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#コンパクトな子供部屋
ashi-yuri · 1 month
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スイスで見た博物館・美術館 備忘録
栄華で罪深い過去と共に。
いろんなヨーロッパ絵画や歴史的史料を見るなかで、少しだけヨーロッパやスイスのイメージが具体的になってよかったな。
ぜんぶ素人の適当な感想なので、気軽な旅行気分で流し読みしていただければ幸いです。
ラ・ショー・ドゥ・フォン
時計博物館
Lorelei and the Laser Eyesに出てきそうな大きく複雑で謎めいた時計がたくさん見られて楽しかった。歴史的な展示もされていて、最初は日時計・砂時計から始まるのだけれど、最後正確性を求めるうちに、メカメカしい原子時計までいくのが面白かった。
時を、航路を、労働を、計り刻む合理性の象徴としての時計。
写真は複雑なアナログ時計と精密な原子時計。
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ヌーシャテル
美術・歴史博物館
地域のちょっとした歴史資料館見るのが好きなので。トラベルパスという共通観光チケットがあれば無料で見られるのも気軽でよい。(多くの博物館・美術館も同様)
小規模だけれど、全体的にまじめに作られていて好印象。精巧な自動人形が見られたのも楽しかった。緻密な絵を描いてくれる!
建物も立派。スイスは町中に豪華で立派で石造りの重い建物がずっとのこっている。
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「植民地主義者の銅像をどうしますか?私たちは公共の場で何を、どのように覚えておきたいのでしょうか?」
印象的だったのは、地域の名士の銅像をどうすべきかという展示。ヌーシャテル中心部に立っている町の発展に寄与した名士は、実は奴隷貿易や三角貿易で富を得た人物であり、現代において彼を称える銅像が町にあるのは是か非か、市民はどう考えるのかという展示。地域の歴史紹介や美術家や歴史家など専門家のオピニオンビデオ、市民への公開アンケートなどを用いて多角的に議論の素材を提供する。正解はないけど、とりあえずみんなで過去を踏まえて考えて議論して、今後決めていこうというスタンス。
過去の他地域への搾取とそこから得た富・美を現在どう扱うべきかというテーマは、このちいさな地域の郷土資料館をはじめ、後述するようにほかの美術館当でも見られて、スイスやヨーロッパ全体での時流でもあるのかもしれない。
ベルン
パウル・クレー・センター
クレーの作品は今まで散発的に見たことあるだけでそんなに興味なかったのだけれど、作品をまとめて見られて、なんとなくよさがわかってよかった。作品保護の観点から、展示点数は規模のわりに少なめ。
限られた二次元の色と線という手法でいかに現実を描きうるかという自由で多様な実験みたいな作品が楽しい。絵単体というより、そのいろんな試みが自分には興味深かった。
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晩年の、勢いを増すナチス・ドイツの勢力から逃れて故郷ベルンに戻ったのち、なぜか線と色に迷いが消え、寡黙で内省的で象徴性を増していくなぞめいた作品群が個人的には好みだった。
ローザンヌ
リュミエーヌ宮・自然博物館
たまたま休憩に立ち寄った立派な旧宮殿内に、無料で市民開放されている博物館があったので。
おおきなマンモスの化石があった!ほかにもたくさんの剥製(絶滅種も含む)や鉱物・化石が展示されていて、時間なくてゆっくり見て回れなかったけれど、思いがけず充実した展示があり楽しかった。ここも建物が古くて立派。
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チューリッヒ
チューリッヒ美術館
中世から現代美術までいろいろなヨーロッパの美術作品がたくさん集まっている。自分の精神は近代で止まったままなので、いろいろな近代絵画が間近で見られてうれしかった。ほかの美術館等と違いトラベルパスは対象外で、別途入館料が必要なので要注意。
マグリットやキリコやフランシス・ベーコンの作品が近くで見られる!やった!!
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ムンクのこの絵も、線と色合いの構成がしっかりしたふつうの風景画だけれど、見てるとつらくなってくるような感じがあってよかった。
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現代美術
バングラデシュ・ダッカ出身の非営利コレクティブが作ったインスタレーションがよかった。少しだけダッカという地域と縁があったので。
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急速な経済発展と社会の変化、押し寄せるたくさんの海外資本・商品・文化と市場社会、そのなかで抱える戸惑いや経済発展への期待や先進国への不信感。作品で表された、現地産業であるニットで編まれたキャンベル缶や粗末な屋台に並ぶたくさんの商品≒危険物のなかに、わずかに知っていたバングラデシュに住む彼らの思いを、芸術作品を通して改めて知れたようでよかったと思う。
デモによる政権交代後、みんなどうなるのかな。無事であるといいのだけれど。
ジャコメッティ作品
スイス出身の作家ということで、こちらも今まであまりよくわからなかった人なのだけれど、この機会にまとめて作品を見ることができてすごくよかった。人間性の衰弱と危機のなかでの抗い、というモダニズムなテーマよかったな。フランシス・ベーコンや河原温とかもそうだけど、モダニズムのなかで人体の徹底的な解体と再構成を描こうとする作品が好きなのかもしれない。
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存在だけ再構成されたよろよろしてる犬。かわいいね。
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企画展
チューリッヒ美術館のコレクションに多大な貢献をした武器商人「Sammlung Emil Bührle氏」の所蔵コレクションの今後の在り方について問うもの。
戦争という場を利用し、武器の販売で得た多額の富により築かれたコレクション。ここに飾られる絵画の額のすべてには「Sammlung E.G. Bührle」と刻印がされている。モネのきれいな睡蓮などもこの額に囲われ、周辺情報が気になって作品単体の鑑賞が難しい展示。
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なお、ほんの一部にナチス・ドイツがユダヤ人から押収した作品も含まれており、こちらについては返還手続きを進めており、展示不可となっているとのこと。
だから作品すべての来歴を明らかにし、それはQRコードで開示されている。展示自体がこれらの周辺情報含めて、たくさんの犠牲とそこから得た利益という過去のうえに築かれたコレクションをどう維持し、どういう文脈とともに展示していくか問題提起し、議論するための場となっている。
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非常に難しい問いかけであり、自分にはどういう方向性に進むのがいいのかわからないし、作品鑑賞の場としては周辺情報が多すぎるし、けれど無視できない・そうすべきでない問題なのもわかる。過去からは逃れられないけれど、いつか作品そのものをちゃんと鑑賞できる環境が整えられる日が来るんだろうか。
日本では、国立近代博物館の戦争画展示や藤井光氏の展示などが、自分が知っている中では社会的・歴史的経緯に取りまかれる芸術と展示の問題を取り扱っていて、たまに気になって見に行く。
(チューリッヒ美術館まとめ)
いろんなお金と美術と考えが集まる場所なので、ものすごく駆け足に1時間半で見たら大変でした!
ジュネーブ
ルソーの像・ルソーと文学の家
ルソーの諧謔と矛盾に満ちた「孤独な散歩者の夢想」が好きなので、ルソー詣でをしてきた。
家のほうはふつうに1Fでカフェを営業していたのが意外。テーマごとにおしゃれでコンパクトな展示となっていて、日本語ガイドのレンタルもありで見やすい。「孤独な散歩者の夢想」展示が見られたので満足!
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国際宗教改革博物館
小ぶりな建物ながら、展示はきれいで整理され、非常に充実・意欲的な内容でよかったな。特設Wi-Fiで接続できるホームページから多言語対応されていて、しっかり翻訳された日本語で見やすく展示解説が読めるのも、ちゃんと説明しようというやる気を感じた。
当然プロテスタントの視点からの展示だけれど、あまり宗派に偏らず、比較的フラットに解説されている印象(自分がキリスト教に不明のためわからないだけかもしれないけれど)
聖書がラテン語からドイツ語・フランス語・英語に翻訳されることで、書物が権力関係を変え、そして社会が変わっていったことを、当時の書物を通して少しだけ思いを馳せることができるようでよかった。
写真はラテン語から英語やドイツ語など様々な言語に翻訳された、宗教改革当時の聖書。
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ジュネーブに滞在し、宗教改革で大きな役割を果たしたカルヴァンについては、偶像崇拝を厳しく禁じていたため、彼が使ったといわれてるコップしか遺物が残ってなくて、それが展示されているのがおもしろかった。
宗教改革でよりモダンな形に切り替わったキリスト教が商業主義・物質主義に取り込まれていくこと、女性や疎外された人々がプロテスタントの教義について議論する演劇をもとにした映像作品、そして今日的な「プロテスト」の在り方など、意欲的な展示構成も見ていて楽しかった。時間の都合上、駆け足でしか見られなくて残念。
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ざっくりまとめ
海外でもGoogle翻訳のカメラ機能で展示解説をおおむね読むことができるので本当に助かる。ホームページやガイド端末で日本語含めた多言語対応しているところも意外とあった。
自分が行った場所はどこに行っても古く重い石造りの建物が残っていて、重く逃れられない過去のなかにずっといるようで印象的だった。
小さいけれど、伝えたいことがちゃんとあって、資料の保存や展示の意義を問い続けるような博物館・資料館は、国内外問わず見ごたえあっていいなと思う。大きな美術館や公設の資料館とかもそれぞれ姿勢に違いがあって、いろいろ見られて勉強になった。
最後にいい感じの湖の写真で終わります。湖は最高。
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aa-labo · 2 years
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おはようございます。 木賀の家|愛知県江南市 ダイニング奥の階段から2階へ。 廊下の左側にコンパクトな寝室を、右側に子供部屋を配置しています。 #DJの家 #ラワン合板 #青木昌則 @mojaoki #青木昌則建築研究所 #マイホーム #新築一戸建て #注文住宅 #新築 #家づくり #建築家 #建築家と建てる家 #建築士とつくる家 #設計事務所 #設計事務所愛知 #設計事務所岐阜 #設計事務所三重 #建築士 #建築 #設計 #住宅設計 #木の家 #シンプルモダン #無垢材 #自然素材 #丁寧な暮らし https://www.instagram.com/p/Cn0JASeSxeN/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shopsanx1 · 20 hours
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サンエックスネットショップで、サンエックスキャラクターの愛らしいぷにぷに缶バッジを見つけよう!
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サンエックスは、心温まるキャラクターを生み出し、世界中に笑顔を届ける先駆者です。リラックマやすみっコぐらし、遊び心あふれるたれぱんだなど、サンエックスのキャラクターは、かわいらしさと魅力で多くのファンを惹きつけてきました。サンエックスの世界観を表現する新しいグッズを集めることは、ファンにとって比類ない喜びです。最近登場した商品として、コレクター必見のアイテムであるぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)が、サンエックスオールスターズの商品ラインに加わりました。
本記事では、サンエックスオールスターズの世界を深掘りし、商品やファンを魅了するキャラクターたちを紹介します。そして、ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)の特別な魅力に迫り、なぜファンにとってすぐに人気アイテムとなったのかをご紹介します。
サンエックスオールスターズの概要
サンエックスのキャラクターは、ただのかわいい顔だけではなく、それぞれに個性や物語があり、幅広い年齢層に共感されています。サンエックスオールスターズ商品一覧には、ぬいぐるみやステーショナリー、キーホルダー、アパレル、アクセサリーなど、さまざまなグッズがラインナップされています。リラックマなどの代表的なキャラクターから、いしようわちゃんのような少しマイナーなキャラクターまで、それぞれのファン層を持っています。
サンエックスオールスターズ商品一覧には、コレクターやファンに人気のアイテムが豊富に揃っています。人気商品にはぬいぐるみやホームデコ、キーホルダー、ノート、そしてユニークなアイテムとしてぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)があります。
缶バッジとは?
