#伊藤��二の猫日記 よん&むー
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anisaanisa · 1 year ago
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“The all-nighters before the deadline are tough…”
Junji Itō's Cat Diary: Yon & Mu | 伊藤潤二の猫日記 よん&むー (2007—2008) ☆
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strangemonochromes · 11 months ago
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Junji Ito's Cat Diary: Yon & Mu (伊藤潤二の猫日記 よん&むー) // Junji Ito
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eucanthos · 1 month ago
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Junji Ito's Cat Diary: Yon & Mu (伊藤潤二の猫日記 よん&むー)
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team-ginga · 1 year ago
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映画『生きる』
 U-Nextで黒澤明監督、志村喬主演の映画『生きる』(1952)を見ました。
 その昔、母から話を聞いた映画です。母は本が好きな人でしたが、映画も好きだったのかな。おそらく母が話してくれた映画はこれだけだったと思います。
 母曰くーーぼんやりと暮らしていた市役所勤務の男が胃癌で余命いくばくもないと宣告される。男は死ぬ前に何かを成し遂げようと、子どもたちのために公園を作ることにする。公園が完成して男は死んでいく。男が公園のブランコに乗って「いのち短し恋せよ乙女」と歌うシーンは名シーンだ。
 まさにそれがこの映画の中核ですが、実際に見てみると当然ながらそれだけではなく、いろいろなものが付け加えられています。
 主人公の渡邉(志村喬)が胃癌で余命いくばくもないというのはその通りなのですが、実際に医者にそう言われるわけではありません。病院の待合室で見知らぬ患者と雑談をして「胃癌というのは恐ろしいものです。医者は軽い胃潰瘍だと言い、特に消化の悪いものでなければ好きなものを食べていいと言うのですが、あっという間に悪化して死んでしまう」と聞いた渡邉は、医者にその通りのことを言われてショックを受けます。
 直後のシーンで医者同士が「あの人はいつまでもちますかね」ーー「半年くらいかな」と言っているので間違いはないのでしょうが、時代を考えれば本人に宣告しないのは当然としても、家族にも教えないものなんでしょうか。本人も家族も知らず、医者だけが知っているというのは、今の感覚からするとちょっと変な感じがしました。
 渡邉は早くに妻を亡くし、一人で息子を育てました。息子は社会人になり結婚して、渡邉と一緒に暮らしています。
 渡邉は市役所の市民課の課長です。ある地区に住む女性たち(その中には若き日の菅井きんもいます。こんなに可愛かったんだ、菅井きん)が空き地の水たまりをなんとかしてくれと陳情に来ていますが、市民課から公園課へ、公園課から土木課へたらい回しにされるだけで、一向に埒があきません。
 渡邉も若い頃は仕事に熱意を持っていたようで、仕事場の机の引き出しには市役所の運営の改革に関する私案の書類が入っています。若い頃に渡部が書いたのでしょうが、結局提出しないままになってしまったということですね。必死に書いたはずの書類の最初のページを破ってペン先の掃除に使うシーンは、渡邉の現在と過去を一瞬で対比するいいシーンだと思いました。
 癌で余命いくばくもないと知った渡邉は市役所を欠勤し、銀行から5万円おろして飲みに行きます。当時の5万円って今のいくらに当たるんですかね。100万くらい? まさか500万ということはないでしょうが、かなりの金額です。
 でも、遊び慣れていない渡邉は何をすればいいかわかりません。彼は飲み屋で知り合った小説家(演じるは伊藤雄之助。痩せて精悍な感じで、まさに無頼派の小説家という感じです)に余命いくばくもないことを話し、パチンコやキャバレーに連れて行ってもらいます(この時代のパチンコって立ったままやるんですね。知りませんでした)。
 キャバレーでピアニストに「リクエストはありませんか」と言われた渡邉は『ゴンドラの唄』をリクエストし、ピアノに合わせて歌います。
 あ、ここでまず歌うんだ。
 このシーンは凄みがあります。志村喬はうつむき加減で虚空の一点を見つめながら、口をほとんど動かさず、調子はずれに歌います(音をはずすというよりリズムをはずし、ピアノの伴奏と合わない歌い方です)。
 彼の横に座っていたホステスは怖くなってどこかへ行ってしまいますが、むべなるかなーーそれほど鬼気迫る感じです。
 いいなあこのシーン。当然ラストで志村喬はもう一度『ゴンドラの唄』を歌うのですが、私はこっちのシーンの方が好きです。
 一晩中遊び歩いた渡邉は翌朝、自宅に帰る途中、市役所の部下の女性・小田切と偶然で会います。小田切は市役所の仕事は退屈だから転職する、ついては辞表にハンコが欲しいと言います。小田切の靴下が破れているのに気づいた渡邉は洋品店でストッキングを買って彼女にプレゼントします。
 小田切は「これ欲しかっただけど高くて」、「もしこれを買ったら、1ヶ月間お弁当のおかずはメザシになってしまいます」と言って喜びます(彼女は二間のアパートに3家族で住んでいるとも言っていました。まだ日本全体が貧しかったということで��ょうか)。
 渡邉は小田切と一緒に遊園��やスケート場や映画館に行きます。息子や息子の妻は年甲斐もなく若い愛人を作ったのではないかと疑います。
 渡邉は息子に病気のことを打ち明けようとします。しかし、息子は愛人ができたという話だと思っているので話が噛み合わず、渡邉は打ち明けるのをやめます。
 一方、小田切は最初こそ渡邉と一緒に出かけるのを喜んでいましたが、だんだん不自然なものを感じて、もう出かけたくないと言います。渡邉は最後に一度だけと言って、小田切を喫茶店に連れて行きます。
 渡邉は余命いくばくもないことを小田切に打ち明け、「私はミイラのように生きてきた」、「君はどうしてそんなに生き生きしていられるんだ」と尋ねます。小田切は「さあ」と言った後、バッグからウサギのおもちゃを取り出し(彼女は市役所を辞めておもちゃ工場で働いているのです)、「これを作ってるからかしら。どこかの赤ちゃんがこのおもちゃで遊んでいると思うと嬉しくなるの」と言い、「課長も何か作ったらどうですか」と言います。
 でも渡邉は何を作ればいいかわかりません。小田切も「あの役所じゃ無理ですよね」と言います。しかし、渡邉は何か閃いたように喫茶店を出て行きます。
 その喫茶店は2階建てで中央に階段があり、渡邉と小田切は2階にいます。階段を挟んだ向こう側では、大勢の若者たちが仲間の誕生日を祝っています。
 渡邉が階段を駆け降りるとき、ちょうど誕生日を祝ってもらっている女性が現れたのでしょう、若者たちは一斉に「ハピーバースデイ」を歌います。
 次のシーンで渡邉は役所の部下たちに市民からの要望に応えて、空き地を整地し公園を作ると言うのですが、そのシーンでも「ハピーバースデイ」が流れます。
 それまでミイラのように生きていた、本当の意味で生きているとは言えなかった渡部が、この瞬間生き始めるということを示す演出ですが、うーん、どうなんでしょうね、これ。わかりやすいだけに少しあざとさを感じてしまいました。
 そこから時間が飛び、渡邉の葬儀の夜になります。これはちょっと驚きました。渡邉の死から遡る形で渡邉のしたことを描くわけですか。なるほど……これは予想していませんでしたが、なかなかいいですね。
 同僚や上司が渡邉の自宅に集まっているところへ、新聞記者たちがやってきます。空き地に公園を作ったのは渡邉なのに、それを自分の手柄にした助役にインタビューしたいとのことですが、そんなことで葬儀の場にまで来るものですかね。
 助役(演じるは中村伸郎)は「記者たちは役所の仕組みを知らないから困る。公園を作ったのは渡邉君ではない。渡邉君一人の力では何もできない」と言い、土木課長や公園課長も「取りまとめたのは助役ですから」とお追従を言います。
 そこへ陳情に来た女たちが焼香にやって来ます。彼女たちは泣きながら焼香をしますが、何も言いません。この「何も言わない」ところがいいですね。下手に何か言うと艶消しです。
 女たちが出ていくと、助役たちは居心地が悪くなったのか早々に立ち去��ます。残った市民課の職員たち(藤原釜足がいて千秋実がいて左卜全がいます。いつものメンバーですね)は最初「あの公園ができたのは課長一人の力ではない」と助役たちと同じことを言いますが、若い課員が「いや、あれは渡邉課長の力だと思います」と言うのをきっかけに、渡邉が公園設置のために何をしたか、それぞれが思い出話をすることになり、最終的には「課長は立派だった」、「俺たちも課長のように頑張るぞ」と言います。
 そこへ巡査が現れ、焼香します。巡査は前夜遅く、渡邉が一人で公園のブランコに乗り「ゴンドラの唄」を歌っていたと言い、あの時きちんと保護していれば亡くなることもなかったと悔やみます。
 そこでフラッシュバックーーブランコに乗った志村喬が「ゴンドラの唄」を歌うシーンが流れるのですが、私は知っていたからかもしれませんが、このシーンよりキャバレーで「ゴンドラの唄」を歌うシーンの方が凄みを感じました。
 翌日の市役所ーー職員たちは前夜「課長のように頑張るぞ」と言っていましたが、何も変わりません。以前と同じように陳情に来た住民をたらい回しにしています。
 葬儀の場で渡邉を擁護した若い職員が、渡邉の作った公園へ行き、子どもたちが遊んでいる姿を見ているところで「終」とでます。
 確かにいい映画です。批判はしたくないしできません。
 黒澤が渡邉という人間の生と死を描くとともに役所の縄張り主義、硬直したシステムを批判しようとしたのはよくわかります。
 でも、個人的にはそういう風刺はどうでもいい、渡邉だけにスポットを当てて欲しかったという気がします。
 志村喬はもちろん名演です。猫背でオドオドして、病気が進むにつれてだんだん掠れ声になっていくところなぞ誰も真似できないと思いますし、『七人の侍』のリーダーと同じ役者がやっているとはとても思えません。
 でもなあ……いつも濡れた目をしている(これももちろん役者としての技術ですが)のを見ていると「病気の犬」か何かに見えてしまうというのもまた事実です。
 息子もかわいそうだよなあ。物語の流れとして息子夫婦には打ち明けない/打ち明けられないというのはわかるのですが、自分が息子なら「親父、どうして言ってくれなかったんだ!」と言いたくなります。
 息子は知る由もありませんが、渡邉は初対面の小説家や職場の部下にすぎない小田切に癌のことを打ち明けています。他人には打ち明けられるのに息子には打ち明けられない……世の中にはそういうこともあるとは思いますが、息子としてはたまらないだろうと同情してしまいました。
 『生きる』はミュージカル化(!?)されているそうです(渡邉役は市村正親と鹿賀丈史のWキャスト)し、最近イギリスでリメイクもされているそうですが、もしあの話を現代に置き換えるとどうなるんでしょう。
 ちょっと見るのが怖い気がします。
追記:  志村喬は1905年生まれ。ということはこの映画のときには47歳。  え? 47歳?  とてもそうは見えません。  もっとも当時の定年は55歳ですから、渡邉はまだ50代前半���いうことになります。  今とは年齢の感覚が全く違うということでしょうか(『サザエさん』の波平だって50代前半、うっかりすると40代なわけですし)。
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uminoyurei · 3 years ago
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伊藤潤二の猫日記よん&むー // Itou Junji no Neko Nikki: Yon & Mu // Junji Ito's Cat Diary: Yon & Mu (2007-2008)
by 伊藤潤二 //Junji Itō
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tomtanka · 4 years ago
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かつてなく老いた涙目の短歌のために
「目は口ほどに物を言うからな」の一言で自分の言葉を信じてもらえなかったら憤慨するだろうけれど、同時に、「じゃあしかたない」とも思ってしまうかもしれない。ことわざを本気で使ってくる人を相手取るとき、そのことわざの力強さに対して自分の正直な心の力は、頑張っても引き分けか根比べ競争に持ち込めるかくらいのものかもしれない。そんなことでいいのか。「口」を信用することなく、「目」に権威を求めてしまうのはなぜだろうか。
わたしの視野になにかが欠けていると思いそれは眼球めだまと金魚を買った
/斉藤斎藤『渡辺のわたし』
「わたし」=「それ」=「作中主体」が「視野になにかが欠けていると思い」、「眼球と金魚を買った」。眼球の有無は「わたしの視野」の信頼にかかわるだろうか。
「わたしの視野」の信用問題。それは「わたしの視覚」の問題には回収されないだろう。「わたしの視野」を再現すること、報告すること。それは、語りの問題でもある。「わたしの語り」あるいは「わたしについての語り」。
「わたしの視野になにかが欠けていると思い」 「それは眼球めだまと金魚を買った」
と語る者がいる。一人称の「わたし」と三人称の「それ」を使い分けながら〈わたし=それ〉について語る者。あたかも三人称の「それ」に言及するように一人���の「わたし」について語ることのできる、「わたし」でも「それ」でもない語り手。
その語り手は眼球を使って〈わたし=それ〉を見たのだろうか。うーん。語り手として、わたしたちは見たことも聞いたこともないことを語ることができるけど。
それはメタ視点の〈わたし〉だろうか。メタ視点の〈わたし〉と思いたがる態度は、なんとしてでも〈わたしの視点〉を死守しようとする心に由来しないだろうか。もしも、〈わたしの視点〉が〈わたし〉の意識の圏内になかったら、どうするのか。〈わたしの盲点〉が無意識の視点として〈わたしの視点〉になりかわるとき、目が口ほどに物を言い始めるチャンスだ。目だけではない。様々な物たちが物を言い始める。指、髪、鼻、表情、性器、身長、体重、性別、世代、口癖、言い間違い、ファッション、スマホの機種、アクセサリー、食生活、インテリア、嗜好品、社会階層、家庭環境、トラウマ。〈わたしの視点〉を死守する心が〈わたし���盲点〉を前にして挫折するどころか〈無意識のわたしの視点〉をそこに見出すとき、〈わたし〉は言っていないことを言っていて、思っていないことを思っている。ヤバすぎる。無意識の解釈は信頼できる人や権威ある人にやってもらいたい。と、わたしは思うだろう。「と、わたしは思うだろう」と回収する〈わたしたち〉の法。
こんなにインクを使ってわたしに空いている穴がわたしの代わりに泣くの
深ければ深いほどいい雀卓がひそかに掘りさげていく穴は
/平岡直子「鏡の国の梅子」(同人誌『外出』2号)
〈わたし〉の個別性は〈わたしたち〉の法に抵抗できるはずだ。という主張は、きっと何度も繰り返されてきた。〈私性〉はしょせん共同体の一員としての制限された〈わたし〉のことだ、と言ってみたところで、かつての「共同体の一員」たちのなかにも、そのような意味での〈私性〉に回収されない〈この・わたし〉たちが次々と発見されるはずだ。それが本来の意味での〈私性〉だ。話は決まっている。その都度、うまく解釈を施せば、法文を変える必要はない。解釈できないものについては、例外事項として扱えばいい。例外的な〈わたし〉たち。動物、魔法使い、「ミューズ」、など。「穴」はどうしようか。
さいころにおじさんが住み着いている 転がすたびに大声がする
はるまきがみんなほどけてゆく夜にわたしは法律を守ります
/笹井宏之『てんとろり』
あるいは、〈わたし〉など言葉の遊戯の一効果にすぎない、と言ってみたとして。それが〈わたしたちの言葉の遊戯の法〉ではない、と言い切れるだろうか。ヴァーチャル歌人・星野しずるの作者・佐々木あららは次のように語る。
Q.これ、そもそもなんのためにつくったんですか?
  僕はもともと、二物衝撃の技法に頼り、雰囲気や気分だけでつくられているかのような短歌に対して批判的です。そういう短歌を読むことは嫌いではないですが、詩的飛躍だけをいたずらに重視するのはおかしいと思っています。かつてなかった比喩が読みたければ、サイコロでも振って言葉を二つ決めてしまえばいい。意外性のある言葉の組み合わせが読みたければ、辞書をぱらぱらめくって、単語を適当に組み合わせてしまえばいい。読み手の解釈力が高ければ、わりとどんな詩的飛躍でも「あるかも」と受けとめられるはずだ……。そう考えていました。その考えが正しいのかどうか、検証したかったのが一番の動機です。
/佐々木あらら「犬猿短歌 Q&A」
読み手の解釈はそんなに万能ではないだろう。「わりとどんな詩的飛躍でも」、〈わたしたち〉に都合よく「あるかも」と解釈できるだろうか。現在、そのようなことは起きているだろうか。「わからない」「好みではない」「つまらない」「興味がない」「時間がない」といったことはないだろうか。それが駄目だという話ではない。〈理想の鑑賞者〉という仮想的な存在を想定した読者論はありうるが、短歌はそれを必要としているだろうか。AI純粋読者。
「雀卓がひそかに掘りさげていく穴は」「穴がわたしの代わりに泣くの」
「わたし」は泣いていないのだとして。「穴」があるかも。泣いているかも。
誰の声?
「なんでそんなことするんだよ」で笑いたいし、なんでそんなことするんだよ、を言いたい。〈なんでそんなことをするのかが分かる〉に安心するのは、それがもう「自分」だからだ。「自分」のように親しい安心感なんて、いくつあったっていい。 でも〈なんでそんなことをするのかが分かる〉でばかり生を満たしているとどうだろう、人はそのうち、AI美空ひばりとかで泣くことになるんじゃないか。
/伊舎堂仁「大滝和子『銀河を産んだように』」
やさしくて、人を勇気づけてくれる言葉だ。そう思う。
「雀卓がひそかに掘りさげていく穴は」「穴がわたしの代わりに」「AI美空ひばりとかで泣くことになるんじゃないか」
「わたし」の代わりに泣いているのは何だろう。〈わたしたち〉の法はその涙を取り締まれるだろうか。「泣くことになるんじゃないか」は「泣くな」ではない。「じゃないか」の声の震えは何だろう。もしかして、泣いてるんじゃないのか?
