさるように抱きしめると、
「よっ、と。………」
と軽い掛け声をかけ、そのままスツと、まるでお腹にボールでも抱えてゐるかのやうに、何事も無く男一人を抱えて立ち上がつた。体勢としては、妹の男性器に串刺しにされた那央が、逆立ちするやうに足を天井へ向けて、心百合に抱きかかえられてゐる、と云へば伝はるであらうか、兎に角、小学生と言はれても不自然ではない小柄な体格の女の子に、標準体型の男が上下を逆にして抱えられてゐると云ふ、見慣れぬ人にとつては異様な状況である。
「~~!!!~~~~~~!!!!!!!」
「こら、暴れないで。いや暴れてもいいけど、その分どんどん入って行くから、お兄ちゃんが困ることになるよ?」
其の言葉通り、那央が暴れれば暴れるほど彼の体は、自身の体重で深く深く心百合のモノに突き刺さつて行く。が、其れでも精一杯抵抗しようと足をジタバタ動かしてしまひ、結局彼女のモノが全部入るのにあまり時間はかからなかつた。
「もう諦めよっ? お兄ちゃんはこれから私を慰めるための玩具になるんだから、玩具は玩具らしく黙って使われてたら良いの」
だがやはり、那央は必死で心百合の太腿を掴んで彼女の男性器を引き抜こうとしてゐる。なのでもう呆れきつてしまひ、一つ、ため息をつくと、
「いい加減に、………」
と云ひながら、彼の肋骨を拉げさせつつ二、三十センチほど持ち上げ、そして、
「………して!」
と、彼の体重も利用して腕の中にある体を振り下ろし、再び腹の奥の奥に���で男性器を突つ込ませた。
「っっっっっっ!!!!!」
「あぁんっ! やっぱり男の人のお口はさいこぉ、…………!」
心百合はよだれを垂らすほどに気持ち良ささうな顔でさう云ふのであるが、反対に、自分では到底抵抗できぬ力で体を揺さぶられた那央は、其の一発で何もかもを諦めたのか手をだらりと垂れ下げ出来るだけ喉が痛くならないように脱力すると、もう静かになつてしまつた。
「んふ、…………そうそう、それでいいんだよ。お兄ちゃんはもう私の玩具なの、分かった?」
さう云ひながらポンポンと優しくお腹を叩き、そのまま兄を抱えてベッドまで向かふ。途中、未だにケロケロと精液を吐き出してゐる詩乃がゐたが、邪魔だつたので今度は彼を壁際まで蹴飛ばしてからベッドに腰掛けた。そして、
「ちゃんと気持ちよくしてね」
と簡単に云つて、彼の腰の辺りを雑に掴み直すと、人を一人持ち上げてゐるとは思へ無いほど軽やかに、------まさに人をオナホールか何かだと勘違ひさせるやうな激しい動きで、兄の体を上下させて自身の肉棒を扱き出したのであつた。股を開き局部を露出してなお、上品さを失はずに顔を赤くし甘い息を吐き綺羅びやかな黒髪を乱す其の姿は、いくら彼女が稚い顔つきをしてゐると云へ万人の股ぐらをいきり立たせるであらう。勿論其れは実の兄である詩乃も例外ではない。どころか、彼はもう随分と妹の精液を吐き出しいくらか落ち着いてきてゐたので心百合と那央の行為を薄れていく意識の中見てゐたのであるが、自身の兄をぶらぶらと、力任せに上へ下へと上下させて快楽を貪る実の妹に対しこの上なく興奮してしまつてゐるのである。なんと麗しいお姿であらうか、たとへ我が妹が俺たちを死に追ひやる世にも恐ろしい存在であらうとも、ある種女神のやうに見えてくる。そして其の女神のやうな高貴な少女が、俺たち兄弟を道具として使ひ快楽に溺れてゐる。………なんと二律背反的で、背徳的で、屈辱的な光景であらう、人生の中でこれほど美しく、尊く、猥りがましく感じた瞬間はない。------彼はもう我慢できなくなつて、密かに片手を股にやり、ズボンの上から己の粗末なモノを刺激し初めたのであるが、ふと視線に気がついてグッと上を向くと、心百合が此方を見てニタニタと其の顔を歪ませ笑つてゐた。
「くすくす、……………お兄ちゃんの変態。もしかして、なおにぃが犯されてるの見て興奮してたの?」
心百合はもう那央の体を支えてゐなかつたが、其れでも其の体は床に垂直なまま足をぶらつかせてゐる。
「ほら、お兄ちゃんも出しなよ、出して扱きなよ。知ってるよ私、お兄ちゃんが密かに私の部屋に入って、枕とか布団とかパジャマとかの匂いを嗅ぎながら自慰してるの。全部許したげるからさ、見せてよ、お兄ちゃんのおちんちん」
「あっ、………えっ、…………?」
自分の変態行為を全部知られてゐた、-----其の事に詩乃は頭を殴られたかのやうな衝撃を受け、ベルトを外すことすらままならないほど手を震えさせてしまひ、しかしさらに自身のモノが固くなるのを感じた。
「ほら早く、早く、-----------」
心百合はもう待ちきれないと云ふ様子である。其れは年相応にワクワクしてゐる、と云ふよりは獲物を見つけて何時飛びかかろうかと身を潜める肉食動物のやうである。
「ま、まって、…………」
と、詩乃が云ふと間もなく、ボロンとすつかり大きくなつた、しかし妹のソレからすると無視できる程小さい男の、男のモノがズボンから顔を出した。
「あははははっ、なにそれ! それで本当に大きくなってるの?」
「う、……ぐっ…………!」
「まぁ、いいや。お兄ちゃんはそこでそのおちんちん? をシコシコしていなよ。もう痛いほど大きくなってるんでしょ? 小さすぎて全然分かんないけど」
と云つて心百合は那央の体を掴み、再びおぞましい音を立てながら"自慰"に戻つた。そして詩乃もまた、彼女に言われるがまま自身の粗末な男性器を握ると悔しさやら惨めさやらで泣きそうになつたが、矢張り妹の圧倒的な巨根を見てゐると呼吸も出来ないほどに興奮して来てしまひ、ガシガシと赴くがまま手を動かすのであつた。だが一寸して、
「あ、しぃにぃ、見て見て、-------」
と、心百合が嬉しさうな声をかけてくる。………其の手は空中で軽く閉じられてをり、那央の体はまたもや妹のモノだけで支えられてゐる。------と思つてゐたら突然、ビクン! と其の体が暴れた。いや、其れは彼が自分から暴れたのではなく、何かに激しく揺さぶられたやうだと、詩乃は感じた。
「ほらほら、------」
ビクン、ビクンと那央の体が中身の無い人形のやうに暴れる。
「------お兄ちゃんのちっちゃい、よわよわおちんちんじゃ、こんなこと出来ないでしょ」
ベッドに後ろ手をつきながら、心百合がニコニコと微笑んでさう云つてきて、やうやく詩乃にも何が起きてゐるのか理解できたやうであつた。まさか妹は人を一人、其の恐ろしい陰茎で支えるのみならず、右へ左へとあの激しさで揺れ動かしてゐるとでも云ふのであらうか。いや、頭では分かつてはゐるけれども、全然理解が追ひつかない。いや、いや、ちやつと待つてくれ、其れよりもあんなに激しく暴れさせられて兄貴は無事であらうか。もう見てゐる限りでは全然手に力が入つて無く、足もただ体に合はせて動くだけ、しかも、かなり長いあひだ呼吸を肉棒で押さえつけられてゐる。……………もう死んでしまつたのでは。----------
「んぁ? なおにぃもう死にそうなの? ………………仕方ないなぁ、ちょっと早いけどここで一発出しとくね」
男性器を体に突つ込んでゐる心百合には分かるのであらう、まだ那央が死んでゐないといふ事実に詩乃は安心するのであつたが、先程自分の中に流し込まれた大量の精液を思ふと、途中で無理矢理にでも止めねば本当に兄が死んでしまふやうな気がした。
「んっ、…………あっ、来た来たっ……………」
心百合はさう云ふとより強く、より包むように那央を抱きしめ、其の体の中に精を放ち始める。が、もう彼の腹がパンパンに張らうとした頃、邪魔が入つた。
「やめ、………心百合、もうやめ、…………!」
「なに?」
見ると詩乃がゾンビのやうに床を這ひ、必死の力でベッドに手をかけ、もう片方の手で此方の腕を握って、しかもほとんど残つてゐない歯を食ひしばつて、射精を止(や)めさせようとしてゐるではないか。兄のために喉を潰されても声をあげ、兄のために激痛で力の入らぬ足で此方まで歩き、兄のために勝ち目など無いと云ふのに手を伸ばして妹を止めようとする献身的な詩乃の姿勢に、心百合は少なからず感動を覚えるのであつたが、残念なことに彼女の腕を握つてゐる手は自身の肉棒を触つた手であつた。
「お兄ちゃん? その手はさっきまで何を触ってた手だったっけ?」
と云ふと、那央がどうなるのかも考えずに無理やり肉棒を引き抜きベシャリと其の体を床に投げつけ、未だ汚い手で腕を握つてくる詩乃の襟首を掴んで、ベッドから立ち上がる。
「手、離して」
「は、はい。………」
「謝って」
「あ、あぁ、……ご、ごご、ごめんなさい。……………」
「んふ、…………妹をそんな化物でも見るみたいな目で見ないでもいいんじゃないのん? 私だって普通の女の子なんだよ?」
「……………」
「ちょっとおちんちんが生えてて、ちょっと力持ちで、ちょっと頭が良いだけなんだよ。それなのにさ、みんなお兄ちゃんみたいに怯えてさ、……………」
「心百合、…………」
「------本当に、たまらないよね」
「えっ?」
「でも良かったぁ、……………もう最近、お兄ちゃんたちだけじゃなくて、友達の怯えた表情を見てると勃ってしょうがなかったんだもん。……………」
「こ、心百合、…………」
「だからさ、今日お兄ちゃんたちが部屋に入ってきて、犯さないで、って言った時、もう我慢しなくて良いんだって思ったんだよ。だって、お兄ちゃんも知ってるんでしょ? ふたなりにそういう事を言うと逆効果だって。知ってて言ったんでしょ? -------」
「まって、……そんなことは。…………」
「んふ、……暴れても無駄だよ、お兄ちゃん。もう何もかも遅いんだよ、もう逃れられないんだよ、もう諦めるしかないんだよ、分かった?」
「ぐっ!うああ!!!」
「あはは、男の人って本当に弱いよね。みーんな軽く手を握るだけで叫んでさ、ふたなりじゃなくっても女の子の方が、今の世の中強いよ、やっぱり。お兄ちゃんも運動部に入ってるならもっと鍛えないと、中学生どころか小学生にすら勝てないよ? …………あぁ、でもそっか、そう云えば、この間の試合は負けたんだっけ? 聞かなくてもあんな顔して夜ご飯食べてたら誰だって分かっちゃうよ」
心百合はさう云ふと、片手で詩乃を壁に投げつけた。
「ぐえっ、…………」
「-----ま、そういう事は置いといて、中途半端に無理やり出しちゃって気持ち悪いから、さっさとお尻に挿れちゃうね。しぃにぃは後でやってあげるから、そこで見てて」
詩乃が何かを云ふ前に心百合は、ひどい咳と共に精液と血を吐き出し床にうずくまる那央を抱えて、無理やり四つん這いの体勢にする。そしてジャージの腰の部分に手をかけて剥ぎ取るように下ろすと、其処にはまるで此れからの行為を期待するかのやうにヒクヒクと収縮するお尻の穴と、ピクピクと跳ねる那央のモノが見えた。
「なぁに? なおにぃも私にお口を犯されて興奮してたのん?」
「ぢ、ぢが、……ぢがう。………」
と那央が云ふけれども激しく嘔吐しながらも自身のモノを大きくすると云ふことは、さう云ふ事なのであらう。
「んふふ、じゃあもう待ちきれないんだ。いいよ、それなら早く挿れてあげるよ。準備はいーい?」
さながら接吻のやうに心百合の男性器と、那央の肛門がそつと触れ合ふ。が、少なく見積もつても肛門の直径より四倍は太い彼女のモノが其処に入るとは到底思へない。
「だめ、だめ、だ、だめ、………あ”ぁ、ゃ、………」
那央は必死に、赤ん坊がハイハイする要領で心百合から逃げようとしてゐるのであるが、彼女に腰を掴まれてしまつては無意味であらう、ただ手と足とがツルツルと床を滑るのみである。しかし其のあひだにも心百合のモノはじつとりと品定めするかのやうに、肛門付近を舐め回して来て、何時突つ込まれるか分からない恐怖で体が震えて来る。一体どれほどの痛みが体に走るのであらうか。一体どれほどの精液を放たれるのであらうか。妹はすでに、俺たち二人の腹を満杯にするまで射精をしてゐるけれども、未だ普段行われる自慰の一回分にも達してをらず、相当我慢してゐることはこの足りない脳みそで考へても分かる。分かるが故に恐ろしい、今のうちに出来る限り彼女の精液を吐き出しておかないと大変な事になつてしまふ。凡そ"気が高ぶった"ふたなりが情けをかけ射精の途中で其の肉棒を引き抜いてくれるなんて甘い希望を持つてはいけない。況してや先つぽだけで我慢してくれるなど、夢のまた夢であらう。…………あゝ、こんなことになるなら初めからダンベルなど放つておけばよかつた、どうしてあの時詩乃に、云ひに行くぞ、などと持ちかけてしまつたのか、あのまま何も行動を起こさなければ後数年、いや、後数日は生きていけさうであつたのに。あゝ、どうして。-------さう悲嘆に暮れてゐると、遊びもここまでなのか、心百合が自身のモノの先端を、グイと此方の肛門に押し付けて来た。そして、
「んふ、ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね。-------」
と云ふ悦びに打ち震えた優しい声をかけられ、腰を掴んでいる手に力が込められ、メコリと肛門が広がる感覚が走れば直ぐ其の後、気を失ふかと思はれる程の激痛で目の前が真暗になつた。
「ぐごっ、…………ごげっ、ぐぁ、……………」
絶叫しようにも、舌が喉に詰まつて声が出てこない。だけどそんな空気の漏れる音を立ててゐるうちにも妹のソレはどんどん那央の中へ入つて来て、もう一時間もしたかと彼が思つた頃合ひにふと其の動きが止まり、次いで腰を握りつぶしてゐた手の力も抜けていき、たうたう全部入つたんだ、何とか耐えきつた、と安堵して息を吸つたのであるが、しかし心百合の言葉は彼を絶望させるのに十分であつた。
「------ちょっと先っぽだけ入れてみたけど、どう? 気持ちいい?」
「ぅご、………う、嘘だろ…………」
「嘘じゃないよ。じゃ、どんどん入れてくね」
「あがああああああああああっ、がっ、あっ、…………」
那央の絶叫は心百合に再び腰を掴まれ、メリメリメリ、………と骨が軋む音が再びし始めるとすつかり無くなつてしまつた。彼は激痛からもはや目も見えず声も出ず考へることすら出来ない状態なのだが、此れが人間の本能と云ふやつなのであらう、其れでも手を前に出し足を上げ、一人の可憐な少女から逃げようとしてゐるのである。が、いつしか手が空を切り膝が宙に浮くやうになるともう何が起きてゐるのか訳が分からなくなり、心無い者に突然抱きかかえられた猫のやうに手足をジタバタと暴れさせるだけになつてしまふ。そして、さうやつて訳が分からぬうちにも心百合の陰茎は無慈悲に入つて行き、体の中心に赤々と光る鉄の棒を突つ込まれたかのやうに全身が熱くなり汗が止まらなくなり初めた頃、いよいよお尻に柔らかい彼女の鼠径部の感触が広がつた。広がつてしまつた。
「んふふ、どう、お兄ちゃん? 気持ちいーい?」
「………………」
「黙ってたら分からないよぉ?」
と、云ひつつ心百合は腰を掴んでゐた手で那央の体を捻り其の顔を覗き込��。
「あがっ、…………」
「私はお兄ちゃんに気持ち良いかどうか、聞いてるんだけど」
「こ、こゆ、…………」
「んー?」
那央は黙つて首を横に振つた。当然であらう、自分の拳ほどの太さの陰茎を尻にねじ込まれ、体が動かないようにと腰を掴んでゐた手でいつの間にか持ち上げられ、内蔵を滅茶苦茶にしてきた陰茎で体を支えられ、もう今では中指の先しか手が床に付かないのである。例へ激痛が無くとも、腹に感じる違和感や、極度に感じる死の恐怖や、逃げられぬ絶望感から決して首を縦に振ることは出来ないであらう。
「そっか、気持ちよくないんだ。…………」
「はやく抜いてく、…………」
「------ま、関係無いけどね」
気にしないで、気にしないで、ちやんと気持ちよくしてあげるから、と続けて云ふと心百合は再び那央の腰を掴み直す。
「こ、こゆり!!! やめて!!!」
「うるさい! 女の子みたいな名前して、おちんちんで突かれたぐらいで文句言わないで!」
この言葉を切掛に、心百合は骨にヒビが入るほど其の手に力を入れ、陰茎を半分ほど引き抜いていく。そして支えを失つてもはや力なくだらりと垂れる兄を見、
「んふ、………」
と妖艶に色づいた息を漏らすと、彼のお尻に勢ひよく腰を打ち付けた。
「ぐがあぁ!!!!!」
「あぁん、お尻もさいこぉ。……………お兄ちゃんの悲鳴も聞こえるし、お口より良いかも、…………」
さう云ふと、もう止まらない。兄がどんなに泣き叫ぼうが、どんなに暴れようが自身の怪力で全て押さえ込み、其の体を己の腰使ひでもつて何度も何度も貫いて行く。そして初めこそ腰を動かして快楽を貪つてゐたが、次第に那央の事が本当に性欲を満たすための道具に見えてくると、今度は自分が動くのでは無くさつきと同じやうに彼の体を、腕の力だけで振り回して肉棒を刺激してやる。
「あぎゃっ! いぎぃ! おごぉっ!!-------」
「あはっ、お兄ちゃん気持ちよさそう。…………良かったねぇ、妹に気持ちよくしてもらえて。嬉しいでしょ?」
「こ、ごゆぅっ!! ごゆり”っ!!! ぐあぁっ!!!」
「なぁに、お兄ちゃん? 止めてなんて言わないでよね。いつもお勉強教えてあげてるのにあんな反抗的な目で見てきて、悔しかったのか知らないけど、どれだけ私が我慢してたか分かる?」
「じぬっ!! じぬがら!!! ゃめ!!!」
「…………んふ、もう大変だったんだから。毎日毎日、お風呂に入る前の一回だけで満足しなきゃいけなかった身にもなってよ」
「ぐぎぃっ!!こゆっ!!あ”あ”ぁっ!!!」
「でもさ、思うんだけど、どうしてあんな簡単な入試問題すら解けないのん? 私あの程度だったら教科書を読んだら、すぐに解けるようになってたよ? しかも小学生の頃に。入試まで後一ヶ月も無いのに大丈夫?