缶バッジは、日本で人気のあるコレクタブルの一種です。通常、キャラクターのイラストが描かれた丸い金属製のバッジで、バッグやジャケット、帽子など、ピンで取り付けられる場所に付けることができます。ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)は、普通の缶バッジとは違い、柔らかくてぷにぷにした触感が特徴で、視覚的にも触覚的にも楽しめるデザインが魅力です。
ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)の魅力
ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)は、普通の缶バッジとは一線を画しています。柔らかく、触るとぷにぷにした感触が楽しめるこのバッジは、持ち歩くにも、コレクションするにも楽しいアクセサリーです。サンエックスオールスターズ商品一覧の人気キャラクターが描かれており、それぞれのバッジには鮮やかで高品質なイラストが施されています。
ぷにぷに缶バッジが特別な理由
ユニークな触感: 従来の金属製缶バッジとは異なり、ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)は、触って楽しい柔らかい素材で作られています。この特徴が、視覚的にも触覚的にも魅力的なコレクションアイテムとして際立たせています。
多彩なキャラクター選択: サンエックスオールスターズのキャラクターたちがバッジに描かれており、リラックマ、すみっコぐらし、コリラックマ、たれぱんだなど、幅広いラインナップがあります。メジャーなキャラクターが好きな人も、センチメンタルサーカスのようなファンタジー系のキャラクターが好きな人も、きっとお気に入りが見つかるでしょう。
携帯しやすく、飾りやすい: このバッジは、バッグや帽子に付けたり、壁に飾ったりと、さまざまな方法で活用できます。そのコンパクトなサイズと軽量なデザインが、持ち運びやすさと使い勝手の良さを提供します。
コレクター向け: 多くのキャラクターが描かれているため、全種類集めることがファンにとって楽しい目標となります。ぷにぷにした感触が、コレクションする楽しさをさらに高めてくれます。
ぷにぷに缶バッジに登場するサンエックスキャラクター
ここでは、ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)に登場する人気のサンエックスオールスターズキャラクターを紹介します。
1. リラックマ
サンエックスの代表的なキャラクターであるリラックマは、くつろぐことが大好きなクマのような存在で、お菓子を食べながらのんびり過ごすことを好みます。リラックマのゆったりとした性格は、忙しい世界でのリラックスの重要性を伝えており、ファンに大きく共感されています。リラックマが描かれたバッジは、リラックマファンにとって絶対に見逃せないアイテムです。
2. コリラックマ
コリラックマは、リラックマのいたずら好きで活発な相棒です。リラックマがのんびりしている一方で、コリラックマはよくイタズラをしたり冒険に出かけたりしています。もっとエネルギッシュなキャラクターが好きな人には、コリラックマのバージョンのぷにぷに缶バッジがぴったりです。
3. すみっコぐらし
すみっコぐらしのキャラクターたちは、恥ずかしがり屋で、部屋の隅にいることを好む、ちょっと変わった動物たちです。主要キャラクターには、恥ずかしがり屋のシロクマ、不安定なペンギン?、そして内気なネコがいます。すみっコぐらしファンは、これらのキャラクターが描かれたぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)に大喜びすることでしょう。
4. たれぱんだ
たれぱんだは、サンエックスオールスターズの中でも初期のキャラクターのひとつで、その独特なだらんとした外見が特徴です。このクラシックなキャラクターを愛するファンには、たれぱんだが描かれた柔らかくて抱きしめたくなるような缶バッジが魅力的です。
5. センチメンタルサーカス
もう少し幻想的なキャラクターが好きな人には、センチメンタルサーカスの放棄されたおもちゃたちが集まり、魔法のサーカスを繰り広げるキャラクターたちがいます。美しいデザインのこれらのキャラクターは、よりファンタジーな物語を楽しむファンに人気があり、ぷにぷに缶バッジに登場することで、その魅力がさらに引き立ちます。
ぷにぷに缶バッジの使い方
ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)は、ただコレクションとして飾るだけでなく、実際に使用することができます。ここでは、日常生活に取り入れるいくつかのクリエイティブな方法をご紹介します。
バックパックに付ける: お気に入りのバッグに付けて、あなたの個性を表現しましょう。キャラクターが一緒にいることで、毎日の通学や通勤がもっと楽しくなります。
洋服やアクセサリーとして使用: ジャケットや帽子に缶バッジを付けることで、ファッションのアクセントになります。ぷにぷにした感触があるため、触れて楽しむこともできます。
部屋に飾る: 缶バッジを壁やボードに飾ることで、インテリアの一部として楽しむこともできます。お気に入りのキャラクターが並ぶ様子は、部屋に温かさと楽しい雰囲気をもたらします。
まとめ
サンエックスのキャラクターたちは、世界中のファンに愛され続けています。そして、ぷにぷに缶バッジ(サンエックスキャラクター)は、視覚的にも触覚的にも楽しめるユニークなアイテムとして、サンエックスファンに新たな楽しみを提供しています。コレクターとして全種類集める楽しさや、日常生活に取り入れて使う楽しさを、ぜひ体���してみてください。
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catonoire · 17 days
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「昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界」展
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泉屋博古館東京で「昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界」展を見る。陶芸家の板谷波山を父に持つモザイク作家の作品を概観できる展覧会である。
父の波山は相当の完璧主義だったらしく、仕事場には失敗作を砕いた破片が散らばっていたという。しかし梅樹はその陶片の美しさに魅せられて陶片を活かしたモザイク画を志したとのこと。陶片の活用法としてこれ以上のものはなかなかない気がする。ただしモザイク画家として作品を制作するにあたっては陶片の入手は容易ではなく、タイルの釉の部分を薄く割いて使うことが多かった由。
美術館のホールには、現存する梅樹作品の中で最大の「三井用水取入所風景」が展示されており、ここだけ撮影可能だった。
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近代水道発祥の地・横浜市が1953年に梅樹に依頼したもので、富士山から横浜へと続く清冽な水の流れを、用水取入所の近代建築が見える風景とともに表現したモザイク画である。四隅には横浜市の徽章も配置されている。完成後、日展に出展したのち横浜市水道局に納められた。依頼当時の横浜市長は波山の支援者だったそうで、その縁もあって梅樹に依頼する運びとなったのかもしれない。1987年から2021年まで横浜水道記念館のロビーを飾っていたが、記念館の閉館にともない板谷波山記念館へ寄贈された。この中に描かれた用水取入所は、現在は津久井湖の底に沈んでいるという。
さて、最初の展示室に入ると、旧日本劇場にあった巨大なモザイク画の記録がまず目に入る。音楽、舞踏、戦争、平和をテーマにした4つの画で構成され、これは梅樹が陶片で作った作品の代表例であるとのこと。その詳しい運命は別室で上映されているビデオで知ることができるが、基本的にかなり気の毒な末路をたどり、最終的には2000年に処分されてしまった由。美術品や資料などの保存や維持管理の難しさについて考えさせられる。
ほかにも失われてしまった作品は数多くあるようで、たとえば邸宅のインテリアとして作られたステンドグラスやモザイク壁画などがその例である。かろうじて写真で残っているものから往時をしのぶほかない。
それに対して飾皿などはそれなりに残っているようで、保存状態の良さそうなものが何点も展示されていた。明るい色やコントラストのはっきりした色遣いが目を引くが、同系色の濃淡の使いかたがさりげなく上手い。そのおかげで色がのっぺり見えたりせず、平板な印象にならない。
また、波山の砕いた陶片や、梅樹がモザイクに使った素材の欠片なども展示されていて、梅樹が魅せられたという陶片の美の一端を感じることができる。
次の展示室には梅樹の手がけた日常の品が並ぶ。煙草を入れる箱、灰皿、ベルトのバックル、ネックレス、ブローチ、帯留などである。波山が作った台座に梅樹の作ったシェードを取り付けたランプもあった。服飾品は、和装がモダンになったり洋装が広まったりした昭和20年代の変化に合わせて作られ、銀座の和光などで売られていたそう。
第3の展示室は板谷波山の陶芸作品の紹介。代表的な大作から小品まで、コンパクトにまとまっている。個人的には波山が得意としたらしいソフトマットな質感の作品が(自分の陶磁器の好みからは外れるが、技量は間違いなく高いであろうという意味で)印象に残った。また、飾るためでなく実用に供するための茶道具類、たとえば天目茶碗や青磁の水差もなかなか感じが良かったと思う。なお、波山の妻の作品と長男の作品も展示されていたが、波山作品の卓越ぶりを強調する引き立て役のように見えてしまった。
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最後の小さな展示室には住友コレクションの茶道具類が並んでいた。茶入の中に「芋の子」とキャプションが付いているものがあり(形からするとおそらく里芋)、茶道はあまり好きではないけどこういう諧謔は悪くないなと思った。
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shukiiflog · 11 months
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ある画家の手記if 佐伯岬/春輝視点 告白
わたしを見つけて
佐伯岬:
光は人が好きだった。
妻の昴が持病の具合がよくなくて光を見ていられない日、僕は仕事で行くパーティに幼い光を抱えて連れていった。 子供用のかわいいドレスを着せて、髪の毛は僕が編んだ。 会場に着くと光はすぐに僕の腕から降りて、会場をとことこ歩き回り、途中から靴擦れで足が痛くなったのか靴を脱いで裸足になって、あちこちの人に笑顔でシャンパンや花を配って回った。途中でパーティの主催者に光にそういうことをさせてもいいかと聞かれて、僕も了承した。 接してくれる誰もが光を笑顔で可愛がり、あたたかく迎えてくれた。 しょっちゅう誰かにお菓子か何かをもらっては、遠目に見ている僕のところへ光はいちいち走って戻ってきて「もらった」といって僕にもらったものを一つずつ丁寧に見せてくれた。 「おとうさんがもってて。たべてもいいよ。これとこれはたべちゃだめ」光に荷物持ちにされて細かく指示を受ける。 「はい。いってらっしゃい」笑顔で受け取って光を送り出す。昴に似てとてもかわいい。僕がそういうといつも周囲は「いや、お前に似てる」と返してきた。そうかな? そういう場で春輝とも出会った。光に声をかけられた春輝はまだ学生だった。春輝も親に連れられて来場していた。
昴が病気で寝込むことが多い以上、お手伝いさんを雇ったりするべきだったのだろうけど、そこまでのお金がなかった。なんとか僕が仕事を調整すれば光のことは見ていられたし、家事はもともと僕が好んでしていたから、うちは僕と昴と光の三人家族だった。 それより以前は存命だった僕の父も一緒に暮らしていたけれど、影で光によくない悪戯をしようとしているのに気付いてからは父には出ていってもらい、そのまま親子の縁を切った。 僕はそれ以来、ほとんど勘当されたも同然の身になり、莫大な財産に支えられた生活は終わった。 その後は父ではなく僕個人と繋がった人脈でなんとか仕事を続けて稼いでいた。培った仕事の要領でそれなりの年収はあったものの、昴の医療費にかなりの額を確保しておく必要があったため、暮らし向きはどこにでもある中流家庭の域を出るものではなかった。 その点では財産を丸々失ってしまうため昴には申し訳ないことになると思ったが、僕が昴に事情を話すと、昴から言い出してくれたのだった。 「私たちが出ていくか、お義父さんに出ていってもらいましょう」
僕一人にえらく負担がかかっているように周囲からは見えたようだったけれど、光の面倒を見る時間は僕には癒しだった。 光は僕のいない時間は昴の寝ている布団のまわりで転がりながら、折り紙をしたり絵を描いたり本を読んだりして過ごし、昴は体調のいい日には光と一緒にそういうことをしたり、もっと難しい折り紙や一人遊びを教えたり、本を読み聞かせたりしていた。
僕は仕事から帰ってくると昴の寝ている部屋に顔を出す。光がいない。「光はどこかな?」「さぁ、岬さんの車が帰ってくる音が聞こえたら急にどこかに行ってしまって…」 これが僕と光の日課だった。 僕が帰ってくる気配がすると光は家の中のどこかへ隠れる。僕が光の名前を呼びながら家中を探し回る。 光は運動神経もいい上に極端に体の小さな子だったから、思いがけない場所によく隠れていて、真剣に探しても見つけるのはなかなか簡単ではなかった。 光の隠れ方もたまに巧妙に裏をつくようなものだったりして、洗濯籠に洗濯物に埋まって隠れている光の上から脱いだ服を気づかず僕は投げ入れていたり、帰ってきて無造作に放っていたままのコートの下に隠れていた光を危うく踏みつけそうになったり。 足場もない高い箪笥と天井の隙間の影にいたり、戸棚を一つずつ全部開けたらその中の一つに実にうまく体を曲げてコンパクトに手足を折りたたんでおさまっていたりした。 賢いのか天然なのか、とにかくいつも光は何事にも真剣で一生懸命に取り組んでいた。 ある時は隠れるためにあまりに高い場所に登ったせいで一人で降りられなくなって、いつまでも僕が見つけられずにいると光が僕を細い声で呼んだ。僕は笑って梯子を持ってきて光を抱えて床に降ろした。 それでもやっぱり子供だから簡単に見つけられる日もあった。けれど僕は見つけられないふりをしてしばらくの時間、家をわざとうろうろした。 「光はどこいったのかな?」「隠れるのが上手だね」「大人の僕でもこれはとても見つけられない」「光は賢いなぁ」そんなことを隠れているつもりの光に笑顔で言いながら。
どんな些細なことでも、光に一つでも多くの成功体験を積ませるため、僕は光をいつも褒めた。 この子が人を好きになってくれたら。 屈託なく誰にでも心から笑えて、人の善性を信じ尊んで大事にするように育ってくれたら。 もちろんいつまでもそれだけではいけない、けれどこの年齢ならまだ子供を守るのは僕や昴や大人の役目だ。先に信じることを、疑うことは後からいくらでも身につけられる。この世界への安心感と揺るぎない信頼をまず光にあげたかった。 光は僕と昴の愛情に育まれて、天真爛漫で素直な素晴らしい子に育ったし、僕も昴もそんな光の成長に日々を支えられていた。