ころんだという事実だけ広まって誰にも助けられないだるま
もう顔と名前が一致しないとかではなく僕が一致してない
あたらしいかおがほしいとトーマスが泣き叫びつつ通過しました
/木下龍也『つむじ風、ここにあります』
機関車のためいき浴びてわたしたちのやさしいくるおしい会話体
/東直子『青卵』
ナレーションのような声によって、かわいそうなものがユーモラスに立ち上がる。ナレーターの「僕」もなんだかかわいそう。「だるまさんが転んだ」という遊びはだるまを助ける遊びではない。そもそも、鬼に自分から近づいていくような酔狂な者たちは、自身がだるまである自覚があるのか。いや、このゲームにだるまは存在するのか? 助けるに値しないだろ。「顔と名前が一致しない」は、通常、自分以外の誰かに向けられる言葉だが、歌を読み進めていくとそれが「僕」に向けられた言葉であることが判明する。読者はそれに驚くだけではない。「顔と名前が一致しない」という言葉に含まれる攻撃性が「僕」自身に向けられることで、途端に空気がやわらぐのを感じて、ホッとする。笑う。あ、よかった、大丈夫だった。「僕が一致していない」と言う「僕」のユーモラスなかわいそうさは、このような言葉のドラマによって作られている。お前、かわいそうだな、でも大丈夫そうだ。〈立てるかい 君が背負っているものを君ごと背負うこともできるよ/木下龍也〉。アン��ンマンとトーマスのキメラが泣き叫んでいるらしい。「ためいき」の向こう側で。「ためいき浴びてわたしたちのやさしいくるおしい会話体」。こちらだって、くるおしい。
「ためいき」の向こう側に、言葉が無数の涙を作れてしまうとして。〈わたしたちの言葉の遊戯の法〉を超えたところに涙を作れてしまうとして。〈わたし〉の涙は計算不可能な可能性の中で生じた一効果なのだとして。涙に理由はないのだとして。やっぱり、本当に泣いている〈わたし〉もいるでしょう? 泣いている〈わたし〉を助けてあげたい? 「なんで泣いているんだよ」。
止まらない君の嗚咽を受けとめるため玄関に靴は溢れた
/堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』
アガンベンの直感はこうである。すなわち、法にとって「思考不可能」なはずの生〔=既存の法では取り扱えない種類の「生」〕、この「生」は法にとって法の空白をなしてしまうものであるが、しかも仮にそこで留まれば、「生」は単なる法外・無法として放置されるはずであるが、しかしそういうことは決して起こることはなく、法は、「生」が顕現するその状態を例外状態や緊急事態として法的に処理しようとする。ここまでは、よい。その通りである。しかし、アガンベンは続けて、そのように「生」が法に結びつけられると「同時」に、「生」は法によって見捨てられることになると批判したがっている。今度は、「生」は、法的に法外へと見捨てられ、あまつさえ無法な処置を施されると言いたがっている。しかし、その見方は一面的なのだ。主権論的・法学的に過ぎると言ってもよい。というのも、「生」の側から言うなら、今度は、「生」が法外な暴力を発揮して、「生」を結びつけたり見捨てたりする法そのものを無きものとし、ひいては統治者も統治権力も無力化するかもしれないからである。そして、疫病の生とは、そのような自然状態の暴力にあたるのではないのか。
/小泉義之「自然状態の純粋暴力における法と正義」『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』、161-162頁、〔〕内注記は平
実状に合わせて、法文書の中に例外事項をひたすら増やし、複雑にすること。その複雑な法文書を読み解ける専門家機関を作ること。それを適切に運用すること。そういった法の運用では〈わたしたち〉の生を守ることができないような事態に直面したとき、法よりも共通善が優先され、法が一時的に停止される。「例外状態」。法の制約から解放された権力が動き出すだろう。法が停止した世界において、それでも法外の犯罪(という語義矛盾)を統制するため。法の制約から解放されたのは権力だけではない。〈わたし〉たちだって法外に放り出されたのだ。「ホモ・サケル」。そこには、〈わたし〉ならざる者たちが、〈わたしたち〉の法を無力化しながら、跋扈することのできる世界があるだろうか。(穂村弘が「女性」という形象の彼方に夢見た世界はそういうものだったかもしれない。*注1)
法外に流され��いる暴力的な涙はあるだろうか。理由のない涙の理由のなさをテクストの効果に還元して安心しようとするテクスト法学者を、その涙が無力化するだろうか。涙する眼は、見ることと知ることを放棄する。両眼視差と焦点を失いながら、けれどもたんに盲目なのではない涙目の視点。
それは哀願する。まず第一に、この涙はどこから降りてきたのか、誰から目へと到来したのかを知るために。〔…〕。ひとは片目でも見ることができる。目を一つ持っていようと二つ持っていようと、目の一撃によって、一瞥で見ることができる。目を一つ喪失したり刳り抜いたりしても、見ることを止めるわけではない。瞬きにしても片目でできる。〔…〕。だが、泣くときは、「目のすべて」が、目の全体が泣く。二つの目を持つ場合、片目だけで泣くことはできない。あるいは、想像するに、アルゴスのように千の目を持つ場合でも、事情は同じだろう。〔…〕。失明は涙を禁止しない。失明は涙を奪わない。
/ジャック・デリダ『盲者の記憶』、155-156頁
涙目の視点。
振り下ろすべき暴力を曇天の折れ曲がる水の速さに習う
噴水は涸れているのに冬晴れのそこだけ濡れている小銭たち
色彩と涙の国で人は死ぬ 僕は震えるほどに間違う
価値観がひとつに固まりゆくときの揺らいだ猫を僕は見ている
ゆっくりと鳥籠に戻されていく鳥の魂ほどのためらい
/堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』
「振り下ろすべき暴力」などないと話は決まっている。合法の力と非合法の暴力とグレーゾーンがあるだけだ。倫理的な響きをもつ「べき」をたずさえた「振り下ろすべき暴力」などない。語義矛盾、アポリア。けれども、「法外の犯罪」などという語義矛盾した罪の名を法的に与えられるその手前、あるいはその彼方での〈わたし〉たちの跋扈を、「振り下ろすべき暴力」という名の向こうに想像してみてもいい。
語義矛盾のような〈わたし〉は語義矛盾のような言葉を聞くことができる。「世界の変革者であり、同時に囚獄無き死刑囚である人間」(塚本邦雄)。
 短歌に未来はない。今日すらすでに喪っている。文語定型詩は、二十一世紀の現実に極微の効用すらもちあわせていない。一首の作品は今日の現実を変える力をもたぬのと同様に、明日の社会を革める力ももたない。  私は今、その無力さを、逆手にもった武器として立上がろうなどと、ドン・キホーテまがいの勇気を鼓舞しようとは思わない。社会と没交渉に、言葉のユートピアを設営する夢想に耽ろうとも���とより考えていない。  短歌は、現実に有効である文明のすべてのメカニズムの、その有効性の終わるところから生れる。おそらくは声すらもたぬ歌であり、それゆえに消すことも、それからのがれることもできぬ、人間の煉獄の歌なのだ。世界の変革者であり、同時に囚獄無き死刑囚である人間に、影も音もなく密着し、彼を慰謝するもの、それ以上の機能、それ以上の有効性を考え得られようか。  マス・メディアに随順し、あるいはその走狗となり、短歌のもつ最も通俗的な特性を切り売りし、かろうじて現実に参加したなどという迷夢は、早晩無益と気づくだろう。
/塚本邦雄「反・反歌」『塚本邦雄全集』第八巻、28頁
「現実を変える力」を持たぬ「世界の変革者」は、通常の意味では変革者ではない。有罪と裁かれる日も無罪放免となる日も迎えることはない。ということは、その「変革者」は囚獄の中にも現実の中にも生きる場所を持たない。そんな人間いるのか。もしも批評家がその変革の失敗を裁くことでその人間に生きる場所を与え、歴史に刻むならば、その失敗がそもそも不可能な失敗であったことを見落としてしまうだろう。なんて無意味なこと。けれども、目指されていた変革も失敗の裁きもなしに、まったく別の道が開かれることがある。そういう想像力は必要だ。
短歌に未来はない。今日すらすでに喪っている。
マス・メディアに随順し、あるいはその走狗となり、短歌のもつ最も通俗的な特性を切り売りし、かろうじて現実に参加したなどという迷夢は、早晩無益と気づくだろう。
これらのメッセージを、塚本邦雄がそう言っているのだから、と素朴に真に受けてはならないだろう。マス・メディアに随順するのか、塚本邦雄に随順するのか、そういった態度。
筋肉をつくるわたしが食べたもの わたしが受けなかった教育
/平岡直子「水に寝癖」
洗脳はされるのよどの洗脳をされたかなのよ砂利を踏む音
/平岡直子「紙吹雪」
「そうなのよ」「そうじゃないのよ」と口調を真似て遊んでいると「砂利を踏む音」にたどり着けない。どんな人にも「わたしが受けなかった教育」があるし、なにかしら「洗脳はされる」。だからなんだよ。今、口ほどに物を言っているのは何。「砂利を踏む音」。くやしい。
リリックと離陸の音で遊ぶとき着陸はない 着陸はない
/山中千瀬「蔦と蜂蜜」
気付きから断定、発見から事実確認、心内語的つぶやきから客観的判断へと、フレーズの相が転移するリフレイン。「リリックと離陸の音で遊ぶとき」、その「とき」に拘束されて、ある一人の人が「着陸はない」と気づいた。気づいてそう言った。けれども、二度目の「着陸はない」からは、「とき」や〈気付きの主体〉の制約を受けないような、世界全体を視野におさめているかのような主体による断定の声が聴こえてくる。聴こえてきた。
「着陸はない」世界に気づいた主体が、一瞬にしてその世界を生ききった上で、振り返り、それが真実であったと確かめてしまった。一瞬で老いて、遺言のような言葉を繰り出す。事実と命題の一致としての真理は、その事実を確認できる主体にだけ確かめることができるのだ。〈わたしたち〉にとって肯定も否定もできない遺言。「だってそうだったから」で提示される身も蓋もない真理は「なんで」を受け付けない。
世界の真理がリフレインの効果によって、身も蓋もない仕方で知らされること。説明抜きに、真理を一撃で提示するという暴力からの被害。それは、爆笑する身体をもたらすことがある。自身の爆笑する身体に「なんで爆笑してるんだよ」とツッコミをしようと喉に力を込めながら、その声を捻り出すことはできずに、ひたすら身体を震わせて笑う。「アッ」「ハッ」「ハッ」「ハッ」と声を出しながら息を吸う。呼吸だけは手放してならないのは、息絶えるから。「着陸はない」と二度繰り返して息絶えてしまうのは、歌の主体だけなのだ。
もちろん、「着陸はない⤵︎ 着陸はない⤵︎」のような沈鬱な声、「着陸はない⤴︎ 着陸はない⤴︎」のような無邪気な声を聞き取ってもいい。「着陸はないヨ」「着陸はないネ」「着陸はないサ」のように終助詞を補って聞くこと。リフレインの滞空時間が終わるやいなや一瞬にして息絶えてしまうような声が〈わたしたち〉に求められていないのだとしたら。
 「終」助詞というのは、近代以後の命名だが、話し言葉の日本語の著しい特徴であって、話し相手に向かって呼びかけ、自分の文を投げかける働きの言葉である。だから見方によれば、文の終わりではないので、自分の発言に相手を引き込もうとしている。さらに省略形の切り方では、話し相手にその続きを求めている、と言えよう。このように受け答えされる文は、西洋語文が、主語で始まって、ピリオドで終わって文を完結し、一つ一つの文が独立した意味を担っているのとは大きな違いである。
/柳父章『近代日本語の思想 翻訳文体成立事情』、91頁
近代に、西洋の文章を模倣するように、「〜は」(主語)で始まって「た。」(文末)で終わる〈口語文〉が作られた。それ以前には、日本語文には西洋語文に対応するような明確な〈文〉の単位は存在しなかった。句読点にしても、活字の文章を読みやすくするための工夫(石川九楊、小松英雄の指摘を参照)と、ピリオド・カンマの模倣から、近代に作られた。
言文一致体=口語体が生み出されてから100年が経つ。けれども、句読点をそなえた〈口語文〉を離れるやいなや、「着陸はない」が「。」のつく文末なのか終助詞「ヨ・ネ・サ」を隠した言いさしの形なのか、いまだに判然としないのが日本語なのだ。
ところで、近代の句読点や〈文〉以前に、明確な切れ目を持つ日本語表現として定型詩があったと捉えられないだろうか。散文のなかに和歌が混じる効果。散文の切れ目としての歌、歌の切れ目としての散文。
句読点も主語述語も構文も口調や終助詞も関係なく、なんであれ31音で強制的に終わること。終助詞を伴いながらも、一首の終わりに隔てられて、返される言葉を待つことのない平岡直子の歌の声。「着陸はない 着陸はない」のリフレインの間に一気に生ききって、どこかに居なくなってしまう声。
老いについての第一の考え方は、世論においても科学者の世界においても広く共有されている目的論的な考え方で、それによれば、老いとは生命の自然な到達点で、成長のあとに必然的に訪れる衰えである。老いは「老いてゆく」という漸進的な動きから離れて考えることはできないように思える。〔…〕。��行のメタファー〔上昇と下降〕はまさに、老いをゆっくりと少しずつ進んでゆく過程として性格づけることを可能にする。それは、人生の半ばに始まり、必ずや直線的に混乱なく進むとは限らないとしても、段階を順番に踏んでいくのである。〔…〕。第二の考え方は老いを、漸進的な過程としてだけでなく、同時に、また反対に、ひとつの出来事として定義する。突然の切断、こう言ってよければ、飛行中の事故アクシデント。どれほど穏やかなものであったとしても、すべての老化現象の内には常に、思いもよらなかった一面、破局的な次元が存在するだろう。この、思いもよらなかった出来事としての老化という考え方は、第一の図式を複雑なものにする。老化について、老いてゆくというだけではどこか不十分なのだと教えてくれる。それ以上の何か、老化という出来事が必要なのである。突然、予測のつかなかった出来事が、一挙にすべてを動揺させる。老いについてのこの考え方は、徐々に老いてゆくことではなく、物語のなかでしばしば出会う「一夜にして白髪となる」という表現のように、その言葉によって、思いがけぬ、突然の変貌を意味することができるとすれば、瞬時の老化と呼びうるだろう。〔…〕。かくして、その瞬時性において、自然なプロセスと思いもよらぬ出来事の境界が決定不能になるという点で、老いは死と同様の性格をもつだろう。人が老いて、死んでゆくのは、自然になのか、それとも暴力的になのか。死とは、そのどちらかにはっきりと振り分けることができるものだろうか。
/カトリーヌ・マラブー『偶発事の存在論』、76-80頁、〔〕内注記は平
徐々に老いてゆくことと瞬時に老いること。それはたんに速度の問題なのではない。同一性を保ちながら徐々に老化することと、他なる者になるかのように突如として老化すること。衰えること、老成すること、年齢に見合うこと、若々しいこと、老けていること、大人びていること、子供っぽいこと。幼年期からの経験や思考の蓄積からスパッと切れて無関心になってしまうこと、来歴のわからない別の性格や習慣を持つこと。長期にわたって抑え込まれていたものの発現や変異、後から付け加えられたものの混入や乗っ取り。
自分の周りで生きている人々が老いてゆく過程に、私たちは本当に気づいているだろうか。私たちはたしかに、ちょっと皺が増えたなとか、少し弱ったなとか、体が不自由になったなと思う。しかし、そうだとしても、私たちは「あの人は今老いつつある」と言うのではなく、ある日、「あの人も老いたな」と気づくのである。
/カトリーヌ・マラブー、前掲書、80-81頁
内山昌太の連作「大観覧車」では、肺癌を診断された「父」の、余命一年未満の宣告をされてから死後までが描かれる。
父のからだのなかの上空あきらかに伸び縮みして余命がわたる
巨躯たりし父おとろえてふくらはぎ一日��のごとくにしぼむ
父も死に際は老いたる人となり寝室によき果物を置く
壊れたる喉をかろうじて流れゆくぶどうのひとつぶの水分が
/内山昌太「大観覧車」(同人誌『外出』三号)
「父も死に際は老いたる人となり」。あっという間の出来事だったのではないか。おそらく、「父」はもともと老人と言ってもいい年齢だった。けれど、「死に際」に「老いたる人」となったのだ。
定型と技巧を惜しみなく使って肉親の死を描くこと。「死」は定型と技巧かもしれない。「かもしれない」の軽薄さを許してほしい。定型の両義性。自然であり非−自然であるもの。なんであれ31音で強制的に終わることは人間が作り出した約束事に思われるかもしれないが、それは〈わたしたち〉が自由に交わせる約束よりは宿命に近いだろう。約束は破ることが可能でなければ約束ではない。あるいは、破られる可能性。偶然と出来事。宿命に対する技巧とは約束を作ることだろう。そこに他者がいる。あるいは〈わたし〉が他者になる。
〈作品化することは現実を歪めることである〉という考え方がある。事実と表象との対応に着目する立場。もしも〈父のふくらはぎが「一日花のごとくにしぼむ」かのように主体には見えた〉〈見えたことを「一日花のごとくにしぼむ」とレトリカルに書いた〉とパラフレーズするならば、作品は現実を歪めていないと言える。「見えた」「書いた」のは本当だからだ。けれど、そんな説明でいいのだろうか。また口よりも目を信用している。「一日花のごとくにしぼむ」を現実として受け入れられないだろうか。作品をそれ自体一つの出来事として。
「しぼむ」という動詞の形。活用形としては終止形だが、テンス(時制)やアスペクト(相:継続、瞬時、反復、完了、未完了など)の観点から、「タ形」(過去・完了)や「テイル」(未完了進行状態・完了結果状態などさまざま)と区別して「ル形」と分類される形である。西洋文法に照らし合わせるなら、「不定形」あるいは「現在形」だ。(日本語では〈明日雨が降る〉のように「ル形」で未来を表現することもある)。
「しぼんだ」(過去・完了)や「しぼんでいる」(現在・進行)と書かれていれば、〈主体の知覚の報告〉として読めるかもしれない。時制についても、相についても、語り手の位置に定位した記述として読める。けれども「しぼむ」はどうだろう。西洋文法において「不定形」とは、時制・法(直接法、仮定法、条件法など)・主語の単複と人称といった条件によって決められた形(=定形)ではない、動詞の基本的な形のことである。
この不定形的な「ル形」を、助動詞や補助動詞を付けずに、剥き出しにして「文末」にすること。そのような「ル形」の文末は、語り手の位置に定位した時制や確認判断を抜きにした、一般的命題、あるいは出来事そのものの直接的なイメージを差し出すことがある。
柳父章によれば、近代以前にも「ル形」の使用はわりあい多いという。けれども、それは標準的な日本語の用法ではなかった。古くは和文脈の日記文でよく使われていた。漢文体や『平家物語』でも一部使われている。そして、「おそらく意識的な定型として使われたのは、戯曲におけるト書きの文体」(97頁)である(*注2)。日記文やト書きは、原則として読者への語りを想定しない書き物であるため、語法が標準的である必要がないのだ。
 文末が「ル形」で終わる文体は、脚本とともに生まれたのだろうと思う。脚本では、会話の部分と、ト書きの部分とは、語りかけている相手が違う。会話の部分は、演技者の発言を通じて、結局一般観客に宛てられている。しかし、ト書きの部分は、一般観客は眼中にない。これは演技者だけに宛てられた文である。〔…〕。  文法的に見ると、ト書きの文には、文末に助動詞がついてない。〔…〕。  すなわち、ト書きの文末には、近代以前の当時の通常の日本文に当然ついていたはずの、助動詞や終助詞が欠けている。「ル形」で終わっているということは、こういう意味だった。  逆に考えると、まともな伝統的な日本文は、ただ言いたいことだけを言って終わるのではない。読者や聞き手を想定して、文の終わりには、話し手、書き手の主体的な表現を付け加える。国文法で言う「陳述」が加わるのである。「ル形」には、それが欠けているので、まともな日本文としては扱われていなかった、ということである。
/柳父章、前掲書、99−100頁
このような来歴の「ル形」は、その後、西洋語文の「現在形」や「不定形」の翻訳で使われるようになり、より一般化した。それをふまえた上で、読者を想定した日本文の中で「ル形」を積極的に使ったのは夏目漱石だった。歌に戻ろう。
巨躯たりし父おとろえてふくらはぎ一日花のごとくにしぼむ
「しぼむ」のタイムスパンをどう捉えるか。ある時、ある場所で、「一日」で「しぼむ」のを〈見た〉のだろうか。おそらくそう見えたのだろう。けれども、他方で、この歌は「その時、その場」の拘束から逃れてもいる。「しぼむ」には「文の終わり」の「話し手、書き手の主体的な表現」が欠けているのだ。ト書きを読めば、ある時ある場所に拘束されずに、何度でもそれを上演し体験できる。それに似て、この「しぼむ」は読者に読まれるたびにそこで出来事を起こすだろう。
「しぼむ」について、今度は「話し手、書き手」の位置ではなく、「言葉のドラマ」を参照しよう。
「巨躯たりし父おとろえてふくらはぎ一日花のごとくに」
「ふくらはぎ」と「花」は決して似ていない。「花」と言われると、人は通常〈咲いている花〉を思い浮かべるだろう。「一日花」は一日の間に咲いてしぼむ花のことだが、だからこそ、咲いているタイミングが貴重に切り取られるのではないか。「ふくらはぎ」と〈咲いている花〉は形状がまったくちがう。にもかかわらず、〈ふくらはぎ・一日・花の〉のように、「が」や「は」といった助詞を抜きに、似ていないイメージ・語彙が直接に連鎖させられている。意味的にもイメージ的にも、この段階では心許ない。結句にいたっても、「ごとくに」に四音が割かれており、一首全体が無事に着陸する望みは薄いだろう。〈ふくらはぎ・一日花の・ごとくに〉と言われても、「ふくらはぎ」はまったく「花のごとく」ではないのだから。
最後の最後で、「しぼむ」の突如の出現が一首に着陸をもたらす。「突如」として「着陸」が訪れる。「花のごとく」なのは「ふくらはぎ」ではなくて、それが「しぼむ」ありさまであったことが、最後に分かる。
うまく着陸したからといって、〈ふくらはぎ・一日花の〉における語と語の衝突の記憶がすぐに消えてなくなることはない。でなければ、「しぼむ」��このように訪れてくれることはない。衝突事故をしても着陸すること。「ふくらはぎ」にまったく似たところのない、異質なものとしての「花」が、助詞抜きで直接的に連鎖させられることによって生じる読者の戸惑い。その戸惑いが、結句未満の最後の三音で解消されるという出来事。
「話し手、書き手」から遊離した「言葉のドラマ」の中の「しぼむ」は、もちろん書き手の感性の前に現れた「しぼむ」でもあっただろう。〈見えたことを「一日花のごとくにしぼむ」とレトリカルに書いた〉は間違いではない。「父」と〈わたし〉のドラマを「言葉のドラマ」へと還元して、蒸発させてしまってはいけない。それは単純化だ。「社会と没交渉」になってたったの二歩で「言葉のユートピアを設営」してしまうような、一般論として振りかざされる「作者の死」は心が狭い。
靴を脱ぎたったの二歩で北限にいたる心の狭さときたら
/平岡直子「視聴率」(同人誌『率』9号)
内山の作品には、「老い」について「ル形」を使いながら〈語り手=書き手の声〉を聞かせる作品が他にもある。
読点の打ちかたがよくわからないまま四十代、中盤に入る
/内山晶太「蝿がつく」(同人誌『外出』二号)
「ル形」の効果だろうか。歌の語り手はあきらかに書き手だが、仮に書き手である内山昌太が嘘をついていたとしてもこの歌は成り立つだろう。歌のなかでの語り手=書き手=〈わたし〉は「内山昌太」から遊離している。だからといって架空のキャラクターを立てる必要もない。〈書き手の声〉が〈書くこと〉について語っているという出来事が確認されれば、ひとまずはいい。