……………もうお兄ちゃんの代わりに大学行ったげるからさ、このままこんな風に私の玩具として生きなよ。そっちの方が頭の悪いお兄ちゃんにはお似合いだよ、きっと、たぶん、いやぜったい」
傷だらけの喉をさらに傷つけながら全力で叫ぶ那央を余所に、心百合は普段言ひたくて言ひたくて仕方無かつた事を吐露していくのであつたが、さうしてゐると自分でも驚くほどあつと云ふ間に絶頂へ向かつてしまつて、後数回も陰茎を刺激すると射精してしまひさうである。全く、この出来損ないの兄は妹一人満足させることが出来ないとでも云ふのであらうか。本当はこのまま快感の赴くがままに精液を彼の腹の中に入れてやりたい所だけど、折角手に入れた玩具を死なせてしまつては此方としても嫌だから、途中で射精を止めなければならぬ。いや、未だ壁の側で蹲つてゐるしぃにぃが居るではないか、と云ふかもしれないが人の腹の容量などたかが知れてゐて、満杯にした所で未だ未だ此の体の中には精液が波打つてゐる。-------あゝ、ほんの一合程度しか出ない男の人が羨ましい。見ると、なおにぃの股の下辺りに白い点々が着いてゐるのは多分彼の精液なのだと思ふが、なんと少ないことか。私もあのくらいしか出ないのであれば、心置き無く此の情けない体の中に精を放つことが出来るのに。……………
「------そろそろ、……そろそろ出るよ、お兄ちゃん。ちゃんと私の愛、受け止めてあげてね」
さう云ふと心百合は今までの動きが準備体操であつたかの如く、那央の体を激しく揺さぶり始める。そして最後、那央のお尻に自分のモノを全て入れきり目を閉じたかと思ひきや、
「んっ、んっ、………んん~~~。…………」
と、其の身を震わせて精子を実の兄の体の中で泳がせるのであつた。が、矢張り彼女にもどこか優しさが残つてゐたのか数秒もしないうちに、じゅるん、と男のモノを引き抜き那央を床に捨て、どろり、どろりと、止めきれ無かつた精液を其の体の上にかけると、でも矢張りどこか不満であつたのか壁際で自身の小さな小さなモノを扱いてゐたもう一人の兄の方を見た。
「しぃにぃ、おまたせ。早くしよっ」
其の軽い声とは逆に、彼女の肉棒はもう我慢出来ないと言はんばかりに、そして未だ未だ満足ではないと云はんばかりに大きく跳ね床に精液を撒き散らしてゐる。一体、妹の小さな体のどこにそんな体力があるのか、もうすでに男を滅茶苦茶に嬲り、中途半端とは云へ三回も射精をしてゐると云ふのに、此のキラキラと輝くやうな笑顔を振りまく少女は全く疲れてなどゐないのか、これがふたなりなのか。-----------
「あ、えぁ、…………」
「? どうしたの? なにか言いたげだけど。………」
「そ、その、きゅ、きゅうけい。…………」
「--------んふ、何か言った? 休憩? 私、休憩なんて必要ないよ。それにお兄ちゃんも十分休んだんだから良いでしょ。……ねっ、早くっ、早くお尻出して?」
「い、いや、いや、…………………」
起き上がつてドアまで駆け、そして妹に捕まえられる前に部屋を後にする、……………さう云ふ算段を詩乃は立ててゐたのであるが、まず起き上がることが出来ない。なぜだ、足に力が入らない、----と思つたが、かうしてゐる内にも心百合は近づいて来てゐる。其の肉棒を跳ね上げさせながらこちらに向かつて来てゐる。-------もうじつとしてなど居られない。何とか扉まで這つて行き、縋り付くやうにしてドアノブに手をかける。が、其の時、背中に火傷するかと思はれるほど熱い突起物が押し付けられたかと思つたら、ふわりと、甘い甘い、でも決して淑やかさを失ふことの無い甚く魅惑的な匂ひに襲はれ、次いで、背後から優しく、優しく、包み込まれるやうにして抱きしめられてゐた。そして首筋に体がピクリと反応するほどこそばゆい吐息を感じると、
「おにーちゃんっ、どこに行こうとしてるのん? まさか逃げようとしてたのん?」
と言はれ、ギュウゥゥ、………と腕に力を入れられてしまふ。
「ぐえぇ、………ぁがっ!………」
「-----んふふ、もう逃げられないよぉ。しぃにぃは今から私に、……この子に襲われちゃうの。襲われてたくさん私の種を吐き出されちゃうの。------ふふっ、男の子なのに妊娠しちゃうかもね」
「ご、ごゆり、…………あがっ、………だれかたすけて。……………」
と云ふが、ふいにお腹に回されてゐた手が膝の裏に来たかと思へば、いつの間にかゆつくりと体が宙に浮いて行くやうな感じがした。そして顔のちやつと下に只ならぬ存在感を感じて目を下に向けると、すぐ其処には嫌にぬめりつつビクビクと此方を見つめて来る妹の男性器が目に留まる。そして、足を曲げて座つた体勢だと云ふのに遥か遠くに床が見え、背中には意外と大きい心百合の胸の感触が広がる。…………と云ふことはもしかして俺は今、妹に逆駅弁の体位で後ろから抱きかかえられて、情けなく股を開いて男のモノを入れられるのを待つてゐる状態であるのだらうか。まさか男が女に、しかも実の妹に逆駅弁の体勢にされるとは誰が想像できよう、しかし彼女は俺の膝を抱え、俺の背中をお腹で支えて男一人を持ち上げてしまつてゐる。兄貴は心百合のモノが見えなかつたからまだマシだつただらうが、俺の場合は彼女の男性器がまるで自分のモノかのやうに股から生えてゐて、……………怖い、ただひたすらに怖い、こんなのが今から俺の尻に入らうとしてゐるのか。------
「あれ? お兄ちゃんのおちんちんは? どこ?」
詩乃はさつき自身のモノをしまふことすら忘れて扉に向かつたため、本来ならば逆駅弁の体位になつて下を向くと彼の陰茎が見えてゐるはずなのだが、可哀想なことに心百合のモノにすつぽりと隠れてしまつて全く見えなかつた。
「あっ、もしかしてこの根本に感じてる、細くて柔らかいのがそうなのかな? いや、全然分かんないけど」
心百合のモノがゆらゆらと動く度に詩乃のモノも動く。
「本当に小さいよね、お兄ちゃんのおちんちん、というか男の人のおちんちんは。私まだ中学一年生なのにもう三倍、四倍くらい?は大きいかな。…………ほんと、精液の量も少ないし、こんなのでよく人類は絶滅しなかったなぁって思うよ。-----まぁ、だから女の人って皆ふたなりさんと結婚していくんだけどね。お兄ちゃんも見てくれは良いのによく振られるのはそういうことなの気がついてる? 女の人って分かるんだよ、人間としての魅力ってものがさ。------」
「こゆり、…………下ろして。…………」
「あはは、役立たずの象徴を私のおちんちんで潰されてなに今更お願いしてるのん? ふたなりに比べて数が多いってだけで人権を与えられてる男のくせに。お兄ちゃんは、お兄ちゃんとして生まれた時点で、もう運命が決まってたんだよ。…………んふ、大丈夫大丈夫、心配しないで。もしお兄ちゃん達に人権が無くなっても、私がちゃんと飼ってあげるから、私がちゃんとお兄ちゃんにご飯を食べさせてあげるからさ、そんな不安そうな顔する必要ないよ、全然。--------」
「こゆ、り。…………」
「だって私、お兄ちゃんたちのこと大好きなんだもん。なおにぃにはあんなこと言ったけど、なんていうか二人とも、ペット? みたいで可愛いんだもん。だから普通の男の人よりは良い生活をさせてあげるから、さ、-----」
と、其の時、詩乃の体がさらに浮き始める。
「…………その代わりに使わせてね、お兄ちゃんたちの体。--------」
さう云ふと心百合は、早速兄の体を使おうと一息に詩乃を頭上へ持ち上げて、彼の尻穴と自身の雁首を触れ合はせる。意外にも詩乃が大人しいのはもう諦めてしまつたからなのか、其れとも油断させておいて逃げるつもりだからなのか。どちらにせよ動くと一番困るのは内蔵をかき乱される兄の方なのだから静かに其の時を待つてゐるのが一番賢いであらう。
「んふ、…………じゃあ、挿れるね。--------」
詩乃は其の言葉を聞くや、突然大人しく待��てなど居られなくなつたのであるが、直ぐにメリメリと骨の抉じ開けられる音が聞こえ、そして股から体が裂けていくやうな鈍い���みが伝わりだすと、体全体が痙攣したやうに震えてしまひもはや指の一本すら云ふことを聞いてくれなかつた。其れでも懸命に手足を動かそうとするものの体勢が体勢だけにそもそも力が入らず、ひつくり返された亀のやうに妹の腹の上でしなしなと動くだけである。だがさうしてゐるうちにも、心百合は力ずくで彼の体に男のモノを入れていき、もう其の半分ほどが入つてしまつてゐた。
「そんな無駄な抵抗してないで、自分のお腹を触ってみたら? きっと感じるよ、私のおちんちん」
妹に言はれるがまま、詩乃はみぞおち辺りを手で触れる。すると、筍が地面から生えてゐるやうにぽつこりと、心百合の男性器が腹を突き破らうと山を作り、そして何やら蠢いてゐるのが分かつた。
「あっ、……はっ、………はは、俺の、俺の腹に、あぁ、……………」
「んふふ、感じた? 昔こういうの映画にあったよね、化物の子供が腹を裂いて出てくるの。私怖くて、お兄ちゃんに抱きついて見れなかったけど、こんな感じだった?」
「-----ふへ、………ふへへ、心百合の、こゆり、………こゆ、…………」
「あはっ、お兄ちゃんもう駄目になっちゃった? しょうがないなぁ、………」
と云ふと、心百合は腰を引いて詩乃の体から陰茎を少し引き抜く。
「-----じゃあ、私が目を覚まさせてあげる、………よっ!」
「っおごぁっっっ!!!!!」
其のあまりにも強烈な一撃に、詩乃は顔を天井に上げ目を白くし裂けた口から舌を出して、死んだやうに手をだらんと垂れ下げてしまつた。果たして俺は人間であるのか、其れとも妹を気持ちよくさせるための道具であるのか、いや、前者はあり得ない、俺はもう、もう、…………さう思つてゐると二発目が来る。
「ぐごげぇえええっっっっ!!!!!」
「んー、…………まだ目が醒めない? もしもーし、お兄ちゃん?」
「うぐぇ、……げほっ、げほっ、………」
「まだっぽい? じゃあ、もう一発、………もう一発しよう。そしたら後はもうちょっと優しくしたげるから!」
すると、腹の中から巨大な異物が引き抜かれていく嫌な感覚がし、次いで、彼女も興奮しだしたのか背後から艶つぽい吐息が聞こえてくるようになつた。だけど、どういふ訳か其の息に心臓を打たせてゐると安心して来て、滅茶苦茶に掻き回された頭の中が少しずつ整頓され、遂には声が出るようになつた。
「こ、こゆり。………」
「うん? なぁに、お兄ちゃん」
「も、も、ももっと、もっと、…………」
もつと優しくしてください、と云ふつもりであつた。しかし、
「えっ、もっと激しくして欲しいのん? しぃにぃ、本当に良いのん?」
「い、いや、ちが、ちが、…………」
「----しょうがないなぁ。ほんと、しぃにぃって変態なんだから。……でもさすがに死んじゃうからちょっとだけね、ちょっとだけ。-------」
さう云ふと心百合は、今度は腰を引かせるだけでなく詩乃の体を持ち上げるまでして自身の陰茎を大方引き抜くと、其のまま動きを止めてふるふると其の体を揺する。
「準備は良い? もっと激しくって言ったのはお兄ちゃんなんだからね、どうなっても後で文句は言わないでね」
「あっ、あっ、こゆり、ぃゃ、……」
「んふ、-------」
と、何時も彼女が愉快な心地をする際に漏らす悩ましい声が聞こえるや、詩乃は床に落ちていつた。かと思えば、バチン! と云ふ音を立てて、お尻がゴムのやうに固くも柔らかくもある彼女の鼠径部に打ち付けられ、体が跳ね、そして其の勢ひのまま再び持ち上げられ、再度落下し、心百合の鼠径部に打ち付けられる。-------此れが幾度となく繰り返されるのであつた。もはや其の光景は遊園地にある絶叫系のアトラクシオンやうであり、物凄い勢ひでもつて男が上下してゐる様は傍から見てゐても恐怖を感じる。だが実際に体験をしてゐる本人からするとそんな物は恐怖とは云へない。彼は自分ではどうすることも出来ない力でもつて体を振り回され、腹の中に巨大な異物を入れられ、肛門を引き裂かれ、骨盤を割られ、さう云ふ死の苦痛に耐えきれず力の限り叫び、さう云ふ死の恐怖から神のやうな少女に命乞ひをしてゐるのである。だが心百合は止まらない。止まるどころか彼の絶叫を聞いてさらに己を興奮させ、ちやつと、と云つたのも忘れてしまつたかの如く実の兄の体をさらに荒々しく持ち上げては落とし、持ち上げては落とし、其の巨大な陰茎を刺激してゐるのであつた。
「あがあぁぁぁ!!!こゆ”り”っっっっ!!!!ぅごぉあああああっぁぁ!!!!」
「えへへ、気持ちいーい?」
「こゆりっっ!!こゆり”っ!!!!!こゆっ!!!!」
「んー? なぁに? もっと激しくって言ったのはお兄ちゃんでしょう?」
「あぁがぁぁっっ!!!ごゆ”り”っ!!!」
「んふふ、しぃにぃは本当に私のこと好きなんだねぇ。いくら家族でも、ちょっとドキドキしちゃうな、そこまで思ってくれると。------」
腰を性交のやうに振つて、男を一人持ち上げ、しかも其の体を激しく上下させてなお、彼女は息を乱すこともなく淡々と快楽を味はつてゐる。が、其の快楽を与えてゐる側、------詩乃はもう為すがまま陵辱され、彼女の名前を叫ぶばかりで息を吸えてをらず、わなわなと震えてゐる唇からは血の流れを感じられず、黒く開ききつてゐる瞳孔からは生の活力が感じられず、もはや処女を奪はれた生娘のやうに肛門から鮮血を垂れ流しつつ体を妹の陰茎に突き抜かれるばかり。でも、其れでも、幸せを感じてゐるやうである。何故かと云つて、彼ら兄弟は本当に妹を愛してゐるのである。其の愛とは家族愛でもあると同時に、恋ひ人に向ける愛でもあるし、崇敬愛でもあるのである。そしてそこまで愛してゐる妹が自分の体を使つて喜んでくれてゐる、いや彼の言葉を借りると、喜んで頂けてゐるのである。…………此の事がどれほど彼にとつて嬉しいか、凡そ此の世に喜ぶ妹を見て嬉しくならない兄など居ないけれども、死の淵に追ひ込まれても幸せを感じるのには感服せざるを得ない。彼を只の被虐趣味のある変態だと思ふのは間違ひであり、もしさう思つたのなら反省すべきである。なんと美しい愛であらうか。---------
「んっ、………そろそろ出そう。……………」
さうかうしてゐると、心百合はどんどん絶頂へと向かつて行き、たうたう、と云ふより、此れ以上快感を得てしまつては途中で射精を止める事が出来ない気がしたので、さつさと逝つてしまはうと其の腰の動きをさらに激しくする。
「ひぎぃ!!うぐぇ!!ごゆりっ!!じぬ”っ!!!じぬ”ぅっっっっ!!!!」
死ぬ、と、詩乃が云つた其の時、一つ、心百合のモノが暴れたかと思ひきや、唯でさへ口を犯された際の名残で大きく膨れてゐた彼の腹がさらに膨らみ、そして行き場を失つた精液が肛門をさらに切り裂きながら吹き出て来て、床に落ちるとさながら溶岩のやうに流れていく。
「あっ、あっ、ちょっ、…………そんなに出たら、………あぁ、もう! 」
心百合は急いで詩乃の体から男性器を取り出し床に捨てると、本棚に向かつて流れていく精液を兄の体を使つて堰き止め、ついでにもう殆ど動いてゐない那央を雑巾のやうに扱つて軽く床を拭き、ほつとしたやうに一息ついた。
「まだ出したり無いけど、ま、この辺にしておこうかな。………これ以上は本が濡れちゃう。-------」
続けて、
「なおにぃ、しぃにぃ、起きて起きて、-------」
だが二人とも、上と下の口から白くどろどろとした液体を吐き出し倒れたままである。
「-----ねっ、早く起きて片付けてよ。でないともう一度やっちゃうよ?」
と云つて彼らの襟を背中側から持ち、猫をつまむやうにして無理やり膝立ちにさせると、那央も詩乃も一言も声を出してくれなかつたがやがてもぞもぞと動き始め部屋の隅にある、彼女がいつも精液を出してゐるバケツを手に取り、まずは床に溜まつてゐる彼女の種を手で掬い取つては其の中に入れ、掬い取つては其の入れて"行為"の後片付けをし始めたので、其の様子を見届けながら彼女もウェットティッシュで血やら精液やらですつかり汚れてしまつた肉棒を綺麗にすると、ゴロンとベッドに寝転び、実の兄としてしまつた性交の余韻に、顔を赤くして浸るのであつた。