ある日を境に、僕は光をパーティに連れていくことをやめた。光は行きたがったけれど、もう二度と同じような思いはしたくなかった。 パーティ会場で幼い光に多くの人が善意でお菓子やかわいいキーホルダーや着けているアクセサリーをくれた。光はいつも僕にそれを渡していって、中にあまりに高額そうなものが混じっていたら僕が帰り際に主催者に持ち主に返してくれるよう頼んで預けて帰った。 ある日、光が僕に渡したその中にコンドームの箱が一つ混じっていたのだ。誰が光にこれを渡したのかは結局分からずじまいだったものの、あまりの不快感と吐き気で僕はすぐに光を連れて帰って、二度とそういう場所へは連れていかなかった。
光が平均的な子供より可愛らしい容姿をしていることは親の欲目を捨てても理解できていた。 子供服のモデルのスカウトや、テレビでちょっとした子役に出してみないかという話がよく人づてにきたが、僕はそれらをすべて断ったし光にも教えなかった。 なんであれ子供に自分で金を稼がせることは慎重にしっかりした教育下で少額から少しずつ経験させていかなければいけない。労働や消費対象になることなども含めて、どんなに条件のいい話でも僕には許容できなかった。
光は、止むを得ず僕がほんのすこし目を離したタイミングで、誘拐されかけたり連れ去られそうになったりしていた。そのすべてを僕が間一髪で防いではいたものの、そういうことは光が成長するにつれて頻度を増した。まだ裁判沙汰にまで至らないし、すべて相手に逃走されて終わっていたとはいえ、僕にとってはすべて重大なただならぬことだった。
光にとってもどこかでストレス要因になって積もり積もったものがあったのか、それともまったく別の何かからなのか、光は自分の指や爪を噛んで、ちぎったり皮を剥がしてしまうようになった。 指先が血みどろになっても光はやめなかった。 とめる間もなくすぐに癖付いてしまった自傷をなんとかしようと、僕は空いた時間に光を抱きかかえて優しく揺らしながら家の中を毎日散歩した。 光は静かに揺られながら僕の首筋の肌に噛みついてじっとしていた。そのうちうとうとして、眠り込んだ光を昴の布団に入れる。 僕の首筋には鬱血した噛み痕が残ったけれど、光の指先に比べればどうというほどのものでもなかった。 なにかを噛んでいると光は安心するようだった。
その頃からすこしずつ、光の問題が浮かび上がってきていた。 知らない人についていってはいけないとか、物をもらってはいけないと言い聞かせても、光はそれを理解できなかったのか、何度も似たようなことを繰り返してしまった。 叱らずによく話を聞いたが、総じて光は加害者を「やさしくていいひとだった」というふうに屈託なく笑顔でそう評した。 僕が、育て方を致命的に誤ってしまったのか。悩んだ末に、光に危険な存在や行為や悪意についてそろそろしっかり教えなければと思った。光は人の言うことをいつだって真剣に聞くし、僕のことを誰より信頼している。根気強く教えればいい。 もし光にそれらを理解できない何か重大な問題があるのならそのように接して、光が生きていく環境を僕がある程度整えなくてはいけない。 酷いことが起きないように僕が目を光らせながら、僕がいつか居なくなっても光が生きていけるように、信頼できる伴侶や守ってくれる存在を見つけて、いつか僕からその人たちへ光を託さなければ。 このまま順当にいけば僕の方が光より先に死ぬことは明らかなのだから。
***
佐伯春輝:
岬さんが出張先の海外で起きたテロに巻き込まれて亡くなって、僕は遺された昴さんと結婚した。昴さんはまだ若いけれど僕よりはずっと歳上だった。 僕には岬が一人でなんとか仕事をして稼いで暮らしているのが理解できなかった。勘当されたとかいう話は聞いたけれど、なんでそんなことになったのか、光もいて、昴さんの医療費もあるんだし、佐伯の実家に頼るのが一番だろうに。 そう思って、結婚してすぐに僕は絶縁状態になっていた佐伯家へ出向いて、資金援助と和解を申し出た。 岬は不利な要素を抱えても一人で中流家庭並みの暮らしを実現させていたけど、僕はまだ若いし、とても岬の真似事はできなかったから。 そうして僕は佐伯の家の跡継ぎになった。一人息子の岬に去られて佐伯家は今後どうするかで揺れていたから、僕の申し出は歓迎された。ただやっぱり僕は頼りなかったのか、佐伯の家から受け入れられている感じはしなかった。 僕はすこし気が弱いし、あまり自分に自信もないし、自分でもこれからどうしようか途方にくれることが多かった。 それで僕は光を使うことにした。 幼い頃に僕にパーティ会場で花をくれた。初対面から光は僕に好意的だった。 僕は光に家でも人前でも僕を「お父さん」と呼ぶよ���に言いつけた。光は断固としてそれを拒否し続けていたけど、一度ベッドに無理やり連れ込んだら以降はおとなしく言うことを聞くようになった。 それでも光は「おかあさんのお部屋にいたい」と言ってしつこかった。実際、昴さんは岬を亡くしてから持病を拗らせていたし、光はそんな母親のそばについていたかったのだろうが、僕はそれを許さなかった。 僕の目を盗んで母親の部屋にいた光を抱えて連れ出し、「そんなにべったり一緒にいたらお前にも病気がうつってしまうよ、昴さんはそれを望むかな?」と説いた。 それから光は遠くの廊下から母親のいる部屋を毎日じっと見つめているだけになった。 それから一度も昴さんと光は会えないまま、昴さんはあっけなく亡くなった。 家には僕と光だけになった。
光はその頃まだ小学生だったけれど、成人女性の色気とも種類の違う独特の色気のようなものを発していた。 子供にしても未発達な印象のあどけない童顔、黒くて艶めいた長くて太い睫毛で常にアイラインを引いてるような目元、小さな口や鼻、すこし厚めの唇。 頭、顔、肩幅、手、足、耳、爪、すべて規格外に小さい。すべて小さいのでバランスにあまり違和がない。 全身痩せ型で細いが、とくに手首と足首が折れそうなほど細い。 全体的な雰囲気は岬と似ていた。 生前の岬も、光はつけ狙われやすいと友人に相談していたそうだ。そういう子なんだろう。 僕を誘ったのは光の方だと思っている。意識的なのか無意識なのかは知らないけれど。光の体には毒がある。 僕はその毒にあたったのだ。 岬が死んでから光はほとんど眠れなくなっていた。夜の間は僕が遊び相手になった。 光の体は感度が良くてすぐ濡れるからいつも大した準備なんてしなくてもすんなり僕のことを受け入れたし、光もおとなしかった。佐伯の人間で僕を受け入れてくれるのは光だけだった。 同時期から光は食事を嫌がるようになった。匂いが強いとか味が濃いとか、食材も味付けも以前と変わらないのに急にわがままを言いだすようになった。なら食べなくていいと言ったら、光は本当に食べずにどんどん痩せ細ってしまった。 医師からは拒食症だと言われた。なにか心的外傷になるような出来事があったか尋ねられたので、僕は岬と昴さんの死について語った。
僕は光を義務教育期間だけ学校に在籍させていた。高卒や大卒の履歴などこの子に必要ないだろう。 医師の診断書を偽造して、母親と同じ病気であるとあちこちに触れ回った。 それで光はむやみに外出もできなくなった。 妙に本質を突くような聡いところがあるかと思えばこんな僕の言うことを簡単に鵜呑みにしてしまう、どうにも愚かな子だった。 ただ何かの拍子に光は僕の目をじっとただ黙って見た。子供らしく床に転がってお絵かきをしたり本を読んでいる姿勢で止まって、そこにやってきた僕の目を、じっと。いつものように笑ってもいない、無表情に近いけれどはっきりと意思を宿した大きな瞳が、黒くて長いまつ毛に縁どられてただ僕を凝視していた。光はそういうとき一言もなにも言わなかった。
人形かなにかのようだ。意思があるように見えるだけで僕の内面を反映しているだけ。人の形をしているし、いかにも人間らしいけれど、それだけだ。 そのたびに、僕のことなどすべて見通されているように感じて、怖くなった。脅かされているのは、僕のほうだ。
そういうふとしたとき以外は、光は天真爛漫なかわいい子だった。 岬が死んで以来、身長や体重が変化せず、成長がぴったり止まったようになっていたし、光には第二次性徴が訪れず、月経も始まらなかった。そういう体質なのかもしれないと思って放っておいた。 何より光の成長が止まったことは偽りの病気にもっともらしいぱっと見でわかる事実としての身体的異常を付け加えてくれた。 僕は光に言った。 「こんなに背が小さいのも初潮がこないのも、病気の影響だよ。この歳でこんなに背が低いなんて昔なら奇形児なんて言われて気味悪がられてるところだ。今でもそういうふうに言ってくる心ない人は外にたくさんいるけれど、光がここにいれば僕が守ってあげられる。お前はきっと一生一人では何もできないだろう。未成熟な醜い子だけれど、僕は光を誰より美しいと信じてるよ。光を愛しているからね」 光は僕の言ったことを、ただ無表情で黙って聞いていた。 僕が喋れば喋るほど光は無表情になって黙って僕を見るだけになったから、怖くてだんだん僕は光とちゃんと会話するのを避けるようになった。
光は保健室登校しながら、ある日突然彼氏だと言って同じくらいの学齢の男子生徒を家に連れてくるようになった。 その度に僕が間に入って、申し訳ないけれどこの子は闘病で手一杯だからと話して無理やり二人を別れさせた。それでも光は性懲りもなく何度も新しい別の彼氏を作った。 ある日、僕は光に聞いた。「どうしてそんなに次々に誰かと付き合うんだ、別れるのだってあんなに簡単に別れるのならどうして付き合おうと思ったんだ」と。 光はこともなげに「付き合いたいって言われたから」だと答えた。それ以上のものはないように見えた。 ますますもって人形じみてきたと感じた。僕の人形だと思っていたけれど、誰の人形にでもなるのか。
僕の中で光への感情が修復不可能なほど屈折していくのが分かったけれど、僕が屈折しているのではなくて光がただ異常なだけであるようにも感じた。両親の死で本当にどこかおかしくなったのかもしれない。 僕は二人だけの家にわざと他人を招いて、光を襲わせた。 光も僕の差し金だと分かっていただろう。勝手に外で恋人を作ってくるような真似をするからだ。相手が欲しいのならいくらでも適当なのをあてがってやる。どうせ大した怪我なんてしないだろう、誰相手にでもすぐ慣れるふしだらな体だ。 そのうち光はそういう連中を相手取ってなのか家のあちこちに隠れるようになった。 光は見つかっては隠れた場所から力尽くで引きずり出されていいように弄ばれた。 あるとき光はひとりごとみたいに空中に向かって呟いた。「かくれんぼは最後に絶対にお父さんが見つけてくれる」 光の中ではまだ隠れているまま、終わっていないという意味か。お父さんとは僕のことじゃなく岬を指しているんだろう。 ちょうどいい。何度でも岬ではない他人に見つかって暴行されて終わるのを繰り返してその拠り所と一緒にめちゃくちゃに踏み躪られればいい。本当に岬はもういないのだから。
以前から光は年齢に似つかわしくない難解な本を好んで読んでいた。 僕にはそれらの内容が理解不能だったし、光はそれらに熱中することで他の自身についての事柄にさらに無頓着になっていたから、僕には都合が良かった。それで邪魔はせず、欲しがる本はすべて買い与えた。 光の本棚はあっという間に埋まって増えていって、一見たいそうな読書家の部屋のようになった。光が読んだ本について僕になにか語ることは一切なかった。
そして時間の止まった家は光を内包するための容量が足りなくなったことを象徴でもするようにその都度必然的な理由で増築されていき、家には巨大な施設群がくっついて光はそっちで過ごすことの方が多くなった。 見栄えも考えてあったが一般客のためのアトラクション的なものではなく、どちらかというと研究者や有識者のための学術的な場だった。プレゼンテーション用のスクリーンが完備されたホールなどがあり、そういう空間がよく学会などの発表の場として活用されていた。 屋内にも緑が多く、建物のあちこちに綺麗に水が通る自然の地形を生かした設計は訪問客にとても好評だった。光はその設計を初めて見たとき「フランク・ロイド・ライトの建築のよう」だとその美的感覚を絶賛していた。僕には光の話すことはよくわからなかった。 たまに光は訪れた有識者とオーナーの娘として知り合いになって気まぐれにしばらく楽しげに話し込み、「研究に興味を持って話を聞いてくれた。聡明な娘さんですね」と僕があとでお世辞を言われることもしばしばだった。 あの子をまだ小学生かその程度だと勘違いして買いかぶったのだろう。実年齢を聞けばきっとバケモノでも見るような顔をするに違いない。
あるとき施設の管理担当が一人の若い男に引き継がれる流れになった。 広くて全体を把握するのも難しいため、何人かの担当者にあちこち区分させて管理を任せていたけれど、その男は突然一人でやってきて簡単に屋内を歩いて巡ったあとで、仕事を一人で引き受けてしまった。 彼は僕と信頼関係を築くための必要最低限の世間話を応接間でしていった程度で、施設の現状の資料を一台のノートパソコンにおさめて帰っていった。定期的に訪れて微調整をすると言っていた。 彼が帰ったあとでよく思い出したら、この施設の初期の設計に携わった数人の建築家のうちの一人が彼だった。会ったのはこれが初めてだった。建設される当時はもっと年配の人間が責任者兼代表として僕に挨拶にきていた。 一人一人の年齢まで把握していなかった、まだあまりに若くて気づけなかったけれど、要は自分の設計した建物がようやく本人の管理下に落ち着いたということなのだろうか。
何より喜ばしかったのは、光がこの男に少しずつ惹かれていったことだ。 光と僕はそういう話はまったくしなかったが、僕から見たって一目瞭然だったし光も隠す気はないようだった。これまで迫られて了承する形でしか恋愛といったものに関われずにきた光が自分の意思で彼に迫るようになった。 それを十分確信したタイミングで僕は彼に光との縁談を持ちかけた。 光が世間的な常識人とうまく関係を築けるはずもない。接したところ彼はそのあたりをよく踏まえた常識的で賢明な人物であるように感じた。結婚してここを出ていこうが、必ず破綻して光がここへ出戻ってくることは明白だ、僕のもとへ。 光自身の無力と絶望的な精神的遅滞とを自分で痛感して、光は一生立ち直れないほどのひどい挫折体験を抱えて帰ってくるだろう。それが光にとっての外界へのイメージになるはずだ。光の中にある外界への憧れを光自身が望んで実行した行動と感情を基にして、折ることができる。 そのためには彼への恋愛感情がより強く揺るぎないものになればなるほどいいだろう。 僕は彼に感謝した。 病気でしかもどうしようもない世間知らずな娘を手厚く扶養する父親として、僕の立場はこれまでなんとかもってきていたのだから。
光視点
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『ぶんぶん』~笑って、驚いて、感動して~
今回の『ブレストぶんぶんクラブ』も、それはそれは楽しい時間でした。
まずは30分ほど時間があると参加してくれた小学生からの質問から始まりました。車大好きなその子から「どんな車に乗りたいですか?」と・・・
運転しやすいコンパクトな車が良いという人、おしゃれな車を選びそうと思う人の答えが「ジープ」だったり、今は生産されていない「マークⅡ」を大事に乗っている人、などなど。
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当の本人は何やら難しい名前の車に乗りたいとのこと。覚えられないその名前をネットで調べたところ「ブガッティのラ・ヴォワチュール・ノワール」という車だと判明。ネットの写真を見て、みんなで「おお!」と感動。それ以外に「リムジン」にも乗りたいとのこと。(そのリムジンも単なる「リムジン」ではなかったのですが覚えられず)しかも「あれは運転する車じゃない。専用の運転手に運転してもらう」とのこと。「なるほど!」そこで「将来お金持ちになって運転手つきのリムジンにみんなを招待して」とお願いしたら、とっても申し訳なさそうに「でも・・・その頃はみんな死んでるかも」と言うので大爆笑!!「大丈夫、120歳くらいまで生きる予定だから、待っているよ」と伝えました。ああ、面白い!