結局のところ、「読点」は適切に打たれたのかわからない。「三十代」「四十代」という十年のサイクルは規則的に進むが、内山はそこに不規則性、あるいは規則の曖昧さを差し込もうとしている。不規則はどこから生まれるのか。規則が明文化されているかどうか、規則がカッチリしているかどうか、ではない。規則を使うとき、従うときに、不規則が生まれる。「使う」「従う」といった行為。そこには、うっかりミスや取り違え、愚かさや適当さがある。
内山自身による先行歌がある。
ペイズリー柄のネクタイひとつもなく三十代は中盤に入る
/内山晶太『窓、その他』
「四十代、中盤」や「三十代は中盤」というふうに、「◯十代」と「中盤」の間に何かを差し込もうとする手がある。
十年のサイクルについて、あらかじめ目標を立てるのであれ、後から反省するのであれ、「◯十代」という表記はその十年の全体を一挙に指示する。自動的で、明快で、有無を言わせない〈十年の単位〉に対して、「中盤」という曖昧な幅を当ててみること。
「三十代中盤」や「四十代中盤」という表記であったなら、「中盤」は〈十年〉の中の一部として回収されてしまうかもしれない。けれど、「三十代は中盤に入る」、「四十代、中盤に入る」という表記によって、徐々に進行しながら曖昧にその意味や価値を変質させていく、一様ならざる時間の幅へと〈十年〉が取り込まれていくかのようだ。「中盤」っていつからいつまでなんだ。きっと、サイクルごとに「中盤」の幅は伸び縮みするだろう。3年、5年? 8年くらい中盤で生きる人もいるのかな。
眠ること、忘れることを知らないで、昼的な覚醒を模範とする精神には、決して捕捉されることのない曖昧な時間。その時間のうちに〈十年���単位〉を巻き込んで、一身上の都合から伸び縮みするリズムの個人的な生を主張する視点。〈君の死後、われの死後にも青々とねこじゃらし見ゆ まだ揺れている/大森静佳〉と好対照だ。というのは、「リズムの個人的な生」の主張は、それを意識すればその都度タイムリミットのように減っている〈十年〉への不安とペアなのだから。
「中盤に入る」は淡々とした地の文の語りのようでもありながら、規則的に進行する〈十年〉のテンポに従うことのない「中盤」の速度を確保しようとする〈わたし〉の主体的な決意の言葉のようでもある。歌から聞こえてくる声が、三人称視点的な叙述なのか一人称的な心内語やセリフなのかの微妙な決定不可能性は、〈十年の単位〉について社会に語らされている主体と「中盤」を能動的に語っている主体のせめぎ合いに似る。
十年のサイクルは自然的な所与なのか、社会的な構築物なのか。絶対に無くなる時間の宿命を約束と取り違えること。それから、その約束を破ってしまうこと。二重のうっかりだ。だから、うっかりと変な歳のとり方をする。年齢相応じゃない。うっかりはポエジーだろう。
二つのタイプの老化、漸進的な老化と瞬時の老化は、常に強く絡み合っており、互いに錯綜し、巻き込み合っている。だから、常になにがしかの同一性が、毀損した形であっても存続し、人格構造の一部分が変化を超えて持続するのだと言う人もいるだろう。そうだとしても、どれだけ多くの人が、死んでいなくなってしまう以前に、私たちの前からいなくなり、自らを置き去りにしていくことだろう。
/カトリーヌ・マラブー、前掲書、93−94頁
〈わたし〉という語り手はうっかりと〈わたし〉から離脱してしまうことがある。深い意味もなく。身も蓋もないものの神秘を生み出しながら。その神秘を新たに〈わたし〉の神秘へと統合できるのか、そうではないのか。
君の死後、われの死後にも青々とねこじゃらし見ゆ まだ揺れている
/大森静佳『てのひらを燃やす』
「ねこじゃらし見ゆ」を受ける視点。それは「君」でも「われ」でもなく、「君の死後、われの死後」に、「まだ揺れている」と言うことのできる語り手の視点だ。語り手の案内を受けて導かれた読者の視点だ。読者の〈わたし〉はいったいどこに案内されたのだろうか。「まだ揺れている」と語る「われ」ならざる〈わたし〉はどの〈わたし〉で、「それ」はどこにいるのか。
この歌の視点について、ひとつ現実的に想像してみよう。
現実に、ある時ある場所で、「君」と「われ」が青々としたねこじゃらしを見ている。会話はなく、ねこじゃらしが揺れるのをぼうっと見ている。注意して観察しているのではなく、なんとなく、その青々とした緑色の揺れるのが目に入るがままだ。受動的で反復的な視覚体験によって、体験の主体は動くモノの側に移っていく。ねこじゃらしが揺れれば〈揺れ〉を感じ、こすれれば〈こすれ〉を感じるような体験のあり方。その時、ねこじゃらしの「青々」や「揺れ」は、「君」や「われ」が見ていようが見ていなかろうが、それとは独立に持続する運動のように現象するだろう。
持続するそれは「われ」の主観から独立してイデアルに永続するナニカというよりは、「われ」が〈意識的に見る主体=見ていることを意識する主体〉ではない限りにおいて成立するかりそめの現象だ。その現象に身を任せている間、「われ」は変性意識的な状態かもしれない。意識の持続は、見ていることの自覚ではなく、「ねこじゃらし」の「揺れ」の運動と一致する。「われ」の肉体も〈君とわれ〉の関係もそっちのけで、ねこじゃらしが揺れる。
魂がそのように「われ」から遊離していきながら、やっぱり振り返る。「われ」から遊離した、ほとんど死後的な魂の視点は振り返る。きっと、そうでなくちゃ困るのだ。振り返る視線によって、「君」と「われ」が「視野」に入る。「視野」に入れるという肯定の仕方だ。というのは、ねこじゃらしを見ている限り、「君」と「われ」は互いに「視野」に入らないはずなのだ。
〈君とわれ〉というペアの存在が、「君」も「われ」もいつか死ぬという身も蓋もない事実を絆帯として、常軌を逸した肯定をされてしまった。
「君とわれの死後にも」ではなく「君の死後、われの死後にも」と書き分けられている。「君」と「われ」のどちらが早く死ぬか、死ぬまでにどのような関係性の変化があるか、どのような経験の共有があるのか。そういったことに関心を持つ生者の視点はない。その視点があるならば、たとえば次の歌のように二者の断絶が描かれてもいい。
その海を死後見に行くと言いしひとわたしはずっとそこにいるのに
/大森静佳『カミーユ』
断絶の構図を作らずに、〈、〉で並列させられる形で肯定される関係は何だろう。生前から死後までを貫くような、〈君、われ〉の関係の直観。〈君とわれ〉の「君の死後、われの死後」への変形。その変形による肯定は、〈君とわれ〉の圏内においてはナンセンスだ。〈「君」が死んでも、「われ」が死んでも、ねこじゃらしは変わらず揺れているだろうね〉ならば、それは〈君とわれ〉の相対化だ。それで心身は軽くなるかもしれない。その軽さに促されるように〈生〉のドラマは展開す���かもしれない。けれども、生前から死後までを貫く二者の並列関係の肯定にはなりえない。
〈生前から死後までを貫く二者の並列関係〉はナンセンスなフレーズだ。だからこそ、その肯定は常軌を逸している。ナンセンスな肯定が、常軌を逸した視点から、すなわち、「われ」の魂が遊離して別の生の形をとっている間にだけ持続するかりそめの語り手の視点からなされた。
語り手の視点を「死後の視点」と一息に言ってはならない。そう言ってしまうなら、語り手の位置の融通無碍な変化を見落とすことになる。「君の死後、われの死後にも青々とねこじゃらし見ゆ」から「まだ揺れている」の間には、語り手の視点にジャンプがある。山中千瀬の「着陸はない 着陸はない」のリフレインと似た効果がこの歌の一字あけにおいても生じているのだ。
「君の死後、われの死後にも青々とねこじゃらし見ゆ」という言い切りの裏には、〈見えるだろう〉という直観が働いている。〈直観の時〉があり、〈時〉に拘束された「言い切り」がある。
直観された真実がそのままで場を持つことは、しばしば難しい。けれどもこの歌において、その直観は、一字あけのジャンプを経て、「まだ揺れている」を言うことのできる死後的な主体によって確認されることで場を持つことになる。「まだ〜ている」においては、「ル形」とは異なり、明らかに主体による確認判断が働いているだろう。直観を事実として確かめることのできるような不可能な主体へのジャンプ。
歌が立ち上げる〈不可能な声〉がある。
直観した時点から、それを確認する時点へのジャンプ。そこには、他なる主体の声になるかのような突如の変化と、同じ一つの〈歌の声〉の持続の、二つの運動の絡み合いがあるだろう。一首は一つの声を聞かせる。言葉を強引に一つの声へと押し込めることによって、通常では不可能なことを言うことができる。通常では、ナンセンス、支離滅��、分裂した声、破綻した言葉のように聞かれてしまうかもしれないものたち��、一つの歌となるときに、〈不可能な声〉を聞かせてくれる。どうして〈不可能な声〉を使ってまで〈君とわれ〉を視野に収めたのだろうか、という問いから先は読者に任せた。
わたしたちに不可能な声が聞こえてくるとき。
「それは眼球めだまと金魚を買った」 「穴がわたしの代わりに泣くの」 「はるまきがみんなほどけてゆく夜」 「僕が一致してない」 「機関車のためいき浴びてわたしたちのやさしいくるおしい会話体」 「振り下ろすべき暴力」 「着陸はない 着陸はない」 「ふくらはぎ一日花のごとくにしぼむ」 「まだ揺れている」
どんな声でも「あるかも」と思えるように解釈することができるのだとして、わたしたちはどんな声でも、なんであれ聞いてきたのではない。いくつかの不可能な声を聞いてきた。
「不可能な短歌の運命」を予告しつつ、あらかじめそれを過去のものにするために。不可能なものの失敗がそれを過去へと葬ったあとで、そのナンセンスな想起が不可能なものを橋やベランダとして利用できるようにするために。
/平英之「運命の抜き差しのために(「不可能な短歌の運命」予告編)」
2年前に僕はこんなことを書いていた。短歌を書くことも、文章を書くことも、僕にはほとんど不可能なことだった。なにが不可能だったのか。
分母にいれるわたしたちの発達、 くまがどれだけ昼寝しても許されるようなわたしたちの発達、 しかも寄道していてシャンデリア。 青空はわけあたえられたばかりの真新しくてあたたかな船。 卵にゆでたまご以外の運命が許されなくなって以来わたしたちは発達。 教科書ばかり読んでいたのでちっとも気のきいたことを言えなくてごめんなさい。 まったく世界中でわたしたちを愛してくれるのはあなただけね。 ベランダから生きてもどった人はひとりもいないっていうのにさ。 〔…〕
/瀬戸夏子「すべてが可能なわたしの家で」(連作5首目より、一部抜粋)
ベランダから生きてもどった人はひとりもいないっていうのに、ベランダから生きてもどろうとしていた。それが僕の抱えていた不可能なことだった。
*注1 穂村弘「〔…〕。それでたとえばフィギュアスケートだったら、スケート観よりも実際に五回転できるってことがすごいわけだけど、短歌においては東直子とかが五回転できて、斉藤斎藤が「いや、俺は跳びませんから」みたいな(笑)、「俺のスケートは跳ばないスケートですから」みたいなさ。僕は体質的には、本当は自分が八回転くらいできることを夢見る、跳べるってことに憧れが強いタイプでね、だから東直子を絶賛するし、大滝和子もそうだし、つばさを持った人たちへの憧れがとくに強い。だからある時期まで女性のその、現に跳べる、そしてなぜ跳べたのか本人はわからない、いまわたし何回跳びました? みたいな(笑)、「数えろよ、なんで僕が数えてそのすごさを説明しなきゃいけないんだよ」みたいな、そういうのがあった。」 座談会「境界線上の現代短歌──次世代からの反撃」(荻原裕幸、穂村弘、ひぐらしひなつ、佐藤りえ)、『短歌ヴァーサス』第11号、112頁
*注2 柳父章『近代日本語の思想 翻訳文体成立事情』では、ト書きの比較的初期の用例として1753年に上演された並木正三『幼稚子敵討』の脚本から引用している。参考までに、以下に孫引きしておく。 大橋「そんなら皆様みなさん、行ゆくぞへ。」 伝兵「サア、おじゃいのふ。」 ト大橋、伝兵衛、廓の者皆々這入る。 …… …… 宮蔵「お身は傾城けいせいを、ヱヽ、詮議せんぎさっしゃれ。」 新左「ヱヽ、詮議せんぎ致して見せう。」 宮蔵「せいよ。」 新左「して見せう。」 ト詰合つめあふ。向ふ。ぱたぱた と太刀音たちおとして、お初抜刀ぬきがたなにて出る。 『日本古典文学体系53』岩波書店、1960年、112頁 本文で言及できなかったが、ト書き文体と口語短歌について考えるなら、吉田恭大『光と私語』(いぬのせなか座、2019年)を参照されたい。
【主要参考文献】 ・短歌 内山昌太『窓、その他』(六花書林、2012年) 大森静佳『てのひらを燃やす』(角川書店、2013年) 大森静佳『カミーユ』(書肆侃侃房、2018年) 木下龍也『つむじ風、ここにあります』(書肆侃侃房、2013年) 木下龍也『きみを嫌いな奴はクズだよ』(書肆侃侃房、2016年) 斉藤斎藤『渡辺のわたし 新装版』(港の人、2016年/booknets、2004年) 笹井宏之『てんとろり』(書肆侃侃房、2011年) 瀬戸夏子『そのなかに心臓をつくって住みなさい』(私家版歌集、2012年) 塚本邦雄「反・反歌」(『塚本邦雄全集』第八巻、ゆまに書房、1999年)(初出は『短歌』昭和42年9月号、『定型幻視論』に所収) 堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』(港の人、2013年) 東直子『青卵』(ちくま文庫、2019年/本阿弥書店、2001年) 平岡直子 連作「水に寝癖」(『歌壇』2018年11月号) 平岡直子 連作「紙吹雪」(『短歌研究』2020年1月号) 山中千瀬『蔦と蜂蜜』(2019年) 同人誌『率』9号(2015年11月23日) 同人誌『外出』二号(2019年11月23日) 同人誌『外出』三号(2020年5月5日) 『短歌ヴァーサス』第11号(風媒社、2007年)
・その他書籍 石川九楊『日本語とはどういう言語か』(講談社学術文庫、2015年) 沖森卓也『日本語全史』(ちくま新書、2017年) カトリーヌ・マラブー『偶発事の存在論 破壊的可塑性についての試論』(鈴木智之訳、法政大学出版局、2020年) 小泉義之「自然状態の純粋暴力における法と正義」(『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』、河出書房新社、2020年) 小松英雄『古典再入門 『土佐日記』を入りぐちにして』(笠間書院、2006年) ジャック・デリダ『盲者の記憶 自画像およびその他の廃墟』(鵜���哲訳、みすず書房、1998年) 柳父章『近代日本語の思想 翻訳文体成立事情』(法政大学出版局、2004年)
・ネット記事 伊舎堂仁「大滝和子『銀河を産んだように』 」 佐々木あらら「犬猿短歌 Q&A」 平英之「運命の抜き差しのために(「不可能な短歌の運命」予告編)」
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komakusa · 6 years ago
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#俺の一押しエロゲソングを聞いてくれ 集計(その2)
昨日アップした集計結果の続きです。2ポイント未満かつ1ポイント超の274曲になります(集計方法は前投稿をご参照ください)。
投稿者数  ポイント  曲名/作品名/歌手 _9人 1.993  dissonant chord/PRINCESS WALTZ/NANA _8人 1.981  穢れ亡き夢/11eyes 罪と罰と贖いの少女/Asriel _9人 1.973  Moving go on ~そこから見える未来~/3days/川村ゆみ _9人 1.965  こころに響く恋ほたる/アマツツミ/橋本みゆき _8人 1.948  brave genesis/創刻のアテリアル/オリヒメヨゾラ _8人 1.933  split tears/片恋いの月/fripSide _6人 1.918  GHOST×GRADUATION」/はつゆきさくら/monet 11人 1.918  コトダマ紬ぐ未来/アマツツミ/山崎もえ _4人 1.917  Fericita/シンシア ~Sincerely to You~/Rita _9人 1.915  赤い約束/FORTUNE ARTERIAL/Veil∞Lia _6人 1.906  最愛/涼風のメルト/霜月はるか 12人 1.885  ダ・カーポII ~あさきゆめみし君と~/D.C.II ~ダ・カーポII~/yozuca* _8人 1.883  機神咆吼ッ! デモンベイン!/斬魔大聖デモンベイン/生沢佑一 _4人 1.883  真実の翼 -サダメのツバサ-/僕がサダメ 君には翼を。/カヒーナ _7人 1.878  彼方/SinsAbell/東迦喜也 _6人 1.876  sword of virgin/恋剣乙女/fripSide _9人 1.866  嘘つきと傷あと/輝光翼戦記 天空のユミナ/水霧けいと 10人 1.845  For our day/そして明日の世界より――/川田まみ _9人 1.844  未来図/未来ノスタルジア/浅羽リオ _5人 1.843  jewelry days/オーガストFANBOX/榊原ゆい _4人 1.841  武士/真剣で私に恋しなさい!/きただにひろし 13人 1.839  Life is like a Melody/智代アフター/Lia 11人 1.833  sign/うたてめぐり/miru _6人 1.833  Saya's Song/リトルバスターズ! エクスタシー/Lia _8人 1.820  君が望む永遠/君が望む永遠/MEGUMI _5人 1.810  go!go! Summer drive!/ナツユメナギサ/月子 10人 1.807  I Bless Thy Life/天使ノ二挺拳銃/いとうかなこ _7人 1.804  二人色/恋色空模様/Duca _6人 1.802  久遠 ~詩歌侘~/恋姫†無双 ~ドキッ☆乙女だらけの三国志演義~/茶太 11人 1.794  永遠に咲く花/枯れない世界と終わる花/AiRI _7人 1.791  Eternal Recurrence/星空のメモリア/橋本みゆき _8人 1.790  Reconquista/レコンキスタ/飛蘭 _9人 1.789  濛々たる黒煙は咲き/信天翁航海録/Rita _5人 1.780  Destiny/あると/橋本みゆき 12人 1.778  Clover Day's/Clover Day's/真理絵 10人 1.771  モノクローム/グリーングリーン/YURIA _6人 1.764  恋せよ乙女!/サノバウィッチ/米倉千尋 10人 1.743  Happy birthday to.../終わる世界とバースデイ/KAKO _5人 1.743  あくびの戦士がふぁー/スマガ ~Star Mine Girl~/大槻ケンヂ _5人 1.742  brindiamo ~俺たちに乾杯/続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-/ワタナベカズヒロ _6人 1.737  Vanille Rouge -ヴァニーユ・ルージュ-/フォセット ~Cafe au Le Ciel Bleu~/佐倉紗織 _6人 1.735  言葉繋ぎ/すきま桜とうその都会 -End of the world and cherry Blossom Princess-/花たん _9人 1.734  Natukage/AIR/Lia _7人 1.719  ヒカリ/ジサツのための101の方法/佐藤裕美 _6人 1.709  僕と、僕らの夏/僕と、僕らの夏/WHITE-LIPS 10人 1.701  紅葉/きっと、澄みわたる朝色よりも/WHITE-LIPS _6人 1.700  style/それは舞い散る桜のように/YURIA _9人 1.695  Wind of Cronus/プレゼンス/真理絵 _8人 1.693  Rosa Morada/紫影のソナーニル/Rita 10人 1.692  Liblume/生命のスペア/霜月はるか _7人 1.686  あなたを想いたい/Routes/池田春菜 _4人 1.683  星団歩行/夜巡る、ボクらの迷子教室/夜巡る、ボクらの迷子教室 _4人 1.662  primal/プライマルハーツ/Ceui _8人 1.659  沙耶の唄/沙耶の唄/いとうかなこ _5人 1.658  mement vivere ~生きることを忘れないで~/月光のカルネヴァーレ/ワタナベカズヒロ 10人 1.658  悠久のcadenza/姫狩りダンジョンマイスター/織姫よぞら _6人 1.655  Treating 2U/Treating 2U/堤伊之助 _5人 1.652  せつなさのグラデイション/あかね色に染まる坂/橋本みゆき _7人 1.651  Moon Story/片恋いの月 えくすとら/UR@N _5人 1.640  ワールドイズマイン/グリーングリーン/bamboo _4人 1.636  時雨Dictionary/キミトユメミ���/民安ともえ _6人 1.635  遙かなる地球(ふるさと)の歌/マブラヴ/栗林みな実 _6人 1.630  キミガタメ - /うたわれるもの/Suara _7人 1.624  未来はきっとShiny Days/ボクラはピアチェーレ/奏英学園軽音部 Starring i.o _5人 1.618  GLORIOUS DAYS/恋×シンアイ彼女/yuiko _4人 1.617  imitation/Imitation Lover/榊原ゆい _9人 1.609  さよならの向こう側で/D.C.II P.C. ~ダ・カーポII~ プラスコミュニケーション/美郷あき _5人 1.607  桜霞 ~サクラノカスミ~/桜吹雪/西沢はぐみ _5人 1.603  with you/スズノネセブン!/茶太 _7人 1.600  Love Cheat!/いただきじゃんがりあんR/MOSAIC.WAV 11人 1.583  spiral of despair/痴漢専用車両 ~屈辱の痴漢電車~/fripSide _5人 1.583  この大地の果てで/永遠のアセリア/Tā _8人 1.574  冬に咲く華/彼女のセイイキ/美月琴音 10人 1.573  THE APPLE IS CAST!/抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?/夢乃ゆき _3人 1.571  MUGEN∞MIRAI/天神乱漫 LUCKY or UNLUCKY!?/神代あみ _5人 1.569  シンソウノイズ/シンソウノイズ ~受信探偵の事件簿~/霜月はるか×Ceui _4人 1.560  あたらしい予感/To Heart/AKKO _5人 1.545  ぴぃす@ぴーしーず!