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窓を開けて寝る。鳥の声が聴こえて、共に目が覚めた。この町の夜明けの空が美しいこと、知らなかった。不健康に生きることがわたしの世界に対するささやかな反抗、ゆるやかな自殺だったのだと思う。
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薄曇のち、霧雨。
今日は朝から天気が悪かった。せっかく昨日洗った洗濯物が可哀想だと思う。コンビニの駐車場で飲む安い珈琲はそれなりに美味しい。
持つ者の気持ちは持たざる者に分からない。「望んで才能を持ったわけじゃない」と言った彼はマジョリティに搾取されていた。
ずっとブレーキに足をかけていたことに今気付いた。
抜け落ちた髪の毛を見て、一年後の自分はどこにいるんだろうと考える。何故か雨の日はこの町が都会じみて見える。
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鳥の声、魚が跳ねる音。
着古したコートを羽織って、アクセサリーも付けずに薄化粧で家を出た。私をみくびる全てのものと闘うためにヒールを履いていたことに気づいてから、本当は勤労なんてしたくないんだと思った。社会は第一次産業を蔑ろにしている。
目に映る、空の青。
雑踏にまみれてウィンドウショッピングするより、自然のなかで息したい。私は愛されてきた、一人の尊重されるべき人間であるということ、忘れたくない。忘れてはいけない。
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逃げだしたくて、けれど家には帰りたくなくて、客のいない喫茶店に行く。
また寒い春、
嫌なものといえば、わるいおもいで。うたかたのように、消えては浮かんで、世界をきらいにさせる。記憶のなか、うつくしくて正しいわたしだけになればいいのに。
剥がれそうなネイル、古いスカート、春にはさよなら、するので、ゆるしてほしい。
勝手にきずついてしまう真綿のようなこころである。
さみしい交差点では暗い紫に赤信号が溶けて、これがこの町の夜の色なんだと思う。
まだ家に帰りたくない。
ミルクティーに砂糖をふたつ入れたのは、精いっぱいの慰めです。
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疲れているし、わからないし、きみはだんだん誰かを忘れていく、ぼくも忘れていく、そうやって疲れている時は真っ白な穴が頭の中にあいて、それは見ることができない視界はいつも晴れているように見える、狭まっているなんて思わない、ぼくの中にいくつもの穴が空いてそこを風が通り抜けて気持ちいい、友達がたくさんいることや、動物が好きなことや、大切な本があることがだんだんその事実が言葉だけで残って、ぼくはその感触やそこにある言葉を忘れる、次に会った時には懐かしいと思うだろう、それはとても柔らかいてざわりでほっとするのだが、懐かしいことではなかったはずだと、ずっと続いていたはずだと、ぼくはいつまでも気づかない、穴が空いていく、風が通って、ぼくはとても気持ちよくて、癒されていて、だんだん疲れているとは思わなくなり、空が広く見える、ビルはとても高い、ぼくはまだ充実している、人生も長いし。そしてすべてのものが、とても懐かしい。
「青空の詩」最果タヒ
最果タヒTwitter
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何も予定がない休日がすき。
時間に追われる生活は、こころが荒む。
ショコラ・オレは正義です。
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