那央たち兄弟は体中に感じる激痛で立つことすら出来ず、ある程度心百合の精液をバケツに入れた後は這つて家の中を移動し、雑巾を取つて来て床を拭いてゐたのであるが、途中何度も何度も気を失ひかけてしまひ中々進まなかつた。なんと惨めな姿であらう、妹の精液まみれの体で、妹の精液がへばり付いた床を雑巾で拭き、妹の精液が溜まつてゐるバケツの中へ絞り出す。こんな風に心百合の精液を片付けることなど何時もやつてゐるけれども、彼女に犯されボロ雑巾のやうな姿となつた今では、自分たちが妹の奴隷として働いてゐるやうな気がして、枯れ果てた涙が自然と出て来る。-------あゝ、此の涙も拭かなくては、…………一つの拭き残しも残してしまつては、俺たちは奴隷ですらない、人間でもない、本当に妹の玩具になつてしまふ。だがいくら拭いても拭いても、自分の体が通つた場所にはナメクジのやうな軌跡が残り、其れを拭こうとして後ろへ下がるとまた跡が出来る。もう単純な掃除ですら俺たちは満足に出来ないのか。異様に眠いから早く終はらせたいのに全く進まなくて腹が立つて来る。が、読書に戻つて上機嫌に鼻歌を歌ふ妹のスカートからは、蛇のやうに”ソレ”が、未だにビクリ、ビクリと、此方を狙つてゐるかの如く動いてゐて、とてもではないがここで性交の後片付けを投げ出す事など出来やしない。いや、そもそもあれほど清らかな妹にこんな汚い仕事などさせたくない。心百合には決して染み一つつけてなるものか、決して其の体を汚してなるものか、汚れるのは俺たち奴隷のやうな兄だけで良い。-------さう思ふと急にやる気が出てきて、二人の兄達は動かない体を無理やり動かし、其れでも時間はかかつたが綺麗に、床に飛び散つた精液やら血やらを片付けてしまつた。
「心百合、………終わったよ。-----」
「おっ、やっと終わった? ありがとう」
「ごめんな、邪魔してしまって。…………」
「んふ、………いいよいいよ、その分気持ちよかったし。-------」
さう心百合が云ふのを聞いてから、兄二人は先程まで開けることすら出来なかつた扉から出て行こうとする。
「あ、お兄ちゃん、------」
心百合が二人を呼び止めた。そして、
「-----また明日もしようね」
とはにかみながら云ひ二三回手を振つたのであるが、那央も詩乃も怯えきつた顔をさらに怯えさせただけで、何も言はずそそくさと部屋から出ていつてしまつた。
「詩乃、…………すまん。…………」
心百合の部屋を後にして扉を閉めた後、さう那央が詩乃に対して云つたけれども、云はれた本人は此れにも特に反応せず自分の部屋に、妹の精液が入つたバケツと共に入りほんの一時間前まで全ての切掛となつたダンベルがあつた位置に座り込んだ。其のダンベルと云へば、結局心百合の部屋から出る時に那央が持つてゐたのであるが、自室に入る際に階段を転げ落ちてゐく音がしたから多分、兄と一緒に踊り場にでも転がつてゐるのであらう。もう其れを心配する気力も起きなければ、此れ以上動く体力も無い。なのに体中に纏わりつく心百合の精液は冬の冷気でどんどん冷え、さらに体力を奪つて来てゐる。ふとバケツの方に目を向けると、二人の血でほんのりと赤みがかつた妹の精液が半分ほど溜まつてゐるのが見える。-------一体これだけでも俺たち男の何倍、何十倍の量なのであらうか。一体俺たちがどれだけ射精すれば此の量に辿り着けるのであらうか。一体どれほどの時間をかければ人の腹を全て精液で満たすことが出来るのであらうか。しかも此の液体の中では、男の何百、何千倍と云ふ密度で妹の精子が泳いでゐると云ふではないか。…………恐ろしすぎる、もはやこの、精液で満たされぱんぱんに張つた腹が彼女の子供を授かつた妊婦の腹のやうに見えてくる。もし本当にさうなら、なんと愛ほしいお腹なのであらうか。………だが残念なことに、男は受精が出来ないから俺たちは心百合の子供を生むことなど出来ぬ。其れに比べて彼女の��供を授かれる女性の羨ましさよ、あの美しい女神と本来の意味で体を交はらせ、血を分かち合ひ、そして新たな生命を生み出す、-------実の妹の嬲り者として生まれた俺たち兄弟とは違ひ、なんと素晴らしい人生を歩めるのであらう。だが俺たちの人生も丸切無駄では無いはずである。なんせ俺達は未だ生きてゐる。生きてゐる限り心百合に使つて頂き喜んで頂ける。もう其れだけで十分有意義である。詩乃はパキパキと、すつかり乾きつつある心百合の精液を床に落としながら立ち上がると、バケツに手をつけた。
--------と、丁度其の時、妹の部屋の方向から、ガチャリと扉の開く音がしたかと思えば、トントントン…………、と階段を降りていく軽い音が聞こえてきた。さう云へば、ふたなりも男と同じで射精をした後はトイレが近くなるらしいから、階段下のトイレに向かつたのであらう。と、詩乃は思ひながら其の足音を聞いてゐたのであるが、なぜか途方もない恐怖を感じてしまひ、心百合が階段を降りきるまで一切の身動きすら取らず、静かに息を潜めて心百合が戻つて来るのを待つた。----今ここで扉を開けてしまつては何か恐ろしいことになる気がする。…………其れは確かに、今しがた瀕死になるまで犯された者の「感」と云ふものであつたがしかし、もし本当に其の感の云ふ通りであるならば、先程階段を転げ落ちていつた那央はどうなるのであらう。多分兄貴も俺と同じやうに全く体が動かせずに階段下で蹲つてゐるとは思ふが、もし其処に心百合がやつて来たら? いや、いや、あの心優しい心百合の事だし、しかももう満足さうな顔をしてゐたのだから、運が良ければ介抱してくれてゐるのかもしれない。————が、もし運が悪ければ? 此の感が伝えてゐるのは後者の方である、何か、とんでもなく悪い事が起こつてゐるやうな気がする。さう思ふと詩乃は居ても立つても居られず、静かに静かに決して音を立てぬようそつと扉を開けると、ほとんど滑り落ちながら階段を降りて行く。途中、那央が居るであらう踊り場に妹の精液の跡があつたが、兄は居なかつた。でも其の後(ご)もずつと精液の跡は続いてゐたので何とか階段を降りきつたのであらうと一安心して、自身も階段を降りきると、確かに跡はまだあるのであるが、其処から先は足を引きずつたやうな跡であり、決して体を引きずつたやうな跡ではなくなつてゐる。…………と云ふことは、兄はもしかして壁伝いに歩いたのだらうか、------と思つてゐたら、ふいに浴室の方から声が聞こえてきたやうな気がした。最初は虫でも飛んでゐるのかと思つたけれども、耳を澄ますと矢張り、毎日のやうに聞いてゐる、少し舌足らずで可愛いらしい声が、冬の静寂の中を伝はつて確かに浴室から聞こえてくる。そしてよく見れば、兄の痕跡は其の浴室へ向かつて伸びてゐる。------いや、もしかしたら精液まみれで汚れてしまつた那央を綺麗にしようと、心百合がシャワーを浴びせてゐるのかもしれない、それに自分もティッシュで拭くだけでは肉棒を綺麗にした気がせず、もしかするとお風呂にでも浸かつてゐるのかもしれない。…………が、浴室に近づけば近づくほど嫌な予感が強くなつてくる。しかも脱衣所の扉を開けると、ビシュビシュと何やら液体が、無理やり細い管から出てくるやうな音、-----毎夜、妹の部屋から聞こえてくる、兄弟たちを虜にしてやまない"あの"音が聞こえてくる。
「あ、あぁ、…………」
と声を漏らして詩乃は、膝立ちになり恐る恐る浴室の折戸を引いた。すると心百合は其処に居た。此方に背を向け少し前のめりになり、鮮やかな紺色のスカートをはためかせながら、腕を大きく動かして甘い声を出して、確かに其処に居た。-----
「こ、こゆり。……………」
「うん? もしかして、しぃにぃ?」
心百合が此方に振り向くと、変はらずとろけ落ちさうなほど可愛い彼女の顔が見え、そして彼女の手によつて扱かれてゐる、変はらず悪夢に出て来さうなほどおぞましい"ソレ"も見え、そして、
「あんっ、…………」
と、甲高い声が浴室に響いたかと思えば腕よりも太い肉棒の先から白い液体が、ドビュルルル! と天井にまで噴き上がる。
「あぇ、こゆり、………どうして、…………」
「んふ、やっぱり中途半端って良くないよね。もうムラムラしてどうしようも無かったから、いっその事、我慢しないことにしたんだぁ。……………」
其の歪んだ麗しい微笑みの奥にある浴槽からは、彼女の言葉を物語るかのやうに入り切らなかつた精液がどろどろと床へと流れ落ちていつてゐる。……………いや其れよりも、其の精液風呂から覗かせてゐる黒いボールのやうな物は、其れに縁にある拳のやうな赤い塊は、もしかして、-------もしかして。………………
「あ、兄貴、…………」
もう詩乃には何が起きてゐたのか分かつてしまつた。矢張り、良くないことが起きてゐた。其れも、最悪の出来事が起きてゐた。-------射精は途中で無理やり止めたものの合計で四回も絶頂へ達せられたし、其れなりに出せて満足した心百合は、兄たちが"行為"の後片付けをしてゐる最中に読書を再開したけれども、矢張りどこか不満であつたのか、鼻歌を歌ふほど上機嫌になりつつも悶々としてゐたのであらう。何しろあの時妹の肉棒は、惨めに床を拭く俺たちを狙ふかのやうに跳ねてゐたのである。其れで、兄たちが居なくなりやうやく静かになつて、高ぶつた気もついでに静まるかと思つたのだが、意外にもさうはならない、むしろ妹の男性器はどんどん上を向いていく。あゝ、やつぱりお兄ちゃんたちの顔と叫びは最高だつた。あれをおかずにもう一発出したい。………と思つても、兄たちがバケツを持つていつてしまつたので処理をしようにも出来ず、結局我慢しなければならなかつたが其のうちすつかり興奮しきつてしまひ、ベッドから起き上がつて、一体どうしたものかと悩んだ。------いや別に、バケツはあと一つ残つて居るのだから今ここで出してもよいのだけれども、其れだけで収まつてくれる筈がない。お風呂も詰まつてはいけないとお兄ちゃん達が云ふから駄目だし、外でするなんて、夜ならまだしもまだ太陽が顔を覗かせてゐる今は絶対にやりたくない。そもそも外でおちんちんを出して自慰をするなぞ其れこそ捕まつてしまふ。どうしよう。…………さう云へばさつき、さういえば階段からひどい音が聞こえたのは少し心配である。もう二人は歩くことも出来ないのかしらん。可哀想に、歩くことも出来ないなんて其れは、其れは、……………もはや捕まえて欲しいと自分から云つてゐるやうなものではないか。さうか、お兄ちゃんたちをもう一回犯せば良いんだ。どつちが階段を下りていつたのかは知らないが、歩くことも出来ないのだから下の階には二人のうちどちらかが未だ居るはず、いや、もしかしたら二人共居るかもしれない。-------と、考へると早速部屋から出て、階段を下り、下で倒れてゐた那央を見つけると服を汚さぬよう慎重に風呂場まで運んで、そして、----ここから先は想像するのも嫌であるが、心置きなく犯して犯して犯して犯したのであらう。浴室に散乱するシャンプーやらの容器から那央が必死で抵抗したのは確かであり、其れを己の力で捻じ伏せ陵辱する様は地獄絵図であつたに違いない。いや、地獄絵図なのは今も変はりは無い。何故かと云つて心百合のモノは此方を見てきてゐるのである。ビクビクと自身を跳ね上げつつ、ヒクヒクと鈴口を蠢かしてゐるのである。此の後起こることなんて直ぐ分かる。-------逃げなくては、逃げなくては、………逃げなくてはならぬが、心百合がほんのりと頬を赤くし愉快な顔で微笑んで来てゐる。あゝ、可愛い、………駄目だ、怖い、怖くて足が動かない。…………と、突つ立つてゐると心百合の手が伸びてくる。そして、抱きしめられるやうにして腰を掴まれるとやうやく、手が動くようになり床に手を付けた。が、もう遅い。ずるずると、信じられない力で彼の体は浴槽の中へ引きずり込まれていく。どれだけ彼が力強く床に手を付けようとも、どれだけ彼が腰に回された手を退けようとも、ゆつくりと確実に引きずり込まれていく。そして、またたく間に足が、腰が、腹が、胸が、肩が、頭が、腕が、どんどん浴室の中へと入つて行き、遂に戸枠にしがみつく指だけが外に出てゐる状態となつた。が、其の指も、
「次はしぃにぃの番だよ? 逃げないで。男でしょ?」
と云はれより強く引つ張られてしまふと、耐えきれずにたうたう離してしまつた。
「やめてええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
心百合と云ふたつた一三歳の、未だぷにぷにと幼い顔立ちをした妹の力に全く抗えず、浴室に引きずり込まれた詩乃はさう雄叫びを上げたが、其の絶叫も浴室の戸が閉まると共に小さくなり、
「んふ、………まずはお口から。-------」
と、思はず恍惚としてしまふほど麗しい声がしたかと思ひきや、もう聞こえなくなつてしまつた。
(をはり)
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RDR2:52:変人たちと遊ぼう!1
……本日前半はスクショが……コピーしようとして間違って削除したので……動画撮ってた部分にしかなくて……。゚(゚´ω`゚)゚。 せめてPS4、スリープするまででもいいから、削除した動画とかスクショにアクセスできるゴミ箱フォルダ用意してくれないのかっっ(੭ु ˃̣̣̥᷄⌓˂̣̣̥᷅ )੭ु ちなみに今回・次回で、変な人たちのところをうろうろする予定でいますが、今回の中盤はレニーのプチミッション、駅馬車強盗についても触れています。
さて。 そんなわけで、プレイ中には撮ってなかったスクショでも、動画から撮影しなおして誤魔化し……。 まずは、サンドニで出会った変なおっさんから頼まれてる、密造酒の強盗に行くことにしました。よってこの犯罪用のダッサい格好に着替えたわけです。普段絶対に身につけないイモい格好です。だって、お気に入りのおようふくで指名手配覚えられたくないしぃ( ತಎತ)
……まあ、すまん。御者一人くらいなら、縄で引きずり落として縛っておくんだが、四人もいるとなるとこうせざるをえない(´・ω・`)
ほい、デッドアイ中、一気に四人ヘッドショット。
スパパパーン★(´・ω・`) うまくいったけど、本意じゃないんだ。こんなことするミッションだと知ってたら、そもそも引き受けなかったかもしれないが、引き受けてしまった以上、この道通ると強制的におまえらがやってきて、無視すると強制的に失敗になって、強制的にやり直しさせられるんだ(´・ω・`) だから仕方ないんだ(´・ω・`) あとまあ、変なおっさんがなにしようとしてるのかには、興味あるしな(´・ω・`)
よっこらせと。まあ密造酒なんて違法なものなわけだし、心底真っ当な人たちではないってことで、納得しておくしかあるまい。
だからというわけでもないとは思いますが、名誉レベルは微動だにしませんでした。このへん、たまに謎ですな���無法者とかギャング名の出る相手ならともかく、「見知らぬ人」でも犯罪扱いされないことがけっこうあります。 密造酒を届けると、警察署長に実験の許可をもらってきてくれと言われます。それより報酬どうなってんだよと言い募るアーサーさんですが、答えないという必殺の無敵回答。そしてにも関わらず、素直にのこのこと出かけるアーサーさん。お人好し(´ω`*)
このあたりからスクショがないのですが。゚(゚´ω`゚)゚。、行くついでにきちんと着替えていつものブラックガンマンになり、シャルルの展覧会に寄りました。 受付から「見る価値があるかどうか……。私は責任負いませんよ」みたいなこと言われます。 絵は基本的にヌードばかり。これはもらったスケッチから予想してたけど……まあ、上手くはないんじゃないかな(´・ω・`) 俺みたいな下手の横好きっていうか、素人の手慰みとは違うけど。 何故着衣じゃないのか、とか言い出すのはまあ、現代の感覚からするとあまりにも堅苦しい話ですが、「これはうちの旦那の尻じゃないか」と言い出したおばちゃんがおりまして。 そこから、これはうちの妻じゃないかetc...。家人に知らせず勝手に戻るになってる人ばかり、イコール、シャルルと寝てるんだろうと。 そんなわけで案の定乱闘騒ぎになり、シャルルはまたどっかの人妻のところに身を隠しました。