感動したのが、「今の校長先生と前の校長先生をリムジンに招待したい」と言うではありませんか・・・「ああ、校長先生が愛情をかけてくださっているのだ」とじーんと胸がいっぱいになりました。校長先生にお伝えしたいなあ。
また、息子さんが「洗車マニア」だという方のお話も衝撃的でした。車を洗うのは早朝(日が昇る前)。いったん油膜を落とすので、その時に強い日差しがあたると車が傷むからとのこと。いきなり洗剤はつけず、手で泡立ててから洗うとのことで、泡立てる機械の購入を考えたのだけど、泡立てを見学した際に「あの泡では粗すぎる、やっぱり手で泡立てるに限る」という結論になったとか。いやあ、マニアってすごい!
次に「飛行機のファーストクラスに乗ったことがある人の話が聞きたい」ということになって、一人が手を挙げました。それがまた「ファーストクラス」なのに「恐怖の話」のような展開に。なぜかというと、いろんな事情で何の連絡もないまま席が「ファーストクラス」に変更されていた、とのこと。そのために、なぜ搭乗前に他の人たちとは違う部屋に通されるのかもわからず、そのラウンジで提供される飲み物には値段が書いていないので怖くて手が出ず、お母さんとの旅行だったのに、一人ひとりの席が離れすぎていて話が出来ず、食事にもシャンパンをはじめいろんな飲み物が載っているメニュー渡されたけど、やはり値段が書いていないから一番下に書いてあった「お茶」を頼んだ、とのこと。これまたみんなで爆笑!「変更したって言ってよ」という結論でした。
「ぶんぶん」面白いでしょう?
ここでいったん休憩。少し涼しくなったので「豆乳プリン」復活です。
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カラメルの味も絶品で美味しかったです。
さて、次の話題はたまたま誕生日だった人がいたので「誕生日の想い出」に・・・
旦那さんが仕事帰りにお花を買ってきてくれたのだけど、たまたまその時間はおじさんの店員しかいなくて「仏壇に飾る花」のような花束になってしまったと。本人もとってもバツが悪そうに花束を差し出したとのこと。笑ってしまったけれど、ちょっぴりほろり、ともなりました。綺麗な花束贈りたかったろうなあ。
奥さんの誕生日に100本のバラの花束を作ってもらいバスで帰ってきた、という方も・・・「100本!?」とみんな驚愕。しかもバスで帰ってきた?なんという男気。通りすがる人みんな振り返って見ていた、とのこと。そりゃそうですよね。
生まれたのが大寒のあたりで、寒い中で生んでくれたのだなあ、としみじみ思うという方もいました。
誕生日はお祝いされる側にも、お祝いする側にも、また生まれた日にまつわるあれこれにも、たくさんのドラマがありますね。
今回、差し入れを持ってきてくれた方がいました。
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見ての通り、ディズニーランドのお土産だそうです。
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ミッキーの形のおせんべい。
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可愛い!
こんな感じで、最高に楽しい「ぶんぶん」でした。伝わったかしら?
本当に楽しいので、ご都合がつく方はぜひ一度お試しあれ!飛び入り大歓迎です。
10月は都合により第一木曜日の10月5日のみの開催です。17時から成田5丁目会館。お待ちしています!
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projectkozima · 1 year
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小嶋プロジェクト第5回(4/28)
プロジェクトでの情報の収集・共有を簡単に行えるように「miro」を作成した。
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1.収集してきた情報の書き出し・共有 in miro miroを使用して前回共有したそれぞれのビジョンについて調べてきたことを書き出した。
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ゆいは ・シリキウトゥンドゥ、ソアリンの動く絵の仕組みについて ・3Dホログラム (目線の先に速度メーターを表示する技術も一緒?) → 仮想現実と密接 プロジェクターよりも投影される側に技術がある 投影する波長と反射する波長を操作 光の凹凸を利用したギミック 市販されているものもある
あやな ・イマーシブミュージアムの仕組み ・球体の部屋 毎回プログラミングされた映像が自動生成 →スマホの映像を使ってプロトタイプすると手軽でいい ・4DXの仕組み 思ったよりアナログでやってる
りほか ・部屋ごとにモチーフがあるミュージアム(ex.うんこミュージアム → SDGs的な視点も? ・決め事を最初に決めることでストーリーが生み出しやすいのでは 岡崎「車椅子の人用に作られたカフェもあるよね」
はまちゃん ・音を楽しむ展 ・生活に身近な音を利用した展覧会 (ex.せりの時の音声を使って曲を作る)
よしくん ・センサーを活用したインタラクティブ演出 (ex.ユニバの杖を使った演出) ・プロジェクションマッピングの作り方 ・Unity(ゲームなどで使用されるエンジン)を使用して制作 ・Sonyが子供向けでセンサーを活用したモジュール(MESH)を販売している→それを活用すると比較的簡単に制作できるかも? 小嶋さん「toioも似たようなツールあるよ〜」
風間ちゃん ・映像作品で利用されている技術(3DCG・VFX)の仕組み・事例 ・ヒロアカの撮影 YOASOBI「アイドル」
そらちゃん ・認知バイアスの本 ・食べ終わったという行為が満腹感に影響する ・クロスモーダル 岡崎「熱いものを見た後に目隠しして、冷たいものを当てられたら火傷するっていうのあるよね」 ・音象徴 発せられるオノマトペによって人間の動きに変化がある 岡崎「音楽のコードによって受け取る印象が変わるらしいよ」
岡崎 ・ピアノを弾いたら桜が出るあれ →プロジェクターは家庭用 キーボードも標準 ・矛盾 シグニファイア(ex.給水機の色による常識)
2.岡崎による新国立美術館のフィードバック 「愛」をテーマにルーブルの絵画が約80点展示されていた。テーマを決めるのは、プロジェクトでも活用できそう!! スマホのカメラを使って見るとネズミが見える(AR技術) こういうのも体験型インタラクションの一部として面白い!!
3.notionの活用方法について ・イベントスケジュール・カレンダーの管理 ・イベント情報の共有 ・議事録の作成・保存 ・リンク集を作成(miroなどのURLを記載) ・Todoリストで課題の共有 テンプレートを使うと楽 ・使い方 親のページを作って、そこからアクセスできるようにするといい(HPのような感じ)
4.これからいく展示会について 5/5 プラネタリウム(横浜)→ 時間は後日調整
5.次回までの課題 事例・仕組みの調整(他人のものでも可) やりたいことを紹介
感想  今回は、前回出し合ったビジョン・妄想がどのようにして実現できるのかを調べ、共有した。みんなが出してくれた事例や仕組みは割と規模が大きなものばかりだったが、もう少し情報を集めれば自分達の手でも簡単にできるものもあるだろう。特に今回出てきた「ホログラム」のようなものを作るのは、コンパクトなサイズであれば自分でもできそうである。  最初は真似でも規模の小さいものでもよいから、たくさんプロトタイプを作り、自分達の範囲でできそうなものを模索していく必要がありそうだ。
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kei139-line · 1 year
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超音波蚊除けブレスレット 蚊よけリング USB給電式 デジタル時計 歩数計 3段階調節可 子供/大人兼用 150時間使用できます アウトドア 公園 釣り キャンプ CE、KC、ROHS認証 日本語説明書付き[第五世代 2023]
【無毒·無臭·安全】蚊に刺されないようにするには、超音波物理的な蚊忌避剤、安全で健康的、無毒、無放射、無害です。純粋な物理的蚊忌避剤、化学薬品忌避剤がない、より安全で、より環境にやさしく、より確実でより健康的なもの。お年寄り、子供、妊婦、ペットなどに適しています。 【サイズ調節可能·シリコン材質】伸縮性のあるベルトなので、家族で使えます。腕につけたくないなら、足首にかけてもいいし、ベビーカーや部屋にかけてもいいです。シンプルで美しく、コンパクトで持ちやすいので、ファッションアイテムとして最適です。 【3つのモード·操作簡単】待機状態の場合、電源ボタンを押して使用できます。電源をスタートする時は1モード,…
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log2 · 2 years
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【株式会社堀田木工所】のデザイナーズ家具、子供部屋用家具など94点が登録されました!