/Peace@Pieces/KIYO _9人 1.541  ツクモノツキ/ツクモノツキ/nao _4人 1.525  Cross Illusion/俺たちに翼はない AfterStory/美郷あき _4人 1.525  夏はマシンガン/みずいろ/マシンガン進藤 _6人 1.523  凪/もしも明日が晴れならば/WHITE-LIPS _7人 1.521  quantum jump/フレラバ/真里歌 _5人 1.510  nameless melodies ~だけど、きみにおくるうた~/とらいあんぐるハート2 さざなみ女子寮/鳥居花音 10人 1.504  Brand-new Heart/To Heart/AKKO _2人 1.500  DELICIOUS TEMPTATION/赤ずきんと迷いの森/杉崎和哉 _3人 1.500  MOON TEARS/吸血殲鬼ヴェドゴニア/小野正利 _3人 1.500  Snow wish/デュエリスト×エンゲージ/Duca _2人 1.500  Velocity of sound/ソニック・プリンセス/MOMO _6人 1.495  さよならのかわりに/この青空に約束を―/つぐみ寮生会合唱団 13人 1.491  THIS ILLUSION/Fate/stay night /M.H. _8人 1.478  We Survive/V.G.NEO/KOTOKO _8人 1.474  My Sweet Lady/学☆王/佐倉紗織 _7人 1.469  Dreaming Continue/ぱすてるチャイムContinue/NANA _5人 1.467  つまんない恋/パルフェ ~ショコラ second brew~/高槻つばさ _4人 1.454  little explorer/eden*/原田ひとみ _4人 1.450  Love Hell Rocket/HoneyComing/青木春子 _5人 1.448  Celebrate/桜華/みとせのりこ 10人 1.424  魂響/魂響 ~たまゆら~/片霧烈火 _6人 1.421  Change The World/ゴールデンアワー/夢乃ゆき _5人 1.420  Causal Chain/うたてめぐり/遊女 _3人 1.417  As time goes by/コミックパーティー/美崎しのぶ _6人 1.414  終末のフラクタル/グリザイアの果実/飛蘭 _3人 1.410  The Engaged Fortune/アリス2010/橋本みゆき _8人 1.394  ダ・カーポⅢ~キミにささげる あいのマホウ~/D.C.III R ~ダ・カーポIIIアール~ X-rated/yozuca* _6人 1.392  可憐雪月花/絆きらめく恋いろは/KEiNA _7人 1.392  想いのカナタ/夏空カナタ/霜月はるか _6人 1.388  後ろ髪の証跡/ハピメア -Fragmentation Dream-/美月琴音 _4人 1.387  スクールバス/グリーングリーン/UR@N _6人 1.386  ジュヴナイル/蒼天のセレナリア/Rita _5人 1.386  運命SADAME/うたわれるもの/元田恵美 _6人 1.381  戦姫之理/龍戦姫 天夢/青葉りんご 10人 1.379  観覧車 ~あの日と、昨日と今日と明日と~/めぐる季節の約束と、つないだその手のぬくもりと/Duca _4人 1.375  Sleeping Pretend/すみれ/真里歌 _4人 1.367  Milky Ice/ウィッチズガーデン/雪村涼乃(遥そら) _3人 1.367  プチタミ/キミの声がきこえる/茶太 _4人 1.365  さめない熱/天使ノ二挺拳銃/ワタナベ _5人 1.360  Especially for you/ワンコとリリー/麗華 _9人 1.359  Like a Green/グリーングリーン2 恋のスペシャルサマー/UR@N _4人 1.355  マル秘☆恋愛法則/アッチむいて恋/NANA _3人 1.354  7th WORLD'S OUT/こんそめ!~combination somebody!~/西沢はぐみ _9人 1.354  magicaride/マジカライド/fripSide 11人 1.354  Explorer World/カミカゼ☆エクスプローラー!/NANA _6人 1.353  君恋ノ唄/戦国†恋姫/茶太 _6人 1.352  ∞未来/失われた未来を求めて/橋本みゆき _7人 1.348  希いの花/眠れる花は春を待つ。/Rita _7人 1.348  永遠なる絆と想いのキセキ/恋する想いと少女のキセキ/nao _5人 1.346  僕たちの未来/Fate/hollow ataraxia/rhu _4人 1.345  After All -綴る想い-/WHITE ALBUM2/上原れな _3人 1.341  SOUND OF DESTINY/WHITE ALBUM/緒方理奈 _8人 1.340  room/君が主で執事が俺で/KOTOKO _9人 1.334  First Love/ヒマワリと恋の記憶/夢乃ゆき _2人 1.333  cross my heart/innocent world/島宮えい子 _2人 1.333  Le Conseil/古色迷宮輪舞曲/tohko _3人 1.333  MOON PHASE/雫/Suara _2人 1.333  Running to the straight/ママトト ~a record of war~/仲村芽衣子 _2人 1.333  おもいで/Canvas ~セピア色のモチーフ~/くにたけみゆき _5人 1.838  カスミカゲロウ/霞外籠逗留記/Rita _5人 1.331  Till I can see you again/Chu×Chuぱらだいす ~Encore Live~/榊原ゆい _3人 1.327  星海を往く希望の歌/マブラヴ オルタネイティヴ クロニクルズ01/遠藤正明 _5人 1.324  Dearest Sword, Dearest Wish/ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-/Ayumi. _5人 1.322  Forget-me-Not/忘レナ草 ~Forget-me-Not~/Akira _5人 1.313  Silent Flame/魔王と踊れ! -Legend of Lord of Lords-/霜月はるか _3人 1.311  iを解きなさい/いきなりあなたに恋している/はな _3人 1.310  song for friends/リトルバスターズ! エクスタシー/Rita _3人 1.310  歩み/まじかる☆アンティーク/AKKO _4人 1.307  モンタージュ/最終試験くじら/美郷あき _8人 1.306  ナニカ/カナリア ~この想いを歌に乗せて~/NORI _4人 1.302  true eternity/彼女たちの流儀/fripSide _7人 1.299  closest love/Areas 恋する乙女の3H/fripSide _4人 1.297  祝福の歌/エーデルワイス/yozuca* _3人 1.291  I pray to stop my cry/凌辱看護婦学院/KOTOKO _3人 1.286  世界で一つのタカラモノ/ボクラはピアチェーレ/奏英学園軽音楽部 starring i.o _4人 1.282  My Dear Stardust/DEARDROPS/DEARDROPS _6人 1.274  COLD BUTTERFLY/聖娼女 ~性奴育成学園~/Duca _8人 1.261  トラワレビト/シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION/遊女 _6人 1.261  beautiful flower/D.C.II/美郷あき _6人 1.260  星空のいま/星空へ架かる橋AA/相良心 _3人 1.256  Witch's Garden/ウィッチズガーデン/佐藤ひろ美 & 飛蘭 _9人 1.252  Lapis Lazuli/夜明け前より瑠璃色な/泉伶 _2人 1.250  Walk/学園ソドム ~教室の牝奴隷達~/神林未玖 _2人 1.250  ラブ・エレクション/ワールド・エレクション/薬師るり _3人 1.244  セ・キララ/se・きらら/橋本みゆき _9人 1.242  情熱のウォブル/タユタマ -It's happy days-/Kicco _6人 1.236  Raison d'etre/GUN-KATANA -Non-Human-Killer/電気式華憐音楽集団 _3人 1.226  祈りの時代/奴隷市場/MELL _5人 1.220  Heart To Heart/ToHeart2 XRATED/中山愛梨沙 10人 1.214  Change&Chance!/のー��る☆わーくす/榊原ゆい _4人 1.213  thyme/シュクレ/KOTOKO _3人 1.211  Dote up a cat!/ネコっかわいがり! ~クレインイヌネコ病院診療中~/Rita _3人 1.210  見上げた空におちていく/見上げた空におちていく/片霧烈火 _2人 1.200  infinite knots/天結いキャッスルマイスター/佐咲紗花 _2人 1.200  Life goes on/カタハネ ――An' call Belle――/Rita _2人 1.200  Re:TraumenD/Re:LieF/紫咲ほたる _2人 1.200  saudade/漆黒のシャルノス/Rita _2人 1.200  Von Ljosalfr ~光の妖精より~/迷える2人とセカイのすべて/nao _2人 1.200  だっこしてぎゅっ!~汝、隣の枕(よめ)を愛せ/だっこしてぎゅっ! ~オレの嫁は抱き枕~/民安ともえ _3人 1.200  もう始まっている、未来。/Flyable Heart/KIYO _4人 1.199  ハジマリノトキ/鬼まり。/Rita _3人 1.196  恋せよ!乙女/恋せよ!!妹番長/Duca _3人 1.194  IN MY WORLD/猫撫ディストーション Exodus/桐島愛里 _5人 1.194  it's just farewell/カタハネ/Rita _9人 1.193  LOVING TRIP/オトメ*ドメイン/yozuca* _4人 1.192  残光ルミネセンス/円交少女2 ~JKアイドル真鈴の場合~/yuiko _6人 1.192  FaV/ラムネーション!/彩音 _3人 1.191  立ち上がれ教頭!/狂った教頭No.2 ~この支配からの卒業~/如日 _3人 1.188  unsymmetry/ぎりギリLOVE/KOTOKO _7人 1.186  チェリーレッドのピストル/FOLKLORE JAM/佐藤ひろ美 10人 1.185  own justice/暁の護衛~罪深き終末論~/神月社 _3人 1.184  広がる夜空の下で/星空へ架かる橋/青葉りんご _3人 1.181  Growing!/DRACU-RIOT!/米良梓(cv佐藤しずく) _3人 1.175  巫女みこナース・愛のテーマ/巫女みこナース/Chu☆ _3人 1.173  melty snow/あねいも2/川田まみ _3人 1.171  Eden's song/グリザイアの楽園/はな _3人 1.168  雨上がりに咲いた虹/D.C.II To You/yozuca* _2人 1.167  Castle Fantasia/キャッスルファンタジア聖魔大戦/CANDY _3人 1.167  君に逢えたから/いろとりどりのセカイ/eufonius _2人 1.167  志在千里 ~恋姫喚作百花王~ 【Piano Arrange】/真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~/茶太 _2人 1.167  名も無き物語/Hello, good-bye/Kicco _2人 1.167  輪廻の糸/天ノ少女/霜月はるか _6人 1.163  La storia/戦女神VERITA /織姫よぞら _4人 1.160  emotional flutter/ef - the latter tale./原田ひとみ _3人 1.150  やさしい世界を君に/天使の羽根を踏まないでっ/WHITE-LIPS _7人 1.148  Gregorio/Dies irae ~Acta est Fabula~/榊原ゆい _2人 1.143  Signal Heart/シグナルハー�� /Rita _2人 1.125  entrance to you/カスタムメイド3D/nao _2人 1.125  have eyes only for you…/North Wind/KIRIKO _2人 1.125  カカシ/水夏A.S+/彩音 _3人 1.125  スターチス/Color of white/結月そら _2人 1.125  メリーゴーランドをぶっ壊せ/はつゆきさくら/結衣菜 _2人 1.125  ラブ・パラダイス/W.L.O. 世界恋愛機構/片霧烈火 _2人 1.125  散歩日和/ワンコとリリー/Duca _2人 1.125  迷いの森/グリザイアの果実/佐藤ひろ美 _8人 1.124  アペイリア/景の海のアペイリア/薬師るり _3人 1.112  コイノニア/Noel/Rita _2人 1.111  こころのプリズム/コミュ -黒い竜と優しい王国-/桜坂かい _2人 1.111  天意悠久/斬魔大聖デモンベイン/いとうかなこ _2人 1.111  未来自画像/真剣で私に恋しなさい!S/KOTOKO _9人 1.110  淡雪/ましろぼたん/佐倉紗織 _5人 1.110  IN THE DARK/THE GOD OF DEATH/みるくくるみ 11人 1.108  satirize/螺旋回廊2/宮崎麻芽 _2人 1.100  Because of/妹のセイイキ/秋野花 _2人 1.100  青空の彼方へ ~Greensleevesより~/きると/KAKO _2人 1.100  占勇!魔界ブロードバンド/魔王のくせに生イキだっ!/綾瀬理恵 _3人 1.098  Color of Happiness/るな・シーズン 150分の1の恋人/AKI _6人 1.095  鏡の森/Trample on Schatten!!/片霧烈火 _6人 1.095  君とつくるもうひとつの未来/ここから夏のイノセンス/AiRi _7人 1.092  散って、咲いて/シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION/遊女 _2人 1.091  Cross talk/ツグナヒ/MARY _3人 1.090  solitude/君の名残は静かに揺れて/KIYO _3人 1.090  そらうた/そらうた/佐藤裕美 _3人 1.088  EVERLASTING BLUE/AQUA/月子 _8人 1.085  Secret Liqueur/働くオトナの恋愛事情/霜月はるか _9人 1.084  ナグルファルの船上にて/素晴らしき日々 ~不連続存在~/monet _2人 1.083  flow ~水の生��れた場所~/水素 ~1/2の奇蹟~/KOTOKO _2人 1.083  恋鍵/いのぐれっ!/うえおかあい&風音 _2人 1.077  Escarlata/Scarlett ~スカーレット~/木蓮 10人 1.075  Platonic Syndrome/夏ノ雨/Duca _6人 1.072  Presto/はつゆきさくら/KOTOKO _2人 1.071  First Avenue/バイナリィ・ポット/masa _2人 1.071  no rain, no rainbow/ロンド・リーフレット/中原涼 _9人 1.071  疼/装甲悪鬼村正/VERTUEUX _4人 1.067  夢遥か/Garden/Duca _2人 1.067  絶対☆大好き/ぜったい遵守☆強制子作り許可証!!/藤原鞠菜 _2人 1.067  放課後のパティシエ/パティシエなにゃんこ/SAKKO _0人 0.000  神様のりんご//WHITE-LIPS _5人 1.060  月夜に舞う恋の花/千の刃濤、桃花染の皇姫/ういにゃす _2人 1.059  Erode/カスタムレイド4/電気式華憐音楽集団 _9人 1.058  Ashberry/エーデルワイス/NANA _6人 1.058  Only For You/民族淫嬢/カヒーナ _3人 1.057  fractale/Dark Blue/ひうらまさこ _3人 1.054  太陽のプロミア/太陽のプロミア/NANA _2人 1.053  Brand New Melody/もっと 姉、ちゃんとしようよっ!/理多 _2人 1.053  innocent Eye's/イノセント・アイズ/Akira _4人 1.053  シアワセノサガシカタ/ジサツのための101の方法/佐藤裕美 _2人 1.050  ブラウン通りで待ってます/ブラウン通り三番目/畑亜貴 _2人 1.048  ガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイト/ふぃぎゅ@メイト/み~こ _2人 1.048  私ってジャスティス/遊撃警艦パトベセル/keito _2人 1.033  Especial Friend/Silence 聖なる夜の鐘の中で……/A・S _2人 1.033  KANATA/七彩かなた/らん丸 _2人 1.033  青空ボレロ/巣作りドラゴン/畑亜貴 _4人 1.033  ヒトリ/天使のいない12月/AKKO _2人 1.032  ever/明日の七海と逢うために/橋本みゆき _2人 1.032  悲しみの向こうへ/School Days/いとうかなこ _2人 1.030  Snowy Tears/闇色のスノードロップス/小田ユウ _2人 1.029  Love Paint/BIN★CANダーリン/遊女 _2人 1.029  You can fly/マージ ~MARGINAL~/清水こずえ _2人 1.026  My Dear アレながおじさん/My Dear アレながおじさん/Orihime _2人 1.025  熱情/魔都拳侠傳 マスクド上海/マスクド上海 _2人 1.021  seven colors/はるかぜどりに、とまりぎを。/みとせのりこ _2人 1.017  FISSION/グリザイアの楽園/奥井雅美 _2人 1.016  ラムネ2017/ラムネ2/仲村芽衣子 _2人 1.006  roop ~遠い世界のキミに贈るたったひとつの恋の歌~/あきゆめくくる/Rita _2人 1.006  ラピスラズリの恋/あまつみそらに!/榊原ゆい 10人 1.004  二人だけのカーテンコール/アオイトリ/浅葉リオ
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first11or5 · 3 years ago
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伊藤潤二氏〜ねこ〜ねこはかわいいなあ〜
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thunderheadhour · 3 years ago
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エルデンリングプレイ日記16日目
 こないだソフトのアップデートが行われた結果、NPCが地図上に表示されるようになったんですよ。
 でもその中に、ひとり会ってないはずの人が表示されてるんすよね。
 霧の森の廃墟の、半狼ブライヴ。
 こないだ指鳴らしやった時に出てくるはずだった人がこの人なんでしょう。会いに行ってみることにします。
 さて、廃墟に近づいてみますが、こないだみたいな遠吠えが聞こえてきません。どこかなどこかなーと巨大熊に見つからないよう歩いていると。
 いきなりブチ切れた様子の半狼ブライヴさんに斬りかかられました。
 え? マジで? そういうイベント?
 ロード画面で見覚えのある、頭が狼の大剣使い。名前もバッチリ「半狼ブライヴ」と表示されてますが、うん、字が血のように真っ赤だよ?
 じつは、こ��で会う人がとあるボスで助けてくれるらしい、という情報はたまたま目にしちゃってたんで仲間イベントっぽいことはあらかじめ知ってたんですけど、これどう見ても会話にならないよね? 戦わないとダメとか? でもこれで倒しちゃったら普通に殺害扱いになる予感しかしないぞ……。戸惑いつつ逃走。
 祝福で一息つき、考えてみた。
 NPCがキレて襲ってくるのは攻撃した時。でもおれは攻撃どころか会ったことすらない。指鳴らしで呼び出そうとしたけど会えなかった。
 近くにはあのクソデカベアーがいる。
 会ってなかったブライヴさんがマップにはもう表示されていた。
 ……謎は全て解けた。
 犯人はあなたです!(自分の眉間を中指で突きながら)
 あの指鳴らしの時に、じつはもうブライヴさんは近くに現れていたのです。でも伊藤はアホなので気づかず帰ってしまった。あの時少しでも周りを見回していればこんなことにはならなかったでしょう。
 ひとり残されたブライヴさん。そのまま誰にも気づかれずひっそり待っていてくれたらこの悲劇は起こらなかったはずです。しかし伊藤が去った後、彼の最も近くにいた存在。それはあのクソデカベアーだったのです。
 伊藤が風雲たけし城でたけし軍団にボコボコにされている間、ブライヴさんは伊藤に呼び出されたせいで羆嵐に遭っていたのでしょう。
 そしてノコノコ現れた元凶を目にして我を失い、凶行に走った……これがこの悲劇の真相です。まあそれはキレるわ。
 NPCが敵に巻き添えで攻撃されて敵対モードになる、というパターンは噂に聞いたことはありましたが、まさかこんな形で遭遇するハメになるとは……。というかこれはもはやバグに近いような……。
 たぶんいずれ間違えてぶん殴っちゃった人にごめんなさいするイベントというかスポットが出てくるので、とりあえずほとぼりが冷めるまでそっとしとくしかないですね……。
 スゴスゴとストームヴィル城に帰宅。今日こそは絶対ゴドリックのところまで行くと決意する。もうこの城飽きたよ!
 さんざんうろついて、おそらく正しいボスへのルートは泥濘地帯の階段を登っていった方だろうと推測。遠くの屋根から観察すると、階段脇にこないだ襲ってきたブッチャー感溢れる大ナタデブが座っている。ナタデブってナタデココみたいですね。食したろかコラ。
 左手のボロ屋から向かった時は、下にいた兵士に気づかれた。降りてすぐの場所にいるから気づかれずに行くのは難しそうだし、たぶん大ナタデブの視界にも入るのでタコ殴りに遭う未来が見えます。
 右手のボロ屋からなら階段までは行けるが、大ナタデブに気づかれないかは不明。だがこっちの方が希望がありそう。
 というわけで右手のボロ屋の屋上に立ち、中の見張りを上から魔法で処理。さあデブどうしよう。
 と思ったら、屋根からデブと飼い犬がギリギリ射程距離っぽいところに見える……。これは得意のチキンプレイの見せ所では?
 というわけで右手に拾ったクロスボウ、左手に杖でチクチク遠距離攻撃。犬もデブも、時間はかかるがこれで個別に撃退できた。
 ワーイこれで先に進める、と階段を登るとブッ殺鳥ちゃん。……これあの火ぃ噴く方のやつじゃね?
 クラゲちゃん��召喚して挑んでみるが、ちょっと待って忘れてたけどこの鳥ガード不能攻撃してくるね? そしてそれでひるんだ相手に火を噴くのね? 普通に力負けして床に突っ伏す。自然界過酷すぎない?
 鳥ちゃんルートの厳しさに半ば心折れそうになりつつルーンを回収してもう一方の道を見てみると。……あれ、祝福じゃん。
 もうあの塔の祝福に戻らなくていい喜びよ。ようやく進捗が出たことに心底ホッとしながら見回すとエレベーター。登ってみてしばらく道なりに進むと……あれ、祝福じゃん。ボス前じゃん。いきなりの急展開に脳が追いつかない。結晶坑道の時もそうだったけど、一度抜けてしまえば案外アッサリ、というのはエルデンリングあるあるなんですかね。
 ところで最後の祝福までのルートに、アレクサンダーさんそっくりのちびっ子釜がうろうろしてたんですけど、敵っぽいので倒してみたら奥からでかいのがドカーンと出てきたので逃げました。……アレクサンダーさんじゃないよね? あの人(釜?)戦祭り行ってるはずだよね? こんなところでワンオペ育児に発狂してないよね? もうブライヴさんの二の舞は勘弁ですよ!