さて、そのまま警察署に行くと……やってもいいけど、100$の費用がかかるだとぉ? ……「交渉する」を選ぶと、どうしたアーサーさん、おばかさんとは思えないくらい流暢に、電気椅子の存在意義について説明するじゃないか!?( ゚д゚) というのはさておき、囚人に苦痛を与えずに処刑する人道的で近代的、画期的な道具だと説明し、50$にまけてもらえました。半額かよ。うあーん、それにしてもこの出費、戻ってくるんだろうかな( ತಎತ) と思いつつアンド���ュー3世のところに戻ると、今度はモルモ……被験体が必要だと。手頃なのがいると渡されたのは、殺人、重婚……それから字幕では動物虐待と出ますが、ヒアリングでは獣姦ゆーてるぞおい( ತಎತ) 手配書見てもAnimal husbandryと書かれてますな。報酬は95$。てことは、値切り交渉していれば、こいつの報奨金で黒字になるってこと?(´ω`*)ナラ イイヤ 動物好きなアーサーさんとしては、心置きなく電気椅子に座らせられる相手でしょう。 というわけでとっとこ出掛け……手下か仲間か知らないけど、全滅させると「化物かよ」みたいに言われますな。そんで逃げたのはとっとと縛り上げて、と。 「愛してるから」みたいなことをほざくのは殴って黙らせ、密造酒パクった相手の仲間が来たのはとっとと始末し、そんなことより、道中アーサーが喋る「雷に撃たれた農場なら見たことがある」がめちゃくちゃ人が悪くて楽しかったです(´ω`*) 「電気と雷は違うから安心しろ」と言いつつ、「嵐が来てるのを見てなかったら悪魔の仕業だと思っただろうなぁ」とか、悲惨な現場を説明するという。つまりアーサーさん、電気椅子が人道的で苦痛のない方法だとは微塵にも思ってなくて、雷で死ぬのと同じようなことになると思ってるんだなこれ。 少なくとも、電圧とかいろんな調整がされてないかぎりは、そうでしょうなぁ。しかも実験第一号なんだしこれ。 そうして教授のもとにモルモットを配達。……うーん、ここではまだ報酬もらえないから……処刑会場に運んでいくのについていったけど、ミッションはまだ出ないし。また今度かな。捕まえたのは捕まえたんだから、所長のとこ行ったら後でもらえるのかも?
ともあれすぐには何もないようなので、拠点に戻って一晩明かし……だからそこで顔洗わないでよ:( •ᾥ•): と思いつつ、今日は、レニーの馬車強盗にでも付き合うかなぁ。
「馬車強盗だよ。護衛もいないらしいから俺一人で行こうと思ってる」と言うレニーに、お節介気味についていこうとするアーサーさんw 誰か一緒に来てもらうっていうなら、もちろんあんたに頼むよ、しゃーないなぁ、みたいな感じで二人でお出かけです。……スクショはたまたま二人とも目ぇ閉じてるへっぽこですが、それはそれで面白いのでね。
あんたは屋敷の中で寝てるじゃないか、俺たち若い連中は外だぞ、と言うのに答えてアーサー。レニーってまだ10代だったのか。そのわりにしっかりしてるなぁ(´ω`*) と思いつつ移動中会話など聞いていると、レニーがはぐれたのは、父親を殺した連中を殺してのことだそうで(´・ω・`) 2章で聞いたレニーの夜話、最初から最後まできちんと聞いてたらそのへん語ってたのかな? ともあれ、だったらあの父親からの手紙、受け取った当時はもしかすると「鬱陶しい親父だなぁ、うるさいよ」とか思ったかもしれなくても、今となっては立派な教師だった父の形見、大切なものなのだな。 それにしてもジョンも孤児で12くらいで拾われ、アーサーも15くらいでギャングに。レニーも数年は逃亡生活していたと言ってるので、15くらいでそうなって、半年くらい前に拾われたって感じか。みんな子供のときから苦労してるのね(´・ω・`) ちなみに、馬車の情報ソースについては、大丈夫だ信用できる、としか言わないレニーですが……。
見張りもいない楽勝な馬車だと思ったら、中から出てきたのは法執行官。 つまりこれは、馬車強盗を捕まえるための罠。もちろん情報だって偽物。アーサーは、そういうことがあると知っていればこそ、うますぎる話からピンときて、レニーについていこうとしたわけですな。
そんなこともあるさ。でも生き残ったんだからいい。気にするな。 とだけ言うアーサー。恩着せがましいことも説教くさいことも言わないのは、レニーは自分でこの体験から学ぶと信じてるからでしょう。 んー……せっかくドラマが良いゲームなんだから、これはちょっと……アーサーの日記にも書かれない出来事だし……。アーサーがレニーを一人前にしよう、生き抜けるように後見してやろうと思ってること、その気持ちがきっと以前より強いだろうことは、表現してほしかったなと思います。だってねぇ。アーサーもまだ35くらいですけど、それにしたって、自分より若い弟分や妹分たちが先に死んでいくのは見たくないでしょうよ。 あんまりいつまでもジメジメ引きずってるのも鬱陶しいと思いますけど、”例の件”はその後のドタバタもあって、ありにもあっさりと流れ去った感(´・ω・`)カワイソ だからせめてこういう場面、アーサーの日記の中でだけでも、そんな思いがあること、あの出来事がちゃんと刻まれてることを出してほしかったなと思ったのでありました。
それからのこのことやってきたのはバレンタイン。 やっぱりミッキーいないなぁ。あと、そういえば四人のガンマン倒すだけ倒して、伝記作家のとこ報告にもなんにも行ってないやと脇道の酒場にも寄りたくて。しかしここにあの作家もキャロウェイもいなかったので、オートミール食べて、さて、ストロベリー方面へ向かおうか。 というのは、すっかり放置してる賞金首です。かなりの腕のガンマンで殺し屋。なのに生け捕りにしろっていうなかなかの無茶振りのあれ。寄り道しまくって途中でやめて引き返して、それっきりだもんな。
と思ってたのに、「?」見つけて近寄ってみたら、この双子でした。 今度は……殴れ? 自分のほうがタフだと証明したいわけか。あほだな(´・ω・`)
まあ殴るけど☆∵;.c=(´・ω・` )qウリャ 顔を殴り……腹を殴り……は? 股間を殴れ??
実際には蹴りましたけどね? 金にもならん暇つぶしだけど、このあほな双子たちが次はなにを言い出すのか、楽しみにしていようと思います。エスカレートして命にかかわらなきゃいいけどなぁ(´・ω・`)
ちなみにひんなちょっとした荒事でも、すげー逃げてるアラブw これは邪魔にならん場所までってことで、どんな馬でもここに来るのかな。教会の墓地で草食べてました。死体の養分吸って育った草はうまいか?(ㅍ_ㅍ)
そんなことしてたらすっかり夜になってしまっていたので、本日(ゲーム内)はここまで。バレンタインのホテルにお風呂と部屋頼んで、ここ数日の旅の汗と垢を落とします。きれいにしとかないと、メアリーに嫌われちゃうしね(´・ω・`) 夢中になってうろうろしてると、風呂に入ったのかせ何日前だったか忘れるんですよねぇ。転んだりして泥だらけにでもなればすぐその日にとか、次にどこかの町に寄ったらと思うのですが。 そーいや、なんでシェイディベルの屋敷に風呂場がないんでしょうか? 他の2箇所は完全に屋外だったから仕方ないけどさぁ。
次回はストロベリーに賞金首捕まえに行ってのすったもんだですw
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最近、子供が死ぬ夢をよく見る。
大体、死因ははっきりとしない。突然死んでいることになっている。死んでしまってもう居ないところから夢が始まる。
これがきつい。
あるはずの物がなくなって初めて死を知るという感じだ。「居るはずの人」ではなくて「あるはずの物」という感覚が強い。
なぜ人ではなくて物と感じるのかははっきりと説明できないのだけど、赤ちゃんのころから家の中に子供というのは存在し、それを保護して育てていくので親としては「宝物」という感じに近いのかもしれない。「人」であるからには立場が対等でなくてはならないという暗黙の前提を置いてしまっているからかもしれない。親子関係は親が子供の教育責任と保護監督責任を負う。子供に対してはその責任を親が肩代わりしているのであるから、子供は親に従うべきであるというこれもまた暗黙の前提を置く。しかし当の子供本人には当然ながらそんな意識は無く、この世は基本的に自由であって、それに制限を課す親や先生、要するに大人は口うるさいものだという認識でいる。おそらくそれが健全な状態なのだろう。
夢の中で私はあるはずのものが存在しないことに気づいて空虚な気持ちになる。今まであることが当たり前だったものが失われて初めて自分が思っていた以上に大事であったことがわかった。そういった夢を見ることを繰り返す。
子どもたちは大体は存在していないが、たまに幽霊として会いに来ることもあった。幽霊だから、下半身はなかった。「パパ、今まで一緒に遊んでくれてありがとう」そう言っていつものように笑う。天国に行くでもなく、ただそこに居て笑うだけだ。しかし触れることはできない。幽霊だから。そのうちに喋ることもできなくなる。
非科学的なことではあるが、夢は常に暗示めいていて不安になる。
私の友人の一人が16歳の時に死んでしまった。��当に仲の良い友達であった。彼が死んでしまう1ヶ月ほど前から、彼は死後のことについてよく語っていた。まだ16歳、高校生だというのに「俺、生命保険をかけておいたほうが良いような気がするんだよね」とか、「俺が死んだらライブハウスに行って無料でライブ見るし、ラブホに侵入して生活するわ」などと。その後に死んでしまったことによって、その直前にあった関連しそうな記憶を恣意的に抽出しているのかもしれないが、それでもなお頭の中では何か神秘的と言うか、現状の科学では説明できない何かがあったのかと思ってしまう。
であるから、子供が死んでしまう夢というのは非常に気味が悪い。
今回の夢もそうだった。曖昧な記憶になってしまっているが、夢の中で私は子供を救うために何度か人生をやり直していた。
ある日。私は嫁さんと喧嘩して離婚に至った。それも繰り返した人生のうちで何度か発生したことだった。その時は、嫁さんが夕飯を作っている最中に突然怒り始めたのがきっかけだった。何故怒ったのかわからないが、しかし口論になっている。記憶をたどると怒り始めたきっかけは私が嫁さんに何か日常の一言を話しただけだ(セロハンテープはどこにしまった?とか、外出するけど買ってくるものはある?とかそんなものだ)。それだけで嫁さんは激怒した。料理中に話しかけるな、か何か言っていたと思う。
またある時は私が車を運転していて道を間違ったから激怒した。そのくらいで離婚に至るのは不条理だと思うが、しかし離婚に向けての話し合いはどんどん進んでいく。「猫はあなたにあげる」「でも子供は二人共連れて行く」「面会の権利はあるんだからそれで文句ないでしょう」などと言っている。なんとか離婚を避けようとするが、あまりにも怒っていて話が通じない。
結局、離婚に至る。
ある時は離婚に至ってから、私はタイで暮らしていた。大きな会社のブリッジSEみたいな仕事で現地の若いプログラマを指揮していた。宿舎はあまり綺麗ではなかったが小ぢんまりとしていて掃除も一軒家に比べれば楽だった。日差しが強いがそれが作られる木陰が部屋の中にも入ってきて暮らしやすかった。
ある時は浮間舟渡駅の近くに住んでいた。浮間舟渡は東京都北区にあって、埼玉との県境に位置する。現実では浮間舟渡駅近くには地元の友達が住んでいた事があって、何度か遊びに行ったことがある。駅を降りると駅前は暗くしずかで、まさにベッドタウンといった表現が近いように思う。ただ、私が行ったことがあるのは数えてみるともう10年前にもなるので、今はどうなっているのかわからない。
ある時は東京都府中市近辺を自転車で走っていた。細くてどこまでも続く街路を縫うように走り、どこかの家で夕飯を作るために食器や鍋の類をカチャカチャとやる音が聞こえる。その時住んでいるアパートも小さくて暗くて古いものだった。もう家族は居ないのだから、安いアパートで何も問題ない。浮いたお金を余暇を過ごす楽しみに使えば良い。
そんな時にいつも電話が入ってくる。元妻からで、曰く、「子供が二人共死んだ」という。
死因はいつも共通していた。私の実家の二階の窓付近で遊んでいて、そのまま地面に落ちてしまった。(なぜ離婚した妻が私の実家に住んでいるのか、合理的な理由はない)実家の二階の窓は危険だと私は子供の頃から思っていた。天井から床付近まで高さがあるような、開けるとベランダに通づるようなよくある大きさの窓が設置されていた。しかし実家にはベランダがなく、その下はコンクリートで固められた地面だ。落下防止の柵が据え付けられているが、それも老朽化して体重を支えられるかどうかは怪しかった。
子どもたち二人はもう居ない。もう既にこの世に居ないのならば経緯や仔細はあまり気にならなかった。それまでに見てきた夢と等しく、ある日突然、そこにあるはずのものが無くなったという空虚な感想を持つ。離婚して会う機会が減ったとしてもそれは同じだ。我々は家族であれ友達であれ、離して暮らしている大切な人は皆、それぞれが何も問題なく幸せに暮らしていると思い込んでいる。記憶の中には病気にかかって床に臥している状態ではなくて、一緒に遊んでいたとき、一緒に笑っていた時が記憶として残る。けれども実際は事故に遭う危険は常に存在するし、生活が幸せ��どうかもわからない。
目を閉じると子供が二階から落ちていくシーンが見える。私は幽霊のようにそこに存在して、子どもたちが落ちていくその瞬間には干渉できない。遠くに妻や私の母が居るのが見えるが、気づいていない。あるいは、気づいていたとしてももう間に合わない。下で二人を受け止めようとする試みは失敗する。受け止め損なうか、そもそも間に合わないか。パターンは違えど二階では人間だった我が子が地面の上では生々しい人形のように寝転がっているのを見ることになる。
それを見るたびに、なんとか助かってほしいと思うが、しかしそれはただ願うだけだ。それ以上のことは何もできない。だから、そういう未来に至らないように、何度も夢の中で人生を遡ってやり直している。
あるとき私は戦争に行った。私は空挺部隊の一員となって狭い輸送機に乗り込んでいた。皆、第二次世界大戦当時の装備を身につけて所狭しと輸送機の中に詰め込まれており、重くて大きいバックパックの群れに人間が挟まっているかのようだった。私が所属する小隊のメンバーの顔ぶれはとても懐かしいものだった。私が新入社員の時に配属された原子力計算機システム課のメンバー。皆、もう50代になっているはずだが、ほうれい線が深く刻み込まれた笑顔のまま、軍服と装備に身を包んでいる。これから戦争を始めるが、なぜかこの小隊ならば生き残れるという漠然とした安心感があった。
しかし、敵地に落下傘降下して小隊が集合するまでに半数の人が行方不明になった。秋、収穫が終わった小麦畑に降り立ち、畑に囲まれた教会を目指す。その教会のてっぺんには機関銃が一艇据え付けられており、弾が無限に存在するかのような水平射撃を浴びせてくる。それを迫撃砲で排除するまでにまた何人かが斃れた。
朝になって敵が潜む森を掃討するまでにまた何人かを失った。未熟な補充兵は片っ端から死んでいった。半分崩れ落ちたレンガの塀に身を隠す仲間のところに砲弾が飛んできて生き埋めになった。それを助け出そうと掘り進めていた別の仲間も砲弾の餌食になった。昔から知っている顔はもう一人か二人になった。それでも原発チームのメンバーはいつも笑っていた。