株式会社堀田木工所は 木製家具の製造販売を手掛ける企業です。アルダー材を主材とした木のぬくもりを大切にした商品を広島で生産しています。
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今回は、デザイナーズ家具、子供部屋用家具など、94点をご登録いただきました。
堀田木工所 Arch-LOG 検索ページ
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【ALLIER:ソファ】 座面をちょっと低めなアリエソファ胡坐もかける深めな座面。 フェザーをたっぷり使い包み込まれるような座り心地が魅力です。 クッションを支えるフレームはアルダー無垢材のみで仕上げています。
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【 ALLIER: ローテーブル】 カウチソファと組み合わせても開閉しやすい側面引出し仕様です。
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【 ALLIER: ローボード】 セーフティーロック機能はレバーを引くだけ簡単に解除できます。
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Neige:学習デスク、パソコンデスクとして家族みんなが使えるデスクです。
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【Carlo:デスク】 シンプルで長く使える奥行45cmのスリムなデスク。 ラックを組み合わせてもコンパクトで作業スペースもしっかりとれます。
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【Carlo:ラック】 A4サイズがぴったり収まる奥行です。 収納するものに合わせて棚板の高さを変えられます。
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アルダーの風合いが心地よい製品揃いです。是非ご確認ください。
堀田木工所 Arch-LOG 検索ページ
※文章中の表現/画像は一部を株式会社堀田木工所のホームページより引用しています。
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aa-labo · 2 years
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おはようございます。 守山の家|愛知県名古屋市 リビング裏の階段からコンパクトな2階へ。 2枚目の2階の廊下の左側に子供部屋が並び、廊下の上が子供部屋のロフトスペースになっています。 【クライアントの声】 Q5.家で気に入っているところはどこですか? A.私はキッチンと、キッチンからリビングの開放的な感じです。天井の梁もとても気に入っています。 主人はウッドデッキも気に入っているようです。 Q6.青木昌則建築研究所に依頼して良かったと思う点はどこですか? A.何よりも青木さんが熱心に、そして丁寧に対応してくれた事です。私たちの漠然とした願いを形にしてくれ、その後の現場でも何度も足を運んでくれたことを考えると、本当に青木さんに頼んで良かったなぁと思います。 #守山の家 #平屋リビング #クライアントの声 #青木昌則建築研究所 #マイホーム #新築一戸建て #注文住宅 #新築 #家づくり #建築家 #建築家と建てる家#建築士とつくる家 #設計事務所 #設計事務所愛知 #設計事務所岐阜 #設計事務所三重 #建築士 #建築 #設計 #住宅設計 #木の家 #シンプルモダン #無垢材 #自然素材 #丁寧な暮らし https://www.instagram.com/p/Cl1_aNXSpio/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shopsanx1 · 22 days
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サンエックスネットショップで見つける最新リラックマ&コリラックマグッズ
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リラックマやその仲間たちが好きなあなたへ!サンエックスの人気キャラクター、リラックマ、コリラックマ、キイロイトリが大好きなファンには、サンエックスネットショップがおすすめです。ここでは、リラックマ関連の商品がたくさん揃っています。今回は、注目の コリラックマぬいぐるみマルチポーチ と、ますます人気の リラックマ最新グッズ について詳しくご紹介します。
リラックマと仲間たちの魅力
まず、商品を紹介する前��、なぜこれらのキャラクターが世界中で愛されているのかを少しお話しましょう。ジッパー付きの背中を持つリラックマ、そして、いたずら好きな白いクマのコリラックマは、そのリラックスした性格でファンを魅了しています。そのシンプルで愛らしいデザインは、子供から大人まで幅広い層に人気です。
リラックマのキャラクターが際立つ理由は、他のかわいいマスコットたちと比べても、リラックマのゆったりとしたライフスタイルが強調されているからです。彼のメッセージは「ゆっくり過ごして、休息を大切にしよう」というもので、忙しい現代人にとって共感できるものとなっています。
多機能でかわいいコリラックマぬいぐるみマルチポーチ
新作アイテムの中でも特に注目されているのが コリラックマぬいぐるみマルチポーチ です。この商品は、ただのかわいいアクセサリーではありません。学生ならペンケース、化粧ポーチ、旅行時の小物入れなど、さまざまな用途に使える万能なポーチです。
デザインと機能性
コリラックマぬいぐるみマルチポーチ は、そのかわいらしいデザインに加え、機能性も優れています。柔らかいぬいぐるみ素材で作られており、コリラックマの特徴的なボタンやかわいい顔がしっかりと再現されています。ポーチの中は複数のコンパートメントに分かれており、ペン、鍵、化粧品、さらには充電器やイヤホンなどの小物を整理するのに便利です。
特に優れているのは、その多機能性です。普通のポーチとは異なり、収納スペースが広く、かつコンパクトで持ち運びやすいのが特徴です。ジッパーも丈夫で、しっかりと物を保護してくれます。
なぜこれが必要なのか?
このポーチは単なるかわいいグッズではなく、実用的なアイテムです。日常の小物整理に便利で、どこにでも持ち運びができるため、普段使いに最適です。また、軽量で持ち運びやすく、旅行や外出時にも便利です。
さらに、リラックマファンへのプレゼントとしてもおすすめです。高品質な素材で作られており、耐久性も抜群なので、長く愛用できるアイテムです。
サンエックスネットショップで見つけるリラックマ最新グッズ
サンエックスネットショップでは、常に リラックマ最新グッズ が揃っており、コレクターやファンにとっても見逃せないアイテムがたくさんあります。ぬいぐるみからアクセサリーまで、リラックマの商品ラインナップはどんどん拡大しています。以下は、サンエックスネットショップで購入できる新作リラックマアイテムの一部です。
1. リラックマ パフェテーマのぬいぐるみ
リラックマとその仲間たちがカラフルなパフェをテーマにした衣装を着ている、かわいいぬいぐるみシリーズが登場しました。ホイップクリームやチェリーなど、スイーツをモチーフにしたデザインが魅力的です。食べ物をテーマにしたコレクションが好きな方や、ぬいぐるみを集めている方にぴったりです。
2. リラックマ おやすみブランケットセット
寒い夜にぴったりのリラックマおやすみブランケットセット。リラックマが描かれた軽量で柔らかいブランケットがセットになっており、一緒に可愛いぬいぐるみも付いています。ファンへのギフトとしても最適です。
3. コリラックマ エコバッグ
環境に優しいアイテムとして注目されているのが、コリラックマのエコバッグです。軽量で折りたたみやすく、耐久性も抜群なので、日常の買い物やお出かけにも便利です。
4. リラックマ スマホケースとテックアクセサリー
テクノロジーを楽しむファンには、リラックマのスマホケースやアクセサリーが豊富に揃っています。リラックマのリラックスした表情が描かれたケースや、かわいいデザインのポータブル充電器など、デジタルライフに癒しを与えてくれるアイテムです。
5. リラックマ キッチン用品コレクション
リラックマがあなたのキッチンにも登場!最新のリラックマグッズには、食器やカトラリー、マグカップなど、リラックマとその仲間たちが描かれたキッチン用品が揃っています。機能性とかわいさを兼ね備えたこれらのアイテムで、日常の食事がもっと楽しくなること間違いなしです。
リラックマグッズを集める魅力
リラックマのグッズは、子供から大人まで幅広い層に支持されています。特にコレクターにとっては、そのメッセージ性やデザインの細部にまでこだわった商品が魅力です。リラックマは、日常の忙しさから解放されて、ゆっくりとした時間を大切にすることを教えてくれます。
商品自体も、厳選された素材と細やかなデザインで作られており、ファンにとって特別なアイテムとなります。ぬいぐるみやポーチ、アクセサリーの一つひとつがキャラクターの個性を反映しており、ファンにとっては特別感のある商品です。
コレクターにとって、サンエックスネットショップは、リラックマのアイテムをさらに充実させるための宝庫です。限定版のぬいぐるみや、実用的なアイテムである コリラックマぬいぐるみマルチポーチ など、ファンにとって見逃せないアイテムが満載です。
リラックマファンへのプレゼントアイデア
リラックマ好きな友人や家族へのプレゼントをお探しなら、サンエックスネットショップにはたくさんの素敵な選択肢があります。以下は、プレゼントにぴったりなアイテムの一部です。
ぬいぐるみ: ぬいぐるみは、いつの時代でも喜ばれる定番のギフトです。新しいテーマやデザインが続々登場しているため、受け取る相手の好みに合ったぬいぐるみを見つけることができます。
ファッションアイテム: ポーチやバッグ、靴下など、リラックマのファッションアイテムは、日常生活にキャラクターを取り入れたいファンにおすすめです。
ステーショナリー: リラックマデザインのノートやペン、手帳は、文房具好きな方や、かわいいグッズで毎日を彩りたい方に喜ばれることでしょう。
ホームデコレーション: リラックマのキッチン用品やブランケット、クッションなど、部屋をかわいく演出するアイテムも人気です。
なぜサンエックスネットショップを選ぶべきか?
リラックマグッズを購入できる場所はたくさんありますが、サンエックスネットショップは公式のストアであり、高品質かつ正規の商品が手に入る場所です。また、常に最新のリラックマグッズが揃っているため、限定商品や新作アイテムをいち早く手に入れることができます。
さらに、サンエックスネットショップでは、海外への発送も対応しており、世界中のファンが簡単にリラックマの商品を購入できるのが嬉しいポイントです。日本国内外問わず、自宅にいながらお気に入りの商品を手軽に注文し、届けてもらえます。
結論
リラックマとその仲間たちの世界は、日々新しいアイテムで広がり続けています。実用的な コリラックマぬいぐるみマルチポーチ や、かわいらしい リラックマ最新グッズ など、サンエックスネットショップには、ファンが喜ぶ商品が豊富に揃っています。
これらの商品は、日常生活に癒しや楽しさをもたらしてくれるだけでなく、リラックマの「ゆっくり楽しもう」というメッセージを思い出させてくれる存在です。ファンでなくても、普段の生活に少しだけかわいさを加えたい方、もしくはリラックマ好きの友人にプレゼントをお探しの方に、サンエックスネットショップはぴったりの場所です。
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mokkung · 4 years
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映画『ザ・レイド』 〜DIY精神に満ちたハイレベルアクション映画を見よ!〜
2011年 インドネシア 原題:The Raid -Redemption- 監督:ギャレス・エヴァンス 脚本:ギャレス・エヴァンス 撮影:マット・フラネリー 音楽 マイク・シノダ、ジョセフ・トラパニーズ 出演: イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン、ジョー・タスリム、 ドニー・アラムシャー、レイ・サヘタピー、ピエール・グルノ、テガール・サトリヤ 
youtube
 昨年、インドネシアからの留学生を連れて尾道に日帰り旅行へ行ったときのこと。千光寺公園へ行ったり、美味しいものを食べたり、楽しかったのですが、道中の車内でインドネシアの文化や生活の話を教えてもらったことが興味深かったです。話しぶりからはやはり、K-POPや韓国ドラマ&映画などはインドネシアでも人気なようで、韓国産エンタメの世界的な影響はやはり大きいなと実感しました。ちなみに日本の映画も、ある程度観られているようで、話してくれた留学生は映画「13人の刺客」(三池崇史のやつ)が好きだとのこと。アニメ作品を挙げてくるかなと思っていたので、意外な作品が出てきてびっくりしましたけどね。
 そんな中、インドネシアで作られた映画で、オススメはないか訪ねたところ、教えてくれたのが、映画「ザ・レイド」でした。
あらすじ
麻薬王が支配する30階建ての高層ビルに、強制捜査のため警察の特殊部隊が強制捜査に入る。しかしそこは、恐るべきギャングや殺し屋のアジトがひしめき合う、ヤバい奴らの巣窟だった。捜査情報が漏洩しており、返り討ちに合い壊滅的な打撃を受ける警察部隊。警察部隊の一人、ラマ(イコ・ウワイス)は次々と仲間たちが倒される中、何とか生き残り、その戦闘能力を駆使して、麻薬王を捕らえるため上層階を目指す・・・。
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引用元
インドネシアが生んだアクション映画の大傑作!
 ぶっちゃけ、そんなに期待していなかったのですが、想像を遥かに超える質の高さでした!
 まずとにかくアクションがとんでもなく良い!アクション映画としてのレベルは相当高い映画だと思います。こんなにおもしろい映画がインドネシアから登場したことにびっくり。
 序盤は突入してきた警察部隊と、それを返り討ちする殺し屋軍団の、銃撃戦を中心とした戦闘が中心になりますが、役者は専門的な銃撃戦のトレーニングを受けて撮影しているようで、かなりそれらしい動きをしていますし、���しく見ごたえのある演出になっています。アメリカ映画と違って実銃が使えるわけではないので、驚いたことに全てモデルガンを使用していて、薬莢や発砲時の火薬の光をCGで付け加えているとのこと!また暗闇の中、敵味方が互いに索敵している状態で、発砲した際の火薬の光によって敵の居場所を察知するという描写は、実際にあり得ることだと思いますが、これまでの映画であまり見かけなことがなくて新鮮でした。発砲時の光をこんなに強調した映画は珍しいですね。さらには警察部隊が突入するときに使用した車両も、メイキング映像を見る限りオンボロの古いトラックを改造して自分たちで作成したようで、クオリティを上げたり面白いものを作ろうとする作りてのDIY精神が素晴らしい!
・メイキング映像①(オンボロトラックを改造して使用した車両を、演者がみんなで押してエンジンをかけている!!!)
室内戦の臨場感を引き出すカメラワーク
 ビルの中という限定的な空間が舞台で、敵を倒しながら上層階を目指し最後は脱出!という、何かのゲームのような設定は、聞くとバカっぽい感じがするかもしれませんが、ストーリーの幅をコンパクトにして、アクション演出の面白さを強調することができていると思います(もちろん、予算の都合もあるのでしょうが・・・)。しかもいい感じの薄汚いボロっちい建物で、雰囲気がとても良い。
 そんなビルの中での戦闘シーンは手持ちカメラを多様しており、臨場感を演出するのがとても上手くできていました。一続きの長めのカットのままカメラをブンブン動かして視点を素早く切り替えることで、その場の緊迫感を上手に引き出しているし、室内のどこに何があって、誰がどう行動しているのかも流れるように見せてくるカメラワークはとても効果的でした。結構狭い場所で撮っているようなので、かなり苦労したのではないかと思われますが、メイキング映像によると一部は部屋のセットを別に作って撮影してますし、床に穴を開けてフロアを移動するシーンがあるんですが、そこは手渡しでカメラを移動させて人物を応用に途切れなく撮影する工夫をしており、やはり戦闘シーンのカメラワークはこだわって作られていると思われます。
・メイキング映像②(アクションシーンがどのように作られているのかわかります)
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引用元
シラットの魅力!そしてマッド・ドッグに陶酔!