 さてようやくたどりつきました、継ぎ木のゴドリック。キャラデザかっこいいね!継ぎ木のグロさを感じさせない素敵な異形ぶり。貴公子にも見習っていただきたい。とりあえずクラゲちゃん召喚で挑んでみたが、だいぶアッサリクラゲちゃんが落とされて焦る。攻撃力高っ! 魔法で削ろうにもやはりなかなか固い。
 でも、単騎でしばらく戦った感じだと、少なくとも最初はマルギットさんよりまだ戦いやすい気もする。攻撃が心なしか避けやすいような……。ひとりでも数分粘れる。とか言いながら3割くらいしか削れてないけど。このままだと30分戦い続けて結局負け、みたいな悲劇が起こりそうなので、これはまたそこそこレベル上げしないとダメっぽいなあ。
 試しにボス前の祝福から、正面ルートを守る巨人さんを攻撃してみることに。思惑通り、祝福のある通路までは入って来られない。クラゲちゃんに囮を任せ、咆哮に気をつけながらチクチク魔法を撃っていき、無理やり撃破。もうおれは物陰に隠れてコッソリ攻撃するやり方でしか攻略できねえッスよ……。
 そこからルートを遡ると、先の鳥ちゃんの真裏に出た。しかも黄金の種子もゲットできたし、脇の部屋に入った���ボス戦で助けてくれるNPCにも会えた。ウフフ最高ねと思いつつ早速薬を強化しようと思ったら種もう一個要りますと言われて凹む。
 とりあえずひと段落ついたので円卓へ。城で石がそこそこ手に入ったので鍛冶屋のヒューグさんのところに行くと、ローデリカさんについての選択肢が。
 「あの子には調霊の素質がある」というんで勧誘しにいくんですが、あの……ぼくをメッセンジャーにしてやりとりしなくてもいいんですよ? 歩いて10秒のとこにいるのに、ヒューグさんは素質あるとか言っときながら「おれの言ったことは忘れろ」みたいな伝言託すし、ローデリカさんはローデリカさんで「ヒューグさんは優しい人だと思うんです」とか言いながら暖炉の前でジッとしてるし。両想いだけど恥ずかしくて直接話せない中学生カップルかな? いやまあヒューグさんは鎖で繋がれてるけどさ。
 そんで開店したらしたで、真正面とか隣じゃなくてビミョーに斜め前に陣取る感じな。懐きつつある猫みたいな距離感だな! ヒューグさんが一心不乱にカンカン剣を鍛える音が鳴り響く中、彼が視線を感じてふと顔を上げると、視界の左隅でサッと目を伏せるローデリカさんが見えるわけですよ。フゥーーー(BGM:美女と野獣)。推せる。
 霊の強化アイテムはひとつしか持ってないのでワンワンとクラゲちゃんのどっちを強化するか迷いますね。そしてここで初めて両者のフレーバーテキスト読んだんですけど、クラゲちゃん、君名前あったんか……しかも女の子だったんか……。というわけでこれからクララちゃんと呼びます。クラゲのクララちゃん……ひと昔前の萌えアニメかな?
 狼トリオもですが、プレーヤー共にはぐれ者同士が寄り集まってる感じが良いですね……。世界との繋がりを断たれた強制オフラインプレイだとなおさらそのか細い繋がりが沁みます。
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lee-no-akumu · 7 years ago
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伊藤潤二の猫日記よん&むー
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anisaanisa · 1 year ago
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“The accursed cat has cometh! A curse has befallen my house!”
Junji Itō's Cat Diary: Yon & Mu | 伊藤潤二の猫日記 よん&むー (2007—2008) ☆
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strangemonochromes · 1 year ago
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Junji Ito's Cat Diary: Yon & Mu (伊藤潤二の猫日記 よん&むー) // Junji Ito
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chaukachawan · 4 years ago
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閲覧注意
32期のシドです。
なんとか役者紹介書き終わりました。
文章のつながりが悪くて読みにくいかもしれませんが許してください。
・渡部快平(30期)
 ワカさん。背がとても高く、見た目もかっこよく、声もかっこいいというすごい先輩。僕とちょうど10センチくらい差があると思うんですが、もっと差があるように感じます。一緒に出てるシーンでアドバイスをしてくれて嬉しかったです。もっと圧を出してって言われた時に参考にしたのはワカさんの声でした。できているかどうかはわかりません。圧もどきは出てるかもしれません。昨日、僕が遅刻しそうになって走っていると前でワカさんも走っていて親近感が湧きました!もっと話してみたかったです。
・津島ヨモツ(31期)
 のちぇさん。気合入れの声が好きです。発声の時の声もこんな声が出せたらいいなと思いながらめっちゃ聞いてます。あとこれは実は内緒なんですが、のちぇさんには肌の乾燥をすぐに見抜かれるので、最近はばれないように顔をあまり見せないようにしてます笑。化粧水と乳液買えてません。ごめんなさい!でも違うんです!ちゃんと買おうとはしたんです!どこで売っているかわからんくて、とりあえず薬局に行って化粧品売り場に行ってみたらなんかその場に居続けるのが恥ずかしくて買えなかったんです。売っているかの確認すらできませんでした。
・lulu(30期)
 ルルさん。ダンスの先生。僕に根気強くキャスパを教えてくれてありがとうございました。僕の役の読み方のアドバイスをしてくれてありがとうございました。ルルさんのおかげで、なんとか舞台に立てます。あ、あと今回も綺麗な姿勢を教えてくれてありがとうございました。きっとそんなに直っていないのはごめんなさい。僕が姿勢をよくすると、歩けなくなるし、声が出なくなるという困ったことになるので、直すのには時間が必要かもしれません。10月公演では同じ脚本に出ていたのにあまり話せなかった気がするので、また共演できて嬉しいです。ルルさんには本当に感謝しかないです。昨日も朝早くに来て稽古に付き合ってくれてありがとうございました。音響の仕込みの作業を教えてくれてありがとうございました。本当にお世話になりました。
・GEO(30期)
 ゲオさん。プレーンノット使い。3回連続同じ稽古場ですね!3回の公演で毎回ゲオさんからアドバイスをもらってました。本当にありがたかったです。ゲオさんは10月公演では黒川ビルディングと、秋公演ではかけうどんとコンビっぽい感じの役になっていて、今回は僕とコンビを組んでもらえるといことでとても嬉しいなーって役者発表の時に思ってました。いい相方になれたかはあまり自信がないですが、僕は最後にゲオさんと絡めて嬉しかったです。またご飯に連れて行ってください!今度は僕が奢ります!あと、これを役者紹介に書くのは3回目になると思うんですが、ゲオさんは本当にかっこいいですね!キレが足りずぬるっとした動きをしているらしい僕ですが、なぜかジャンプはできると言われるので、通称ゲオさんジャンプは僕が引き継ぎます!
・雑賀厚成(32期)
 シド。僕です。今回の公演でネクタイを結べるようになるかと思ってたけど、結べるようにはならなかった。ネクタイ結んでくれた人ありがとうございます。
追記:最終日ネクタイ結べました。
・伊藤星乃介(31期)
 フロンさん。今回のフロンさんの役難しそうですね。代読を何回かやらせてもらったんですが、僕が読むとふにゃふにゃのずたぼろな感じになりました。フロンさんの役は結構嫌なやつだと思うんですが、フロンさん自身がとんでもなく優しくて素晴らしくいい人なので一体どうなるんだろうと思ってたのですが、舞台上ではちゃんと嫌な人になっていてすごいなーって思いました。僕と同じキャスパ苦手組に所属するフロンさんはきっと自主練を積み重ねて今回のキャスパを踊れるようになられたと思うので、僕は自主練が足りなかったなーっと思い反省の日々です。
・中津川つくも(32期)
 つくも。日常の出来事をついつい話したくなる同期。いつも話を聞いてくれてありがとう。演技の読み方とか動き方でいつもアドバイスをくれてとても嬉しいです。こっちからは何もアドバイスできなくてごめん。今まで公演とか体験稽古とかエチュードでさえも共演したことがなかったので、今回ついに初共演です。といっても絡みはないですが。つくもは声がとても綺麗で、ある時、僕がカラオケで歌っていると綺麗なハモリ(?)が聞こえてきて、カラオケの曲に入ってる声かと思ったらつくもの声だったということがありました。稽古場から授業やバイトに行くのは憂鬱ですが、その綺麗な声で、授業やバイトに送り出してくれるのでサボらずになんとか行けてますありがとう。僕は自分の声があまり好きではなかったんですが、つくもが褒めてくれるので少しは好きになりました。実はつくもの役者紹介を1行で書くっていう宣言をしていたのですが、なんとか1行に収まりましたかねよかったです。
・なしもとはな(31期)
 うさはなさん。音響の師匠。10月公演と秋公演の本番のカテコの時に僕を笑顔にしようと奮闘してくれました。本番後、うさはなさんのおかげで笑えましたって言おうとしたら、シド全然笑ってくれやんかったーって言われたので、笑ってない判定だったのが悲しかったです。サンチェの時のうさはなさんを見ているとおおーかっけーってなるんですが、僕もちゃんと仕込みの作業をできないといけないということを思い出していつも呻き声が出ます。あと今回の公演の衣装とても似合ってて素敵だと思います!(SE1:きらーん)
・三葛麻衣(30期)
 きららさん。いつも話しかけてくれてありがとうございます。キャスパ何回も教えてくれてありがとうございました。僕はきららさんと結構会話をしているつもりでいたんですけど、思い返せばそんなに話せていないかもしれないです。でもやっぱり結構話せた気がします。きららさんと初めて会ったのは、たぶん10月公演の桜丘での稽古で、紙飛行機エチュードで同じ班でした。オレオさんとゲオさんも一緒の班でした。投げられた紙飛行機がセミの死骸かなにかで、エチュードが苦手な僕は絶望したのを覚えています。あの時、僕が3番目に出る人で、きららさんは4番目で出る人だったんですが、僕がなかなか舞台に入れずにいると、きららさんが僕が入るタイミングを一緒に見てくれました。なんとか舞台に入るときららさんが殺してくれたので、顔を舞台奥側に向けることができたのでありがたかったです。もっと話せればよかったです。引退してほしくないです。
・島﨑愛乃(31期)
 こここここっこ��ん。音響と制作でお世話になってます。こっこさんには第2回通しの後でたくさんアドバイスをもらったり、音響の仕事をめっちゃ教えてもらったりしました。めっちゃありがとうございました。僕はこっこさんのお声が好きなので、いつかカラオケ行きたいですね。10月公演のキャスパが鬼難しかったみたいないじりをめっちゃしてしまってすみません。こっこさんのいじられスキルが高いからつい余計なことを言っちゃいます。本当は10月公演のキャスパあんまり上手には踊れなかったですが楽しかったって思ってます。
・黒川ビルディング(32期)
 ロビンソン。3回連続同じ稽古場な同期。たぶん4回連続はいける。5回連続かどうかはお互いが役者希望なら可能性あり。6回連続は難しいかも。でも、6回連続を乗り越えたら、7回連続は可能性が上がる気がする。ロビンソンのアドバイスを聞きたいから今後も同じ稽古場がいいです。12月公演の稽古場は32期が少なかったけど、ロビンソンとつくもと途中からニトロが参戦して安心感があったよ。10月公演と秋公演の通し後は2人でプチ反省会をしながらローソンまでお昼ご飯を買いに行くことが多かったと思うんやけど、今回は行かんかったなー。役者紹介にいつも一緒にローソンに行くよなーって書こうと思ってたんやけど。まあ今後ともよろしくお願いします。
・西田幸輝(31期)
 ラムさん(?)セミウィンザーノット使い。にしださんにネクタイを2回も結んでもらったので、にしださんファンの人に怒られないか少し心配です。にしださんの大道具・ぶび作業中の姿や、ぶび会議での姿がかっこいいです。みんなからかわいいと言われているにしださん、たしかにかわいいですが、僕の中ではかっこいいが勝ってる気がします!エチュードでいろいろなことを考えて演技をしているところや、自分の出ているシーンをできるだけいいものにしようとしている姿は本当に見習いたいです。今回同じ稽古場になったことで少しは喋れて嬉しかったです。
・樹木ききっ...♡(30期)
 キキさん。一発ギャグの師匠。一昨日教わった、人と仲良しになれる一発ギャグをハベさんに使ったらちょっと引かれました。今度また別の一発ギャグを教えてください!今回のキキさんの役すごくかわいいですね!(SE2:しゃきーん)2ステのキキさんのセリフを聞いていてやっぱりキキさんはスーパースターだなって思いました。前回キキさんに演出をつけてもらってからもう1ヶ月が経ちました。本当に時が過ぎるのがはやい気がします。キキさんがたまに話しかけてくれるのがめっちゃ嬉しかったです!
・髙木悠(30期)
 ばたけさん。ウィンザーノット使い。前回に引き続き今回も同じ稽古場。前回に引き続き今回も僕の姿勢を直そうと奮闘してくれました。ありがとうございます!でも、どうやら僕の肩甲骨の固まり方はとんでもないらしく、きっと本番までに僕の猫背が治ることはないんだろうなと思いました。猫背はこれからの人生の課題かもしれないです。あとネクタイの結び方も教えてくれてありがとうございました!僕にいろいろなことを教えてくれるばたけさんが引退しちゃうのは寂しいですが、最後まで一緒に楽しみたいです。
・小宮山珠里(31期)
 きあらさん。すごく忙しそうで稽古でお会いした回数はたぶんそんなに多くないと思うのですが、演技はとても上手で、キャスパもしっかり覚えていて、すごいなーって思ってました!僕は3.4人に囲まれてキャスパを教えてもらってもぼろぼろだったので、見習いたいです。僕がキャスパ全然踊れなくて困って棒立ちになっている時に気にかけてくれてめっちゃ嬉しかったです。無理言って申し訳ないですが、また役者参加してほしいです!
・トニーー板倉(31期)
 トニーさん。めちゃくちゃめちゃくちゃお世話になっている先輩。これからもお世話になりたいです。僕に初めて演出をつけてくれたのはトニーさんでした。あのとき、発声とか役作りとかあらゆることをトニーさんから教わってなんとか10月公演の舞台に立てました。あのときから2.3ヶ月くらい経ちました。今回の公演でトニーさんに自分がちょっとは成長したよというところを見せたいと思っていたんですが、見せられているのでしょうか。とりあえず、10月よりは声が出るようになった気はします。いつかトニーさんをあっと驚かせるような演技をしたいです!
・木下梨実(30期)
 きりみ。さん。せんびのすごい先輩。たてかんめっちゃいいですね!きりみさんとあまり喋ることなく最終日を迎えてしまいました。きりみさんと初めて話したのは、たしか10月公演で、32期の雑賀です。って自己紹介したら、うん知ってる。みたいな反応をくれたような気がします。その時は、えー知ってくれてるんやーって思って嬉しくなったような記憶があります。12月公演の今回のきりみさんの役は、読み合わせの段階からなんだかきりみさんっぽい感じがしていました。今回の衣装とても綺麗でいいですね!(SE3:ぴかーん)箱でのなんでもないようなやりとりも覚えてくれていて嬉しかったです。
・橋本貴欣(32期)
 ニトロ。最近加入した同期。背が高くてイケメンでイケボと三拍子揃ったスーパールーキー。初めて会ったのが、12月公演の脚本の読み合わせだったんですが、そのときもうすでに上手だった気がします。置いてかれやんように頑張ろうってその時思いました。ズバズバとはっきりとアドバイスをくれるからありがたいです。こっちからは何もアドバイスできやんくて申し訳ない。この間シドは覇気がないってニトロに言われた時はめっちゃ面白かったです。これからも末永くよろしく!
演出
・でぃあっ♡(31期)
 でぃあさん。化粧水と乳液ありがとうございました。もう秋公演を合わせると2回も借りてしまいました。今度化粧水おごります!でぃあさんとは3回連続で稽古場が一緒なんですが、今回でぃあさんは演出なので、今までとはちょっと違いましたね。エチュードとか稽古でのでぃあさんのフィードバックを聞いていると考えの深さに驚かされます。割とすぐに終わってしまうシーンの中で何個も指摘するポイントが見つけられるのって本当にすごいと思います。僕が人にアドバイスを求められても何も言えないのは、自分の演技をちゃんと考えることができていないからなのかなーってでぃあさんのことを見ていると思いました。でぃあさんにいい演技を見せられるように二ステと三ステ頑張ります!キャスパも頑張ります!
音響オペ
・備前桃子(30期)
 みこさん。音響班の先輩。みこさんが来るとぶび作業が盛り上がります。みこさんがぶび作業に来てくれた時、ぶびグループでビデオ通話が開始されたのはめっちゃ面白かったです。もっと話しておきたかったです。でも、昨日ちょっとだけ話せたのでセーフかもしれません。
照明オペ
・須田颯人(31期)
 すださん。オペマスター。僕は実は須田さんのことがめっちゃ好きで、よくオペ卓に用もないのに行ってしまいます。今回僕がキャスパでミスったら、僕に当たる照明を消して部分的に暗転してもらうか、僕に照明を集めて、観客に見えないようにするかお願いしてしまったので、それが発動しないようにいい感じにキャスパ踊りたいです!
○○オペ
・渡邉あみ(30期)
 あみさん。いつも話しかけてくれてありがとうございます!あみさんの優しさでいつも心が穏やかになっています。いつかチキン食べに行きましょう。でも、僕が働いている店舗とは別のところがいいです!
・加美千尋(32期)
 アニー。有能小道具サブチーフ。ぶびや照明で大活躍だった。特にぶびのあれすごいと思う。あと、衣装メイクでとてもお世話になった!髪の毛セットしてくれてありがとう!これからもきっとお世話になると思うのでよろしく!
名残惜しさはつきないですね。
楽ステ頑張ります!