野営地で寝転んでいる時に手紙が届けられた。妻からだった。手紙を読んだ瞬間に妻は元妻になった。4人居た子供のうち、二人は連れて行く。もう二人は養子に出すと書いてあった。猫は飼う人が居ないので捨てるともあった。せめて養子に出す子供と猫を引き取りたいが、しかし戦地からではどうしようもない。戦中の混乱期に養子としてもらわれていった子供を見つけることはもはや叶わないだろう。その時点で子供は失われたようなものだった。
あるとき我々は大隊全員が集められ、大隊付きの士官に混じって師団長が出てきた。師団長が持ってきた紙を読み上げ、それでようやく戦争が終わったことを知った。それを知ってもあまり喜びはなかった。
そしてまた、電話がかかってくる。子どもたち二人が死んだと。
そしてまた、私は幽霊になって実家の二階に漂うことになる。窓際で子どもたち二人が遊んでいる。妹が窓を開けて身を乗り出してスリルを楽しんでいる。姉はそれを咎めているが妹は言うことを聞かない。そして姉が考えていることが頭に伝わってくる。ほんの少しだけ脅かして怖がらせてやろうと。そうすれば危ないことをしたことを公開するだろうと。その試みは失敗することが私にはわかっている。でもそれを伝える方法はない。姉は妹を脅かすが、そうしたときに妹が足を滑らせ窓枠にしがみつく。瞬間、姉は「妹が落ちたら私は怒られるだろう」と判断する。怒られるのが怖いから助けようとする。しかしそれも無理だ。バランスを崩した姉はそのまま前のめりに落ちる。妹もそのまま。
もはや何度も見た光景であったが、見るまでは忘れてしまっている。そして出来ることはもう何もないと諦める。
が、その時は違っていた。下に居た近所の大人ら数人が脚立や布団などで子供をキャッチする体制をすでに整えてあって、落ちた二人の子供は大人に抱えられたり布団に軟着陸するなどして、無傷であった。
ふと気づくと私はテレビの前のソファに座って戦争映画を見ている。その映画の終わりはハッピーエンドと言えるだろう。たくさんの人命が失われたが、今後は失われることは無い。祖国を守りきった軍隊が凱旋するのを人々は両手と旗を振って歓��した。色とりどりの紙吹雪が舞い、従軍した兵士はいつものように微笑んで手を振り返していた。そのいくつかは知った顔だった。
「パパ、戦争で何人の人が死んだの」
横に座っている娘がそう尋ねた。
「日本だけで数百万人が死んだから、全世界では数千万人が死んだんじゃないかな」
と言うと、ふーん、と言って、それだけだった。
目が覚めてから少しずつ現実世界のことを思い出す。私はまだ離婚していないし二人の子供は横で寝ている。夢の中で何度人生を繰り返しても上手く行かなかったことが、現実世界では全て問題なくうまく行っている。
だからそれで良かったね、ということで落ち着くのだが、それと同時に不思議な気分にもなる。
もしかしたらああしてタイでブリッジSEをやっていた自分とか、浮間舟渡に住んでいる自分とか、あるいは可能性は低いけど戦争に駆り出された自分という状態もあり得たはずだ。
それぞれの人生において、それなりに自分は生活できていて、満足感があった。
子供が死んでしまった件は辛くて苦しいが、そもそも結婚をしなくて子供がいない人生だってあり得たはずだ。そうしたら世間一般の子供の死に際してわき上がる感情もだいぶ違ったものになっていただろうと思う。
別にこれらは特殊なことでは無い。戦争に駆り出される人たちは現代でも沢山居るし、独身で子供がいない人たちも沢山居る。海外で暮らしている人もいれば都市部の狭いアパートで暮らしてる人もいる。
どれもこれも考えてみれば当たり前であるが、人生は漫然と生きていくだけでも特殊化が進んでいく気がする。ある職業を長く続ければ別の仕事のことは疎くなっていく。独身で居れば既婚者の気持ちはいつまで経っても分からない。一方で既婚者も独身だった時の記憶はいつか薄れて想像できなくなる。
それぞれ違った人生で違った幸せがあるはずなのに、私は夢から覚めたときに夢で良かったと思う。もちろん、その理由の一つは子供が死んだことが中心に据えられた夢であったからだ。
ただ、別の人生を歩んでいれば今の人生では出会えなかった子供たちが沢山居たはずだ。なぜ私はその子供たちと出会えなかったことを悔やまないのだろうか。
そんなもん、知らない子供なんだから情も湧くわけないだろうも言われればそれで終わりな気もするんだけど、ああいう夢を見た後では何故か、不思議な気分になる。
このブログにも何度か書いているが、私は時々「偽の記憶」を思い出す。見たことが無い友達、見たことが無い部屋、住んだことの無い街を何かのきっかけで唐突に思い出して、とても懐かしい気分に陥る。
もしかしたら別世界の私が体験した記憶が流れこんでるのだろか?「量子宇宙干渉機」のように。そんなわけは無いのだが、やはりどうしても想像を広げてしまう。
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2012/12/21 BAN “NEW WORLD ORDER” Interview
「今の日本って不景気じゃないですか。みんな元気がなくて、電車乗っててもみんな死んだ魚の目みたい……みんな、自分のやりたいことやってるのかな?って思ったんですね。そういうマインド的なことを『NEW WORLD ORDER』ってタイトルに込めました。『自分で変えてかないとそのまま一生終わるぞ』っていう」
HOOLIGANZの一員としても知られるBANの1stソロ・アルバム「NEW WORLD ORDER」はどんなアルバムか?と訊かれたとしたら「このインタビューの通りです」と、今の自分なら答えるだろう……。格闘技で鍛え上げた見た目は一見したら威圧的に写るかもしれないが、実際話してみるとシャイだし、だけどお調子者だし、何より天然だし……「NEW WORLD ORDER」は、そんなBANのパーソナリティを、不器用だが一所懸命にまとめ上げようとした彼の努力が曲を聴いても伝わってきて、いびつだが不思議と愛着が湧いてくる、そんなアルバムだと思う。筆者の勝手な印象では、BANはHOOLIGANZにおいてちょっと異質なキャラという風に見ていた部分もあったのだが、この取材で、何故彼がHOOLIGANZ内で愛され、評価されているのかが少し分かったような気がした。 インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)
■タンザニア生まれでサモアと日本のハーフという時点でかなり個性的なプロフィールだけど。 「生まれがタンザニアです。みんなそこで『タンザニア人なの?』って勘違いするんですけど、国籍は日本です。3歳までしかいなかったからタンザニアのことはほとんど覚えてないんですけど、唯一、石を投げられたことだけは覚えてるんです」
■なんで?いじめられたの? 「いや、なんか、結構みんな普通に、石を投げてて……」
■え? 「いや、子供の遊びで」
■政情不安とかだと思ったよ(笑)。 「その記憶だけ夢のように残ってるんですよね。父親がユニセフ関係の仕事をしてて、サモアに転勤したときに母親と出会ったんです」
■日本帰ってきてからはどんな少年時代を? 「結構弱々しい子供でした。もっと痩せてたし人前に出るのも恥ずかしくて」
■そんな子供が、今みたいにスパークしてしまったきっかけは? 「性格的にスパークしてしまったのは、小学校高学年になって自分の見た目から『英語喋れよ』とか言われてからかわれるようになって、それがすごくイヤだったんです。で、小4ぐらいから空手を始めて。そこから意識が変わってきて周りもそういうこと言わなくなってきて、中学くらいから周りのヤンチャしてる人とかとツルむようになって、そのときに初めてHIP HOPを聴いたんですよね。初めて聴いたのが2PACだったんですけど、HIP HOPの持つ反逆の音楽的な要素を自分の境遇に重ねてフィールして、今に至る感じです。日本語ラップもその頃から聴いてて、Kダブシャインの“ラストエンペラー”に衝撃を受けてずっと聴いてましたね。その頃から、遊びでフリースタイルみたいなことはやってたんですけど、高1の頃に初めて人前でライヴをやって、それが気持ちよくてその感覚が忘れられなかったので、ラッパーになろうと思いました」
■当時のことを「魚に喩えるとピラニア」って歌ってて、今からはまったく想像つかないんだけど(笑)。 「高校時代はずっとスキンヘッドかニグロパーマでした」
■だいぶ気合い入ってたんだね……。さっき空手の話が出て来て、今もBAN君は格闘技をやってるわけだけど、格闘技とHIP HOPはどういった部分で共通してると思う? 「共通するキーワードは“ストラグル”だと思います。毎日必死にもがいて抗ってるというか、この現状から抜けだそうとする向上心……格闘技も音楽も“心技体”という意味では一緒だと思ってます」
■プロフィール的な話に戻ると、一回ラップを辞めちゃうんだよね? 「普通に高校卒業して、普通に社会に出て、そのままズルズルいろいろやってて」
■歌舞伎町時代の話も曲で歌ってるもんね。 「当時は本当に頭がおかしくて、“SON OF A BITCH”で歌ってるみたいなことをクラブでやらかしたり……ラップどころじゃなかったんですよね。で、ちゃんと働き始めて今はちょっと落ち着いたんで(ラップに)戻ってきました。それが3年ぐらい前ですね」
■個人的な事情でラップから離れていたわけだけど、ラッパーとしての夢は諦めきれてなかった? 「そうですね。そのときは本当に辞めて忘れようと思ってたんですけど、心の中に『やっぱりラップしたい』って気持ちがずっと残ってて、やっぱり一度の人生自分の好きなことをやりたいって思ったんですよね。で、ラップに戻り始めた頃に、KLOOZから久し振りに電話がかかってきて、『NO GRAVITY』(2010年)に何曲かフックアップしてもらって『やっぱ楽しい』っていう気持ちが蘇ってきて。高校の頃にham-R君に出会っていて、KLOOZやAKLO、mikE maTidaとかはham-R君のスタジオで知り合いましたね」
■KLOOZやAKLOのミックステープはUSスタイルを意識したフリーDLミックステープの先駆的存在だけど、BAN君もDJ BEERTと「BROKEN LANGUAGE」を出してるよね。 「ストリート流通のミックスCDが好きで昔から結構聴いてて、サラッと聴けるミックステープを出したいな、って思ってたんです。AKLOとKLOOZもやってたから俺もやってみようかな、っていうノリで」
■「BROKEN LANGUAGE」を出した時点ではまだHOOLIGANZには入ってなかったんだっけ? 「HAIIRO DE ROSSIの“S.K.I.L.L.Z feat. TAKUMA THE GREAT, BAN, 万寿”は出てましたけど、その時点ではまだ入ってなかった、かな?“S.K.I.L.L.Z”の時点で入ってたと言えば入ってたんですけど、外向きにはまだHOOLIGANZの一員っていう売り出しはしてなかったですね」
■“STEELO”で「昔から基本一匹狼」って言ってるけど、元々はクルーとかには入ってなかったんでしょ?HOOLIGANZには何で入ろうと思ったの? 「僕が高校生の頃にラップ始めたとき、TAKUMA THE GREATが今とは違う名前でラップをやってて。アイツがタメの中では一番ラップ始めたのが早かったですね。彼とは地元も同じ横浜で、ライヴする現場も同じだったりとかがあってリンクして。HAIIROと万寿も同じような感じだったんですよね。彼らも当時ソロでやってて、僕が挫折してラップ辞める前も後も3人はガッチリ動いてて。で、『NO GRAVITY』が出た後に横浜でライヴがあったんですけど、TAKUMAと同じイヴェントに出て、彼が久し振りに自分のライヴを観てくれて、そのときに『今面白いことやろうとしてる』って、HOOLIGANZのことを訊かせてくれたんです。そのときは『タメのソロMCで集まって一曲やってみたら面白そうじゃない?』程度なノリでしたけど」
■“S.K.I.L.L.Z”の頃は、そこまで人間的に深い繋がりありきとかではなかったんだね。 「ほんとタイミング、運命だと思います。で、その後ヒューマン・ビートボクサーのINTELLIが亡くなって。INTELLIもタメで、10代の頃から知ってたんですけど、彼の存在がHOOLIGANZ結成の一番大きなきっかけです。“S.K.I.L.L.Z”を出した数カ月後、彼が突然亡くなって、その出来事が僕を変えました。『昨日まで一緒にいて遊んでたのに、こんなあっさり人って死んじゃうの?』って思って……INTELLIは音楽に対してすごく熱い人間で、Twitterとかでも『俺は死ぬまで音楽を続ける』みたいなことをしょっちゅうつぶやいてたようなヤツで。そういうヤツがコロッと死んでしまったとき『俺、何やってるんだろう?なんでこんなに音楽に真剣なヤツが死んで、俺みたいなヤツが生きてるんだ』って思って。『こんなに適当に生きてたらINTELLIに失礼だな』って。葬儀にはHAIIRO/TAKUMA/万寿も集まってて、葬儀場でみんなで手を合わせて彼に誓って。そのときみんなで覚悟を決めたというか。そのときの結束が自分の中でターニング・ポイント的な出来事だったと思います」
■それまで一匹狼だったBAN君がHOOLIGANZに加入してどう変わったと思う? 「なんか、心から楽しいっていうか。“仲間愛”みたいのが芽生えましたね。今まではひとりでやってきたけど……ひとりだとひとりだけの考え方しかないけど、グループだと他のメンバーの考え方があって、それが刺激になる。彼らのアドヴァイスによって自分のラップのクオリティも徐々に上がった気がします。人間的な部分では……常識を学びました(笑)」
■良い話が続いたけど、ニュー・アルバムの話もすると……タイトルが「NEW WORLD ORDER」で、タイトル見たとき、失礼ながらあまりに何も考えてなさそうなタイトルで思わず笑っちゃったんだけど(笑)。 「フリー・メイソンとか、陰謀論的な話が結構好きで(笑)……今の日本って不景気じゃないですか。みんな元気がなくて、電車乗っててもみんな死んだ魚の目みたい……みんな、自分のやりたいことやってるのかな?って思ったんですね。そういうマインド的なことを『NEW WORLD ORDER』ってタイトルに込めました。『自分で変えてかないとそのまま一生終わるぞ』っていう」
■理由を訊くと納得なタイトルだけど、収録曲のタイトルも直球なのが多いよね(笑)。 「それはわざとですね。普通だったらオブラートに包んでしまうようなことも敢えてストレートにさらけ出したくて」
■なんで? 「自分の素を出したかったんですよね」
■なんで素を出したかったの? 「なんか……飾りたくないというか……『作らされてる音楽』を一枚目に出すのはイヤだったんです。自分の言いたいことを言うっていうのが今回のコンセプトで。今までの自分の流れがあるから、自分の25年間のルーツを一枚にしたかった。JAY-Zが『1stアルバムには勝てない』って言ってて、彼も25~6歳の頃に1stアルバムを出してるんですけど、1stアルバムはそれまでの20数年間の集大成が詰まってる、と。2ndアルバムをその数年後に出したとしたら、その数年分のものしか詰まってない。もちろん、スキルとかは向上すると思いますけど、僕は自分が経験した出来事をコンセプトにリリックを書いてるんで、そういった意味で素を出したかったんです」
■曲によっては「ピラニア時代」のこともかなり赤裸々に語ってて、そういった部分は人によっては「忘れたい」過去かもしれないけど、BAN君は敢えて曲にしてるわけで。 「自分に対する戒めじゃないですけど、このステージより一歩上に行くためには、自分のしてきたことを振り返らなくちゃいけないと思ったんです。ちょっとネガティヴな感じにはなってしまうかもしれないですけど、それを吐き出すことによって脱皮するというか。だから、ここから次はまた全然違う新しい自分/スタイルにしたいですね」