 インドネシアを中心に東南アジアで流布する伝統武術に“シラット”というものがありますが、中盤以後はこれを駆使した戦闘が中心となります。この映画を観るまでシラットのことを知らなかったのですが、軍用の格闘技術に導入されていたり、実はブルース・リーが創始者であるジークンドーにもシラットが応用されているなど、世界的には結構メジャーな武術だそうです。
 めちゃくちゃ攻撃的でキレッキレで、時には泥臭い感じもある格闘アクションは、まさに殺し合いそのもの。そして他の映画と異なる点として、いわゆるモブキャラですらみんな強い!大体の映画ではザコ敵が群がってきても、メインキャラにボコボコにやられたり、難なく一撃で倒されていくことが多いですが、この映画はみんな強い上に、集団でかかってくるので主人公もかなり手を焼き、かなり痛めつけられ、どうにかこうにか勝てるという感じ。マチェーテを持って襲ってくる連中のビジュアルも良いですね、いかにも危ない奴らって感じで(マチェーテを口に咥えて壁を登る様子とか素晴らしい)。
 主人公のラマを演じるイコ・ウワイスは当然良いのですが、なんと言っても魅力的なのが、殺し屋軍団の2番手、マッド・ドッグを演じるヤヤン・ルヒアンという役者です。身長が低めで、一見ひょろっとしたおでこの広いおじさんなんですが、身体能力がパねえ!マッド・ドッグのキャラクターも魅力的で、めちゃくちゃ強いし、妙なオーラが出てて独特の魅力を放っています。敵を追い詰めても、最後はあえて殴り合いに持ち込み、銃は使わず拳で相手を殺すことをモットーとする狂犬ぶりは、すぐに何でも簡単に解決しようとする現代人に一石を投じるような存在(言いすぎ・・・)。僕は彼の魅力にイチコロでした。
 ちなみにヤヤン・ルヒアンは続編の「ザ・レイド GOKUDO」に、妻と離婚して子供の仕送りのために戦う哀愁漂う殺し屋という、マッド・ドッグ全然違う役で出演していてびっくりしました。 本作によってヤヤン・ルヒアンもイコ・ウワイスも世界に発見されてしまい、以後ハリウッドのアクション映画に出演ようになりました。それぐらい本作が世界のアクション映画にインパクトを残した映画となったのです。
・マチェーテ軍団とのファイトシーン(これがシラットだー!) ・マッド・ドッグの初ファイトシーン(かっこよすぎる・・・・) ・映画「ザ・レイド GOKUDO」(遠藤憲一や松田龍平が日本のヤクザとして登場しますが、びっくりするぐらい戦闘には絡んでこないので拍子抜けしますが、こちらもアクション映画として大変見ごたえがあります)
 アクションのことばかり書きましたが、サスペンス描写も見事で、敵に追い詰められて八方塞がりになった状態をどうやって打開するのかとか、壁の裏に隠れている場面のバレるバレない演出とか、結構ハラハラさせられるシーンも上手でテンポも良かったと思います。後半のマッド・ドッグとの戦闘が最高潮で、素晴らしいのですが、その後の終��の展開は尻すぼみ感が否めません。怒涛の戦いを観ることができた分、締めくくりが凡庸だと、急にテンションが落ちる感じがしてイマイチでした。あとこれは個人的な希望ですが、冒頭の礼拝シーンのごとく、もう少しインドネシアの生活・文化が垣間見えると良かったかなと思います。限定的な舞台設定なので仕方ないでしょうが・・・。
最後に
 ハリウッドでなくても、少ない予算でも、DIY精神でここまですごいクオリティのアクション映画が作れるのだということを思い知らせてくれる一作です!ナメててすいませんでした!
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yrkhang · 5 years
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「小生狸がよく喋る、でもないけど2020.02」
やあ困りましたね。
最近朝も夜も電車がよく止まってるんですけど、困りましたね。
昔は電車止まっちゃうと面倒くさくてその辺の居酒屋さんにふらーっと吸い込まれて3時間くらいぼんやり時間を過ごしたりしていたのだけど、最近は本当に体力が落ちてきてしまっていてそういうのも難しくなってきた。
電車の止まってる駅の様子は、眺めてる分には割と面白かったりもするのだけれど、なんだかとげとげしていてあんまり好きではない。
東京って街の脆弱さを見てる感じ。
今年は割とぷらっぷらしてる年になりそうで、先月はぷらっと福岡あたりにいってきた。5年か6年くらいぶりになるのかなあ。相変わらずいい街だった。
福岡すごく好きな街なんですけど、なんでこんなに好きなのかというところは判然としない。
ひとつ、空港がめちゃめちゃ近い。
国内で行くとしたら個人的には福岡か札幌の二択なんだけど、札幌、空港遠くない…?新千歳から札幌駅にたどり着くまでにラーメン食べてビール飲んでラムつついて、ついでにその辺ぷらぷらしてくらいの時間があるじゃないですか。遠すぎるやろ…
その点福岡はほんと良くて、昔の香港みたいな距離感で街の中にどてっと空港がある。地下鉄で二駅6分もあればもう博多駅だ。最高。…もっともこれは地元の方的には色々迷惑なとこもあるのかなと思ったりする。
ひとつ、街がコンパクトで何でもある。
東京あたりで暮らしてるとほんと、東京って広すぎるんですよね。歩いても歩いても都市があるじゃないですか。どうかしてる。こういうのって鉄道の路線図眺めて実際乗ってみると分かるんですけど、東京以外の大都市圏って環状線でぐるっと回ってみても山手線の半分以下の広さしかないんですよね。路線図みて似たような感覚で乗ってると「えっ!?」てなる。
福岡で言えば空港線で博多から祇園、中洲を経由して天神までざっと15分くらいになるのかな、その中で博多駅前の表側はこの数年で随分近代的になっていろんなお店があるし、これは今回地元の方に教えてもらって知ったのだけど裏っかわは所謂「繁華街」で飲み屋さんがいっぱいあるらしい。裏っかわ行かないから知らなかったなあ…。海外からの西の玄関口でもあるから駅ビルには一通りのうまいもんもおみやも揃ってて、おのぼりさん的にはここだけでも事足りる感じ。
祇園のあたりは古い街で神社とか商店街とかある。緑が多くて清々する。このあたりは意外と夜は静かで昼の街という感じ。そこから中洲方面に向かうと夜の側面が出てくる。今回のみすぎてホテルに着いたのが12時過ぎくらいだったんだけど、中洲の辺りはほんとに活気があっててっぺんくらいじゃ「まだまだこれから!」って感じ。元気ありすぎでしょ…。遅くまでやってるラーメン屋さんとかも多くて有難い感じ。天神は個人的には「福岡のモダン」みたいな印象で、地上はでっかい百貨店がずらっと並んでて地下街も洒落てて綺麗。あの地下街は一見の価値あると思ってる。こぎれいなお店がいっぱいあるんだけど、ここは同時に若い商店街っぽさもあって、なんというのか綺麗なんだけど土着的みたいな感じがして、とても活気がある。このあたりは戦前の万博みたいなものの会場になっていたところが戦後再開発された一帯らしくて、街としての若さもあるんだろうなあみたいな感じがする。若い人が多いのでちょっと歩くとこじゃれた喫茶店とかもいっぱいあって、あと何故か福岡のこの辺りはソフトクリーム屋さんが異様に多い。やっぱり暑いのかな?わかんないけど、そういうお店に冬場でも若い人たちがいっぱい入っていたりしてなかなか面白い。ここから西に向かうと佐賀方面、松原とか見に行くことも出来るし西鉄に乗り換えて大宰府見物に行ったっていい。
福岡には何でもある。何でもあるし、これだけあってコンパクト。先に書いた地下鉄で言えば多分福岡ドームまでいっても30分くらいだろうし、歩いてみれば意外と天神から祇園まで小一時間くらいで歩けたりする。
それだけの距離の中にこれだけ多くの景色が詰まっているというところが個人的に思う福岡の魅力なのかな。
あと、福岡は人がいい。何か知らんけど、なんとなくいい。昔から人の往来が多いからなのかな、なんとなく見てても開けてる感じがする。田舎の街にありがちな閉鎖性があんまり感じられなくて、他所から来た人に対してもフランクというかあけっぴろげな印象がある。その一方でほっといてほしい時はほっといてくれる雑さもある。僕みたいなおのぼりさんにはこの街のこういうところはとても有難い。今回数年ぶりの友人たちとも顔を合わせたのだけど、ほんとに気さくに節制て貰えて嬉しかったな。なんか、距離があるようでない街なんじゃないのかな。
いやビールがうまくてさ。どういう訳だかアイリッシュパブみたいなお店がめちゃめちゃいっぱいあるんだよな。なんか市内で強いチェーンがあるらしい。混んでたら近くのお店と融通しあってくれたりもして、なんというか強かさがある。ハイカラと書いたけど個人的にこの街はジャズとかに強いところも好きだったりして。ジャズバーがいっぱいあるんですよね。今回時間無くて行けなかったけど天神のほうに沢山あって、これがまた楽しいんだ。また行きたいなあ。
なんか福岡の話してたら終わっちゃう感じになった。好きなんです福岡。次は日本酒もちょっと飲みたいんだけど時間あるかなー…うどんも食べれてないしなあ…
閑話休題。
で、今日は早く帰りたかったんです。
なぜならば、CDがおうちに届くので…。
https://twitter.com/RON_SDF/status/1224588002279604224
はい、えー、出ましたね…
やっと出た……長かった………………
ろんさんがやってるソロプロジェクト「STEREO DIVE FOUNDATION」。待望の1stアルバム、ようやくのリリースでございます。いやほんと、何年待ったと思ってるんですか。いい加減にしてください。
ろんさんの曲すきなんだけど、このSDFの楽曲というのは彼が色んな方に提供してきた曲とはちょっと違うのかなみたいな風に思っていて。さっき受け取ってきて一通り聴いたとこなんだけど、うん。期待通りのアルバムがスパッと出てきた感じ。
SDFの曲はすごくダンスっぽいというか、リズムトラックが前に出てるとこがいいなあと思っていて。ろんさんって初期OLDCODEXでも見せてくれてたみたいなギタープレイが印象に残ると思うのだけど、意外とKBな方でもあるんですよね。SDFでやってる彼の曲には、そっち側の彼の横顔がすごくでてる感じがして好きなんですよね。きっちり攻めたアガるサウンドのなかに、それでも突き抜け切らない緻密なテンションコントロールみたいな部分があって。多分盛り上がる曲って突き抜けてしまった方が音楽的にはむしろ簡単��んじゃないかと思うのだけど、ここでやってる音楽はその突き抜け切らない難しいところをやってる。アガってるし攻撃的なんだけどダウナーでフリーな感じ。そのバランス感覚が気持ちいいんです。いやーいいなあ。いいアルバムが出てくれた。めちゃめちゃ嬉しいです、今。
タイアップも良くて、GANGSTAもノブナガザフールもDimensionWもいい作品じゃないですか。GANGSTA2期やってくれないかなあ…様々な悲しい事情で難しいことも分かってるけど、それを望んでしまう…ああいう作品が昔からすごく好きだった人間としては、何とか、みたいに思う。んー、でもまあそのためにはきちんとお金を落とさねばね。
キラッキラしてるけどどこか無骨、みたいな感じで。そういうところが作品タイアップ上にすごく活きているんだよな。
んー、そだな。
最近、10年ぶり…20年ぶりくらいになるのかな、「新規開拓」みたいなことをしていて。僕は本質的にすごくオタクなところがあって、基本的には好きな音楽があったらそればっかり延々と聴き続けているようなタイプの人間なんだけど、どういうわけだかふとした感じで最近ちょっと知らないところに足を踏み出したりしてて。
知らないことに触れるのって、やっぱり楽しいね。
知らない事ばかりだから戸惑ったり困ったりもするのだけれど、そういうことも含めて、今は何でも楽しい。最近触れてる音楽は僕が昔、それこそ学生時代に慣れ親しんだ音楽に多分近いところにある何かだと思っているんだけれど、それって近いだけで全然違う別の何かで。近づいてみるとそういうことがはっきり分かってくる。やっぱり音楽って生きていて、変わっていっているんだなあと実感する。変わっていくものだから知らない事ばかりで、そういう知らないことに触れることが楽しいし、知らない筈のそれが何故か懐かしく感じられることが面白い。
知っていた筈のものが全然別の姿で突然目の前に姿を表わした、みたいな。そういう感じの感想で、最近は身の回りの音楽に触れてる。その楽しさがいい。楽しいというのは気楽でいいね。
先日福岡で友達と話してて、「僕らは<頑張らない>を頑張らないとできないとこがよくないね」みたいな話を少しした。
頑張ろうってつもりはないのだけれど、気づくと僕らは頑張ってしまっている。それ自体を悪い事とは思わないけれど、必死になるあまり自分でも気づかないうちに見落としてしまっていることは、間違いなくあると思っている。
個人的な2020年の目標に「頑張らない」を立てている。別のところにふらふら歩いてみても僕らは結局僕らのままで、ふと気づくと頑張ろうとしてしまっているようなところがある。そうして、その中で見落としてしまっていることが恐らく沢山ある。そのひとつは例えば僕が福岡にいく度に感じるような何らかであり、ひとつは例えば僕がSDFの音楽を聴いていて感じるような何らかであると思う。
「現在」に近づきたい、という欲求がある。「ありのまま」を捉えたい、という欲望がある。
そして、近づこうとするたび、捉えようとするたび、見失ってしまうものがある事を知っている。
今年は、何とかそれをきちんと見出して、形にしたい。そんなふうに思っている。