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sawakoninomiya · 5 years ago
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永井宏さんの作るものや書く文章が好きで、 葉山までワークショップに通うようになって、 みんなで文章を書いて読みあったり、 歌を作って歌ったり。 永井さんは決して上手ではないのに、 そんなの何にも気にしない風にギター弾きながら歌って CDまで出して。 あーそれでいいんだー いやむしろかっこいいな、と思って、 そ���おおらかさと風通しの良さ、人を巻き込むことのうまさに どんどん魅せられて行きました。 そんな永井宏さんが「表現することは誰でもできる」というコンセプトのもと 2010年にTAMBOURIN GALLERY(タンバリンギャラリー)をスタートさせ、 最初は展示をさせてもらったりしていたのですが、 だんだんと内部に組み込まれ、いつの間にか企画する側になり、 3年前、もうギャラリーを閉じようか、となったときに、 誰もやらないんだったら私がやります。と言って手をあげて 代表という立場になりました。 経営も運営も代表もギャラリーも何にもやったことないし、 できるかどうかわかりませんでしたが、 手を挙げることが必死でした。 それから、ほんとにほんとにたくさんの方の力を借りて、 こんなへなちょこな私をみんなが助けてくれて、 なんとか続けてこられました。 初めて人前に作品を見せるんです、、と震える瞳で作品を見せにきてくれた人、 憧れが強すぎて緊張しながらお声がけして 星みたいな存在だった人と普通にお話できて 作品も並べられるようになるなんて。 感動の連続でした。 いろんな情景が浮かびます。 言葉が足りないけど、言葉にならない、、 感傷に浸ってしまいます。 そんなタンバリンギャラリーも、2019年をもって終了し、 2020年からはPopularityというギャラリーに進化して、 新しい形になります。私はこういう風に時代とともに形を変えて 変化していくことをとても前向きに思って期待も寄せています。 明日から、最後の展示、 「TAMBOURIN GALLERY Final Presents FANTASTIC DAYS 2019」がスタートします。 DMを担当し、それを刺繍化しました。 タンバリンのロゴになぞって、 生まれてから年老いていくまで、 終わりは始まりで始まりは終わり ずっと繋がって回り続ける そんなようなことを考えながら、作りました。 会場には素晴らしい作品がずらりと並んでいます。ぜひお運びください。 ・・・・・・・・・・・・・・ TAMBOURIN GALLERY Final Presents FANTASTIC DAYS 2019 2019年12月10日(火)〜12月22日(日) 11:00~19:00(12月16日月曜休廊) 2010年、スタート時から年末の恒例企画として開催してきた 「FANTASTIC DAYS」は最後にして10回目という記念すべき会となります。 たくさんの、思い出や出会い、クリエイティブ、思考、 新しいこと、懐かしいこと、心を震わせることがありました。 10年間のことを考えると、果てしない思慮の時間にふけってしまいますが、 今年も様々な表現をする方にご賛同いただき、102名の作家にプラスして 歴代タンバリンギャラリーのメンバー5名が加わり、107名の共演となりました。 ぜひお楽しみください。 青山タルト 足立拓人 家鴨窯 新井淳夫 安齋肇 飯田淳 池田彩香 Yusuke Isao 石橋淳一 伊藤桂司 いぬんこ 上田三根子 植村泰英 牛木匡憲 榎本マリコ 大社優子 小笠原徹 おがたりこ 岡野賢介 オダギリミホ オブチジン 楓真知子 かすやたかし 加納シゲヒロ 鹿子木美 上條絵奈 かわむらともみ 北沢夕芸 北村佳奈 倉科昌高 ケッソクヒデキ 小池アミイゴ サイトウユウスケ 早乙女道春 逆柱いみり さくらいはじめ 佐瀬麻友子 佐藤三千彦 椎木彩子 シバタリョウ JUN OSON 城芽ハヤト 白根ゆたんぽ シンタニカズコ スガミカ 須川まきこ 杉江篤志 鈴木紗穂 鈴木理子 瀬崎百絵 SO SEA tamai emiko 外山奏瑠 高橋キンタロー たけがみたえ 谷口シロウ 谷奈津美 谷端実 玉置容之 為田彩 チャンキー松本 tupera tupera 寺田順三 戸屋ちかこ とんぼせんせい NAOKO atsuko nakata 中村幸子 中村菜都子 薙野たかひろ 二宮佐和子 猫屋 花くまゆうさく 花モト・トモコ 原口アキヒコ 原田響 原知恵子 原優子 HAND&SOUL handmade kind 氷見こずえ 平林義男 福田玲子 保立葉菜 真舘嘉浩 松原光 松本康孝 まるやまあさみ 水沢そら 水野健一郎 ミヤギユカリ 宮島亜希 宮嶋結香 KYOCO MORI 森田MiW YAJ 柳原パト 矢吹申彦 山崎直幸 山崎由紀子 山田心平 山福朱実 山本卓実 YOSHiNOBU Yone ロバとコトリ 若林夏 渡邉知樹 [50音順・敬称略] <EVENT> ◎12/10(火)FANTASTIC OPENING PARTY18〜20:00 ◎12/21(土)FANTASTIC SATURDAY PARTY 16〜19:00 ◎12/22(日)FANTASTIC SAYONARA PART (タンバリンギャラリー) https://www.instagram.com/p/B52FU0ojZya/?igshid=rro0zgxpjqdd
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hananien · 5 years ago
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【キャプトニ】フィランソロピスト
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ピクシブに投稿��みのキャプトニ小説です。
MCU設定に夢と希望と自設定を上書きした慈善家トニー。WS前だけどキャップがタワーに住んでます。付き合ってます。
ピクシブからのコピペなので誤字脱字ご容赦ください。気づいたら直します。
誤字脱字の指摘・コメントは大歓迎です。( Ask me anything!からどうぞ)
 チャリティーパーティーから帰ってきたトニーの機嫌は悪かった。スティーブは彼のために、知っている中で最も高価なスコッチウイスキーを、以前彼に見せられたyou tubeの動画通りのやり方で水割りにして手渡してやったが、受け取ってすぐに上品にあおられたグラスは大理石のバーカウンターに叩きつけられ、目玉の飛び出るくらい高価な琥珀色のアルコール飲料は、グラスの中で波打って無残にこぼれた。  「あのちんけな自称軍事評論家め!」 スティーブは、トニーが何に対して怒っているのか見極めるまで口を出さないでおこうと決めた。彼が摩天楼を見下ろす窓ガラスの前でイライラと足を踏み鳴らすのを、その後ろから黙って見つめる。  トニーは一通り怪し気なコラムニストの素性に文句を言い立て、同時に手元の情報端末で何かをハッキングしているようだった。「ほーらやっぱり。ベトナム従軍経験があるなんて嘘っぱちじゃないか。傭兵だと? 笑わせてくれる。それで僕の地雷除去システムを批判するなんて――」 左手で強化ガラスにホログラムのような画面を出現させ、右手ではものすごい勢いで親指をタップさせながら、おそらく人ひとりの人生を破滅させようとしているわりには楽しそうな笑みを浮かべてトニーは言った。「これで全世界に捏造コラムニストの正体が明かされたぞ! まあ、誰かがこいつに興味があったらニュースになるだろう」  「穏やかじゃないチャリティーだったようだな」 少しトニーの気が晴れたのを見計らって、スティーブはようやく彼の肩に触れた。  「キャプテン、穏やかなチャリティパーティーなんてないんだ。カメラの回ってないところじゃ慈善家たちは仮面を被ろうともしない。同類ばかりだからね」  トニーは振り返ってスティーブの頬にキスをすると、つくづくそういった人種と関わるのが嫌になったとため息をついた。「何が嫌だって、自分もそういう一人だと実感することがさ」  「それは違うだろう」  「そうか?」 トニーはスティーブの青い目を見上げてにやりと笑った。「僕が人格者として有名じゃないってことは君もご指摘のとおりだろ?」  「第一印象が最悪だったのは、僕のせいかい」 これくらいの当てこすりにはだいぶ慣れてきたので、スティーブは涼しい顔で返した。恋人がもっと悪びれると思っていたのか、トニーはつまらなそうに口をとがらせる。「そりゃそうさ。君が悪い。君は僕に興味なさそうだったし、趣味も好きな食べ物も年齢も聞かなかったじゃないか。友人の息子に会ったらまずは”いくつになった?”と聞くのがお決まりだろ。なのに君ときたらジェットに乗るなりむっつり黙り込んで」  「ごめん」 トニーの長ったらしい皮肉を止めるには、素直に謝るか、少々強引にキスしてしまうか、の二通りくらいしか選択肢がなかった。キスは時に仲直り以上の素晴らしい効果を与えてくれるが、誤魔化されたとトニーが怒る可能性もあったので、ここは素直に謝っておくことにした。  それに、”それは違う”と言ったのは本心だ。「君は自分が慈善家だと、まるで偽善者のようにいうけれど、僕はそうは思わない――君が人を助けたいと思うのは、君が優しいからだ」  「僕が優しい?」  「そうだ」  「うーん」 トニーは自分でもうまく表情を見つけられないようだった。スティーブにはそれが照れているのだとわかった。よく回る口で自分自身の美徳すら煙に巻いてしまう前に、今度こそスティーブは彼の唇をふさいでしまうことにした。
 結局、昨夜トニーが何に怒っていたのか、聞かずじまいだった。トニーには――彼の感情の表現には独特の癖があって、態度で示していることと、内心で葛藤していることがかけ離れていることさえある。彼が怒っているように見えても、その実、怒りの対象とは全く別の事がらについて心配していたり、計算高く謀略を巡らせていたりするのだ。  彼が何かを計画しているのなら、それを理解するのは自分には不可能だ。スティーブはとっくに、トニーが天才であって、自分はそうではないことを認めていた。もちろん軍事的なこと――宇宙からの敵に対する防備であるとか、敵地に奇襲するさいの作戦、武器や兵の配置、それらは自分の専門であるからトニーを相手に遅れをとることはない。それに、一夜にして熱核反応物理学者にはなれないだろうが、本腰を入れて学べばどんな分野だって”それなりに”モノにすることは出来る。超人血清によって強化されたのは肉体だけではない。しかし、そういうことがあってもなお、トニーの考えることは次元が違っていて、スティーブは早々に理解を諦めてしまうのだ。  べつにネガティブなことではないと思う。トニーが何をしようとも、結果は共に受け入れる。その覚悟があるだけだ。  とはいえ、昨夜のようにわざとらしく怒るトニーは珍しい。八つ当たりのように”自称軍事評論家”とやらの評判をめちゃめちゃにしたようだが、パーティーでちょっと嫌味を言われただけであそこまでの報復はしないだろう(断言はできないが)。彼への反感を隠れ蓑に複雑な計算式を脳内で展開していたのかもしれないし、酔っていたようだから、本当にただの”大げさな怒り”だったのかもしれない――スティーブは気になったが、翌日になってまで追及しようとは思わなかった。特に、隣にトニーが寝ていて、ジャービスによって完璧に計算された角度で開かれたブラインドカーテンから、清々しい秋の陽光が差し込み、その日差しがトニーの丸みを帯びた肩と長い睫毛の先を撫でるように照らしているのを何の遠慮も邪魔もなく見つめていられる、今日みたいな朝は。  こんな朝は、キスから始まるべきだ。甘ったるく、無駄に時間を消費する、意味だとか難しい理由なんかこれっぽっちもないただのキス。  果たしてスティーブの唇がやわらかな口ひげに触れたとき、トニーのはしばみ色の瞳が開かれた。  ……ああ、美しいな。  キスをしたときにはもうトニーの目は閉じられていたが、スティーブはもっとその瞳を見ていたかった。  トニー・スタークの瞳はブラウンだということになっている。強い日差しがあるとき、ごく近くにいるとわかる、彼の瞳はブラウンに緑かかった、透明水彩で描かれたグラス��ように澄んだはしばみ色に見える。  彼のこの瞳を見たことのある人間は、スティーブ一人というわけではないだろう――ペッパー・ポッツ、有名無名のモデルや俳優たち、美貌の記者に才気ある同業者――きっと彼の過去に通り過ぎていった何人もの男女が見てきたことだろう。マリブにあった彼の自宅の寝室は、それはそれは大きな窓があり、気持ちの良い朝日が差し込んだときく。  けれど彼らのうち誰も、自分ほどこの瞳に魅入られ、囚われて、溺れた者はいないだろう。でなければどうして彼らは、今、トニーの側にいないのだ? どうして彼から離れて生きていられるのだ。  「……おはよう、キャップ」  「おはようトニー」 最後に鼻の先に口付けてからおたがいにぎこちない挨拶をする。この瞬間、トニーが少し緊張するように感じられるのは、スティーブの勘違いではないと思うのだが、その理由も未だ聞けずにいる。  スティーブは、こと仕事となれば作戦や戦略のささいな矛盾や装備の不備に気がつくし、気がついたものには偏執的なほど徹底して改善を要求するのだが、なぜか私生活ではそんな気になれないのだった。目の前に愛しい恋人がいる。ただそれだけで、心の空腹が満たされ、他はすべて有象無象に感じられる。”恋に浮わついた”典型的な症状といえるが、自覚していて治す気もない。むしろ、欠けていた部分が充実し、より完全な状態になったような気さえする。ならば他に何を案じることがある? 快楽主義者のようでいてじつは悲観的なほどリアリストであるトニーとは真逆の性質といえた。  トニーが先にシャワーを浴びているあいだ、スティーブはキッチンで湯を沸かし、コーヒーを淹れる。スティーブと付き合うようになってから、いくつかのトニーの不摂生については改善されたが、起床後にコーヒーをまるで燃料のようにがぶ飲みする癖は変わらなかった。彼の天災のような頭脳には必要不可欠のものと思って今では諦めている。甘党のくせに砂糖もミルクも入れないのが、好みなのか、ただものぐさなだけかもスティーブは知らない。いつからかスティーブがティースプーンに一杯ハチミツを垂らすようになっても、彼は何も言わずにそれを飲んでいるので、実はカフェインが入っていれば味はどうでもいいのかもしれない。  シャワーから上がってきたトニーがちゃんと服を着ているのを確認して(彼はたまにごく自然に裸でキッチンやタワーの共有スペースにご登場することがある、たいていは無人か、スティーブやバナーなど親しい同性の人間しか居ないときに限ってだが)、スティーブもバスルームに向かった。着替えを済ませてキッチンに戻ると、トニーは何杯目かわからないブラック・コーヒーを飲んでいたが、スティーブが用意したバナナマフィンにも手をつけた形跡があったのでほっとする。ほうっておくとまともな固形食をとらない癖もなかなか直らない。スティーブはエプロンをつけてカウンターの中に入り、改めて朝食の用意を始める。十二インチのフライパンに卵を六つ割り入れてふたをし、買い置きのバゲットとクロワッサンを電子オーブンに適当に放り込んでセットする。卵をひっくり返すのは危険だということを第二次世界大戦前から知っていたので、片面焼きのまま一枚はトニーの皿に、残りは自分の皿に乗せる。半分に割ったりんご(もちろんナイフを使う。手で割ってみせたときのトニーの表情が微妙だったため)を添えてトニーの前に差し出すと、彼は背筋を伸ばして素直にそれを食べ始めた。バゲットはただ皿に置いただけでは食べないので手渡してやる。朝食時のふるまいについては今までに散々口論してきたからか、諦めの境地に達したらしいトニーはもはや無抵抗だ。  特に料理が好きだとか得意だとかいうわけでもないのだが、スティーブはこの時間を愛していた。トニーが健康的な朝の生活を実行していると目の前で確認することが出来るし、おとなしく従順なトニーというのはこの時間にしかお目にかかれない(夜だって、彼はとても”従順”とはいえない)。秘匿情報ファイルであろうとマグカップだろうと他人からの手渡しを嫌う彼が、自分の手から受け取ったクロワッサンを黙って食べる姿は、人になつかない猫を慣れさせたような甘美な達成感をスティーブに与えた。  「今日の予定は?」  スティーブが自分の分の皿を持ってカウンターの内側に座る。斜め向かいのトニーは電脳執事に問い合わせることなく、カウンターに置いたスマートフォンを自分で操作してスケジュールを確認した。口にものが入っているから音声操作をしないようだった。ときどき妙にマナーに正しいから面食らうことがある。朝の短時間できれいに整えられたトニーの髭が、彼が咀嚼するたびにくにくに動くのを見て、スティーブは唐突にたまらない気分になった。  「僕は――S.H.I.E.L.D.の午前会議に呼ばれてるんだ。食べ終わったら出発するよ。それから午後は空いてるけど、君がもし良かったら……」 トニーの口が開くのを待つあいだ、彼の口元を凝視していては”健全な朝の活動”に支障を来しそうだったので、スティーブは自分の予定を先に話し始めた。「……良かったら、美術館にでも行かないか。グッケンハイムで面白そうな写真展がやってるんだ。東アジアの市場のストリートチルドレンたちを主題にした企画で――」  トニーはスマートフォンの上に出現した青白いホログラムから、ちらっとスティーブに視線を寄越して”呆れた”顔をした。よっぽど硬いバゲットだったのか、ようやく口の中のものを飲み込んだ彼は、今度は行儀悪く手に持ったフォークをスティーブに向けて揺らしながら言った。「デートはいいが、そんな辛気臭い企画展なんかごめんだ」  「辛気臭いって、君、いつだったか、そういう子供たちの救済のためのチャリティーを主催したこともあったろ」  「ああ、僕は慈善家だからね。現地視察にも行ったし、NPOのボランティアどもとお茶もしたし、写真展だって行ったことがある、カメラが回ってるところでな」 フォークをくるりと回してバナナマフィンの残りに刺す。「何が悲しくて恋人と路上生活者の写真を見に行かなくちゃならない? ”世界の今”を考えるのか? わざわざ自分の無力さを痛感しに行くなんていやだね。君と腕を組んでスロープをぶらぶら下るのは、まあそそられるけど」  「まったく、君ってやつは……」 スティーブは苦笑いするしかなかった。「じゃあ、ただスロープをぶらぶら下るだけでいいよ。ピカソが入れ替えられたみたいだ。デ・キリコのコレクションも増えたっていうし、展示されてるなら見てみたい。噂じゃどこかの富豪が画家の恋人のために、イタリアのコレクターから買い付けて美術館に寄付したって」  「きみもすっかり情報機関の人間だな」  「まあね。絵が好きな富豪は君以外にもいるんだなって思った」  「君は間違ってる。僕は”超・大”富豪だし、べつに絵は好きで集めてるんじゃない。税金対策だよ。あと、火事になったとき、三億ドルを抱えるより、丸めた布を持って逃げるほうが効率いいだろ?」  「呆れた」  「絵なんて紙幣の代わりさ。高値がつくのは悪い連中が多い証拠だな」  ところで、とトニーはスマートフォンを操作し、ホログラムを解除した。「せっかくのお誘いはありがたいが、残念ながら僕は今日忙しいんだ。社の開発部のやつらが放り投げた……洋上風力発電の……あれやこれやを解析しなきゃならないんでね。美術館デートはまた今度にしてくれ。その辛気臭い企画展が終わった頃に」  「そうか、残念だよ」 もちろんスティーブは落胆なんてしなかった。トニーが忙しいのは分かっているし、それはスティーブが口を出せる範囲の事ではない。ふたりのスケジュールが完全に一致するのは、地球の危機が訪れた時くらいだ。それでもこうして一緒の屋根の下で暮らしているのだから、たかが一緒に美術館に行けないくらいで残念がったりはしない。ごくふつうの恋人たちのように、夕暮れのマンハッタンを、流行りのコーヒーショップのタンブラーを片手に、隣り合って歩けないからといって、大企業のオーナーにしてヒーローである恋人を前に落胆した顔を見せるなんてことはしない。  「スティーブ、すねるなよ」 しかしこの(肉体的年齢では)年上の恋人は、敏い上にデリカシーがない。多忙な恋人の負担になるまいと奮闘するスティーブの内心などお見通しとばかりに、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべてからかうのだ。「君だってこの前、僕の誘いを断ったろ? しかも他の男と会うとかで」  「あれはフューリーに呼び出されて……」  「ニック・フューリーは男だ! S.H.I.E.L.D.の戦術訓練なんて急に予定に入るか? あいつは僕が気に入らないんだ、君に悪影響を与えるとかで」  「君に良い影響を与えてるとは思えないのかな」  スティーブはマフィンに刺さったフォークでそれを一口大に切り分け、トニーの口元に運んでやった。呆気にとられたような顔を��るトニーに、首をかしげてにっこりと微笑む。  トニーはしてやられたとばかりに、さっと頬を赤くした。  「この、自信家め」  「黙って全部食べるんだ、元プレイボーイ」  朝のこの時間、トニーはとても従順な恋人だ。