■BAN君のラップは、突拍子もなく出て来るパンチラインの面白さがファンにとっては上がるポイントのひとつだと思うけど、自分の中ではどういう意識でそういうラインを書いてるの? 「自分、固有名詞が多いって言われるんですけど、影響を受けた人のキーワードを出したくなるんですよね。実際、深い意味はないんですけど、僕が���響を受けた人だからその人のこともチェックしてくれよ、的な。HOOLIGANZの“HOOLIGANZ”とかも“マナカナ”とか……」
■マナカナに影響受けたの? 「マナカナは影響受けてないんですけど」
■受けてねぇのかよ(笑)。 「マナとカナってなんかおかしいじゃないですか(笑)」
■マナカナに失礼だぞ、それ(笑)。 「マナなの?カナなの?どっちなの?というか……」
■リア・ディゾンは好きなの? 「僕、リア・ディゾン好きなんです。結構グラビアとか見るんですけど」
■“PAPER CHASER”の「オゾン メゾン Rap Phenomenon/この先のVision リア・ディゾン」とか、全然意味分からない(笑)。 「あ、そうですね」
■(笑) 「そういうラップするときは、意味じゃなくて、キーワードを連打したいっていうか」
■口に出して言いたい? 「バカヤロー!って海に向かって叫ぶのと同じような感じで、リズムに乗せて言うというか」
■「前世 絵描き ピカソかモナリザ/教えてやるHow to RapのTeacher」とか……モナリザ、絵描きじゃねえしなぁ、とか。 「そうなんですよ!」
■おい(笑)。 「モナリザは絵描きじゃないんですけど、ピカソと連想してくれれば」
■モナリザだったらダ・ヴィンチな気もするけど……まあ、それだとフロウにハマらないからか……。 「そこはちょっと……当て込みました(笑)」
■自分で言っちゃった(笑)。 「でもそれ、よく言われるっす。『意味が分からない』って」
■アルバム全部そうじゃないんだけどね。全部そういう狂ったリリックならそれはそれで納得するんだけど……そこがBAN君のズルいところだと思ってて、こういうナンセンスな表現を多用しつつ、普通にグッとくることも歌ってて、その振れ幅がズルいな、と(笑)。 「確かに曲によって書き方は分けてますね。フロウ先行か内容先行か」
■やっぱりどっちともBAN君にとっては欠かせないもの? 「欠かせないものですけど、到達点は一曲にどっちとも兼ね備わったものですね。そうなったらもっとすごい作品が出せると思います」
■今作でBAN君的に特に重要な曲は? 「うーん……“STEELO”かな」
■これは正に“戒め”の曲だよね。 「今までの人生を一曲に分かりやすくラップした曲です。ほんとドン底な時期でしたね」
■原因は何なの?酒?結構なところまで酔うといまだにちょくちょくオイタするって話は僕も訊くけど。 「そうですね」
■「そうですね」って(笑)。まあ、今はかわいいモンなんだろうけどね。 「下を見たら後は上しかないじゃないですか。で、僕は当時そこ(下)にいたんだな、って。リリックで『俺も仲間に救われた/だから次は誰かの助けになれば』って言ってて、ホントにそんな感じで、HOOLIGANZのみんながいて、みんなフックアップし合って……まだ1年ぐらいしか経ってないですけど、(HOOLIGANZの存在によって)人生観も変わったし、前にはなかった人への思いやりも出て来ました」
■他のメンバーもいないこの機会だからこそ、HOOLIGANZメンバーへの思いを! 「(めちゃくちゃ照れながら)みんな、とにかく真面目で超良いヤツらなんですよ。彼らが良いヤツらすぎてたまに浮く自分がいるぐらいで。例えばスタジオに入るときとか、自分、普通に遅刻とかしちゃうんですけど、みんなキッチリ来るし……でも、みんなそこまで怒ったりしないし……怒んなくちゃいけないんですけど……ほんと、家族みたいですね。大好きです。安っぽい言い方になっちゃいますけど、このメンバーと組めてよかったと心の底から思います。同い歳でラップ歴も同じくらいで10年以上やってるけど、誰もくじけずに今までこのスタンスでやれてきてて、これは運命だと思ってるし、死ぬまでこのメンバーでいきたいな、って思ってるから『よろしくね!』って感じです(笑)」
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■5/7放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」 GW期間中、アメリカに出張していた青山さん。 トランプ大統領が5月4日、米朝首脳会談の場所が決まった、間もなく発表すると記者団の前で明言しましたが、未だに発表なし。 いったいトランプさんとその周辺で、何が起きているのでしょう? ※トップ画像は『イギリス外交官によるアヘン戦争の話』にびっくりした後、大笑いする居島一平さん。 私もこの話にはびっくりしました(^_^; ※元動画��こちら(5月8日午前0時現在)。URLが変更される(修正版がUPされる)こともあります。その場合は、DHCシアターの再生リストから、たどって下さい。但し、アーカイブは2週間の公開です。 ※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。 内容紹介ここから____________________________ (★)オープニング(着席後) 先週の日曜日の早朝に出発して、7日間でちょっとブログにもくり返し書いちゃったんですけど、太平洋を越えて、それからアメリカ、北米大陸も全部越えて、行き帰りそれがある中で、わずか7日間で6ヶ所回ると。 アメリカのテキサス南部から一番遠くのワシントンDC、そしてハワイ・真珠湾に行くんですけど、遠すぎて直行便ないって知ってます? だもんでいったんシスコで降りて、シスコは中国系の市長が、スーパーマーケットで買い物中に突然倒れて亡くなるという大事件が起きて、来月市長選挙なんですよ。 だもんでシスコの様子も見て。 ハワイでは太平洋軍司令部と太平洋艦隊司令部と行って、土曜日に帰ってきて今日なんですよね。 全部アメリカ対象なんですが、それは要は、米朝首脳会談が間近に迫ったと思われる、まだ絶対やるとは決まってないんですけども、まあ決まりつつあるわけですよね。 日本としては言わなきゃいけないことが少なくとも3つ、3つっていうか本質的には2つあるんですよね。 1つは、北朝鮮に自主的に核兵器を廃棄していただくという話ではダメで、北朝鮮のすでに持ってる日本に向けた核ミサイルを破壊しなきゃいけないんですよ。 それをここまで行ってる以上は米軍がやってくださいと。 残念ながら、わが自衛隊、やれる権限があるならやりたいけれども、この不当な不当な憲法のもとで、国会議員には憲法擁護義務がありますが、そのことをおっしゃる野党やいわゆる左翼の方もいらっしゃるけれども、これはもう笑ってしまう話で、その憲法96条に必要な改正しなさいって趣旨のことが書かれてあるから、その意味で現状では全く不当な憲法のおかげで、自衛隊が日本に向けた核を解体することはできないので、その代わりアメリカ軍がやってくださいと。 もちろん決めるのは合衆国大統領であり、行動するのは米軍だけれども、日米同盟を考えれば、日本も沖縄だけじゃなくて、三沢や横須賀や、あるいは座間、厚木、岩国、佐世保、そして沖縄と、多大な負担をしているんであるから、日米同盟の観点から、アメリカはこの核兵器を北朝鮮に自主的に廃棄していただくというような、胡乱(うろん)の話ではなくて、自ら核兵器を見つけ出し、アメリカ本土のロスアラモスっていう核兵器の研究所に持っていって、これを解体し、それが第一と。 それから第二は、拉致被害者の救出は日本の責任であって、日本がこれから交渉も通じて実現するんだけれども、必ず日米同盟の裏打ちがないと、つまり自衛隊はこれも不当な憲法のために、自国民救出という、戦争ではない正当な行為もできないでいるので、これを米軍が、すみません、実際に使った言葉で言うと、エンドゥールス(endorse)、日本語にない言葉なんですけど、実行することとかそういうことを背後から保証するっていう意味ですね、それをやってくださいと。 この2つが主な日本の本来言うべき主張で、それに加えて、板門店で、DMZ、非武装地帯、要するに38度線ですよね、朝鮮半島の、ここで北朝鮮と韓国あるいは国連軍がにらみ合ってる形になってるわけだけども、ここで例の南北首脳会談やって、ま、問題発言、今日冒頭から覚悟してきたんですけど、ま、猿芝居ですよね。 日本でもあっという間に金正恩委員長が正常な人みたいな、あれだけ虐殺をしておきながら(スタジオ一同同意)。 数回握手して、境界線またげばそれで正常なんだみたいなね。 (居島一平:微妙なお祝いムードが漂ってましたね) そこで米朝首脳会談もやるようにってアメリカに韓国が働いかけていて、それは実はトランプ大統領にノーベル平和賞を取らせるっていう裏提案とセットなんですよ。 で、そこはさすが韓国で、大統領に直接働きかけるだけじゃなくて、何と議会にお金も投じて働きかけをしていて。 お金ってまさか賄賂を渡したりしないんですよ、そんなことやられるとアメリカは司法が黙ってないですから。 そうじゃなくて要するに罪にならないけれども、実際非常に助かる、お金のかかる支援もして。 だからアメリカの国会議員が連名で、要するにノーベル平和委員会に自らの大統領を推薦すると、いうことまで起きてるわけですよ。 これはトランプ大統領が、例えば金正恩委員長ぬきにお取りになるんだったら、それはもちろん結構な話だし、日本が本来はよけいなこと言う立場じゃありませんが、しかしこれは本当は何を意味するかというと、それやると���すね、金委員長と一緒にノーベル賞をとるとしたら悪夢ですけど、仮にそうでなくてもですよ、北朝鮮に戦争をしないことでノーベル平和賞をとってしまうと、戦争はしちゃいけないけれども軍事オプションも事実上なくなるんですよ。 と言ったらアメリカ側で、いや、うちの大統領はそうとは限らないよと言った人がいて(笑)、呆れることは呆れたんだけれども、一般的に言うとですよ、ノーベル平和賞をもらっておきながら、こっちの人(金正恩)は虐殺の疑いがあるから受賞まで至らなくても、この二人が喧嘩しないことでノーベル賞をもらっといて、もらってからゴツンというわけにはいかないでしょ、普通だったら。 合衆国は大統領の権限強いけれども、戦争について議会の意見が全く反映されないわけでもないんですよ。 そうするとその後の政局にはもうできなくなりますよね。 だから板門店でやるって事はそれを実は進めることになるので、本来は日本が干渉すべきじゃないと僕も思うけれども、これはやめてくださいと。 この3つは、本当は日本国が国として言わなきゃいけないけれども、この憲法を頂点とした敗戦後の日本の間違った在り方によって、これ安倍総理といえども一言も言えないんですよ。 じゃあ外務省が代わりに言えるかっていうと、そもそも外務省の体質から言っても、とってもこんなこと言えないんですよ。 じゃあ防衛大臣は言うかというと防衛大臣はそんな権限、基本的にないんですよ。 僕は民間時代からその役割をね、誰にも頼まれないで勝手にやってきたわけですけど、ほとんど無駄に死ぬだけですけれども、現在は国会議員としてそれを…、代わりにってわけじゃないんですよ、総理に全く頼まれてないし、誰からも指示は受けませんから、しかし自分の自由な意見としているように、自費で全て賄って、行ってきまして、今日の話はそれに全部関連することなんです。 で、繰り返し繰り返し、この2+1ね、1つは核兵器を米軍が破壊しなきゃいけない、自主的な廃棄なんていう偽物の合意はやめてくださいと。 それから拉致被害者の救出を日米同盟のために具体的に協力してくださいと、あるいは後押し、さっき言ったendorseして下さいと。 それからプラス1で板門店での米朝首脳会談を止めてくださいというのをずっと言い続けた1週間で。 それでこれもちょっとブログに、今日未明だったかな、時間がないのに書いちゃったんですけど、日本に帰ってきたら、もうご存知の現実に、もう呆れかえってしまったんですよね。 北朝鮮が降りてきたのは、あくまで制裁が効いたからで軍事圧力は関係ないっていう人が、ついこないだまで政治家やってて、今は落選なさってる人だけど。 個人のことは僕言いたくないので、どうしても個人名出したくないんですけど。 その方のことを言ってんじゃなくて、これが日本を支配してるわけですよ。 この坂を上がった国会議事堂もそうなんですよ。 野党がずっと審議止めてきましたが、自由民主党の中にそういう意見ないんですか。 大ありですよ。 だからあえて自由民主党の議員になって、部会で言って、ここでお話をしてて、いろいろ問題視をほんとはされてるわけですけど。 本当は呼び出されたこともありますけれど、それ議論できますから。 (1)米朝会談の日程・場所決定 近く発表 まずお気づきになった方、改めて多いと思うんですが、(5月)4日、トランプ大統領はもう決まったとおっしゃったんですよね。 今日、時差もあって日本が先に行っちゃいますが、もう7日ですよね。 いやしくも合衆国大統領が、史上初めての北朝鮮の独裁者との会談について、自ら、しかも記者団にろくに話してくれないトランプ大統領が、突如ご自分の方から、ある意味ご自分の方から、もうずっと問題になってる場所どこなんだというのは決まって、間もなく発表するとおっしゃって、その発表ないんですよ。 まあ、あと5分後にあるかもしれないけど、最近動き激しいからよけいそうなんですが、但しこれは4日(土)の「よるバズ」でも申し上げたんですけれども、ニュースには尻尾がある。 「よるバズ」ではほとんど何の反応もなかったんですけれど(笑)、「虎ノ門ニュース」ではお分かりいただける方も多いと思うですが。 尻尾があるっていうのは、面白いっていうことでもあるかもしれないけど、ご自分の頭で考えてくださいね、僕の話もきっかけにすぎませんという意味なんですが。 要するに4日に、時差があって昼夜逆転ぐらいの大きな時差があるんですけど日本とアメリカは、それでも4日に大統領がおっしゃって未だに発表ができないでいるっていうのは、要するに大統領が希望してる場所を、大半みんなが嫌がってるってことなんですよ。 今回僕はぐるぐる回った時も、はっきり言った人もいれば、非常に慎重に遠回しに、それは本来は板門店じゃないほうがいいんですよ��て言った人もいれば、中には怒った人もいるんですよ。 結構言い合いになったんですけど、これは僕と仲いい人だから言い合いになったんだけど、俺にどうしろって言うんだよと。 もっと正確にニュアンスを言うと、関西言葉で無理に言うことでもないんだけど、「わしにどないせえゆうねん、お前は」と。 (中略。一平ちゃんのニュース読みが上手い等々) この記事の中に、トランプ大統領自身がもうその場所の候補は2箇所になったんだと。 で、板門店、非武装地帯ですよね、英語だと…。 (中略。板門店や村の話) この記事にもそう書いてある通り、トランプ大統領は、実際アメリカ行ってよく分かったんですけど、下に板門店でやりたいってことを何度も下ろしてるわけですよ。 たとえば、ここは推測です、本人に会えなかったから、っていうか会うの申し込んでないから。 首席補佐官のケリーさんって人がいます。 元海兵隊の大将まで勤めた人で、しかも前の大統領首席補佐官をトランプさんがまた、これはわりと前だけどクビにしちゃって、そのあと軍人なら気分が合うからって呼んだのがケリーさん。 ところがこのケリーさんは、板門店は良くないと。 色々この後にニュースで出てくるんですが、大統領のおっしゃることに反論して、もう、ご本人は強く否定なさってますが、大統領はバカだと、また例によってね、ティラーソンさんだけじゃなくてまた言ったって話がもうワシントン、政権の内部で普通に話されていて。 