やあ困りましたね。
困ったことに、困ったときの僕はいつもワクワクしてしまっているのだなあ。ワハハ。
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nemosynth · 5 years
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<海外シンセ興亡記 II : Emu Systems Emax S.E review >
●メーカー名
E-mu Systems Inc.(イーミュ)
シーケンシャルを創業したデイヴ・スミスに対し、もうひとりのデイヴおじさんこと、デイヴ・ロッサム(Dave Rossum)が興したシンセメーカー、E-μ Systems。1972 年に法人化、本社は合衆国。 このロッサムおじさんは、ポリシンセを創るのに欠かせないデジタルスキャニングキーボードを開発し、1973 年には特許も取得。Oberheim 4 Voice を始めとする世のポリシンセは、ほぼすべてこの特許をライセンス使用。これによりロッサムおじさんは「ポリシンセの父」とも言われる。
ところがその特許料を、シーケンシャルが解釈の違いから支払いをやめるという事態が発生。当時、7万ドルくらいもする大規模なアナログシンセ「Audity(オーディティ)」を開発中だったイーミュは経営危機に。やむなくコストがかかる Audity 開発は強制終了。
代わりに急遽ぱぱっと開発できてメシのタネになる新機種を!というので、従業員一同が知恵を絞ってると、’79 年 AES ショーにてオーストラリアからフェアライト CMI が出展。これを見たイーミュは「フェアライトは大規模な音楽コンピューターだが、サンプリングに特化すれば、よりコンパクトかつ安くできる」と考え「サンプラー」という機種名の、まさしく史上初のサンプリングマシンをマッハで開発。
そのさなか、ふとある従業員が「いいアイディアを思いついた」と、にんまり笑いつつロッサムおじさんのところへやってきて
「機種名をイーミュレーターにするのさ」
と提案。エミュレーターやエミュレーションというコンピューター用語のとおり、物真似する者を意味する「Emulator」、それもイーミュという社名に引っかけた名前をもつ機種「イーミュレーター」が、そう、誰あろう史上初のサンプラーである初代イーミュレーターが、ここに誕生。
1981 年に発売された初代イーミュレーターは、8bit、128KB RAM、5インチフロッピー、49 鍵、そんなんで当時定価 200 万円以上もしたとはいえ、またたくまにプロの間で大ヒットとなり、サンプラーの代名詞になった。後継機種 Emulator II にいたっては、512KB ~1MB RAM でもって、もはや不動の定番になり、すっかり業界標準機として定着。これでイーミュは食っていくことになった。
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だがそのあと、1984 年には米国 ensoniq 社 Mirage、さらにその後 AKAI S612、S900 をはじめとする、40 万円を切る価格破壊モデルともいうべき競合機種が出まわりはじめ、イーミュといえど安閑としてられなくなったのである。
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●機種名
Emax S.E(イーマックス・エス・イー) 1986 年発売 61 鍵、ベロシティのみ対応
E-mu 社初の廉価版サンプラー Emax。このシリーズには、以下の派生機種がある;
・Emax;素のサンプラー ・Emax S.E;倍音加算合成と、TM シンセシスとを追加 ・Emax HD と Emax S.E-HD;20MB の HDD を内蔵 ・EMAX II ;後継機種。Emax S.E をベースに、16ビット化、最大8MBの内蔵メモリー、固定サンプリング方式、デジタルフィルター、SCSI 標準装備、最終的にはステレオサンプリングも可能に
廉価版とはいっても、五十万円以上した。 私はそれを、まだまだ Emax が現役時代に中古で買った。そしてそののち、システムソフトウェアがアップグレードされ、Emax S.E となったので、そのアップデーターをフロッピーで入手、アプグレした。
二百万円以上もした伝説の名機イーミュレーターII を、1チップにまとめたという「E-Chip」なる独自開発のチップを採用。Emulator シリーズと同じく可変サンプリング方式。二代目 Emax II になってから、どうやら固定サンプリング方式になったらしい。固定サンプリングは開発するには難しいが、ピッチ可変幅が大きくとれるので有利。本稿で取り上げる初代 Emax シリーズには、これはまだ採用されていない。
OS をフロッピーディスクで供給するのはいいが、OS 用 RAM が小さいので、使用中もずっとドライヴもフロッピーを突っ込んだままにしておかないといけない。そしてエディットすると、いちいちフロッピーを読みにいってシークしたりするのが遅い。
ただ、イーミュレーター II が、5インチという当時すでにレガシーになりつつあったフロッピーを採用したのに対し、Emax シリーズは 3.5 インチという、当時流行していたメディアを使い、容量もハンドリングも有利であった。
●音源方式
オシレーターでの波形生成には、以下の3種類があり ・サンプリング ・サイン波倍音加算合成を利用したウェーヴテーブル ・TM シンセシス オシレーター以降は、VCF / VCA によるアナログ減算方式
よって、デジアナハイブリッド・サンプリングシンセとして使える。
Emax S.E ではなく素の Emax は、サンプリングした波形を減算方式で加工するサンプラーであった。その実態は2オシレーター構成の後ろに、各1基の VCF、VCA が続く。つまりコルグ DSS-1 とほぼ同じ構成で、ただし最後についてる内蔵エフェクトはコーラスのみ。メニュー体系や使い勝手も DSS-1 と似ていて、小さい液晶画面なのにとても使いやすい。
2オシレーター構成なのだが、彼らはそれを大々的に言わず、それどころか 「音をレイヤーしても発音数が減りません!」 など��魔法のような宣伝をしていた。なんのことはない、普段は1オシレーターのみ駆動し、レイヤー時に2オシレーター駆動しているだけなのだが!
A/D、D/A の解像度は 12bit。しかしディスクへ保存する時は、なんと8bitにまで圧縮する! 圧縮すれば音は悪いのか? でも、よぉ考えたら、そもそもデジタルそのものが圧縮である! せやかてデジタルは、アナログ曲線を離散値で量子化して間引いてまうやんけ!! そんなわけでかどうか知らんが、けっこう味のある音がする。 ちなみに 200 万円以上もした上位機種イーミュレーター II は徹頭徹尾、8bit である。いさぎよい!
メモリーは恐らく 512 KB で拡張不可。キロバイトといえど、この当時のプロ向けサンプラーでは標準的な RAM 容量であり、カシオ FZ-1 が1MB に達したときは話題となった。
鍵盤はベロシティのみ対応で、こんなに高い機種なのにアフタータッチがついていないことに驚愕したが、じつは二百万円したイーミュレーター II も同じであったと、のちのネット時代になって知った。
8パラアウト仕様だが、どうやら各アウト端子ごとに D / A がついているらしいところは、さすがサンプラー元祖のこだわり。
減算方式部分は素の Emax と同じだが、Emax S.E には、追加ですさまじいシンセ機能が装備されていた。これは、ソフトウェアのアプグレで可能であり、そのためのアップデート専用のフロッピーが販売されていた。
Emax S.E の S.E とは、Synthesis Enhanced の略だけあって、ただのサンプリングに加え、サイン波倍音加算合成(本機では Spectrum Interpolation Synthesis と呼ばれていた)を利用したウェーヴテーブル、そしてトランスフォーム・マルチプリケーション・シンセシス(Transform Multiplication Synthesis)という、とんでもない波形演算ができる演算が追加された。 すべて詳しくは後述。
●同時発音数
8音 当時としてはきわめて標準的。
●内蔵エフェクトの性能と傾向
コーラス内蔵 あるだけ御の字。
●内蔵波形、プリセットの傾向
サンプラーなので無い、って、ごめんなさいね 笑
●エディットの自由度と可能性
オシレーター部が凄まじい。
サイン波倍音加算合成は 24 倍音まで。なーんだ少ないと思うなかれ、こうして作った波形を 24 波まで時間軸上に並べることで、まさに PPG のウェーヴテーブルの簡易版のように、オシレーターだけで音色変化を創造できる! しかも開始波と終了波だけを作成し、間は自動演算で補完させることもできる。そのあとさらに倍音ごとの音量エンベロープも設定可能で、しかも倍音ごとにピッチ・エンベロープまでかけられる。そんな倍音、倍音って呼んでよいのか? ただし演算がノンリアルタイムなので、パラメータを設定してからいちいち演算実行せんと、音が聴けん。非力マシンが魅せる、ちからワザ。できた波形はフロッピーにセーヴ。99 もの波形をプリセットしたフロッピーまで、おまけについてくる。
そして TM 合成こと、驚愕のトランスフォーム・マルチプリケーション・シンセシス。
あまりにも名前が複雑すぎて、アメリカ人でも発音できず噛み噛み、私が訂正して発音してさしあげたら、復唱してきたのちに「サンキュー」と。
これは2つのサンプルから共通倍音のみを抽出し、それらを互いに乗算させるという、とにかくとんでもない演算。おそらく2つのサンプルをフーリエ解析し、基音を含む共通の周波数を持った倍音を抽出し、それらの振幅を乗算させたのち、リシンセシスしていると思われる。結果は、たとえばヴァイオリンが言葉を喋ったりするが、多くの場合予測不可能。強烈な金属倍音が激しく流出したりして、たいへんな結果に陥ることも多い。
しかももっと大変なのが、こいつも演算がノンリアルタイムであるという事と、しばしば演算に半時間以上もかかるということ! 最大 40 分くらいかかるらしい。なんでもスパコンに相当する演算を、32bit CPUと8bit コプロとちーちゃなメモリでやっているから、という事らしいが、とにかく「Synthesize!」とノーテンキなメッセージに促されるままに実行キーを押すやいなや「○分お待ち下さい」などと LCD に出てきたひには、失神しそうになる。しかし、すでになりふりかまわず Emax S.E は演算に突入。どえらい波形レンダリングをしているわけで、もはや誰にも止められない。英文取説では
「ま、ちょっと休憩でもどうぞ」
なんてこと書いてあったりして開き直っている!
おまけに、この演算を実行するには、最低 32KB の RAM 領域が必要とかで、これを割り込むと「足りん! サンプル減らせ!」と怒られる。キロバイト単位であっても、貴重なリソース。
このように強力シンセシスを駆使して作成した音は、サンプル同様に2つのオシレーターにアサインすることでレイヤーできる。
そのあとにくるアナログの LPF も効きが良く、ツィーンと鋭いレゾナンスはまるでプロフェット5のよう。事実、イーミュレーター II をワンチップ化したというだけあって、今度の VCF すなわち SSM 2047 によって、みるみるうちにサンプルがおもしろいくらい別の音への変わっていく。また、マルチサンプル各々の鍵域とは全く無関係に、フィルターをかける鍵域をいくつも定めて各々異なった設定にすることもでき、これは便利!
LFO 波形は、サイン波のみだが、パンニングを LFO でボイス毎に違う位相で揺らすことも可能、和音に良い。
16トラックの簡易シーケンサーも搭載。アルペジエイターもあって、休符もプログラミングできる凝ったもの。
2オシレーター構造の片方にはサンプルを、もう片方には変態シンセ波形を、そして後段の VCF / VCA へと、先人たちのアナログシンセを夢見つつ、無比の音色加工に溺れる。これでもって、D-50 ふうの LA 音源みたいな音色や、エンソニック SQ-80 みたく国産機にない自由な発想でクロステーブル音源を再現できる。イーミュ自身、それを奨励していたのは、ちょうど D-50 の音色がブームまっさかりだったから。
16 文字×2行の狭い LCD だが、メニュー体系が分かりやすく、しかもそれがフロントパネルにもシルク印刷されていて、やりたい事がすぐできる。ただし前述の 24 倍音加算しているときに、ピクセル幅しかない棒グラフが縦向きにひょろひょろと 24 本も表示され、それでエ���ィットさせられるのには驚愕。
●拡張性
RS-422 端子装備! 特に古い Mac となら相性抜群? たしか Sound Designer とか Alchemy とかいったソフトウェアで波形編集できたはず。Sound Designer ですよ。この次の Sound Designer II なんか死んでも SDII フォーマットを遺した偉大な先人だが、初代 SD は?
●あなたにとっての長所
みょうに古い、メロトロンにも似た哀愁のあやしい出音。そして今となっては入手困難だろうが、豊富なライブラリー。クワイアーの音のあやしさなんか最高。VP-330 にも似た中高域と、メーテルの母のようなこわーい女性の低域。あれ、でもこれ「Male Voice」って書いてあるのに?