 トニーに借りたヘリでS.H.I.E.L.D.本部に到着すると(それはもはやキャプテン・アメリカ仕様にトニーによってカスタムされ、「なんなら塗装し直そうか? アイアンパトリオットとお揃いの柄に?」と提言されたが、スティーブは操縦システム以外の改装を丁重に断った)、屋内に入るやいなや盛大な警戒音がスティーブを迎えた。技術スタッフとおぼしき制服を来た人間が、地下に向かって駆けていく。どうやら物理的な攻撃を受けているわけではなさそうだったので、スティーブは足を速めながらも冷静に長官室へと向かった。  長官室の続きのモニタールームにフューリーはいた。スティーブには携帯電話よりもよほど”まとも”な通信機器に思える、設置型の受話器を耳に当て、モニター越しに会話をしている。というか、怒鳴っている。  「いつからS.H.I.E.L.D.のネットワークは穴の開いた網になったんだ? 通販サイトのほうがまだ上手にセキュリティ対策してるぞ!! あ!? 言い訳は聞きたくない、すべてのネットワーク機器をシャットダウンしろ、お前らの出身大学がどこだろうと関係ない。頼むから仕事をしてくれ、おい、聞いてるか? ああ、ん? 知るか、そんなの。あと二時間以内に復旧しなけりゃ、今後は機密情報はamazonのクラウドに保存するからな!!」  「ハッキングされたのか?」  長官の後ろに影のように控えていたナターシャ・ロマノフにスティーブは尋ねた。  「そのようね。今のところ、情報の漏洩はないみたいだけど、レベル6相当の機密ファイルに不正アクセスされたのは確定みたい」  「よくあるのか?」  「こんなことがよくあっては困るんだ」 受話器を置いたフューリーが言った。「午前会議は延期だ、午後になるか、夕方になるか、夜中になるかわからん」  「現在進行中の任務に影響は?」  「独立したオペシステムがあるから取りあえずは問題ない。だがもしかしたら君にも出動してもらうかもしれない。待機していてくれるか」  スティーブは頷いた。そのまま復旧までモニタリングするというフューリーを置いて、ナターシャと長官室を出る。  「S.H.I.E.L.D.のセキュリティはどうなってる? 僕は専門外だが、情報の漏洩は致命的だ。兵士の命に関わる」  「我々は諜報員よ、基本的には。だから情報の扱いは慎重だわ」 吹き抜けのロビーに出て、慌しく行きかう職員の様子を見下ろす。「でもクラッキングされるのは日常茶飯事なのよ、こういう機関である故にね。ペンタゴンなんてS.H.I.E.L.D.以上に世界中のクラッカーたちのパーティ会場化されてるわ。それでも機密は守ってる。長官があの調子なのはいつものことでしょ」  「じゃあ心配ない?」  「さあね。本当に緊急なら情報工学の専門家を呼ぶんじゃない。あなたのとこの」  すべてお見通しとばかりに鮮やかに微笑まれ、スティーブは口ごもった。  トニーとの関係は隠しているわけではないが、会う人間全てに言って回っているわけでもない。アベンジャーズのメンバーにも特に知らせているわけではなかった(知らせるって、一体どういえばいいっていうんだ? ”やあ、ナターシャ。僕とトニーは恋人になったんだ。よろしく”とでも? 高校生じゃあるまいし)。だからこの美しい女スパイは彼らの関係を自力で読み解いたのだ。そんなに難しいことではなかっただろうとは、スティーブ自身も認めるところだ。  ナターシャは自分がトニーを倦厭していた頃を知っている。そんな相手に今は夢中になっていることを知られるのは居た堪れなかった。断じてトニーとの関係を恥じているわけではないのだが……ナターシャは批判したりしないし、クリントのように差別すれすれの表現でからかったりもしない。ひょっとすると、彼女は自分たちを祝福しているのではないかとさえ思う時がある。だからこそ、こそばゆいのかもしれなかった。  「ところで……戦闘スタイルだな。出動予定があったのか」  身体にぴったりとフィットした黒い戦闘スーツを身にまとったナターシャは肩をすくめて否定した。「私も会議に呼ばれて来たの。武装は解除してる」  スティーブが見たところ、銃こそ携帯していないが、S.H.I.E.L.D.の技術が結集したリストバンドとベルトをしっかりと装着していて、四肢が健康なブラック・ウィドウは未武装といえない。だかこのスタイル以外の彼女を見ることが稀なので、そうかと聞き流した。  「僕は復旧の邪魔にならないようにトレーニングルームにいるよ。稽古に付き合ってくれる奇特な職員がいるかもしれない」  「私は長官の伝令だからこの辺にいるわ。復旧したらインカムで知らせるから、とりあえず長官室に来て」 踵を返して、歩きながらナターシャは振り向きざまに言った。「残念だけど電話は使えないわよ。ダーリンに”今夜は遅くなる”って伝えるのは、もうちょっと後にして」  「勘弁してくれ、ナターシャ」  聞いたこともない可愛らしい笑い声を響かせて、スーパースパイはぎょっとする職員たちに見向きもせず、長官室に戻っていった。
 トニーの様子がおかしいのは今更だが、ここのところちょっと度が過ぎていた。ラボに篭りきりなのも、食事を取らなかったり、眠らなかったり、シャワーを浴びなかったりして不摂生なのも、いつものことといえばいつものことで、それが同時に起こって、しかも自分を避けている様子がなければスティーブも一週間くらいは目をつぶっただろう。
 S.H.I.E.L.D.がハッキングされた件は、その日のうちに収拾がついた。犯人は捕まえられなかったが、システムの脆弱性が露見したので今後それを強化していくという。  スティーブがタワーに帰宅したのは深夜になろうかという頃だったが、トニーはラボにいて出てこなかった。これは珍しいことだが、研究に没頭した日には無いこともない。彼の研究が伊達ではないことはもうスティーブも知っているから、著しく不健康な状態でなければ邪魔はしない。結局、その日は別々に就寝についた。と、スティーブは思っていた。  次の日の朝、隣にトニーはいなかった。きっと自分の寝室で寝ているのだと思い、先に身支度と朝食の用意を済ませてから彼の居室を訪れると、空の部屋にジャービスの声が降ってきた。  『トニー様は外出されました。ロジャース様がお尋ねになれば、おおよその帰宅時間をお伝えするようにとのことですが』  「どこへ行ったんだ? 急な仕事が入ったのか?」  『訪問先は聞いておりません』  そんなわけがあるか、とスティーブは思ったが、ジャービスを相手に否定したり説得したりしても無駄なことだった。乱れのないベッドシーツを横目で見下ろす。「彼は寝なかったんだ。車なら君がアシストできるだろうけど、もし飛行機を使ったなら操縦が心配だ」  『私は飛行機の操縦も可能です』  「そうか、飛行機で出かけたんだな。なら市外に行ったのか」  電脳執事が沈黙する。スティーブの一勝。ため息をついて寝室を出た。  ジャービスはいい奴だが(このような表現が適切かどうか、スティーブには確信が持てないでいる)、たまにスティーブを試すようなことをする。今朝だって、”彼”はキッチンで二人分の食事を支度するスティーブを見ていたわけだから、その時にトニーが外出していることを教えてくれてよかったはずだ。トニーの作った人工知能が壊れているわけがないから、これは”彼”の、主人の恋人に対する”いじわる”なのだとスティーブは解釈している。トニーはよくジャービスを「僕の息子」と表現するが――さしずめ、父親の恋人に嫉妬する子供といったところか。そう思うと、自分に決して忠実でないこの電脳執事に強く出られないでいる。  「それで……彼は何時ごろに帰るって?」  『早くても明朝になるとのことです』  「えっ……本当に、どこに行ったんだ」  『通信は可能ですが、お繋ぎしますか』  「ああ、いや、自分の電話でかけるよ。ありがとう。彼のほう��、僕の予定は知ってるかな」  『はい』  「そう……」 スティーブはそれきり黙って、二人分の食事をさっさと片付けてしまうと、朝のランニングに出掛けた。  エレベータの中で電話をかけたが、トニーは出なかった。
 それが四日前のことだ。予告した日の真夜中に帰ってきたトニーは、パーティ帰りのような着崩したタキシードでなく、紺色にストライプの入ったしゃれたビジネススーツをかっちりと着込んでふらりとキッチンに現れた。スティーブの強化された嗅覚が確かなら、少なくとも前八時間のあいだ、一滴も酒を飲んでいないのは明らかだった。――これは大変珍しいことだ。今までにないことだと言ってもいい。  彼は相変わらず饒舌で、出来の悪い社員のぐちや、言い訳ばかりの役員とお小言口調の政府高官への皮肉たっぷりの批判を、舞台でスピーチするみたいに大仰にスティーブに話して聞かせ、その間にも何かとボディタッチをしてきた。どれもいつものトニー、平常運転だ。しかしスティーブは、そんな彼の様子に違和感を覚えた。  彼が饒舌なのはよくあるが、生産性のないぐちを延々と口上するときはたいてい酔っている。しらふでここまで滔々としゃべり続けることはないと、スティーブには思われた。べたべたと身体に触ってくるのに、後から思えば意図されていたと思わずにはいられないくらい、不自然に目を合わせなかった。スティーブが��密工作員と関係のない職種についていたとしても、自分の恋人が何かを隠していると気付いただろう。  極め付けはこれだ。スティーブはトニーの話を遮って、「君の風力発電は順調?」とたずねた。記憶が確かなら、この二日間、彼が忙しかったのはそのためであるはずだ。  「石器時代のテクノロジーがどうしたって?」  スティーブはぐっと拳を握りたいのを我慢して続けた。「だって、君――その話をしてただろ?」  「ああ……」 トニーは一瞬だけ、せわしなく何くれと動かしていた手足を止めた。「おもい出した。言ったっけ? ロングアイランド沖に発電所を建設するんだ。もう何年も構想してるんだけど、思ったよりうちの営業は優秀で――何しろほら、うちにはもっと”すごいやつ”があるんだし――そう簡単に量産は出来ないけど――それで僕は気が進まないんだが、州知事がGOサインを出してしまってね、ところが開発の連中が怖気づいてしまったんだ、というか、一人失踪してしまって……すぐに見つけ出して再洗脳完了したけど――冗談だよ、キャップ――でも無理はない事だとも思うんだ、だって考えてみろ……今時、いつなんどき宇宙から未知の敵対エネルギーが降ってくるかもしれないのに、無防備に海の上に風車なんて建ててる場合か? 奴らも責任あるエンジニアとして、ブレードの強度を高めようと努力してくれてるんだが、エイリアンの武器にどうやったら対抗出来るってんだ? 塩害や紫外線から守って次元じゃないんだろ? いっそバリアでも張るか? いっそそのほうが……うーん、バリアか。バリアってのはなかなか面白そうなアイデアだ、しかしそうすると僕は……いやコストがかかりすぎると、今度は失踪者じゃすまなくなるかも……」  スティーブは確信した。  トニーは自分に何か隠している。忙しいとウソまでついて。しかもそれは――彼がしらふでこんなに饒舌になるくらい、”後ろめたい”ことだ。
 翌朝から今度はラボに閉じこもったトニーは、通信にも顔を出さなかった。忙しいといってキッチンにもリビングにも降りてこないので、サンドイッチやら果物をラボに届けてやると、その時に限ってトニーは別の階に移動していたり、”瞑想のために羊水カプセルに入った”とジャービスに知らされたり(冗談だろうが、指摘してもさらなる馬鹿らしい言い訳で煙に巻かれるので否定しない。羊水カプセル? 冗談だよな?)して本人に会えない。つまりトニーはジャービスにタワー内のカメラを監視させて、スティーブがラボに近付くと逃げているのだ。  恋人に避けられる理由がわからない。しかし嫌な予感だけはじゅうぶんにする。トニーが子供っぽい行動に走るときは、後ろめたいことがあるとき――つまり、”彼自身に”問題があると自覚しているときだ。  トニーの抱える問題? トニー・スターク、世紀の天才。現代のダ・ヴィンチと称された機械工学の神。アフガニスタンの洞窟に幽閉されてもなお、がらくたからアーク・リアクターを作り上げた優れた発明家にしてアイアンマン――億万長者という言葉では言い表せないほどの富と権力を持ち、さらには眉目秀麗で頭脳明晰、世間は彼には何の悩みも問題もないと思いがちだが――そのじつ、いや、彼のことを三日もよく見ていればわかることだ。彼は問題ばかりだ。問題の塊だといってもいい。  一番の問題は、彼が自分自身の問題を自覚していて、直そうとするどことか、わざとそれを誇張しているということだ。スティーブにはそれが歪んだ自傷行為にしか見えない。酒に強いわけでもないのに人前で浴びるように飲んでみたり、愛してもいない人間と婚約寸前までいったり(ポッツ嬢のことではない)、パーソナルスペースが広いわりに見知らぬファンの肩を親し気に抱いてみたり、それに――平和を求めているのに、兵器の開発をしたり――していたのは、すべて彼の”弱さ”であるはずだが、トニーはもうずいぶんと長いあいだ、世間に向けてそれが”強さ”だと信じさせてきた。大酒のみのパーティクラッシャー、破天荒なプレイボーイ、気取らないスーパーヒーロー、そして真の愛国者。アルコール依存症、堕落したセックスマニア、八方美人のヒーロー、死の商人というよりもよっぽど印象がいい。メディアを使った印象操作は彼の得意分野だ。トニーは自分がどう見られているか、常に把握している。  そういう男だから、性格の矯正はきかないし、付き合うのには苦労する。だからといって離れられるわけがないのだから、これはもう生まれ持ってのトラブル・メーカーだと割り切るしかない。  考えるべきことはひとつ。彼の抱える問題のうち、今回はどれが表面化したのか?
 トニーに避けられて四日目の朝、スティーブは再びD.C.のS.H.I.E.L.D.本部に出発しようとしていた。先日詰められなかった会議の再開と、クラッキング事件の詳細報告を受けるためだ。ジャービスによるとトニーはスティーブの予定を知っているようだが、ヘリの準備を終えても彼がラボ(あるいは羊水カプセルか、タワー内のいずれかの場所)から出てくることはなかった。見送りなんて大げさなことを期待しているわけではないが、今までは顔くらい見せていたはずだ。  (これじゃ、避けられてるどころか、無視されているみたいだ)  そう思った瞬間、スティーブの中でトニーの抱える問題の一つに焦点が合った。
 ナターシャはいつもの戦闘用スーツに、儀礼的な黒いジャケットを着てS.H.I.E.L.D.の小さな応接室のひとつにいた。彼女が忙しい諜報活動の他に、S.H.I.E.L.D.本部で何の役についているのか、スティーブは知らされていなかった――だから彼女が応接室のチェストを執拗に漁っているのが何のためなのかわからなかったし、聞くこともしなかった。ナターシャも特に自分の任務に対して説明したりしない。スティーブはチェストの一番下の引き出しから順々に中を改めていくナターシャの後ろで、戦中のトロフィーなどを飾った保管棚のガラス戸に背をもたれ、組んだ腕を入れ替えたりした。  非常に言いにくいし、情けない質問だし、聞かされた彼女が良い気分になるはずがない。だがスティーブには相談できる相手が彼女しかいなかった。  「ナターシャ、その――邪魔してすまない」  「あら構わないのよ、キャップ。そこで私のお尻を見ていたいのなら、好きなだけどうぞ」  からかわれているとわかっていても赤面してしまうのは、スティーブの純潔さを表すチャームポイントだ、と、彼の恋人などはそう言うのだが――いい年をした男がみっともないと彼自身は思っていた。貧しい家庭で育ち、戦争を経験して、むしろ現代の一般人よりそういった表現には慣れているのに――おそらくこれが同年代の男からのからかいなら、いくら性的なニュアンスが含まれていようが、スティーブは眉ひとつ動かさないに違いない。ナターシャのそれはまるで姉が弟に仕掛けるいたずらのように温かみがあり、スティーブを無力な少年のような気持ちにさせた。  「違う、君は……今、任務中か? 僕がここにいても大丈夫?」  「構わないって言ったでしょ。用があるなら言って」  確かにナターシャの尻は魅力的だが、トニーの尻ほどではない――と自分の考えに、スティーブは目を閉じて首を振った。「聞きたいことがあるんだけど」 スティーブは出来るだけ、何でもないふうに装った。「僕はその、少し前からスタークのタワーに住んでいて――……」  「付き合ってるんでしょ。なあに、トニーに浮気でもされたの?」  スティーブはガラス戸から背中を離して、がくんと顎を落とした。「オー・マイ……ナット、なんでわかったんだ」  「それは、こっちの……台詞だけど」 いささか呆気にとられた表情をして、ナターシャは目的のものを見つけたのか、手のひらに収まるくらいの何かをジャケットの内ポケットに入れると、優雅に背筋を伸ばした。「トニーが浮気? ほんとに?」  「ああ、いや……多分そうなんじゃないかと……」  「この前会ったときは、あなたにでろでろのどろどろに惚れてるようにしか見えなかったけど、ああいう男は体の浮気は浮気だと思ってない節があるから、あとはキャップ、あなたの度量しだいね」  数日分の悩みを一刀両断されてしまい、スティーブは一瞬、自分の耳を疑った。音もなくソファセットの前を通り過ぎ、部屋を出て行こうとしたナターシャを慌てて呼び止める。「そ、そうじゃないんだ。浮気したと決まったわけじゃない。ただトニーの様子がこのところおかしいから、もしかしたらと思って――それで君に相談ができればと……僕はそういうのに疎いから」  「おかしいって? トニー・スタークが?」  まるでスティーブが、空を飛んでいる鳥を見て”飛べるなんておかしい”と言ったかのように、ナターシャは彼の正気を疑うような目をした。「そうだよな」 スティーブは認めた。「トニーはいつもおかしいよ。おかしいのが彼だ。何でも好きなものを食べられるのに、有機豆腐ミートなんて代物しか食べなかったり――それでいて狂ったようにチーズバーガーしか食べなかったり――それでも、何か変なんだ。僕を避けてるんだよ。通信でも顔を見せない。まる一日、どこかに行ったきりだと思ったら、今度はラボにずっとこもってる。ジャービスに彼の様子を聞こうにも、彼はトニー以外のいうことなんてきかないし、もうお手上げだ」  ナターシャはすがめたまぶたの間からスティーブを見上げると、一人掛けのソファに座った。スティーブも正面のソファに座る。彼女が長い足を組んで顎に手を当て考え込むのを、占い師の診断を仰ぐ��者のように待つ。  「ふーん……それって、いつから?」  「六日前だ。ハッキング事件の当日はまだ普通だったけど、その翌日はやたらと饒舌で……きみも付き合いが長いから、トニーが隠し事をしているときにしゃべりまくる癖、知ってるだろ」  「それを聞いたら、キャプテン、私には別の仮説が立てられるわ」  「え?」  「来て。会議の前に長官に報告しなきゃ」  ナターシャの後を追いながら、スティーブは彼女が何を考えているか、じわじわと確信した。「君はもしかして、S.H.I.E.L.D.をハッキングしたのが彼だと――」  「最初から疑ってたのよ。S.H.I.E.L.D.のネットワークに侵入できるハッカーはそう多くない。世界でも数千人ってとこ。しかもトニーには前歴がある。でもだからこそ、長官も私も今回は彼じゃないと思ってた」  「どういうことだ」  「ハッカーにはそれぞれの癖みたいなのがあるのよ。自己顕示欲の強いやつは特に。登頂成功のしるしに旗を立てるみたいに、コードにサインを入れるやつもいる。トニーのは最高に派手なサインが入ってた。今回のはまるで足跡がないの。S.H.I.E.L.D.のセキュリティでも追いきれ��かった」  「トニーじゃないってことだろう?」  「前回、彼は自分でハッキングしたわけじゃなかった。あの何か、変な小さい装置を使って人工知能にやらせてたんでしょ。今回は自分でやったとしたら? 彼がMIT在学中に正体不明のハッカーがありとあらゆる国の情報機関をハッキングした事件があった。今も誰がやったかわかってないけど――」  そこまで言われてしまえば、スティーブもむやみに否定することはできなかった。  「……ハッキングされたのは一瞬なんだろう。トニーがやったのなら、どうしてずっとラボにこもってる」  「データを盗めたとしても暗号化されてるからすぐに読めるわけじゃない。じつのところ、まだ攻撃され続けてる。これはレベル5以上の職員にしか知らされていないことだけど、現在進行形でサイバー攻撃されてるわ。たぶん、復号キーを解析されてるんだと思う。非常に高度なことよ、通信に多少のラグがあるだけで、他のシステムには全く影響していない。悪意あるクラッカーやサイバーテロ集団がS.H.I.E.L.D.の運営に配慮しながらサイバー攻撃するなんて、考えられなかったけど――もしやってるのがアイアンマンなら、うなずける。理由は全く分からないけど」  ナターシャはすでに確信しているようだった。長官室の扉を叩く前に、スティーブを振り返り、にやりと笑った。  「ねえ、よかったじゃない――浮気じゃなさそう」  「それより悪いかもしれない」 スティーブはほっとしたのとうんざりしたのと、どっちの気持ちを面に出したらいいか迷いながら返した。恋人が浮気したなら、まあ結局は許すか許さないかの話で、なんやかんやでスティーブは許してしまったことだろう(ああ、簡単じゃないか、本当に)。しかし、恋人が内緒で国際平和維持組織をハッキングしていたのなら、まるで話の規模が変わってくる。  ああ、トニー、君はいったい、何をやってるんだ。  説明されても理解できないかもしれないが、僕から隠そうとするのはなぜだなんだ。  「失礼します、長官。報告しておきたいことが――」 四回目のノックと同時に扉を開け、ナターシャは緊急時にそうするように話しながら室内に入った。「現行のサイバー攻撃についてですが、スタークが関わっている可能性が――」  「報告が遅いぞ」 むっつりと不機嫌なニック・フューリーの声が響く。部屋には二人の人物が居た――長官室の物々しいデスクに座るフューリーと、その向かいに立つトニー・スタークが。  「ところで、コーヒーはまだかな?」 チャコールグレイの三つ揃えのスーツを着たトニーは、居ずまいを正すように乱れてもいないタイに触れながら言った。ちらりと一瞬だけスティーブに目をくれ、あとはわざとらしく自分の手元を注視する。「囚人にはコーヒーも出ないのか? おい、まさか、ロキにも出してやらなかった?」  「トニー、君……」  スティーブが一歩踏み出すと、ナターシャが腕を伸ばして止めた。険の強い声音でフューリーを問いただす。「どういうことです? 我々はサイバーセキュリティの訓練を受けさせられていたとでも?」  「いや、彼は今朝、自首しにきたんだ、愚かにも、自分がハッキング犯だと。目的は果たしたから理由を説明するとふざけたことを言っている。ここで君たちが来るまで拘束していた」  ナターシャの冷たい視線を、トニーは肩をすくめて受け流した。  「本当か? トニー、どうしてそんなことをしたんだ」  「ここだけの話にしてくれ」 トニーはスティーブというより、フューリーに向かって言った。「僕がこれから言うことはここにいる人間だけの耳に留めてくれ」 全く頷かない長官に向かって、トニーはため息をついて両手を落とした。「あとは、そうだな。当然、僕は無罪放免だ。だってそうだろ? わざわざバグを指摘してやったんだ。表彰されてもいいくらいだろう! タダでやってやったんだぞ!」  「タダかどうかは、私が決める」 地を這うように低い声でフューリーは言った。「放免してやるかどうかも、その話とやらを聞いてから決める。さっさと犯罪行為の理由を釈明しないなら、この場で”本当”に拘束するぞ。ウィドウ、手錠は持ってるか」  「電撃つきのやつを」  「ああ、わかった、わかった。電撃はいやだ。ナターシャ、それをしまえ。話すとも、もちろん。そのためにD.C.まで来たんだ。座っていい?」 誰も頷かなかったので、トニーは再びため息をついて、革張りのソファの背を両手でつかんだ。  「それで、ええと――僕が慈善家だってことは、皆さんご承知のことだとは思うんだが――」  「トニー」 自分でもぎょっとするくらい冷たい声で名前を呼んで、スティーブは即座に後悔したが――この場に至っても自分を無視しようとするトニーに、怒りが抑えられなかった。  トニーは大きな目を見開いて、やっとまともにスティーブを視界に入れた。こんな距離で会うのも数日ぶりだ。スティーブは早く彼の背中に両手を回したくて仕方なかったが、その後に一本背負いしない自信がなかったので、ナターシャよりも一歩後ろの位置を保った。  「……べつに話を誤魔化そうってわけじゃない。僕が慈善家だってことは、この一連の僕の”活動”に関係のあることなんだ。というより、それが理由だ」 ゆらゆら揺れるブラウンの瞳をスティーブからそらせて、トニーは話し始めた。