また話を元に戻すと、今日はこうやって行ったり戻りを意図的に何度もやるわけですけど、つまりは文在寅大統領の工作にけっこう乗っかってるわけですよ。 ノーベル平和賞やっぱりほしいんですよ。 単純に中間選挙、再選のためとは言い切れない。 つまり、基本的に選挙ってのは景気で決まるので。 アメリカは外交・安保が選挙に影響する国です。 日本はあまり影響しないけど。 でも基本的には去年の10月の日本の総選挙が安倍総理の圧勝に終わったのは実は景気がいいからで、賃金はなかなか上がらなくても、ここで総理代えたら景気が悪くなるとみんなが…。 ちょっと話が今日は逸れすぎかもしれないから、もうちょっと中心に戻していくと、トランプさんは、ニュースに尻尾があると言ったのはいっぱい意味があってですね。 下に下ろしたけど受け入れてくれないから、急に記者団に言ったわけです。 (アメリカのメディアの話。ちょいちょい話がずれるので以降も適当にはしょっていきます<(_ _)>) 今回の件は、記者団に突然間もなく発表するって言ったのは、1つはトランプさんよっぽど困ってるわけですよ。 クビにしてもクビにしても、新しい人を雇っても、言うこと聞いてくれない。 クビになれば民間に行って、たとえばクライスラーのトップになったりするわけだから、官民が自由自在に入れ替わるから、日本と違って保身に走る必要があまりないシステムになってる。 だからもう決まったんだ、発表するんだと、バーンと言ってしまったわけですよ。 で、広報担当のホワイトハウスのスタッフも実はそれ、よく知らないままやられちゃったと。 ところがその後はまだ抵抗してるんですよ。 もう一回具体的に言うと、選挙は景気で乗り切れても、特に中間選挙は今、景気いいから乗り切れてもね、あるいは再選まで考えると、やっぱりここでノーベル平和賞もらいたいと。 そしたら「よるバズ」で、アメリカ経験の長い女性の方が、この方は非常にまともな人だと思いますけど、オバマさんがもらったからいらないんじゃないですかという(笑)。 その人は評論家なのかタレントなのか、だからいいんですよ、言っても。 政治家は本来そんなこと言っちゃダメですけど、頭で思ったこと言っちゃダメだけど。 いいんだけど、それは違うんですよ。 それもオバマさん(トランプさん?)を普通の人と考えるからそうなる。 オバマさんの政策は覆してるけど、オバマさんがノーベル平和賞もらったんだったら自分はいらないっていうんでもないんですよ。 これはだって箔付けになるじゃないですか。 箔がないっていうのがトランプさんの悩みなんだから。 破綻したビジネスマンにすぎないっていつも言われて、新聞にも堂々とグラフが出てきて、ほとんど嘘だみたいなことまで…(笑)。 いくらモリカケあっても安倍総理もさすがにそこまでは言われないけれども。 だからすごい箔付けになるから、やっぱりほしいというのがあって。 そうすると話の本筋は、米朝首脳会談の目的が、核兵器の廃絶でも、あるいは日本にとっての拉致事件の救出につながることでもなくなっていって。 朝鮮戦争は1950年に始まって53年に休戦になって、今も休戦なんですよ。 1953年ですから65年間ずっと休戦のままっていうね。 はっきり言うと、子供に説明できないような話になってるわけですよ。 そこにかかってるコストも実は、そこはトランプさんが在韓米軍のことをおっしゃる通りね、膨大なものがあるわけですよ。 65年間戦わないって、普通は現代史ではもう戦争終わってるって意味でしょ。 もう終わってるのにこれ続ける意味があるのかと。 だからある意味そう難しくないんですよ、形式的なことだから。 朝鮮には終わったんですと。 朝鮮戦争は終わったけど、新朝鮮戦争すぐかもしれませんみたいな話なんだから。 でも65年間も終わらせられなかった戦争を終わらせましたって言ったら、ノーベル平和賞には十二分になるじゃないですか。 それははっきり言うと、当時のオバマ大統領の授賞理由は、何も知らないチェコの素朴な民衆に、プラハで「核なき世界」って言っただけですから。 (居島一平:演説だけって言っちゃ、だけですもんね) 演説だけなのもひどいけども、あるわけないじゃないですか。 核少なき世界って言ったら…、核は維持費が大変だから。 それがいきなりノーベル平和賞でしょ。 でもオバマさんそのあと8年間それに縛られたんですよ。 だから軍事行動がほとんど取れなくなったっていう現実は実はあるんですよ。 それで側近や、僕ごとき全く関係ない外国人まで含めて、シンガポールにしましょうと。 それでウランバートルとかね、あるいは僕は東京を主張したり、いろいろあったんですけど、シンガポールは残ってるんですよ。 で、ひとつはこれは、お気づきだと思いますけど、シンガポールやマレーシアがね、金正男さんが殺された場所、クアラルンプールの空港ってことを考えていただいても、シンガポール、マレーシア、あの辺りの東南アジアの情報発信地は、北の手がすごく入ってるんですよ。 そこは北朝鮮、さすがなんです、ほんとに。 たとえば中東だったらドバイとかアブダビとかドーハって所に、死の商人と強いパイプを持ってるように、アジアでは圧倒的にシンガポール、マレーシア使ってるんですよ。 だから本当は裏でものすごく親密だから、北朝鮮としてもかなり安心ができるんですよ。 ただ問題は電車で行けないと(笑)。 場合によっては、これ表に出てないアイデアなんですけど、米軍機を出して運ぶかっていうね。 要するにいわば、仲良くしてますっていうのを見せつけるためにね。 っていう裏アイデアもあるんですよ。 これが簡単に実現するとは僕も思ってないですけど。 だから運ぶ手段は、たとえばシンガポール航空機のチャーターだったら、北朝鮮との深い関係から言って大丈夫じゃないかって話もあって、シンガポールにしようと。 で、これでまたせめぎ合いが続いてるんですよ。 それで僕は今日ニュースに入る前に冒頭あえてちょっと長くお話したのは、こういう背景を知っていただきたいからで、本当はですね、本当は日本国は主権国家で、自前の憲法があり、自前の防衛力もあるんですから、余計なお世話ですがと前提を置いたらですね、板門店やめてくださいと。 朝鮮戦争の当事者は、確かに南北と、南北朝鮮、韓国と北朝鮮そして米中だったけれども、直接影響するのはロシアとわが国日本ですから。 私たちは発言する権利があるないじゃなくて、発言せねばなりません。 それは日本国民の幸福と国益とそしてアジアの安定のために、我々言わなきゃいけないと。 これ言うのが外交なんですよ。 それでこれを言わない外務省をだらしないって言うのは簡単だけども、いつも申し上げてる通りこの憲法がこのままである限りは、日本国外務省は憲法を度外視した活動って絶対できない、しませんから。 してる国ありますよ? 憲法なんかいつでも変えられるから、独裁国家チャイナやロシアにおいても、北朝鮮においてもですね、好きなように変えられるから、人治国家だから。 日本は法治国家なんで、外務省は要するに後ろに軍事力がないまま外交しなきゃいけないから、言うべきことが言えないんですよ。 そうすると実は普通の海外主張じゃダメで…。 (中略。SPに焼肉食べさせた話、アメリカが青山さんのことを調べてよく知ってるという話など) だから僕は今日言いたいこと、本当は1個だけなの分かります? こんなおっさん1人でやっててもダメなんですよ、本来。 だから憲法を変えましょうってこと。 憲法を、それも最終的には僕たちも、もうちょっと次の世代にはなると思うけど、自分で憲法を一から書かないといけないですよ。 もっと簡潔なものを。 でもその前に9条だけでも変えないと。 9条を変えたら戦争になるんじゃなくて話は逆で、9条を変えたらやっと外交ができるようになって、おかしな戦争のリスクが減るんですよ。 そんなこともわからんのかって話なんです。 だから毎回、特に今回そうなんですけど日本に帰ってくるとどっと疲れが出るんですよ。 それは強行軍の疲れじゃなくて、なんやこの孤立した社会はと。 (2)トランプ大統領 在韓米軍の縮小検討指示 これまず基本押さえなきゃいけないのは、ニューヨークタイムズをはじめとしたメディアが言ってるだけです。 皆さんご存知だと思うんですが、アメリカのメディアはさすがに日本のオールドメディアほどひどくはないけれども、トランプ政権は反メディア政権なので、FOXニュースなど以外は、ニューヨークタイムズもワシントンポストもCNNもABCもCBSも、みんな反トランプですから。 そういうメディアが、またトランプさんおかしなこと言ってるっていうニュアンスで報道してるだけで、合衆国政府や米軍がこれを公式にいささかでも認めたことはありません。 ありませんが、客観的に見ると、まったくのフェイクニュースとは言い切れないです。 つまりトランプさんは、これは当たり前のこと��と思うんですけど、ま、こういうのモリカケの話に似てくるんですけども、たとえば総理が構造改革特区じゃダメだから国家戦略特区で上からガーンと行くのをやりましょうと。 それで壁を突破しましょうって言ったら、たくさんのものが、そういう意味では首相案件になるわけですよね。 それは全くおかしくないんですけど、トランプさんが例えば在韓米軍は本当に必要なのかっていうのを下に聞くっていうのは、これはむしろ知ったかぶりしないで聞いてくれるだけ、すごくいいわけですよね。 これは一番ケリーさんが強くその大統領の考えに反対したと言われてるんですけど、根幹はもう北朝鮮の話はないんですよね。 で、合衆国も、実は本当は日本も、ここは冷静に見てて、北朝鮮はいろんな意味で中国の一部なんですよ。 一部で、なんて言いますかね、子が親に逆らうようにね、いろいろ逆らってみせるだけで、基本的にはこう、養われてる状況は全く変わらないんですよ。 そもそもそうじゃないと北朝鮮は食えないんですよ。 もともとはソ連があって、共産圏の貿易の世界があったから、北朝鮮もかなり食えたんですけど、それがなくなって食えなくなりつつあったのを、中国が改革開放政策で資本主義と妥協して、そっから北朝鮮もいわば食えるようになった。 しかも北朝鮮がさっき言いました、アブダビとかドーハとかドバイ、中東諸国で死の商人と連携をして、核技術を売ってきたわけですよね。 だから核開発は商売ですよってずっと僕言ってきましたよね。 長いのとか短いのとか真ん中のを撃つのは、軍事目的もあるけどいろいろ使い出を中東諸国に見せてる。 カタログを見せてたんですよね。 でもこういうのも全部チャイナのendorse、名詞で言うとendorsementがないとできないんですよ、これは。 (中略。死の商人に自慢げに見せられた武器カタログ(全部中国製と北朝鮮製)の話) 何を言ってるかと言うと、在韓米軍も本当は北朝鮮のためにあるんじゃなくて、朝鮮戦争をもう一回やるかもしれないから、韓国軍のためにいるんじゃなくて、チャイナが下りてこないようにいるわけですよ、本当は。 あくまでチャイナを見てるわけです。 したがって今回の南北首脳会談だの、あるいはやるかもしれない米朝首脳会談だの、本当は中国とアメリカの関係であるし、その時に日本は結果を待ってるわけにいかないと。 だからどういう形にしろ、北朝鮮の核保有国の存在を認めるとですね、結果的に認めると、中国の一部としての朝鮮が核保有国として対馬海峡まで下りてくる。 だから韓国が対馬を自分のものみたいに言ってるとかしてるとか、日本はそれに十分応じきれてないとかいう問題も、実はこういう目で見ると中国のそういう南下政策とぴったり一致してるんであって。 したがって、この現在の安倍政権が中国に対して、これからニュースやりますけれども、少なくとも今までは厳しい姿勢を取ってきたっていうのは、非常に意義があることなんですよ。 だから逆にそれは非常に切りくずされようとするから、この坂を上がった国会議事堂、そして坂上がらないでこっちに行くと霞ヶ関の官庁街、そこに膨大な中国の工作が行われてるっていうのは、僕は今これから終わったら戻っていく議員会館も、チャイナの工作がどんどん入ってくるわけですよ。 だから僕は政治献金1円も受け取らないんですよ。 もし皆さんだったら善意だから受け取るってことにしたら、皆さんのところにも食い込んできて、結局ふた開けたらチャイナの金だったと、青山は中国共産党からお金を5000円もらってたと。 5000円で十分、失脚しますよ。 だから在韓米軍の撤退っていうと話がおかしくなるんだけど、このニュースにあるように縮小ですから。 要するに、米中関係の在り方によっては、北に特化してるような部分はいらないんじゃないかと。 これも皆さん改めてネットを通じてもう一度自分でも調べ頂きたいんですが、在韓米軍と在日米軍、考えると、なんとなくこう僕ら日本国民の頭だと、在韓米軍はすごく大きくて、朝鮮戦争は休戦中なんだから、もうガンガンな軍隊で、日本はそこそこだろうと思ってるでしょ。 全然違いますよね。 本当は在日米軍がアジアの米軍の全くの主力であって、そもそも朝鮮戦争の無残な経験からアメリカ軍はずっと、今、特にそうだけど、前から韓国を信用してない。 でも硫黄島の戦い、沖縄戦を含めた、あるいは終戦処理の見事な手際、陛下が一言おっしゃっただけで鎮まるってことも含めて、アメリカは日本をすごく尊重し、だけど同時に警戒し、すごくこう評価し、だけど警戒し、という日米関係ですから。 だから圧倒的な主力は在日米軍であって、なかんずく、ここからすぐに皆さんももし行ける方いらっしゃったですね、このまま新橋から東海道線を使って横須賀に行っていただいた方がいいですよ。 あそこにいる第七艦隊が世界中の米軍の中心なんですから。 ハワイ・真珠湾の司令部も結局、第七艦隊が一番大事なんです。 だから在日米軍の方が圧倒的に信用できるし、それから実力も段違いに強いので。 したがって、中国との長い長い対峙を考えると、クレディビリティつまり信頼感がすごく高い日本、しかも歴史的にもほとんど動揺しない国でしょ日本は。 朝鮮半島か中国大陸とかロシアとかもう無茶苦茶にひっくり返るじゃないですか。 日本はそれほとんどないわけですから。 (中略。アメリカが直接攻撃された9・11同時多発テロと、陰謀論の話など) 9・11でアメリカも襲われるんだと分かってから、実は基本的に米軍を内側に退こうとしてる。 トランプさんのはるか、オバマさん以前の問題です。 これを米軍の世界再編って難しい言葉で学者は言うわけです。 難しくない。 今までは外に全部出してたわけ。 一番強いのに限って外に出してた、第七艦隊みたいに。 それをこう内側に戻していこうと。 内側に戻していく時に、空白ができるでしょ。 たとえば北東アジア、それ韓国に任せるんですか。 任せるわけがないでしょう。 じゃあチャイナに任せるの?独裁主義の。 じゃあどこですか。 ここしかない、ジパングしかない。 ここしかないから、トランプ大統領は安倍さんの親友でもあるから、あれだけ信用できる人間が総理やってるんだから、頼りにならない韓国よりも、こう日本に頼って、日本で守ればいいじゃないかと。 これは日本にとったら防衛線が下がってくることだから、ああそうですね、信用してくれてありがとう、というわけにいかないんですよ。 ちょっと待てよあんたっていう話をしなきゃいけないと。 憲法を変えて対等にその話をしなきゃいけないっていうのが、この話(在韓米軍の縮小検討)の大事なところで、こんなこと言うなんてトランプさん馬鹿じゃないかとかいう風に、日本でもうずっとオールドメディアだけじゃなくて「よるバズ」のようなネットメディアでもそれ言ってるから、若い人に変なこと教えないで下さいよ、ほんとに。 (3)刺激すれば対話白紙に 北朝鮮が米国をけん制 (4)圧力維持の日本非難 北朝鮮メディア (ざっくりまとめ) 【北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞はきのう(6日)の論評で、日本が北朝鮮への圧力維持を掲げながら、米国や韓国を通じ日朝対話を模索していると非難しました。