むろん強力無比の個性派シンセシス。そしてディスク・セーヴ時には8ビットにまで圧縮してしまうので、フロッピー1枚でもアホほど多くの音色が入る。
象牙のような鍵盤も静かで適当に重いのに滑らかで弾きやすい。グリスなんか世界一楽。でもこれはバージョンにより違うらしい。
自己診断プログラムもあって、イーミュ(和名エミュー)というダチョウのような鳥が、画面上を元気に走り回れば ok。これがまたかわいい。
この動画は、Emax II で撮影されたものだが、まったくおんなじ;
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ただ、これが自己診断機能だとは、どこにも書いておらず、取扱説明書に至っては:
「これは、内蔵姿勢制御装置を初期化し、過剰なジャイロ宇宙相対理論化を防ぐ機能です。注意深く画面を観察いただき、重力空間歪曲や明らかな時間の加速・遅延、鏡に映る物体が実際より近く見えるなど不安定化兆候が無いか、ご確認ください。 時に小さなエミューが Emax 内部に閉込められ画面上を走り回る事がありますが、これは安定化スキャン処理進行中の現象であり、Emax通常機能に影響はありません(超絶 Nemo 版和訳)。」
もうね、原文にある 「gyrocosmic relativation」とかバック・ロジャースのネタだし 「objects in mirrors appearing closer than they really are」って向こうの車のドアミラーに書いたーる警告文パロってるし どこにも「自己診断処理」て書いてないから 爆 それが自己診断機能だということは、生産完了後だいぶたってから、ネットかなんかで知ったw
そしてデザインが良い。Max Yoshimoto なる(日系?)イタリア人がデザインしたらしく、おしゃれな紫灰色ボディに落着いたくすみのあるパステルカラーのゴム製ボタン。テン・キーすら斜めに配置されているあたり、すばらしい。しかもデザイン重視なのに、メニュー階層と操作子とが分かりやすく、やりたいことをどうすれば実現できるか、すぐに分かる。
ちなみにフロントパネルの左はずれにあるスロット群は、スピーカーグリルではない。ただのデザイン。
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●あなたにとっての短所
でかい。
おもてはクールなのに、リアのロゴが不思議にダサい。ぼてっとしてダサい厚みもある。
当時は高かった。だって定価 50 万円以上。すでに先行して存在していた国産サンプラーは、10 - 30 万円くらいだったから、いくら廉価版とはいえ群を抜いて高かった。
●その他特記事項
かつて小室哲哉が TMネットワークに在籍しているとき、テレビ出演時に使っていたことがあって、少なからずともびっくりした。
当時のデペッシュ・モードのライヴでは、ドラムもギターも一切ステージに無く、ただただ Emax HD だけが4台、あとはカスタムメイドの MIDI パーカッション・パッドが少々あるのみで、いかにもテクノな感じのすっきりシンプルかつハイテクなステージ機材ぶりが印象的であった。ライヴビデオ「101」で、その様子が拝める。
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前述のとおり、史上初のサンプリングキーボードとなった Emulator は、
「イーミュレーター」ないし 「イミュレーター」と呼ばれた。今ふうに 「エミュレータ」などと読もうものなら、めんどくさいおっさんやじじいどもの集中砲火をあびるであろう。そんなことするから、めんどくさいおっさんやじじいどもは自滅するとも言えるのだが。
とまれ、イーミュという社名に引っかけて命名されたというのも、単語そのものは「競争者」「模倣者」という意味につき、まさに生音を模倣するサンプラーにふさわしい、センスの良い話。当時これしかなかったから、プロはみんなこれ使ってて、それがステータスモデルですらあった。
そこから Emax シリーズが、イーミュ社初の廉価版サンプラーとして登場。
Emax 発売が、1986 年。 EMAX II 発売は、1989 年。
そして生産完了となり、後継機種 ESI-32 へと取って代わるのは、じつに 1995 年のこととなり、Emax シリーズは、第2世代も含めて9年間にわたり販売されつづけるという、異例のロングセラーとなった。
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おのおの廉価版と言っても、50 万円以上した覚えがある。それでも老舗ならではの膨大なサンプル・ライブラリーが、しかも最初からたくさん用意されていて、たいへん重宝した。事実、9年間も売れ続けるというロングセラーぶりは、この独自のライブラリーに負うところがすべてである。
おそらくこれでイーミュ社は、日本製の低価格サンプラーに対し、価格競争に巻き込まれること無く、それでいてシェア拡大をもくろんだに違いない。つまりイーミュのネームバリューと、経験豊かなサンプリングの結晶たる質・量ともに圧倒的なライブラリーでもって、ハードの高性能化と低価格化ばかり追い求める日本メーカーに対し、貫禄あるソフトウェアの勝利を見せてくれようとしたのかもしれない。
そして、ネタが買えない人や、ありものの��タを必要と感じない人に対しては、自分でユーザーサンプリングした結果を加工すべく、そこんじょらに無いくらい強力な VCF や、そこんじょらにないくらい強力なデジタル合成たる TM 合成や、フレキシブルな 24 倍音加算音源がアシストしてくれる。
かくして、自分の声であっても、それが「あほんだらぇーい」と罵倒星雲するものであっても、フィルターで原型をとどめないくらい加工し、そのあとヴァイオリンと TM 乗算してしゃべらせるなりして、一躍有名な声になるかもです。
サンプラーとは、コンテンツ・ビジネスである。
Emax は、豊富なイーミュのライブラリーのみならず、自力でコンテンツを生み出せる、最強のサンプラーになるはずだったのだ。
私は苦労して買ったはずのカシオ FZ-1 を売り、そのカネで中古 Emax を入手、後にそれを Emax S.E にバージョン・アップした。当時、16bit サンプラーを売って 12bit に帰るのは私くらいなものだったが、それは膨大な中古ライブラリーをタダで入手できたからである。当時の私はローランド S-10 という初心者モデルでユーザー・サンプリングしまくっており、プロな音ネタに飢えていた。FZ-1 には謎のコンピューター端子と、元気なレゾナント DCF、8ステージ・マルチループなどの曲芸わざもあったが、音ネタも含むトータルでの格安さには勝てなかった。ソフトウェアの勝利。見事にイーミュ社の術中に。
ライブラリーとして供給されていた全てのフロッピーに起動システム・プログラムが入っていたために、S.E 版にするには一枚一枚ぜんぶアップデートせねばならなかった! あえて数枚だけ元のヴァージョンで残す。しかし、S.E にアップグレードして得た奇妙珍妙なる機能のおかげで、私にとってはむしろ追い風となった。自分でサンプリングしたネタも、強力に変態なシンセシスでよく加工した。
すなわちサンプラーたるもの、あたりまえだがネタに囲まれないと、これほど使えないものは無い。
そしてネタの管理が大変。どこにお気に入りの音色があったか、すぐ忘れる。だから管理しない。電源切ったら音色データがぱーぷりんになるくせに、ロード時間もいちいち数十秒かかるというのは、実にまどろっこしい。ばっちりハマる音色にたどりつくまでの試行錯誤たるや、はんぱでない。当時のサンプラーとは、面倒なしろものなのであり、カードリーダーに換装するのが、合理的。しかしあの当時は、プロはみんなよく使ってたから、忍耐強かった。
この後、各社から 20 - 40MB クラスのハードディスクを搭載ないし SCSI 接続できるハードサンプラーが出現し始めた。筆者も一時期アカイ S1000HD を使っていたが、本体内に複数のサンプルを保存できる上に、ロードが一瞬で済む画期的さに、単純に驚いた。だが高価。
しかしそれが、じつはハードが PC 化してゆく流れだったことは、Roland S-50 が CRT とマウスオペレーションを実現し、AKAI がエディターソフト MESA を開発することにより明らかとなった。それがゆえにソフトウェア・サンプラーの出現により、いきなりメモリーとストレージの上限が外れた上に、価格が数十分の一以下にまで下落、文字通り市場が崩壊し、さらに ReCycle! みたいな便利ツールまでがでてきて、純粋なハードサンプラーは絶滅。あおりくらって超高級機メーカー・イーミュ社も業績急降下、シンガポールのクリエイティヴ社に買収されたのち、おなじく同社の子会社と化したエンソニックと合併して Emu-Ensoniq となり、Emulator のソフトウェア版や、PC 用のオーディオボードを新開発するなどずいぶん様変わりした。現存するハードサンプラーとは、アカイ MPC シリーズのように、シーケンサーやらパッドやらツマミやらついた操作子ばりばりの曲作り重視パフォーマンス重視なワークステーション的な、言わば付加価値タイプのみと言って良い。
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かくして、純粋なハードサンプラーは絶滅し、楽器屋もきれいになり、知らん人が入りやすくなり、うさんくささもなくなり、あかるい家電量販店でホームユースのデジピを買い、あやしい Emax みたいな機種は、ソフトサンプラーと同じくネットの画面の彼方にて、オークションにて売買されるようになった。
サンプラーとは、コンテンツビジネスであった。 コンテンツは、ネタ勝負であった。
そこにまつわる諸問題へのソリューションを考えるとき。
まずロード時間;
すばやく効率よくネタを獲得するには、いちいちシーク時間が長いフロッピーというメディアは、あまりにも、とろすぎ。だからこそ MPC は、短いドラムサンプルに特化することで、このアキレス腱を回避。
ということは、普通のハードサンプラーであっても、ドライヴをカードリーダーに換装すれば、ロード時間問題は一気に解決できる。
次にユーザーインターフェイス;
MPC のような機種は、シーケンサーとユーザーインターフェイスと手を携えることで、生き延びる。
イーミュやアカイなどのサンプラーも、主要パラメーターが物理操作子で表に出ていたら、もっと使いやすいはず。
そして、どんな音色を求めるか;
ゼロ年代までのサンプラーとは、リアルな音の追求が至上命題であった。リアルであればリアルであるほど良く、だからこそ容量ばかり追求し、量的拡大がマスト。結果、ハードサンプラーは、容量制限がないソフトやアプリに駆逐されることになる。
だがその一方で、現実音を加工するシンセやエフェクトなども DAW へと結実し、DAW そのものがプラグインで現実音を加工するようになった。現実音を加工するほうが、倍音構成も複雑になり、リアルを超えたシュールレアルな世界が描ける。
リアルよりも理想的な音。
というわけで、なりふりかまわず何十分も演算しつづけ波形をつむぎつづけた TM シンセシスのように、なにか野心的なむちゃくちゃな蛮勇にあふれた試みが、それも自律してみずから音ネタをつくりだすための仕組みが、そろそろサンプラーにあっても良いのではないか? 私が知らんだけ?
そして敢えて問う、コンテンツビジネスとは、ネタありきだけでほんとうに良かったのか?
サンプラーは、ネタだけが勝負ではない、サンプラーとは楽器だったのではなかったか? 楽器としての完成度と使い勝手ではなかったか? Ableton Live が、Sequencing Instrument と銘打って飛び出してきた時、彼らはシーケンサーもが楽器であると言いたかったのではなかったか。
それに気づいたとき、ハードサンプラーとしての速度感と自由度の高さ、いい意味での限定という自由度の高さ、取り回しの良さが、再評価されるのではないか?
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2005 年ごろの私の部屋
謝辞; ハードサンプラーへの情熱を思い出させてくださった「まうんす@Pyro391」さん
なお、写真は私が撮影したもの以外は引用です。
Copyright © 2006-2020 Nemo-Kuramaguchi All Rights Reserved.
Revision log;  First edition posted on Feb 23rd, 2020. 
おまけ; 特に後半 Depeche Mode の音が出まくる Emax SE の胸キュンな 1986 年サウンドライブラリー動画6分 45 秒
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nariwaibook · 6 years
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ナリワイの一つ、武者修行は、世界各国の生活文化を見習いに行こうという企画で、ナリワイ伊藤の学生時代のボランティア先のモンゴル遊牧民エリアでスタート、その後、ナリワイ本の読者のKさんがタイでもやりたいと志願して、山岳民族アカ族の竹の建築技法と食の技を見習いに行くタイ武者修行が派生した。2014年にはじまり、今年で6期目になった。 山間部での暮らしの充実度という意味では、山岳民族の生活技術と文化はずば抜けていて別次元にある。写真のような高床式の家も、専門職ではなく村の人が集って難なく立ててしまう。村もコンパクトに歩ける範囲に集まっているので、鶏は放し飼いで子供達は広場などに自由に集まって遊んでいる。 何より、どの家に東屋があって誰かが昼寝をしたり、佇んでいるのですれ違ったら会話が発生して、孤独になりにくい環境である。 焼畑だからか、強制的な共同作業も比較的多くなさそうである。こういう平和な暮らしのあり方は、国内にいるだけだと見えては来ないかもしれない。
年に一度は今いる文化圏から離れて考え直す機会を持つことは、是非ともお勧めしたいことの一つで、武者修行もその一助になればと思ってやっている。日本だと会社を長期で休めない、という声が多いが有給を3日間取ったところで、職場に実際に問題は出ない。休めるという世界観に切り替えられればその後の動きも随分変わるだろうと思う。 (伊藤)
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aa-labo · 2 years
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おはようございます。 高蔵の家|愛知県名古屋市 キッチンに隣接するコンパクトな子供部屋。 クローゼットと机と本棚を造り付けで設けました。 出入口上部のランマ窓は回転式で、引き戸を閉めた状態でも風を通してくれます。 #子供部屋 #造り付け収納 #梁の見える家 #青木昌則建築研究所 #マイホーム #一戸建て #新築 #家づくり #建築家 #建築家と建てる家 #設計事務所 #設計事務所愛知 #設計事務所岐阜 #設計事務所三重 #建築士 #建築 #設計 #住宅設計 #木の家 #自然素材 #丁寧な暮らし https://www.instagram.com/p/CjgnjN4vbt1/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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