 七日前にもトニーはS.H.I.E.L.D.に滞在していた。フューリーに頼まれていた技術提供の現状視察のためもあったが、出席予定のチャリティー・オークションのパーティがD.C.で行われるため、長官には言わないが、時間調整のために本部内をぶらぶらしていたのだ。たまに声をかけてくる職員たちに愛想よく返事をしてやったりしながら、迎えの車が来るのを待っていた。  予定が狂ったのは、たまたま見学に入ったモニタールームEに鳴り響いた警報のせいだった――アムステルダムで任務中の諜報員からのSOSだったのだが、担当の職員が遅いランチ休憩に出ていて(まったくたるんでいる!)オペレーション席に座っていたのはアカデミーを卒業したばかりの新人だった。ヘルプの職員まで警報を聞いたのは訓練以外で初めてという状態だったので、トニーは仕方なく、本当に仕方なく、子ウサギみたいに震える新人職員からヘッドマイクを譲り受け(もぎ取ったわけじゃないぞ! 絶対!)、モニターを見ながらエージェントの逃走経路を指示するという、”ジャービスごっこ”を――訂正――”人命と世界平和に関する極めて責任重大な任務”を成り代わって行ったのだ。もちろんそれは成功し、潜入先で正体がばれたまぬけなエージェントたちは無事にセーフハウスにたどり着き、新人職員たちと、ランチから戻って状況の飲み込めないまぬけな椅子の男に対し、長官への口止めをするのにも成功した。ちょっとしたシステムの変更(ほら、僕がモニターの前に座って契約外の仕事をしているところが監視カメラに映っていたら、S.H.I.E.L.D.は僕に時間給を払わなくちゃいけなくなるだろ? その手間を省いてやるために、録画映像をいじったんだ――もしかしたら。怖い顔するな。そんなような気がしてたんだ、今まで)もスムーズに成立した。問題は、そのすべてが完了するのに長編映画一本分の時間がかかったということだ。トニーの忠実な運転手は居眠りもしないで待っていたが、チャリティーに到着したのは予定時刻から一時間以上は経ったころだった。パーティが始まってからだと二時間は経過していた。それ自体は大して珍しいことではない。トニーはとにかく、パーティには遅れて到着するタイプだった(だって早く着くほうが失礼だろ?)。  しかし、その日に限って問題が発生する。セキュリティ上の都合とやらで(最近はこんなのばっかりだな)、予定開始時刻よりも大幅にチャリティー・オークションが早まったのだ。トニーが到着したのは、もうあらかたの出品が終わったあとだった。  トニーにはオークションに参加したい理由があった。今回のオークションに限ったことではない。トニーの能力のもと把握することが出来る、すべてのオークションについて、彼は常に目を光らせていた。もちろん優秀な人工知能の手も借りてだが――つまり、この世のすべてのオークションというオークションについて、トニーはある理由から気にかけていた。好事家たちの間でだけもてはやされる、貴重な珍品を集めるためではない――彼が、略奪された美術品を持ち主に返還するためのグループ、「エルピス」を支援しているからだ。  第二次世界大戦前や戦中、ヨーロッパでは多くの美術品がナチスによって略奪され、焼失を逃れたものも、いまだ多くは、ナチスと親交のあった収集家や子孫、その由来を知らないコレクターのもとで所有されている。トニーが二十代の頃に美術商から買い付けた一枚の絵画が、とあるユダヤ人女性からナチ党員が二束三文で買い取った物だと「エルピス」から連絡があったのが、彼らを支援するきっかけ��なった。それ以来、トニーが独自に編み上げた捜索ネットワークを使って、「エルピス」は美術品を正当な持ち主に戻すための活動を続けている(文化財の保護は強者の義務だろ。知らなかった? いや、驚かないよ)。数年前にドイツの古アパートから千点を超す美術品が発見されたのも、「エルピス」が地元警察と協力して捜査を続けていた”おかげ”だ。時間も、根気もいる事業だが、順調だった。そして最近、「エルピス」が特に網を張っている絵画があった。東欧にナチスの古い基地が発見され、そこには宝物庫があったというのだ――トニーが調べた記録によれば、基地が建設されたと思わしき時期、運び込まれた数百点の美術品は、戦後も運び出された形跡がなかった――つまり宝物庫が無事なら、そこにあった美術品も無事だったということだ。  数百点の美術品のうち、持ち主が明確な絵画が一点あった。ユダヤ人投資家の男で、彼の祖父が所有していたが、略奪の目にあい彼自身は収容所で殺された。トニーは彼と個人的な親交もあり、特に気にかけていた。  その投資家の男がD.C.の会場にも来ていて、遅れてやってきたトニーに青い顔で詰め寄った。「”あれ”が出品されたんだ――」 興奮しすぎて呼吸困難になり、トニー美しいベルベッドのショール・カラーを掴む手にも、ろくな力が入っていなかった。「スターク、”あれ”だ――本当だ。祖父の絵画だ。ナチの秘宝だと紹介されていた。匿名の人物が競り落とした――あっという間だった――頼む、あれを取り戻してくれ――」  (なんて間の悪いことだ!) 正直なところ、トニーは今回のオークションにそれほど期待していたわけではなかった。長年隠されていた品物が出品されるとなれば、出品リストが極秘であろうと噂になる。会場に来てみてサプライズがあることなど滅多にない。それがまさかの大当たりだったとは! こんなことなら、時間つぶしにS.H.I.E.L.D.なんかを使うんじゃなかった。トニーは投資家に「落札者を探し出し、説得する」と約束し、その後の立食パーティで無礼なコラムニストを相手にさんざん子供っぽい言い合いをして、帰宅の途についた――そして、ジャービスに操縦を任せた自家用機の中で、匿名の落札者について調べたが、思うように捗らなかった。もちろん、トニーが本気になればすぐにわかることだ――しかし、ちょっとばかり酔っていたし、別に調べることもあった。そちらのほうは、タイプミスをしてジャービスに嫌味を言われるまでもなく、調べがついた。  網を張っていた絵画と同じ基地にあった美術品のうち、数点がすでに別の地域のオークションや美術商のもとに売り出されていた。
 「これがどういうことか、わかるだろう」 トニーは許可をとることをやめて、二人掛けのソファの真ん中にどさりと腰かけた。デスクに両肘をついて、組んだ手の中からトニーを見下ろすS.H.I.E.L.D.の長官に、皮肉っぽく言い立てる。「公表していないが、ナチスの基地を発見、発掘したのはS.H.I.E.L.D.だろ。ナチスというより、ヒドラの元基地だったらしいな。そこにあった美術品が横流しされてるんだ。すぐに足がつくような有名なものは避けて、小品ばかり全国にばらけて売っている。素人のやり方じゃないし、僕はこれと似たようなことをやる人種を知っている。スパイだよ。スパイが物を隠すときにやる方法だ」  「自分が何を言ってるかわかってるのか」 いよいよ地獄の底から悪魔が這い出てきそうな不機嫌さで、フューリーの声はしゃがれていた。「S.H.I.E.L.D.の職員が汚職に手を染めていると、S.H.I.E.L.D.の長官に告発しているんだぞ」  「それどころの話じゃない」 トニーは鋭く言い放った。「頂いたデータを復号して、全職員の来歴を洗い直した。非常に臭い。ものすごい臭いがするぞ、ニック。二度洗いして天日干しにしても取れない臭いだ――」 懐から取り出したスマートフォンを操作する。「今、横流しに直接関わった職員の名簿をあんたのサーバーに送った。安心しろ、暗号化してある。解読はできるだろ?」 それからゆっくり立ち上がって、デスクの正面に立ち、微動だにしないフューリーを見下ろす。「……あんた自身でもう一度確認したほうがいい。今送った連中だけの話じゃないぞ。……S.H.I.E.L.D.は多くの命を救う。僕ほど有能じゃなくても、ないよりあったほうが地球にとっては良い」  「言われるまでもない」  「そうか」  勢いよく両手を合わせて乾いた音を響かせると、トニーは振り返ってスティーブを見つめた。ぐっと顎に力の入ったスティーブに、詫びるようにわずかに微笑んで、歩きながらまたフューリーを見る。「で、僕は無罪放免かな? それとも感謝状くれる?」  「帰っていいぞ。スターク。ひとりでな」  「そりゃ、寂しいね。キャプテンを借りるよ、長官。五分くらいいいだろう」  言うやいなや、トニーはナターシャの前を素通りすると、スティーブの二の腕を掴んで部屋を出ようとした。  「おい――トニー――……」  「キャップ」 ナターシャに視線で促され、スティーブはトニーの動きに逆らうのをやめた。うろんな顔つきで二人を見ているフューリーに目礼して、スティーブは長官室を後にした。
 「トニー……おい、トニー!」  トニーの指紋認証で開くサーバールームがS.H.I.E.L.D.にあったと���驚きだった。もしかしたらこれも”システム変更”された一つかもしれない――トニーは内部からタッチパネルでキーを操作して、ガラス壁を不透明化させた。そのまま壁に背をもたれると、上を向いてふーっと長い息を吐く。  スティーブは壁と同様にスモークされた扉に肩で寄りかかり、無言でトニーを見つめた。  「……えっと、怒ってるよな?」 スティーブが答えないでいると、手のひらを上げたり下ろしたりしながらトニーはその場をぐるぐると歩き出した。  「きっと君は怒ってると思ってた。暗号の解析なんか一日もかからないと思ってたんだが、絵画の落札者探しも難航して――まあ見つかるのはすぐに見つかったんだが、西ヨーロッパの貴族で、これがまた、筋金入りの”スターク嫌い”でね、文字通り門前払いをくらった。最初からエルピスの奴らに接触してもらえばもうちょっと話はスムーズについたな。それでも最終的には僕の説得に応じて、返還してくれることになった――焼きたてのパンもごちそうになったしね。タワーに帰るころには解析も済んでるはずだったのに、それから数日も時間がかかって――」  「何に時間がかかっていようが、僕にはどうだっていい」 狭い池で周遊する魚のように落ち着きのない彼の肩を掴んで止める。身長差のぶんだけ見上げる瞳の大きさが恋しかった。「僕が怒ってるのは、君が何をしていたかとは関係ない。それを僕に隠していたからだ。どうして、僕に何も言わない。S.H.I.E.L.D.に関わりのあることなのに――」  「だからだよ! スティーブ……君には言えなかった。確証を掴むまで、何も」  「何をそんなに……」  「わからないのか? フューリーも気付いたかどうか」 不透明化された壁をにらみ、トニーはスティーブの太い首筋をぐっと引き寄せて顔を近づけた。「わからないのか――ヒドラの元基地から押収した品が、S.H.I.E.L.D.職員によって不正に取引された――一人の犯行じゃない。よく計画されている。それに、関わった職員の口座を調べたが、どの口座にも大金が入金された痕跡がない。……クイズ、美術品の売り上げは、誰がどこに流してるんでしょう」  「……組織としての口座があるはずだ」  「そうだ。じゃあもう一つ、クイズだ。その組織の正体は? キャップ……腐臭がしないか」  「……ヒドラがよみがえったと言いたいのか」  「いいや、そのセリフを言いたいと思ったことは、一度もない」 トニーは疲れたように額を落とし、スティーブの肩にもたれかかった。「だから黙ってたんだ」  やわらかなトニーの髪と、力なくすがってくる彼の手の感触が、スティーブの怒りといら立ちを急速に沈めていった。つまるところ、トニーはここ数日間、極めて難しい任務に単独で挑んでいた状況で――しかもそれは、本来ならばS.H.I.E.L.D.の自浄作用でもって対処しなければならない事案だった。  体調も万全とはいえないトニーが、自分を追い込んでいたのは、彼の博愛主義的な義務感と、優しさゆえだった――その事実はスティーブを切なくさせた。そしてそれを自分に隠していたのは、彼の数多く抱える問題のひとつ、彼が”リアリスト”であるせいだった。彼は常に最悪を考えてしまう。優れた頭脳が、悲観的な未来から目を逸らさせてくれないのだ。  「もしヒドラがまだこの世界に息づいているとしても」 トニーの髪に手を差し入れると、そのなめらかな冷たさに心が満たされていく。「何度でも戦って倒す。僕はただ、それだけだ」  「頼もしいな、キャプテン。前回戦ったとき、どうなったか忘れた?」  「忘れるものか。そのおかげで、今こうして、君と”こうなってる”んだ」  彼が悲観的なリアリストなら、自分は常に楽観的なリアリストでいよう。共に現実を生きればいい。たとえ一緒の未来を見ることは出来なくとも、平和を目指す心は同じなのだから。  「はは……」 かすれた吐息が頬をかすめる。これ以上のタイミングはなかった。スティーブはトニーの腰を抱き寄せてキスをした。トニーはとっくに目を閉じていた。スティーブは長い睫毛が震えているのを肌で感じながら、トニーを抱きつぶさないように自分が壁に背をつけて力を抑えた――抱き上げると怒られるので(トニーは自分の足が宙をかく感覚が好きじゃないようだ、アーマーを未装着のときは)、感情の高ぶりを表せるのは唇と、あまり器用とはいい難い舌しかなかった。  幸いにして、彼の恋人の舌は非常に器用だった。スティーブはやわらかく、温かで、自分を歓迎してくれる舌に夢中になり、恋人が夢中になると、トニーはその状態にうっとりする。うっとりして力の抜けたトニー��腕の中にいると、スティーブはまるで自分が、世界を包めるくらいに大きく、完全な存在になったように感じる。なんという幸福。なんという奇跡。  「きみが他に――見つけたのかと思った」  「何を?」 上気した頬と涙できらめく瞳がスティーブをとらえる。  「新しい恋人。それで、僕を避けているのかと……」  トニーはぴったりと抱き着いていた上体をはがして、まじまじとスティーブを見つめた。 「ファーック!? それ本気か? 僕が何だって? 新しい……」  「恋人だ。僕が間違ってた。でも口が悪いぞ、トニー」  「君が変なこと言うから――それに、それも僕の愛嬌だ」  「君の……そういうところが、心配で、憎らしくて、とても好きだ」  もう一度キスをしながら、トニーの上着を脱がそうとしているうちに、扉の外からナターシャの声が聞こえた。  「あのね、お二人さん。いくら不透明化してるからって、そんな壁にべったりくっついてちゃ、丸見えよ」  スティーブの首に腕を回し、ますます体を密着させて、トニーは言った。「キャプテン・アメリカをあと五分借りるのに、いくらかかる?」  唐突にガラスが透明になり、帯電させたリストバンドを胸の前にかかげたナターシャが、扉の前に立っているのが見えた。  「あなた、最低よ、スターク」  「なんで? 五分じゃ短すぎたか? 心配しなくても最後までしないよ、キスと軽いペッティングだけだ、五分しかもたないなんてキャップを侮辱したわけじゃな……」  「あなた、最低よ、スターク!」  「キーをショートさせるな! 僕にそれを向けるな! 頼む!」  スティーブはトニーを自分の後ろに逃がしてやって、ナターシャの白い頬にキスをした。「なんだか、いろいろとすまない。ナターシャ……」  「いいわ、彼には後で何か役に立ってもらう」  トニーがぶつぶつと文句をつぶやきながらサーバーの間を歩き、上着のシワを伸ばすさまを横目で見て、ナターシャに視線を戻すと、彼女もまた同じ視線の動きをしていたことがわかった。  「……トニーを巻き込みたくない。元気にみえるけど、リアクターの除去手術がすんだばかりで――」  「わかってるわ。S.H.I.E.L.D.の問題は、S.H.I.E.L.D.の人間が片をつける」  ナターシャの静かな湖面のような緑の目を見て、自分も同じくらい冷静に見えたらいいと思った。トニーにもナターシャにも見えないところで、握った拳の爪が掌に食い込む。怖いのは、戦いではなく、それによって失われるかもしれない現在のすべてだ。  「……もし、ヒドラが壊滅せずにいたとしたら――」  「何度だって戦って、倒せばいい」 くっと片方の唇を上げた笑い方をして、ナターシャはマニッシュに肩をすくめた。「そうなんでしょ」  「まったく、君……敵わないな。いつから聞いてたんだ」  「私は凄腕のスパイよ。重要なことは聞き逃さない」  「いちゃつくのは終わったか?」 二人のあいだにトニーが割り入った。「よし。ではこれで失礼する。不本意なタイミングではあるが――ところでナターシャ、クリントはどこにいるんだ?」  「全職員の動向をさらったばかりでしょ?」  「クリントの情報だけは奇妙に少なかったのが、不思議に思ってね。まあいい。休暇中は地球を離れて、アスガルドに招待でもされてるんだろう。キャップ……無理はするなよ。家で待ってる」  「トニー、君も」 スティーブが肩に触れると、トニーは目を細めて自分の手を重ねた。  「僕はいつでも大丈夫だ。アイアンマンだからな」  ウインクをして手を振りながら去っていくトニーに、ナターシャがうんざりした表情を向けた。「ねえ、もしかしてこの先ずっと、目の前で惚気を聞かされなきゃいけないの?」 そう言って、今度はスティーブをにらみつける。「次の恋愛相談はクリントに頼んでよ!」
 ◇終◇
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switch-souken · 7 years ago
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【発表】公演詳細!!ツアー型スイッチ「秘密の夜の学校見学会〜あなたの知らないアンスティチュ・フランセ〜」
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 スイッチ総研初のやや長期公演!!
弊所創立以来、大人気の「ツアー型スイッチ」!! 今回の舞台は、歴史と伝統ある瀟洒な語学学校…。 教室、中庭、校長室…スイッチを押しながら夜の学校を巡る、約30分のツアー型作品!!
豪華客員陣、多数参戦予定!詳細随時WEBにて発表!乞、ご期待!!
ようこそ夜のアンスティチュ・フランセへ。 限られた一部の者のみが参加を許された、秘密の学校見学会。 冬休み、人影まばらな夜の学舎で何かがおこる!? 学業優秀なアンファンテリブル達が、闇にまぎれて貴方のご来校をお待ちしております。 どうぞ足元と背後にお気をつけて、ごゆっくりご見学シルブプレ…!!
 ツアー型スイッチ 「秘密の夜の学校見学会」 〜あなたの知らないアンスティチュ・フランセ〜
【日程】 2017年12月17日(日)〜21日(木)
【出発時間】 17日(日)17:00〜18:00 18日(月)19:00〜20:30 19日(火)19:00〜20:30 20日(水)19:00〜20:30 21日(木)19:00〜20:00
◆上記時間内、10分毎に出発時間選択可 ◆所要時間約30分 ◆4名1組・3分間隔で出発 ◆1名から申込み可
【会場】 アンスティチュ・フランセ東京 〒162-8415 東京都新宿区市谷船河原町15 http://www.institutfrancais.jp/tokyo/about/contact/ ・JR総武線 飯田橋駅 西口より徒歩7分 ・地下鉄 飯田橋駅 B3出口より徒歩7分
【集合場所】 アンスティチュ・フランセ東京内 書店「欧明社」前
【チケット】 前売一般 ¥3,500 当日一般 ¥3,800 U20(20歳以下) ¥2,000 小学生 ¥1,000
※U20、小学生チケットは前売りのみ/枚数限定 ※U20チケットをご購入の方は当日受付にて証明書をご提示ください ※小学生以上入場可、小学生は要保護者同伴
【発売日】 2017年12月2日(土)10:00
【チケット取扱い】 カンフェティ https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=42745&
【作】 スイッチ総研
【総合演出】 光瀬指絵
【研究開発/出演】 大石将弘 光瀬指絵
<契約所員> 有吉宣人(青☆組) 池田 亮(ゆうめい) うらじぬの(劇団子供鉅人) 小林義典(クロムモリブデン) 小松大二郎(ゆうめい) 鈴鹿通儀(中野成樹+フランケンズ) 田中祐希(ゆうめい) 日坂春奈 細谷貴宏(ばけもの) 間野律子(東京デスロック)
<常勤研究員> 洪 雄大(中野成樹+フランケンズ) 森谷ふみ(ニッポンの河川)
江間みずき(キトキト企画) 田原靖子(カムカムミニキーナ) 長南洸生(悪い芝居) 津賀保乃(天才劇団バカバッカ) 中藤 奨(青年団) NIWA(みひょん市)
<日替り出勤研究員> 大石将弘〔21日〕 石倉来輝〔21日〕 板橋駿谷(ロロ)〔18日〕 伊東沙保〔17日〕 今村圭佑(Mrs.fictions)〔18日、19日、20日、21日〕 上田 遥(ハイバイ)〔18日〕 亀島一徳(ロロ)〔18日〕 川田 希〔17日〕 斎藤淳子(中野成樹+フランケンズ)〔18日、20日、21日〕 佐藤真弓(猫のホテル)〔17日〕 澤田慎司(FUKAIPRODUCE羽衣)〔20日、21日〕 多賀麻美(青年団)〔19日、20日〕 名児耶ゆり〔17日〕 南波 圭(なんばしすたーず/青年団)〔18日、19日、20日、21日〕 野上絹代(快快/三月企画)〔19日〕 日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)〔20日、21日〕 平塚直隆(オイスターズ)〔19日〕 福井 夏(柿喰う客)〔17日、21日〕 町田水城(はえぎわ)〔18日〕 村上 航(猫のホテル)〔17日〕 森下 亮(クロムモリブデン)〔20日、21日〕 森田真和〔18日〕 山内健司(青年団)〔18日、21日〕 山崎洋平(江古田のガールズ)〔19日、20日、21日〕
門田寛生(三条会)〔17日、18日、19日、20日〕 亀田梨紗〔17日、18日〕 土肥麻衣子〔18日、20日、21日〕 山森大輔(文学座)〔17日、19日、20日、21日〕
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◆ツアー型スイッチ 「点在型スイッチ」とは異なりスタートとゴールが存在する。観客は、4〜5人1組・3分間隔で出発。地図や道しるべを頼りに定められたルートを進む。ルート上に置かれた全てのスイッチは「ある世界感」に貫かれており、少人数で場の魅力と物語世界を堪能する事ができる。“きもだめし” のようなその参加形態から、ホラー風味を纏っている作風が多いが実際は失笑上等。真の恐怖は存在せず愉快な緊張感を楽しめる。はず。
◆アンスティチュ・フランセ東京 フランス政府公式の語学学校・文化センター。1952年に東京日仏学院として創立。ル・コルビュジエ門下の建築家、坂倉準三が校舎を設計。映画館や図書館を併設し文化芸術イベントを多数開催。スイッチ総研は今春の「哲学の夕べ」に招聘され作品を上演した。 http://www.institutfrancais.jp/tokyo/
【お問い合わせ】 スイッチ総研 070-1537-5896 switchsouken★gmail.com(☆→@)
【宣伝美術】 天野史朗
【協力】 アンスティチュ・フランセ東京
【企画・製作】 スイッチ総研(光瀬指絵、大石将弘、山本雅幸、半澤裕彦)
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