労働新聞はこの中で日本に対し、「悪い癖を捨てない限り、1億年たってもわれわれの神聖な地を踏むことはできない」と主張しました(読み上げた居島一平さん苦笑)】 労働新聞の原稿を書いてる人って、僕やっぱ会ってみたいな(一同笑)。 これは2つ並んで♪キンコンカンコン♪キンコンカンコン♪ 今週のなんちゃってニュースです。 これ全くどうでもいい。 これ場所選定がトランプさんの思う通りに今のところなってないみたいだけど、まあでも板門店とシンガポールに絞られてきたんだったら、米朝会談できるだろうと。 そしたら値段釣り上げなきゃと。 特に日本はあの憲法、やっぱり憲法改正はなかなかできませんね、日本なんか全然大丈夫だけれども念を押しとかなきゃ、で、やってるだけだから。 ま、これをもって日本の国内の動きを僕達はよく見るべきってニュースにすぎない。 北朝鮮が何を言おうと、ほとんど関係ないです。 が、その上で安倍総理はどういうことを考えてるかというと…(次のニュースへ)。 (5)北朝鮮核・拉致解決協力 日中首脳が初電話会談 (ざっくりまとめ) まず中国の国家主席は、毛沢東さんなんかも含めて、電話してるってイメージあんまりないでしょ? 実際に電話を頻繁にかけてるかかけてないのかってのは、アメリカと違って、チャイナにも僕はルートありますが、なかなかよく分からないんですけど、どうも電話あまりしないみたいです。 僕の把握できた限りですよ。 皇帝陛下が電話なんか軽々になさらない、というのがまずあるんですよ。 もうひとつは、電話は盗聴される。 したがって今回の日中首脳会談が物語るひとつは、拉致事件の解決で、アメリカにはずっと協力要請したけどチャイナにあんまりないよねと。 これは評価はどこまでしていいかどうか僕まだ考え中なんですが、さっき言いました、実は北朝鮮はチャイナの影響力が強くて親子みたいな関係だと。 だから拉致被害者の、また例によって一部であろうと懸念されるんですが、北朝鮮が解放あるいは帰国を検討してることはほぼ間違いがないんで、このタイミングにその親から言ってもらうと。 わが国会のリーダーの一人の玉木さんて方が、親に言われたんで国会審議に戻ると、思わず本音をおっしゃって(笑)、だから玉木さんって決して悪い人じゃないと思うんだけど、よく言いますね(笑)。 最近中学生でも親に言われたんで学校に戻ってきましたって言わないでしょ(笑)。 それぐらい親子の関係って濃密なもんだから、やっぱりここは拉致被害者の救出が、懸念も含めてね、また一部だけ返そうとしてるんじゃないかってことも含めて、でも、ついに2002年9月17日からか数えると16年ぶりに動きが出るっていうタイミングに、日中関係よくないからと、あるいは尖閣の問題があるからといってチャイナに協力要請しないってわけにいかないなっていうのが、安倍総理の決断なんですよ。 で、その時にもうちょっと普通に話し合える指導者になってもらいたいから、電話にするということなんです、これは。 それにチャイナも応じたわけでね。 で、チャイナとしては今、一帯一路構想っていって、東側に出ようとすると米軍がいるんで、西側にもいるんだけど、西の方がまだ��いだから。 ところがヨーロッパっていうのは、指導者が皇帝になっちゃいけないっていう観念はすごく強いわけです。 僕は一帯一路に反対なので、ヨーロッパの知り合いに、軽々に受け入れるなと。 ギリシャが中国海���の軍港にされてしまうぞと。 ヨーロッパの人たちが反論するのは、我々はチャイナを変えることはできると。 僕はできないって言ってるわけです。できませんと。 あんた方と違って我々は4000年間、チャイナと付き合ってきたんだと。 そう言ったらヨーロッパ人ってやっぱりすごくて、いかに使者が行き来してたかっていう話から、シルクロードの意味もアジア的じゃなくてヨーロッパから見たら、逆なんだという話をするんですが。 しかもひどい人になると、これ現実にイギリスの外交官で、アヘン戦争を自慢する人もいるわけですよ。 (居島一平:ほぉーー。面白いですね) 僕はアヘン戦争については、断固チャイナ支持だと。 (居島一平:全然罪の意識とかないんですか?) ないない。ないよそんなもん。 だから日章旗が血で汚れてるって人が日本にけっこういるけど、びっくりするのはイギリスの国旗って、あの美しい国旗が…。 (居島一平:血まみれですね) したたってる。アメリカだけじゃなくて。 (居島一平:でも自慢っていうのはすごいですね。さすがに。ちょっと開いた口が…) 後悔することはないのかと言ったら、香港は手放すべきじゃなかったなと。 (居島一平:(大爆笑)) これシリアスなんですよ。 香港は実際苦しんではいるんですよ、だけどやっぱり手放すべきじゃなかったなと。 これイギリスだけじゃなくて、他のヨーロッパ諸国も言いますよ。 だから何て言うのかな、アメリカとか日本とか中国だけで例えば今の北朝鮮の問題だけを考えてもダメで、北朝鮮っていうのはさっき中東の商売の話しましたけど、東欧諸国、ポーランドとかチェコとかスロバキアとかブルガリア…、特にポーランドだけど、たくさん密接な関係持ってるんで。 だから今、突然、小野寺防衛大臣がエストニアに行って、サイバーで協力する云々やってるでしょ。 それ大事なんですよね、ほんとはね。 だから使えるものは使うっていう考え方で、拉致事件をひとつの手がかりにして中国の圧力、アメリカから北朝鮮に下ろす圧力と全く質も量も違う、全然違います。 質も量もはるかにチャイナの方が大きいので。 チャイナは拉致事件に協力姿勢をこれ事実上初めて見せつつあるんだけど、当然、その代わりを求めようとしてくるんですよ。 これが大きなリスクで、だから僕は今、安倍政権が日中関係良くするってことにかなり前のめりなことに、慎重な姿勢をいつも自由民主党の外交部会などで申し上げてるわけです。 (6)習氏が来年国賓来日案 安倍首相は年内訪中調整 9日に日中韓の首脳会談が東京で開かれます。 中国の李克強首相がお出でになって、韓国の文在寅大統領も含めて、安倍総理と3人で北朝鮮問題についても話し合うんですけれども、実は李克強首相とどんなに話しても、習近平さんと話さないとほとんど意味がないんです。 特に李克強首相の立場は弱くなってるので。 日中首脳会談もやりますが、習近平さん来日の準備になっていく。 その時に拉致事件を含め日本が中国の圧力を活用するってことは正しいけれども、チャイナは例えば尖閣諸島について武装船がずっと入ってきてるのも、突然意外な提案してくる恐れはあります。 日本はいかなる提案にも応じることはできません。 そもそも領土問題は存在してません、尖閣諸島には。 でもとにかく領土問題にするために硬軟合わせて来るんですよ。 だから僕のブログによく書き込みいただくのは、中国は依然として尖閣諸島を狙ってる中でなぜ安倍総理は中国に接近するんだと。 その通りなんですが、必ずチャイナは硬軟両方で来るんで、こちらも硬軟両方で受けて巧みに戦うしかないんです。 そのためにもう一度言いますが、憲法9条がこのままでいると、実際は外交力ってのはもう予め失われた状態でやってるわけであって、外務省を悪者にしたりしても意味がないんですよ。 日教組を悪者にしてもほとんど意味がないのと同じようにですね、日本全体のことを私たちは取り込んで行くべきで、そういう意味では何という面白い国に生きてるのかってことですよ。 2700年近い国を自分の手で新しく作り直すんですからね。 しかも伝統に則って。 (★)トラ撮り! コーナー (このコーナー全体ざっくりまとめ) ★近畿大学での特別講義 社会人の方が席を埋めてしまって学生が入れないのではと思ったが、学生多かった。 ★テキサスの太平洋戦争国立博物館 太平洋戦争国立博物館のコンバットゾーンで、戦闘が再現されている。 ボランティアの人たちが演じて、中高生に見せている。 本館の展示に間違った物があり、外務省の人が政治家にも頼んで言ってもらったが、何度言っても修正してくれないと。 去年、僕がカバノ館長に言って、書き換えてくれた。 リニューアルした時も、僕の考えを入れてくれた。 「Japan&China」の展示で、琉球処分について「日本は中国から沖縄を奪った(seize)」と書いてあった。 僕は1年前に、沖縄が中国の一部だった歴史はありませんから、日本が奪うのは不可能だとカバノ館長に言った。 そしたら「from China」を削除しただけで、どこからかは知らないが「奪った(seize)」という表現はそのまま。 これは「併合」という意味ですと、こないだ(3月)館長が議員会館に来られた時に言った。 そしたら書き換えますと言われて、僕がこのゴールデンウィークに現地に行くまでには間に合わないだろうと思ったら、展示を全部書き換えてくれていた。 日本語に訳すと、「琉球の人々は、日本とも中国とも歴史的にずっと貿易をしていた。1879年に日本は琉球を併合して、沖縄県をつくった。結果として、450年にわたった琉球王国の終焉をもたらした」と。 日本側に偏った内容にしてくれと言ったのではなくて、公平な事実に基づいて書いて下さいってことだから、中国共産党はこのあと必ず反撃してくるだろう。 が、真珠湾の記念館と違って(2015/3/18「アンカー」を参照)、この博物館は「ベテランズ(退役軍人)」が寄付をたくさんしていて、中国の寄付が入る余地がないので。 僕1人が動くのは限界があるので、日本も財政的に寄付という形でこうした記念館を支えないと。 ※テキサスの博物館の展示変更の経緯は、2017/5/8放送分、2018/1/8放送分、2018/3/26放送分を参照。 ※中略<(_ _)> NSCのトップに近い人、日本の国会議員と会わない人だが、いろんなルートの推薦で面会できた。 国務省で日本部長(韓国系米国人女性)と面会。 サンフランシスコ市長選は中国系が9分裂(青山さんのブログを参照)。 真珠湾の太平洋艦隊司令部で、ハリス司令官(次期駐韓大使)や、自衛隊の連絡将校や防衛省のキャリア官僚(ひがしゆりさん)と面会。 ★自民津モータースポーツ議連の総会 小林可夢偉選手も来てくれた。 「虎ノ門ニュース月曜日」を見ているという! (7)拉致解決へ日米連携確認 加藤氏が米高官と会談 僕が会ったNSCの人は、加藤大臣が会ったポティンガーさんとは違う人。 僕の申し上げた拉致被害者の救出について、日本は全員救出を確認しなきゃいけないっていう重い課題を逆に今、背負ってると、いうことをちゃんと、NSC全体で共有するとおっしゃってたので。 加藤大臣や家族の努力に比べると、僕は全く努力してないのと同じですが、多少意義はあったのかもしれないと思ってます。 もうご家族が、横田めぐみさんでいうと弟さんの世代に残念ながらならざるをえなくて、アメリカに行かれて努力されたってこともニュースでご存知ですよね。 僕がNSCとどうしても会いたかったのは、そういうことで響き合わせるためでもあったんです。 (8)柳瀬氏招致 週後半にも きょう国会正常化へ協議 実は本当は連休前に柳瀬さんが国会に出てきて証言されるはずだった。 いったん野党が合意してたので、僕は「月刊Hanada」に、今号が書店に並ぶ頃にはもう柳瀬さんの証言は終わってるはずだと書いて、中身も書いた。 違うかもしれないが、その時点で僕が把握したのは、柳瀬総理補佐官(当時)は、総理官邸で、加計学園の事務局長とお会いになった。 総理は(そのことを)知りません。 その時に、実際には今治市の課長さんと課長補佐も来てたそうですが、現実に柳瀬さんはそれを知らなかった。 事務局長が目の前にいて陳情を受けてて、後ろに並んでて下向いてメモを取ってたのが、今治市の課長と課長補佐。 後ろにいてメモを取ってる人は知らない。 後ろにいる人全員に、あなた誰ですか?と聞いて、しかもそれを記憶してるってことは100%ないので。 だから柳瀬さん、最初からそう言えばいいんですよ。 首相案件というのも国家戦略特区のことだから、逃げも隠れもする必要なくて、最初からやればいい。 だからそこは明らかに安倍政権はハンドリングがおかしい。 でも事実はそうで、こんなもん全然、国会止める理由にも何もならないんですよ。 だから冤罪だとずっと言ってる。 加計学園問題ってのはないと、僕ずっと言ってる通りです。 (9)総裁選対応 判断は閉会後 岸田氏 (ざっくりまとめ) 僕がいる参議院は、吉田博美幹事長のもと、これもう吉田幹事長が公の場、議員総会ではっきりおっしゃったので、僕、言いますが、「参議院議員は全員、安倍総理公認のもとで選挙戦ってここに来てて、それを忘れちゃダメだ」と言われたんで、これは参議院は決まりですよ。 吉田博美幹事長は参議院を指揮するだけじゃなくて、竹下派の、事実上の参議院側の絶対的なリーダー。 竹下派の動向はこれで事実上決まり。 ���田さんは安倍総理に、私出ると言ったりしたのに、閉会後にとかまた話が戻ってるのは、その動きが伝わってきてるから。 (10)自衛官派遣 米反発で頓挫 沖縄ヘリ不時着の安全策 これはアメリカ軍けしからん。 当然派遣を受け入れるべき。 アメリカ軍の言い分はもちろん僕は聞いてて。 まず事故は起こしてない、事故が起きる前にアラームが出て、犠牲を出さずに終わってると。 海に墜落した云々も、無事に不時着して、その後、波に洗われて壊れた機体を、降りた時に壊れたと報道されてて、それ日本政府は訂正もしないと。 そういうもとで自衛隊の派遣を受け入れたりすると、アメリカは事故を起こしてないのに起こしたように言われるから、だから受け入れないと、僕には言ってるんですよ。 じゃあそれを公の場で言って下さいよ。 これ誰が見ても、米軍が偉そうにして、日本に駐留してるのに、わが自衛隊の協力を受け入れないことにしか見えないから。 日本の防衛省というより官邸の姿勢が弱すぎる。 (11)米「次の段階」決定へ 貿易で対中圧力強化か (12)ゆすり防止 トランプ大統領が口止め料認める (13)中国がレーザー照射とアメリカ抗議 ジブチで (14)ロシア野党指導者を釈放 拘束者1600人 (15)米ハワイ島 長期化か 数カ月続くと専門家 (16)深海1万メートルにプラごみ汚染 生態系懸念 (以上省略) オープニングの「北朝鮮が降りてきたのは、あくまで制裁が効いたからで軍事圧力は関係ないっていう人が、ついこないだまで政治家やってて、今は落選なさってる人だけど」は、塩村文夏さんだと思われます。 また、(1)の「『よるバズ』で、アメリカ経験の長い女性の方が、この方は非常にまともな人だと思いますけど、オバマさんがもらったから(トランプさんはノーベル平和賞は)いらないんじゃないですかという」、これはREINAさんだと思われます。 5月5日の「よるバズ」をご覧になった方は、ピンと来られたと思います。 ネットに動画がまだあるかもしれませんので、気になる方は探してみて下さい。 さて今回、後半(トラ撮り以降)は、久々にバタバタでした。 残り11分間しかなく、特に(11)から(16)までは、正味3分! 強行軍でお疲れなのはもちろん理解した上で… 「青山さん、ペース配分~!」って、画面に向かって久しぶりに髭男爵のギャグを言ってしまったわ(^_^; ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【拡散】武力攻撃やテロなどから身を守るために(内閣官房)J-ALERTの音源【生き残るためにシェア】 https://samurai20.jp/2017/04/j-alert/ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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